scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

お城行きの顛末

ここで書かないと絶対に記事にするのを忘れると思ったので、年末年始の旅行の事を書いておこうと思います。

もともと例年だと年末年始はアウグスブルグの友人の所を訪問する事が多いのです。で、今年もそのつもりで友人も「来いよ」と言っていたのですが……。どうやら彼女と大げんかした模様。空氣を読んだ私と連れ合いは「よいお年を」といって、さあ、どうしようとなりました。

せっかくの11連休ですよ。どこにも行かないなんてガッカリ過ぎる。その時に頭に浮かんだのが数日前にテレビで観たホーエンツォレルン城でした。

Burg Hohenzollern ak.jpg
Burg Hohenzollern ak“ von A. Kniesel (= User:-donald-), Lauffen - Eigenes Werk. Lizenziert unter CC BY-SA 3.0 über Wikimedia Commons.


前にもリンクしましたが、これは私が撮った写真ではありません。プロイセン王家の発祥の地に建てられたお城です。11世紀にはこの地にお城があったそうなのですが、現在のお城は19世紀に再建された比較的新しいものです。形としては、もう完璧な「ヨーロッパのお城」ですよね。

このお城、ノイシュヴァンシュタイン城ほど有名じゃないんですが、やはり南ドイツのシュヴァーヴェン地方にあります。つまり、飛行機に乗らなくても行けるのです。で、私の頭の中の「森の詩 Cantum Silvae - 貴婦人の十字架」の世界と重なってしまい「行く! 行ってみせる!」と前日に予約を入れたのです。

雪景色1

考えていなかったのが、天候でした。というのは私の住んでいる所では、大して降っていなかったし、全く積もっていなかったから。もちろん電車の遅れなどもなく、何の心配もしないで出発したのです。

でも、国境のあるボーデン湖あたりで「げ。何でこんなに積もっているの」という風景になり、しかも到着が10分くらい遅れたのです。このお城のあるヘッヒンゲンという街に行くためには、我が家からだと7回の乗り換えがあったのですが、その度に遅延だの運休だののオンパレードとなってしまい、一時は「本当に今日中に辿りつけるの?」と不安になったくらい。でも、幸い二時間半の遅れでホテルに辿りつきました。

で、チェックインの時に「あの〜、明日お城に行きたいんだけれど、行き方を……」と質問したら「え。雪崩で道が塞がれたんで、通行止めだと思うけれど」と言われてしまったのですよ。その時はまだ雪がやんでいなくて、この地方では四日止まずに降り続けているとのこと。ええ〜、ここまで来て、お城なしで宿泊だけ? 大ショックのまま、とにかく空腹なのでご飯を食べようということになりました。

ホテルブリールホフの夕食

泊ったホテルはホーエンツォレルン城のお膝元にあるブリールホフという400年の歴史のあるホテルなのですが、この地域ではグルメでも有名らしく地元の人もここぞという時には集まるという事。この日はそんなに混んでいませんでしたが、翌日の大晦日は180席近いレストランが満席。私たちは頼み込んで、キャンセルが来た途端紛れ込ませてもらって夕食抜きを逃れたのです。というだけあって、とても美味しかったです。

ホーエンツォレルン城

で、お城ですが、31日の朝は雪もやんでいて、道の雪もちゃんとどけられたらしく観光には問題なしとの事、私たちは朝一で出かけました。

シャトルバスでお城の入口まで行きましたが、そこから中庭までもけっこう歩きます。でも、私はこういうお城の光景に勝手に脳内妄想を爆発させていたので、歩くのも楽しかったです。夏はもっと歩きやすいと思うんですが、こんどは観光客だらけでここまで「お城は私のもの」というイメージは膨らまないでしょうね。

ホーエンツォレルン城

このお城、外側の撮影はOKなのですが、ガイドツアーのある部分は撮影禁止なのです。CD-Rになっている公式写真集も買ってきたのですが、WEB公開は不可という事なので、お見せできません。下のパブリックドメインになっている白黒写真、この伯爵の大広間は金と瑠璃色に彩られた荘厳な空間で、ぶら下がるシャンデリアには本物のロウソクの灯りがともされるそうです。今でもプロイセン王家が許可した特別な場合は、音楽会に使われたりするそうです。

Hohenzollern Grafensaal
Paul Sinner [Public domain], via Wikimedia Commons

個人的な感想ですが、以前観たノイシュヴァンシュタイン城はあまりにファンタジックで人が住む所とは思えない、どちらかと言うと舞台みたいだと感じたんですが、こちらは豪華だけれども、もう少し「本当に王侯貴族が住むかもしれない」と感じるものでした。やはり観光用で誰も住んでないみたいですが。

一番にんまりしたのは、図書室に掲げられた壁画のうちの一枚。1454年に一度取り壊された城が再建される所を描いた絵で、服装が私が今描いている「森の詩 Cantum Silvae - 貴婦人の十字架」の時代のものと同じなのです。「そうそう、こんな服!」という感じでニマニマしていました。CD-Rを買ってきたのは、これらの絵の写真が中で撮れなかったけれど、あとで資料にしたくなるかもと思ったからです。

辺境伯の部屋、国王夫妻の寝室、青いサロン、王妃の応接室と豪華で状態のとてもいい部屋を見学した後、宝物展示室でツアーは終わります。アルテ・フリッツのあだ名で有名なフリードリヒ大王の命を救った黄金の鍵タバコ入れや、盗難を免れた素晴らしい王冠(たくさんのダイヤモンドやサファイアで飾られています)などが展示されています。

ツアーはおよそ45分と言われていましたが、それほど多くなかった参加者たちが色々と質問しまくったせいか、一時間ほどでした。それから私たちはカフェに入ってスープを食べて暖まり、ショップで買い物をして満足していました。13時くらいまでゆったりしていたのですが、その頃にはもっとたくさんの人たちが来ていました。

私たちは帰りはホテルまで歩きました。お城の写真を撮りたかったので。途中でたくさんの車とすれ違いました。この日は大晦日のため15時でお城が閉まってしまうのですが、それを知らない人たちが次々と向かっている模様。あちゃ〜。

私たちは無事にホテルに辿りつき、冷えてしまったので熱いシャワーを使った後で、大晦日の晩餐へ。これも早めに行ったので、スタッフが戦争状態になる前で、おしゃべりをする余裕もあって楽しい食事になりました。

その分、夜の12時を待たずに寝てしまい、真夜中に花火の爆音で起こされる事になりました。スイスの田舎の村と違って立派な花火、ちょっとだけ窓からのぞきましたが、ちゃんと服とコートを着て写真を取りに行く元氣はなく、そのまま寝ちゃいました。

雪景色2

そして、元旦、往きに懲りたので早めの電車に乗りスイスに戻りましたが、天候もよくなっていて遅延も全くなく無事に戻ってくる事が出来ました。

以上、二泊三日の小旅行の報告でした。
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Category : 旅の話 / スイス・ヨーロッパ案内

Comment

says...
いい雰囲気のお城ですね。
いいなぁ。こんな所に電車で行けちゃうんですから。
まあ、サキが電車で京都に行くみたいな(7回乗り換えだからもう少し遠いですか)感じで出かけられちゃうんですね。羨ましいです。
アクシデントで苦労されたようですが、それはそれで楽しかったご様子。
ちゃんと美味しい食事も召し上がったようで、こういうとこ夕さんついてますよね。運を引き寄せる体質なのかな?
サキも旅行が今年の目標なので、こういう記事が書けるように頑張っちゃいます。

2015.01.06 12:10 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
あけましておめでとうご挨拶を別のところで書きかけていたのに、今日はあれこれぶっ飛ばす日らしく、いろんなものが自然消滅しておりました。なので、コメントを書きかけては、余計なページを繰っているうちに前に書いた部分がぶっ飛んでしまって。
それはさておき、なるほど、やっぱり夕さんはエネルギッシュだなぁ。私は9連休、と言っても前半は待機だったので、大して仕事はしていないけれど、動けない状況でしたが……だらだらと過ごしておりました。
ドイツのお城。何だかすごく羨ましい世界です。そして雪……傍から見れば美しい光景だけれど、その中にいると大変ですよね。私も去年の北海道は散々降られましたので、ちょっとしたことに時間がかかって動きにくかった。でもそれがまた冬の旅の醍醐味なんですよね。
思いだす……大雪の中、永平寺に泊まった時のこと……宿坊宿泊って、ある意味、お城に泊まるのと似てる? いや、全然違うか。朝5時から座禅、6時からお勤めだったし……
それにしてもさすが夕さん、上手く潜り抜けて美味しいものにありついたり、運が味方してるなぁ、いや引き寄せてるのかな。
ロケハンは心ときめきますよね。私もロケハンは足が軽くなります(*^_^*)
今年もいいことがいっぱいありますように!
2015.01.06 17:32 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こんばんは。

立地といい形といい、ほぼ完璧な「ヨーロッパのお城」だなあと思ったのです。
サキさんが京都に行く、よりは遠いでしょうね。松江から倉敷経由で大阪に行き、それから金沢か新潟に行くみたいな感じでしょうか。むこうも田舎で、こちらも田舎。チューリヒからミラノへ行くみたいに簡単にはいけません(笑)

Booking.comで前日に探したのです。雪のせいで楽勝で泊れたのかな。もともと冬はローシーズンみたいですが。でも、大晦日の込み具合はすごかったです。夕食抜きの心配もあったので、確かにラッキーだったかも!

そうですね。近い所からでも少しずつ旅行が出来るようになるといいですね。
日本はグルメも温泉もよりどりみどり。
旅行記、楽しみにしていますね。

コメントありがとうございました。
2015.01.06 20:13 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

あ、たまにあります。色々開けて同時にやろうとしていると、メモリ不足でMacが落ちちゃった、とか。
fc2の記事は下書きが保存されている事もあるけれど、コメントは消えちゃって徒労感がMaxに……。

いやあ、私、有休くっつけて11連休だったのですよ。で、クリスマスの「嫁のツトメ」の後はずっとダラダラしていて、「せっかく有休とったのに何もしないで終わるか?」って思っちゃって。

でも、ものすごい無謀でした。まさかあんなすごい事になっているとは思わずに普通のウェーキングシューズで行ってしまいました。ありえません(笑)

今回はお城には泊らず、麓のホテルでした。400年もの歴史って、今のお城より古いんですが、なんとその後ろをアウトバーンが通ってしまい、そこ、制限速度なし、なんですって。雪のときは静かだったけれど(雪なのに260km/hなんて自殺行為ですよね)夏はうるさいらしいです。氣の毒。

で、この辺りでは一番のグルメ処だったらしいので、雪の中レストランを探さずに済んだし、本当にラッキーでした。

連れ合いは、私が通路だの壁だのの写真を撮る意味がまったくわからず、首を傾げていました。でも、見れば見るほど「これは取材だわ〜」って感じになりますよね。楽しかったです。でも、近くにもっと素敵なお城があるんですって。「夏にバイクで行くか」って話になっていて、私としてはうっしっしです。

彩洋さんも、もうお仕事で大変なんでしょうか。ご無理なさらないでくださいね。このブログも通常運転になりました。またどうぞよろしくお願いいたします。

コメントありがとうございました。


2015.01.06 20:25 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
うわあ、お城~素敵ですねえ。歴史ロマンです~
うん。私もガイドさんにしっかりと解説していただきたいタイプです。

セルフガイドだと、大事な場面を逃して素通りしてしまいますからね。
ガイドさんから聞く、裏話も面白いし。
一緒に行く参加者の中で上手いこと質問する人でもいたら、楽しいですしね。
いーなーいーなー。

行くときの季節も考えますよね。
冬・ニューイヤーの時期。オツですよね~(何が><)
旅行は何があっても楽しいし、思い出になります^^
あも、旅行話も小説話のように尽きないです^^
2015.01.07 03:41 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

昔は「ガイドなんて」とうそぶく派だったんですが、やっぱり断然ガイドつきの方がいいです!
はじめての都市に行くときも、つべこべ言わずに、ガイド・テープつきの二階建てバスに乗ってまず街を一周します。やっぱりその場所を詳しく知っている人の解説が一番ですよね。

それに、今回はドイツ語だったので、自分で質問も出来るし、解説もわかりやすい。やっぱり日常会話のちゃんと出来る言葉って楽だなあと思いますよ。

そうそう。他の方の質問も、自分では考えつかなかった事で「なるほど!」って思います。

シルベスターは、オーストラリアもそうでしょうけれど、やっぱりもり上がりますよね。
普段が田舎でしょぼかったので、「おおお」って感じでした。
ホント、旅行話も楽しいです!

コメントありがとうございました。
2015.01.07 20:55 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
この城好きです。ノイシュヴァンシュタイン城より好きかも。二千ピースのジグソーパズル作った事が有ります。山腹の植林が思い切り四角く写っていて興ざめでしたが(笑。しかしそれにもめげず城は美しかった。こんな処に気軽に行けるなんて、何と言う羨ましい環境。そういえばハルシュタットなんかも近いんでしょうね。一度は行ってみたい憧れの街です。
2015.01.07 23:09 | URL | #eRuZ.D2c [edit]
says...
こんばんは。

ちょっと感動ですよね。この完璧な「お城」の形。
ジグゾーパズルですか。2000ピースって、けっこう大変かも!
すごいですね。
お城は、私もこっちの方が好きかも。
氣軽にでかけましたが、ちょっと無謀でした。
ハルシュタットの方がちょっとは楽かな……いや、同じかな……。
一度は行ってみたいですね。

コメントありがとうございました。
2015.01.07 23:25 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
おおっこういうところに行くとお姫様気分になって(?)
創作意欲も増しそうですね
今だとアナ雪ごっこをしている子供とかもいたでしょうか?
私もここに行けばやってみたくなりそう
でも日本以外ではそれほど流行ってもいないのかな?
2015.01.09 08:49 | URL | #- [edit]
says...
連休よく過ごしたようで。
・・・・かどうかは微妙ですね。
大雪だったのはこちらでも聞いておりますが。
夕さんのこともあって、あちらの天気も気にするようになりましたね。
2015.01.09 13:25 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

あ〜、アナ雪ごっこはこちらではピカチュウごっこよりもマイナーでしょうね。
そもそも映画が流行った氣配もないしなあ。
レリゴーの歌もラジオで流れた事ないです。
なぜ日本だけあんなに流行ったんだろう?

でも、ごっこ遊びを(脳内でも)やっていたのはたぶん私だけだったかも。
それ以前に、暖房ついていない城って寒いですよ!
お姫様ごっこじゃなくて、(汚いなりの)シンデレラのふりして暖炉に火をくべたいかも。

コメントありがとうございました。
2015.01.09 22:08 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こちらにもありがとうございます。

あはは、スリルとサスペンスの旅行でした(笑)

距離で言うと東京と大阪ぐらいしか離れていなくても、全然天候が違うんですよね。
あんな大雪になっているとは……。
私も日本の天候、やっぱり氣になります。
そちらは寒いんですよね。お風邪などを召しませんように!

コメントありがとうございました。
2015.01.09 23:04 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんわ(´∀`)

ものすごーく寒そうだけど、創作意欲を刺激されまくりな光景でいっぱいな感じですね~。
日本だとノイシュバンシュタイン城の、緑豊かな森に囲まれた写真がおなじみですけど、雪の森の中に佇む別のお城もロマンチックでいいです。
非公開な城内とか、絵に描きたくなるものがいっぱいありそうで、やっぱり本場はいいなあw
絵描きスキーには資料になりそうなCD-Rが大変気になります(笑)

scriviamo!どんな絵で参加しようかな、思いっきり余裕ぶっこぃていたら、もうあっとゆーまに1月も半分近くに(;・∀・)
2015.01.11 19:35 | URL | #mQop/nM. [edit]
says...
こんばんは。

このお城、雲海の中に浮かぶと、まるで「天空の城」になったりするし、紅葉の時季もとてもステキみたいだし、かなりポイントが高いんですが、私としては「ノイシュヴァンシュタイン城ほど有名じゃない」ってところもポイントだったのですよ。一人で心の中で「ごっこ遊び」している時に、ディズニーランド並に長蛇の列で、写真が撮りたくてもピースした人が必ず映り込んじゃうみたいな状態だと悲しいじゃないですか。

お城のCD-R「公開は不可」ですが、参考資料にしちゃいけないとはどこにも書いていなかったので、あとでちょっとご連絡しますね。「ALCHERA-片翼の召喚士-」の背景の参考になるかもしれないし!

scriviamo!、どんなイラストをいただけるのか、今から楽しみです。去年のイラスト、本当にツボでしたもの!
でも、ご無理はなさらないでくださいね。わざわざ描きおろしてくださらずとも、ご自身のブログ用に別に描いたものの使い回しでも、全く問題ありませんから。

コメントありがとうございました。
2015.01.11 19:48 | URL | #9yMhI49k [edit]

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