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Posted by 八少女 夕

【小説】Infante 323 黄金の枷(4)居住区

普通はStella用に月末の月一回発表する小説ですが、今月と来月だけはイレギュラーに月二回出しています。今回はその二つめ。インファンテと呼ばれている二人の青年が住んでいる所の紹介です。部屋というには三層に別れていて大きく、かといって館の中で独立しているわけではないこの空間、何と呼ぶのか悩みましたが「居住区」と表現することにしました。長い章ですが、切らずにそのまま一度にお届けしています。

月刊・Stella ステルラ 8月号参加 掌編小説 シリーズ連載 月刊・Stella ステルラ


「Infante 323 黄金の枷」「Infante 323 黄金の枷」をはじめから読む
あらすじと登場人物





Infante 323 黄金の枷(4)居住区

 翌朝、マイアはアマリアと一緒に24の部屋の掃除に行くと言われた。朝食の給仕はマティルダ担当の日だった。
「どうして? 一人で四人分だと大変じゃないの?」

「ううん、食堂で朝食をとられるのはお二人だけよ」
「二人?」
「うん。ドン・アルフォンソとドンナ・マヌエラ。24はベッドで食べたいとかで寝室に運ばせているの。お昼は氣まぐれね。食堂に来ることもあるし、運ばせることもあるし」

「23は?」
「あの方はね、必要がない限り、出てこないのよね。朝もお昼も工房でとられるの。私たちは毎朝焼きたてのパンをお届けして、コーヒーやハムやチーズやジャムなど用意してほしいと言われた物を時々補充するだけ。対照的なご兄弟なのよね。24は全てのことに仕えてもらうのが好きで、23は必要以上に構われるのが嫌いなの」
「ふ~ん」

「じゃ、私いくわね。マイアは、24の所の掃除か、大変だと思うけれど頑張ってね」
マティルダはウィンクして部屋から出て行った。大変? マイアは首を傾げながら用具置き場で待つアマリアの所に急いだ。

「行きましょうか」
アマリアは掃除用具を用意して待っていた。自ら一番重い掃除機を持とうとしたので、マイアがそれを制して持つと「ありがとう」とにっこり笑った。

 アマリアはまずマイアを鍵の置き場に連れて行った。
「こちらが23の所の鍵で、こちらが24。ドン・アルフォンソ、ドンナ・マヌエラ、それからメネゼスさんはそれぞれご自分でこの鍵を持っていらっしゃるけれど、他の人たちがあそこへ入る時にはここから鍵を持っていくの。必ずここにサインして、使ったらすぐに戻すこと。戻ったらまたサインしてね」
「はい」
「居住区に入ったら、すぐに内側から鍵をかけること」
「はい……」

 なぜ鍵をかけなくちゃいけないのですか。その根本的な質問をしていいのかわからずマイアが戸惑っているのをアマリアは見て取った。
「あなたの訊きたいことはわかるわ。ご主人様と呼んでおきながら、囚人みたいに扱うのはなぜかって思うでしょう?」
マイアは頷いた。

「理由は私にもわからないの。でも、鍵をかけるのは、あそこに住む方が私たちの目を離した隙に逃げだしたりしないため。私たちは一階や三階で仕事をすることもあるけれど、あそこはとても広いので、どこにいらっしゃるのか把握できないことが多いのよ」

 アマリアが連れて行った24の居住区は、大きな鉄格子と鍵のかかった入口がある以外は、インファンテ(王子)と呼ばれる人の住まいにふさわしい豪奢で贅沢な空間だった。上下三階に及び、三階は寝室と浴室、二階は居室で一階には高価な応接家具と書斎、中庭に出ることができた。広い庭には美しい花が咲き乱れ、洒落たガーデン・テーブルと椅子が置かれていた。
「このつくりは、ドン・アルフォンソやドンナ・マヌエラのお住まいとほとんど一緒よ」

 アマリアはまず一階の応接室を片付けだした。ここは24が実質的に居間として使ってるらしく、大きな壁掛けディスプレイとスピーカーが設置されていた。その正面には白い革のソファセットと大理石のローテーブルが置かれていた。そして、衣類、雑誌、新聞、ゲーム機と思われるいくつもの機械、CD、DVD、たくさんのリモートコントロールなど、何もかもが出しっぱなしになっていた。マイアはアマリアがそれらを手際よくあるべき所へと収めていった後を拭き掃除をしながら追っていった。それから乾拭きと掃除機がけをした。庭と反対側の奥には小さなスポーツジムのようにトレーニングマシンのたくさん置かれた部屋があり、そこも片付けて掃除をした。

 アマリアがどかした物を元に戻している間に、マイアはまだ手を付けていない書斎の中を覗き込んだ。テーブルの上にはデザイン用の筆記用具、マスキングテープ、製図用品などが見えた。素人ながらも絵を描くマイアは、その高価な用具一式を羨ましげに眺めた。もっとも机の上にあるデザイン画は、よく街の土産物屋で見かけるTシャツの図柄のように見えた。
「こちらは24の仕事場。大切な物があるので、ここは言われない限りノータッチでいいの」
アマリアがマイアの袖を引っ張った。マイアは頷いて、後に続いて二階の居間の掃除に移った。

 二階は、一階ほどは使っていないらしく、掃除はかなり楽だった。拭き掃除をしている時に、何かを規則的に叩くような音が聞こえてきた。マイアは何だろうと思って、辺りを見回した。アマリアがそれに氣がついて微笑んだ。
「23の所から聞こえてくるのよ。靴をお作りになっていらっしゃるの」
「靴?」
「ええ、あの方は靴職人なの。24がデザイナー」
「働いていらっしゃるんですか?」
「ええ。そういう伝統なの」
変わった伝統だ。ご主人様が、働くんだ……。しかも、靴職人? マイアは首を傾げた。

 マティルダが大変よとウィンクした意味が分かったのは、三階の掃除に入った時だった。階段を上がると、踊り場となっていて正面にドアがあった。

「おはようございます、メウ・セニョール。失礼してもよろしいでしょうか」
アマリアが礼儀正しくノックすると中から24の声がした。
「ああ、掃除に来たんだね」

 ドアが開いて、24が顔を出した。イギリス風の千鳥格子のハンタースーツを着ている。建物の中にいるのに、どうしてこの人鳥打ち帽なんかかぶっているんだろうか。マイアは思った。

「おや、新入りちゃんも来たのか。なんて名前だったっけ」
「フェレイラ、マイア・フェレイラです、メウ・セニョール」
「そう、茶色い瞳が森の奥の神秘的で氣高い樫の樹を思わせるよ。僕は下に行って、新入りちゃんを歓迎する詩でも書こうかな。掃除が済んだら呼んでよ」
そう言って、かなり上機嫌で階段を降りていった。マイアは面食らって無言だったが、その様子を見てアマリアは必死で笑いをかみ殺した。

 広い寝室だった。二メートルごとに、合計で五つの窓があった。全てに鉄格子が嵌まっているが、光が射し込んで明るかった。窓のない方の奥にドアがあり、そちらがバスルームだった。手前には作り付けになった大きなクローゼットがあり、八つのうち二つは扉が開いていて中から大量の衣類が見えていた。

 床、キングサイズのベッド、ライティングデスクの前の椅子、ソファなど至る所に清潔に見える衣類が散らばっていた。
「今日お召しになる物を決める前に迷われたのね」
手慣れた様子でアマリアは服を拾いだすと、きちんと畳んだりハンガーにかけたりしてクローゼットに仕舞っていった。その時に中の様子を見てマイアは開いた口が塞がらなかった。デパートの洋服売場じゃあるまいし、こんなにどうするんだろう。

 二人はどんどんと片付けていったが、言われた所を開けようとして、マイアは間違って隣の扉を開けてしまった。
「ひっ」
マイアは慌ててそこを閉めてアマリアの顔を見た。アマリアは中身を知っていたらしく、何も言わずに、肩をすくめた。それは手錠や革の鞭、ラテックス製のスーツにひと目でそれとわかる電動製品など、初な娘には刺激が強すぎる怪しげなコレクションの数々だった。

 アマリアは全くそれには言及せずに、片付けを終えると、ベッドメイキングをマイアに教え、拭き掃除と掃除機かけ、さらにバスルームの掃除も一緒にした。いくつものガラスの大きな瓶に入ったバスソルトとバスキューブや巨大な香水瓶、ありとあらゆるブランドもののシャンプーとリンスなどがひしめいているバスルームの片付けと掃除もかなりの時間を要した。これで午前中はほぼ終わってしまう。24の居住区の毎日の掃除に二人の召使いが配置されている理由がわかった。

 その日は、そのまま二人で洗濯をすることになっていたので、掃除中にあらゆる場所から集めてきた何日分かの洗濯物を持って居住区を後にした。マイアは洗濯室に入ってからアマリアに訊いた。
「あのものすごい量のお洋服、全部お一人のものなんですか」

 アマリアはおかしそうに答えた。
「あれでも、少なくなった方なのよ。三年前までこの五倍くらいあって……」
「なんですって?」

「ある日、どうしてもあるジレをお召しになりたくてね。でも、見つからなくて」
「それで?」
「五日間、ぶっ通しでお探しになったの。そして、癇癪を起こされて……ほとんどのお衣装を一度処分されてしまわれたの。今あそこにあるのは、それから増えた分」
マイアはびっくりして目を丸くした。

「23の方は?」
「あの方は逆の意味で極端よね」
「というと?」
「同じ服しかお召しにならないの。もちろん毎日取り替えていらっしゃるけれど、デザインは全く一緒。とある職人が手作りしているところに定期的に注文するの。判で押したように。生活もそうよ。とても規則正しくて、きちんとしていらっしゃるけれど、とても距離を置かれていらしてね。お掃除中も全く話しかけてこられないし、難しい注文もなさらない。私たち召使いは楽だけれど、十年以上勤めていて、まだ五分以上続けて会話をしたこともないのも、なんだかねぇ」
そうなんだ。マイアはかつての少年の姿を思い出した。前はずいぶん氣さくに話しかけたのに、偏屈な人嫌いになっちゃったのかな

「23の所のお掃除は?」
「今日は、マティルダ。朝食の給仕の当番が、その後にすることになっているけれど、もう終わったと思うわ。明日はあなたね。今日のことを考えたら、嘘みたいに簡単だから安心して。散らかっているのは靴工房だけだけれど、あそこはノータッチでいいし、それ以外の所はきちんとしていて、すぐに終わるわ」
マイアは頷いた。

 24の昨日着ていたジャケットをみていたアマリアはため息をついた。
「やだ、これ、本格的に染み抜きしなくちゃだめだわ。すぐにやらないと。マイア、一緒に行ってあげるつもりだったけれど手が離せなくなっちゃったから、一人で23の所に行って洗濯物を受け取ってきてちょうだい。あの方は受け取りにきましたと言えば無言でくださるだけだと思うから面倒はないわ」

 マイアはアマリアから鍵を受け取ると23の居住区に向かって鉄の扉を開けた。言われたようにすぐに内側から鍵を閉めると小さい声で23を呼んだ。
「メウ・セニョール。洗濯物をいただけますか」

 階下でしていた何かを打つような音が止むと、下から23が上がってきた。緑色のエプロンをしている。
「お前か」
「はい」
「悪いが、手が汚れているんだ、こっちにあるから取りにきてくれ」
「はい、メウ・セニョール」

 一緒に下に降りて行こうとマイアが続くと、23は階段の途中で振り返って嫌な顔をした。
「おい。そんな風に呼ぶな」

 アマリアの嘘つき。無言じゃないじゃない。
「え。なんと呼べばいいんですか」
「23」

「そんな風に呼んだら、ジョアナにもメネゼスさんにも怒られます」
「誰か他の人間がいる時はご主人様でも何とでも呼べ。だが、誰もいない時はやめてくれ」
「でも……理由を訊いてもいいですか」
「理由も何も、前はそんな風には話さなかったじゃないか、マイア」

 マイアは彼が突然名前で呼んだのではっとした。この館に来てから、まだ一度も23とは話をしていなかったから、前と言うのは十二年前のあの時の事を言っているのだとわかった。
「……。私があの時の子だって、わかっていたの?」
「あまり変わっていないからな」
う……。どうせ、大人っぽく育っていませんよ……。

「確かに、あの時は図々しく友達みたいに話しかけたけれど、今は召使いだから立場をわきまえないとまずいでしょう?」
「俺はそんなに偉くないんだ。お前は召使いかもしれないが、俺だって一介の靴職人だ」
アマリアやマティルダが「必要以上に構われるのが嫌い」と言っていたのを、人嫌いという意味に取っていたけれど、もしかして王子様扱いが嫌なのかしら。

「本当にそんな風に呼んでもいいの?」
「よくなきゃ、わざわざ言わないよ。呼んでみろ。そうしたら次からはそんなに難しくないから」
「……。わかった……23」
ついに言ってしまった。すると彼は屈託なく笑った。あの時の笑顔と同じだった。マイアは彼の姿はすっかり大人になってしまっても、中身はあまり変わっていなかったのだと思った。

 一階には、24の部屋にあったような応接家具やスポーツルームはなかった。巻いてある革が立ててある一画や、靴底などがたくさん積まれている棚、大量の靴型がぶら下がっている壁があった。奥には、鑿やハサミなどの工具、いくつもの糊のポット、ミシンが置かれている作業台があった。
「すごい。本当に靴工房だ」
「そりゃそうだよ。何だと思っていたんだ」
「え。だって、24の所は、あまり本格的にやっているって感じじゃなかったから、趣味の延長線なのかと……」
マイアはかなり失礼な事を言っていることに氣がついて口を押さえた。23は笑った。

「洗濯物は、そこにある。いつもそこに置いておくので、必要な時はここに取りにきてくれ」
彼の指差した所をみると、そこは小さなキッチンのようになっていて、シンクと小さい冷蔵庫と二つの丸い電気コンロがあった。小さい木の丸テーブルと椅子があり、その奥にラタン製の大きな籠があった。開けてみると、確かに彼が着ているのとまったく同じ服が三セットほど入っていた。マイアは籠ごと抱えて階段にむかった。

「これ、持っていくね。後でまた空の籠、持ってくるから」
そういうと、23は「ありがとう」といって作業台に戻った。抱えている籠からほのかにあの石鹸のような香りがした。
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Comment

says...
お。やっと、ここで本当の意味での再会なのですね。
見た目は変わっても、変わらないものがあって、マイアも少し安心したのでは。私も。

館の住人は、館にこもりっぱなしで、外の空気は全く吸えないのかと思っていました。
お庭とかあるのですね。でも、基本、お一人様なのでしょうか。

マイアと23と、実はどっちのほうがおしゃべりさんなのかな^^
石鹸のいわれも知りたい。ありますかね。
この広いような狭いような(?)空間でどんなことが、物語が繰り広げられるのか、楽しみです。
2014.07.30 12:44 | URL | #- [edit]
says...
更新、お疲れ様です。

うん、その規模と構造だと、たしかに居住区という言葉が似合いますね。食事のときもそうでしたけど、生活ぶりでも対照的な二人なんですね。
つか、24のコレクションは観賞用それとも実用品なのかな……あれこれ妄想が募って、気になります。いずれそういうシーンが(以下自粛)
あ、23ったら、マイアのことエコヒイキだ特別扱いだ。そういうことしてるのがバレて、マイアがいじめられても知らないぞ(笑) でも、くそ真面目とか偏屈と思われている人が、気さくで優しい意外な一面を、特定の人にだけこっそりと見せるというシチュエーション、いいですね。こういうの、好きだなぁ。
マイアの反応も可愛らしくて、好感度の高いカップル(まだ違うか)ですね。
これからのお話が、楽しみです。
2014.07.30 13:35 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

そうですね。ただの偏屈になっていたらかなりガッカリです。
23のほうもそうだったんじゃないかしら。

中庭はかなり広いです。でも、閉じこめられているのでその外には行けません。だから庭が必要という設定です。理由はもう少し後で(笑)

マイアはどうでもいいことをダラダラと喋ります。23は不要なことは話さないけれど、語りだすと長いんだ、この人。

石鹸の香りはですね。ほんのちょっとだけ出てきます。でも、いい所に注目していただいています。これ自体は大して意味はないのですが、このストーリーの裏テーマ、「五感で恋するポルト」なんですよ。だから、あちこちにその手の記述が出てくるのです。

来月の次回とその次は再びちょっと説明っぽくて、その後から本題がフルスロットルです。もう少々、ご辛抱ください。

コメントありがとうございました。
2014.07.30 18:12 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

そうなんです。一応設定として、23と24の対比ならびに鏡あわせがあるのと、23とマイアの対比と鏡あわせがあります。その他に、本編にはほとんど出てこない裏設定があって、こっちはそのうちに外伝ですね。

コレクションは当然実用品、おっと……。でも、一応Stella仕様なのでご安心ください。(何を?)

エコヒイキに嫉妬されるほど人氣ないし、23。マイアはウルトラ鈍いので特別扱いにかなり長いこと氣がつきません。

シチュエーション的にお好みでしたか。このストーリーそのものも、実は、たぶんTOM-Fさん好みのはず。いつだったかアニメの感想の所でおっしゃっていたことが根拠です。キャラの造形はたぶん全くお好みじゃないかと思いますが、作者がひどいSぶりを発揮する所なんか。あ、コレクションを使うタイプのSぶりではないですので〜(笑)

コメントありがとうございました。
2014.07.30 18:50 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
マイアも、まずはこの変わったご主人たちを把握しなきゃならないから大変ですね。
それにしても対照的な二人。23と24。
23は、昔絡みがあったので、なんとなく理解しやすいようなきがするのですが、24がどういう人なのかは、まだこれからですね。
24も、重要なポジションの人なのかしら。
そして、靴職人であると言うことが、これから何かかかわってくるのでしょうか。
このお話がどんな方向に向かうのか、全く今の段階では読めないのですが、ジャンル的には恋愛ほうこうなの・・・かな?
とにかく、ゆっくりと次話を待ちますね。
2014.08.01 12:25 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
23と24の感じがよく理解できました。
それぞれに個性的で面白いキャラクターですが、サキは23の方が付き合いやすそうに思いました。って少し変かな?
24の方が人当たりは良さそうですからね。幽閉生活に対して自分が楽しめるあらゆる事(扉の奥はビックリでしたが)をしてやり過ごしているように見えます。その点23は頑固一筋って感じですものね。
不思議な設定で“居住区”なんて言われるとちょっとワクワクします。
三層に別れた内部の描写などで隅からズ~ッと想像してしまいます。庭もあるんだ。(これ、ずっと閉じ込められている設定としては重要だと思います)
そして23とマイアの再開の様子は楽しめました。
ちゃんと憶えていてほとんどあの時の続きのようです。
少しずついろんな謎が提示され、少しだけ解決して、2人の話が動き始めたのでしょうか。
石鹸のような香りがした。
ここ、印象的でした。
2014.08.01 12:26 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

三兄弟のうち、当主だけはわりと感覚が普通です。でも、この人にはマイアはあまり関わりがない(担当違い)
23と24は境遇のせいで二人ともかなり世間からずれています。同じ境遇で全く違う方向にずれたのは、もともとの個性の違いと、それから後ででてきますが、23だけ特別なコンプレックスがあるからです。

23は主人公なので当然ですが、24もストーリー上はかなり重要です。でも、どう重要なのかは内緒にするほどのことでもないですが、ここで語るのもなんなので黙っておこう。

靴職人は、個人的にはものすごく重要です。「あらすじ」として数行で書き出す時には、書かなくてもいいことだけれど、23という人間を語るのにはこの職業とは切っても切り離せないです。この話はポルトガルとポルトへのオマージュなのでこの職業をわざと選びました。これはいつか別記事で語る予定。

そして、limeさんには本当に申し訳ないのですが、ええ、実はこの話、含有率では90%くらいの恋愛もの。けいさんへのコメ返でも書きましたが裏テーマが「五感で恋するポルト」なのです。limeさん、恋愛もの苦手なんですよね。もし、他の部分がお嫌じゃなかったら恋愛部分はスルーして「変な世界の探検」ならびに「ポルト観光案内」と割り切ってお読みくださいませ。

コメントありがとうございました。
2014.08.01 19:57 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

24は実在の二人のポルトガル人をモデルに作った登場人物です。で、今のところ見えているのは、その一人ぶん。とても人当たりが良くて、美形で、誰とでも簡単に友達になれる人。23はご覧の通り。

実は、このあまりにも違う兄弟の対比は北欧神話のバルドルとホズを題材にした短編「夜のエッダ」でも書いているのです。実際の神話の扱いとは逆に、私が肩入れするキャラは必ずホズ型。今回の作品も、それが強く出ていると思います。サキさんが「23の方が付き合いやすそう」と感じられるのは、たぶん私のその偏見を文章から読みとられているのだと思います。

インファンテは囚われ人なのですが、罪人ではないのです。なので、王子様扱い。庭も住まいも買い物も本人が望むことは全て叶えてもらえます。ダメなのは「外に行きたい」だけ。庭、大事なんです。庭の話も本題に入ったら出てきます。二人の話は、始まったばかりですが、あと二回の説明の章が終わったらガンガン進みます。(でも、来月はサキさん好み、というよりは劇中劇のコハク好みの話のはず)

石鹸は……。次の舞台裏記事でちょっと語っちゃう予定です。これも私の中ではポルトガル讃歌の一つ(笑)

コメントありがとうございました。
2014.08.01 20:13 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
数字が絡むというのも面白いですね。
番号で人を呼ぶか。。。面白い発想ですね。
そう呼ばれることを望むのもまた不思議です。
それに慣れるのも仕事になるのでしょうが。

2014.08.02 01:31 | URL | #- [edit]
says...
おはようございます。
昨日はお疲れ様でした!
えへへ、いろんなところで恋愛者が苦手って言っちゃっていますもんね><
でも、私が苦手なのは美男美女の高校生たちのキラキラ恋物語だったり、大人の昼メロ的なドロドロ恋愛劇だったり、なのです。(これも偏見混ざってるのかもしれないですが)
夕さんの独特な世界観を背負った、個性的な人々の恋物語なら、ぜったい先を読んでみたいです。
恋愛ものが苦手、といいつつも、今検討している番外編は、ちゃっかり恋愛ものだったりしますし^^←勝手

そうか、このお話は誰かと誰かの恋。ジャンルが分かると、読む側の心構えもできて、より楽しむことが出来る気がします。
……とはいえ、なかなかジャンル付けって、絞るのが難しいのですけどね><
2014.08.02 02:59 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
おはようございます。

そうなんです。ここがこのストーリー設定の要に関わる部分でもあったりします。
この点は、デリカシーのないマイアがそのうちにズケズケと質問して、本人が答えてくれます。

普段は番号で読んでいるのに、表向きはご主人様扱いする、ここにこの人たちの存在(と非存在)の大きな矛盾と無理があらわれているという設定です。わざわざ誓約をさせてまで秘密を守らなくては行けない原因もここにあり。

妙な話ですが、読んでいただけて嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2014.08.02 09:18 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
おはようございます。
昨夜は、爆睡しました!

私の小説で「これは恋愛もの」と言い切れる小説はほとんどないのですが、これはかなり言い切れるかも。
でも、基本テーマはいつもと同じ。だから書いている方としては、他の小説と違うものを書いている感覚はないです。

もう一つ開示してしまうと、裏テーマに即した浮ついた恋をするのは軽いお人。つまりマイア。(もちろんそれなりに悩みますが)でも、この話の裏側には、少なくとも六人のもっと重くて救いのない愛の話が隠れています。軽い誰かさんは、このストーリーが完結するまでその話のことをほとんど知らないまま過ごします。こっちは番外編で、そのうち。

そして、何の番外編だろう? ちょっと楽しみ。limeさんのところの本編も早く全部追いつかないと!

コメントありがとうございました。
2014.08.02 09:53 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
一連のシーンだったので、まとめて拝読しました。
こういう舞台状況・登場人物説明の部分って、本当に難しいですよね。それをとても印象的に、そして夕さんらしい手法でやってのけられる。さすがだなぁと思いました。
だって、マイアの召使い目線で、家の中を説明していくのですから、読むほうもマイアの視点で追いかけて行ける。上手いです。
何より、本当にいつも面白い人物設定をされますよね。
でもこれは夜のサーカスみたいに、しっかり恋愛ものなんですね!
(えっと、あれも恋愛もの、だったですよね?)
恋愛ものといいつつも、ちゃんとミステリー要素を絡めておられる!
一体どうして外に出れないんだろう。そしてどうして靴職人?
まるで寓話のような世界観。先を楽しみにしております。
2014.08.03 09:31 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こんにちは。

掌編や誰でもある程度馴染みのある舞台設定の場合は、「彼はカフェのテラスに座った」ぐらいの説明でも済ませることができるし、実際にどういうテラスなのかは読者にお任せでもいいんですけれど、ファンタジー色が強かったり、時代物だったり、読者にあまりにも馴染みが低い世界の場合は説明部分がどうしても必要になりますよね。

十分に説明しないとわけがわからないけれど、「いかにも説明しています」という感じになるのもうざったい。

どこでどんな風にするかというのはとても難しくて、今回は何もかも「超・物知らずのマイアの体験」という形で馴染ませました。

それと、今回は「視点」を意識して書きました。マイア視点メインで書くことによって読者に説明をすると同時に、何回か他の人物にも視点を動かすのですが、主人公の23視点だけは一度も出てこないために、読者には最終回まで顛末が見えないようになっています。前は、その辺のことは特に氣にしなかったのですが、意識して書いてみたらこの手法は便利だわ〜と思いました。

この兄弟はものすごく変で、実際にこんなのは滅多にいませんが、隔離されているということが人格形成に及ぼす影響を考えたら、まあ許容範囲かなと思っています。二人がなぜ囚われているのか、なぜ番号で呼ばれているのか、なぜ靴職人なのかは九月(つまりあと二回の説明章をはさんだ)本題のところで23自身が語ります。でも、私がなぜこの設定を生み出した背景が完全に見えるのは、もうちょっと先ですね。とてもわかりやすい元ネタがあります。ここで語ってもいいけれど、ミステリーネタとして取っておく方がいいかな。(ミステリーでもなんでもない話ですが)

「夜のサーカス」にしろ「大道芸人たち」にしろ「貴婦人の十字架」にしろ、私の小説のほとんどは「恋愛もの」と言ってもいいと思います。「これは恋愛ものじゃない」といえる小説の方が少ないかも。「恋愛ものを書こう」と意識して書いているわけじゃないんですが、彩洋さんのご存知のテーマに絡めると、やっぱり恋愛が絡まない方が不自然で、だからどこかには必ず絡むわけです。といってもこの小説ほど「惚れたはれた」ばかりやっている小説も少ないので、これは間違いなく「恋愛もの」です。滅多に書かない物を書いたので、面白かったです。

コメントありがとうございました。
2014.08.03 15:00 | URL | #9yMhI49k [edit]

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