scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】大道芸人たち 番外編 〜 Allegro molto energico

今週は「樋水龍神縁起 Dum Spiro Spero」のちょっとターニングポイントな章を発表する予定でしたが、お盆休みにつきちょっと予定を変更して「大道芸人たち Artistas callejeros」の番外編をアップします。と言ってもですね。今回の主役は園城真耶です。なぜ「Dum Spiro Spero」の番外編にしなかったのかというと、単にカテゴリを増やすのが面倒だったので。真耶は「大道芸人たち」の読者にはお馴染みになっていますが、まだあまり出番がなくてつかみにくいキャラですよね。

この話での真耶は22歳。大学を卒業する目前です。同じ大学には稔や蝶子も通っていて、もちろん二人ともまだ大道芸人にはなっていません。真耶も後の輝かしいキャリアに踏み出す手前です。

大好きな曲と一緒に登場させました。追記に動画をつけましたので、ご存じない方はぜひ。


【大道芸人たちを知らない方のために】
「大道芸人たち Artistas callejeros」は2012年に当ブログで連載していた長編小説です。興味のある方は下のリンクからどうぞ

「大道芸人たち Artistas callejeros」を読む このブログで読む
縦書きPDF置き場「scribo ergo sum anex」へ行く 縦書きPDFで読む(別館に置いてあります)
あらすじと登場人物



大道芸人たち Artistas callejeros 番外編 〜 Allegro molto energico

 力強い音色が澄んだ空氣を切る。肘の動きは優雅で弧を描くようだが、どこにそのような強い響きがこもるかと驚くような音がする。Allegro molto energico。とても速くエネルギッシュに。アンリ・カサドシュの、またはJ.C.バッハのとしても知られているヴィオラ・コンチェルトの第三楽章に指定された音楽記号は、園城真耶の生き方そのものでもあった。

 朝目が覚めて、最初に考えるのは昨日の夜に考えていたことの続き、すなわちいま弾いている曲の音についてだった。洗面所の鏡の前でもあの響きはもっとこう、などと思っている。歯を磨き顔を洗う頃になって、ようやく想いは現実に戻ってくる。

 鏡には二十二歳の若い娘が映っている。真耶は子供の頃から「なんてきれいなお嬢さん」と驚かれれることに慣れていたので、自分が美しいことを知っていた。丁寧に髪を梳ききちんと整える。ゆっくりと基礎化粧をして眉を整える。薄く口紅をつけると、もうどこに出しても恥ずかしくない美貌のお嬢様の体裁が整う。完璧に美しくあること、それはほとんど真耶の義務だった。けれど真耶の想いのほとんどは鏡の中ではなく、今はカサドシュのコンチェルトに向かっている。

 大学にもあと二ヶ月は通わなくてはならない。けれど、彼女の想いはもっと先に向かっている。昨年国内のヴィオラコンクールで優勝して以来、彼女のキャリアはどんどんと動き出していた。四月には、カサドシュのコンチェルトではじめてオーケストラと競演する。ピアニスト結城拓人とのミニコンサートも企画されている。拓人が夏からミュンヘンに留学することが決まっている今、彼女もまた近いうちにヨーロッパへの留学をしたいと準備を進めている。彼女の演奏活動は未来に向けて広がりだしたばかりだった。

 真耶は薄いオレンジのブラウスと白いマーメードラインのスカートを身に着け、コーヒーを一杯飲んだだけで朝食を断りそのまま大学に出かけた。いつもどこかで音楽が聴こえているその構内の中で、たった一カ所、真耶が足が停めてしまう場所があった。真耶がよく使う西門の脇には声楽部の使う第三校舎があった。揺れるヒマラヤ杉の枝がそっと腕を伸ばすその一番端に、朝の七時半頃に行くといつも同じ声が聞こえていた。バリトンで深みのあるいい声だった。その声の持ち主のことは、長いこと何も知らなかったのだが、つい先日ひょんなことで、知り合いになったばかりだった。

 その日真耶は一人で遅い昼食をとった。生協に頼んであった新譜が入ったというので、いつも一緒に食事ををする友人たちに先に行ってもらって、とにかく楽譜を受けとりに行ったのだ。受け取りに思ったよりも手間取ったが、楽譜を手にしたことが嬉しく開いてしばらく読みながら歩いていた。

「おっと、危ない」
学生食堂の入り口で、声にはっとして前を見ると、もう少しでギターを持って後ろ向きに歩いている青年とぶつかるところだった。彼がたまたま後ろを見たので事故は起らなかった。
「あら、安田くん、ごめんなさい」
真耶は謝った。

「あ、園城か。いや、こっちも変な歩き方していたからさ、すまない」
その青年、ギターを持ってはいるが、実は邦楽科の学生である安田稔も謝った。その時、稔と一緒にいたもう一人の青年がとても驚いたように稔に言った。
「園城真耶さん! 安田、お前、知り合いなのか?」

 稔は、おやという顔をして、それから頷いた。
「ああ。一年の時、同じソルフェージュのクラスにいたからな。園城、紹介するよ。こいつは田代裕幸。声楽科の四年生」

 真耶はにっこり笑って「はじめまして」と手を出した。裕幸は少し赤くなって、それでもしっかりと握手をして「よろしく」と言った。

「園城が、ながら歩きなんてらしくないな。なんだその楽譜?」
稔が楽譜を覗き込んだ。
「カサドシュよ。持っているのと違ってフランス語の注釈がついているの。ようやく生協に届いたっていうからもう待ちきれなくて」
「それで、こんな時間まで食事もせずにね。夢中になると時間を忘れるのは田代と一緒だな」
そう言って稔は裕幸をみて笑った。

「そうなの?」
裕幸ははにかんだように笑った。真耶は田代裕幸をよく観察した。リラックスしている稔に較べて彼は少し身構えているようだった。ライナーの入ったトレンチコートを脱ぐと茶色い厚手のセーターを着ていた。四角い黒縁眼鏡も着ているものも動きもとにかくまじめという印象が強かった。そして、その声が印象的だった。声楽科だからといって全ての人が歌うように話すわけではない。だが彼の声はごく普通の話をしている時もバリトンだった。だがそれは大仰ではなく、耳に心地よく響いた。この声、もしかして……。

 がつがつとカツ丼を食べる稔の横で、まだ少し緊張しているようにカレーを食べている裕幸に、真耶は疑問をぶつけてみた。
「ねえ、もしかして、毎朝第三校舎で声を出しているのは、田代くん?」

 裕幸はあわててスプーンを取り落とした。稔がさっとそのスプーンをキャッチしていなければ、それは地面まで落ちていた。真耶は笑った。
「ど、どうして、園城さんが、そのことを?」
「声に聞き覚えがあったの」

 それから、朝ヒマラヤ杉の下を通る時に、真耶は窓に田代裕幸の姿を見つけると手を振りしばし彼の歌声に耳を傾けるようになっていた。

 裕幸は窓を開けた。
「おはよう、園城さん」
「おはよう、田代くん。今日の音階少しへんよ。風邪でもひいたの?」
「え。わかりますか。参ったな」
「毎朝、聴いているもの」

 裕幸は急いで降りてきた。その朝はアラン編みの白いセーターだった。眼鏡の奥の瞳が輝いている。息を切らして、セーターの下の胸のポケットから白い封筒を取り出した。
「あ、あの。この間、学食で、メトロポリタンの『魔笛』のチケットを取り損ねたと安田に言っていたから……。その、A席しか取れなかったけれど、もし、僕の隣で嫌でなかったら……」

 真耶はその少ししわくちゃになった封筒とチケットを見て、それから裕幸を見上げた。ほんの少し黙って考えた。それからニッコリと笑いかけた。
「どうもありがとう。喜んでご一緒させていただくわ」


「それで。僕にチケットを返すってわけ?」
家に帰って、自宅のサロンで勝手にピアノを弾いていたのははとこの結城拓人だった。
「ごめん。ナンバー24ちゃんでも誘ってあげて」
「悪いが、もう24とは終わったよ。今は26。オペラには興味ないだろうな。大学在学中だったら、もう一度フルート科の四条蝶子にでもアタックしたんだけれどな」
「なんでもいいけれど、とにかく今回は、ごめん」
「ったく。僕が取ってやったのはSS席だよ」

 A席でオペラをみるのはめったにないことだった。でも、裕幸はチケット代を払わせてくれなかった。裕福な音楽一家の家庭に生まれた真耶や拓人は例外で、学生が二枚のオペラチケットを払うのは簡単なことではないと知っていたので、真耶は文句を言うつもりはなかった。

 『魔笛』をみている間、裕幸は舞台に釘付けになっていた。真耶は今まで何度かした音楽会でのデートでいつも相手を忘れて演奏に没頭してしまい、それが原因で上手くいかなくなったことが何度かあったので、同じように音楽に溺れている裕幸に微笑んだ。それから二人は定期的に一緒に出かけるようになった。

「ふ~ん。いい音出しているじゃん。新しい彼とは上手くいっているんだな」
拓人がカサドシュを練習する真耶の横でぽりぽりとピスタチオを食べながら言った。
「わかる? あ、ちょっと、殻を散らさないで。佐和さんが掃除機をもって駆けつけてくるわよ」
「わるい」
拓人はそういうと園城家の古くからのお手伝いを困らせないように殻を拾って盆に置くと、再び真耶の方を見つつシャンパンを飲んだ。

「短調の曲だけれど、生命力に溢れた感じにしたいの」
「Allegro molto ma maestosoか。とても早く、しかし力強くね。アレグロってのはイタリア語本来の意味では朗らかにとか快活にって意味だから、たしかに短調のための言葉じゃないよな。でも、お前には合っているよ。特に、今の感じとね」

 真耶はちらりと拓人を見た。たまにはいい事を言ってくれるじゃない? 人間というのは、恋をはじめた時にもっとも生命力が強くなるのではないだろうか。相手をもっと知りたいという想い、今日も明日もあの人にもっと近づいて行けるという予感。裕幸のぎこちなさが次第にほどけて、代わりに瞳の中に情熱が増えていくのを日々感じることができた。それは真耶をとても幸福にした。彼のバリトンの響きで紡がれる言葉が、真耶の内なる和音を広がらせていく。

 真耶は努力を重んじる。彼女は裕福な音楽一家に生まれ、望めばたくさんのコネを利用することができる立場にいた。そして、同じようにそれを利用してきた多くの音楽家が、デビューは華々しかったものの実力が伴わずに忘れられていくのを子供の頃からたくさん目にしていた。真耶の耳は芸術とそうでないものを聴き分けることができた。そして、音楽は財力や縁故の力では絶対に手に入らないもの、誰にでも等しく日々の努力でしか手に入らないものであることを、本当に小さい子供の頃から理解していた。いつも一緒にいた拓人ととは切磋琢磨し、同じように努力を重ねることでともに音楽界での立ち位置を築いてきた。忌憚なく意見を交わし、支えあってきた。

 ただ、恋に関しては、お互いに一人で戦いに臨まなくてはならなかった。もっとも、拓人も真耶も恋に関してはあまり苦しい戦いを強いられたことがなかった。こちらは音楽とは違って、生まれながらの容姿や立ち居振る舞いによってかなり優位な位置に立つことができたからだ。真耶は裕幸の心をはじめからつかんでいることを感じていた。それでも、もっと自分を知ってもらいたいと思った。

 電話が鳴った。表示された番号をみて真耶の口元が弛んだ。拓人は、にやっと笑って席を外そうと扉の方に歩いていった。しかし、その通話は拓人が完全に扉を閉めるまでも続かなかった。
「田代くん、明日のこと? え……。そう、そうなの、しかたないわね。じゃあ、月曜日にまた大学で。ええ、おやすみなさい」

 拓人は戻ってきて言った。
「なんだ。デートはキャンセルか」
「ええ。知り合いの子を病院に連れて行くことになったんですって」
「知り合い? 家族でもなくて」

 真耶は肩をすくめた。
「時間が開いたから、もう少し譜面を読み込むわ。拓人は明日はデートなの?」
「いや、僕も暇だからつきあうよ。ミニコンサートの初合わせしとくか」

 真耶と裕幸の付き合いが長くなるにつれて、その「知り合いの子」が割り込んでくることが多くなった。真耶は裕幸の生活に土足で踏み入りたくはなかったが、デートを予定すると三度に一度はその子の具合が悪くなるので、いったいどんな知り合いなのかと疑問がわいてくる。

「春菜は幼なじみなんだ。ずっと隣の家に住んでいて、家族ぐるみの付き合いをしている。彼女は今年高校を卒業するんだ。ここのところ気管支喘息の発作を起こすことが多くて、発作が起ると吸入剤を使用するんだけれど、そうなったら必ず翌日に医者のところに通院することになっているんだ。彼女の両親は車を持っていないので、今までも後治療の通院は僕が行っていたんだ」

「そう。確かに彼女ができたから誰か他の人に連れて行ってもらえとはいいにくいでしょうね」
「君にイヤな思いはさせたくない。でも、この冬まで、ほとんど発作は起きていなかったのに、どうしてこんなに頻繁に起きるようになったんだろう。近いうちに落ち着いてくれることを望むよ」

 
「それは、あやしいな」
拓人が言った。

 またしてもデートがキャンセルになり、真耶は予約してあったレストランに拓人と来ることになった。拓人は珍しくつき合っている女がいない状態だったので、ごちそうしてもらえるときいて飛びついてきたのだ。
「何の話?」

「その春菜ちゃんだよ。幼なじみの裕幸くんがデートの予定だときくと喘息の発作がちょうど起きるとはね」
「拓人。喘息の発作ってとってもつらいのよ。好き好んでそんなもの起こすわけないでしょう」
「もちろん、意識して発作を起こしているわけじゃないだろうさ。でも、裕幸くんが彼女に会うときくとショックと不安で発作を起こしてしまうとかさ」

 真耶は、牛肉のカルパッチョを優雅に切って答えた。
「たとえそうだとしても、田代くんにはどうしようもないじゃない」
「まあね。でも、その男とつき合う以上、ずっとその春菜ちゃんが亡霊のように邪魔をし続ける、そんな予感がするよ」

 真耶は拓人を見つめて、ワインを飲んだ。
「あなたみたいに、短い期間で次々とりかえるのなら、それも氣にならないでしょうけれど……」
「うん。それは言えるな」

 朝目を覚ますと考えているのはやはり音のことだった。シューマンの「ピアノとヴィオラのためのフェアリー・テイル」拓人とのミニコンサートで弾くために仕上げている曲だ。それから、ゆっくりと身支度しながら、朝のバリトンのことを考える。あの声に包まれたいと思う。かなり深く恋に落ちていると自分でも思う。真耶は朝食を食べずに大学へと向かう。もう、あと数日しかこの習慣は続かない。二人とも卒業するのだ。逢う時間は減るだろう。お互い演奏家としての仕事があり、今までとは違ってきちんと意志を持って連絡を取り合わないと、逢うことも難しくなる。けれど真耶はさほど心配していなかった。

「話がある」
裕幸はその朝、第三校舎の前で待っていた。二人はようやく春らしくなってきた構内を、あと数日で日常の光景ではなくなる樹々の間を歩いた。

「どうしたの」
「君とつき合いたいと思ったのは、本当に心からの願いだった。今でも君のことが好きで憧れている。でも、これ以上つき合っていくことができない」

 青天の霹靂だった。真耶は息を飲み、しばらく黙っていたが、やがて落ち着いて静かに訊いた。
「私が何か直せばいいの?」
「君は悪くない。本当に君は完璧だ。そうじゃない。僕もどうしていいのか、自分でもわからない」

「理由を教えてくれる?」
「春菜が僕を失うなら死ぬって言うんだ」

 真耶は、拓人の言う通りになったなと思った。
「あなたも春菜さんの方がいいと思ったの?」
「僕は君のことが好きなんだ」
「だったら、どうして一足飛びに別れるって話になってしまうの?」

「春菜には僕しかいないんだ」
「もし、私があなたを失うくらいなら私も死ぬって言ったらどうするの?」
「君はそんなことは言わない。君にはヴィオラと音楽がある。素晴らしい友人たちにも恵まれている。健康で美しくて何もかも持っている。君は春菜どころか、誰よりも強い人だ。君は恋人を失ったぐらいで立ち止まったりしないだろう」

 その言葉で十分だった。弱いものが強くなることはできる。しかし、逆は無理だった。

 真耶は裕幸と握手をして、涙も見せずに立ち去った。そして、それから卒業までの数日間、西門から大学に足を踏み入れることはなかった。

 力強い音色が澄んだ空氣を切る。肘の動きは優雅で弧を描くようだが、どこにそのような強い響きがこもるかと驚くような音がする。カサドシュのヴィオラ・コンチェルトを真耶は一人弾く。音の一つひとつに想いを込めながら。

 健康で美しく強い。それは正しい。全てに恵まれた存在であることも。真耶は確かに恋を失ったぐらいで死を選んだりはしない。たぶん、その少女も本当はそれほど弱くはないだろう。でも、彼は彼女を選んだ。それが事実だった。選ばれなかったからと言って立ち止まっているわけにはいかない。

 ハ短調の悲しみの響きが、真耶の中に強く流れる。ヴィオラが真耶の代わりに泣いている。Adagio molto espressivo。ゆっくりと表情豊かに。そしてAllegro molto energico、とても速くエネルギッシュに。

 全ては音楽に向かう。それが真耶の生き方だった。


(初出:2013年8月 書き下ろし)

追記



J.C. Bach/Casadesus - Viola concerto in Cminor (full concert)
関連記事 (Category: 小説・大道芸人たち 外伝)
  0 trackback
Category : 小説・大道芸人たち 外伝
Tag : 小説 読み切り小説

Comment

says...
春菜さんもなかなか…
弱い(?)女の人でもこんな風なら
そう考えると強い(?)女の人も色々大変そう

それにしても拓人さん鋭い
2013.08.21 09:31 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは、TOM-Fです。

音楽家って、生き方も恋も、やはり音楽なのですね。
真耶の強くて美しくて、しかもしなやかな生き方には憧れますね。ですが、弱いものは強くなれても、強いものは弱くはなれない、ある意味ではその孤独な在り方に感心します。卒業までの数日間、西門を通らなかった真耶。人生のなかの一小節だけの全休符、というところでしょうか。
真耶に対する認識が深まりました。とても素敵な女性ですね。


2013.08.21 16:51 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

まあねー、見えている弱さと、実際の弱さは違ったりしますからねぇ。
強い人はいいんですよ。どうせ強いんですから(笑)

拓人はだてに場数を踏んでいるわけではない?

コメントありがとうございました。
2013.08.21 20:05 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

真耶の、この慣れた対応からすると「君(あなた)は何でも持っているから、これくらいいいでしょう」と言われるのは初めてではないようです。なんだかんだ言って結局独り者ですし。一小節だけではなく、何度も全休符しちゃってますね、きっと。

「鬼」と呼ばれる人には、なんらかの理由があって、武内宮司にしろ真耶にしろ優先順位がはっきりしすぎているのかもしれません。たとえ何があっても、ヴィオラを放り出してまでは追いかけていかないでしょうね。むしろ自分一人の足で立つことを選んでしまう。確かに孤独な人でしょうね、この人も。ま、少なくとも拓人がいますけど。

コメントありがとうございました。
2013.08.21 20:15 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
音楽に限らず、極めた人、極めようとする人は孤独なんですよね。
特に色んな意味で「持てる人」はそんなんだと思います。
真耶、カッコいいですね。
でも、音楽の友である拓人がいなかったら、この恋の顛末でももっとへこんでいると思うのですよね。拓人は、同じ環境にいるからいいんですね。それこそ、言葉で説明しなくても分かる立場の人。

蝶子の孤独は「持たない人」から始まっているから、実はしなやかさもあって、で、持っていないからこそ、足りないところを強く求めていて、今のあの関係性の中に繋がっていっている。
真耶の場合は、「持てる人」だから、他人からみたら、なんでそれ以上必要なの、という孤独だから、理解してくれる人は少ないんだろうな。その少ない一人が拓人ってことなんですね。
うん、真耶さん、カッコいいとは思っていたけれど、ますます好きになりました。
いえ、ただ強いからではなく、「君には僕は必要ない」と男に思われてしまう感じ、ちょっと分かるからですが(だいぶレベルは違いますが…)、それをはねのけて行こうとする、本当は弱みを抱えつつも強みの光が強すぎて、自分でもその光を消すことができない、真耶の輝きに惚れました。
亜弓さんもしくはお蝶夫人。ほんと、イメージが膨らみます。
2013.08.21 22:13 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こんばんは。
そうなんですよ。
まあ贅沢な悩みといったらそれまでなんですが、「持っていない人」は努力で「持てるもの」に変わることができるんだけれどその逆は難しいので「あなたはいいわよね」と言い切られて終わってしまう、前回の拓人に嫌味をいった「コンクール三位くん」みたいな人から攻撃されるのはかなり慣れている、そういう諦めの良さを持たざるを得ないタイプですね。

拓人の存在はものすごく大きいでしょうね。「ま、いっか」と思えてしまうほどの理解者、存在感だと思いますね。こうやってへこんだ真耶の側にいつも拓人がいたので、真耶もへこむ拓人を支える、そういう同志関係が成立しているんですよね。

そうそう、もともとのイメージは亜弓さん、お蝶夫人、京極さんといった縦ロール系です。実在の人間では音楽は諏訪内晶子さんで容姿が川井郁子さん(笑)諏訪内晶子さんの容姿は蝶子のイメージに近いから。

それと「君には僕は必要ない」と男に思われてしまう感じ、おわかりになるんですね! 実は、私もどちらかというとわかる側なのですよ。こっちも、えらくレベルは違うのは承知の上ですが。別にそんな目に遭いたくて、普段頑張っているわけじゃないんだけどなあ、という「なんだかなあ」感を受け取っていただけると嬉しいです。

このあと、「Dum Spiro Spero」の次の次の章で真耶が神業を披露する予定です。そちらも読んでいただければ嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2013.08.21 22:48 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
強い者といっても、ちょっとしたことで崩れてしまう脆さをみせることもありますのにね。
芸術家は感受性が強いでしょうから芯がしっかりしていても心の揺れは大きそう。
表に出すか出さないかの違いはあっても、そういう経験をなかったものにしないで糧として活かせるものが強い人なんだと思えますし、麻耶さんは強いですねー(^^)
2013.08.22 01:16 | URL | #- [edit]
says...
真耶が好きになってしまいますね。
あ、もちろん本編の中から好きでしたし、すごくいい人なんだなと思っていたんですよ。
でも、これを読むとなおいっそう好きになってしまいます。自分がどう生きればいいのかとても明確に理解している人で、サキにとってとても羨ましい人です。
素質に恵まれた人間だけに出来る生き方なのかも知れませんが……。
好きな人ですが、サキはお付き合いしてもらえそうにありません。
反対に春菜にはどう言ったらいいんだろう?サキは奇妙な憎しみのような感情を抱いてしまいます。まず死んだりはしないんだろうな…とも思います。自分でも嫌になる感情ですが、抱いてしまったので白状しておきます。そういう感情を抱いてしまう人ですが、サキは普通にお付き合いできそうです。
裕幸の行動は、まぁしょうがないかなぁと思います。彼の判断は正しいのかも知れません。
登場人物それぞれの性格や人間性がとても面白い作品でした。
楽しみましたし、少し考えさせられました。
2013.08.22 15:09 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんにちは。

うわぁ、小説読んでくださったのですね。ありがとうございます。

どんなに「君は一人でも大丈夫」と思われがちな人でも、やっぱり傷つく時には傷つきますし、弱い部分もあると思うのですよね。ただ、芸術分野に限りませんが自己克己と研鑽をとても必要とされる分野で生きている人は、どれほど傷ついたとしてもそれに甘えずに前進し続ける訓練のようなものが身に付いていると思うのですよ。泣きたい時に泣けないのであれば、それを自分が向かっているものに込めるしかない、私は(そういう厳しい世界にはいない)外野ですが、そう思います。まあ、それをひと言でいえば「強い人」ということになりますよね。

小説にもコメントいただけてとても嬉しいです。ありがとうございました。
2013.08.22 15:30 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんにちは。

世の中には「君は一人でも大丈夫だけれど、彼女には僕がいないとダメなんだ」系が跋扈していたりするんですよね。で、その強い方は「僕」がいなくても実際に大丈夫なんですけれど。しかしながら、きちんとやることをやって、迷惑もかけないで頑張って努力の末にやっと得た幸福を、弱さだけを武器に何もしないでかっさらっていく側に対して、強いものは攻撃をしてはいけないというやるせないルールもあって、唇を噛んでいる強いお姉さんもこの世にはゴロゴロしているものと思われます。だから何だと言われると困るんですが(笑)

真耶は拓人と並んで、私の作品の中ではかなりマンガ的に「いないよ、そんな恵まれたヤツ」スペックのキャラなのですが、どうもそれをそのままにできないのが私なのです。逆説的ではありますが、恵まれていることが足かせにもなっていて、それを努力と意志で跳ね返す頑張りキャラにしたくて、それが今回の外伝を書く動機になっています。

裕幸は後々後悔することになるのか、それはそれで春菜と幸せになるのか、そこまでは全く考えていませんが、どっちでもありだと思っています。

真耶は(いきなり音楽に熱中して周りを忘れることを許してもらえれば)サキさんといい友達になれると思いますよ。それに絵夢とも仲良しになれそうです。

コメントありがとうございました。
2013.08.22 15:48 | URL | #9yMhI49k [edit]

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://yaotomeyu.blog.fc2.com/tb.php/674-c10c69f9