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Posted by 八少女 夕

リアルな国防

「美しいスイス」カテゴリーとはちょっと違うかな。「写真」カテゴリーにしました。

要塞博物館

これは我が家のわりと近くにある要塞博物館で撮った写真です。1995年まで現役で使われて、トップシークレットだったこの秘密要塞も役目を終えたので公開されています。山の中に設置されたこの要塞には二つの大砲があり、20km先の二つの峠を攻撃する事が可能です。実際に演習をする様子の映画も流されていたのですが、本当にぶっ放しています。誤差は20mだそうです。もし、峠で食い止められる事が出来なかったら、今度はここでマシンガンで戦闘を行うと想定して、日々訓練をしていたそうです。三交代で90人が24時間態勢で詰めていたと言います。(今も別の場所で訓練しているはずです。もちろん極秘)

この要塞が作られたのは第二次世界大戦のはじまる頃、ドイツによるポーランドの侵攻が契機だったそうです。他の要塞はともかく、ここの仮想敵はムッソリーニのイタリアですね。攻めて来たらぶっ放す。そのための訓練を未だにやっているというのが印象強かったです。

スイスと言うと、ヨーデルを歌いながらブランコに乗っている平和な中立の国との印象が強いのですが、実際には常に外敵に独立を脅かされてきたため、国防にかける熱意と予算が半端ではありません。

もちろん、大砲や戦車、それに爆撃機など使わずに話し合いで平和に紛争を解決できればそれが一番です。私は、日本も同じように徴兵制をとって武装しろと言いたいのではありません。単純に、海のない強国に取り囲まれた小さな国、それもどの国も喉から手が出るほど欲しいいくつもの峠を持った国が、現在に至るまで独立を守っているその背景には、理想よりも現実を直視した国防が大きな役割を果たしているのだという事を実感したという話です。

これらはおもちゃではありません。スイスが国防にかけている予算は大変なものです。人材もどこかから湧いて出るわけではありません。訓練にかける時間、それに対する国民の理解、すべてが日本の感覚とは全く違います。これを自分が、もしくは自分のボーイフレンドや夫がやっているということが、国防を自分の事と受け止めて行動する国民の考え方にもつながっています。
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Comment

says...
 こんにちは。
うん 日本人の考える 中立国のイメージはお花畑の 皆仲良く 戦争しない 
と言った感じの現実離れしたモノ
実際の 中立国は… 誰にも頼らない 同盟国を持たない 誇り高き一匹オオカミですからねーー

ほんとに 日本人の頭の中は アルプスの少女 ハイジに 毒されていますよ。
日本は 自然の要塞 海に囲まれている事の幸せ 考えますね。
2013.07.01 08:33 | URL | #- [edit]
says...
こういうのを見るとやっぱり日本は合理的な話題が
苦手なのかなあと思ったりします
極論に走りやすいというか…
私もあまり人のことは言えないのだけれど
2013.07.01 08:39 | URL | #- [edit]
says...
こんにちは、TOM-Fです。

スイスの徴兵や国防意識の高さは、有名なお話しですよね。スイス兵は、平時には優秀な傭兵としても活躍していますしね(ヴァチカンで守衛についていたり)。
その国その国に応じた、防衛というものは必要だと思いますね。家だって、セキュリティシステムがあったり、猛犬がいたり、大人の男性がいるだけでも、泥棒は入るのをためらうのですから。

日本は、国民はあまり興味を持っていませんが、間違いなく世界トップクラスの軍事大国です。しかも、その兵装は防衛に特化している分だけ、思い切りが良い装備になっているようです。訓練の予算も時間もたっぷりあるので、隊員たちの錬度も極めて高い。おまけに、世界有数の天然の要害でもあり、沿岸部には軍隊以上に危険なモノも配置されているので、たぶんどこの国も占領を目的として軍事的に攻め込もうとは考えないでしょう。そこに限定すれば、安心していいのかなと思います。
もっとも、こんな国防構想は、すでに時代遅れですが……。

八少女夕さんもおっしゃっているとおり、外交努力による安全保障。これがベストな選択肢だと思います。
でも現実には、袈裟の下に鎧を着ていないと、談判にも行けませんからね。おお、怖い怖い(笑)
2013.07.01 10:16 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

日本って、何回かあった国難も、なんとなくクリアしてきているじゃないですか。
それも、台風が来て助かったというような。
それで1500年独立していたから、よけい「なんとかなるかも」と思っちゃうのかもしれません。

こちらは歩いている横を戦車が追い越していきますが、それの積み重ねによる独立なんですよね。
考えさせられます。

コメントありがとうございました。
2013.07.01 20:06 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

徴兵制がいいとかそういう話ではないんですが、「安保あるし、いいんじゃないの?」って言っているのは
日本の一般市民だけかなあと。
自衛隊の人たちがなぜか肩身が狭いというのも妙な話かなと思います。
っていうか、あれが軍隊じゃないというのも変だし、ちゃんと現実的にした方がいいんじゃないかなとも思います。

コメントありがとうございました。
2013.07.01 20:10 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

スイスはその昔「血の輸出」といわれるほど傭兵を排出していたんですが、それをやりすぎて、さらにあまりにも有能なので、どの列強もスイス人傭兵ばっかりになってしまい、スイス人同士で闘っていたとか。それで、「もうやめる。傭兵全面禁止。うちら中立だから」にして、現在まで傭兵になったら帰国した途端逮捕されるそうです。唯一の例外が、バチカンのスイスガード。

世界中の国が憲法九条を制定したとしたら、もしかしたら防衛はいらなくなるかもしれませんが、その可能性はないわけで、念仏だけの徒手空拳は、TOM-Fさんもおっしゃるように、ちょっと非現実的だと思います。

防衛専守であることは変わりませんが、スイスと日本の大きな違いは、その防衛に対する一般人の理解度だと思います。守ってもらう方でありながら協力する氣がないどころか、反対ばかり言う方も多いですよね。スイスだったら、そう言われたら「ふうん、じゃあヒトラーのようなやつらが攻めて来たらあんたはぼーっと併合されるのがベストだってわけ?」と反論されて終わりなんですけれど。反対意見というのは別の案をあげてこそ意味があるというのをわかっていない方が多いように思えます。まあ、国防に限らず、ですけれど。

ここ数年、日本にも危機意識を持たざるを得ない事が続いていますが、これを機に平和ボケを脱して、タレントばかりが国会議員に当選するような幼稚な政治が改まる事を願うばかりです。どんな方向にむかうにしても、きちんと民主的に決定していける大人の国家であってほしいと思いますので。

コメントありがとうございました。
2013.07.01 20:25 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
ヴァチカンに立っている衛兵さんがスイス人だというのを聞いたときに、始め結構不思議だったのですが(なぜイタリアじゃないんだ!?と)……
中立国でいるって、言葉ほど簡単じゃないのはよく分かります。
特に大陸の上で、国土を分け合っている場所でなら、なおさらです。歴史を見ても、あまりにも大陸の地図(国境線?)は変わってきているので(って、どの時代からの話)、その中で保つ中立、というのは重みがあり、守るための努力が半端ではないのはなるほどです。
日本はやっぱり島国で、危機感がないんですよね。
昔、飛行機がなかったころ、海は交易の唯一のルートだったころは、もう少し一般人も危機感があったのかもしれませんが(だから敢えて鎖国なんて手段に出たわけで)、今では海を渡って人が移動するということをあまり認識しないで海岸べりで他国の人間に襲われたりすることが「普通ではないこと」と思ってしまう……
夕さんのおっしゃる通り、一般人の危機感は薄いですよね。徴兵制度とかがある国は、自分の身に降りかかるから実感するけれど、自分の身には何も起こらないと思ってしまう。
戦争は絶対いかんと思うけれど、国を守ることがどういうことか、そこにどういう選択が必要であるかということについて思い知るには、わが身にいささか危機的な事態がおこらないとならないのかも……
危機管理と、常に自分の身に関係していることだという認識……終わりなき命題になってしまいました……^^;
2013.07.01 23:16 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こんばんは。

バチカンの衛兵がスイス人のみと決められた当時はイタリアって国はなかったんですが、いずれにしても他のどの国の兵隊もイザって時には逃げだしちゃうのにスイス兵だけは絶対に引かないで闘うから「スイス兵だけ」にしたんですって。でも、スイス人なら誰でもスイス衛兵になれるわけじゃないんですよ。中央スイスのカトリックの人たちだけ。カトリックでもイタリア語圏のディツィネーゼはダメなんですって。信用ないらしい(笑)

日本は歴史上まだ「ひどい目」にあっていませんよね。しかも日本には琉球とアイヌとその他のごちゃ混ぜ大和民族だけがいて、そのうちのどれかが上に立って他をひどい目に遭わせたってこともなくて。だから、「話せばわかるよね」と心のどこかで思っているんじゃないかと思うんですよ。ポーランドやウィグルやアフリカの植民地下の人びとやその他のこれ以上ないってくらい蹂躙された人びとにしてみれば日本の考え方はかなり甘いと思うのでしょう。それがまた「日本人っていい人たちだよね」となっている部分はそれでいいんですけれどね。

どんな名目があろうとも、戦争という正義はないと私も思います。ましてや現代使われている兵器はすべて無差別殺人の道具で、そんなものを使わずに済む方がいいのは確かです。でも、鍵のかかっていない扉を明けっ放しにしておいて「泥棒に入る方が悪い」と怒るのは、まあ、おめでたさにも程があると認識した方がいいのかもなと思っています。本当に難しい話題ですけれど、地球上に跋扈しているホモ・サピエンスに聖人君子はかなり稀なので。

コメントありがとうございました。
2013.07.02 18:33 | URL | #9yMhI49k [edit]

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