scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】歩道橋に佇んで — Featuring 『この星空の向こうに』

scriviamo!

月刊・Stella ステルラ 3月号参加 掌編小説 月刊・Stella ステルラ


scriviamo!の第十三弾です。(ついでに、TOM-Fさんの分と一緒にStellaにも出しちゃいます)
TOM-Fさんは、 Stellaで大好評のうちに完結した「あの日、星空の下で」とのコラボの掌編を書いてくださいました。本当にありがとうございます。


TOM-Fさんの書いてくださった掌編 『この星空の向こうに』-Featuring『マンハッタンの日本人』

TOM-Fさんは、小説書きのブロガーさんです。代表作の『フェアリーテイルズ・オブ・エーデルワイス』、天平時代と平安時代の四つの物語を見事に融合させた『妹背の桜』など、守備範囲が広いのがとても羨ましい方です。こだわった詳細の書き込みと、テンポのあるアクションと、緩急のつけ方は勉強になるなと思いつつ、真似できないので眺めているだけの私です。

「あの日、星空の下で」は、TOM-Fさんの「天文オタク」(褒め言葉ですよ!)の一面が遺憾なく発揮された作品で、さらに主人公のあまりにも羨ましい境遇に、読者からよくツッコミが入っていた名作です。お相手に選んでいただいたのが、何故か今年引っ張りだこの「マンハッタンの日本人」谷口美穂。TOM-Fさんの所の綾乃ちゃんと較べると、もう比較するのも悲しい境遇ですが書いていただいたからには、無理矢理形にいたしました。今年も同時発表になりますが、できれば先にTOM-Fさんの方からお読みくださいませ。


とくに読む必要はありませんが、「マンハッタンの日本人」を知らない方でお読みになりたい方のためにリンクを貼っておきます。
 「マンハッタンの日本人」
 「それでもまだここで 続・マンハッタンの日本人」
 「花見をしたら 続々・マンハッタンの日本人」



「scriviamo! 2014」について
「scriviamo! 2014」の作品を全部読む
「scriviamo! 2013」の作品を全部読む



歩道橋に佇んで 〜 続々々・マンハッタンの日本人
— Featuring 『この星空の向こうに』

——Special thanks to Tom-F-SAN

 風が通る。ビルの間を突風となって通り過ぎる。美穂はクリーム色の歩道橋の上で忙しく行き来する車や人のざわめきをぼんやりと聞いていた。

「あ……」
髪を縛っていた青いリボンが、一瞬だけ美穂の前を漂ってから飛ばされていった。手を伸ばしたが届かなかった。艶やかなサテンは光を反射しながらゆっくりと街路樹の陰に消えていった。

「お氣にいりだったんだけれどな……」
留学時代や銀行に勤めていた頃に手に入れたものは、少しずつ美穂の前から姿を消していた。仕事や銀行預金だけではなくて、もう着ることのなくなったスーツ、高級さが売り物の文房具、デパートでしか買えない食材は今の美穂とは縁のないものだった。

 美穂の勤めている《Star's Diner》に、突然現れたあの少女のことが頭によぎった。春日綾乃。かちっとした紺のブレザー、ハキハキとした態度。希望と野心に満ちた美少女。コロンビア大学の天体物理学に在学中で、ジャーナリズム・スクールにも所属しているとは、とんでもなく優秀な子だ。はち切れんばかりのエネルギーが伝わってきた。私も、かつてはあんなだったんだろうか。ううん、そんなことはない。私はいつでも中途半端だった。学年一の成績なんてとった事がない。そこそこの短大に進み、地元のそこそこの信用金庫に就職して、これではダメだと自分を奮い立ててようやくした留学だって、ただの語学留学だった。そして、ニューヨーク五番街にオフィスを構える銀行の事務職に紛れ込めただけで、天下を取ったつもりになっていた。それだって、もはや過去の栄光だ。

 昨日も彼女は、自転車に乗って颯爽とやってきた。レポートを完成するために取材をするんだそうだ。何度書いても突き返されると彼女はふくれていた。課題は「マンハッタンの外国人」で、ありとあらゆるデータを集めて、貧困と失業と犯罪に満ちた社会を形成する外国人像を描き出したらしい。
「でも、受け取ってくれないの。間違いを指摘してくださいと言っても、首を横に振って。私は答えが欲しいのに、あの講師ったらわけのわからないことを言ってはぐらかすだけなんですよ。せっかく早々と入学が認められて、留学の最短期間で効率よくジャーナリストのノウハウを学べると思ったのに、外れクジを引いちゃったのかな」

「効率よく、か……」
「ええ。私にはぐずぐずしている時間なんてないんです。一日でも早くジャーナリストになるためにわざわざニューヨークまで来たんだから、必要な事だけを学んだら、どんどん次のステップに進まなくちゃ」

 美穂は自分の人生について考えてみた。効率よく物事を進めた事など一度もなかったように思う。綾乃のように明確な目標と期限を設定して、自分の人生をスケジュール化した事もなかった。 

 綾乃にレポートのやり直しを求める講師が何を求めているのか、美穂にはわからない。けれど、綾乃のレポートの内容には悲しみを覚える。それは完膚なきまでに正論だった。正しいからこそ、美穂の心を鋭くえぐるのだ。美穂自身も貧困と失業と犯罪に満ちた社会を形成するこの街のロクでもない外国人の一人だ。もっと過激な人間の言葉を借りれば排除すべき社会のウジ虫ってとこだろう。なぜそれでもここにいるのかと問われれば、返すべきまっとうな答えなどない。けれど、自分がこの世界に存在する意義を声高に主張できる存在なんて、どれほどいるのだろうか。

 最低限のことだけをして効率よく泥沼から抜け出す事ができれば、だれも悩まないだろう。それはマンハッタンに限った事ではない。

 《Star's Diner》で要求される事はさほど多くはなかった。正確に注文をとり、すみやかに出す事。会計を済まさずに出て行く客がいないか目を配る事。汚れたテーブルを拭き取り、紙ナフキンや塩胡椒、ケチャップとマスタードが切れていたらきちんと補充する事。可能なら追加注文をしてもらえるように提案をする事。美穂にとって難しい事はなかった。かなり寂れて客も少ない安食堂で、固定客が増えてチップをたくさんもらえる事が、生活と将来の給料に直接影響するので、美穂は愛想よく人びとの喜ぶサービスを工夫するようになった。

 おしぼりサービスもその一つだ。大量のミニタオルを買ってきて、用意した。一日の終わりにはふきん類を塩素消毒するのだから一緒に漂白消毒して、アパートに持ち帰ってまとめて洗う。自分の洗濯をするのと手間はほとんど変わらない。勤務中のヒマな時間にはダイナーの隅々まで掃除をする。害虫が出たり、汚れがついて客がイヤな思いをしないように。

 そうした契約にない美穂の働きに、同僚はイヤな顔はしなかったがあまり協力的ではなかった。それに賛同してくれたのは、新しく入ったポール一人だった。先日、失業していると言っていたのでこのダイナーがスタッフを募集している事を教えてあげたあの客だ。彼はもともとウォール街で働いていたぐらいだから、向上心が強い。言われた事を嫌々やるタイプではないので、美穂が何かを改善していこうとする姿勢については肯定的だった。ただ、彼自身はこのダイナーの経営にはもっと根本的な解決策が必要だと思っているようだった。美穂にはそこまで大きなビジョンはない。小人物なんだなと自分で思った。

 はじめは無駄のように思われた美穂の小さな努力だったが、少しずつ実を結び、必ずチップを置いていってくれる馴染みの客が何人もできた。ウォール街で誰かが動かしているようなものすごい金額の話でもなければ、成功と言えるような変化でもない。けれど、そうやって努力が実を結んでいく事は、美穂の生活にわずかな歓びとやり甲斐をもたらした。

 でも、綾乃のレポートの中では、美穂もポールも地下鉄の浮浪者も「低賃金」「貧困」を示すグラフの中に押し込められている。マンハッタンの煌めく夜景の中では、存在するに値しない負の部分でしかない。「いらないわ」綾乃の言葉が耳に残る。もちろん、彼女は「マンハッタンに外国人なんかいらない」と言ったわけではない。「アンダンテ・マエストーソ、あの部分はいらない」そう言ったのだ。綾乃との昨日の会話だった。

「ジョセフにヘリに乗せてもらって、マンハッタンの夜景を見せてもらった時に、ホルストの『木星』のメロディを思い浮かべたんですよ。知っています、あの曲?」
「ええ。『惑星』はクラッシックの中ではかなり好きだから。綾乃ちゃんは天文学を学ぶだけあって、あの曲はやっぱりはずせないってところかしら」
「ええ、そうなんです。でも、『木星』はちょっといただけないな」
「そう? どうして?」
「ほら、あのいきなり民族音楽みたいなメロディになっちゃうあそこ、それまでとてもダイナミックだった雰囲氣がぶち壊しだと思うんですよ。ロックコンサート中に無理矢理聴かされた演歌みたい。アンダンテ・マエストーソ、あの部分はいらないわ」

 美穂は小さく笑った。確かにSF映画に出てくる惑星ジュピターをイメージしていたら、違和感があるかもしれない。合わないからいらない、その言葉はちくりと心を刺した。

「演歌ね、言い得て妙だわ。ホルストもそう意図して作ったんじゃないかな」
「えっ?」

「あの曲、『惑星』という標題があるために『ジュピター』は木星の事だと思うじゃない? でもホルストが作曲したのはローマ神話のジュピターの方みたいよ」

 綾乃のコーラを飲む手が止まった。
「天体の音楽じゃないんですか?」
「そう。もともとは『七つの管弦楽曲』だったんですって。第一次世界大戦の時代の空氣をあらわした一曲目がローマの戦争の神になり、他の曲もそれぞれローマの神々と結びつけられて、それからその当時発見されていた惑星と結びつけられて『惑星』となったってことよ。本当かどうかは知らないけれど、私はそう聞いたわ」

 美穂は、忙しくなる前に各テーブルにあるケチャップとマスタードを満タンに詰め直しながら続けた。
「あの『the Bringer of Jollity』って副題、快楽をもたらすものと日本語に訳される事が多いけれど、実際には陽氣で愉快な心持ちを運ぶものってことじゃない? 人びとの楽しみや歓びって、祭典なんかで昂揚するでしょう。とてもイギリス的なあのメロディは、それを表しているんだと思うの。それってつまり、日本でいうと民謡や演歌みたいなものでしょう?」
「そうなんですか……」

 美穂は日本にいた頃は『木星』を好んで聴いていた。冒頭部分はファンファーレのように心を躍らせた。その想いは輝かしい前途が待ち受けているように思われた人生への期待と重なっていた。でも、あれから、たくさんのことが起こった。自分を覆っていたたくさんの金メッキが剥がれ落ちた。人生や幸福に対する期待や価値観も変わっていった。テレビドラマのような人生ではなくて、みじめで辛くとも自分の人生を歩まなくてはいけない事を知った。綾乃とは何もかも正反対だ。最短距離でも効率的でもなく、迷い、失敗して、無駄に思える事を繰り返しつつ、行く先すらも見えない。

 今の美穂の耳に響いているのは同じホルストの『惑星』の中でも『木星』ではなくて『土星』だった。『Saturn, the Bringer of Old Age』。コントラバスとバス・フルートが暗い和音をひとり言のように繰り返す。長い、長い繰り返し。やがて途中から金管とオルガンが新たなテーマを加えていく。それは、次第に激しく歌うようになり、怒りとも叫びともつかぬ強い感情を引き起こす。けれど最後には鐘の音とともに想いの全てが昇華されるように虚空へと去っていく。

 美穂は老年というような年齢ではない。それでも、今の彼女には希望に満ちて昂揚する前向きなサウンドよりも、葛藤を繰り返しつつ諦念の中にも光を求める響きの方が必要だった。

 綾乃の明確な言葉、若く美しくそして鋼のように強い精神はとても眩しかった。そして、それはとても残酷だった。この世の底辺に蠢く惨めな存在、這い上がる氣力すら持たぬ敗者たちには、反論すらも許されないその正しさが残酷だった。階段を一つひとつ着実に駆け上がっていくのではなく、青いリボンが風に消えていくのを虚しく眺めているだけの弱い存在である自分が悲しかった。

 自分もまた、あんな風に残酷だった事があるかもしれない。美穂は思った。挫折と痛みを経験したことで、私は変わった。失業を繰り返していたポール、桜を観る事を薦めてくれた鳥打ち帽のお爺さん、よけいな事をやりたがらない同僚たち、地下鉄で横たわる浮浪者たち。このマンハッタンにいくらでもいるダメ人間たちの痛みとアメリカンドリームを目指せない弱さがわかるようになった。

 綾乃に話しても、きっとわからないだろうと思った。頭のいい子だから、文脈の理解はすぐにできるだろう。レポートを上手に書きかえる事もできるだろう。でも、本当に彼女が感じられるようになるためには、彼女が彼女の人生を生きなくてはならないのだと思った。美穂は綾乃には何も言わない事にした。そのかわりに五番街で買った青いリボンの代りに、今の自分にふさわしいリボンを買おうと思った。簡単にほどけないもっと頑丈なものを。

(初出:2014年2月 書き下ろし)

追記

作中に出てくるホルストの『惑星』です。高校生くらいのとき、LP(というものがあった時代です)で、聴きまくりましたね〜。「土星」だけの動画もあったのですが、ホルスト自身がバラバラにするのを好まなかったというので、全曲のものを貼付けておきます。


G. Holst - The planets Op. 32 - Berliner Philharmoniker - H. von Karajan
00:00 I.Mars, the Bringer of War
07:21 II.Venus, the Bringer of Peace
15:58 III.Mercury, the Winged Messenger
20:14 IV.Jupiter, the Bringer of Jollity
27:50 V.Saturn, the Bringer of Old Age
37:12 VI.Uranus, the Magician
43:15 VII.Neptune, the Mystic
関連記事 (Category: scriviamo! 2014)
  0 trackback
Category : scriviamo! 2014
Tag : 小説 読み切り小説 月刊・Stella コラボ

Comment

says...
更新、お疲れ様でした。
オタク街道まっしぐらのTOM-Fです。いや、本気で褒めていただいたと思っています(笑)

同時発表、うまく行ってよかったです。
当方の作品は、作者のキャラへの偏愛が満載のわけわからん小説でしたのに、これほど見事に的を突いた返掌編を短期間で書いていただいたことに、とにかく驚きました。もう、完全に脱帽です。
おまけに、私のしょうもないこだわりや、細かな注文にも快く応じていただいて、感謝しています。

綾乃のような子が撒き散らす「正しさ」や「強さ」は、その大きすぎる光と熱で、時として周囲の人を傷つけてしまうこともあります。しかし、未熟さゆえに、そういう「自覚」はまったくないのです。まあ、まだお尻に殻をくっつけた雛みたいなものですから、膨大なエネルギーを無駄遣いしながら、どんどん未来へ進んでいってもらいましょう。
結局、割を食った美穂さんには、損な役回りをさせてしまったようで心苦しいですが……。

今回のコラボも、私にとってはとても手ごたえがあり、勉強になり、楽しいものでした。
ほんとうに、ありがとうございました。またお願いしますね。
2014.02.26 09:21 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

今回は同時発表は無理だと思いました(笑)土曜日に書き終わらなかったので。scriviamo! 2014で一番の難産でした。って、昨年ももしかして、TOM-Fさんのが難産だったかも……。でも、おかげさまで、美穂に深みが増しました。私はもともと自分のとこの女性キャラにかなりSなことをしているので、このくらい普通です。それよりも綾乃ちゃん、ごめんね〜、話の流れでこうならざるを得なかったのだけれど、綾乃ちゃん大好きだから! とお伝えくださいまし。

「惑星」大好きだったので、使えて嬉しかったです。私の書くような作品じゃ、まず出てこないから。

TOM-Fさんの深い愛が伝わる作品とコラボさせていただけて、とても嬉しかったです。また、ぜひコラボしましょうね!

ご参加、ありがとうございました。
2014.02.26 20:54 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
天文オタクとクラシックオタク(?)のコラボで
細かいところまで詳しくて本格的な雰囲気ですね

成功者の正しさにはなかなか反論できませんものね
とはいえ成功のためにはそんなことに構ってられない気も…
何がいいのかは私にはわかりませんです
2014.02.26 23:13 | URL | #- [edit]
says...
青いリボンって何を象徴しているのでしょうか?それも一瞬だけ美穂の前で漂ってから去っていく。ふっきれるような雰囲気もあって素敵でした。
綾乃は天性の素質を持った一種の天才ですね。彼女がテーマで与えられた対象を理解するということは、かなり困難なことと思います。
美穂はこの対象の中に含まれます。この2人は仲の良い友人になるのでしょう、あるいは親友と呼べるくらいの仲になるのかもしれません。
でも2人がお互いを理解し合うことは無いんだろうなと思ってしまいます。
僕はこのお話を読んでいて思うのですが、美穂はこの対象の中でもかなりのエネルギーを持つ人物です。ここまで落ちてきてもへこたれていませんし、人生を投げ出したりなんかしていません。生きがいを感じる為にいろいろ工夫していますし、行動にも覇気が感じられます。
明らかに前向きな人間という方に分類されます。彼女は彼女なりに自分の運命に立ち向かって、やがて道を切り開いて行くのでしょう。綾乃と出会わなくてもです。それぐらいの強いエネルギーを僕は彼女に感じています。
ここで綾乃に出会うということはどういう事なんだろう。
多分、2人はお互いに影響し合って物語の展開を早めるのです。
良い方か悪い方かは分かりませんが、多分良い方です。
きっと驚くような展開が待っているのだろうなとかってに想像しています。

でも美穂程も前向きになれない対象も多いのです。
人生を諦めてしまった彼ら(世を拗ねたとか言うんでしょうか?)を綾乃はどうとらえて行くのでしょうか。
彼女がレポートにまとめた対象は、それぞれが1人の人間で、それぞれに事情を抱え、能力も気力も違うのです。綾乃も人間ですからどうしても自分の能力から他人の行動や構造を推測しますが、まったく当てはまらない場合もあるのです。それぞれが生活していて「あの部分はいらない」では済まないのです。
理解することは難しいと思うのですが、どんなふうに認識していくのか、受け入れて行くのか興味を持っています。
その過程を経て始めて、綾乃のレポートは真の完成に近づいて行くのかもしれませんね。
このコラボ、物語のテーマやキャラの設定、動き、バックグラウンド、舞台のニューヨーク、綾乃に与えられるテーマ(外国人というところが味噌ですが)二つのお話の構想の段階から綿密に設定を打合せて練り込んだように見事に融合しています。そして素晴らしい躍動感で展開しています。

おもしろすぎて正直、「あ~こんなん書きたい」と少し落ち込みました。
2014.02.27 11:35 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

いやあ、クラッシックオタクって言ってもらえるほど詳しくないんですよ。TOM-Fさんの方がクラッシックの造詣は深いし。そんな内容ですが、それでも、本格的と言っていただけて嬉しいです。

綾乃ちゃんは高校を出たばかりで、しかも優秀なためにまだ挫折というものを知らないのでしょうね。彼女のために、知らないままでいてほしいと思うし、美穂もその方がいいと思っていますが、ジャーナリスト学校の先生は「ジャーナリストは人間の痛みがわからんようではあかん」と思っているみたいですね。ニューヨークで綾乃ちゃんがどんな風に成長していくのか、TOM-Fさんの小説の方で続きを待ちたい所です。

コメントありがとうございました。
2014.02.27 19:13 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

目の前で消えていってしまうのを自覚しつつも、それを止められない美しいもの、それに、かつての栄光みたいなものの象徴でしょうかね。純粋に、ただのリボンでもいいんですけれど。

私たちにも、ものごとを概念や数値で理解していることってよくあるじゃないですか。失業率が5%を超えたとか、一世帯あたりのエンゲル係数平均の推移とか、団塊世代の考え方とか、ひきこもりの増加とか。学術論文やマーケティングのために統計が必要だったり、選挙で自分の主張を正当化するためであったり、まあ、一般化して数値化するというのは、必要な事でもあるんですけれど。その一方で、一人一人にはひっくるめて語れないそれぞれの人生がります。悩み苦しみ、それから簡単には抜け出せない事情や個人の性格があることは、その一人一人と知り合って、もしくは自分が経験する事によってしかわからないと思うのですよね。

高校までの「教えられて覚える」教育に慣れていると、「この問題の正解はなんだろう」と思うのですが、実はこの世の中には数学のように明確な解の得られる事の方が珍しいですよね。高校までで教えられていた歴史やモノの考え方は多くの他の考え方の中の一つでしかなかったということを知るのがこの時期なんじゃないかなと思います。

綾乃は優秀で、外見や性格からも人びとに求められる幸せな人間を象徴していると思います。一方の美穂は、ものすごく不幸なわけではありませんが、大して優秀でもなく外見もそこそこで飛び抜けて氣が利くわけでもない、どちらかというとこの世には多数派である、地を這っているタイプの人間です。中途半端に自分で自分の面倒を見られる程度の強さはあって、妙なプライドもある。あれ? 私タイプか? まあ、いいです、そんなことは。

こういうかけ離れた二人が日本で仲良くなる事はあまりないです。それぞれの似た者同士が集まっているので、わざわざ仲良くする機会がないですからね。でも、海外にいると、そういうあまり合いそうにもないタイプが、近づいて刺激しあっていい関係を築ける事も多いように思います。

綾乃のも美穂もまだ発展途中ですから、この刺激はいい方向に作用するに違いありません。

この話は、ほぼ90%TOM-Fさんがお膳立てしてくださいました。私はTOM-Fさんの作品に対する感想を書いたようなものです。難しいテーマでしたがこの話を書かせていただいた事、とても感謝しています。ちょっと体力使いますが、scriviamo! やってよかったなと思います。

コメントありがとうございました。
2014.02.27 19:40 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
字が大きくなりましたね! ものすごく読みやすいです(^^)
老眼なので……(最近、かなり近くが見にくい^^;)、すごく嬉しい。

こちらもTOM-Fさんの作品に続けて拝読していたのですけれど、また間が空いてのコメントになっちゃった。本当に最近記憶力が曖昧で、読み返しても、最初に受けた印象とか感動って改めて後から言葉にするのは難しいですねぇ。
でも、綾乃と美穂の対比は、お二人の作品を通して鮮やかで、その二人が出会ってひと時、時間を共有する場所としてのニューヨークのカフェの存在が映画みたいに思えます。ニューヨークという異国、色々な人間が行き交い惹かれあい、また離れていく街だからこそ、触れ合ったんですね。
仲良くはならないだろうけれど、お互いに記憶に残る存在になる、そんな感じなのかな。
綾乃は若くてキラキラしていて真っ直ぐに歩いている。美穂は(夕さんの書かれている通り、年寄りじゃないけれど^^;)色んな経験の上でたくさんの無駄や逡巡もしっていて、綾乃を少し離れて見つめている。応援とか寄り添いとかじゃなくて、ただ少し離れて見つめている距離感が心地いいです。

ホルストの『惑星』は私も学生時代から好きな曲でした。
ジュピターを聞いた時、あのガス天体の曲??と思ったものでしたが、あとでこれは神のジュピター(ゼウス)の曲だと知って、あの曲の全体の意味合いが分かった!と思ったことを思い出します。
ものすごい力を持った神、なのに(だから?)すぐにオンナにちょっかいをだし、あちこちに子を作り。でも嫁は結構怖い……ってそんな話じゃないけれど、あの曲の構成は神のイメージをとてもよく表していると思いました。
あ、私も、土星、好きです(^^)

週明けに三味線バトルをアップします。でも、こちら、締め切り緒すぎちゃったし、scriviamo!としては2作目になるし、scriviamo!があるから書きかけのまま放置するのはやめようと思ったのは確かですが、夕さんもお疲れでしょうし!!(ほんと、夕さんはすごすぎます。よくもこれだけの数、このクオリティで書かれたものだ!と)、返歌は不要ですので、お気になさらず!!
このところ三味線の練習をさぼり気味の私の反省文でもあったりするので。
2014.03.01 00:05 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こんにちは。

あれ……? 何もしていないし、MacのSafari上では何も変わってのですが、Fc2かWindowsの設定が変わったとか? でも、読みやすいなら何よりです。行間をもう少し開けようかなとも思っているのですが、どうでしょうかね。私も老眼が始まってショックです。もっと遅い方もいらっしゃるし、それに私はド近眼なので老眼だけは遅いのが確定されたつもりになっていたのに、全然遅くなかった。若白髪も19歳で始まったし、なんだか理不尽〜。

この話、「scriviamo! 2014」中で一番の難産でした。そもそもなぜ今さらこのキャラがこんなに注目されるのかさっぱりわからないし……。綾乃と美穂の対比は、たぶんTOM-Fさんの小説と私の小説の対比でもあると思うんですよね。もちろんどちらかと言えば、の対比になるんですけれど、「フィクションだからこそ好きなものを詰め込んで、憧れと愛情をたっぷり注ぎ込む」作品と、「フィクションであるけれどもやることはやっているは、挫折したり、失敗して後悔したり、対峙するのがあまり心地よくないものをふくめて現実の世界を投影しようとする」書き方と。

TOM-Fさんの作品を大好きで、その世界を壊したくないと言う葛藤があって、でも、挫折の王者である美穂が出ているのにメルヒェンな話にはどうしてもできなくて、結局こんな話になりました。

そうですね。仲のいいという形にはならないと思います。でも、思うんですけれど、きっと中途半端に同じ境遇である人物よりも、こうやって刺激しあった対照的な人って、強く尊敬が残るし長く心にも残るんじゃないかなと。

エピソードを読む度に脱力するゼウスをはじめ、ギリシャ神話やその他の民族のなかから出てきた神話の人間くささが私は好きですねぇ。現在ヨーロッパに残る祭典にしても、一神教のキリスト教のお祭りになっているけれど、本来はケルトやミトラ教やゲルマンの信仰などから生まれたものは謎めいている一方で、人びとに根付いていますよね。例えばカーニバルなんて、そもそも復活祭前の四十日間の肉断ちの前夜祭なんですが、人びとは完全に本末転倒して騒いでいる。そういう人びとの心の中でしぶとく生き続ける民俗信仰が大好きな私です。

scriviamo! 新規募集は終わりましたが、手を上げてくださった方の分は楽しんで返させていただきますので……。実は、既にいただいている方、藍樹さんのと玖絽さんの分、書き終わっているので余裕なんですよ〜。楽しみにさせていただきますね!

コメントありがとうございました。
2014.03.01 17:37 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
Stella発刊に伴い、拝読させていただきました
コラボということでどんな感じなのだろうと考えていましたが、ストーリーや内面描写が素晴らしく面白かったです(^^)

TOM-Fさんのほうを先に読ませてもらいましたが、美穂はここまで考えて綾乃と会話していたんだと思うと物語にすごく深みを感じました。私はまだ学生の身なので全然こんな経験をしたことがないのですが、効率を求めるキャリアウーマンの綾乃といろんな経験をしてきた美穂の会話は日常の一風景として感じてしまいました。頭の中で絵として思い浮かびやすかったです

「木星」も小学校の頃から教わってきた曲ではありますが……へぇ、神話のほうのジュピターが元だったんですね(それとも、一説?) 勉強になりました


以上です。
2014.03.13 05:47 | URL | #iVT7Zno6 [edit]
says...
こんばんは。

社会に出て自分の人生や生活に責任を持つようになると、理想や夢だけを追う事が難しくなりますよね。
生きていくだけ、食べていくだけで精一杯ということでしょうか。ここで美穂がもがいているのは、それでもどうにかして引き続き生き続けていかなくてはならないからだと思うんですよね。

綾乃のまっすぐで希望に満ちたパワーは、この「そうはいっても食べていかなきゃ」を考慮しなくていい、純粋に夢を追える時代の特有のもので、だからこそ美穂にも私にも眩しく素敵に見えるんでしょうね。

「惑星」がもともとは惑星の音楽ではなかったというのは事実ですが、まったく天体の事を考えていなかったかはわかりませんね。「火星」や「水星」「木星」、それに「天王星」などは天体よりも神話の方のキャラクターの方が強く出ていると思いますが、「海王星」の方は、私は遥か遠くの未知で幽玄な天体のイメージが強いように感じます。どちらにしてもいい曲ですよね。

コメントありがとうございました。
2014.03.13 20:32 | URL | #9yMhI49k [edit]

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://yaotomeyu.blog.fc2.com/tb.php/773-a26bfd7c