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Posted by 八少女 夕

一人称問題、ふたたび

以前、「ワタシ」と「アナタ」という記事で考察した一人称問題、まだ引きずっております。

ジェンダーと一人称が一致しない人物っていますよね? ブログの書き主にも、それから作品の登場人物にも。私の作品ではゲイである設定のバー『dangerous liaison』の経営者トミーがそうなんですが、そのパートナーのステッフィは「俺」という設定にしてあります。その、役割がこれではっきりしますよね。いや、必ずしも、そういうものでもないのかもしれませんが……。この二人にはモデルがいまして、さらにヨーロッパではそういう関係は日本よりもオープンなので珍しくもなかったりするんですが、いくら親しくても、そういうことにまでは突っ込めません。

一人称問題は、私が知る限りでは日本語だけでおこります。あの人物が自分の性別と一致しない一人称を使う場合、
(1)本人が自分の生物学的なジェンダーに納得していない
(2)生物学的なジェンダーに異議はないが、性別による社会的な差別に納得がいかない
(3)性的に幼い未発達の状態、もしくは中性的な様相をあらわすため
(4)特に意味はない、なんとなく、もしくは照れ隠しで
などがあるのですが、よほど親しくないとそのどれかはわからないわけです。

同じような問題で、性同一性障害 (GID) と異性装と同性愛は全く違うとはわかっていても、自分が直面している「その人」がどれなのかはっきりと区別するのが難しかったりします。しかも、繊細な問題だけに興味本位では質問できません。

それを観察して書くとなると、それはそれで注意が必要かな、と思います。よくわかっていないで書くと、苦しんでいる人を傷つけることもあるからです。個人的には『dangerous liaison』の二人は好きなキャラで、人生の指南役としてちょくちょく出てきてもらう予定です。この二人に関しては作者としては愛情たっぷりであるということをあらかじめお伝えしておきたいと思います。ただし、私はBLには全く興味がないので、そういう場面は一切出てきませんので(笑)
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Comment

says...
先日はご訪問後の返コメが遅くなってしまいすいませんでした。

一人称は、ものすごーく気を使います。出だしの一発で全部が決まっちゃうくらい。しかも途中でかえられないし=ω=
なによしさんは、「ぼく」と「僕」を厳格に使い分けておりますね。うちブログでは「ぼく」が涼くんで「僕」が筆者。
女性称は、その日の気持ちや体調を表すために自ら制限は設けていません。

性の設定と一人称。意外な目線で(普段意識がおろそか部分に対して)、もっと丁寧に扱おうと考えいりました☆
2012.06.12 13:07 | URL | #- [edit]
says...
確かに、一人称・・・その点日本語は多彩ですもんね。
「ジキルとハイド」のパターンは差し詰め(5)ってことになりますかねww
2012.06.12 13:10 | URL | #- [edit]
says...
八少女夕さん、こんばんは!
今回の記事に深く感じ入るものがありコメントさせて頂きました。

一人称問題は、やはり日本語だけで起こる問題なのですか・・・!
私は壊滅的に語学が駄目なのですが、何となく日頃から日本語の一人称は役割や性をひどく限定するもののように感じていました。

八少女夕さんの作品の『dangerous liaison』にのお二人の一人称を、スイスやヨーロッパ方面の語学で表現しようとすると、英語の「I」のように性別を限定しないような感じになるのでしょうか?
日本語だと、「僕」「俺」「私」と、これだけで役割がはっきりしますよね。必ずしもそうでなくても、一人称が何らかの「属性」を潜在的に付与してしまうというか・・・

私のお話になって大変申し訳ないのですが、自分も自作品の中で「両性具有」の登場人物がおり、いつも一人称で苦労?しております。俺でもないし、わたしでもない・・・僕でもなく・・・結局その登場人物は性の揺らぎに応じて俺と言ったりわたしと言ったりするキャラ造形に落ちついてしまいました。
そして、自分自身もブログの中で「わたし」という女性称を使うのに違和感があり、意識して「私」という漢字を最近は使用することでその違和感を避けています。性同一性障害という訳ではないのですが・・・自分のお話しばかりになってしまい本当にすみません> <

八少女夕さんの文体が、私はとても好きです。落ちついていて、理知的で、それでいて柔らかさもあって素敵だなーって思います。
見当違いなコメントだったら本当にすみません・・・
また遊びにきます!素敵な記事をありがとうございました!(*^-^)
2012.06.12 13:26 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは! 返コメ、全然遅くないですよ! いつも丁寧にお返事いただいて嬉しいです。

そうそう。「僕」と「ぼく」と「ボク」も違いますよね。
「あたし」と「アタシ」も違うし。

私自身は、あまりジェンダー問題に繊細でないだけに、日によってバラバラに「あたし」だっり「私」だったり「わたし」だったりしてしまうんですが、人によってはすごく重要だと思うんですよね。

でも、作品では、かき分けています。どの一人称を使うかで、性格や行動も変わってきたりする所が日本語の不思議ですよね。
2012.06.12 18:44 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

あ、(5)、確かに忘れていました。
それって、いい手法ですよね。どっちの人格が出てきているか、一人称だけでわかる。う〜む。これって、外国語に翻訳する時に、翻訳者が泣くだろうなあ……。
2012.06.12 18:46 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは〜

そうですね。住んでいるここでは「ich」またはなまって「ii」が一人称です。作品では、書き始める前の私の頭の中では、登場人物はみな原語を話しているので、英語のときは「I」で、ドイツ語のときは「ich」です。ファンタジー物では、日本語喋ってますけど。

セイレンさんは、困るでしょうね。育っている途中から、変わったんですよね。一人称も変えたのかな……。

私自身はあまりジェンダー問題に繊細な方ではなくて、「私」だったり「わたし」だったり、口語では「あたし」だったりコロコロ変わってしまうのです。

作品と文章を褒めていただき、ありがとうございます。理知的だなんて、まだまだですが、目指しているのはその方向なので、とても嬉しいです。理想は「誰にでも書けそうな」癖のない文体で、でも、よく見ると考えたぬかれた言霊を散りばめている、そんな作品を書くことなんですけれど、まだ二十年くらいは精進しないとだめですね。

トミーとステッフィが登場する小説は、今の発表しているのでは「夢から醒めるための子守唄」だけなんですけれど、もう一つ既に完成しているものも含めて、おいおい発表させていただきます。その時には、またお読みいただけると幸いです。
2012.06.12 19:40 | URL | #9yMhI49k [edit]

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