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Posted by 八少女 夕

【小説】森の詩 Cantum Silvae - 貴婦人の十字架(22)優しい雨

今年の小説の発表はこれが最後です。折しも「森の詩 Cantum Silvae - 貴婦人の十字架」はチャプター2がここでおしまいとなります。

自由に生きることを諦め死を覚悟したラウラが、人生のたった一つの心残りに決着を付けようと行動に出ます。彼女の想いは報われるのでしょうか。私ならこの機会に逃げるけれど、身代わりになって残ってくれているアニーを見捨てられないのが地味とはいえヒロイン。


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あらすじと登場人物




森の詩 Cantum Silvae - 貴婦人の十字架
(22)優しい雨


「森の詩 Cantum Silvae - 貴婦人の十字架」関連地図

 ザッカは鐘楼の下の秘密の扉を開けた。牛脂灯の光でゆっくりと扉の内側を照らすと、そこにあるはずの濃紺の外套の代わりに、白い絹の部屋着が吊ってあった。炎が揺れた。しばらくそこに立ちすくみ、考えをまとめようとした。

 ザッカは音がしないように扉を閉めて、広間には戻らず西の塔に向かった。半刻ごとに異常がないか見て回る衛兵は、自分の仕事がきちんとなされていることを誇るかのように胸を張って敬礼してみせた。
「異常はありませぬ。私は食事のとき以外はずっとここにおります。バギュ・グリ殿はずっと祈られていらっしゃいます」

 ザッカは黙って頷くと、塔を登っていった。階段に靴音が硬く冷たく響く。確かに女の祈りの声が響いてくる。ラウラの声に聴こえない事もないが、ザッカはそれを信じなかった。

 扉の前に立つと、小さくノックをする。女の声は止み、沈黙が訪れる。長い、不自然な時間。だが、やがて、ゆっくりとほんの少しだけ扉が開かれる。アニーの顔が牛脂灯の光でわずかに浮かび上がる。
「何事でございますか、宰相殿」

「バギュ・グリ殿にお変わりはないか」
「ございません」
きっぱりとしたアニーの声は挑むようだった。

「その……。バギュ・グリ殿が平静を保たれておられるか、心配になってな」
ザッカが髭をしごきながら見据えたので、アニーの目には少し戸惑いが浮かんだ。震え、青ざめている。《氷の宰相》は、自分はどんな顔をしているのだろうかと考えた。

 短い沈黙を破るように、アニーは早口に続けた。
「今夜は、どなたであろうとも、ラウラ様にお取り次ぎしてはならぬと厳命を受けております。たとえ、姫様であろうと、国王陛下であろうとです。宰相殿が一番よくご存知ではありませんか」

「そうだ。よく知っている。バギュ・グリ殿にお伝えくだされ。あなたの勇氣と犠牲に感謝していると」
もし、伝える事が出来るならば。踵を返し、塔の階段を降りていきながら、ザッカはつぶやいた。

 このままあの女が戻らなかったなら何が起こるのだろう。計画は中止だ。グランドロンと戦をして勝てるチャンスはもうないだろう。だが、なんとグランドロン側に伝えればいいのだろう。花嫁は行きませんと? 明日の昼には花嫁の行列に付き添うグランドロンからの護衛部隊も到着する。その時に花嫁の準備が済んでいなければ、あちらはすぐに疑念を持つだろう。そして、さほど遠くないうちにグランドロンは氣づくだろう。あの日会わせた女が王太女ではなかったことに。我々の策略に。そうなった時のための準備をしなくてはならぬのか。

 頼みの綱はただ一つだ。あの娘が身代わりとなった侍女を犠牲にするような性格ではないという私の読みがあたること。もし、そうでなければ……。

 ザッカは自嘲した。これほど綿密に立てた計画すべてが、女の慈悲心一つにかかっているとはな。あの娘には何もかも捨てて逃げるだけの理由がある。あの聡明な女にわからぬはずはない、捨て石にされて残酷な死に向かわされる事を。

 私は神に祈ったりはしない。ザッカは立ち止まって小さな窓から空を見上げた。先程までの明るい月は、暗い雲にかき消されている。広間の方から人々のざわめきが聴こえる。王女の輿入れ前夜の宴だ。軽薄な赤毛の姫が騒いでいる声も耳に届く。何が起こるかも知らずに。

 神は、私の思惑を超えて駒を進める。だが、明日の朝まで、騒ぎは起こすまい。逃げたければ逃げよ。そうなった時には、私は全てを負わねばならぬな。ザッカは心の揺らめきを悟られぬよう、いかめしい顔をして広間に入っていった。

* * *


 ラウラはその頃、秘密の地下道を通り抜けて、城下に入っていた。この通路を知らなければ諦めたに違いない。誰かに見つかる危険を想定しないわけにはいかなかった。みつかればアニーもただでは済まない。私のわがままを、あの子は黙って許してくれた。賢い優しい子。あの子に出会えた事を感謝しなくてはならない。

 かき曇る空を見上げた。ぽつりぽつりと雨が外套にかかる。彼女は目を閉じた。狂っているのかもしれない。それでもいい。躊躇している時間はないのだ。二十年。一度も自分の命を生きてこなかった。明日は再び姫の影に戻る。そして、二週間で全てが終わる。自由になる事もない。だから、せめて一度だけ、本当に自分のしたかった事をさせてほしい。報われなくてもいい、どのように罰されてもいい、どうしてもあの方に逢いたい。

 サン・マルティヌス広場への道も、先日ザッカと通ったので探し立ち止まる必要もなかった。旅籠『カササギの尾』は、すぐに見つかった。その脇の小路を進むと、いくつもの同じような家が並んでいた。アニーから伝え聞いたマウロの話では、マックスは一番奥の建物を借りているということだった。そこは窓の鎧戸も扉も閉ざされていた。ラウラは少し躊躇したが、扉をノックした。最初は小さく、答えがないのでやがて大きく。しばらくすると二軒先の建物から、年配の女性が顔を出して叫んだ。
「ティオフィロスさんなら昼から出かけているよ!」

 雨が次第に強くなってきた。冷たい風が追い討ちをかける。結局、そういうことなのだ。期待をしてはいけないと、自分に言い聞かせてきたつもりなのに。一目逢えれば、それでよかったのに、それすらも叶わないのだ。ラウラは扉にもたれかかって肩をふるわせた。

「《黄金の貴婦人》……?」
低い声が聞こえて、彼女は振り向いた。雨が視界を遮り、立っている茶色いマントの男がマックス・ティオフィロスだと判断するのは難しかった。だが、その声は紛れもなかった。

「バギュ・グリ殿!」
先生……。彼女のつぶやきは音にならなかった。
「どうして、ここに? 寒いだろう。すぐ中に」

 彼は急いで戸を開けてラウラを中に誘った。マントを脱ぎ捨てるように戸口に掛けると、玄関に置かれた薪の山から数本を取って居間の暖炉にくべると、衰えていた残り火に息を吹き込んで熾らせた。

「マントをここにかけなさい。そんなに濡れて、風邪をひく。ここに来て暖まってください」
そして振り向いて、はじめてラウラの青ざめた様相に目を留めた。彼女は視線を足下に落として、寄る辺なく立っていた。そして、声を絞り出した。
「申し訳ありません」

「なぜ謝る?」
マックスは戸惑っていた。雨の中に立つマント姿の女を《黄金の貴婦人》と見間違えたことを、自分で理解が出来なかった。子供の頃に数度見た貴婦人は、今ラウラが着ている粗末な服地ではなく、漆黒のしかし一目でわかる最高級の絹で出来た服に身を包んでいた。そして、もちろん一人で雨の中を歩くなどということはなかった。

 王宮でラウラを《黄金の貴婦人》と見間違えたことも一度もなかった。だが、先程のラウラの佇まいは彼を十歳の子供に引き戻した。それは深い悲しみのにじみ出た後ろ姿だった。

「どうしてもお逢いして、ひと言お別れを申し上げたかったのです。先ほどはお話しすることもかないませんでしたから」
彼女は足下をみつめたままで、いたずらを見つかってしょげている小さな子供のようだった。

「よく無事で来られた。供も連れずに一人でこのような所に来るのはあなたのような貴婦人のなさることではありませんね」
笑ってそう言ったマックスの言葉に、ラウラは目に涙を浮かべた。彼ははっとした。

「私は貴婦人になりたかったわけではありません。肉屋の孤児なら氣軽に逢ってくださるというならそうありたかったと思います。先生の後を追って遠くの国へ行きとうございました。遠くからでもお姿を見ていたかった。でも、私の想いを迷惑と思われているのは、今朝の先生のご様子でわかりました。神もそれを望まれていませんでした。だからこそ、生涯の思い出にせめてただひと度お逢いしたかったのです。それすらも許されないのでしょうか」

 マックスはラウラの頬を伝う涙に手を添えた。
「許してください。あなたを苦しめるつもりではなかったのです。迷惑だなんてとんでもない。私もあなたに惹かれています。昨日もそう伝えようかと迷ったのです。でも、あなたは私の旅してまわるような賎しい世界に属する人ではない。だから何も告げずに別れるのが一番だと思ったのです」
「先生……」

「マックスと呼んでくれませんか、ラウラ……」
そういって彼は震える女をそっと抱き寄せた。彼女はもっと激しく泣き出した。その髪を梳きながらマックスは思った。自由氣ままな旅もこれで終わりになるかもしれない。
「明日、行列が去ってから、もう一度お城へ行きます。侯爵様のお許しが簡単に得られるとは思えないが、努力してみましょう」

 ラウラはそっと顔を上げた。明日、行列が去った後に城に行っても彼は彼女に会うことは出来ない。だから、逢いにきてよかったのだ。
「いいえ。いいえ。どうかこれまでのように自由に生きてください。私にはそのお言葉だけで十分ですから」
「何も言わなくていい」
 マックスの顔が近づいてきた。彼女は一夜の夢を見るために瞳を閉じた。
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Tag : 小説 連載小説

Comment

says...
ラウラ、行動する時は行動しますね。
はっきりと思いを伝えて自分を打ち出すのにはちょっと驚きました。
ザッカ、見直しました。結構肝がすわっています。まぁ、先が読める聡明な人みたいですから、全てを読み込んで合理的に行動できるということなのかな。神にも祈ったりしないんだ。自分の読みは当たると確信しているんだ。
一方で全ての責任も負うつもりなんですね。やるなぁ。
アニーも格好いいですね。
そして、これでマックス呑気に構えていられなくなりました。
もう逃げられませんね。自由気ままな旅ももう終わるのでしょう。
城を訪ねていってラウラが居なかったら、マックスはどう動くのかな。
チャプター3を楽しみに待ちますね。
2014.12.24 14:30 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
更新、お疲れ様です。

うわぁ、ラウラ、積極的ですね。そんな思い切りを、だれに習ったのか。
策士のザッカですら、ラウラの気持ちひとつに未来を委ねなければならないというのは、ちょっとしたカタルシスですね。
マックスと一緒に逃げちぇばいいのに、それができないんですね、ラウラは。マックスも、ザッカの企てを知ったら、ラウラを城には帰さないでしょうね。もっとも、そんなことされたら、この先のお話が続かないか(笑)

冗談はさておき、切ないお話ですね。ラウラ、マックスに会えてよかったです。思いを告げて、受け入れてもらって。一夜の夢を見たら、厳しい現実に戻っていく。うむう、ロマンティックだ。

続きは、来年なんですね。
新章のスタート、すごく楽しみです。
2014.12.24 16:45 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

これまでのラウラのウジウジぶりからはちょっと意外な行動だったかもしれませんね。
動機と手段と、「これを逃したら後はない」の後押しで、彼女はようやく行動に出ました。
平民出身だから道具に使われ、貴婦人なんだから逃げるなと言われ、踏んだり蹴ったりだったので、マックスの揶揄にプチ切れしてしまいました。

そして、ザッカはそうですね。
もともとこの人は司祭だったのに、「神がなんとかしてくれるのを待つのはやめた」と政治の世界にはいったので、その時に肚を決めています。だから、困ったときの神頼みはしないんですね。
読みが当たるかはハーフハーフだと思っているでしょうね。
でも、ここで大騒ぎして連れ戻しても、ラウラが臍を曲げて王女の演技をしてくれなくなったら同じ事ですから、彼はラウラが自主的に戻って役目を果たしてくれるのを待つしかないんですね。
彼の切り札は、もう、あの貧民街に行った時に出しちゃったので、もうこれ以上はどうしようもないのです。

アニーは、ザッカの心の内なんかわかりませんから、バレたら終わりだと、心臓バックバクのはず。でも、大好きなラウラのために頑張っています。同じ運命ですが、アニーの方はまだ助かる希望もあるけれど、ラウラは確実に死ぬとしか思えないので、なんとかして最後の願いは叶えて差し上げたい、みたいな感じでしょうか。

マックスはまだのんきです。「旅はやめて定職に就くか、メンドー臭いけどしょうがないかな〜」ぐらいの感じでしょうか。まさか、あんなことになっているとは夢にも思わず。

チャプター3はそんな極楽とんぼ、マックスのルンルン状態から始まります。
scriviamo!がどのくらい来るかによりますが、昨年のようでしたら次回は三月になります。
忘れずに応援していただけると幸いです。

コメントありがとうございました。
2014.12.24 19:50 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

ラウラ、そう、もうチャンスがないとなったら「えいやっ」と行くタイプです。
これまでのウジウジは、「自由になったら……」の念仏を唱えていたんですが、それがダメだったのでキレました。

ザッカは、そうですね。もともとは、お姫様がまともだったら、ふつーに結婚させて、それでグランドロンの資金でなんとかして、でもよかったんですが……。ザッカは異国人ですし、失敗したら簡単に切り捨てられます。本人もそれをわかっているし、それでもいいと思っている。出発点が他の貴人たちと違うんですね。だからこそ、ラウラに賭けているんですが、ちょいと勝手(笑)

私なら逃げますね。実は、ここで告白するパターンもシミュレートしたんですよ。でも、「知ってていかせる主人公ってどうよ」って思ったので、最後まで知らせないようにしました。でも、このまま何も起こさずに、次の職場に向かわれちゃっても困るんで、どうしてもこのシーンが必要になりました。だって、そうじゃなかったら赤の他人だし。

続きは、scriviamo!の状況によりけりですが、一番遅くて三月スタートになります。また、この二人を応援していただけると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2014.12.24 20:05 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
ラウラ、初めて自分のために行動を起こしたのですね。
これが自分を救う行動ではなくて、一夜の夢を見るためだけのものだというのが、辛いですが。
このラウラの行動が、いつものラウラらしくないな…と、マックスが気づけばいいのですが。
ここで頼みはやっぱりマックスだけですもんね。頑張れ、マックス!

今年最後の小説更新、お疲れ様でした。
もう、お休みに入られたんでしょうか。
また来年の小説更新、そして様々な企画、楽しみにしていますね^^
2014.12.25 15:08 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
粋な計らいをして下さるザッカさんありがとうありがとうありがとう><!
と、ラウラ登場シーンで万々歳でした|д゚)w

全く情もないようなヒトじゃあなかったんですねえ・・・かりに計画のためとはいえ。

マックスもラウラの想いを真っ向から受けてくれたのもヨカッタデス。
が、次回からどんな展開になるのかな、と思うと予想もつかないからとっても楽しみです(・ω・)

マックスの心を掴んだんだから、レオ様の心も虜にしそうなラウラさん、たぶん今のラウラさんは地味な中にも柔らかい華やぎが香っているのだと思うので、きっと綺麗だろうなと思いますw
2014.12.25 17:31 | URL | #mQop/nM. [edit]
says...
こんばんは。

そうなんです。人生って「いつかは」とか「時間が出来たら」とか言っていても、「いつか」なんて時は来ないんですよね。ラウラはこんなに追いつめられるまで、自分のためには何もやってこなかったので、自分がつかまる事や、場合によってはアニーに害が及ぶ事もわかっていても、行動するつもりになったのでしょう。

マックス、ねえ。全然わかっていないようです。
これまた、私の小説の常で、主人公でも全然スーパーマンじゃないので、かなり頼りにならないかも。
でも、さすがにここで「僕はスーパーマンじゃないし、しょうがないよね」とあっさり諦めるようでは困ります。本当に頑張ってよ、マックス(orz)


おかげさまで、昨日、仕事を納めて、今日はほげほげの冬休み初日でした。
明日が義母と義兄を招いての「嫁のツトメ」食事会、それが終わったらscriviamo!に向けて英氣を養うべくダラダラする予定です。limeさんも、よかったら今回もぜひ参加してくださいね〜。

コメントありがとうございました。
2014.12.25 19:54 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

あはは、ここはザッカという人間を著すために、けっこう大事だと思って書いた所でした。
大きく二つに分けるとザッカは明らかに悪役なんですが、「覚悟のある悪役」ってところが、「天然の悪役」の姫や「無責任であるがための悪役」の国王とは違うつもりで書きました。それに、実はザッカはラウラをかなり氣にいっていましたから。もちろん、切り捨てられる程度ではありますが。

マックスもここまでラウラが想いをぶつけにきているのに「お帰りなさい」とか言えませんよね(笑)
本音レベルでいえば「堅苦しい定職につくのか〜。侯爵に嫁にくれっていうのか〜。ちと面倒くさいけれど、しょうがないよなあ、惚れちゃったし」ぐらいの軽い感じで受け止めているはず。で、翌日に愕然とする予定。

そして、これからが「誰かに何かをやらされている」状態から自分の判断で何かをしていくようになる転機。ご推察の通り、実は私の個人的寵愛キャラであるレオポルドとのシーンも多く、ようやくヒロインらしくなってきます。(でも地味)

来年、しばらくたってからの再開になると思いますが、また読んでいただけると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2014.12.25 20:06 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
・・・・。
相変わらずマックスが罪づくりな男であるような気がするのが私の意見ですが。。。
まあ、感情で囚われてい生きていくのもいいですし。
それで破談する話があるのも人生だと思います。
ロマンチックですね。
2014.12.27 00:06 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

あはははは。
実は、罪作りなだけでなく、実はかなり行き当たりばったり……。
その場のフィーリングで行動していますね(笑)
しかも、スペックで言うとあまり主人公の器でもないかも。

で、久遠先生もそうですけれど、罪作りな男って、女性にモテるんですよね〜。

コメントありがとうございました。

2014.12.27 17:19 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんにちは。
(いただいた記事と違う所ですが、こっちにコメ返を書かせていただきました)

な、なんと貴重な日曜日に、「森の詩 Cantum Silvae - 貴婦人の十字架」発表分を全て読破してくださったとは! なんてありがたい事、ありがとうございます。

それに、なんだか、本当にもったいないような感想をいただいて、ちょっとうるっと来てしまいました。

私の書こうとしているモノは、この話の最初に想像されるような「冒険」やら「小人や竜が出てきそうなファンタジー」やら「かっこいいヒーローと美しいヒロイン」のようなものではなくて、まさに「人間とは」のジャンルなのです。だからとくにチャプター1ではマックスは誰の事も救わないで傍観しているだけ、ラウラに至っては泣いているぐらいでほとんど何も起こらない。そういうどちらかというと動きの少ない小説です。動きが少ないだけでなく、Aで起こったこととBで起こる事が関連しているようには見えない。ちょうど現実の人生がそうであるように、でも、いつの間にか絡んでいる、という手法を試してみました。

骨格は、高校生の時に考えていた、あらすじにすると本当に脱力するようなどうでもいい中世ロマンスです。そのどうでもいい話を骨にして、現在の私が伝えたいと思っている人生観に絡めて書き出すと、自分としては「これがここまで変わるんだ」というような意味合いの違う話になりました。あらすじは同じままなのに。

マックスと、ラウラと、ザッカと、アニーと、レオポルドと、それぞれに生き方と信念とそれに限界があって、その中で、単純に善悪や倫理や社会や時代という概念で片付けられない何か。その中で迷いながらも選んで生きざるを得ないそれぞれの人間を書きたかったのです。そこに注目していただけて、こんなに嬉しい事はありません。

特にザッカという人間の非凡ゆえの異質さ、ラウラの目を曇らせているマリア=フェリシアへの嫉妬、押さえまくって書いているために傍目には全く盛り上がらないラウラとマックスの愛の育ち方などにも注目していただけて感激でした。

マックスはタロットカードで言うと「愚者」の役割を演じたがっている主人公だと思っています。表向きは「賢者」ということでお金を稼いでいるのですが、本質的には自由に何も持たずに、そのかわりに縛られずに生きたいのだと。ところが彼を育て上げたディミトリオスは彼にその役割を許さなくて、だから余計に彼は「お氣楽」な愚者を演じ続けようと意固地になっている状態なのだと思います。

それが、そうもいかなくなってきます。ここからが彼が彼自身に課した役割をあきらめて、図らずもディミトリオスが望んだ彼本来の役割を受け入れていく転換期になるという設定です。

続きは、ええと、scriviamo!次第です。全然来なかった場合は、早めに連載を再開すると思います。
また読んでいただけると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2015.01.11 13:34 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
一気に拝読いたしました。やっぱり、まとめ読みはいいなぁとしみじみ思いました。
第1章では背景と人物がじっくり語られていて、そして第2章になって動き始める。こういう構造も素晴らしいなぁと思いました。時代を語るって、ただ出来事が並んでいるのではなく、主人公が動くことによって語られていく手法もお見事でしたが、今度は主人公たちが動いて、それぞれの事情・心の動きが深く読み手に伝わっていく。ここで第1章では入り込みにくかった主人公たちの心の中に入り込めるようになりましたね。あ、でも、まだいささかマックスのことは少し離れて見ている気持ちではありますが。
特にお気に入りは、マックスが仕掛けた『強いもの較べ』のシーンです。大好きな格闘シーンに匹敵するドキドキ感がありました。

こちらのお話、私としては、悪役たちに注目しています。ラウラとマックスに主人公としての魅力がないとか言うわけでは全然ないのですけれど、なぜか、どうしようもない王女とか、前回すっかり気に入ってしまったザッカとかに目が行ってしまうのです。何故かなぁ。夕さんもそこに、感情移入じゃないけれど、書き手としての力を入れておられることが感じられるからかなぁ(気のせい?)。

いや、でも何よりもザッカのことが気になります。『雨』にも最後の方で(そして次作にも出てくる)ある悪役が出てくるのですけれど(敵という意味じゃなくて)、友人が「絶対いい人にしないでね!」と言っていたのを思いだします。覚悟を決めて悪役をしている、ってのが好みです。だから私も夕さんにお願いしておこう。実はいい人だった、ってのはやめてね……(多分、夕さんのことだから、そんなことはないんだけれど、描いているうちに情が移っていって、ちょっといい人面を書きたくなってくるんですよね……) 
そしてもう一人、実はグランドロンの国王、いい感じじゃありませんか。どこへ行きつくのか、きっと大筋ではこういう時代背景の中でいっぱいいっぱい生きる人が描かれていくのだろうから、すごいハッピーとかすごいアンハッピーとかはないんだろうと思うのですけれど(このあたり、私のバイブルとも言える『戦争と平和』とか『ドクトル・ジバゴ』に通じるものがあるなぁ)、この先もとても楽しみにしています。

やっぱり縦書き、まとめ読み、だなぁ。
『黄金の枷』の方は、設定は厳しいけれど、何故か読んでいる方の気持ちはいい意味で気楽なのですが(マイアのおかげかも……マコト系で「よくわかんないけど、ま、いいか!」って感じ?)、こちらは気合を入れて読みたくなる物語です。いえ、どっちがいいとか悪いとかじゃくて、あるいはどっちのほうが好きとかじゃなくて、引き込まれ方が違うなぁというところです。
何はともあれ、また再開、というよりも連載が貯まるのをお待ちしております(*^_^*)
楽しい時間をありがとうございます(*^_^*)
2015.02.15 08:26 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
うわぁ、通読ありがとうございます。

そう、この小説、構成がちょっと特殊なのですよ。
もともとの原作(高校のときの作品)はチャプター2の骨格とチャプター3の骨格だけの、身もふたもないどうでもいいストーリーだったのですが、リライトする時に「これじゃダメだ」ともう一度構成を見なおしたのです。原作には今の作品に流れている時代と社会の窮屈さのようなものがなくて、単なる主人公二人の恋愛譚でした。
同じことを語っているんですが、書き直したことで私の中では「いいたいこと」が全く違う話になりました。そのためにどうしてもあの長々としたチャプター1が必要になったのです。

「強いもの較べ」ゲームは、そうなんですよ。この二人、全然盛り上がらないんで、なんとかしないと恋に落っこちないじゃないですか! かといって、ハー●クイン・ロマンスじゃあるまいし、出会った瞬間に恋に落ちたなんて無理だし。それで、設定上許された枠組みの中で、お互いを知りながら盛り上がるシーンとして、一つがダンスレッスン、もう一つがこの「単語バトル」をつくりあげたのです。

それに、ええ、悪役。
主人公たちは、高校の時からいたので、もうあまりキャラに付け加えることがないんですが、悪役たちは今回ちゃんとキャラをつくったので、それでちょっと強烈なのかも(笑)
この作品、悪役に当たる人物が四人いて、二人は既に彩洋さんがあげてくださったザッカとマリア=フェリシア。それにルーヴラン王とバギュ・グリ侯爵も悪役に含めてもいいと思います。この二人は消極的な悪役ですね。ザッカは、このままです。っていうか、もう出てこな……(以下自粛)
姫は、ここまで憎々しい人って書いたことがなかったので、楽しんじゃいました(笑)

グランドロン王は、ええ、このキャラ、私のスペオキです。
チャプター3以降は出ずっぱりですのでご期待ください。

ところでこの話、ストーリー自体は、本当にあっけないのでそこは期待しないでいただけると。
大どんでん返しみたいなものは皆無ですので。

「Infante 323 黄金の枷」は、設定は大仰ですが、「五感で恋するポルト」なんでそれでいいんです。こっちは背負っているものが国だの民の貧困だのただのカップルの話ではないので、主役二人の心の話は比較的「どうでもいい」ことに分類できるのかなと思っています。その分、二人のキャラが弱いのかもしれませんね。このストーリーが終わると、そう言うものからはいったん解放されるので、もう少しこの二人のキャラも表に出てくるかなと思っています。でも、まずは本編を完結させねば。

三月に入ったら連載を開始します。終わったらまたすぐにPDF化しようと思っています。
読んでいただけると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2015.02.15 16:27 | URL | #9yMhI49k [edit]

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