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Posted by 八少女 夕

「私のサウダージ」

「Infante 323とポルトの世界」カテゴリーの記事です。オリジナル小説「Infante 323 黄金の枷」を書くにあたってイメージの構築に使った題材をこのカテゴリーに置いています。

今日は大好きなボサ・ノヴァの「Minha saudade」とその歌詞(ならびにその和訳)をご紹介しようと思います。


Walter Wanderley - Minha saudade

「Infante 323 黄金の枷」の作中にはファドも出てきませんが、ボサ・ノヴァの具体的な曲名なども全く出てきません。なんですが、ポルトガル語で歌われる代表的な大衆音楽として、どちらも書く時に大きな支えとなってくれているのです。

ファドは、ポルトガル本国で発達した大衆音楽ですが、ボサ・ノヴァはブラジルで発達した音楽で、使われる言葉も、それにトーンも全く違います。日本の音楽でも、演歌とJ-POPが全く違うテイストを持っているように。

通常は「郷愁」「望郷」などと訳されることの多い「サウダージ」という言葉は、ファドでも、ボサ・ノヴァでもよく使われます。今回の小説で使ったように「叶わない願い」「手に入らぬものへの憧れ」というような感情を表す時にも使われます。今回の場合は、ヒロイン、マイアの感情ですから、ファドよりもボサ・ノヴァ、それも伸びやかな小野リサの声がとてもよく合うなあと思って書いていました。残念ながら小野リサの動画は貼付けられないみたい(あってもロシアか中国のものばかりなので無理に貼るのはめておきます・笑)なので、テンポが好みのものを探してきました。

歌っている内容は切ない失恋なのですが、でも、演歌ではなく、怨歌でもなく、いい意味での軽やかさがある歌です。

Minha saudade
 
Minha saudade
É a saudade de você
Que não quis levar de mim
A saudade de você
E foi por isso
Que tão cedo me esqueceu
Mas eu tenho até hoje
A saudade de você
Eu já me acostumei
A viver sem teu amor
Mas só não consegui
Foi viver sem ter saudade
Minha saudade
É a saudade de você
Que não quis levar de mim
A saudade de você

Composição: João Donato / João Gilberto


私のサウダージ

私のサウダージ、あなたを想う心の痛み。
受けとめてもらえなかった、あなたへの想い。

あなたは私のことを簡単に忘れてしまった。
でも、私は今でもあなたのことを想い続けている。

もう慣れっこになってしまったの。
あなたに愛されることなく生きることに。
でも、想わずに生きることはどうしてもできなかった。

私のサウダージ、あなたを想う心の痛み。
受けとめてもらえなかった、あなたへの想い。





この記事を読んで「Infante 323 黄金の枷」が読みたくなった方は……

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あらすじと登場人物




【次回予告】「Infante 323 黄金の枷」 (14)喫茶店

 自分だけ街に行けるのは申し訳ないなと思った。彼は出て行けないのに。突然あの嵐の日の事を思い出した。彼は出て行けるんだ。私以外誰も知らないけれど! マイアは囁いた。

「ねえ。23、抜け出せるんだよね。抜け出しておいでよ。街で休憩していいって言われたの。喫茶店に一緒に行かない?」


用事で街へ出かけることになったマイアは、23に一緒に街へ行こうと持ちかけます。そして、23から驚くべきことを教えてもらうことになります。四月更新予定です。お楽しみに。
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