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Posted by 八少女 夕

ロマンシュ語について

前回の記事で、コメントをいただき読んでいるうちに、ロマンシュ語の事(それ以前にスイスの言語事情)がみなさんにはものすごくわかりにくかったらしいということに氣がつきました。

住んでいる私はもちろん、スイスの事が好きです何度も来ている方(私がお逢いするのはそんな方ばかり)には当然の事が、それ以外の方には著しく「?」なのですよね。

というわけで今日は、もう少しわかりやすくご説明する事にします。


まず、グラウビュンデン州について。下の地図で黄色く塗ってある位置にあります。あ、全体はスイスの地図です。スイスがどこにあるかなどの説明は、いいですよね(笑)

グラウビュンデン州

グラウビュンデン州はスイスの南東の端にあります。国境を接しているのは、オーストリア、リヒテンシュタイン、そしてイタリアです。

そして、下の地図はWikipediaから引っ張ってきました。
2000年時点のスイスの言語分布地図です。緑色がフランス語圏、オレンジがドイツ語圏、江戸紫がイタリア語圏、京紫がロマンシュ語圏です。ドイツ語とロマンシュ語が入り交じっている場所もあります。

四つの言語がスイスの公用語ですが、その四つを全ての地域で話しているのではなく、州ごとに決まった公用語があります。例えばチューリヒはドイツ語、ジュネーヴはフランス語、ティツィーノはイタリア語という具合に一つの事が多く、例外的に二つの言葉を公用語にしている州もあります。そして、グラウビュンデン州だけは例外中の例外。地図を見ていただくとわかるように、ドイツ語、イタリア語、そしてロマンシュ語を話す地域が含まれているので、公用語が三つあるのです。ロマンシュ語はスイスではこの州だけで話される言葉です。

Map Languages CH
By Marco Zanoli (sidonius 13:20, 18 June 2006 (UTC)) (Swiss Federal Statistical Office; census of 2000) [CC BY-SA 3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons

ロマンシュ語(もしくはレトロロマンシュ語)というのは、ラテン語から派生した言葉です。紀元一世紀ぐらいにこの辺りはローマの属州となり、ローマ帝国の版図すべての地域では公用語ラテン語を話すようになりました。でも、その後にゲルマン人がやってきて、現在のドイツ、オーストリア、スイスの一部はゲルマン化されたのです。そして、残りの部分の平地は、それぞれの支配した人びとの言語が優勢となり、イタリア語圏やフランス語圏ができたのです。でも、山の中で支配の及ばなかったところはラテン語が変化して独自の言語ロマンシュ語になったのです。ちなみに同じようにラテン語から独自の言語になった言葉(フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語など)のことをロマンス諸語と総称します。

ロマンシュ語はスイス人口の0.5%ぐらいが話します。イタリア語に似ていると言えば似ていますが、まあ、イタリア語とスペイン語くらいの「似ている」かな。ドイツ語圏の人には全くわからない言葉ですが、イタリア語ができれば「なんとなくこんなこと言っているかな」と推測はできる感じですね。 もっとも、ドイツ語圏に支配されていて、長い間公文書などに使う公用語としてはドイツ語が使われてきたこともあり、かなりの語彙がドイツ語から流用されている事にも特徴があります。

イメージとしては、和語としての日本語にない新しい単語は外来語がそのまま取り入れられていますよね、あの感じです。例えば「テレビ」「パンナ・コッタ」みたいに。ああいう感じで、ラテン系の言語の中に突然ドイツ語の単語が入り交じるのです。

ロマンシュ語は絶滅の危機に瀕している言語です。子供たちは、全員ドイツ語とのバイリンガルですし、村を離れて都会に行けば話すのはドイツ語です。そこで結婚して家庭を作れば、その子孫はドイツ語を話す事になります。こうして年々ロマンシュ語を話せる人びとの数は減っており、州と連邦は危機感を持って組織的にその保護活動を進めています。

スイスの地理をご存知の方がロマンシュ語の分布をご覧になると、「ああ」とおわかりになるかと思いますが、基本的にアルプスの山の中の地域にあるのです。中央スイスに近い方の地域は、フォルダーライン河の流れるビュンデナーオーバーランドです。そしてオーストリアに近い方がエンガディン地方です。

この二つの地域は、過去にはあまり交流がなかったため、言葉はそれぞれの形で方言化しました。もちろんお互いに話は通じますが、共通ロマンシュ語(Rumantsch Grischun)を作る作業で大きな困難となっているのです。

ロマンシュ語をスイスの公用語として認め、保護しようとする動きが始まったのは、そんなに古い事ではありません。1938年にファシスト化したイタリアが、「住民がイタリア語を話す地域はみんなイタリア!」と領土拡大の侵略政策をとりはじめると「彼らが話しているのはイタリア語じゃない、独自言語だ」と、スイスはロマンシュ語を第四の公用語にしました。

実は、それまではかなり長い間「ロマンシュ語なんて話すな。ちゃんとドイツ語を話せ」と学校などではドイツ語を強要していたのです。これがロマンシュ語の人たちがイタリア語ではなくてドイツ語とバイリンガルになった理由でもあります。

そういう事情があり、ロマンシュ語はずっと方言としてだけ存在し、「公式ロマンシュ語」にあたるものが存在しませんでした。公式文書に書き記すべき文語がなかったのです。もちろんこれでは、学校でロマンシュ語を教えるのにも困ります。

共通ロマンシュ語(Rumantsch Grischun)を作る動きが本格的に始まったのは1970年代、そして、それが正式にグラウビュンデン州の公用語となったのは2001年です。現在はロマンシュ語の放送局もあります。でも、今でもまだ批判があったり、なかなか広まらないなどの問題が残っています。何故かと言うと、共通ロマンシュ語は各方言から少しずつ持ってきた言葉で出来ているのですが、そのせいで実際にその言葉で毎日話している人間が居ない、という逆説的な事になってしまうからです。エスペラント語のような感じでしょうか。人工言語というのは普及させるのは難しいのですね。ある程度の強制力とそれを日常的に使う一定数以上の人びと、そして十分な時間がないと、なかなか根付かないものです。NHK標準日本語や標準ドイツ語などのようにある方言が集権的に統制されて使われる事によってできた共通語の方が浸透しやすいのでしょうね。

このような特殊な言語ですので、イタリア語圏やフランス語圏で生まれ育った人がロマンシュ語を話せるという事はまずありません。(例外は、両親ともにロマンシュ語圏出身で、別の地域に移住しても家庭ではロマンシュ語で話し続けている場合)

他の地域のスイス人がロマンシュ語圏の人たちと会話をする時に使う言語は、ドイツ語か英語です。公用語が四つもあるにも関わらず、自国の人間と会話をする時には外国語を使わなくてはならない。このあたりは、日本の方にはとてもわかりにくい事情かもしれないですよね。

いずれ、もっと不思議な言語であるスイスジャーマン(スイス方言ドイツ語)についてもお話ししたいと思います。
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Comment

says...
こんな風に国内にたくさんの言葉があるとすぐバイリンガルになれていいですよね
私も地元の方言と東京語と関西弁も多少ならわかるけどそれじゃバイリンガルって言えないですし…
(本当は地元の方言も怪しいですけど…)

でもきっと色々と不便なこともあるのでしょうね
微妙な場面ではどっちの言葉で話せばいいんだ…オロオロってなりそうです
2015.07.27 07:58 | URL | #- [edit]
says...
なーるーほーどーおー!
私の基本的な勘違いは、スイス人は皆最低でも4ヶ国語話せる。でした(><)
古い話では、デイビッド・ボウイの元奥さんが、スイス人で4ヶ国語話せる人だった、というのにまず、スイス人すご。というのがあって。(ホント古っ -_-;)
その次は、Ausを旅行しているときにスイス人と会って、その人も4ヶ国語話せるっていうので、そこでまたスイス人すご。となって。その人に会ったのは1997年なので、ロマンシュ語が公用語になる前!? そういえば、その人、公用語とはいわず、方言と言っていて、ちょっと混乱した。

言語分布地図が興味深いですね。
スイスジャーマンにめっちゃ親しみ。
こちら、オージーイングリッシュと言われるので^^
2015.07.27 10:21 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

いや〜、あるだけじゃバイリンガルにはなれません(笑)
横須賀に住んでいても英語ペラペラになれないのと一緒で。

ダメ子さんのところ方言があるんですか?
ちょっと訛ってみてください!
地方萌えってやつかな(そんな言葉ないか)

何が不便って、製品の裏に書いてある説明書きが三か国語にするためにスペース使うんで
やたらと小さく書いてあって、老眼になると読めない事です!
あ、ダメ子さんには、当分関係のないお話ですよね。

微妙な部分では、相手のわからない言葉で話すのが無難です(笑)

コメントありがとうございました。
2015.07.27 20:13 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

「皆最低でも四カ国語話せる」ってことはないです。一カ国語で終わりの人もいますのでご安心を(笑)
うちの州はご覧の事情からバイリンガル・トリリンガル率高いですが、例えばチューリヒなどではイタリア語のわかる人はそれほどいませんし、フランス語も苦手の人が多いようです。

でも、たぶん日本はもとより、ドイツやイタリアやフランスなどの他のヨーロッパの国と較べても、外国語に対する抵抗がないという意味では、スイスはピカイチです。四カ国語話せる人は珍しくありません。
うちの連れ合いも中学までしか出ていないですが、四カ国語(独・仏・英・伊)ペラペラです。
でもねぇ。このわたしですら三か国語(日・英・独)話せますし。

例えばケアンズに住んでいたら、シドニーから商品を送ってもらうために外国語って必要ないですよね。でも、スイスではそうはいかないんです。
 
フランス語圏スイスの人間でもチューリヒと取引するためにはドイツ語を使うしかないです。反対に、国連と話をするためには英語ができなきゃ話になりません。ツーリズムで働く人も英語ができて当然です。イタリア語圏もドイツ語とフランス語ができないと仕事になりません。という具合に、一つの国にたくさん言葉があるので必要性から外国語を学ばざるを得ないのですね。

でも、「四カ国語できる」スイス人の四つ目の語学はたいてい英語です(笑)「ロマンシュ語なんてできてもあまり役に立たないし」ってことで。日本人でもアイヌ語や琉球語よりも英語のできる人の方が多いですよね。

1997年には、ロマンシュ語はスイスとグラウビュンデンの公用語でした。でも、共通ロマンシュ語がまだできていなかったのです。まだ「あーでもない、こーでもない」とやっていますので、定着までにはまだかかると思います。以前は、それぞれが方言を発音通りに書いていただけで、つまり人によってバラバラだったのです。でも、どっちにしても書類はドイツ語で提出していたりしましたから、関係なかったのですね。

けいさんがあった方がロマンシュ語を話せる方だったのですね。それ、グラウビュンデン州出身の方です。ロマンシュ語、英語、そしてドイツ語は絶対にできるはずですから、最後の一つはイタリア語かフランス語。イタリア語の方が簡単に習得できるはずですが、一時期、ドイツ語圏では第一外国語がフランス語だったので、フランス語ができる可能性もあります。

ちなみにかつては学校でドイツ語かフランス語が必修だったのですが、いまは英語にシフトしつつあります。現実的な選択ですが「なんでよその国の言葉から」という反発があるのも現実です。

あははは。オージー英語、聞き慣れないとびっくりしますよね。
スイスジャーマン、私の感覚ではもう方言ではありません。外国語。何故あれを方言と言い張るのか(笑)
ドイツ人が聴き取れない言葉で、テレビでは字幕が必要なのですよ。文法も違うし。

こんどまた詳しくお伝えしますね。

コメントありがとうございました。
2015.07.27 20:44 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
何だかやっぱり、沢山の国が国境線という見えないラインだけで区切られたヨーロッパならではの世界だなぁ。今はこの線だけれど、そのうちまた違う線が引かれることになったり、あるいは国の境はここだけれど、文化の境はこっち、みたいに複雑に入り組んでいるんですね。
ちょっと違うけれど、兵庫県の一番端っこの赤穂の人からしたら、神戸大学より岡山大学の方が近いから、文化圏・生活圏的には岡山県、みたいな感じなんだろうな。(あれ? 全然関係ない?)
スイスの中では言語がいっぱいあってお互い話せないのに、イタリア語とスペイン語の間では会話ができたりするのも不思議だし。
そう言えば、九州新幹線が開通してびっくりしたのは、アナウンスが東海道新幹線や山陽新幹線と違って、日本語、中国語、韓国語、英語の4か国語だということ。う~ん、やっぱりあの辺りは東京よりも海の向こうの方が近いのか……

またまた話はずれますが、大学生の時、初めてイタリアを放浪した時、ヨーロッパの人々ってほとんど英語を話せるんだと思っていました。ローマでは英語で事足りたので、そのまま田舎町に入って行ったら、全くもって誰も英語を話さない。で、これはいかん、と、2回目以降、ちょっとイタリア語を勉強していったのに、地方に行ったら訛っててよく分からない(それでもみんな親切だったけど)。結局、人情と勢い(途中から私は堂々の関西弁。何だか関西弁の方が通じる感じだった)で乗り切りましたが……言葉ってほんと、不思議ですね。

日本でも……やっぱり、東北弁は方言を越えていると思うなぁ……単語まで違ってるし、テレビでも字幕が必要だし、そもそも津軽に住む若者は、津軽老人のしゃべる言葉は分からないというし。そもそも、津軽のお年寄りは標準語を喋れないみたいな気がする……タクシーの運転手さんとか、半分くらいしか言っていることが分からないし。日本なのに、イタリアの田舎みたい……
(長々と的外れなことをすみません)
2015.07.28 14:47 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こんばんは。

そうですね。国境という概念も、海に囲まれた日本より曖昧ですよね。
国境と県境の違いがあまりなかったり。

赤穂がちょっと岡山っぽいというのは、大いに似ていますよ。
実は、ドイツのスイス国境よりのところの言葉は、かなりスイスジャーマンっぽかったりしますし。

ああ、でも、イタリア語とスペイン語がなんとか話せるくらいの感じには、ロマンシュ語とイタリア語も話せたり。っていうか、境界のあたりの言語は、かなり同じだったりして線引きが難しかったり。

電車のアナウンスはね、聴いていると面白いんですよ。
途中まで「ドイツ語、フランス語、英語」の順にアナウンスしていたのが、アルプスを越えたら「イタリア語、ドイツ語、英語」になったり。でも、ロマンシュ語は無視されています。

イタリアの田舎では、英語は通じませんよね。これはフランスやスペインでも同じです。
ドイツやオーストリアは、もう少しまし。ポルトガルもかなり英語が通じるように思います。
でも、突出してスイスで英語の通じる率はものすごく高いです。たぶん人口100人くらいの寒村でも、一人くらいは英語話せるだろうな。三か国語、四カ国語ペラペラのレジパートなんてのも、イタリアではそんなにいないと思いますが、スイスでは普通です。特にグラウビュンデンはそうですね。

東北のその言葉の感じは、まさにスイスジャーマンに通じるな……。ま、若者もスイスジャーマンだけれど。日本と違うのは、スイスってテレビでもスイスジャーマン喋っているんですよ。方言によっては、私はニュースが聴き取れない(泣)

なんて話も、また書こうっと。

反応してくださって嬉しかったです。コメント、ありがとうございました。
2015.07.28 19:53 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
本当に言語の問題って複雑でおもしろいですね。
日本しか知らない私は、感覚としてなかなか理解しがたいのですが、まさにそちらの方は、言葉を通してその地域の歴史や政治を感じているのかもしれませんね。
ほら、ヨーロッパでは6か国を話せる、とかいう人がいるじゃないですか。
どんな天才的語学力だ!とか思ってたんですが、もしかしたら必要に迫られたりとか、そういう環境に置かれていたとかなのかもしれませんね。

たとえば日本語と英語は文法がまるきり違いますよね。
日本人が英語を学ぶときにまず壁となるのがそこで。(大学では中国語を学んでいたのですが中国語も文法的には英語に近いと感じました)
でもフランス語、ドイツ語、イタリア語、ロマンシュ語というのは文法的にかけ離れているもんなのでしょうか。
たとえば日本語と琉球語の差くらいなんだろうか、とか。
・・・って、夕さんに聞く前に調べなさいよって話なんだけど。><すいません

いずれにしても、言葉と文化と歴史。改めて密着してるんだなあと感じました。
2015.07.28 23:57 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
こんばんは。

そうですね。たかが言葉、されど言葉で、これが勢力だけでなく人びと行動原理にまで影響していたりしますので、言葉の事を知るのは世界や歴史を理解するためにとても重要だと思います。

limeさんは中国語を学ばれた事があるのですね。
だったら話が早い! なんて。

ロマンス諸語(フランス語、イタリア語、スペイン語、ロマンシュ語などのラテン語から派生した言葉)もゲルマン諸語(ドイツ語・オランダ語・スウェーデン語など)も、それにロシア語などのスラヴ諸語やアイルランド語などのケルト諸語もインドヨーロッパ語族と総称されます。兄妹ではないけれど遠縁ぐらいの関係はあるってことです。

簡単に言うと、日本語と中国語は(漢字の表意はのぞいて)関係がありませんよね。例えば、母親という意味の言葉には「はは」と「マー」に相似はないです。インドヨーロッパ語族に属するドイツ語は「Mutter」イタリア語は「madre」というように基本単語の相似があるのです。ま、全く違う単語も多いですけれど。

また英語はそもそもドイツ語とフランス語が合体してできたような言葉です。だから「英・独・仏・伊・西・葡」の六カ国語が話せるというのは「日・中・韓・タイ語・アラビア語・タガログ語」の六か国語が話せるというのとは、習得までの労力が全然違います。そんなに「天才!」と驚くほどの事ではありません。ただし、「方言みたいなもの」のように簡単には習得できませんけれど。

文法の違いは、そうですねぇ。似ているところは似ています。
中国語と英語が似ているというレベルで語るなら、スイスの公用語四つの文法はもちろん似ています。
たとえば、動詞が人称によって変化する(「私は愛する=Ich liebe」「君は愛する=「Du liebst」...)は共通です。それに名詞に性がある(「der Hund=犬・男性名詞」「die Katze=猫・女性名詞」)というのも共通です。でも、どの言葉でも同じ活用形ではないですし、同じ性ではないです。

英語とドイツ語は似ているところもありますが、性があったり格(「を」とか「に」とかにあたる言葉の代わりに定冠詞が変化したりする)があったり動詞の位置が違ったりと、文法的にはいろいろと違うので英語ができてもドイツ語はなかなかできません。もっともドイツ語ができると英語は簡単です。英語は文法的に他の言語より簡単なので。

ロマンシュ語とイタリア語は、まあ、方言レベルの違いですね。フランス語はロマンス諸語の中では、ちょっと特殊なのでイタリア語とスペイン語のように「お互いが自分の言葉で話していれば意志は通じてしまう」というような言葉ではありません。ドイツ語とイタリア語は、日本語と韓国語ぐらい違うでしょうかね。琉球語よりは遠いけれど、中国語ほどは遠くないかな、という感じですね。

ただ「○か国語ができる」というのも、日本の方はまじめなので「文法が完全にわかって、技能検定で一級を取得したレベル」ぐらいでないと「できる」とはおっしゃいませんが、こちらでは「意志の疎通ができるか」が基準ですので、そんなに「天才」というような人ばかりではないと思います。

ちなみに私は辞書なしで雑談が一時間以上問題なく続けられる英語とドイツ語(と日本語)を「できる」に含めています。会話の主題はわかって(返事はうまくできない)、レストランで注文できて、ホテルのチェックインなどもできるレベルのイタリア語とフランス語は「ほんのちょっと」と言っています。

「六カ国語できる」の人も、日本人も真っ青なドナルド・キーン並におできになる方から、私レベルの自己申告までいろいろですので(笑)

コメントありがとうございました。
2015.07.29 20:16 | URL | #9yMhI49k [edit]

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