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Posted by 八少女 夕

【小説】秋、まつり囃子



今日発表するのは、読み切り短編集「四季のまつり」の第3回、秋の話で「秋祭り」を題材にした掌編です。

第1回と、第2回が両方とも既に書いた作品の外伝だったのですが、この作品は完全な読み切りにしました。モチーフは祭のお囃子で、イメージしたのは「葛西囃子」ですが、すみません、よくわかっていません。

それと、モーリシャスの密輸話が出てきますが、これは連れ合いの友人に起こった実話をモデルにしています。その人は、未だに服役しているみたいです。うまい話には氣をつけましょうってことで。




秋、まつり囃子

 西陣織の袋の紐を回して解いた。それはまるで茶道のお点前のように、定められた動きだ。どうしてもそうしなくてはならないわけではないけれど、誠也がそうしていた姿を忘れないために、私も同じようにする。

 甲斐のご隠居が、じっと私を見つめている。秋祭りは明後日に迫っている。約束の10年。私は誠也の代わりにこの伝統を受け継ぐのだ。

 子供の頃から、秋になると加藤誠也の付き合いは極端に悪くなった。彼だけでなく彼の家族全員の関心がおおとり 神社の祭礼に向いたからだ。

 私の通っていた小学校は、M区の11番目の学区にあった。隣のS区との境界が変則的で、一度S区に入ってそれから再びM区に入る通学路のせいで、同じ通学路を使うのは私と誠也だけだった。誠也は、祭が好きなだけあって氣っ風のいい江戸っ子で2つ歳下の私の面倒をよく看てくれた。帰宅時には待っていてくれたし、クラスのいじめっ子に上履きを隠された時も、談判して取り返してくれた。

 私は、孵ってすぐに犬を見てしまったアヒルみたいに、誠也の後について歩いていれば安心する変な子供になってしまった。

 でも、今、周りの人たちが思い込んでいるような、甘い想いを誠也に抱いたことはない。誰もが私が篠笛を吹くようになったのは、誠也に恋をしているからだという。でも、本当にそんなことじゃないのだ。

 私は残業をしない。「腰掛け女め」とあからさまに嫌味を言う男もいる。言いたければ言えばいい。私には営業時間中にダラダラと暇をつぶし、5時近くなってからようやく仕事を始めているような時間がないのだ。

 可能な限り定刻で上がり、甲斐のご隠居の家に急ぐ。そして、「とんび」つまり篠笛を習う。「屋台」「昇殿」「鎌倉」「四丁目」曲目はこの4つだが、まともに吹けるようになってきたのはここ3年ほどだ。

 私が甲斐のご隠居に教えてほしいと頭を下げたとき、誰もが「冗談もたいがいにしろ」と言った。女の私がお囃子に加わるなんてとんでもないとも言われた。誠也があそこまで吹けたのは6年も精進していたからであって、そんな簡単に代わりができると思うなんて思い上がりだとも言われた。

 最終的に味方をしてくれたのは、他でもない甲斐のご隠居だった。

「今の時代、男だ女だと言っていたら、お囃子の伝統は途切れてしまう。やりたいと言うからには、弱音は吐かないだろう。10年精進できたらわしに代わらせよう。どっちにしても、わしがくたばるまでに他の志願者はもう出てこんだろう」

 私が「とんび」を習い始めて2ヶ月くらい経った頃、誠也のお母さんが私を訪ねてきた。
「秋絵ちゃん。話しておかなくてはいけないことがあるの」

 私は、静かな喫茶店で誠也のお母さんと向かい合った。彼女は、しばらく何でもない世間話をしていて、私は彼女が話を始めるのを待った。やがて、彼女は決心したように私を見た。
「ねえ、秋絵ちゃん。あなたがお囃子の笛を習いだしたことだけれど、誠也の代わりにと思ってくれたんじゃない?」
「はい」

「その……あなたと誠也は……何か約束をしていたの?」
私は首を振った。
「いいえ。誠也はお祭りのことやお囃子のことは、何も」

「ううん。そういう意味ではなくて、その……」
私は、お母さんが示唆していることがわかって、大きく首を振った。
「いいえ。つき合っているとかそういうことはなかったです。それに、誠也にはユキさんという彼女がいますよね」

「そう」 
誠也のお母さんはため息をついた。それから、またためらいがちに訊いた。
「あの子がどうしていなくなったか、知っている?」
「いいえ。いろいろな事を言う人がいますけれど……」

 そう。誠也は死んだとか、ユキさんと駆け落ちしたとか、伝染病で隔離されているとかみんなが勝手なことを言っていた。でも、お葬式もなかったし、ご家族が泣いているような様子もなかった。

 お母さんは、声を顰めた。
「全部違うの。あの子はね、モーリシャスで逮捕されたのよ」

 私は心底驚いた。逮捕? モーリシャス? 

 その後、誠也のお母さんが話してくれたことは、私の想像を大きく超えていた。誠也は、インターネットで知り合った誰かから特別なバイトを引き受けた。それは南アフリカ共和国からモーリシャスにダイアモンドの原石を運ぶだけの簡単なものだった。ただでモーリシャスに行けると知って彼は喜んだ。けれど、その箱にはダイヤの原石ではなくて麻薬が入っていたのだ。

「弁護士さんが言うには、誠也は囮に使われたみたいなの。あらかじめリークして、わずかな量の麻薬を持った人の捕り物をさせておき、その後からもっと大量の麻薬を持った目立たない人間を通らせる手口があるんですって。でも、誠也は現行犯で逮捕されてしまったので、どうにもならないの。彼には懲役20年が求刑されているの」

 私は言葉を失った。お母さんは申しわけなさそうに言った。
「その……もし、秋絵ちゃん、あなたが誠也の帰ってくるのを待っているんだとしたら……ちゃんと話してあげた方がいいと思ったの。待っているうちにあなたの人生を無駄にしてしまうから」

 私は首を振った。
「それは私じゃなくて、ユキさんにおっしゃることじゃありませんか」

 お母さんは悲しそうに肩をすくめた。
「ユキさんね、別の方と婚約したんですって。誠也の自業自得とはいえ、落ち込んでいるあの子に言いにくくて、まだ言っていないんだけれど」

 お母さんは後に、彼が本当に懲役刑になったことを教えてくれた。いつの間にか誠也がどうしたのか噂をする者はいなくなった。人間は簡単に忘れられてしまうんだなと、悲しくなった。私は一度だけ誠也に手紙を書いて、お母さんに送ってもらった。誠也が跡を継ぐはずだった甲斐のご隠居の「とんび」を私が習い始めていること、戻ってきたらいずれ一緒にお囃子をやりたいということを。

 返事はもらわなかった。

 そして、あっという間に10年が経った。甲斐のご隠居は、ようやく私に今度の鷲神社秋祭りのお囃子で演奏することを許してくれた。法被を作り、他の演奏者たちと1年にわたり入念な練習を重ねてきた。はじめは女だからと反対していた大太鼓の長さんも、鉦の大二郎さんとも息のあったお囃子が演奏できるまでになってきた。

 私は日本のお祭りの伝統を受け継ぐのだ。甲斐のご隠居が守ってきた、誠也が夢見ていた、失われてはいけない日本の文化を未来に受け継いでいくのだ。女であろうと、誰かの恋人ではなかろうと、そんなことは関係ない。私はおおとり 様に10年変わらぬお祈りをしてから「とんび」を奏でる。

* * *


 祭礼当日。昨日から少しずつ始まったお祭りの設営は、昼前には全て終わった。射的の屋台ではきれいに並べられた景品を手に入れようと銃を打つ音が聞こえだした。水色の浅いプールには金魚が泳いでいる。それにゴムのヨーヨー同士がこすれる音。風船を膨らます音。カルメ焼きや綿飴の屋台からは砂糖が焦げるいい香りがして、それにイカ焼き、焼きそば、トウモロコシ、今川焼などのたまらない香りが漂う。

 その全てにノスタルジックな祭らしさを加えるのがお囃子だけれど、それをいま演奏している社中にこの私が加わっているのだ。去年までは、脇に控えて甲斐のご隠居の演奏を聴いていた。今年はその位置にいて私たちを見ているのがご隠居だ。

 もちろん夜までずっと私が吹くのではなくて、朝、昼、夜と1回ずつの出番で、残りは今まで通り甲斐のご隠居が吹く。なんといっても「とんび」はお囃子の主導的な役割を担っていて、私のような若輩者が僭越ながらベテランの長さんたちを率いるのだ。

 十年もずっと練習してきただけのことがあって、指の動きも音色も滑らかにできた。それでも、祭の雰囲氣はいつもの練習とは違って、心が昂揚しているのがわかる。通りかかった親子が楽しそうに眺めていく。

 父親と母親は、心配そうに朝一番で見にきたが「思ったよりまともなお囃子になっているぞ」と失礼な驚き方をして帰っていった。

 去年まで実行委員で忙しくしていた誠也のご両親の姿は、今年は見ていなかった。一昨日のリハーサルの時に誠也のお母さんが少しだけ見にきて、何かを言いたそうにしていたけれど、時間がなかったのかそのまま帰ってしまった。

 もしかして、加藤のおばさんは、私が誠也の代わりにここで吹いているのを見るのがつらいのかな。そんな風に初めて考えた。モーリシャスの監獄で20年も過ごすなんて。その間の青春もキャリアも、みな無駄になってしまって。ユキさんと結婚でもしていたら子供はもう小学校に入る頃だ。

 今夜の最後の出番を終えた。「屋台」を威勢良く吹き終えて、五人揃ってお辞儀をした。笛を西陣の袋に収めて神楽殿から退出する。脇で待っていた甲斐のご隠居が「よくやった」と笑って褒めてくれた。

「ありがとうございました」
私は、ようやくほっとして、それから肩がひどく凝っていることに氣がついた。

「練習と違って、本番は、緊張するだろう」
「はい」

「来年は、もう少し出番を増やすからな」
「はいっ。この後は、ご隠居のお囃子を聴いて勉強しますね」

 そういうと、ご隠居は首を振った。
「今日はもういい。お前を待っていた人がいるから、屋台めぐりでもしてくるがいい」

 誰だろう? 私が今夜お囃子で演奏することを知っている人なんてそんなにいないはずなのに。ご隠居が示した方を見たら、ありえない人が立っていた。

「誠也!」
モーリシャスの監獄にいるはずの幼なじみが、立っていた。昔とあまり変わらないジーンズと、チェックのシャツを着ていたけれど、痩せて日に焼け、それにかなり白髪が交じっていた。でも、少なくとも彼はわずかに笑顔を見せていた。

「どうして? 帰って来れたの?」
「うん。判決では15年の実刑だったんだけれど、品行方正のせいか早く出してもらえた」
「いつ帰って来たの?」
「3日前」

 だから今年は加藤家が誰もお祭りの運営にいなかったんだ。息子が帰ってくる準備でそれどころじゃなかったから。

「よかった」
私は、ほっとしてパイプ椅子に座り込んだ。誠也はポケットに手を突っ込んだまま肩をすくめた。

「立派なお囃子デビューだったな、秋絵」
誠也の言葉に、私は顔を上げた。
「そう思う? 私は10年前の誠也の方が上手かったと思うけれど、でも、頑張ったんだよ」

 誠也はポケットからくたびれた封筒を取り出した。見憶えがあった。私が書いた手紙だ。
「これ読んでから、母に頼んで笛を差し入れてもらった。自由時間に練習したよ。何もかもダメになったと思ったけれど、少なくとも帰ったらまた、お前や社中のみんなとお祭りで演奏するんだって、励みになった」

 私は大きく頷いた。嬉しくてしかたなかった。
「来年のお祭りには出られるといいね」
「そうだな。なんか食いにいこうぜ。お祭りの屋台を見たら、ようやく本当に帰って来たんだって実感したよ」

「何が食べたい? 好きなものおごるよ。振興会のみなさんからデビューのお祝いももらったし」
「じゃあ、焼きそばから行くか。それから、お前の好きなりんご飴……」

「うん。でも、その前に神様にお参りしよう。お願い叶えてくれたお礼」
「お願い?」
「誠也が早く無事に帰って来ますようにって。たぶん、みんなが同じお願いして、うるさかったんじゃないかな、おおとり 様」

 誠也は笑った。
「だから早く出て来られたのか。じゃ、もう一度お参りするか」

 私たちは、おおとり 様にたくさんのお礼を言ってから、久しぶりに楽しい祭の宵を楽しんだ。

(初出:2016年9月 書き下ろし)
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Comment

says...
うわぁ!素敵な掌編ですね!
何と言っても発想が素晴らしいです。
伝統芸能の継承とこれを絡めるのか~。参りました。
子供の頃の2人の様子には、夕さんの幼いころの思い出も生かされているような気も・・・。

篠笛を始めた秋絵の心の内は、本人が思っているものとは少し違っていたような感じがしますが、“孵ってすぐに犬を見てしまったアヒル”とは・・・いいたとえだと思います。でも気持ちってどんどん変化していくものですし、人の脳は自分に対して上手に嘘をつきますからね。いくら本人が意識していないと思っていても実は・・・なんてね。

なんとなく稔を彷彿とさせる誠也ですが、なんとも間抜けな事でした。でもこの設定は予想とは全く違ったので、一瞬唖然としましたよ。ここでこう使うのか~なるほど。
意味深に登場した誠也のお母さん、誠也は亡くなってるの?などといらぬ心配をしてしまいましたよ。でもどんな気持ちで事実を伝えたのか、きっとこまたんだろうなぁ・・などと、いろんなことを考えてしまいます。
10年ぶりの誠也との再会、事情が事情だけに何となく気が抜けたものになりましたが(感動的とはいかないですよね)、本人たちにとって新たな出発なんですね。どのような出発になるか、進んでいくのか、物語では全く触れられていませんが、サキは勝手にさらなるハッピーエンドを想像しています。
2016.09.07 11:45 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
執筆、お疲れ様でした。

秋絵は、よく頑張りましたね。若い娘なら、伝統芸能の後継なぞよりもっと、楽しい遊びなんかに行っちゃうのに、たいしたものだと思います。
幼いころからずっと背中を見ていた人が急にいなくなって、その代わりを務めようというのは、やはり大切に思っていたからなのでしょうね。たとえそれが恋愛的な感情でなかったとしても。
囮にされて遠い異国で収監された誠也が、絶望もせずに「品行方正」に過ごせたのも、ひとえに秋絵の存在があったからだと思います。
秋の例祭に合わせたように帰国が叶って、これからこの二人で祭囃子の笛を守っていくのでしょうね。
ホレタハレタじゃないとはいえ、縁はあるようですから、この先はもしや……。などと、想像をたくましくしておきます。

それにしても、モーリシャスの件が実話に基づいているというのは、リアリティがありますね。ちょっと前に、そういうニュースがかなりあったことを思い出しました。うむう、甘い話には、気をつけないとな!
2016.09.07 16:16 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

おお、お氣に召したようで嬉しいです。

実のところ、誠也がいなくなった理由は何でもよかったんですけれど、駆け落ちとか、日本で犯罪に巻き込まれたとか、取り返しのつかなくなるようなモノはやめようと思って、こう持ってきました。

子供の頃の私には、こういう幼なじみはいなかったんですが、学区の区分けで中学校がとても遠かったのを使ってみました。

人間関係は、とくに異性だとどうしても恋愛でしょ、になりがちなんですけれど、そうでない関係もあるし、サキさんのおっしゃるように違うと思っていても実はそうだったもありますよね。

誠也の母親は、もちろん可能ならば言いたくなかったと思います。どんなことから世間に広まるかわかりませんし、家族の対面のためというよりは戻ってきた時に彼の居場所がなくなるのがかわいそうだと思うんですよ。それに、もしかしたら無罪になるかもと望みも持っていたと思います。

そして、再会のことは、そうですね。恋人同士ならもう少し感動的になるかもしれませんけれど、かなりあっさりしたものになりました。あまり騒ぐのもなんですし。この後の二人の関係は、おそらく10年前までは二人とも確実に「兄と妹みたいなもの」程度の色恋抜きの関係でしたが、これからはわかりませんよね。見かけや趣味やロマンティックさなどに大きく左右される時期は、二人とも逃しているようですから。どうなるかは何も想定していませんが、やはり以前よりは一緒にいることがずっと多くなるでしょうし、長い付き合いになりそうですね。このままでも、つき合うことになっても、どちらもハッピーだと思います(笑)

コメントありがとうございました。
2016.09.07 21:51 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

ここしばらくお尻に火がついていて、かなり自転車操業な私です。
この話も数日前にようやく書き上がりました。

秋祭りの話にしようと思って、最初に選んだのがお囃子の伝承というテーマだったんですが、それだけだと、どうもパンチが弱いので、「予定していた伝承者の代わりに」という方向に持って行くことにしました。
で、はじめから恋人だと、その恋愛の方に重きが行ってしまうので、もともとは何でもない仲だったところから始めることにしました。この先はわかりませんけれどね。

誠也にしてみたら、親が心配してくれるのはわかっているし、恋人がそうだとしても、申し訳なさはあっても「頑張ろう」2までは行かないと思うんですよ。でも、ただの幼なじみだった秋絵や、お囃子のみんなが待っていてくれる、帰っても居場所がある、そう思えたのは、頑張れる原動力になったと思います。

で、この後は、少なくとも二人の結束は固く、お囃子を守っていくと思います。どんなご縁となるかは……頑張り次第でしょう(人ごと)

モーリシャスの件は、そうなんです、実話です。しかも女性で子供は2歳でした。釈放になったらもう22歳かと思うと、本来だったら成長を見守っていたはずの20年の懲役ってつらいだろうなと思います。でも、マレーシアだったら死刑だから……。

いずれにしても妙に美味しい話は要注意ですよね。

コメントありがとうございました。

2016.09.07 22:12 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
おとりを使った麻薬の密輸なんてのもあるんですね
ダイヤの原石を合法に運ぶだけなら自分でしますもんね…
そういえば振り込め詐欺の受け取りもバイトだとか…

伝統芸能には疎いんですが
お祭りで笛や太鼓を叩いてる女性をときどき見かけます
なんかかっこいいですね、そんな感じ?
10年ぶりの再会で二人の今後はどうなるんでしょう?
今まで通りのつながりなのかそれとも…
こっちも疎いのでわかりません///
2016.09.08 13:57 | URL | #- [edit]
says...
今回も堪能させてもらいました。
祭のお囃子は、あまり女性は参加しないものなのですね。そんなことも知りませんでした。
篠笛というアイテムも、新鮮かつ趣があっていいなあ~。
そう言えば、生演奏って見たことがないかも。
古くからの伝統的な祭りに携わる人にとっては、このお囃子もとっても大事な伝統技能なんですね。
そして、そこにモーリシャス! 
(実話というのがまた、驚きです)
そんなこんなでできてしまった空白の時間と、そして再会。
誠也にしたら、とんでもない災難の15年(?)だったけど、その年月、奮い立たせてくれたものが篠笛だったというのも、なんだか、しみじみしちゃいます。

ここへきて、描写を褒めるのは返って失礼なんですが、やっぱり夕さんが描く和の物語と描写は、すごく洗練されてて好きです。ぴりりとした空気感を作るのが上手いなあ。
どんな時代や世界でも巧みに描き分ける筆力に、ますます惚れちゃいます^^
2016.09.08 16:10 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
こんばんは。

そうなんです。
こういう手口があるんですって。でも、現行犯なのでいくら嵌められたと言っても無罪にはならないみたいなんです。
でも、マレーシアみたいに見つかっただけで死刑になってしまうような国では、運び人をこういう無知な一般人を騙してなんてこともありますよね。悪いことをするのに自分の手は汚さない。悪い奴らがいるものです。

そうそう。
けっこう女性が多くなっているんですよね。
かっこいいですよね。
この作品を書くにあたっていろいろと調べたんですが、どれも同じのようでいろいろと流派があるみたいです。
けっこう奥深い世界なんですね。

この後の二人のことは、え〜と、何も考えていませんよ。
いつも通りの書きっぱなしです(笑)
どうぞご自由に妄想してくださいませ。

コメントありがとうございました。
2016.09.08 22:04 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

お囃子に女人禁制というところも確かにあるようですが、どうも流派によりけりみたいですね。
おなじ葛西囃子の流儀でも、いろいろとあるみたいですし。
最近は、女性が加わっているのも普通のようです。

お囃子と一緒に舞う奉納もあるみたいですが、こちらは女性が踊っているのもよく見ます。

お囃子は神事みたいなので、お祭りの時に演奏するのはとても大切なんでしょうけれど、うちの近くの神社では、録音だったのかなあ? 演奏しているところを見た記憶は私もないんですよね。(これを書くまでは興味を持ったこともなったかも)

このストーリー、日本の話だけでまとめると、ちょっとモノトーン過ぎて締まらないので、意外性のあるモーリシャスの話を混ぜて変化を付けてみました。それに突如いなくなって、突然帰ってくるにもいい設定ですしね。

10年って(予定では懲役15年)永遠に思える時間ですけれど、当事者の誠也はともかく、その他の人間にとってはすぐに過ぎてしまう時間なんですよね。
誠也がその時間を取り戻せるかは、これからにかかっているでしょうね。

そして、えっと、もったいないお褒めの言葉、ありがとうございます。(激しく動揺)
なんとなくあのお祭りの特別な高揚感が出したいなあと思っていろいろとこねくり回したんですけれど、う〜ん、上手くいったのかどうか。
でもlimeさんのお氣に召したから、いいか(超適当だなあ)

コメントありがとうございました。
2016.09.08 22:28 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
ええ話しや・・・(ノД`)・゜・。
誠也くんも帰ってくるし、まつり囃子を引き継いでいるし。
立派な姿勢がきっと神様が見てくれていたのでしょうね。

麻薬の密輸に巻き込まれるというのはたまに聞く話ですからね。
私も海外に行くときは注意しないといけないですねえ。。。
まあ、行くことはもうあまりないと思いますけど。。

2016.09.10 03:00 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

このまま誠也が登場しないパターンも考えていたんですけれど、どうせいつかは帰ってきますものね。
伝統芸能って、ひとりひとりが伝承していくものであると同時に、何人もが同時に受け継いだ方が未来が確かになりますよね。
そういうつもりで書いてみました。

麻薬の密輸自体は、そんなに巻き込まれるものではないでしょうけれど、なんでしょう、無料で旅行ができるとか、何もしないのに大金をもらえるとか、妙にうまい話には落とし穴があるってことなんでしょうね。
まあ、蓮さんは、そんな話には簡単に乗せられたりしないと思いますけれど。

コメントありがとうございました。
2016.09.10 20:31 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
麻薬で死刑になる国もありますものね。そんなところじゃなくて良かった。
それにしても、日本人って危機意識が低い、のでしょうね。でもたとえば、学校で勉強するとかいうようなものでもないし、「日常的にどういうものを見聞きして何にさらされているか」ということから学ぶ部分って、やっぱり環境に左右されるので、学ぶのもなかなか難しいですよね。
さすがに災害に関しては、もうみんな敏感すぎるくらいになってきていますけれど。それでも自らの身に差し迫った問題でなければ危機感低いかなぁ。私のしていることは、車のガソリンは半分以下にはしない・携帯の充電は必ずしておく(と、神戸の地震経験者が言うので)程度だし。

そんな少し「自分の身とは少し離れた出来事(もしかすると、明日我が身に起こるかもしれないけれど、ひとまずは少し遠くの出来事)」と比較的身近な出来事とが、まるきり関係なく存在していそうなのに、突然交錯して、秋絵からすると「え~?」とか思っている間に解決して良かった。しかも一緒に未来をしょって行けそうだし。恋愛に進むかどうかは、ちょっと微妙な気がしたけれど、それは私が夕さん的視点に立ちやすくなってるからかな。これで恋に発展するとは限らないよな~ってついつい思っちゃう。

私が時々訪れる高千穂の夜神楽でも、舞手になれるのは本来男子だけなのですが、やはり若い人が少なくなって、最近は女子も入らざるを得ないのだとか。性別よりも守っていくことの方が大切だということですよね(女性天皇もね……)。でも、神を相手にしたときは、なんとなく微妙な気持ちになることもある(女なのに)私なのでした。山の神様は女だから、嫉妬しやすいので、女は山に入っちゃ行けないとか、ちょっとあるかも~って思うし。
何はともあれ、視点のでっかさに夕さんを感じる一編でした。
2016.09.11 15:13 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こんばんは。

そう、あるんですよ。
確かに10年が無駄になったのは「どうでもいいこと」ではないですけれど、少なくともそれで終わったわけではないですよね。
でも、同じことが例えばマレーシアでだったら、終わりです。

日本人以外でも、「何でそんな馬鹿なことを」という話はよく聞きます。
大分昔になりますが、スイス人の若者がタイで国王の肖像画にヒゲを落書きしたんですって。
スイスなら絞られて、せいぜい罰金ですむと思っていたんでしょうけれど禁固刑で大騒ぎでした。
その他、タンクトップで出かけてしまった、婚約者とイチャイチャしたといった、「まさか」という行為で刑事罰の対象になることもあるんですよね。

今回のストーリーでは、誠也の「突然の不在」だけで十分だったのでマレーシアのような話にはしませんでした。もしそうだとすると、さすがに5000字以内で軽くは終わらせられないので。

反対に、災害への備え、もしくは理解のようなものは、日本人はすごいなと思います。
よく考えるととんでもない国なんですよね。
地震も津波も火山も国中どこに行ってもあるだけでなく、台風も来るし。

誠也と秋絵は、この後もずっと仲がいいと思います。
単純に幼なじみというだけでなく、誠也の興味の大半を占めていたお祭りが接点になりましたからなおさら。
でも、まあ、これが恋愛に発展するかというと、それはどっちもありかなと思います。
少なくとも「めくるめく恋愛」にはならなそう。なんだか「今さら?」って感じがしません?

こういう伝統芸能や神事で「女人禁制」かどうかって、けっこうケースバイケースのようですよね。
神仏習合して、仏教の影響で「女人禁制」になったところもありますし、彩洋さんのおっしゃるような「山の神様は女性なので」に根のあるところもあるし、単純に「穢れ」を避ける場合もありますし。

その一方で「ずっと男女は関係ないよ」の伝統のところもあるだろうし、それ以上につべこべ言っている場合じゃなくて本当に途絶えちゃうの方が深刻の場合も多いかも。

このストーリーでは、「本来は女人禁制だった」という設定にしましたが、参考にした動画ではむしろ女性のいない方が少なかったです。(全員神職というところはみな男性でしたが)

なかなか面白い世界だなと思いました。小説を書くといろいろなことを知ることができてラッキーですね。

コメントありがとうございました。
2016.09.11 20:32 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
遅ればせながら、秋らしい、素敵な作品でのご参加
ありがとうございます!

後半の、お祭りの描写がすごく好きです。難しい言葉は何一つ
使っていないのに祭りの喧噪や雰囲気や匂いまでもが伝わって
くるようです。
夕さんは日本的情緒を表現されるのが本当にお上手ですよね。

今回のお話、何かいつもと雰囲気が違うなあ、と感じたのですが、
一人称なんですよね。秋絵の誠也に対する感情がどんなものなのか
ダイレクトに伝わってきて、恋愛感情ではない(はず……)
なんだけれど、抑えた筆致の中にもお囃子へ対する静かな情熱が
ひたひたと伝わってくるようです。それが誠也に対する感情と
ちょっとリンクしている気がして。

恋人ではないけれど、獄中から出てきた誠也にとって
秋絵の存在は心強かったでしょうね。
これからどうなっていくのかわからない2人だけれど、
この2人はきっとこれからさきもお囃子で繋がって
いくのでしょうね。

モーリシャスの件ですが、ものすごいパンチ力でした。
それが違和感なく日本の伝統芸能のお話に組み込まれていて
鮮やかな印象を残しているように思います。
2016.09.15 06:57 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

華もない地味な作品ですが、少なくとも「秋」でございます。

お祭りに対するノスタルジーみたいなものがありまして、ただそれのためだけに書いていました。
子供の頃、近所の神社のお祭りのお囃子が聴こえてきて、あれって、ヨーヨー釣りや食べ物の匂いと記憶が連結していました。
その感じを上手く出せたらいいなと思って頑張りました。頑張ってこんな程度ですが。

で、書くと決めてから「お囃子ってどんな人が演奏するんだっけ」とそんな低レベルから調べ始めました。

そして、そうなんです。
こういう完全読み切りの時には、時々使う一人称。
今回、一人称にしたのは、これを三人称で書くと、どうしても「秋絵は誠也に恋していてだから頑張ったんでしょ」としか見えなくなるからです。まあ、そうなのかもしれないけれど、本人としては、そういうことではないつもりなのですよね。

私のところには「AがBに恋している」系統の話が多いんですけれど、人間関係って必ずしもそういう単純なものだけではないと思っていて、たまにそういう男女だけれど「色恋抜き」「強い絆」というのを書いてみたくなるんです。

お囃子への情熱が誠也への強い想いにリンクしているというのは大正解です。
たぶん誠也にとっては、秋絵の存在は子供の頃に較べると、しばらくは薄まっていたかもしれませんけれど、この件で一生ものになるくらい強くなったんじゃないかと思います。まあ、なんだかんだ言ってこの二人はくっつくかも。(消去法で?)

掌編の中で「恋人もいる幼なじみが突然いなくなり、恋人に去られ、その間に10年が経ち」なんて面倒くさいシチュエーションにするのはけっこう難問です。同じ懲役刑でも、日本でという設定にすると少し重すぎる。だからモーリシャスの話を持ってきました。これなら、いろいろな事が簡単に解決できますし、それに地味な話に変化がつくという一石二鳥。唐突すぎるかとも思ったんですが、わりと好評でよかったです。

お忙しい時に、コメントありがとうございました。
2016.09.15 20:52 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
お祭り伝統の受け継ぎにもこのような舞台裏があったのですね。
いつも何気にうん、お祭りだ~程度にしか思っていなかったので。
やっぱりお祭り前になりますと神社で太鼓の練習などが聞こえてきたりします。
そういう伝統を残すってことも粋ですね。

大阪で有名なのはだんじり祭りです。
毎年、怪我人や死者が出るくらい激しい祭りなのですがご存知でしょうか?

最後に誠也さん戻ってきて良かったです。
自分のことを10年以上も待ってくれる女性、いてないかな~と羨ましく思いました(笑)
2016.09.25 09:33 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

私も「お祭りのお囃子ってテープかな?」って思っているようなタイプだったので、調べてみてちゃんと奉納していることを知って「おお〜」と思いました。
よく考えるとあのお囃子がないとお祭りじゃないというくらいに大切なファクターですよね。

だんじり祭、名前だけは聞いたことがあります。
かなり男っぽいお祭りだとか。
毎年死者まででるんですか? ひえ〜、命がけ!
たらこさんも氣をつけてくださいね! 見に行くのも安全第一で。

誠也、何はともあれ無事に戻れて、うん、よかったです。
待っていたとは言え、ただの幼なじみ、彼女とは別枠っていう設定ですから(笑)
彼女の方は逮捕された時点で、さっさと切って去ってしまいました。

でも、どんな形であれ、家族でも友達でも、待っていてくれる人がいるというのはいいですよね。
居場所があるから、苦境でも頑張れるっていうのは、私の小説には多いかも。
たらこさんの周りも、きっとたくさんの素敵な人たちがいらして、何かあったら「帰っておいで」と言ってくださるはず!

コメントありがとうございました。
2016.09.25 20:06 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
はじめまして!
carat!から失礼します!
とても素晴らしい文章力と物語でした
最後は二人とも無事再会できて
良かった~
悲しくも切ないような
懐かしいような
ラストはほっこりさせていただきました!
また遊びにくるんで
その時はお邪魔します!( ̄▽ ̄)ゞ
2016.09.29 12:09 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは、そして、はじめまして。
scribo ergo sumへようこそ!

お名前は、あちこちのブログで拝見しています。
ご挨拶が後になってしまってもうしわけありません。

そして、読んでいただき、お褒めにも預かり、とても嬉しいです。

実はも最初の構想では、秋絵がお囃子を演奏する所までで誠也が帰ってくるというシーンはなかったのですが、それだとなんだか読後感がいまいちだったので、再会シーンを追加したのです。そうしたら、収まりが良くなりました。

お祭りとお囃子は、日本人の多くの方のDNAに刻まれているくらい、強い郷愁を呼び起こすモチーフですから、切ないような懐かしいようなそんな感情、湧いてきますよね。

次回も読み切りで参加予定です。いろいろと書き散らしていますが、また読んでいただけたら光栄です。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

コメントありがとうございました。
2016.09.29 22:07 | URL | #9yMhI49k [edit]

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