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Posted by 八少女 夕

【小説】Infante 323 黄金の枷(10)アヴェ・マリア

Stella用連載小説「Infante 323 黄金の枷」です。次のStellaは合併号なので二つ出すことになります。

さて、今回はドンナ・マヌエラの回想が主になります。この小説では最後の章まで主人公の意志や想いがほとんど出てきません。この章では、例外的に母親の回想という形で少年だった頃の23の言葉がたくさん出てきます。館の中における人間関係で、23が少し特殊な閉じこもり方をしている理由のいくつかがここで明らかになります。


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あらすじと登場人物





Infante 323 黄金の枷(10)アヴェ・マリア

「ミニャ・セニョーラ(奥様)。ジョアナから報告がありました。マイアはやはりライサのことを訊き回っているようです」

 石のように無表情で報告するメネゼスをマヌエラはちらりと見た。けれど、特に動揺した様子は見せなかった。
「それなら、以前も言ったようにかえって好都合でしょう? ここにいる限りライサの家族とは連絡が取れないんですから」

「しかし二ヶ月経ったら、休暇を与えなくてはなりません。この屋敷に留めることは不可能です。それとも、それまでに宣告を受けるとお考えですか?」
「まさか」
「それでは、いかがなさいますか」

「もうしばらく様子を見て、必要なら私から話をします。どうかそっとしておいてください」
「かしこまりました、ミニャ・セニョーラ」

 メネゼスが下がると、マヌエラは机の引き出しから紙挟みを取り出して開き、一番上にあるマイアの書類を取り上げて眺めた。メネゼスが二人の応募者がいるとこの書類を持ってきた時のことを思い出した。

「一人はミカエラ・アバディス、星三つの娘です。もう一人がサントス先生の推薦してきたマイア・フェレイラという娘です」
「あなたはどちらが適任だと思うの」
「二人とも召使いとしての経験はありません。経歴からするとフェレイラの方が教えやすいと思いますし、サントス先生の推薦なら申し分ないのですが……」
「何か問題が?」

「はい、《監視人たち》側からの報告書によりますと、どうやらライサ・モタの妹と知り合いのようなのです」
「そう……」

 マイアの書類をもう一度眺めたマヌエラは、はっと息を飲んだ。マイア・フェレイラ……、サントス先生の推薦……。それから記憶を遡って年齢を逆算した。この子は、あの時の……。

「メネゼス。私、このフェレイラという娘を雇おうと思うんだけれど」
「ミニャ・セニョーラ? いいのですか?」
「この館にいれば、監視も行き届くしちょうどいいんじゃないかしら。それに、憶えている? この子は、あの石鹸を持ってきた子でしょう」

 メネゼスもはっとした。それから、女主人の意図がわかったので、深々と頭を下げた。

 彼女はメネゼスの出て行ったドアをしばらく見ていた。そして、書類を強く握りしめていたことに氣がつき、手を離すとゆっくりと手のひらを動かして作ってしまった皺を伸ばした。マイアの名前のところで手を止めて、その名をなぞった。

 十二年前、それは突然始まった。洗濯を担当する召使いが報告にやってきた。23が「寝ている間に下着を汚してしまった」と戸惑っていると。声変わりも始まっていたし、アルフォンソが先に同じようになったので、マヌエラには23も思春期が始まったのか程度にしか思えなかったのだが、夫であるカルルシュは青ざめた。「ついにその時が来てしまったか」

 それから、館では大きな変化があった。現在24の居住区となっている所に住んでいたカルルシュの弟、インファンテ322がボアヴィスタ通りの別邸宅に遷ることになった。そして、誰も住んでいなかった隣の居住区に23の部屋にあった全てが移され、十四歳になったばかりの少年は鉄格子の向こうに閉じこめられた。

 23はそれまでずっと手のかからない子供だった。少々内向的だとは思っていたが、彼女は心配もしていなかった。病氣がちだった夫と心臓疾患を抱えるアルフォンソ、甘える末っ子の24に忙殺されていたマヌエラには、その時間もなかった。閉じこめられたくないという子供の氣もちは痛いほどわかったが、父親である当主のカルルシュにすらどうすることも出来ない伝統だと言われ、そのことを考えるのはやめていた。直に背中が痛い、体が重いと訴えた彼を、誰もが鉄格子から出たいがための仮病だと決めつけた。それから高熱が出て、医者がやってきてくる病だと診断するまで、誰も彼の訴えを真面目に取り合わなかった。

 その時には脊椎後湾はずいぶんと進んでいた。もともと内向的で外に出たがらなかったために日光不足でビタミンDが不足していたのだ。閉じこめられてさらに日照量が減ったことも大きく作用した。マヌエラはそんなことになるまで我が子の状態に氣がつかなかったことに愕然とした。そして、さらにもっと厳しい現実を突きつけられることになった。インファンテは法律上は存在していないので、入院も手術もできなかったのだ。もし、アルフォンソが健康であったなら、彼の名前で手術することが出来たかもしれない。だが、アルフォンソは一ヶ月と開けずに入退院を繰り返していた。

 悪いことが続いた。脊椎後湾に対する使用人の心ない噂話を23は耳にしてしまった。いずれは自分も同じ待遇になると夢にも思わなかった24が格子の向こうの兄をあざ笑い、背中に関する意地の悪い言葉を投げつけた。叱責はこれらの再発は防いでも、既に発せられてしまった言葉を取り消すことは出来なかった。傷ついた23は体を見せることを嫌がり、風呂に入らなくなった。医師に処方されたサプリメントを勝手に過剰摂取して副作用の嘔吐と高熱にも苦しんだ。

 部屋をめちゃめちゃにし、教師の命じた課題をやらなくなり、これまで言ったことのない悪い言葉を遣い、食事の時に出してもらえると頻繁に24と取っ組み合いのけんかをして皿やコップを壊した。手を焼いた父親のカルルシュは、23が問題を起こす度に暗くて寒い元倉庫に閉じこめた。マヌエラが懇願して出来るだけ早く館に戻してもらったが、彼の蛮行はひどくなる一方だった。

 その23が急に風呂にだけは入るようになった。以前は当たり前だった使用人の手伝いを一切拒否し、一人で長いこと入っているとジョアナから聞き、マヌエラは様子を見に行くことにした。

 そっと浴室のドアを開けて覗くと、23は肌が赤くなるほど強く体をこすり、嗚咽を漏らしながら髪を洗っていた。
「ちゃんと洗っているのに、こないじゃないか……」

 マヌエラはそのつぶやきを聞いてすぐに理解した。二週間ほど前にメネゼスから報告を受けていた少女のことだと。生け垣から忍び込み、見つけたメネゼスが即座につまみ出したという少女は、元倉庫の裏手で23を探していたらしい。 

* * *


「ごめんなさい。勝手に忍び込んだりして。でも、泥棒じゃないんです。夕陽を観に来て、友達になった子がいるんです」
「いい加減なことをいうな。ここに子供なんかいない」
「嘘じゃないわ。あそこの窓の所にいたもの」

 なんてことだ。それでは、彼に逢ってしまったのか。メネゼスは心の中で舌打をした。

 少女はポケットから重そうに紫色の石鹸を取り出した。それは小さな少女の両手からはみ出すほど大きかった。
「これ、あの子に持ってきてあげるって約束したんです。逢わせてもらえないなら、あの子に渡してください」

 メネゼスはその時になって初めて少女の左手首に腕輪がついているのに氣がついた。助かった。《星のある子供たち》の一人ならすぐに素性がわかる。

「よろしい。渡してあげるが、誰からと伝えなくてはならない。お前の名前は」
「マイア。マイア・フェレイラです」
「もう二度と忍び込んだりしないと約束できるか」
「……。はい」

* * *


 メネゼスの連絡を受けて、《監視人たち》の本部はすぐに動いた。マイアの家族はナウ・ヴィトーリア通りに引越すことになった。街の東端にある地区で子供の足でドラガォンの館まで歩くのは不可能だ。そして生け垣はもう誰も忍び込めないようにすぐに修復された。

 侵入者はドラガォンにとっては排除すべき邪魔者に過ぎなかったし、マヌエラ自身もその報告を受けた時にそれが息子を悲しませることになるとは夢にも思っていなかった。23は新しい使用人にひどく人見知りをするので、知らない子供と友達になりたがるなどとは思っていなかったから。けれど、彼は少女を待っていた。

 彼女はドアを開けて、バスルームへ入っていった。彼ははっとして動きを止めた。濡れるのも構わず、マヌエラは息子を抱きしめて泣いた。
「あの子はね。お前がイヤで来ないんじゃないの。お前に会いに来たのに、メネゼスに見つかってしまって、近づけないように遠くヘ引越させられてしまったの。メウ・トレース、お前のきもちをわかっていなかった私を許してちょうだい」

 その夕方、彼は大きなすみれ色の石鹸を母の手から受け取った。それは、彼の手にもずっしりと重かった。彼は壊れやすいガラス細工に触れるようにそっとなでた。

「どんな子だったの?」
「健康そうだった。笑顔がかわいかった。軽やかに走っている姿は鹿みたいだった。あの夕陽の光景が好きで、こんな姿の俺にもイヤな顔をしなかった」
「あなたの初恋ね」
「そんなんじゃないよ!」

 そういってから、声を荒げたことを後悔して項垂れた。
「……友達ができると思ったんだ。本に書いてあるみたいに……」
それを聞いて、マヌエラはようやく思い至った。外に出ることのない三兄弟には友達がいない。自分には禁じられなかったが故に、そこまで渇望したことのない友という存在を、持つことが許されなかった23がどれほど必要としていたのかを。

 彼は格子のはまった窓から暮れていくD河を眺めながらぽつりと言った。
「ねえ、母上。教えてよ。どうしてなんだろう」
「メウ・トレース?」
「動物みたいに檻に入れられて。せっかくできた友達も遠ざけられて。父上もメネゼスも禁止するか罰するばかり。いつでもいい子じゃないのはアルフォンソや24だって同じなのに、どうして俺だけみんなに嫌われるんだろう」

 マヌエラは驚いて言った。
「何を言うの。誰もお前のことを嫌ったりしていないわ。理不尽なことだけれど、これは全てドラガォンの伝統で……」

 23はその言葉を遮った。
「母上。無理して慰めないでよ。俺を見るみんなの表情を見ればわかるんだ。話し方や、時間のとり方だって違う。アルフォンソは宿題をしないで寝ていてもいいし、24は悪戯をしてもみんなに可愛がられる。母上もアントニアも24と話す時はいつも笑顔だよ。でも、俺のことは動物が噛みつかないか心配するみたいに見るんだ」
「メウ・トレース、違うの、私は閉じこめられたお前が不憫で……」
「いいよ。困らせるようなことを言ってごめんなさい。もう言わないよ」

 兄であるアルフォンソはプリンシピであるが故に閉じこめられることはなかった。弟の24は23と同じ運命にあったが、まだその時期に来ていなかった。だがそれを説明した所で彼の心の傷が癒えるわけではなかった。アルフォンソは心臓病のため常にいたわられ、24は天性の甘え上手で屋敷の全ての大人たちに愛されていた。内向的で打ち解けない23に対しては、部屋の隅でひとり本を読んでいる姿に安心して、あえて話しかけたり一緒の時間を過ごそうとする人はほとんどなかった。マヌエラ自身も。

 そのことに一人で心を悩ませてきた少年は、閉じこめられたことで自己否定のループにはまり込んでいた。父親と兄の健康状態は深刻だったが、彼の症状は生命には関わらないという理由で放置され、それが自分の価値が低いからだと思うようになっていた。友達がいないことに加え、嫌われることを怖れて悩みを誰にも話せなくなっていた。マヌエラはずっと子供たちを等しく愛していると自信を持っていたし、全ての子供たちのことを理解していると信じていた。本当は何もわかっていなかったのだ。

 息子の誤解を解こうとするマヌエラにそれ以上言わせまいと23は話題を変えた。
「あの子はGの街に引越したの?」
「いいえ。河や海からは離れた所よ」
「じゃあ、もうD河に沈む夕陽は見られないの?」
「見られないでしょうね……」

「そんなの、ひどいよ! 元に戻してあげてよ」
マヌエラは23の剣幕にたじろいだ。
「メウ・トレース。あの子のお父さんは新しい職場で働きだしたし、あの子と妹たちはもう新しい学校に通っているの。《監視人たち》の中枢部が動いてしまったら、もう物事は簡単には動かせないの。かわいそうだけれど、私にもお父様にももうどうすることもできないの」

 23はひどく項垂れた。
「俺が話しかけたりしたから……」

 その少女が二度と来られないと理解してから、23は一切問題を起こさなくなった。悪い言葉を口にしたり、24と取っ組み合いのけんかをすることもなくなった。あのひどい反抗が、再びあの小屋に閉じこめてもらうための彼なりの努力だったことを知ってマヌエラの心はひどく痛んだ。友達がほしいという言葉を二度と口にすることもなかった。檻から出してほしいと頼むこともなくなった。

「ようやくわかってくれたか」
カルルシュは申しわけなさそうに息子を抱きしめた。23は表情を変えずに黙り込んでいた。

 あれから十二年が経った。23がマヌエラの人生に苦悩を投げかけたのは、後にも先にもあの時だけだった。けれど彼女にはわかっていた。息子の抱えている問題が解決したわけではないことを。むしろそれが深く潜っていってしまったことを。友達という名のわかりあえる誰かを求めて怯えながら伸ばした手を、握り返してくれようとした小さな手を無情に取り除かれてしまったがために、もう二度と伸ばそうとすらしなくなってしまった。

 牢獄のような鉄格子の向こうから、ギターラの音色が響いてきた。ほとんど誰とも関わろうとしない23が唯一見せる感情の発露、それがギターラを爪弾くことだった。いま弾いているのは「シューベルトのアヴェ・マリア」とも呼ばれる「エレンの歌第三番」。「アヴェ・マリア」マヌエラはつぶやいた。私はあなたに祈ります。どうか私の試みが、あの子を再び傷つけたりしないようにお守りください。

 ドラガォンと《監視人たち》が当主、プリンシピ、インファンテたちに求めているものは単純で明確だった。「竜の血脈」を繋ぐ子孫を作り出すこと。相手が誰でも構わなければ、それによって本人が幸せかどうかも関係なかった。たぶんメネゼスが彼女の意志を後押ししてくれたのも同じ理由からに違いない。

 けれど、母が我が子に望むのは機械的な伝統などではなかった。そんな冷たい伝統につぶされてしまいそうな魂に、真の幸福をつかませてやりたいという願いだった。マイア・フェレイラが自分の意志でここを目指していることを知った時に、彼女は決心したのだ。振り子を動かす最初の力を加えてやろうと。あの時から止まってしまっている23の魂の時計を再び脈打たせてやるために。

追記


「エレンの歌 第三番」はとても有名ですが、一応。さすがにギターラバージョンは見つからなかったので、クラッシックギターのもので。


Ave Maria Schubert Guitar Arnaud Partcham
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Comment

says...
更新、お疲れ様でした。

あはは、マイアのシロウト探偵、バレバレですね。23に注意してもらわなくても、雇い主からずばり釘を刺されそう(笑)でも、なんだかあまり深刻でもないような?

23が浮浪者同然の幽閉生活を送っていた理由が、やっと判明しました。そっか~、そういうことか。なんだか、いじらしいですね、23。
23が閉じ込められるのは、例のシステムの一環でしょうか。なんにしても、彼の責任でもないのに、こんなシステムに組み込まれて、子どもなら普通にできることすら許されないというのは、残酷なことですね。
ただ、マヌエラが23のことを普通の親として愛していることが、これからの救いにつながるように思います。

さ~て、せっけんも届いたことだし、次はいよいよ沐浴シーンですね。って、いつまでそこにひっかかってるんでしょうね、この人(笑)
次話を楽しみにしています。
2014.12.10 11:52 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんにちは。

そう、探しはじめた初日に、もうジョアナにバレてますから、追い出されていないのはバレていないからではなくて、単に「こいつ大した探偵じゃない」と舐められているからです(笑)

ライサの件ですが、小説では出てきませんが、マヌエラが23に「大丈夫余計なことはしないと約束させている」という確認をとっているので、この後も特に《監視人たち》のお叱りを受けるようなことはありません。いまのライサは一刻を争うような状況ではないのですが、今後どうなるかはまだ誰にもわからないので、詮索されると困る、ぐらいでしょうか。ちなみにライサは死んでいません。第三部「Filigrana 金細工の心」のダブル・ヒロインの一人がライサなんで、ここで死なれると困るんです。

今回の23は、ギターラを弾いていたのだけが現在で、あとは全て回想の14歳ですから、まだ完全には色々なことを理解していなくて、なおかつ、もう少し感情の出し方がストレートだった頃ですね。この頃も十分内向的でしたが、いまは完全にコミュニケーションのやり方を見失っていますし。

インファンテが実際に閉じこめられる時期について設定を考えた時に、生まれてすぐというのはなしだなと思ったんです。それで、屋敷からは一歩も出してもらえずに、普通に育てられ、第二次性徴期を境に閉じこめられることにしました。ちなみに名前を貰えるプリンシピは閉じこめられませんが、後に入れ替わることが考えられるため学校へ通ったり、外に友達などを持つことは同様に許されないことになっています。(入れ替わった時にバレちゃうので)以上、本編には出てこない裏設定でした。

マヌエラは外で育った人なので(マイアよりは事情を知って育ちましたが)、かなり普通の感覚の持ち主です。この人はカルルシュとの結婚するまえに色々とあったので、その経験からマイアなんかと較べるとずっと腹が据わっています。その分子供たちの幸福も心から願っているのですが、いろいろと大変なんですよ。氣になりつつも23のことがいつも後回しになるのは、そのせいで、彼女は23に対して母親としてとても後ろめたく思い続けています。

そして、出た、TOM-Fさんの沐浴好き〜。プチ沐浴シーンはこれでおしまいです。すみれの石鹸も含めて、危険(!)な沐浴シーンは、来年に持ち越しです。あれは、きっとドン引きだろうなあ……。見捨てずに読んでくださるといいんですけれど!

コメントありがとうございました。
2014.12.10 14:49 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
マイアが採用された理由って、わりとそのままストレートだったんですね。
23がマイアを特別に思っているようすや、マヌエラの23に対する気持ちが伝わってきました。
あの夕日のシーンの後に、これだけの物語があって23とマヌエラの苦悩があって、それがマイアの採用に繋がって……。
23がどんな気持ちでマイアに再会したのか、サキは一生懸命想像しています。
振り子は動き出したのでしょうか?
2014.12.10 15:00 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

そうなんです。マイアは何もバレていないと思っていますが、最初から「こいつライサのことを探している」も「あの時忍び込んだ子」もみんなバレバレなのでした。

そして、23にとってあのたった一度の出会いはマイアが思っている以上にものすごく重要だったのです。

でも、お互いに全く何もそういう話をしないので、マイア本人は「憶えていてくれただけでもびっくり」ぐらいにしか思っていません。23の方も、マイアには外で色々友達がいて自分の存在はマイアにとっては大したことがないんだろうなと思っているようです。

まあ、でも、これで他の人には話しかけることもなかった23が、マイアにだけはやけに親しげに話せる理由は、納得してもらえたかな〜と。

でも、まだ先は長いのですよ……。変だな。振り子は間違いなく動き出したはずなんですけれどねぇ。

コメントありがとうございました。
2014.12.10 16:43 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
そういういきさつがあったのですね。
まさか23が、そんなにマイアの事を思っていたなんて。
なんだか健気ですね。
23が幽閉された理由は、通常の感覚でいうとあまりに理不尽で可愛そうなんですが、きっと彼らはそのシステムを当たり前と受け止めているので、そこにばかりこだわってては、物語の本質を見逃しそうですね。
今回、分かりにくかった23という人の内面が見えて来て、より感情移入しやすくなりました。
沐浴シーン、ちょっとだけだったけど、切ないシーンでした。
でもマヌエラが居てくれてよかったなあ。
危険な沐浴シーンが、来年あたりありそうなので、それも楽しみにしています。
(いや、どんなけ沐浴ファン)そんなことないですから!
2014.12.11 13:15 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
こんばんは。

そうですね。
幽閉されている設定はストーリーを極端にしていますが、実はそれがなくても結果はあまり変わらないんですよね。三兄弟の中で、跡継ぎ+病がちで大事にされている長男と、甘えっ子で可愛いのでみんなに愛されている三男。間に挟まれた健康で内氣な次男が、一人で勝手に傷ついている、という構図ですから。

実は、全員成人した後、親が心配しなくてはならない背景は変わってはいるのですが、三人の立ち位置の構図は今も変わっていなくて、結局一番手のかからない23が一番放置されていたりします。

23の内面に関する手がかりは、マイアは知らなくて読者だけが知っているものは、これだけです。ミステリーではないので、あとは一つひとつの描写から簡単にわかるようになっていると思いますが(笑)

もう一つの沐浴シーンは、今回の沐浴シーンと対になるように書きました。
でも、そっちは本当にドン引きかもしれません(泣)
そして、そのつもりじゃなかったんだけれど、第三部の「Filigrana 金細工の心」にも、やはり次の沐浴シーンに関連する沐浴シーンを書いてしまった(orz)ますます沐浴小説ブログへの道を歩んでいるような……

コメントありがとうございました。
2014.12.11 17:34 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2014.12.11 23:00 | | # [edit]
says...
23の反抗期はすごく切実だったのですね。
あそこに行ければあの子に会えると。
兄弟と友だちって、やっぱりぜんぜん違うのですよね。
本で友だちを学ぶというのも凄い閉鎖感ありますね。
やっと友だちになれそう、いや、もうすでになっていたかもしれないのに。
大人の考えは侵入者を退ける。それだけでこどもの言い分を聞いてくれない。
23がよけいにこもってしまったの、わかるなあ。
お母さんもそれを知ったとき、後悔したのですかね。
石鹸が渡って良かった。捨てられていなくて良かった。
石鹸事件で、館のファイルに、マイヤ=石鹸の子、の記録が・・・(いやなんか解釈違いますね・汗)

皆様同様(?)年明けの沐浴ブログを楽しみにしています。(温泉ファンより)
2014.12.12 11:07 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

いやいや、お忙しい時には、そういうお氣遣いなく!
せっかくの週末旅行、十分にお楽しみくださいませ。

あ、速攻で寝たので、熱は下がりました。鼻水も止まってきて、いま一番他人に迷惑な「咳こんこん」状態です。治る直前がいつもこれなんですが、ううう。本当に迷惑なんです。

コメントありがとうございました。
2014.12.12 18:53 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

反抗期なんて、ストレートにさっさと出しちゃった方がいいと思うんですけれど、我慢し続けて、ちょっと微妙な感じになっちゃったみたいです。

なんていうんでしょうか、いくらでも選択肢があって、それでも一人がいいというのと、絶対に許してもらえなくて友達がいないって、違うと思うんですよね。で、自分から使用人でもなんでも簡単にお友だちになれちゃう性格でもなくて、余計こじれてしまった、みたいな。

メネゼスや周りの大人も、「あの時は対応をまずった」と思っているんじゃないかな。
ドラガォン的には、現在、問題山積みでして、「こんなことならあの時にあの子を遊び相手にでもさせておけば」と後悔しているかも。

いや、けいさんのおっしゃる通り、「あの石鹸の子」以上でしょうね。
もっとも、周りが期待するほど簡単に話は進まない、そこが人間の面倒くさい所ですね。

え。けいさんまで。なぜそんなに沐浴への期待が……。でも、次の沐浴シーンは、本当に危険! いずれまた、ヤバくない沐浴シーンを書かないと、このブログへの誤解が……って、そういうものを書いている私が悪いんですが(笑)

コメントありがとうございました。
2014.12.12 19:02 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
ふたりはちゃんと両想いだったんですね。と言っても、「想う」の内容がお互いにどういうものだと捉えているかは微妙ですけれど、少なくとも心が向き合っていたってのを読んで、妙に納得しました。沢山の女の子が来ている中で、23がマイアを特別に認識しているわけがちゃんと過去の中にあったということで、物語の起承転結がすっきりしたような気持ちです。
今回はマヌエラの事情や気持ちがとてもよく理解できました。こういう「説明」って、読んでいる方にはとても大事なんですよね。物語を底辺で支えている事情。そして、23の気持ちも、行動に出る表側のことは別にして、少なくとも今の行動の端々に隠れた何かを察するきっかけになる裏事情を教えていただいて、これから物語をもう少し深く楽しめるような気がしました。
うん、わかるなぁ。手がかからないと思うと、愛情の過少とは別に実際に構う手数は減ってしまう。でも気持ちがないわけじゃないんですよね。そして、それでも子供には気持ちよりも愛情の手数が必要なこともあるんですよね。
あ、沐浴シーンですね(^^) そうそう、沐浴シーンは大事ですよね。水戸黄門における由美かおるさんみたいに、「なかったらさびしい」シーンってことで……でもさすがTOM-Fさん、私、すっかり飛んでいました。
2014.12.21 10:56 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こちらにもありがとうございます。

このシーンを入れるの、ずいぶん考えたんです。
あくまでマイア視点だけでいくかどうかという所で。
でも、入れないと、なんか結末が唐突に思えるんですよ。
実際には、ここは23視点ではなくて、マヌエラ視点なので、23そのものの視点は全編を通して全く出てきません。でも、マイアの得る情報が限られている事もあるし、彼女はぷち浅薄という設定なので、そんなに見て取れるはずはなく、このままだと読者に納得がいかないかなと思って入れました。

この時点で23がマイアをどう思っているかと、現在ではどう思っているかは、正確には一緒ではありませんが、出発点はこういうことということで。

マヌエラ側の事情、この家族に関わるストーリーで、もっと大きな背景もあるのですが、その話はこのストーリーにはあまり大きく関わっていないし、こっちの主題的にはどうでもいいことなので、ここでは全部省略してあります。同じ立場でも23に較べて24が甘やかされた他の事情もあるのですが、それもここでは「甘えっ子」というだけで事足りるかと思って無視しています。この辺は、「Usurpador 簒奪者」と「Filigrana 金細工の心」までお預け。

で、親とか先生とか、そういう側からすると、手のかからない子供って盲点なんですよね。別にいじめたわけではないし、ごく普通に平等に扱っているつもりでも、子供の方は勝手に傷ついたりしている。でも、それが表に出ないとわからないのですよね。

前にもどこかでこういう話をしたように思うのですが(ああ、「森の詩 Cantum Silvae - 貴婦人の十字架」のlimeさんとのコメントのやり取りだった)、手のかからない子は頑張っても印象に残らなくて、その分嫌われたりしないけれど、忘れられがちですよね。だったら、自分も目立つ子と同じようにすればって問題でもなくて。

この23の放置については、子供の頃だけでなく現在もその傾向があります。マヌエラはいつもその事を「よくない」と思いつつも、状況はあまり変わっていないという感じですかね。だからこそ余計なお世話をしてでも「なんとかしてやりたい」と思っているみたいです。

沐浴シーン……。ええ、まだありますけれど……もう何も言うまい(笑)自分でどんどん深みにはまっていく私でした。

コメントありがとうございました。
2014.12.21 14:07 | URL | #9yMhI49k [edit]

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