scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

美術と自然とを同時に楽しむ午後

「黄金の枷とポルトの世界」カテゴリーの記事です。オリジナル小説「Infante 323 黄金の枷」にはモデルとなったポルトの街が時々登場しますが、フィクションの部分と現実との混同を避けるためにあくまでも「Pの街」として書いています。そういうわけで、本文中には挿入できなかったポルトの写真をこのカテゴリーにてお見せしています。

本編はストーリーも終わりに近づいているので、楽しく観光しているシーンではなくなっていますが、今日は執事メネゼスと当主アルフォンソが読んでいた報告書にあった「セラルヴェス現代美術庭園」を少しだけ紹介しましょう。

セラルヴェス現代美術庭園 エントランス

ポルトに限らず、私たちがある程度有名な街を訪れるときは、乗降自由なタイプの二階建て観光バスで街をめぐります。以前はそういうのは恥ずかしいと勝手に思っていて、意地で公共バスや電車に乗り地図を片手にめぐっていたのですが、はっきりいってそれは無駄です。

ある程度大きい街になると観光名所はそれなりに分散していますし、探して歩くだけで疲れてしまい、さらに下調べをしなくてはいけない上、調べていない場所には行くチャンスすらなくなってしまいます。その点、乗降自由なタイプの二階建て観光バスには各国後の解説がついているので、まず乗って街を一巡りし、街の地理と歴史や見所について知ることができます。それから、降りて詳しく見たいところは二周目以降に訪れればいいのです。足を棒にする必要もなくとても効率よく街の果てまでいけるのです。

セラルヴェス現代美術庭園」は、そうやって行くことのできた場所のひとつで、旧市街からは少し離れています。それもそのはず、18ヘクタールもある広大な敷地に現代アートを展示する美術館と、広大な庭園の両方が解放されています。あ、入場料はかかりますが。

上の写真の大きなシャベルのオブジェが外からも見えていて、とても氣になるので行ってきました。

セラルヴェス現代美術庭園 美術館内

実をいうと、私も連れ合いも、あまり現代美術には強い関心がなくて「へえ〜」という感じで見るだけだったのですが、ものすごく広い空間にぽつんと置かれたオブジェの数々、きっと好きな人が見たらたまらないんじゃないかと思います。

明るい空間、窓の外に見える美しい自然の光景、喧噪を離れてアートに浸る静かな時間。あまり急いだ日程ではなくてのんびり滞在する方、もしくは何度目かのポルトで少し変わった時間話過ごしたい方におすすめなスポットです。

私たちは、実は来たる三月にまたポルトへ行く予定なのですが、またここヘ行って今度はランチでもしてこようかなと思っています。庭園を望むレストランでビュッフェが食べられるそうなんですよ。前回は庭園内のカフェでケーキを食べたんですけれど。

セラルヴェス現代美術庭園 庭園

さて、現代美術に全く興味のない方にもおすすめなのは、この庭園です。美術館とは別に庭園だけに入場することもできます。これが広くて素敵なのです。

三月でしたから薔薇園などは楽しめませんでしたが、森林のようなパートや、池の周り、藤や綺麗な草花が咲き乱れていて、スイスより一足早い春を十分に楽しめました。もっと暖かい季節にはさらに素敵だと思います。

私の妄想では、抜け出してきた23とマイアは例によって自転車の二人乗りでここまでやってきて、広々とした庭園を散歩していました。

この記事を読んで「Infante 323 黄金の枷」が読みたくなった方は……

「Infante 323 黄金の枷」「Infante 323 黄金の枷」をはじめから読む
あらすじと登場人物




【次回予告】「Infante 323 黄金の枷」 (23)遺言

「23。お前とアントニアは変なところがそっくりだ。人のことばかり慮って、自分の幸福を簡単にゴミ箱に放り込もうとする」

 23は視線を落とした。
「こんな風に生まれてきた俺には、選択の余地がない。簡単にはいかないんだ。わかっているだろう」

 マイアはやっぱり席を外せばよかったと思った。聞きたくない。ドン・アルフォンソはマイアの動揺はもちろん、23の言葉にも動じた様子はなかった。


マイアはいつものように掃除のついでに23にコーヒーを淹れてもらっていましたが、そこに当主アルフォンソが訪ねてきます。マイアは成り行きから二人の会話を聞くことになってしまいます。

来月末に発表予定です。お楽しみに!
関連記事 (Category: 黄金の枷 とポルトの世界)
  0 trackback
Category : 黄金の枷 とポルトの世界

Comment

says...
現代美術はよくわからないですけど
こんな大きなシャベルがあったら巨人の世界に迷い込んだ気分になりそうですね(ならない?)
2016.02.21 02:07 | URL | #- [edit]
says...
オブジェは不思議ですよね。。。
私も見ていて、「これは何をモチーフにしているんだ?」
・・・という疑問符を投げかけながら。
芸術家の深淵なる考えて作っているんだろうなあ。。。。
・・・と考えております。
2016.02.21 12:24 | URL | #- [edit]
says...
こんにちは。

あはは。このシャベルの下で写真を撮ると、そんな感じです。
実は、連れ合いがポーズして、撮った写真があったりして(笑)

コメントありがとうございました。
2016.02.21 14:42 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんにちは。

そうなんですよね。近代絵画までの表現手法と、現代美術のそれは大きく違って、時折「これは禅問答か」と思うものまであって。おそらく伝えようとしているものが正確に伝わらなくてもいい、というコンセプトのものもあると思うんですよ。

私は単純なので「何が言いたいのか」はっきりわかる方が楽なんですけれど、そうではなくて「自由に想いを広げてくれ」というタイプの表現を好む方も多いんだろうなあと思います。

めちゃくちゃに配置されているように見えても、実は考え抜かれてされている表現に「よくわからないけれど、すごい」という頭の悪い感想を述べる自分がちょっと悲しかったりして(笑)

コメントありがとうございました。
2016.02.21 14:59 | URL | #9yMhI49k [edit]

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://yaotomeyu.blog.fc2.com/tb.php/1197-8fb46411