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水辺に魅かれて

Posted by 八少女 夕

ルガーノ湖

旅行に、通勤に、常にカメラを携帯していますが、「これを撮りたい」という光景は似通っているように思います。街の光景や美味しそうな食事、動物の姿、ちょっとした人びとの姿(顔が映らないようにしたりすることが多いし、ほとんど公開できませんが)の他に、多いなと思うのが水辺の写真です。

水に光が反射している、一瞬の光景に「あ」と思うことが多いみたいなのです。

スイスには海がないので、普段よく撮るのは湖や、沼、それに川などの写真ですね。

この写真は先日訪れたルガーノでの一瞬の光景です。
.05 2016 美しいスイス trackback0

Herbstzeitlose(イヌサフラン)

Posted by 八少女 夕

イヌサフラン

この花、ご存知でしょうか。イヌサフランです。この小説にもでてくるように、実は猛毒の草で、サフランに似ているから「ラッキー」などといって食用にしたりしてはいけません。

というような話がしたかったわけではなくて、この花が意味することを。

ドイツ語では「Herbstzeitlose」と呼ぶのですが、訳すると「秋の時を開くもの」で、要するにこの花が咲くともう完全に秋だと決定的になる季節のバロメータになっている花なのです。

スイスで一番素敵な季節は、夏です。(ウインタースポーツ好きの方をのぞいて)
その美しく素晴らしい夏が終わった事を宣言するこの花は、ちょっと嫌われていたりします。
少なくとも私と連れ合いは、この花を見ると「うわぁ」と大騒ぎします。
.01 2016 美しいスイス trackback0

実りの秋

Posted by 八少女 夕

葡萄が実る

夏を惜しんで、「この寒さは何かの間違い」と念仏を唱え続けていましたが、やはりとっくに夏は終わっていたらしいです。暦の上でももう堂々たる秋で、9月の頭からは狩りのシーズンが始まっているので、レストランでもスーパーでもジビエ料理推し(笑)

周りの植生もどんどん秋色になっていて、そろそろ今年のワインが準備される頃になってきました。

普段なら、こういう本格的な秋になる前に遅い夏休みを取って旅行に行くんですが、今年は日本に行く予定があるためにまだ休暇を取っていません。その日本行きも、まもなく。

せっかくですから日本の秋を存分に楽しもうと思っています。
.26 2016 美しいスイス trackback0

芝生のお手入れ

Posted by 八少女 夕

羊たち

日本と違って、スイスでは雑草がボウボウ生えているという光景はあまり見ません。ないわけではないんですが、氣がつくときれいに刈られています。

例えば公道でも数週間に一度芝刈りの車が通って刈っていきます。でも、すぐに回収しません。しばらく放置して乾かしています。そうなんです。刈った草は干し草にして家畜の冬のご飯にするんですね。

そういうわけで、わざわざ生やしてから一斉に刈り取るときもありますが、果樹園などそう簡単には刈り取れない所もあって、そんな時は夏の動物たちのレストランとなるわけです。

果樹の方も家畜の糞が肥料になるので一石二鳥。有機農法になるわけです。

ここのところ毎朝みかけるこの三頭の羊たち。キュートなので停まって眺めてしまいます。


.05 2016 美しいスイス trackback0

空見に参加

Posted by 八少女 夕

2016年3月21日はもぐらさんが主催なさっている、年に一度の「空見の日」です。みんなで同じ日に空を見上げてみようという企画ですね。せっかくなので、私も参加する事にします。というわけでこれは参加宣言。

ダルックスの空
この写真は今日の空見のものではありません。今日みた空は、後ほどアップする予定です。

私の住むグラウビュンデン州は、スイスの中でも特別に青空が綺麗な州なんです。低地(チューリヒとかルツェルンとかですよ)では、冬の間やたらと霧が多くて、空はどんよりという事が多いのですが、そういう所に住むお金持ちたちは、グラウビュンデン州に別荘を買って、この抜けるような青空を楽しみにくるのです。



この動画は、グラウビュンデン州の観光アピールなんですが(地元民しかわからないスイス方言ですみません)、アイベックスのジャンとジャッチェンが「あいつらこの下にわざわざ行くんだってさ」「し、下って、まさか霧の中に?」「そうなんだよ、俺たちも山も全然見えないのにさ」「あいつら頭おかしいんじゃないのか」と語っているんです。そこでナレーター「グラウビュンデンでは、霧はあっても温泉の中だけです。それにスキーパスもついてきますよ」とアピール。

今日の空見も、そういう風に晴れてくれるといいな。帰宅したら、空見の写真貼付けますね。追記に当日の写真を貼付けました。

この記事には追記があります。下のRead moreボタンで開閉します。

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というわけで、これが当日の写真です。

暖かい春の空になりました。
昼休みです。

もっと真っ青な時もあるのですけれどね。でも、晴れただけいいか。私の住んでいる所、職場などはだいたい標高700m付近です。スイス的には低い方になります。ライン河の川床のあたりですから。上に行けば行くほど真っ青になる確率が上がります。


.21 2016 美しいスイス trackback0

落葉松の秋

Posted by 八少女 夕

久しぶりに「美しいスイス」カテゴリーの記事です。小説が続いていますしね。

落葉松の秋

まもなく移住して15年になるんですが、住んで自然を眺めていると、同じ四季の移り変わりでも、同じ光景が繰り返されるのではないことがわかります。

花の美しい年もあれば、雪景色が感動ものの年もあります。その一方で、果物の収穫がいまいちの年や、シャッターチャンスを待っていたのにぱっとしない景色のまま終わってしまう年もあるのです。

今年は、2003年以来、ずっとなかった猛暑でした。まあ、日本と違って、クーラーがなくても乗り切れるのだから、大した猛暑じゃないでしょうけれど。その分、例えばラズベリーの出来はいまいちで、私の作るシロップを待っていた男どもをがっかりさせた年でもありました。

その夏が影響したのか、久しぶりに秋の黄葉が最高に綺麗になったようです。エンガディンの落葉松は有名ですけれど、これはもっと我が家に近いスプリューゲンの近くの光景。こんな美しい光景のすぐ側に住んでいるのだから、幸せだよなと思います。でも、この光景もいつまでも続く訳ではありません。天候や、時間が違えば、同じ年でも見られない自然。だから、一瞬の美しさを目に焼き付ける日々なのです。

.10 2015 美しいスイス trackback0

立ち会った風景

Posted by 八少女 夕

今日の話のカテゴリー、ちょっと迷いました。「思う事」にしようかなとも思ったんですが、まあ、「美しいスイス」でいいかな。その中間みたいな話です。

夕闇に

よくブログに写真は載せていますが、私は写真に関しては初心者以下です。「行った」ということの証拠写真に過ぎないようなものも多いのですが、たまには目にしている感動を映し出したくてシャッターを切る事もあります。大抵は「なんだかなあ」になってしまうのですが。

デジタルの時代になって、写真を撮るのはお金のかからない趣味になりました。以前は24枚撮りを現像してもらって、プリントとしてもらうのに1200円くらいはかかったはずです。だから、どこへ行くのもカメラを持って「とりあえずシャッターを切る」という事はしなかったように思います。今は、動くものを1分以内に24枚くらいを連写で撮って、一番いいものを残すというような使い方もします。いらないのは消してしまえばいいのですから。

そういうわけで、私は家からでる時に大抵、愛機OLYMPUS SZ-31MRを持っていきます。このカメラを買うときに優先した事の一つは小さくていつでも持っていけるという事でした。

この写真を撮ったのは、何でもないある夕暮れ、連れ合いのバイクでアルプスの向こうに行った帰りです。名所でも何でもない、たぶんスイスにいたらよく見る事の出来る光景です。でも、時間が止まったような平和を感じる光景でした。

東京にいた頃に較べると、田舎生活でのんびりしているのですが、それでも普段は仕事に、家事にと動き回ってバタバタしています。そんな生活の合間に、こういう静かな何にも乱されない光景に面して、「きれいだなあ」と眺めるだけ、そんな時間を持つ事が好きです。

そして、それが意外と簡単に可能である、そういう環境にいる事を幸せだなと噛み締めたりするのです。
.24 2015 美しいスイス trackback0

大好きな季節

Posted by 八少女 夕

寒さがぶり返して「明日は雪」予報が何度か繰り返され(結局里には降りませんでしたが)、ようやく春らしい光景が見られるようになりました、と書こうと思ったら、もう初夏みたいになってきました。

林檎とタンポポのある光景

なんどかこのブログでは書いていますが、スイスの春というのは感覚的にとても短いのです。日本のように少しずつ少しずつやって来て数ヶ月のあいだ「早春、春、晩春」と春を楽しむというよりは「まだ冬、かなりゆるめの冬」の後に、突然やってきて即座に終わる感じです。冬が七ヶ月、春は一ヶ月、夏が二ヶ月、秋が二ヶ月、そんな感じです。

もっとも、ここ数年に限って言えば、夏が夏らしくなくて、冬も冬らしくない感じなので、冬が七ヶ月という感じではなかったのですが。

それはそうと、本格的に春がやってくると、世界はほぼ一週間でがらりと変わります。我が家のダイニングの窓から眺めると、冬の間には敷地の向こうを歩く人がよく見える(つまり向こうからもこちらは丸見えな)のですが、この「春が来た」一週間の後には新緑で壁ができます。その緑の鮮やかなこと、本当に自然とは力強くて美しいものだと、毎年同じように感動しています。

通勤路の半分以上が牧草地です。こちらも新緑とタンポポで満ちます。桜、リラ、林檎、その他の数々の美しい花が咲き乱れています。「生きていてよかった」なんて感想を書くと「大袈裟な」と思うかもしれません。でも、実際にそのくらい心が昂揚します。

自然界には特別なエネルギーが満ちわたっているようです。それが、その間を通って行く私に影響しているといったら伝わるでしょうか。都会にも自然はありますが、この圧倒的な自然の驚異、西洋美術でよく見る春の女神の息吹が一瞬で世界に春をもたらすイメージは、やはり田舎ならではだと思います。

二頭の仔牛

で、草原には家畜たちが放牧されるようになりました。牛、山羊、羊、馬。新鮮な草とぽかぽかの日だまりの中、のんびりと草を食べてから寛いでいる姿を見かけます。

私は、つい声を掛けながら通ってしまうのです。たぶん傍目から見たら、ちょっと怪しい人でしょうね。
.09 2015 美しいスイス trackback0

冬の光景

Posted by 八少女 夕

本日、2/28いっぱいで、「scriviamo! 2015」の受付を終了させていただきます。まだ参加作品が出来上がっていないけれど、参加したいという方は、今日中にその旨を申し出てくださいね。もう、参加表明はしたけれど、まだできていないという方は、ご心配なく。そちらの締切はありませんので。

冬の道

ライン河も他の河と同じように、支流を集めながら大きい流れとなっていきます。そのうちの一つがヒンターライン(後ライン)で、これが我が家の側を通っているのですね。

そこらへんの渓谷も、もともとは氷河や河によって削られてできたもの。ですから、小さな滝や水の流れはあちこちにあるわけなのです。こういうことは、山岳部に住む人にとっては「何を今さら」なんですが、なんせ私は、ここに来るまで、東京にしか住んだことがなかったもので、あたり前の自然の姿にいちいち感動していたわけです。

で、これが、冬の谷の道。つららがびっしりです。通る時は、注意深く。地面が滑りやすくなっています。春先は、落っこちてくるつららにも要注意ですね。
.27 2015 美しいスイス trackback0

突然の青空

Posted by 八少女 夕

雲の上

この間の週末旅行の話。

私の住んでいる州は大ざっぱにいうといくつかの特徴的な地域が山で分断されているのです。特徴的というのは、ドイツ語圏の場所であったり、イタリア語圏の場所であったり、スイスでもこの地域でしか話されていないレトロロマンシュ語を話す人びとの地域だったり。谷の数はおよそ150。そして、それらの地域を分断しているのは「アルプス山脈」なのです。

で、電車に乗っていく時も、基本は登山電車になるわけです。「ベルニナ急行」もしくは「ベルニナ特急」などと呼ぶ方もいらっしゃいますが、時速30キロのエクスプレス(笑)新幹線などとは対極ののんきな旅をして行くことになります。

世界で三つ目に認められた、ユネスコ世界遺産指定の私鉄、赤いレーティシュ鉄道に乗っていく旅は移動ではなくてそれそのものが旅の楽しみでもあります。

で、仮にも四千メートル近いアルプスの峰々に遮られているので、山を越える前と後では全く違う天候が待っていたりするわけです。

私たちが帰って来た日、泊っていたイタリア側はまさに霧のスープの中にいるよう。数メートル先もよく見えないどんより状態でした。その中を電車はどんどんと登っていきます。登っても登っても霧の中なので、ずっとこのままだなと油断していたのです。すると、突然雲の上に出てしまったのですよ。

真っ青な空と、くっきりと空に映える白い峰。写真の下方に見えているのが、通ってきた霧というか雲。

スイスには冬の間、どんよりと霧に覆われてずっと暗い地域が多いのです。そういう所に住んでいると、心も落ち込んでいく人が多いと聞きます。私たちの住む州は、こういうスコーンと青空の広がる地域が多く、国内でも人びとが競ってきたがる場所です。その心持ちがよくわかりました。

青空と太陽、そして白く輝く峰。この光景は、値千金の贅沢です。
.10 2015 美しいスイス trackback0

フルムーン列車の旅

Posted by 八少女 夕

Full Moon

木曜日から、週末延長旅行中です。三月末までに有休の残りを消化しないといけないんです。せっかくなので、一度行きたかった「フルムーン列車」に乗る旅にしてみました。満月前後の週末に、雪に反射した月光の中、アルプスの山の中を走る列車なのですよ。そして、山頂近くでチーズフォンデュです。

それだけではもったいないので、アルプス以南でお泊りします。ものすごい寒波がやってくるって聞いているんですが、さてどうなることでしょう。

※この記事は予約投稿です。旅行中のため、帰ってくるまで、この記事へのコメントは停止させていただきます。(追記・戻ってきたのでコメ欄を解放いたします。あ、でも、無理してコメしなくていいですから……内容ないし)
.07 2015 美しいスイス trackback0

聖マルティニーの前に

Posted by 八少女 夕

まずはじめにお報せです。50000Hit記念企画で「ウィーンの森」のお題をくださったTOM-Fさんが、作品をアップしてくださいました。嬉しいことに、私の「ウィーンの森 — 金と銀」へのアンサー小説になっています。ありがとうございました! ところで、シチュエーションやセリフが同じでも、なぜかTOM-Fさんの所のヒロインは段違いに可憐だ……どうして?

この下からが、本日の本文です。



朝焼けの光景

26日は10月最後の日曜日でした。この日は、サマータイムが終わって、通常時間に戻る日です。サマータイムの是非は別として、このタイミングは個人的に納得なのです。

日の出の時間がどんどん遅くなって、ちょうど家を出る頃が「まだ暗いんだよね」になってくるのがこのあたり。上の写真のように、家を出てちょうど日の出ですか、という感じになるのですね。これが、サマータイムが終わって、一時間遅く家を出られるようになると、またしばらくはお日様が出てから通勤できるようになります。

もちろん、その分日の入りは早くなるのです。で、これからクリスマスに向けて、「朝も真っ暗、帰るときも真っ暗」になっていくわけです。でも、それもクリスマスまで。そこから先は、また「どんどん明るくなるぞ」という希望の日々になります。

雪が降った

さて、この写真は、先週の木曜日の朝。雪が我が家にも降りました。このあたりの農民の間の言い伝えで「聖マルティニーの日(11月3日)の前にライン河底まで雪が降りたら、その冬は半分終わったも同然」というのがあります。雪が早く来ると、暖冬になりやすいらしいのですね。13年この辺りに住んでいますが、だいたいあたっています。

去年の初雪は10月10日で、言い伝えに違わず、とんでもない暖冬でした。ということは、今年も暖冬になるのかな。さて、どうなるでしょう。
.01 2014 美しいスイス trackback0

黄色い秋

Posted by 八少女 夕

前の記事が、50000Hit記念にいただいたリクエスト小説の第一弾でしたが、明日から二日ごとに、引き続き第四弾まで連投になります。(四つめは、まだ完成していないので間を空ける可能性もあります)今回は、一つめがなかなか降りてこない間に、四つもたまったのでちょっと焦りましたが、ようやくめどがついたのでひと安心です。引き続き無期限で受付けています。

というわけで、この週末は、三つの作品を書いていたので、みなさまのブログで読ませていただいた記事や小説へのコメントが遅れています。本日以降、順次書かせていただきますので、ご理解くださいませ。

また、小説連投のため、小説に興味のない方には大変申し訳ありませんが、次の小説でない記事は28日になります。ご了承くださいませ。



本日の本題は、久しぶりに「美しいスイス」カテゴリーです。

Albulapass

この写真は、上下とも昨日わたしの住む州で撮影したものです。上が我が家からアルブラ峠に向かう途中のもので、下はサン・モリッツ湖のもの。

前回の記事で発表した「ウィーンの森 — 金と銀のワルツ」にも登場させたように、私は秋の黄色く色づいた樹々という光景が好きで、時々作品に書き込んでいます。

ちなみに、昨日は連れ合いのSUZUKIで周ってきましたが、「落葉松の交響曲」という(私)小説で書いたそのままのルートでした。

Engadin

この光景は、毎年シーズンの終わり、つまり「バイク納め」の時に見る事になります。間もなく長く厳しい冬がくることが分かっているのですが、その前に世界がこれでもかと言いたげに美しく輝くのですよね。

かつて私は秋が嫌いでした。秋がというか、冬の訪れの予感が嫌だったのです。でも、今は秋を楽しむようになりました。その時々の嫌なことを思うのではなく、かけがえのない一瞬の美しさを楽しめるようになりました。この美しさは天からの贈り物ですよね。
.20 2014 美しいスイス trackback0

この丘に

Posted by 八少女 夕

まず連絡事項です。ミニブログPIYOというのがありまして、「今日のひとこと」みたいなのを書くのに使っているんです。そこに匿名の鍵コメでコメントがいっぱい来たんですが、なんか微妙な内容でした。真面目に書いているのか、嘲笑っているのか。たぶん後者。でも、そうだとしたらヒマですよね。別にこちらが凹むわけでもなく、それを書くことによって書いた方に得があるわけでもなく。で、あちらはIPの特定やブロックの方法などが今のところわからないんで、コメ欄を閉じてみました。というわけでPIYOへのコメもこちらのブログのコメ欄へどうぞ。

で、今日の本題は、私の第二の故郷の話。


丘の上の教会

私は日本生まれで日本育ちの日本人です。今のところ日本国籍で。スイス人の連れ合いと結婚するためにここに移住して13年以上経ちました。

結婚とは、家族ではない見知らぬ人間と一緒に暮らし、その人と家族になっていくことです。一般に「三年もてばなんとかなる」「七年もてば後は大丈夫」などと言いますが、まあ、そういうものだと思います。三年ぐらいで自分が相手とその環境を知り、七年ぐらいの間に歩み寄れる所は歩み寄り、諦められる所は「どうでもいい」という境地に達する。それがなんとかなればあとは何十年も添い遂げられるんだろうなと思えるようになりました。

で、そうなると、私はここにずっといるんだなと。それまでは何をするにしても「でも、いつまでいるかわからないからな」と考えていたんですよ。それが、私の余生はこのスイスの、具体的にいうとこの村で送るのだなと思うようになってきたわけです。

この写真は、私の住まいの裏手にある丘です。この小さな教会には墓地があって、村人はここに埋葬されるのです。で、自分で思うわけです。ここかと。ここに骨を埋めるのかと。

いま現在、持病があるわけでもなく、だからなんらかの悲壮感があるわけでもないのです。ただ、ここか、そんな風に思うわけです。

家族も友達も日本にいるので、たまには里帰りするんです。で、それからスイスに「戻ってくる」のです。いまの私には「帰国」というのは日本に行くことでもあるのですが、スイスに帰ることでもあるのです。その割合がかなり後者に移ってきている、そんな状態です。

考えるのは日本語だし、読むものも日本語が一番楽です。日本人としての誇りもあるし、それをなくしたいとは思っていません。でも、関東の人間が関西に嫁いで、だんだん関西に馴染んでいくように、スイスのこの地が私の第二の故郷になっているのだなあと思うのです。
.14 2014 美しいスイス trackback0

いつの間にか大人になってた

Posted by 八少女 夕

例の黄色い雛だったカモたちの続報です。

カモの成長過程

最初に黄色い子に氣がついたのが7月9日。この写真だと左上ですね。生まれて数日だと思うんです。それから右下の姿の写真を撮ったのが9月20日なので80日もしないうちに、成鳥になっちゃうんだとびっくりです。

どうですか、堂々たるカモになりましたよね。もはや、大きさでもお母さんとあまり変わらないんですよ。来年もまた次世代の黄色い子が生まれるのかな。茶色い子たちも、無事に大人になったようです。自信がないのは、黄色かった子たちほど周りのカモと見分けがつかなくて……。
.29 2014 美しいスイス trackback0

続報・黄色かった子

Posted by 八少女 夕

少し前に、カモのお池で黄色い仔ガモと茶色い仔ガモが一緒に生まれたって記事を書きましたよね。あの続報です。

カモのお池の子たち

ずいぶんと大きくなりました。黄色い子は白くなるんですね。だいぶ白くなってきました。元氣に毎日動き回っていますよ。お母さんカモは、この白い子に近い感じの色。池に数匹だけいるのです。白いカモ。残りはいわゆるデコイという感じの茶色と緑のマガモ、メスは茶色ですね。

毎朝、近くの農家のおじさんがパン屑を撒くんですが、わーっとよってきて食べる様子が可愛いです。
.18 2014 美しいスイス trackback0

黄色いのはいったい?

Posted by 八少女 夕

仔ガモ?

今年はやたらと早くに五匹生まれたっきりで、もう生まれないのかと思っていたら、例の通勤路にあるカモのお池でまた雛が孵っていました。

しかし、なぜか二匹だけ黄色い。同じ母親から同じ色の鴨が生まれるわけじゃないんだと、驚愕しています。

あ、「みにくいアヒルの子」式に一匹だけ不格好ということはありません。黄色い子もラブリー。茶色い子もラブリー。
.14 2014 美しいスイス trackback0

今年も生まれた

Posted by 八少女 夕

最近、小説関係の記事ばかり書いているような……。小説に夢中になっているからではなくて、ようするに、私の生活が代わり映えしなくて書くことがあまりないからだったりして。で、今日は珍しく小説以外。

マガモの雛

通勤路が変わって二度目の初夏です。いつも通る池でまたマガモの雛が生まれていました。去年より少なくてまだ五羽です。でも、ほかのメスから生まれるかもしれませんしね。経過を見守りたいと思います。

野生なので当然ですが、近づくと逃げます。でも、近づかないと写真は撮れません。もちろん望遠という手もあるのですが、望遠で動くものを追うのはかなり難しい。だから、このくらいそれらしく映る写真を撮るのは本当に難しいのですよ。一日中、池の側に陣取ってればいいかもしれませんが、仕事にも行かないと(笑)

こうやって、可愛いと騒いでおきながら、つい最近、鴨肉のローストなんてメニューを書いたような……。すみません。実は好物です。ごめんなさい!


【お報せ】
44444Hitが近づいてきました。代わり映えしませんが、みなさまからの記念リクエストを募集しようと思います。過ぎてからの早いもの順で三名様から承ります。やり方はいつもと同じで、「お題」「指定キャラ」「(リクエストをくださった方の)オリキャラとのコラボ」などをご指定ください。
.02 2014 美しいスイス trackback0

馬との遭遇

Posted by 八少女 夕

毎日更新していた時には、あまり氣づかなかったんですが、私の小説更新回数、多いですよね。理想は、「scriviamo!」の時期は別として、一週間に普通の記事二本と小説一本なんだけれど。一年に通常連載長編一本、月一のStella用連載一本、それから、長編に興味のない方用に読み切りシリーズと三つ体制なんですが、これで週一更新だと、長編が月に二回しか発表できなくなるのでいつまでも完結しない。う〜む。「森の詩 Cantum Silvae - 貴婦人の十字架」終わったら、通常連載はやめてStella用連載だけにすべきかな。なんて事を書いているうちに、44444Hitまで一ヶ月切ったような……

馬

あまりにいつものことなんで、記事にするのも忘れていましたが、通勤路でよく乗馬をしている人たちとすれ違います。いつも同じ人ではないですね。どの方もギャロップなどはしないで、ポクポク歩いているだけですが。走られたら危険ですよね。草原じゃないので。

大人は大きい馬に、子供はポニーに乗って、とことこと歩いてきます。平日でも多いのでよくある趣味なのでしょう。日本にいた時の私には乗馬とは金持ちのみに許される贅沢という勝手なイメージがありましたが、こちらではそうでもない様子。馬を飼っている農家もかなり多いです。

馬は驚きやすいので刺激しないように停まったり、かなり離れてゆっくりとすれ違ったりします。

そういえば、のんびりと歩いている牛の群れともすれ違ったりするなあ。どこまで田舎なんだか。
.13 2014 美しいスイス trackback0

幸せなひと時

Posted by 八少女 夕

久しぶりに、スイスライフの写真を。まだ突然氷点下になったりすることもありますが、スイスのもっとも美しい季節は始まっています。

通勤路

私は自転車通勤です。自宅からカタツムリのようなトロさで片道20分程度を毎日キコキコ漕いでいます。その通勤路が輝くように美しいこの季節が大好きです。新緑が目に嬉しいし、たまに牛や羊がぼーっと草を食んでいる平和な光景にも出くわします。たった二ヶ月前にはここが雪原で、野生の鹿が走っていったなんて嘘みたいです。ああ、いい季節になりました。

林檎の花

そして、林檎の花も満開になりました。桜も好きですが、やっぱり、林檎は綺麗です。この蕾のピンクと花の白さ、葉の可愛い緑、組み合わせがたまりません。大好きです。実はスイスに来てはじめて見た花でもあります。東京のその辺には林檎の花は咲かないですよね。

Spring!

雪山と満開の花、黄色い絨毯みたいな野の花。コントラストがたまりません。これはランチタイムのお散歩中にパチリ。田舎暮らしはやめられませんね。眼福とはこのことだなあと思いながら歩いておりました。
.19 2014 美しいスイス trackback0

霧の季節

Posted by 八少女 夕

霧の季節

ブログのネタ探しにこの時期の写真を歳をまたいで見てみたら、氣付いた事があります。霧の写真が多いのです。

実は、スイスの他の地域に住んでいたら霧なんて珍しくないし見たくもないと思うのですよ。この時期から春になるまでずっとどんよりしょっちゅうスープみたいに深い霧に覆われるというのがふつうのパターンらしいからです。でも、私の住んでいるグラウビュンデンは違うのです。スイス中が霧の中でも、ここだけは真っ青な空というパターンが多い。基本的に私にとって霧とは写真に撮りたくなる珍しい光景なのです。

山道で霧だなあと思いながら通り過ぎたらしばらく下った所で「ああ、あれは雲だったんだ」と認識する事がよくあります。霧の中にいるのと、雲の中にいるのは、その場にいる者にとっては違いがなくて、自然現象としても同じものなんですよね。その事から、霧が出ると「ああ、私は山に住んでいるんだった」と思い出すわけです。

それでも、珍しいので写真を撮ってしまう。そして、ふいに認識する。これってこの季節の特徴的な現象なんだと。

フランス革命の時に設定された暦でも、この時期はBrumaire ブリュメール(霧月)というのですよね。
.02 2013 美しいスイス trackback0

実りの季節

Posted by 八少女 夕

日本はまだ残暑も厳しいと思いますが、スイスの夏はもうひと息ついて、秋の足音がそこらここらに。子供たちも学校に戻りましたしね。

リンゴが実った

春のリンゴの花をお見せしたのは五月の今ごろでしたか。それが今ではこんな感じになってきました。

このへんの人たちはよくリンゴの木を植えています。農家が作物として植える場合も、ただの庭木として植える場合も作業にあまり差は見られません。日本だと一般の農家は大量に農薬をまいて、受粉も手でやって、花の間引きをして、実にカバーをかけてと、ものすごく手間をかけているようなのですが、こちらではそこまでの作業が皆無なのです。肥料は根元で放牧させた牛の糞、草刈りも牛が食べているのでなし。水すらやっていません(ジーザスよろしく方式?)。受粉はもちろん昆虫まかせで、間引きもしなければカバーなんて存在も知らないことでしょう。

で、出来上がるリンゴはもちろん小振りだし、蜜も入っていません。色や形も不揃いですし。だからお店で買うリンゴと、そこら辺に落ちてくるリンゴに差はないのです。自分の家にリンゴの木があればそれを食べていますね。

無農薬なので、皮をむく人もいません。ぱきっと木からもいで、もしくは落っこちていたのを拾って、ジーンズにこすって泥を落としてそのまま齧っています。私? 私もそうですよ。あ、人の庭木からもいじゃダメですよ。スイスではそれは許可がないとダメです。
.26 2013 美しいスイス trackback0

北へ、南へ、ここからはじまる

Posted by 八少女 夕

分水域

久しぶりにここを通ったので、写真を撮りました。二つの池のようなものが写っていますよね。一つは濃い青で、もう一つは緑白色。どちらも天然の水の色なのです。今は、混ざらないように壁で区切っているのでくっきり分かれていますけれど。

これはベルニナ峠にある分水域です。この濃い青の水からはじまる川はいずれはイン川に流れ込み、ドナウ河に合流して黒海へと流れていきます。そして緑白の方がアルプスの南へと流れていき、やがてはポー川になるのですよ。ヨーロッパの歴史を彩った川がどちらもここからはじまるんだと思うとワクワクします。

え。そうです。ただそれだけのお話。
.10 2013 美しいスイス trackback0

建国記念日ですよ

Posted by 八少女 夕

建国記念日のビュッフェ

今日8月1日はスイスの建国記念日ですよ。スイスではどこでも花火をあげたり篝火をたいて盛大に祝います。

1291年のこの日に、ウリ、シュヴィーツ、ウンターヴァルデンという三つの国が誓約同盟を結成したのが現在のスイスのもとになっているのです。「ウィリアム・テル」の伝説(この人は実在しませんけれど)にあるように「ハプスブルグ家の圧力に負けずに自治を守るためにお互い協力しようね」の約束ですね。

もう、国中、スイス国旗だらけですよ。どこかの国のように国旗を掲げるだけで悪いことをしているように騒ぐ国民はいませんね。純粋に「VIVA! 独立」という感じです。

私にとっても、この日はありがたい日。なんせこの国やけに勤勉で祝日がウルトラ少ないのです。日曜日に重なっても振替休日もないし(号泣)そういうわけで、今日の祝日を楽しみます。次の祝日は、クリスマスです(笑)
.31 2013 美しいスイス trackback0

ただの散歩道

Posted by 八少女 夕

いつもの光景

週末の晴れた日に、家から十数キロ歩いて、レストランのテラスに行く、それだけのことをするのです。周りには特別なものもなくて、レストランにも特別なメニューはなくて、刺激的な都会生活とはまさに正反対な牧歌的な生活。それはある人には退屈でしかないのかもしれませんが、私には最高の贅沢に思えるのですよ。

見渡すかぎり、美しくないものが何もない。青空と心地いい風と、眼に鮮やかな緑。ここで暮らせて本当によかったなと思う瞬間です。

.20 2013 美しいスイス trackback0

お披露目されたばかり

Posted by 八少女 夕

カモの親子

日本のリアル友人は一ヶ月以上前に「カルガモの赤ちゃんがかわいい!と騒いでいたのですが、私が毎日通るカモの池には成鳥しかいなくて、今年はもう生まれないのかと思っていたのです。

ところが先々週あたりから、急にこのようにひな鳥オンパレードになっていました。そして、その数も半端じゃないのですよ。一羽のは羽鳥から七、八羽なんて不思議じゃないと思うのですが、一羽で田舎の小学校の一学年分くらい連れているんですよね。数えたわけではないんですが、20から30羽くらいが一羽の雌ガモを追って泳いでいる。「もしかして、これは保育園か?」なんて思いながら、微笑ましく眺めていますよ。
.07 2013 美しいスイス trackback0

おとぎ話のような……

Posted by 八少女 夕

本日の記事とは関係ないのですが、ちょっと嬉しい事があったので告知でございます。以前からいろいろとちょっかいを出させていただいている栗栖紗那さんLove Flavorの世界に、うちの東野恒樹とリナ姉ちゃんたちがちゃっかりお邪魔しています。(恒樹はバトンの回答に)

「scriviamo!」の時の「君をあきらめるために」で恒樹は勝手にあちらの世界に潜り込みミツの兄の栄二も同じ高校に通っている事にしてしまいました。それから「ロンドン便り」では恒樹&リナが出会っているという無茶をしたのですが、今回紗那さんはリナとミツをヒロインたちのお買い物シーンに登場させてくださったのです。紗那さん、本当にありがとうございます。大好きな「Love Flavor」の世界に入り込めて二人も私もとても嬉しいです。紗那さんの素敵なラノベの世界を、みなさんもぜひご堪能くださいませ!


紗那さんの作品: Love Flavor 004 : "そっか。じゃあ、ウチ来る?"

で、この下からが本日の本文です。


数年前でしょうか、かなり前の事でした。でも、この時期の話です。例によって自転車をキコキコとこいでいると向こうからこんな馬車がやってきました。

馬車

結婚式のカップルを乗せるためだと思うんですよね。さすがにヨーロッパの田舎とはいえ、21世紀に馬車が普通に乗り合いとして使われているわけはありません。観光か、それとも結婚式ぐらいです。

とはいえ、その馬車と周りの光景には違和感がなく、とても素敵だったので、思わずシャッターを押してしまいました。

日本で、結婚式場にセットされたゴンドラに乗って登場するような演出は、演劇がかっていて恥ずかしくなってしまうのですが、ここまで世界に溶け込んでいる演出なら乗ってみたいなあと、ちょっと思いました。とはいえ、私の結婚式は、とうの昔に済んでしまっていて、しかも、ほとんど何もしなかったのでほんの少しだけ心残りなのですよ。まあ、周りで派手に式を挙げた人たちがことごとく破局している中で、なんだかんだいってずっと連れ添っているんで、結婚式の演出の事でぶちぶちいう必要はないんですけれどね。
.10 2013 美しいスイス trackback0

リラの花咲く頃

Posted by 八少女 夕

我が家のボイラーが壊れて業者が入ったり、その後片付けがあったりしたので、皆様の記事の読み逃げ状態になっております。お許しくださいませ。本当はコメしたい記事がいっぱいあって、遅れても書きにいく氣満々です。

リラの花咲く頃

宝塚で有名な「すみれの花咲く頃」という歌、ドイツ語やフランス語だと「リラの花咲く頃」であるのはご存知でしょうか。日本でスミレが咲くような時期はまだ少し肌寒さが残り、その時期に出会った少女との仲もまさに「清く正しく美しく」の清潔感の漂う、いかにも日本的浪漫のイメージですが、「リラの花咲く頃」となると少し違います。

日本の、私の知っている東京の春は、二月の沈丁花や梅からはじまって、じわじわとやってきます。三月いっぱいを使って三寒四温という感じでゆっくりと春になっていきます。それが恋とも友情とも言えないような淡い想いを抱える爽やかな出会いに似ているし、今はともかくかつての日本ではそういう淡白に見える関係からじわじわと愛が育った、そんなイメージがあるのです。

こちらの、私の今住んでいるスイスの春はそういうものではありません。昨日は冬なのに突然爆発するがごとくやってくるのです。ある時は一日で、長くても一週間でやってきます。ありとあらゆる花が、申し合わせたかのように花ひらき、香りに満ち、世界が鮮やかな色彩に溢れます。そのパワーと力強さは信じられないほどです。

「大道芸人たち Artistas callejeros」で、ヴィルが蝶子をたとえた花はこのリラでした。すみれのようなおしとやかな花ではなく、溢れるばかりのパワーを秘めた香り高い花。そう、私の大好きな花なのです。
.14 2013 美しいスイス trackback0

春だから、注意しましょう

Posted by 八少女 夕

私が東京出身だからかもしれないのですが、今住んでいるスイスの田舎の、人びとの動物に対する暖かさには驚くことが多いです。

カエルに注意!

これ、わかります? 冬眠していたカエルが出てくるから、ひかないでね、という標識です。確かにこの時期はカエルやら、蛇やら、いろいろ轢かれてしまいがちなので、運転する方も氣をつけるべきなんですけれどね。わざわざ公式に立てるのかとびっくりしたわけです。

鹿の飛び出し注意というような標識は前からよく見ていて、それは事故が起きると車に乗っている方も危険だからだと思っていました。でも、カエルは確実にカエルのことを心配しての標識です。優しい。

田舎だから、平和だから、他にやることがないから、なのかもしれません。そうであっても、この心に余裕のある交通標識の世界はいいなと思います。なごみました。
.15 2013 美しいスイス trackback0

復活、おめでとう

Posted by 八少女 夕

イースターのチョコレート

今日は、復活祭です。クリスマスと違って、さほど日本ではイベント化していないのは、毎年日にちが変わって、「この日に予約して彼女(彼)と過ごそう」という予定を立てにくいからか、もしくは春は日本では忙しいのでイベントどころではないからなのか。いずれにしてもクリスマスのように本来の目的とはかけ離れた商業イベントにはなっていません。

なぜ毎年日付が変わるのかというと、「春分の次の最初の満月の次の日曜日」と決まっているからです。その前の金曜日(聖金曜日)にナザレのイエスは磔刑で命を落としましたが、三日後の日曜日に甦ったと聖書に書かれており、その「キリストの復活を祝う日」というのが公式の理由付けとなっています。そういうわけで、もちろんキリスト教国にだけある祝日です。(ちなみに教会がグレゴリオ暦の使用を拒んでいる正教会の国ではユリウス暦をもとに算出するので、今年の復活祭は5月5日だそうで)

ただし、クリスマスがキリスト教以前から祝われていた冬至の祭りと縁が深いように、復活祭は春を祝うお祭りと解釈するのが妥当でしょう。春の訪れは、冬の間に死んだようになっていた大地から、次々と生命が甦る、まさに復活の時期です。この時期、生命の象徴である卵を食べて祝うです。

そして、偶然ですが、今日は三月最後の日曜日なので、ヨーロッパではサマータイムの始まりです。時刻が一時間早まります。仕事の後に日光を楽しむ時間が増えるのです。

サマータイムと通常時間の切換は三月と十月の最後の日曜日の夜中の二時に起るので、私たちが意識することはあまりありません。もちろんアナログの時計は自分で一時間進めたり戻したりしなくてはならないのですが、私の場合は、朝起きてiPhoneのエアプレーンモードを解除すれば、勝手に正しい時間に変わります。ただ、日曜日に仕事をしなくてはならない人や、この日に夜行電車に乗らなくてはならない人は注意が必要です。下手すると一時間の遅刻になってしまいますから。
.31 2013 美しいスイス trackback0

ノスリが飛んだ

Posted by 八少女 夕

先ほど、無事に戻って参りました。旅行中も見捨てずにお越し下さった皆様、ありがとうございます。先ほど、お友だちのブログを巡回させていただきましたが、この旅行中に数多くのみなさまが一斉にお誕生日を迎えられたご様子、お祝いが遅れてしまってすみません。また、あちこちのブログで、当ブログのご紹介もいただいていて、そのお礼にも伺わなくてはと焦るばかりで、コメには至っておりません。遅くなりますが、どうぞお許しくださいませ。そんなこんな言っている間に、当ブログが20000Hit行ってしまいそうです。ご覧になられた方は、どうぞお氣兼ねなくリクエストをどうぞ(前後賞ありです)


新しいカメラの一番のポイントは、ポケットに入る事です。シャッターチャンスはいつめぐってくるかわかりませんからね。

ノスリは飛んでいく

数週前の土曜日に、義母が半泣きになって、連れ合いの所に電話してきました。散歩の途中に野鳥が怪我をしているらしく飛べないというのです。で、彼と私が見に行った所、確かに飛ばずにウロウロしているノスリがいます。ただ、私たちはちょうど知り合いとレストランで待ち合わせをしていて、時間がありませんでした。で、専門家に電話して様子を見てもらうという事にしました。

知り合いと別れた後、義母に電話した所、「専門家が言うにはいなかった」ということで、連れ合いが暗闇の中、懐中電灯を持って見に行きましたが、やっぱりいなかったらしいです。

で、翌日、また義母が「同じ所にいる」と言うので、私たち夫婦と、再び呼び出された専門家が行くと、そこにはいませんでした。もう少し離れた所にじっと座っているのがいたので、連れ合いが近寄ってみると、それは普通に飛んでいきました。それが、この写真のノスリです。望遠を最大にしたので、若干ぼけていますが。

専門家曰く、ノスリは飛べるのに、ぼーっと座っている事も多いそうで、今回は義母が早とちりして騒ぎすぎたみたいです。まあ、ノスリが無事でよかったということで。

こういうふうに、この辺りの人びとは、野生生物に優しいですね。田舎なので、いろいろな野生生物がいます。鹿や山羊の仲間、狐、兎、イタチやリスやハリネズミなどはごく普通に目撃できますし、鷲や鷹、フクロウなど猛禽もよく見られます。
.23 2013 美しいスイス trackback0

いよいよ、本格的に……

Posted by 八少女 夕

ブログのお友だちへの連絡です。すみません、この週末、やる事が目白押しで、訪問は出来たのですが、ほぼ、どなたにもコメできませんでした! Stellaの感想や、コメントの方は本日以降再開いたしますので、どうぞお許しくださいませ。

軽く降ったあとに

ちょうど零度などという温度は、まだ序の口なのです。ようやく冬らしくなってきたなと思うのが、マイナス8℃前後ぐらいからでしょうか。へらへら外にいると、防寒を突き破って手足がかじかんでくる、という温度ですね。これがマイナス15℃を下回ると、「下手すると凍死しちゃう!」と思う寒さです。自転車で我慢できるのが15分程度ですね。てくてく歩いていたりすると、やはり15分くらいでカフェにでも入って暖をとらないとまずいことに。

この辺だと毎年いってもマイナス20℃ぐらいなのですが、場所によってはマイナス30℃なんてところもあります。シベリアではマイナス30℃というのは「冬にしちゃ暖かい」んだそうで。人間はどこまで環境に順応してしまうのか、驚きますね。
.10 2012 美しいスイス trackback0

冬には冬の美しさ

Posted by 八少女 夕

昔はね。問答無用で嫌いだった冬なのですが、いまはそうでもないのですよ。とっても長いので、嫌いでしかたなかったらとてもつらかったと思うのです。

色鮮やかな冬の光景

私が子供の頃に冬が嫌いだった一番の理由は、しもやけでした。冬になるとかならず手足が1.5倍の大きさにふくれてしまっていたのですよ。暖かい室内ではパンパンにふくれて菓子パンみたいでした。かゆくてかゆくて何にも集中できませんでしたね。また外では青紫になってしまい、痛かったのです。途中からはあかぎれになって……。たぶん、血の巡りが悪かったのでしょうね。学校に行ってもみっともなくて恥ずかしくて、いたたまれなかったものです。

今は、足が少し赤くなることもありますが、手は大丈夫です。東京の寒さなど鼻で笑えるほどの低温になるし、冬自体も二倍くらい長いのですがなのですが、大丈夫なのですよ。

そういうわけで、冬は冬で楽しめるようになりました。

田舎の素晴らしい所は、雪が綺麗なところですね。東京だと、翌日には「汚れちまった雪」になってしまいますが、こちらでは大草原に降った雪が数ヶ月真っ白なままだったりもします。(もちろん低温が続いた場合だけですが)森の中で、野生の鹿が駆けていく姿に遭遇したり、きゅっきゅと雪を踏んで散歩をしたり、楽しみが色々あるのです。誰も聴いていないときには「うぉーきんぐ いんな うぃんた わんだら〜んど」とやりますね。
.03 2012 美しいスイス trackback0

クリスマスを待ち望む

Posted by 八少女 夕

私はド田舎の村に住んでいるので、めったにデパートなどには足を踏み入れないのですが、11月の初めだけは必ず州都にいって買い物をします。日本の姪と甥へのクリスマスプレゼントを選ぶためにです。これをエコノミー便で送ると12月には届くのです。

クリスマスモードの売場

デパートはこうなっています。各家庭のクリスマスツリーにかける情熱は、たぶん日本よりも強いんじゃないでしょうかね。基本は本物の樅です。ですから、ツリーを飾るのは早くても12月22日ぐらいです。けれども、我が家のツリーはプラスチックのものを毎年使うので12月に入ったら飾り付けをはじめます。

「あらまほし」とされているツリーには、本物のロウソクがつけられますが、私はそんな事をすると火事が恐いのでまたしても邪道の電球。

ツリーの飾りはいろいろあるのですが、毎年少しずつ買い足したりして楽しんでいます。本当に色々な種類のものが売り出されていて、見ているだけでも楽しいのです。

この時期は、日々日照時間が少なくなり、実に暗くて寒いので、人々は心からクリスマス(冬至)を待ち望んでいるのです。みんなで集まって食べて飲んで、ツリーを飾り、薪の火を眺めるんですね。
.26 2012 美しいスイス trackback0

スイスらしい雪山

Posted by 八少女 夕

以前、友人が日本から来た時に、天候が悪くて雨が降っていたのですよ。周りはどんよりと暗くて、高い山も見えず「なんかうちの田舎にいるのと変わらない風景かも」と首を傾げていました。それが翌日に晴れ渡って、青空に映える雪山を見た途端「やっぱりスイス!」と。つまり、スイスってのは、こういう風景なんですよね?

ベルニナ山

これは、グラウビュンデンのてっぺんを通るベルニナ急行の車窓から撮った光景です。たぶん、ピッツ・ベルニナ。でも、確かではありません。

もう、バイクの旅は難しくなってきたので、しばらくは遠出をするのは電車になります。車窓から眺めれば、凍える事もなく、雪山の光景もとても美しい。今年もスイスの冬も楽しもうと思っています。
.12 2012 美しいスイス trackback0

寝ているには惜しい

Posted by 八少女 夕


この建物、何だと思います? 教会、修道院? そう昔は修道院だったのです。今は病院なのです。

Klinik St. Katharinental

写真だと、私がびっくりしたインパクトが伝わっていないような氣がします。門構えといい、秋の美しい樹々の様子といい、カフェテリアの横を流れていくライン川の光景といい、あまりの美しさに訪れた当初の目的を忘れそうになったほどです。そう、私たちはお見舞いに行ったのです。

病院と言っても、ここには大手術をするような施設はありません。そういう病院はもっと近代的な建物です。でも、術後の経過を見る、もしくはリハビリ目的で入院しているような人たちは、近代的な建物である必要はなくて、むしろこの美しい、静謐な空間でゆっくりと癒されていくのは素晴らしいことだと思います。

趣だけではない、けれど機能だけではない、そのバランスの作り方が、この国は本当に上手だと感心します。そう、スイスなので、たとえ昔に建てられた古い建物であろうと、超がつくくらいに清潔です。

この記事には追記があります。下のRead moreボタンで開閉します。

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コメでウゾさんが、ちょうどそういう設定の建物の出てくる小説をお書きだというので、嬉しくなってもう一枚。中の写真。それっぽいでしょう?

修道院を改装した病院の中
.05 2012 美しいスイス trackback0

シヨン城のお話

Posted by 八少女 夕

つい先日、リクエスト置き場(ネタ提供のお願いともいう)を新設しまして、ウゾさんから早速リクエストをいただきました。ウゾさん、どうもありがとう。

早速 リクエストさせて 頂きます。
バイロンの詩集 「シヨンの囚人」 の舞台になった シヨン城 
其れと ムゼック城砦の時計塔等の スイスの建築物に付いての記事を
読みたいです。



で、まずは、シヨン城について。といっても、全然詳しくないんです。たぶんウゾさんと知っている事は同じ程度。旦那の生まれ故郷から帰ってくる時にバイクで横を通るので、何度も目にしているのですが、なんせ誰かが停まってくれないので写真もないじゃない! で、WikiMediaのフリー画像をリンクしておきますね。

Gustave Courbet - Le château de Chillon
Gustave Courbet [Public domain], via Wikimedia Commons

さて、おさらいしてみましょう。モントルーにあってレマン湖に浮かんでいるこのお城は現在のフランス、イタリア、スイスの一部にまたがるサヴォア王国のお城でした。その地下牢に修道院長フランソワ・ボニヴァールが六年間繋がれていたのです。それを19世紀にバイロンが「シヨンの囚人」という詩に謳って世界的に有名になった訳です。

もう少し掘り下げてみましょう。サヴォアは、ジュネーヴとは時々戦争なんかもしていた国です。いまでも、ジュネーヴではサヴォアの急襲をスープで撃退したという「エスカラード」のお祭りを毎年祝っています。で、ボニヴァールはジュネーヴの宗教改革と独立を支持したので捕まえられてしまったのです。それをベルンをはじめとするスイス連合軍が解放したのという宗教改革とスイス独立を象徴するお話なのですね。

スイス人のプロテスタントの方々は、カトリックと王制や貴族制が嫌いなので、宗教改革や抵抗してスイスが勝ったという話が大好き。「そんなに鬼の首を取ったように……」と思う事もあったり。まあ、そんなわけで、「シヨンの囚人」もその手のスイス人の大好きなストーリーである訳ですね。

とはいえ、私だけでなく、本当にお城を訪ねたというスイス人が周りに全然いないので(遠いんですよ、要するに)、中がどうなっているのかは謎です。たぶん、ボニヴァールが繋がれていた地下牢も見学出来ると思います。バイロンの肖像のついた「シヨンの囚人」ワインもここで買えるとか。周りには葡萄畑が広がっているので、きっと美味しいんだろうなと思います。

行った事のある方は、ぜひコメントで教えてくださいませ。
.29 2012 美しいスイス trackback0

Japanisch - 園芸のブーム

Posted by 八少女 夕

真っ赤な楓が秋の柔らかな日差しに揺れています。

日本の楓 in Switzerland

これはもちろん日本からの輸入種で、一般にJapanisch Ahorn、つまり日本の楓と呼ばれています。楓はこちらにもあるのですが赤くならないし、もちろんメープルシロップも採れない種のものしかなくて、まあ、そこら辺に生えているのですが、とくに注意が向けられる事もありません。氣がつくと葉っぱが落ちて冬眠に入っている。でも、日本種は鮮やかな紅葉を見せるので、近隣の注目を集めます。

田舎だけあって、園芸に命をかけている住民は多く、競ってエキゾチックな植物を植えたがります。で、人氣のあるものにはなぜかJapanischとついているものが多いのです。雪柳、木瓜、八重桜、藤、石楠花、小手鞠など。また、菖蒲や紫陽花など「日本の」とはついていなくても日本起源のものもよくみかけます。

もちろん、日本の庭園のような侘び寂び、菖蒲が八つ橋とセットになっているようなお約束もまるでないので、全く日本的ではないのですが、それでもこの楓の紅葉のように、きゅっと心を締め付けられる事があります。

.22 2012 美しいスイス trackback0

葡萄畑を眺めながら

Posted by 八少女 夕

この間のワインの話で、シュナイダーさんがコメントで触れていた葡萄畑。これはフランスではなくてスイスのフランス語圏の写真です。

葡萄棚

レマン湖を見渡す小高い丘に、葡萄畑がずっと広がっています。秋になると、農家の人たちが畑の一角に東屋のような小さな場所を設けて、そこでワインをとても安く飲ませてくれるのです。ワインを買ってくれる事を期待しての半分試飲みたいなものでしょうか。

たとえば、エペスの白ワイン。癖がなくて飲みやすいです。スイス全土で好まれています。レマン湖では淡水魚を沢山食べますから、白ワインは大活躍するでしょうね。

どこまでも続く葡萄畑の間を、ドライブして行くのはとても氣持ちがいいのです。ロザンヌやニヨンあたりにいらっしゃった方は、ちょっと足を伸ばして、こんな風景を楽しむのも悪くないと思いますよ。
.01 2012 美しいスイス trackback0

やっぱり綺麗だった

Posted by 八少女 夕

イタリアのサヴォナから一日で450kmを疾走して、スイスに戻ってきました。旅行はもちろん大好きなのですが、スイスの国境をくぐった時の、なんともいえない「ほっとした」感と「ああ、なんて美しいんだろう」の感慨をどう表現したらいいのでしょうか。

湖畔にて

かつてはこうじゃなかったと思うのですよね。帰る先は東京でした。もちろん、ほっとしたというのはあるのですよ。でも、成田空港ってとても自宅からは遠くて、まだ緊張が続いている。それに光景は、時おり日本らしい田園風景なんですが、基本的に美しいとは無縁の普通の町の風景。いいも、悪いもなく、ただ「帰る」だけでした。

一方で、スイスに戻るという事は、ただ帰国するだけでなくて、新しい別の国の美しさに感動するおまけがもれなくついてくるのです。

帰ってきたのは、マッジョーレ湖のロカルノの近くの国境町。そこから美しい湖畔を眺め、アルプスの渓谷美に酔いしれ、静かで泣きたくなるくらいに綺麗な、我が家の近くの谷の光景を目にして。ああ、綺麗だなあと感動したのでした。
.10 2012 美しいスイス trackback0

彼のふるさと

Posted by 八少女 夕

お知らせです。たぶんもうwifi無くなるとおもうのでコメ返信は帰国後かも。でもコメいただくのはだいかんげいですので!

あなたのご両親が関西人だったとして、東京に一時住んだとします。あなたは東京で生まれて関西弁の環境で育ち、やがてご両親とともに東京を離れそれ以来大阪に住んでいるとしたら、あなたの故郷は東京でしょうか、それとも大阪でしょうか?

まあ、関西弁と東京言葉は違うと言っても同じ日本語ですが、これがドイツ語とフランス語だとしたら。

レマン湖の夕暮れ

我が連れ合いはレマン湖のほとりで生まれ育ちました。14歳の時に両親についてドイツ語圏に移り住みます。両親と子供たちの間ではドイツ人だって理解出来ない(はっきり言って別言語)のスイス方言が話されていました。でも、彼はフランス語圏で育つ中でフランス語で考えて話すようになっていました。いまでも兄弟との会話はフランス語です。

フランスっぽい社会、フランスっぽい食べ物、開放的で遮るもののない美しい光景。彼の子供時代の原風景はこのレマン湖のほとりの優美な土地にあるようです。今、彼はドイツ語圏の山間に住んでいて、妻である私はフランス語を話す事はなく、狭い谷間と山の中の厳格な距離を置いた人々の中に身を置いています。ビジネスを考えるとフランス語圏よりもドイツ語圏の方がいいので、引越す選択肢はなさそうです。簡単に引越されても困りますね。

でも、どうなんでしょうね。彼にとって、本当の故郷は彼に関わるすべてが存在するドイツ語圏なんでしょうか、それとも親戚など一人もいない遠いフランス語圏なんでしょうか。深層意識の底にうずくまる時、彼は何語でどこを夢を見るのでしょうか。
.27 2012 美しいスイス trackback0

短い夏

Posted by 八少女 夕

おはようございます。モペットを運転中に小石の多い下り坂で転倒し、大変な流血沙汰になった私でございます。幸い、右手の傷はなんとか塞がりました。痛いけれど、キーボードを打つぐらいは何とかなってきました。左の膝が曲がらない状態なので当分自転車通勤出来ないし、休暇はどうなる! なんですが、まあ、何とかなる事を祈りましょう。

日本では、あまりの猛暑に邪険にされがちな夏。アルプス以北のヨーロッパでは、夏には何のマイナス要件もないので誰もがひたすら楽しみます。夏が嫌いという人には会った事がありません。

夏のアルプス

日本では一月から順番に言うと「冬・冬・春・春・初夏・梅雨・夏・夏・秋・秋・秋・冬」とまんべんなく季節がありますよね。スイスではそうではないのです。「冬・冬・冬・冬・春・夏・夏・秋・秋・冬・冬・冬」こういう感じ。冬長すぎです。その分、夏に対する思い入れは強いのです。サマータイムと緯度の高さのおかげで、六月末には午前四時半から午後九時半まで日照時間があり、仕事の後にも人々は戸外で楽しみます。もちろん、残業なんか最小限にして。

夏を楽しむのは家畜たちも一緒、真っ青な空の下、彼らは新鮮な草をどっさりと食べます。冬の間は外にも出られす、干し草を食べるだけですからね。
.20 2012 美しいスイス trackback0

家を飾る

Posted by 八少女 夕

今回こそ、まともな「美しいスイス」。私の住むグラウビュンデン地方の紹介です。

スクラフィットの家

もう、このブログに足繁く通ってくださっているみなさんはお氣づきかと思いますが、スイスが「お金持ち」の国になったのはかなり近年の事です。もちろん国民全員が大金持ちなはずはなく、この国でも持てる物は一握りです。

しかし、それでも、かつての貧しかった時代に較べれば豊かになったと言えます。この国は、資源もなく国土も狭く、輸出できるのは人力(兵力)ばかりというくらい貧しかったのです。当然、建てた家も質実剛健、領主さまのお館も、ドイツやフランスの派手なお城に較べると悲しくなるくらいに質素でした。

いまや大金持ちのリゾート地として栄えるエンガディン地方も、寒くて貧しかったので、家の外壁に派手な装飾などは出来ませんでした。そこで発達したのがスクラフィットという技法でした。色の違う漆喰を塗り重ねて、上の方を削り取る事で模様を浮き上がらせ、まるで見事な彫刻を施したかのように錯覚させる装飾なのです。

このスクラフィットは、スイスの中でもエンガディン地方を中心とした我がグラウビュンデン州でしか見られません。もし、サン・モリッツ周辺にスキー休暇などでいらっしゃる時には、このあたりの殺人的物価に驚愕するだけでなく、スクラフィットも見学して貧しくても家を美しく飾ろうとしたスイス人の心意氣に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。
.13 2012 美しいスイス trackback0

建国を祝う

Posted by 八少女 夕

今回は、「美しい」かどうかは別として、スイスにいて考えた事を。

8月1日はスイスの建国記念日です。ハイジの次に日本で有名なスイス人、英雄ウィリアム・テル。まあ、実在しなかった人なんですが、この伝説の元になった史実、悪代官の支配に抵抗した三州(当時は三国)の誓約同盟 (Eidgenossenschaft)を締結したのが1291年8月1日で、これを建国記念日としてスイスでは毎年盛大に祝うのです。

1st August

日本のように海や神風台風に守られる事もなく、ひたすら周りの強国の干渉に自力で抵抗し続けたスイスは独立という事に対する意地と誇りが半端ではありません。永世中立なんて美しい言葉だけは独立を守れないと、完全な武装にこだわり、つい最近まで国連に加盟するのすら否定していたぐらいです。自分たちに出来る事はいかなる犠牲を払ってでもし、その上で神のご加護を祈る、まさに「人事を尽くして天命を待つ」な国民性。その善し悪しは別として、いまだに直接民主制を固持する頑固な人々は「他力本願」という言葉とは無縁です。

そのスイス人が、誇りを持って祝うのが8月1日です。普段は爪に火を灯すように節約に命をかけるスイス人が、どの市町村でもかがり火を焚き盛大に花火で独立を祝うのです。

8月1日が近づくと、どのスーパーや店でもやたらと国旗デザイングッズが売られるようになります。各家庭には国旗が掲げられます。自分の州の旗も飾ります。どこもかしこも赤地に白十字だらけになります。愛国心の固まりです。

これを見る度に、私は複雑な心境になります。自分の国の多くの人が日の丸に対してする反応について。

いろいろな意見があるのはわかっています。自分の意見が、辛い体験をした方に不快である事も自覚しています。それでも、私は自分の国の国旗や国歌を卑下する人が多数派のような風潮を悲しく思うのです。

私は故郷から遠く離れていますが、未だに強い愛国心があります。白地に赤い太陽を配したこの上なくシンプルかつ美しいデザインの国旗を誇りに思っています。1300年以上前に、属国扱いをしようとした大国に対してトップが精一杯の誇りをみせた「日出ずる国」であるという精神を大切に思っています。他のどの国でもなく、日本に生まれた事を、美しい国土と独自の文化を生み出した日本を。

だから、私は国旗と国家に敬意を払います。たとえ一時はそれが天皇を意味したとしても、現在主権が国民にあるのなら「君が代」とは「日本国民の生き続ける時代」です。それが永久に続くようにという、世界にも類のない平和な歌詞の国歌を誇りを持って歌っています。オリンピックであろうとサッカーの試合であろうと、国旗が揚がり国歌が流れれば当然のように起立して敬意を示します。

これを、すべての人がすべきと言いたいわけではありません。ただ、私は悲しいのです。自分の国の国旗や国歌を誇りに思っているというだけで、なぜ非難されなくてはいけないのだろうと。

諸手を挙げて建国記念日を祝うスイスの人々を見て、オリンピックやサッカーのワールドカップやヨーロッパ選手権の度に、誇らしげに自宅や車にそれぞれの国旗を掲げて応援するヨーロッパの人々を見て、なんだかなあと思うのです。
.30 2012 美しいスイス trackback0

特別な花のある風景

Posted by 八少女 夕

一枚目はポスキアボで撮った夏の庭の風景。そして拍手お礼ページでも使っている二枚目は我が家のあるフラットの敷地での風景。

ポスキアボにて タチアオイ

この花は、私にとって特別な花です。私の実名と同じ名前を持つ花なのです。日本にいようと、結婚しようと、変わらないのがファーストネーム。すべて母音の外国人には聞き慣れない特別な名前を、私はとても誇りに思っています。私が生まれた時にはまだ人用漢字に制定されていなかったので、同世代でこの名前をもつ女性にはほとんど逢った事がありません。両親はひらがなでこの名前を付け、人用漢字に制定された後は家庭裁判所に申し出てまでこの名前を私のものにしてくれたのです。最近はかなりありふれた名前のようですが。

夏になり、この花が咲く度に、日本でもスイスでも、私は自然に応援されているような氣持ちになります。夏の間、力強く次々と咲く花。この名前をもらった事を本当に嬉しく思っています。
.23 2012 美しいスイス trackback0

海のない国の湖

Posted by 八少女 夕

ドイツ語で湖は「das See」と言います。で、海は「das Meer」または「das/die See」というんですね。つまり、大海原という意味でなければ、彼らは海と湖はほとんど一緒だとみなしているわけです。海水浴と湖水浴にも基本的に差はありません。海のあるドイツですらこうなのですから、海のない国スイスではさらにその違いは希薄なのです。

ジュネーヴのジェド 写真はレマン湖の大噴水、ジェド

もちろん私にとっては海と湖は大きな違いがあります。まあ、カスピ海に行ったことはないので、向こう岸が見えないような湖と海を分ける必要があるのかという問題に対しては答えは持っていないんですが。

個人的には、湖の上を船で渡る時には、海に出るときほどのドキドキ感はありません。まあ、揺れも違いますが、本当は心理的な寄る辺なさが違うだけなのかもしれません。

湖畔のレストランに座って、もしくは、湖上遊覧船やフェリーに乗って、風を感じるのは爽やかです。穏やかな氣持ちになる湖畔はスイス人も大好きらしく、湖畔の家は一般的に大金持ちのステータスシンボルになっているようです。
.09 2012 美しいスイス trackback0

父なるライン

Posted by 八少女 夕

ライン河は私たちの生活と切っても切れない関係にあります。私の住むグラウビュンデン州に生まれ出て、支流を集め、蛇行しながらスイスの多くの州やリヒテンシュタイン・オーストリアを通った後に、ドイツ、フランスそしてオランダへと流れていきます。「母なるドナウ」と対になって「父なるライン」と呼ばれるのは、「Der Rhein」が男性名詞だからです。なぜとは訊かないで下さい。名詞の性別って謎ですから。

ラインの瀧

スイスは水資源の豊かな国です。日本でもそうでしょうが、水源の水は清らかでおいしい。4000メートル近い山の氷河の一滴にはじまり、動物たちののどを潤し、作物の根元に染み入り、電力となって人間の生活を豊かにし、国際物資輸送のための通路ともなり、観光客を喜ばせて、海へと消えてゆく。

私たちの側では、ごく普通の川でしかないラインも、シャフハウゼンにまで到達すると、写真のような立派な大河になっています。人々はライン瀧のスペクタクルに歓声をあげます。
.02 2012 美しいスイス trackback0

喫茶去

Posted by 八少女 夕

薔薇は別として、薫りの高い花というのは見かけがあまり華麗でないことが多いと思います。私の好きな花の多くは、樹に咲く香り高いもの、沈丁花、金木犀、ニセアカシア、リラ、ニワトコなどですが、今日ご紹介する写真もそのひとつ、菩提樹です。

菩提樹の花

この妙な形の黄色い花は、秋になると小さな竹とんぼのように空を舞います。くるくると旋回しながら、遠くへと運ばれていこうとする姿は、自然の謎に満ちていています。この菩提樹は二種類あって、見かけはほとんど一緒なのですが、明らかな違いがあります。それが薫りなのです。

ほとんど何の薫りもしない菩提樹は、木陰を提供してくれますが、人々はそれ以上の関心を向けません。薫りのする方は、もちろんその薫りも楽しむのですが、花を採り、乾かしてハーブティーにします。そう、リンデンブルーテンティーです。

鎮静作用があるので、寝る前や、子供が興奮状態にあるときなどに飲ませます。それと風邪の初期症状にも効くということで、常備する家庭が多いのです。

私は、食事の後は、いつも夫とお茶の時間を持つようにしています。お茶を飲みながら今日あったことを話したり、次の休暇の計画を立てたり、いろいろなことを話したりします。夜はカフェインやテーインのないものを飲むようにしているので、リンデンブルーテンティーの出番も多いですね。

禅語のひとつに「喫茶去」というのがありますよね。「まあ、お茶でもどうぞ」という意味ですが、思っていたよりもずっと奥深い言葉みたいです。中国の偉いお坊さんが、知っている人にも、知らない人にも、院主さんにも全く同じように「お茶でもどうぞ」と言ったという故事から来ているらしいです。立場や利害の違いなど一切ない無の境地に達した人だからいえた言葉。

私の場合は、まだそこまで達していませんが、何かムッとすることがあった時、ちょっと喧嘩になったりした時になど、「まあ、お茶でもしましょうか」と一息つく習慣は悪いことではないでしょうね。そう考えて、菩提樹の花を集めて乾かす私なのです。
.24 2012 美しいスイス trackback0

牛のご飯には惜しい……

Posted by 八少女 夕

赤く可憐なケシが風に揺れています。これは庭ではなくて、そこらへんに勝手に生えている野生種のもの。結構な数になるとそれはそれで美しいものです。

芥子の花

田舎暮らしなので、牛だのヤギだのがその辺にいるのに慣れっこでございます。で、ただっ広い空間の多くがただの草原になっていて、ここで放牧したり、干し草を作ったりするんです。そこに生えている花は基本的には雑草なんですが、雑草と言うには惜しい花が多いのです。

三越のチェルシーガーデンって、まだあるのかな?私が日本にいた頃はあったんですけれどね。英国風のハーブなんかを売っているコーナーで、あそこでけっこうなお値段で売られていたハーブが、そこら辺に生えているわけですよ。チコリ、ヤロウ、カモミール、ルバーブ、ラベンダー、ボリジ、ソレル、セージ、フェンネル、タイム、ワイルドストロベリー……。これ、みんな雑草扱いで、牛がもしゃもしゃ食べてます。

写真のケシの花も、その内に家畜が直接食べるか、それともトラクターがガーッと苅っていってまとめて干し草になってしまうでしょう。

.18 2012 美しいスイス trackback0

天候がすべて!

Posted by 八少女 夕

大きなお城、何日いても飽きないような美術館、買い物天国。こういうもののほとんどないスイスを楽しむために絶対的に必要なのは……。天候に恵まれること、これにつきます。そして、それはどんな大金を積んでも確実には手に入らないものです。

瀧 これはサン・ベルナルディーノ峠近くの瀧です。目に涼しいでしょう?

日本からヨーロッパ旅行を企画する人は、たいていぎっちりスケジュールを組んできます。計画すれば、予定通りに物事が進む日本という国に慣れているせいもあるでしょうが、まずタイトスケジュールです。十日間八カ国ツアーとか。特に、スイスみたいなちっぽけな国に、そんなに時間をかけていられるか、そう思われるんでしょうね、こちらでは笑い話になっているスケジュールが、日本人ツアーでは横行しています。

「朝にドイツ出発→ロマンティック街道→リヒテンシュタイン30分滞在→マイエンフェルド(ハイジ村)30分滞在→ルツェルン泊→翌日ルツェルン出発」

スイス人はこの話を聞くと、目を丸くするか、腹を抱えて笑います。冗談じゃないんだけど。

運良く、いい天候に恵まれれば、このタイトスケジュールでもスイスを楽しめます。スイスはヨーロッパでも特に時間に正確に交通機関が動きますし(ただし、日本ほどではありません、念のため)、渋滞もほとんどないので。

でもねぇ。曇っていることもあるんですよ。雨だって降りますしね。そうすると魅力が、全く伝わらないんですよね。30分じゃ地元の人とも触れあえませんしね。

以前ツェルマットに行った時、現地の通訳の方がぼやいていました。日本人は日程に余裕がないので、雨でもハイキングをやりたがると。他の外国人はツェルマットならツェルマットに一週間くらい滞在するので、雨の日にハイキングに行ったりしないんですよ。濡れてちっとも面白いことないし、それに危険ですしね。

そういうわけで、ハイキングや野外活動がしたくてヨーロッパにいらっしゃる方は、少なくとも同じ場所に三泊くらいするスケジュールをおススメします。いやあ、ほんとうに別世界みたいに違うんですよ。晴れているスイスは、本当に天国みたいに美しいのです。このコーナーでも、スイスの魅力をどんどんお伝えしていきますからね。
.11 2012 美しいスイス trackback1
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