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Posted by 八少女 夕

【もの書きブログテーマ】タイトルの話

「もの書きブログテーマ」このあいだ書いたばかりですが、書かないでいると思いつきを忘れそうなんでまた書いちゃうことにしました。これ、もともとはlimeさんの始められたシリーズなんですけれど、テーマを設定して、それについて創作ブロガーの方が自由に書くという、バトンみたいな記事です。

で、新テーマです。ちょっと漠然としていますが「タイトルについて」書いてみることにしました。もし、もしこのテーマで書いてみたいなと思われた方は、どうぞご自由にお持ち帰りください。




「小説というのは、中身で勝負」というのはもちろん大前提なんですけれど、それでも惹き付けられる題名か、もしくはストーリーにふさわしい題名か、というのはとても大切なことだと思うのです。

もっとも、この話題はすでに「題名の話」という別記事で語っていますので、ここでは繰り返さないことにします。

今日、わたしが語ってみようかなと思っているのは、小説そのもののタイトルではなくて、各章または各話につけているサブタイトルの話です。

もちろん、このサブタイトルというのは義務ではありません。「第一章」「第一話」もしくは「(一)」で十分です。でも、かなり苦悩しているのにも関わらず、私は毎回サブタイトルを付ける形式を用いています。

一つは、読んでいただく方に「お? 今回はどんな話だろう?」と興味を持っていただけるようにです。でも、実はもっと大きな目的があります。書く時に「こういう流れにしよう」という簡単なイメージを用意するんですけれど、その指標みたいに使っているのですね。

何度か開示していますが、私が長編を書く時は「鉄道停車駅方式(自称)」で書くのです。まず最初に「始発駅」と「終着駅」を決めます。それに「特急電車なら止まる大きい駅」の部分を書いていきます。それから「急行停車駅」最後が「各駅停車しか止まらない駅」です。そのそれぞれがどういう駅(ストーリー展開)なのかは何となく決めておいて、それを忘れないように駅名(タイトル)を決めておくのです。後で変えることもありますけれど、そのままの方が多いです。

ものすごく分かりやすいのは「森の詩 Cantum Silvae - 貴婦人の十字架」の「マールの金の乙女の話」や「水車小屋と不実な粉ひきの妻」でしょうか。そのまんまですね。

サブタイトルとは言え、中身と関連があるように設定すべきでしょうし、でも、あまり散文的なのもどうかと思うので、毎回容量の少ない脳みそを絞ります。

中には、私にしか分からないだろうなと思われるサブタイトルを使っている場合もあります。「樋水龍神縁起 春、青龍」のエピローグとして使った「去年の春」というサブタイトルは、もちろん内容と関連しているのですが、このシーンのBGMとして使っていたグリークの「Letzter Frühling」から来ているのです。これ日本語だと詩的に「過ぎし春」と訳すみたいですが、歌詞を調べるとまだ過ぎていないし、語り手がおそらく来年は生きて迎えられないと感じているから「最後の春」と訳すのが正解です。ドイツ語ではどちらも同じ「Letzter Frühling」なのです。で、主人公視点で言えば一年前の春が「最後の春」で、このエピローグの語り手からすると(心理的に「過ぎた春」でもなく)「去年の春」なので、「去年の春」というタイトルにしたのです。もちろん、自分以外には誰にも分からない(笑)

というわけで、時に異様にこだわりつつ、時に適当すぎるほど簡単に、たくさんのサブタイトルを作り出してきています。内容と見た目とがぴったり合った時などは、一人で勝手に「よっしゃ!」と小躍りしたりしています。そんなの私だけかしら?



ついでなので、自分で納得のいっているサブタイトルをいくつか開示してみましょう。
「大道芸人たち Artistas callejeros」「バルセロナ、色彩の迷宮」
「京都、翠嵐」
「東京、積乱雲」
「樋水龍神縁起 春、青龍」「味到」
「青龍時鐘」
「樋水龍神縁起 Dum Spiro Spero」「百花繚乱の風」
「龍の宵」
「命ある限り」
「夜のサーカス」「夜のサーカスと紅い薔薇」
「森の詩 Cantum Silvae - 貴婦人の十字架」「森をいく」
「優しい雨」
「Infante 323 黄金の枷」「海のそよ風」
「雪の朝」(これはまだ未発表)
「夜想曲(ノクターン)」「瀧の慟哭」
「太陽の乙女」
「十二ヶ月の組曲」「歓喜の円舞曲(ロンド)」
「落葉松の交響曲(シンフォニー)」
「狩人たちの田園曲(パストラル)」
「樹氷に鳴り響く聖譚曲(オラトリオ)」
「十二ヶ月の歌」「なんて忌々しい春」
「終焉の予感」
「十二ヶ月の野菜」「あの子がくれた春の味」
「帰って来た夏」
「大道芸人たち 外伝」「熟れた時の果実」
「菩提樹の咲く頃」
「Séveux 芳醇」
「黄金の枷 外伝」「願い」
「格子のむこうの響き」
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Category : もの書きブログテーマ

Comment

says...
サブタイトルを付けるときって、ほんとに悩んだり、あっさりと決まったりしますね。

≫内容と見た目とがぴったり合った時などは、一人で勝手に「よっしゃ!」と小躍りしたりしています。

これ、すごくわかります。私の場合、「どうよ、これ。完璧じゃん」などと、自己満足に浸ったりしています。

御作のサブタイトルはどれも上手く付けられているなと思いますが、とくに『大道芸人たち』の付け方は好きです。
それから、『十二ヶ月の組曲』。えらそうな言い方になりますけど、これ、ほんとうにセンスがいいなぁと感心しました。「樹氷に鳴り響く聖譚曲(オラトリオ)」なんてもう、ぞくっとなりましたね。
2015.11.21 12:18 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

そうなんですよ。
「私こんなことになんでこんな時間かけているんだ」ってくらい困る時もあるし、「そもそも先にタイトル」って時もあるし。
でも、やっぱり「よっしゃ!」なタイトル付けたいですよね。

ひとりで「完璧じゃん」といっているとき、あります。
あんなのでも。

TOM-Fさんのサブタイトル、すごいですよね。
小説によって違うタイプのものですけれど、同じ小説の中では全部統一していらっしゃるじゃないですか。「うわ、今回もかっこいい〜」と唸っていますよ。

「大道芸人たち」一番最初は「リボルノ」「ローマ」という感じで地名だけだったんです。でも、それだとそもそも何を書こうとしていたのか忘れてしまうので、それで「地名、内容っぽいの」の並びにするようにしました。

「十二ヶ月の組曲」はあれは題名ありきの連作だったのですよ。先に「ロンド」とか「レクイエム」とか「オラトリオ」といった知っている曲タイプをあげまくって、そこから書ける小説を考えていったんですね。あの作品集は「題名が氣になったので読むことにした」とおっしゃる読者の方が多いです。そういう意味でもタイトルって大事って、思いました。

TOM-Fさんにもお氣に召して、嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2015.11.21 20:56 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
新しいブログテーマをありがとうございます!
発足しながらまるでテーマを見つけられないでいました><

そうか、サブタイトル! うんうん、これも皆さんいろんなこだわりがありますよね。
夕さんのサブタイトルには毎回、「お、今回はこういう流れかな?」と思わせる導入になっていて、すんなり気持ちがシフトされます。
そうそう、内容がぴたりとはまった時って、すごく嬉しいんですよね。

そうかあ~、夕さんは物語を組み立てる時すでに、駅名のようにこのタイトルを想定して整理しながら創作していくのですね。
これは夕さんならではかも!
そして分かりやすいサブタイトルは、あとで見直しても回想しやすいですもんね。
そう言う意味では、私は真逆だなあ・・・。
うん、ナイスなテーマです。

私も今度このテーマで書いてみますね。
やっぱり夕さんは、いろんな意味でイベンタ―だなあ^^ 
2015.11.22 00:41 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
こんにちは。
タイトルのお話なんだけれど、「鉄道停車駅方式」
に繋がるように、夕さん流プロットの作り方という
側面もあるような気がして興味深かったです。
今までの記事を拝見していると、夕さんはプロット至上主義
ではないように見受けられていたのですが、
サブタイトルを付けることである程度の指標になる、という発想は
自分的に目から鱗でした。
流れるように執筆している印象がおありになりながら、お話が
しっかりされているのは、この緩急のバランス(直感と理論みたいな)
によるものだったのですね。

こうしてサブタイトル一覧を見ていると、各物語の特色が
強く出ているのがわかりますね!
個人的には「樋水龍神縁起」のサブタイトルが、
季節感+深い意味が込められてる感じでどれも好きです(*^^*)
2015.11.22 00:50 | URL | #- [edit]
says...
タイトルの話、え?そうじゃなくてサブタイトルですか?
なるほど、夕さんはストーリー展開の指標として決めておかれるのですね。
駅の話は前にも伺ったことがあったので、なんとなくわかるような気もしますが、夕さんの方式とサキの方式はやっぱり違いますね。サキは書き終わってから決定することが多いです。
夕さんの作品のサブタイトルは見ていてなかなか楽しいたのですが、設定の経緯を読んでいるととても深いものがありますね。上手く付けられなくて苦しいときもありますが、ピタッと決まるととても嬉しいものです。なかなか無いんですけれどもサキもそういうときがあります。小躍りしちゃいますよね。
2015.11.22 13:13 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

なんかネタになりそうなことを思いついたので、そのまま(笑)

「タイトル」そのものはもう語っちゃったよなあと思ったんですが「サブタイトルについて」ってやると他に書く方に限定的になりすぎる思ったので「タイトルについて」にしておきました。メインタイトルについて語られる方もあるだろうなと思って。

小説を書かれる方みなさん、メインタイトルは、おそらくそんなに遊べないと思うんですけれど、サブタイトルだと好きなアーティストの歌からとったり、繋げると意味があったり、それぞれのこだわりで楽しみながら付けていらっしゃるかもって思いました。

私みたいに、これを創作メモ代わりにしている人は、あまりいないだろうなあ(笑)
サブタイトルが中身と一致していると、例えば連載で後の方までいって「ええと、前に出てきたあのシーン、読み直したいな」と思った時に簡単に見つけられるという利点はありますよね。潔く「一章」だけのブログ小説で「どこだったっけ」とクリックし回った経験、そういえばあります。だとしたら創作メモのままでも、こうして付けておくのは悪いことでもないかも。

あ、limeさんのタイトル秘話、興味津々です。
書いてくださるのを楽しみにしています。

コメントありがとうございました。
2015.11.22 17:51 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

そうなんですよ。「鉄道停車駅方式」の実践編みたいな感じで、私はまず目次から作るみたいな感じです。
その目次に書いてあるサブタイトルずらっと見回して、もちろん始発と終着駅書いて、それから特急停車駅にあたる主要エピソードやキラキラシーンを書いて、それ以外のところはタイトルだけだと忘れそうなところは二、三行のメモだけ書いておいて、後から埋めていくんです。

プロットをガチガチに組んで書くと決めていると、途中のどうでもいいエピソードまで決まっていないと書き出せないじゃないですか。それを考えているうちに、主要エピソードがどっかに行っちゃって、書くのが嫌になってしまうんです。飽きっぽいので。だから、とりあえず書きたいシーンだけ全部書いちゃって、で、それがあるとその途中では、たとえ適当に書いていても明後日の方向には行かなくなるので、安心。で、六割くらい書いたら、飽きちゃっても「とりあえず完成させておくか」って思えるので投げ出し防止にもなる一石二鳥なんです。(どこまで飽きっぽいんだ)

「樋水龍神縁起」のサブタイトル、そういえば、あの話はそれぞれの季節にものすごくこだわって書いたので、季節感は一番強いサブタイトルになっているんだなと、自分で今ごろ認識しました。

やっぱり適当じゃなくて、ちゃんとサブタイトル付けようって、思いました(笑)

コメントありがとうございました。
2015.11.22 18:36 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

私のところはサブタイトルの話ですけれど、他の方は別にサブタイトルでなくてもいいんじゃないのかと思って「タイトルの話」にしておきました。

確かサキさんははじめから順番に書いていかれるんでしたよね。
私は、そうやると書けないところや、決まっていないところで止まってしまうので、先に最初と最後を書いてしまうんです。
そういう訳でほとんど完成するまで長編は発表できないんですけれどね。

サキさんは後からつけるとのこと。とても深いこだわりを感じるサブタイトルが多いですよね。内容が決まってから、じっくりと考えていらっしゃるのですね。

いつ付けるにしても、ぴったり来るサブタイトルが見つかると嬉しいですよね。それが恰好よければなおさらです。
たまに仮題のまま時間切れで「なんだかなあ」なサブタイトルのまま発表することもありますけれど。

コメントありがとうございました。
2015.11.22 18:56 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
今回はサブタイトルですね。うん、夕さんも他の皆さまもサブタイトルにはいろいろ工夫されていますよね。いつもそのセンスには感心しています。
実はブログ小説の場合、毎回サブタイトルをつけていく必要があるなぁ、と私が気が付いたのはブログで小説を発表するようになってずいぶん経ってからです。私はもともとブログで発表することもなくどわ~っと長編を書いていたので、サブタイトルをつけることをあまり考えていませんでした。ブログで発表するようになって皆様の工夫を見て、あれこれ勉強させていただいています。
【雨】ももともと章題はありますが、ブログ発表の1回分のサブタイトルはありませんでした。最近、つけ始めたんですよ。【雪】はもともと章ごとにタイトルがついていますが、これは書かれた内容を分かりやすくするために、キーワードをタイトルにしてあっただけ、という^^; あ~、これからはもっと工夫しようっと!
私も駅名を全部は決めませんが、最初と最後の駅と、途中のいくつかの駅を考えてから書き始めるので、夕さんと似たような感じの作り方をしていると思うのですが、タイトル名を先につけていくというのはなかったので、今度はやってみようかなぁ~と思いました。
(なんか、小学生の作文みたいになっちゃった)
2015.11.23 05:17 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
サブタイですか。
確かに、掲載時はほとんどサブタイ付けてますけど、ボクも苦手ですね。
『Love Flavor』シリーズはその掲載分に入ってる会話1つと決めてますが、他は結構悩んだ末にテキトーに決めてます(笑)

でも、夕さんの方式だと、大きい駅の分はほぼ決まってますから、ある程度指標は作れるメリットもあるのかな……?
まあ、その場合でも結局中間駅の分は考えなければいけませんし、悩むタイミングが少しずれるだけなのかも。

まあ、こんな悩みを抱える前に、まずボクは本文書けよ、って話ですから。
はい、今から書いてきます!
2015.11.23 14:50 | URL | #T7ibFu9o [edit]
says...
こんばんは。

私は「サブタイトル」で書きましたけれど、いちおう「タイトルについて」なので、他の方は「メインタイトルについて」書いていただいてもいいのだけれどな、と思っています。でも、私はメインタイトルについてはもう書いちゃったので。

みなさんはとてもよく工夫なさっていらっしゃると思うんですけれど、私は、かなり適当なものが多いかも。センスもへったくれもないタイトルも多いですね。中には、「そんなにこだわるな!」ってものが混じっているんですけれど。

サブタイトルは、メインタイトルと違って「つけなくてはならない」というものではないと思うんですよ。私は章のタイトルはつけません。実際には、scrivernerのファイルの中では、たとえば「大道芸人たち」だとチャプターごとに「日本編」とか適当にくくってあるんですけれど、それはわざわざ書くほどの内容でもないかと、完成品からは取り去っています。

彩洋さんのように、「章のタイトルの方がずっと大切」という場合もあるでしょうし、小説によっては「こんなブツブツ切れている一話ごとにタイトルなんかいらんわ」ってこともあると思うんですよね。

たまたま私は、それぞれの区切りのいいところを切って書くタイプなので、そこにサブタイトルが必要になっているという感じですかね。

主要駅は、かなり最初の方で決まっているので、変わることってあまりありませんが、各駅停車の駅にあたる部分は、まず当たりを付けておく意味で、ほとんど箇条書きみたいにタイトルを付けておきます。で、特急や急行駅が書き終わった時点で間をつなげるように書くので、はじめに予想していたものと合わなくなり、全然タイトルと合わない話になることもあります。そうなったら、書き終えてから改めて合うタイトルに変更する、みたいな感じかな。もしくは、「長くなっちゃった。二駅に分割せにゃ」なことも。結構適当です。

なんだか全然タイトルの話じゃなくなってきている。ま、いいですね。

コメントありがとうございました。
2015.11.23 22:40 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

紗那さんのサブタイトルは、かっこいいのが多いですよね。
『Love Flavor』の会話からのタイトル、いいなあと思います。
そもそもかっこいいもしくはかわいいセリフを話させないとタイトルに使えないか。

悩んだ末にテキトーというのは、ちょっとわかります。
「こんな時間をかけたあげく最後はそれか!」みたいなの、確かにあります。
それと「仮題のままか!」みたいな(笑)

どこから書いても悩む時は悩みます。
ただ、主要駅から書いてあると、その間のところは前後が決まっている分、明後日の方向には行かなくなるというメリットがあります。これをやらないで適当に書いていると、私みたいな大雑把な人間の執筆では論理破綻したりするんで危険なんです。あと、二週間くらいで書ける小説ならいいんですけれど、数ヶ月空けたりすると、前に何書いたか忘れてとんでもないことを書こうとしたりしますしね。

あ、紗那さんのところ、『Love Flavor』や『まおー』も、続きが氣になりますよ。お忙しいでしょうけれど、首を長くしてお待ちしています(笑)

コメントありがとうございました。
2015.11.23 22:55 | URL | #9yMhI49k [edit]

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