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樅の木のゆくえ

Posted by 八少女 夕

今日はちょっと思ったことを。

樅の木

日本だと各家庭にあるクリスマスツリーは、プラスチックのことが多いですよね。スイスやドイツでは、本物の樅の木とロウソクを使うことの方が多いのです。日本だと火事が心配でそんなことはしない(もしかして許可制?)だと思うんですが。

その樅の木は根がついていないので、クリスマスが終わると枯れてしまいます。

ドイツ語圏の人たちというのは、何事にも「環境が」とか「使い捨てはよくない」とか言います。ところがその同じ人たちが、毎年ものすごい量の樅の木が使い捨てにされていることには全く別の人のような態度を示すのです。

「プラスチックの木と電球なんて、本当のクリスマスじゃない」「これは伝統なんだ」「森は木を間引かないと健全な状態にならない」って、それぞれ理由をつけて抵抗してくるのです。

自分たちのしたいことになると急に「伝統が」「文化が」と言い出すのは、何もドイツ語圏の人たちだけではありません。日本人も例えばマグロをもう食べるな、鰻が絶滅危惧種だと言っても、やはりいろいろと理由をつけて資源の大量消費からは目を背けようとしますよね。

日本人がマグロをこんなに食べるようになったのも、土用の丑の日に鰻を食べるようになったのも、実は古来の伝統ではないですよね。

それと同様に、スイスの各家庭にクリスマスツリーが飾られるようになったのは、伝統なんかではなくてまだ100年も経っていないことです。私の知り合いの95歳の方は、子供の頃はクリスマスツリーは教会か学校にしかなかったと語っていますから。この樹々は森の間伐材じゃないこともはっきりしています。クリスマスのために育てているんですよ。サイズも形もいらない木ではなくて、ツリー用にちゃんと用意している商品です。

なぜ鰻を食べなくてはならないのか、もしくは、なぜ大量に廃棄のでる恵方巻を流行らせるのか、他の文化の人たちになんと言われようとも、それを振り切ってでも突っ走る心理は、この樅の木の扱いにもよく表れていると思います。

美しいもの、楽しい思い出、美味しいものを特権階級ではない人たちでも楽しめる時代になったことは有難いことです。私もマグロも鰻も好きですし、樅の木の香りもロウソクのついた厳かな姿も好きです。

それでも、この歓びの裏には巨額のお金、マーケティングなどが蠢いていて、実際に使い捨てや大量廃棄を生み出している問題もあることを意識すべきだと思っています。流行、マーケティングなどに踊らされて、必要もないのに何かを大量消費し、結果的に環境や生物の生存を脅かす前に、少し立ち止まってこれは本当に必要なのかと一人一人が考えるようになるといいのになと毎年思う待降節です。

というわけで(?)我が家のクリスマスツリーは、もちろんプラスチック製です。
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comment

says... "同感です"
うん、この記事の帰結点がどこにいくのか興味深く読ませていただきましたが、うれしくなりました。

プラスチックのモミの木ならないほうがまし……という考えもあり得るし、伝統や環境を重んじるドイツの人に言われたら、わたしなんて「そ、そうか……」と思ってしまうかも。
でも、夕さんの意見に凄くほっとしました。

じつは日本でも数年前から本物のモミの木を大量に量販店が輸入し、200本が即完売日とか、ざらなんです。
うちのチーフも「本物がいいのよ!」と、去年から店のツリーのために、本物を購入しています。
私は「え、毎年買って、毎年捨てるんですか?」と意見したんだけど、却下^^;

日本で生木ブームが来たら、それこそもっと大量のモミの木が消費されるでしょうね。
なんだかちょっと、不安なこの頃です。
2016.12.12 22:53[edit]
says... ">>limeさん"
こんばんは。

お、limeさんに賛同していただけて嬉しいな。

しかし、日本にもきちゃいましたか、家庭への生樅の木販売……。日本は廃棄が大変だからやらないと思っていたのに……どうやって回収してもらうんだろう。少なくともロウソクは流行らせないでほしい。樅の木って、ものすごくよく燃えるんです。日本で火事になったらお正月前にあちこち延焼して大変なことに。いや、そういう問題じゃなかった。

でも、割り箸ですら環境問題としては「いい加減にしろ」で、マイ箸を使うべきって話なのに、どうして生樅の木が……。
日本の大量消費は、想像を絶するスケールなので、流行らないことを祈ります。

コメントありがとうございました。
2016.12.12 23:19[edit]
says... "な、なに〜"
樅の木、実は伝統ではないですと〜
100年かそこらの話だったと……
こう、日本人的感覚でついつい生樅の木にノスタルジックな夢を
抱きがちなんですがそこには「伝統」とか「昔ながらの」とか前置きがやっぱり
あったからなんだと思い知らされました。
でもそうじゃなくて、そちらも日本同様、うなぎや吉方巻きのように、裏にマーケティングの思惑があって生樅の木が消費されているとなると話は別です。

いえ、伝統あるなしに関わらず、もうそろそろ「自分の目で」
消費を見極める時代に入ってきているのですよね。

コンビニでバイトしていたとき、そういえば吉方巻きを大量に仕入れて(大量陳列で見栄えをよくするため、もしくは本部命令もあるのかも)大量の廃棄がでるんです。クリスマスケーキも同様。コンビニ、あれは大量消費の縮図です。とにかく廃棄が凄い……

そんなこんなでわたしも夕さんの意見には大賛成です。
歓びは歓びでとても大事。
でも、その裏で何がどうなっているのかを意識する。
それってとっても大事なことですよね。
2016.12.13 03:41[edit]
says... ""
モミの木って鉢植えで毎年使いまわすものだと思っていたけれど
切ったのを使うんだったんですね…もったいない…

今はどこの会社のどの商品も十分な品質のものが多いので
差別化のためにもマーケティングがますます過激になってしまうんでしょうね><
私は一番安いものを必要最低限しか買わないので、不景気に貢献していますです
2016.12.13 09:44[edit]
says... ">>canariaさん"
こんばんは。

ええとですね。正確に言うと樅の木そのものは伝統(おそらくゲルマンの古い祭)なんですが、それが各家庭に飾られるようになったのは、というよりは貧富を問わずどの家庭手もあって当然になったのがわりと最近ということなんですね。

ハイジに出てくるクララのお家のような大金持ちの家では19世紀でもあったでしょうけれど、当時は量販店で大安売りなんかされていなかったので、木こりに受注して、切らせて、さらに都会まで運ばせるという大変な手間があったはずです。

そして、今でもそうなんですけれど、イタリアやポルトガルなどのゲルマン民族に支配されなかった国では、クリスマスツリーはそれほど重要視されていませんから、各家庭にもないし、あっても普通にプラスチックだし、それよりも彼らの伝統の飾りの方が重要なんです。

私の住んでいるところは、イタリア語圏とドイツ語圏が切り替わるあたりのところで、ドイツでの「あたりまえ」がさほど届いていなかったみたいなんですね。今はテレビもありますし、ツリーにしろ、シュトレーンにしろ何でも普通に手に入るようになりましたが、ホンの100年前は、ドイツとスイスって「同じような国」ではなかったのです。

という前提で話しますけれど、日本の人たちは「欧米ではこれが本格的!」とお題目を唱えるとすぐに飛びついちゃうところがあるんですよね。実際に日本で流行っているもののことを聞くと、私たちの方が地理的にはずっと近いのに「なにそれ、聞いた事もない」的なものが日本ではブームになっていたりもします。でも、それこそがマーケティングの賜物なんですよね。

そして、生樅の木も、かつては本当にお金持ちや教会など、周りに燃えるものもないようなところで、ちゃんと見ている人が居て本物のロウソクを付けていたんですけれど、最近はどのうちでもそういうことをやるようになり、毎年クリスマスにどこかで悲惨な火事が起こります。元々のゲルマンのお祭りの樅は、外で飾っていたはずですから、外でやればいいのに。氷点下ですけれどね。

コンビニもそうですけれど、スーパーやファーストフード、レストランなどの大量廃棄、本当に問題あると思うんですよね。フランスはようやくそれを禁止する法律ができました。スイスでも早く義務づけられればいいのにと思います。日本も、そういう取り組みが進んでこそ真の先進国って言えるんじゃないかなと思います。

賛同していただけて嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2016.12.13 21:30[edit]
says... ">>ダメ子さん"
こんばんは。

たとえ数年間であっても、同じ木を使えればいいと思うんですけれど、毎年使い捨てです。
樅の木って、仮に置いておこうとすると、根の部分が大きくて大変。さらに生きているので育っちゃうと、つまりポトスのように簡単に一般家庭に置いておける植物じゃないんですよね。

そして、根っこがないと、冬の場合、家の外においてあると三週間くらいはそのままですが、暖かい家の中に飾ると一週間くらいで針が全部落ちて枯れてしまいます。

ものを買わないと不景氣になるというのは、ある意味正しいんですが、それが資源を無駄遣いする免罪符に使われるのはどうかなといつも思うんですよ。もし資源が完全に枯渇したら、景氣もへったくれもなくなりますしね。基本的には、持っているものを大事に使うというのは、褒められるべきことで、決して非難されるようなことじゃないって思います。

コメントありがとうございました。
2016.12.13 21:39[edit]
says... "ふ~む"
子どものころ、父が裏山で採ってきた木に、クリスマスの飾りつけをしていたことを思い出しました。
あの木、たしか正月のお飾りと一緒に、左義長で燃やしていたような……。
あのくらいなら環境がどうの、という話にもならなかったのでしょうけど、商業ベースに乗っちゃうと、そうもいかないですよね。

モミの木もウナギもマグロも、栽培や養殖ならいいのかなとも思いますけど、どうなんでしょうね。

ちなみに現在は狭いマンション暮らしなので、ツリーを置く場所もなく、クリスマスの飾りつけはリースだけですね。
お正月のしめ飾りともども、何年も使い回ししてます。
エコなのか、ただのケチなのか(笑)
2016.12.14 11:14[edit]
says... ">>TOM-Fさん"
こちらにもありがとうごさいます。

そうなんですよね。
個人でとってくるような、そういう程度の伐採なら、とくに環境問題ということもなく、別にいいと思うんですよ。
そもそも、昔のドイツ辺りのクリスマスツリーも、ほとんど森のなかにちょっとある家、どっちにしろ暖房のために木を燃やしている、ような中でのツリーだと思うんですよね。

栽培や養殖なら問題ないように思えますけれど、「100%の養殖は出来ないのでどこかで稚魚を穫らなくちゃいけない問題」とか、「必要もないのに大量の木を燃やすことは二酸化炭素排出問題の取り組みと矛盾している」とか、実は問題もあるんですよ。

でも、それ以上に私が引っかかるのは、「売上」のために実際には大して利益もでていないものを大量に流通させて、それを消費させるその不毛なシステムなんですよ。プラスチックよりも生の木がいいという擦り込みは、毎年の売上を上げるための戦略なんですよね。

私もツリーの飾りは当然のこと、お正月飾りもずーっと使い回していますよ。
お正月飾りは本当はお焚き上げしていただくものだって言いますけれどね。

コメントありがとう後と居ました。
2016.12.14 23:41[edit]
says... ""
使用後の木は動物園の動物達の餌になったりしているんですよ。
2016.12.15 05:39[edit]
says... ">>Dadaさん"
こんばんは。そして、はじめまして。
scribo ergo sumにようこそ。

おっしゃる通り、一部は動物園の動物の餌に使われたり、もしくは冬の間の野生動物用に振る舞われたりする取り組みもされていますよね。

大量廃棄のほんの一部とはいえ、無駄にしたくないという心映えは素晴らしいと思います。

願わくば、いくらでもある廃棄物の一部活用などではなく「家庭からでる不要な樅の木程度じゃ、全然足りないんだよ」というくらい、動物がいる地球であってほしいと思います。私の住むところは田舎なので動物園はありませんが、野生のゲムズやヒルシュなども生息しています。が、生息地が本当に狭められてしまってその数はとても少ないんです。近隣のクリスマスの後に回収されていくツリーですら何年かかっても食べきれないだろうなと思います。

コメントありがとうございました。
2016.12.15 19:37[edit]
says... ""
まあ、大量消費世界ですからね。
何にしても無駄遣いは仕方ないし、人間世界で生きるには仕方ないですよね。
鰻の話もよくわかります。
別に鰻が食えなくなるぐらいで日本人が絶滅するわけではないので。。。
絶滅しそうなら取るのをやめたらいいのですけどね。

クリスマスツリーも使いまわしをするのが良いですね。
2016.12.17 15:07[edit]
says... ">>LandMさん"
こちらにもありがとうございます。

そうなんですよね。
鰻の話にしても、絶対に食べるなと言っているわけではないんです。
でも、本当に絶滅したら誰も食べられなくなるわけじゃないですか。
だったら別に普段は全く食べようとも思わない人まで「何が何でも食べなくちゃ」という方向に持っていく必要はないと思うわけで。

ツリーもそうですよね。どうしてもツリーを飾りたい人がいるなら、使い捨てではなくて根があるものをきちんと世話するか、そうでなければプラスチックにして、大量廃棄がでないようにしてほしいなと思うんですよね。そうでなくても人間は普段からいろいろと大量廃棄もしていますから。

コメントありがとうございました。
2016.12.17 15:17[edit]
says... "樅は日本固有の種"
 樅の木は臣の木とも言われ日本の固有種であります。よって「アルプスの樅の木」はありえないのであります。あちらにあるのはトウヒでして樅属と言えば確かにそうなんですが、しかしそこは「本場ではこう!」を言うのであればまがい物の樅はいかがかと思うわけであります。つまり、日本に於ける本場嗜好も実にいい加減なんですなぁ。なお、三太さんが赤いのはコカコーラのせい。ホワイトクリスマスは歌のせい?知らんけど、本家の中東で雪はあまり期待できんだろぅ。そもそも、あそこで子供に与えられるのは銃とナイフと不条理と恐怖。間違ってもおもちゃなんかくれないよなぁ。
 クリスマスが今年もやってくる。アベックが子孫繁栄の良い訳とし全国のホテルと言うホテルを占領しまくったのも今となっては昔の話。日本でこの意義は唯一つ。酒飲んで酔っ払って憂さ晴らしさぁ。しかも一人でね・・・orz
2016.12.24 02:27[edit]
says... ">>miss.keyさん"
こんばんは。

ご指摘ありがとうございます。そうか。通例で「樅の木」と書いていますけれど、「トウヒ」と書くのが正しいんですね。
実を言うと、日本固有種「樅の木」をきちんと身近で見たことはないように思います。こちらで見ているのは「Tannenbaum」で頭の中で日本語の「樅の木」に変換していましたけれど。あの歌が悪いのか……。

ともあれ、もともとクリスマスは中東の祭ではなくて、ゲルマン民族を前の宗教から回収させるために、もともとの祭と融合させたもののようですから冬至の祭と理解した方がいいのかもしれませんね。どっちにしても、今の日本でイメージしているものとは違いますし。

クリスマスもハロウィンもバレンタインデーも、まあ、キリスト教がまるで根付いていないのにイベントだけ持ってきただけのもののようですから、いろいろと本末転倒になってしまうのはしかたないことなのかもしれませんね。でも、別にお酒飲まないで普通に帰って晩ご飯食べればいいのにって思いますけれど?

コメントありがとうございました。
2016.12.25 00:30[edit]

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