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Posted by 八少女 夕

【小説】ヴィラ・エミーリオの落日 -3-

今年最後の小説更新、3つに切った短編「ヴィラ・エミーリオの落日」最終回です。

イタリアの保養地ストレーザを訪れたイギリス人オースティン氏と愛犬グルーバーは、謎めいたエミーリオ荘の女主人アントネッラに内密で夫の娘を捜してほしいと依頼されました。そして、屋敷で使用人として働くラウラこそがその娘であるのではないかと氣づきます。

今週は、公開がいつもより遅くなってしまいましたが、個人的にはスイス時間の水曜日中にアップできたので、セーフということにしておこう。(何が?)

今年一年、毎週のように読んでくださり、コメントを下さったみなさま、本当にありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いします。




ヴィラ・エミーリオの落日 -3-
〜 オースティン氏のイタリア紀行


 ファボニオが吹き荒れて、生ぬるい氣温のまま一晩を明した翌朝に、エミーリオ荘の白木蓮の大木は力尽きたように最後の数輪の花を落としていた。それはちょうど、門のところに朽ちて落ちている大理石の彫刻と同じ色をしていた。実際には残っているはずのない花の香りが灰色の雲にに閉ざされたストレーザに満ちているように感じられた。雨が近い。

 まだ、マンツォーニ夫人は眠っているのだろうか。ラウラが湖を見ながら庭に立っているのを見て、オースティン氏は急いでアルカディア荘の裏庭からエミーリオ荘の庭に侵入した。

 ゆっくりとした動作で、荒れ果てた庭の枯れ枝を集めるラウラの後ろからオースティン氏は声を掛けた。
「なぜそんなにひたすら働くのですか」

 少し驚いたように振り向いたラウラはオースティン氏の姿を認めると安心したように笑った。

 ラウラの笑顔はとてもあでやかだった。ルクレツィアの笑いは実に親しみ深いあけすけなものだったが、ラウラのそれはラ・ジョコンダのようにどこか秘密めいていてその分見えない壁を感じさせるのだった。

 よく考えると不思議だ。使用人の服を着て完璧な使用人として振る舞う女の笑顔が、最高品質のカシミヤのワンピースを着た裕福な令嬢の笑顔より遠いのだから。

「わたしの仕事ですもの」
「仕事への義務ですか。それともお父様の大切な屋敷へのオマージュですか」

 ラウラの顔から遠い笑顔が消えた。それから不思議なことに彼女は再び小さく微笑んだ。今度の笑顔は、もう少し距離が縮まったように感じられる疲れた笑いだった。

「どうしてたった一か月の滞在でわかったりするのかしら」
「あなたが、アダンソニア・マンツォーニなんですね」

 ラウラは再び枯れ枝を集めだした。
「父は生涯アフリカに憧れていました。だから他にもいくらでも植物の名前はあるでしょうに、よりにもよってアダンソニアなんて名前をつけたんです。母はごく普通にラウラとつけたかったのでそう呼んでいましたし、私はラウラ・ステリタといわれたほうがしっくりくるんです」

「でも、あなたがマンツォーニ夫人にアダンソニアと名乗らないのはそのせいだけじゃないでしょう」
オースティン氏はこの発言がラウラに非難めいて聞こえないことを祈った。

「一度でいいからここで暮らしたかったんです。マンツォーニ夫人がここを売りたがっていることは知っていましたから」

「あなたが望めば、このヴィラはあなたのものになるんじゃないですか」

 ラウラは訝しげにオースティン氏をみた。
「父の書いた遺言状がどんなものであれ、マンツォーニ夫人を無一文で追いだすなんてできませんわ。あの人は結局のところ父の妻なんですし、父は私のことだけではなくて、あの人の将来のことも考えて遺言状を書くべきだったんです。私はあの人には父の唯一のまともな財産であるこのヴィラを自由にする当然の権利があると思いますわ」

「だから、まもなく売られてしまうと思ったから、その前にここで暮らすために、使用人として潜りこんだんですね」

 ラウラは少し黙って、それからオースティン氏をまともに見た。
「もう少し待っていただけませんか? マンツォーニ夫人にいうのは」
「あなたが望むなら、生涯黙っていますとも」

 ラウラは笑った。
「いま、二人の人間がこのヴィラを買いたがっています。一人は修理してここに住むつもりのスウェーデン人だけれど、マンツォーニ夫人は高いお金を出すというホテルチェーンを経営するドイツ人の方にヴィラを売るつもりじゃないかと思うの。でも、ホテルが買ったらヴィラはすぐに取り壊されてしまうわ」

「少なくともあなたには、夫人にここをどういう形で処分するかいう権利があるんじゃないのか」
「母と私はマンツォーニ夫人に憎まれていますもの。何か指図がましいことをしたら、たぶん反対のことをされてしまうわ」

 ラウラは愛おしげにエミーリオ荘を仰いだ。
「みて。朽ちていくこの屋敷を。父が買い集めた大理石の彫刻も、自慢げに話してくれた外壁の装飾も、かつては三人の庭師が働いていたこの庭も、ゆっくりと雑草と錆びとひび割れた石の中に埋もれていってしまうのよ。父が精魂を傾けたすべては、太陽が沈んでいくようにいずれ消え去ってしまうのだわ」


 肩を落としてオースティン氏がアルカディア荘に戻ると、ルクレツィア・ゴルツィ嬢がグルーバーの毛繕いをしていた。オースティン氏の様子を見て、彼女は訳ありに頷いた。

「とくにこんな春の日には、このストレーザの空氣の重さは、人を絶望的にさせるのよね」
それからふいに眉を少しあげて小声で言った。
「あなたも私と同じ結論に達したようね」

 オースティン氏は反射的にルクレツィアの灰色の眸をみた。
「アダンソニア。アフリカ狂の付けそうな名前じゃない?」
「なぜ? あまり聞いたことのない名前だけど」

 ルクレツィアは大笑いをした。
「アダンソニアってのは巨木バオバブの学名よ。女の子の名前って感じではないわね。でも、ラウラにはあっているような氣がするわ。毅然としているところが」
そういうと、ルクレツィアはグルーバーのお腹をさすってやった。

「なんで、ラウラのことだってわかったんだ?」
「アダンソニアで氣付いた女学生の名字がステリタだったから。ラウラの名字だと思い当たるのにしばらくかかったけれどね。でも、あなたがラウラと話している様子を遠くから見て確信が持てたわ。あなた、ラウラがすきなんでしょ?」

 オースティン氏は口ごもった。イギリスではこんな身も蓋もない話し方をする令嬢はあまりいない。

「隠さなくてもいいじゃないの。ラウラは素敵で有能な女性だもの。ちょっとまじめすぎるから、私にはあまり面白くないけど、尊敬しているのよ。彼女、ヴィラや相続のこと、どうするつもりなの?」

「彼女は、諦めている。本当は取り壊さないでいてくれるスウェーデン人に売れればいいと思っているみたいだけれど、マンツォーニ夫人はドイツ人のホテルに売る氣なんじゃないかって」

「どうかしらね。アントネッラもそこまで夫の遺志を無下にできるかしら。まあ、夫を憎んでいても無理はないと思うけどね」

 オースティン氏も同感だった。エミーリオ荘をみるのはこの休暇が最後になるような氣がした。ふいに、会ったこともないエミーリオ・マンツォーニに軽い怒りを覚えた。

 自分の好きなことばかりやりやがって。経緯はどうあれ結婚した妻か、愛人とその娘か、ヴィラか、それともアフリカか、どれかひとつだけにして、それにきっちり責任をとればいいのに。欲張ってとっちらかしたままいなくなったせいで、結局残された女たちが意味のない争いや憎しみや哀しみに苦しむだけになったじゃないか。

 自分が何もできないまま、この地を去らなくてはならないことに、オースティン氏は果てしない無力感を感じた。ファボニオが重い……。

 黙っているオーステイン氏の横では、ファボニオなどかけらも感じないらしいゴルツィ嬢が、イタリア内閣の改造のことと、首相と秘書との情事とを、どういう筋道でかわからないがみごとに組みあわせて、とうとうと語っていた。どうやら秘書のファションもイタリアという国では政治の根幹を揺るがすらしい。

* * *


 ついにロンドンに帰る日がやってきた。ゴルツィ兄妹やエミーリオ荘の人びととイタリア式に別れを惜しみ、すっかり馴染んだストレーザの春やファボニオに別れを告げ、オースティン氏はグルーバーとミラノへ向った。

 ストレーザからミラノ、マルペンサ空港からからヒースロー空港へと、移動するたびにけだるさや哀しみは薄れ、帰ってからの仕事のことや、ロンドンの友人、マッコリー夫人や隣人や同僚のことなどが、幻から現実へと形を変えて心の中に浮かんでくるのだった。

 ロンドンについた後、オックスフォード・ストリートの絶え間ない交通と、忙しく歩き回る人びとを見て、オースティン氏は呆然とした。人間はこんなに颯爽と動き回れるんじゃないか。それは、あのゆるやかなストレーザの日々からは考えられないテンポであった。

 ゴルツィ兄妹のしゃべりがうるさいと思ったのが信じられないほどの喧騒に、彼はおののき、唯一のよりどころであるグルーバーの綱をしっかりと握った。グルーバーはしっかりとした足どりで前を進み、その細かい歩みを見ていると、オースティン氏も落ち着いてフラットに戻ることができたのだった。

 ロンドンの日々は、てきぱきと過ぎ去った。マッコリー夫人の用意してくれた心地の良い部屋も、彼の安心感を増した。いつも部屋着、いつものスリッパ、同じ生活の繰り返し、そういうものが彼の日々をあたりまえに支配するようになると、ストレーザの日々のほうが夢か幻のように遠ざかっていくのだった。

 そんなある日、ゴルツィ氏から連絡があり、ロンドンに滞在しているデュールソンというスウェーデンの夫婦が是非オースティン氏を訪ねたいといっているという連絡を受けた。そういう名前に全く心当たりはなかったのだが、向こうがどうしても会いたいというのに断わるまでもなかろうと思って、訪ねてきた二人をフラットに迎え入れようとドアを開けた。

「君は……」

 そこには背の高い北欧の青年と一緒にラウラが立っていた。あの時のような前時代的な使用人としての服装ではなく、ジーンズの上にアイボリーの上質なジャケットというラフだけれどもよく似合ったいでたちであった。ゆるやかに波打つつややかな黒髪が肩にかかり、あらためてどれほど美しい女性であるか思い知らされたオースティン氏は顔を赤らめた。精悍な整った顔立ちのデュールソン青年は悔しいほどラウラにお似合いだった。

「突然ごめんなさい。でも、どうしてもお礼をいいたくて。ロンドンに来る機会はそんなにしょっちゅうあるわけではないので」
オースティン氏は何にに対してお礼を言われているのかわからなかった。

「ルクレツィアが話してくれたの。あなたとルクレツィアがマンツォーニ夫人を説得してくれたって。主人のクリスチャンはドイツのホテルの十分の一の金額しか提示できなかったのに、それでもマンツォーニ夫人はその金額で主人にエミーリオ荘を売ってくれたの」

「じゃあ、ヴィラを買いたがっているスウェーデン人っていうのは、もしかして……」
「はじめまして。ラウラの夫のクリスチャン・デュールソンです」

 青年と握手して、彼らをフラットに招き入れながらも、オースティン氏はまだ事情が飲み込めなかった。

「ラウラが素性をかくしてマンツォーニ夫人のところで働くという決意を話してくれたとき、僕はなんとかヴィラを残せる方法はないだろうかと考えました。一番確実なのは自分が持ち主になることだけだった。でも、ラウラは相続を強行することだけはできないといった。そうしたら、馬鹿げた話ですが買うしかないじゃないですか。お陰で僕たちにはかなりの借金ができたので、当分しっかり働かなくてはいけないし、あそこも人に貸さないといけないけれど、少なくとも取り壊されるのだけは避けられた」

 デュールソン青年の言葉をひきとって、ラウラが続けた。
「マンツォーニ夫人はミラノの近くに遷りました。少なくともヴィラを売ったお金で生活はしていけるようになりましたし、その金額の一部を私に残してくれたので、改装費にかかると思っていた金額の方は借金をせずに済んだんです」

「でも、君がヴィラを相続すれば、借金はそもそもなかったんじゃないのかい?」

「お金は働いて取り戻すことができます。でも、誰かの人生をダメにしてしまったらそれは取り返しがつきませんもの。私は父を愛しています。でも、彼のしたエゴイズムを容認することはできませんわ。彼は自分の欲しいものを、何もかも手にしたがりました。そして、それによって何か他のものを失うつもりなく、あちこちに問題を作ってはそれをウソで塗り固めて誤魔化しました。アフリカから帰ってきたら、もう少しまともな状態にもっていくつもりだったのか、それとも実際に死ぬまで好き勝手をするつもりだったのかわかりませんけれど。マンツォーニ夫人は特別な人格者ってわけでもありませんけれども、少なくとも夫も財産も全て奪われて無一文で追いだされて然るべきってほど、悪いことをしたわけではありません。私もそのことで生涯恨まれるのもあまりいい氣持ちがしませんもの」

 ルクレツィアは上手に立ち回ったのだった。オースティン氏がみつけてくれたソニアが、ヴィラを取り壊さない人に売ってくれるならば財産放棄の書類にサインするといっていると話したのだ。さらにいくつかのドイツ人の建てたろくでもないホテルに案内して、マンツォーニ夫人にもヴィラを残したいという氣持ちにさせたのだ。

 マンツォーニ夫人はルクレツィアに言ったそうだ。
「私だって、この屋敷がずっと好きだったのよ。エミーリオとあの女に裏切られたと知って、何もかも失う前にここを売って新しい生活をはじめるつもりだったけれど、エミーリオの帰宅を待って一人でここで暮らした日々ですら、もはや忘れ難い大切な思い出になってしまっているのよ。ドイツ人のブルドーザーでここが踏み倒されるのが嬉しいわけはないわ。エミーリオとあの女のことは受け入れることができないし、あの女が生きていたとしても友達にはなれないけれど、娘のことまで理由もなく憎み続ける必要はないわ。そういうカップルの間に生まれてきたのは彼女が悪いわけではないもの。ソニアに逢って、私がそこまで性悪でないことを伝えたいわ」

 それで、ルクレツィアはラウラを呼んだのだ。

 アントネッラ・マンツォーニはショックを受けたが、それでも取り乱したりはしなかった。はじめからソニアだと知っていたら、決して抱かなかったであろう好意を有能な使用人に抱いていたことは確かであったし、ラウラが愛人の娘とわかったというだけでこの四年間自分と屋敷に対して示してくれた誠実と信愛に眼をつぶるほど偏狭な性格でもなかったからだ。アントネッラはきっぱりと言った。

「あなたの申し出を喜んで受け入れることにするけれど、あなたがエミーリオの娘であり、彼があなたの将来を何よりも大切にしていたことは確かなんだから、私は屋敷を売ったお金を独り占めしたりはしません。ちゃんとふたりでわけましょう」

 そして、それからアントネッラはスウェーデン人にエミーリオ荘を売却し、ミラノ郊外にフラットを買ったのだ。これまでのように常時使用人を置くことはできなくなったが、通いの使用人に給料を払うぐらいは十分に可能だった。それに、広大なエミーリオ荘と違って機能的なフラットは住み込みの使用人は必要なかった。

「私たちは借金を返すために、馬車馬のように働くことになりました」
そういってクリスチャンは快活に笑った。

 若い二人は希望に燃えているからそれもいいのだろう。裕福な実業家の父親と一緒にインテリア関係のビジネスをしているというクリスチャンと、ストックホルム大学でイタリア語とアフリカ史を教えているというラウラなら、さほど遠からず借金を返済してエミーリオ荘に自由に滞在できる日がくるのかも知れない。いずれにしてもイタリアのヴィラの購入などはなからお話にもならない経済状況のオースティン氏には遠い異星のできごとと変わりがなかった。

 二人が幸せそうに帰った後、オースティン氏は半ば落込んだ氣持ちで紅茶を淹れた。もらったスウェーデンの名産であるアクアビット酒の瓶を横目で眺めながらため息をついた。

 彼女は香り高いイタリアの薔薇だ。手の届かない高嶺の花。豪奢なヴィラだの、芳醇たるワインだの、北欧の銘酒だの、華々しいインテリアビジネスだのといった世界よりも、この動物園の近くのこじんまりとしたフラットが身近であり、紅茶を飲んでいると何よりも寛ぐ。

 あの若く美しいカップルと自分とは住む世界が違うのだとつくづく思った。けれど、足元にはグルーバーがやはりどこにいるよりも寛いで座っている。その他意のないつぶらな眸をのぞきこんで、やがてひとことつぶやいた。
「ま、いっか」

 明日は、またマッコリー夫人がやってくる。こんな平和な人生も悪くはない。グルーバーと暮らす、もと通りのロンドンのフラットでの日常。三十年以上変わらずに我が家で嗜む紅茶はおいしい。

 電話がけたたましくなった。まさかとおもって受話器をとってみると、予感通りゴルツィ嬢だった。

 オースティン氏が何も言えないうちに、ラウラのこと、ストレーザの近況、新たな隣人になりそうなドイツ系スイス人に対する軽蔑嘲笑、キリスト被昇天の休日の時にピクニックにでかけて悪夢の渋滞にあったこと、その他にオースティン氏が後でどうしても思い出せなかったありとあらゆる類いのゴシップなどを、あいかわらずのスピードでまくしたてる。

 少しだけ受話器を耳から離しながらグルーバーに向って小さく眉をあげてみせた。もう元通りの日常なんてないらしい。でも、ま、いっか。毎日顔を合わせるわけでないし、口から生まれてきたようなイタリアの奇妙な令嬢と適度な友情をはぐくむってのも、人生のスパイスだな。

 グルーバーはくわばら、という顔をしてベランダの方に向かっていった。彼はどれほどオースティン氏が骨を折ろうともこの電話が一時間よりも短くは済まないことを十分承知していたのである。

(初出:2007年4月 書き下ろし)
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Tag : 小説 読み切り小説

Comment

says...
う~む、緻密だなぁ。
ラウラが父親について語るシーンなど唸らされます。
ああ、こんなに思慮深く考えていたんだ。そして彼女の選択は間違ってはいなかったんだ。
そしてマンツォーニ夫人も悪い人では無いのがはっきりして良かったです。なんといってもアントネッラですからね。
いきなり出会ったらどうなっていたかわかりませんでしたが(大丈夫だったかもという思いもありますが)、使用人として長年忠実に使えていたことも良かったのでしょうね。ラウラとアントネッラ、どちらの選択も良かったと思います。
若い2人はかなりの借金を抱え込んでしまったようですが、彼と2人(オースティン氏じゃないところが残念です。当たり前か)未来に向けて進んで行けそうですね。
ルクレツィアの活躍が思いがけなかったのですが、ルクレツィア、いい仕事しますね~。作戦も見事です。

でもオースティン氏、何やってたの?美味しいところだけ持って行ってるし・・・。
2016.12.29 12:00 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
更新、お疲れ様でした。

悪い人はいなかった、ということですね。
エミーリオ氏は、やりたい放題って感じですけど。
山西サキさんも仰っていますが、アントネッラとラウラの結末が、和解と未来志向で良かったと思います。
ラウラは正義感と優しさが同居した、素晴らしい女性だなと思ったら、そうでしたか。オースティン氏ではないですが、あらら~って感じです。
旅先で素敵な美女と出会って、いい感じになりつつ、最後は残念なことになって、ロンドンに戻り落ち着く。オースティン氏って、英国版寅さんみたいですね(笑)
でも、今回のお話で、いい女友達(?)ができたみたいだし、これはもしかすると? って、何でもかんでもくっつけちゃダメですよね。

今年も、残すところあと二日ですね。
面白いお話をたくさん読ませていただき、ありがとうございました。
来年も楽しみにしています。
2016.12.29 15:52 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
ううむ。
私には共感できない部分はたくさんありますけど。
そこは私と夕さんの価値観やらキャラクターの構成の差でしょうね。
おんなじ価値観では仕方ないですし。
同じような小説ばっかりではつまらないですからね。
(*´ω`*)

私は借金があった生活は今前なかったですし、
家や職場に拘りがあるわけではないですからね。
共感はできないですけど、辛さはそこにあるでしょうね。
どんな人間でも苦痛はある。
そういうことですからね。

さて、今年一年ありがとうございました。
毎週のようにコメント毎度ありがとうございました。
私のコメントも今年最後になると思います。
来年もいつも通りよろしくお願いします。
いや、マジです。
移り変わるブロ友の中で夕さんのような古参メンバーは貴重なので。。。
2016.12.30 15:23 | URL | #- [edit]
says...
なんか色々考えさせられました。私が知っているのはイタリアのヴェネチアやアルベロベッロやサンジミニャーノなんかの話程度ですけれど……歴史的な建造物を維持するために、中に住む人にはかなりの負担を覚悟する必要があるようですが、それでも、まずそういう古い建造物を「今も人が住む」という前提で考えていること、そして住む人はそこに住むことを誇りに思っていて、不自由でも(エレベーターはないし)金がかかっても、借金してでも、そのこと自体を楽しんじゃう、その精神がすごいと思うのですよね。これって、単に共感とか、同じように考えられないとか、そういうレベルの話じゃないと思うんですよ。自分の国、自分の街、もしかすると他国の人かも知れないけれど、その土地や文化を愛する精神の表れですもの。何かを守ろうとするとき、人はちょっとくらい無理をするものですから。
この夫婦は楽しんでやっていけそうですよね。
でも維持費や修繕費って、ほんと、すごいんだろうなぁ~。うちみたいに普通の家でも、何十年かすると、壁の塗り直しとか、あちこちちょっと手直ししたりとか、色々あるのに。

日本と違って素材が石であることも大きいのでしょうけれど、日本じゃ「大阪城に住んでます」とか言ってても「あ、焼けちゃった!」ですものね(だから住めないって^^;)。何しろ、耐震・耐火を考えると、本当に何百年も持たない木造建築。でも、古いものにノスタルジーを覚えるのは、どの国でも同じなんでしょうね。
そういえば、式年遷宮とかって、あの建造物を作るための技術を絶えさせないためだとも言いますが、確かに、何かを守るって大変だけど、でもとてもとても素晴らしい心だと思うのでした。

それから、ここに登場するどの女性も、それぞれで魅力的ですね。何というのか、大きく盛るところなんてなくて、一人分の人って感じがします。誰もがみんな、生きてきた人生を(短くても長くても)ちゃんと持っているからこそ生き生きしているような気がします。あ~、私、弾丸のようにしゃべる人、かなり好きです(大阪人としては? やっぱり、関西人とイタリア人は似てるんだわ)。
オースティン氏は残念でしたが、まぁ、またグルーバーと楽しい時間を過ごしていただきましょう!
そして……マコト化しているところ、ちょっといいなぁ~と思いました。そう、今年もくれていきますが、「ま、いっか!」で来年も乗り切りましょう!(え? 掃除はしろって? う~~)

今年もいっぱいお世話になりました! 来年もまたよろしくお願いします!!
2016.12.30 16:27 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こんばんは。

褒めていただけて嬉しいです。

このストーリーには、私のいま書いている小説のエッセンスがほとんど含まれているような氣がします。
エンターテーメント性や派手な謎解きは何もなくて、それよりもごく普通の人生の中の哀しみや、微々たる努力、それにドラマティックではなくてゆっくりと動いていく事態、それから人生観のようなものが、私が旅や日常生活の中で目にした印象的な景観の中で淡々と語られてそのまま終わってしまう、そういうパターンです。

エミーリオ・マンツォーニ タイプの人って、人生の中で何回か見たり聞いたりしているんです。本人はドラマティックにアップダウンして面白い人生のようですが、本当に周りがたくさん巻き込まれて迷惑しているんですよ。

私は本当の意味での極悪人というのは、そんなにその辺にはいないと思っています。誰もが自分なりの正義や怒りや想いの中で生きているわけですが、アントネッラのショックや不安は「悪役」という枠の中で無視されるべきではないと思ってしまうんです。

小説ではなくて実世界では、ラウラの立場にいる人と、アントネッラの立場にいる人がどちらもこんなに丸く矛を収めるわけではないんですが、まあ「そういう世界だといいな」という私の希望も入ってこういう結末にしました。

オースティン氏は、前回に続き、何もしていません(笑)
小市民は、そう簡単には名探偵にはなれないんじゃないかなと思っています。でも、けっこう美味しいところ、持っていっていますよね。

コメントありがとうございました。
2016.12.30 21:21 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

そうですね。サキさんのところのコメ返でも書きましたが、この小説は、かなりの部分でいまの私の小説の傾向が現われているようで、単純な極悪人はでてこないんですね。
エミーリオ・マンツォーニのような好き勝手な人間ですら、「しょーがないやつだな」レベルで扱っています。

オースティン氏のパターンは、こういう感じです。
まあ、美人で有能で心もそこそこの人を、オースティン氏のような行きずりの人間がそう簡単にゲットできるわけはないんですよ。逆もまた真なりですけれど。
その一方で、オースティン氏の好きなタイプとルクレツィアってかけ離れているかも(笑)
でも、まあ、この二人はけっこういいお友だちコンビになると思います。
(特に続編の予定はないんですけれど)

そして、今年もあと一日!
本当にお世話になりました。

来年もまたどうぞよろしくお願いします。

コメントありがとうございました。
2016.12.30 21:30 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

ああ、もちろん、同じ価値観でないのはわかりますし、無理に共感部分を探すこともないです。
ありていに言えば必要もないのに借金がしたい人なんていないと思います。

この小説は、一種の綺麗ごとかもしれませんが、借金をするのがいいという意味で書いたわけではなくて、法律で許されているかどうかとは別に、人間としてどんなことを優先すべきかと私が思っていることを書いたものなんです。

おそらくこれは一種のきれいごとでしょう。それでも、自分にだけ迷惑がかからなければいいという考え方、もしくは誰かがとても大切にしていたものを自分がいらないからと言って簡単に捨てるというようなことは、したくないなという私の主張ですかね。

今年一年間も丁寧に読んでくださり、マメなコメント、ありがとうございました。
来年も身体に氣をつけてお互い頑張りましょう。
来る年もどうぞよろしくお願いします。

コメントありがとうございました。
2016.12.30 21:51 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

そうなんですよ。
建物の維持って、本当に大変なんですよね。
それを維持するには、お金と手間と情熱が必要で、もちろんそれは日本でもそうなんでしょうけれど。
ヨーロッパでも、便利や効率を選ぶ人が多くなっているのは事実ですけれど、それでも頑固に歴史的建造物を固持しようとする人たちがいて、その人たちのおかげであの光景が保たれているんだなと思うことが多々あります。
二十一世紀だというのに、薪ストーブのコンロ兼暖房を使っていたり、六階まで毎日階段で登ったりする人がいて、エレベータはあっても扉を手で閉めるタイプだけれどアールヌーボー調のものを愛している人がいて、凄いなあと思います。

この夫婦の決断は、おそらくちょっと極端だと思うんですが、でも、第一に彩洋さんがおっしゃってくださったように、無理をしてでもそれを自分たちの手で守っていこうという人たちは、実はそんなに珍しい存在ではないと思うんです。それと同時に、人の心のあり方として、たとえ法律では許されても、誰かを不幸のどん底に落としたのをわかっていて知らんぷりをするよりは、自分たちが頑張っていく方を選ぶというのが私の理想なんですよね。そうした方がずっと手に入れた物を愛していけると思うし。

でも、彩洋さんもマイお城、大変ですよね。手間がたくさんかかるからこそ、大事なんだと思いますが。ああ、頭が下がります。

式年遷宮をしたり、地震や戦争で被害を受けた建造物を元に戻したりするのって、ときどき「必要があるのか」って議論になることがありますよね。「お金がもったいない」「神様なんていないし」「プレハブでもいいでしょ」という考えもあると思いますが、一度失われたら二度ともとに戻らないものは、なんとかして残ってほしいと思うんですよね。

前のコメ返でも、所々書きましたが、この小説はその後の私の書いている小説に似通うモチーフがけっこうあって、完璧な善人も悪人もなくて、スーパーマンもいない、それぞれがそれなりに考えて、ちょっとだけ身の丈にあったいいと思うことをして、ドラマティックではない普通の人生が続いていく、という流れになっていますよね。

オースティン氏はね。そうは問屋が卸さないんですよ(笑)

そして、この小説、2007年以来一文字も変えていないんですが、「ま、いっか」というマコト的セリフがでてきていて笑えました。人生は「ま、いっか」で楽になるんですよね。というわけで、私もこのまま適当に……(すみません)


本当に今年もたくさんお世話になりました。あと一日ですが、また来年もどうぞよろしくお願いします。

コメントありがとうございました。
2016.12.30 22:42 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんにちは~。もうすっかりお正月気分も抜けた今日この頃ですが、そちらも日常が戻って来たころでしょうか。
(とか世間話をして、遅くなったことを誤魔化す><)
夕さんが醸し出すヨーロッパの空気感、人々の気質、暮らしに浸らせてもらいました。
一軒のお屋敷に対する愛着、想いというのは、日本のそれよりも大きいのかもしれませんね。
維持するのは大変だけど、それでもそこには新しいものに代えがたい歴史や思い出があって。
とにかく、このお屋敷に明るい未来が見えて来たことにホッとしました

ラウラの正体を知った時のマンツォーニ夫人の対応が心配でしたが、心根は優しい人で良かった。
ラウラに素敵な旦那様がいた事にはちょっと驚きでしたけど^^
それよりも、その幸せそうな若い夫婦の事を思い出して、肩を落とすオースティン氏に笑ってしまいました。
今流行りの、「日常の謎を解決していくイケメン探偵」って感じから逸れるあたりに、よけい愛着が沸きます。(もう、何でもかんでもイケメンとかわいいヒロインなんだからあ(;_;)←何を怒ってる)
幸せな恋……がちょっぴり似合わなさそうなオースティン氏のこの後も、また覗いてみたくなります。

ことしも、いろいろ後れを取ってしまいそうですが、夕さんの物語を楽しませてもらおうと思っています(*´▽`*) どうぞ、よろしく!

2017.01.07 04:29 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
こんばんは。

いやいや、もうほぼ一週間働いたところなので、完璧に日常空間です。
かえってみなさんが「松の内」とおっしゃっているのを読んで「そうか、まだ日本国ではお正月だった」と思っています。
でも、今日は恒例の七草リゾット作ってお正月迎えの飾りをしまいました。

そうですね。
日本でも昔の立派なお屋敷などには、調度や蔵なども含めて「相続するのも維持するのも大変だけれど、更地にされてマンションにされちゃう」となったら悩むなんてこともあるかもしれませんけれど、ヨーロッパだと国境を越えてこういう問題があったりして、面白いかなあと思って題材にしてみました。

こういう話の場合、マンツォーニ夫人の立場の人がどう反応するかは、いろいろと違う展開に出来ると思うんですよ。
でも、ここで更に敵対して大騒ぎにするタイプのキャラクターだと、短編には出来ませんよね。
この短さで話を終わらせるためには、ウルトラ善人である必要はありませんが、それなりに丸く納まる人たちにしないと上手くいきませんよね。

同様に、主人公と美しいヒロインがそう簡単にくっつく話というのもなんか説得力がないと言うか、世の中そんなに甘くないだろうと思っちゃうんですよね。

お忙しい中、お正月早々読んでいただきありがとうございました。
どうぞご無理をなさらずに、出来る範囲で今年も構っていただけたら嬉しく思います。
本年もどうぞよろしくお願いします。

コメントありがとうございました。
2017.01.07 21:44 | URL | #9yMhI49k [edit]

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