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Posted by 八少女 夕

アズレージョの話

「Infante 323とポルトの世界」カテゴリーの記事です。この間の続きと言うか、補足ですね。前回の記事でちょっと触れたポルトのサン・ベント駅とアズレージョの話を掘り下げてみます。

サン・ベント駅 中国の壺

ポルトの街にくると、大理石の壮大な建物や様々な色のタイルで覆われた家々に混じって、アズレージョと言われる青タイルで覆われた歴史的建築物をたくさん目にすることとなります。普通のタイルは、同じ文様を繰り返すだけですが、アズレージョは一つひとつが違う絵つけになっていて、全体として一つの絵になるようになっています。

ポルトで見逃してはならないアズレージョ作品の傑作の一つをサン・ベント駅の構内で観ることができます。四方を全部このようにアズレージョで覆っているのです。モチーフはポルトとポルトガルの歴史です。

アズレージョは、もともとはアラビアからスペイン経由でもたらされたらしいのですが、現在では典型的なポルトガルの建築装飾です。全体として一つの作品になるので、大抵は作者の名前がはっきりしているそう。

青いものが多いし、azulというと青なので、青いタイルだけを指すのかというとそうではなくて、もともとは素焼きの細工を意味するアラビア語の音訳で、様々な色があります。そして、もっとも多い色から青を意味する単語が後からできたようです。

なぜ青いものが多くなったかというのを、ブラガに行った時のガイドはこんな風に説明してくれました。大航海時代を経て、ポルトガルに世界の美しい品々がたくさん届きました。中でも中国の藍花磁器は王侯貴族の間で大変好まれ、大きな素晴らしい壺などを飾るのが大流行しました。そして、それに合う藍色のアズレージョの発注が多くなり、それでこの色が一般化したのだと。(真偽のほどは保証できませんが)

そう言われてみると、同じような藍色です。この駅、教会などを彩る藍色は、すっかりポルトガルらしさとして定着しました。アズレージョをかたどった絵はがきもたくさんあり、それが送られてくると即「ポルトガルに行ったんだ」とわかるくらいなのです。

スイスにいると、「ポルトガルは経済危機でEUのお荷物である国の一つ」というイメージで語られることが多いのですが、ポルトで観光する限りそんな貧しいイメージは全くありません。その理由の一つが、勤勉で親しみやすいけれどまじめな人びとのあり方の他に、かつて世界有数の強国であった時代の素晴らしい遺産がたくさん残っていて、私たちの目を楽しませてくれるだけでなく、人びとの生活の場としていまだに現役で活躍しているからなのでしょう。

2014年5月末より連載開始予定の「Infante 323 黄金の枷」では、大好きなポルトの街で私が見てきたものを随所に書き込んでいくつもりです。サン・ベント駅とアズレージョも短いですが登場予定です。

「Infante 323 黄金の枷」





今週のガックリな話。
本人としては、構想はばっちり組立てたつもりで「よし、この辺で盛り上がって」「そのあと二回で終了」と、全章の短いあらすじを書き終えて、それどころか最後の二つの章はほぼ書き終えたんですよ。そしてはたと氣がついたのは。後ろから三番目の章のエピソードの季節と、残り二つの章の季節、どう考えても六ヶ月は開いてる……。

だめじゃん。

ということは、この二つの季節の間に、間を持たせるエピソードと章を無理矢理作んなくちゃいけないってこと? こんな状態で今月末から公開して大丈夫なんだろうか……。
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Comment

says...
エピローグまであと二章なら、

「そして季節は流れるように過ぎた」

を置くだけでいいんじゃないか、と思いますが(^^;)
2014.05.11 08:26 | URL | #0MyT0dLg [edit]
says...
こんばんは。

あはは、そうですね。
確かにそれもありです。
六ヶ月も何も進展しないのは不自然な話なので、間にちょろっと入れることにしましたが、かなり「流れるように過ごしちゃえ」に近くなるかも。

ここ数日で少々練り直してみます。

コメントありがとうございました。
2014.05.11 15:40 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
ヨーロッパというとステンドグラスのようなイメージですが
なんだか東洋の陶磁器に似てる?
ポルトガルってスペインと同じようなラテンな感じかと思ってたのですが
勤勉で真面目な風なんですね
2014.05.12 08:46 | URL | #- [edit]
says...
駅に装飾石があるのも、石の文化であるヨーロッパの歴史を感じさせますね。
日本の価値観だけに縛られるわけにはいかないわけですねえ。
とても驚かせる写真で素晴らしいです。
2014.05.12 10:35 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

教会の中側にはステンドグラスもあります。アズレージョで飾るのは外壁ですかね。
色は中国や日本の磁器に似てますが、モチーフはヨーロッパっぽいのでオリエンタルな感じはあまりしないかな。

私も意外だったのですが、ポルトガル人、特に北部の人たちは、あまり「ラテン!」って感じじゃないです。まあ、スイス人みたいなワーカホリックじゃないですが。あ、あと、サッカーが絡むとなぜか人格変わります。

コメントありがとうございました。
2014.05.12 18:34 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

やはりお金のかかり方も半端じゃないようで、サン・ベント駅ほどすごいものはあまりないんですが、小さい駅でも綺麗なアズレージョで飾ってありとても綺麗です。
あ、でも、日本でも、奥出雲の木次線に注連縄がある小さいけれど素晴らしい駅がありましたね。やはり、その土地の文化を残している所はいいですね。

コメントありがとうございました。
2014.05.12 18:40 | URL | #9yMhI49k [edit]

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