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Posted by 八少女 夕

喫茶去

薔薇は別として、薫りの高い花というのは見かけがあまり華麗でないことが多いと思います。私の好きな花の多くは、樹に咲く香り高いもの、沈丁花、金木犀、ニセアカシア、リラ、ニワトコなどですが、今日ご紹介する写真もそのひとつ、菩提樹です。

菩提樹の花

この妙な形の黄色い花は、秋になると小さな竹とんぼのように空を舞います。くるくると旋回しながら、遠くへと運ばれていこうとする姿は、自然の謎に満ちていています。この菩提樹は二種類あって、見かけはほとんど一緒なのですが、明らかな違いがあります。それが薫りなのです。

ほとんど何の薫りもしない菩提樹は、木陰を提供してくれますが、人々はそれ以上の関心を向けません。薫りのする方は、もちろんその薫りも楽しむのですが、花を採り、乾かしてハーブティーにします。そう、リンデンブルーテンティーです。

鎮静作用があるので、寝る前や、子供が興奮状態にあるときなどに飲ませます。それと風邪の初期症状にも効くということで、常備する家庭が多いのです。

私は、食事の後は、いつも夫とお茶の時間を持つようにしています。お茶を飲みながら今日あったことを話したり、次の休暇の計画を立てたり、いろいろなことを話したりします。夜はカフェインやテーインのないものを飲むようにしているので、リンデンブルーテンティーの出番も多いですね。

禅語のひとつに「喫茶去」というのがありますよね。「まあ、お茶でもどうぞ」という意味ですが、思っていたよりもずっと奥深い言葉みたいです。中国の偉いお坊さんが、知っている人にも、知らない人にも、院主さんにも全く同じように「お茶でもどうぞ」と言ったという故事から来ているらしいです。立場や利害の違いなど一切ない無の境地に達した人だからいえた言葉。

私の場合は、まだそこまで達していませんが、何かムッとすることがあった時、ちょっと喧嘩になったりした時になど、「まあ、お茶でもしましょうか」と一息つく習慣は悪いことではないでしょうね。そう考えて、菩提樹の花を集めて乾かす私なのです。
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Comment

says...
 こんにちは。
最近 禅って 小難しく考えるものではなく 茶目っ気のある 悪戯心に満ちたものなのではと思える。
両手を叩いたとき どちらが鳴ったのかとか… 答のないもの 考え方しだいで答が変わる。
思考で遊び 柔軟さを遊び 泡沫を 幽玄を感じる為の道具なのではと…
所詮 悟りや 無には 程遠い俗世の者が 煩悩との付き合い方を 制御の仕方を考え
そして 人生を遊ぶ為のものと感じる。 
禅とは 宗教よりも 哲学に近いですね。

2012.06.25 06:53 | URL | #- [edit]
says...
ティータイムを設けているのですか・・・素敵です
その故事は初耳でした
「お茶をどうぞ」よりも「カツ丼食うか」の方が、接している数が多いということもあると思いますがww
ということは「カツ丼」の人も何かしらの境地に・・・冗談ですw

この話、ティータイムで使わせて貰いますね^^
2012.06.25 10:05 | URL | #- [edit]
says...
一服するのってええですよね。
それも自然に囲まれてなんか、気持ちよさそうっす^^

俺の近所は住宅街なんで、自然を感じられないのが残念なんすけど。
2012.06.25 14:47 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

本当に。本来は、宗教そのものも、こうであっていいと思うんですよね。
「○○しないと地獄に堕ちる」とかではなくて、柔軟に、軽やかに、人々がそれぞれのやり方でよく生きるための指針になれば、それでいいんじゃないかなあと思います。
そういう意味で、禅宗というのはかなり理想に近いと思っているんですけれど。
って、幼児洗礼受けていて、しかもカトリックの税金払っている私が言うのも変だけど。

コメント、ありがとうございました!
2012.06.25 20:06 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。
「カツ丼食うか」と誘ってもらうのも嬉しいですよね。
う。カツ丼食べたくなってきた。無性に食べたくなる不思議な魅力があります……。

> この話、ティータイムで使わせて貰いますね^^
どうぞどうぞ。光栄です。
2012.06.25 20:14 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは〜。

田舎にもいいところがありますよね。
我が家では、ヘーゼルナッツの木の下にテーブルが置いてあって。
もっとも、そこで「お茶を一服」のつもりが「ロゼを一杯」になっちゃっていることの方が多いかも。(笑)

コメント、ありがとうございます!
2012.06.25 20:19 | URL | #- [edit]

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