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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

先が見えない作品?

今日の話は、飛ばしていただいてもいいし、軽~く流していただけると。忘備録のように書いておこうかなと思っただけですので。

創作をする方には、乱暴に分けるとオリジナルを書く人と、二次創作をする人がいると思うんですよ。どちらをするにせよ、自分の言いたいことや書きたいことを書くわけで、どんな手法をとってもそれは本人の自由なんだと理解しています。

それでも、オリジナルでないと絶対に出来ないことがあって、それは自分がその世界の神様になって、物語の進行やキャラクターを自由に動かすこと。二次創作でもあるんでしょうが、それには若干の申し訳なさ、「これは二次創作ですから」と断りをいれなくてはならない不自由さがあると思うんですよね。設定もそんなには変えられないでしょうし。

で、私はそういう不自由さが苦手なので、基本はオリジナルしか書きません。ブログをはじめてからは、交流の中でキャラクターを貸していただいたり、別の小説の世界に「ウチの子」つまり自分の小説のキャラクターをお邪魔させていただいたりはしているんですが、ズボラな私なりに氣を遣って、お借りしたキャラや世界、ひいてはその作者や作品のファンに失礼にならないようにしているつもりです。

もちろん、コラボは大好きだし、ウチの子がお邪魔する形で書いていただくのも好きで、イラストを描いていただくのも嬉しくて、今までに遊んでいただけた分は、その度に小躍りして喜んでいますから、創作者の方の多くが、自分の所の作品がこういう形で親しんでいただけるのを好きなんじゃないかなあと、勝手に思っているのです。

で、また前置きが長くて恐縮ですが、ここからが本題。

私のブログで発表している作品の中では、一つを除いて、私が神様です。極論を言えばヒロインを次の章で殺しちゃってもいいし、ラブコメディの中で、突然戦争を起こしても自由。なんですが、ひとつだけそうはいかない作品があります。それが「マンハッタンの日本人」シリーズ。

もともとは「十二ヶ月の歌」の中に入っていた一つの読み切りで、書きっぱなしで忘れていた作品でしたが、昨年のscriviamo!で、三人のブログのお友だちに取り上げていただいてから、どんどん話が進んで当時は思っていなかったようなストーリーになっています。

それに、先の設定が皆無なんですよ。こちらが少し考えて進めると、他の方がそちらの設定で少し書かれる。現実の世界みたいに、その状況の変化を察知して設定が動いていくんですね。私が「この後、キャラAとキャラBがこうなって……」とイメージをしていても、三日後にはキャラAが死んじゃっている可能性だってあるわけです。これは、新鮮な経験です。毎回即興で書いているようなものです。

今のところ、参戦してくださっているのは、ポール・ブリッツさん、ウゾさん、それにTOM-Fさんの三名なんですが、こうなったらどなたでもご自由にどうぞ。まさに「scriviamo!(一緒に書こうよ)」ですしね。「アメリカやニューヨークは詳しくないから」とコメ欄でおっしゃった方もいらっしゃいましたが、それは私も同じ。どうぞ遠慮なく。何を投入しても違和感がないのがニューヨークの面白さですし、それに、きっとアメリカ在住の方は誰も読んでいないし……。

ところで、このシリーズ、何人かのキャラクターがいるんですが、「ウチの子」と言い切れるキャラ、間違いなくお借りしているだけの「ヨソの子」キャラ、それとグレーゾーンのキャラがいます。

主人公谷口美穂は、一応「ウチの子」です。キャシーも「ウチの子」ですね。それから鳥打ち帽のおじいさん(隅の老人)は「ヨソの子」でウゾさんの所のキャラ、春日綾乃はTOM-Fさんのところの作品のヒロインでもちろん「ヨソの子」。イヴォは勝手に名前つけちゃいましたが、100%ポール・ブリッツさんの所のキャラで「ヨソの子」です。

グレーゾーンがポールとダイアナの二人。どちらももともとは私の所にいたといっちゃあいたんですが、通行人Aレベルの存在でした。特にポールをちゃんとキャラクターにしてくださったのはポール・ブリッツさんです。その一方で、私もかなり自由に書いちゃっていまして、ポール・ブリッツさんの書かれる独白のポールと、うちでのポールのキャラがぶれているかも……。なんて若干悩みながら書く人物なのです。

でも、個人的には、ポールに関してはポール・ブリッツさんに自由に書いていただきたいなあと思っているのです。だって、私は女ですからね。女視線で「こうなんじゃないかな」と思って男性を書くと、「ちょっと違うんだよな」と男性が思われる場合もあるじゃないですか。でも、それを修正して貰えるチャンスなんて、普通は皆無ですよ。だって、私の作品ですから。でも、この作品だけは違うんですね。

他のキャラもそうなんです。「ヨソの子」キャラは当然のこと、美穂に関しても、キャシーに関しても、他の方のフィルターを通して見える「ウチの子」って存在に、ものすごく興味があるのです。「ヨソの子」だからと遠慮してではなく、この作品に関しては「ウチの子」のつもりで修正したり、ぶり返したり、とんでもない落とし穴を作っていただいたり、実際の人生そのもののような、想像のつかないものにしていただけるといいなあ、なんて思っているのです。

というわけで、いつもの「先の先まで想定して妄想しておく」クセを封印して、この作品だけは出来るだけまっさら状態にしています。

そして、明日も「マンハッタンの日本人」シリーズですよ。(結局、宣伝か!)
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Comment

says...
私も純粋に二次創作ってやったことがないのです。登場人物に名前を借りたり、イメージを借りたりしたことはありますが、もとの作品の設定をそのまま使うことは、難しくてとてもできません。
私の友人が二次創作をしていますが、逆にその縛りが楽しいと言います。確かに、落語の三題噺みたいに、枠を作ることで、枠の中の最大限を楽しむ人もいるんだなぁと思いますし、そっちの方が得意だという方もいると思います。二次創作には二次創作のルールがあるんだろうし、それはそれでかなりハードルが高いですよね。
私は夕さんと同じで、二次創作は難しいというのか、自分に向かないなぁと思うのですけれど、まさにそれは「元の人物に申し訳ないよ~」って感じなのです。好きだから、そのままにしておきたいというのか、自分が書いてそれ以上の世界を作るのは難しいと思う、というのか。

さて、マンハッタンの日本人シリーズ。今のところ、皆さんの連係プレーをじんわり楽しませていただく、いわゆる店の客の一人状態を楽しませていただいております。でもこうしてみたら、それぞれ自分なりに話を進めたり、登場人物を盛り込んだり、あれこれ工夫があって、面白いですね。
いや、さっきの合作の話ですが、毎回友人からノートが戻ってきたら「えぇ~、そんな『実は○○だった!』ってのあり~??」って叫んでいたことを思いだします。突然誰かが死んでいたりして……予測不可能に対応する能力、昔はものすごく高かった気がする……
あ、『貴婦人の十字架』の縦書き、ありがとうございます。これ、ほんと、有難いです。やっぱまとめ読みだわ~と思いながら、味わっております(^^)
2015.01.27 15:34 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こちらにもありがとうございます。
めまいは軽くなられましたか。

そうそう、二次創作って、いじるのが畏れ多くなっちゃうんですよ。
といいつつ、コラボ系ではけっこうやっちゃってますが、毎回、「わ〜、ごめんなさい」と思って書いています。
で、自分で、自由に動かせる方が好き。樋水龍神縁起の世界とか、黄金の枷の世界とか、無茶苦茶やっても大丈夫なのって、オリジナルならではだなと思うのですよ。

「マンハッタンの日本人」シリーズ、ものすごく面白いのは、それぞれの方が動かしている所が微妙にはかすっているものの、それぞれが自由に展開しているのに、破綻せずに普通に行っちゃう所なんですよ。書いていて「え〜、これって○○さんの書いてくれた設定と矛盾しちゃう、どうしよう」みたいに慌てたことが皆無。これってすごいですよね。で、全員の文章スタイルも好みも全然違うんだけれど、なんとかなっちゃっている。とても不思議な世界です(人ごと……)

彩洋さんも、そういう合作をなさっていたというのが面白いです。わたしは小学校の頃、交換日記の代わりに友達と創作マンガを交互に書いていたのですが、毎回「いきなり、その展開ですか」な方向へいっちゃってぶっ飛んでいたのを思いだしました(笑)

あ、縦書きPDF、やっぱり悪くないですよね。もっとも突貫工事で作ったので、「縦中横」がおかしくなっていたり、妙な所を発見したらご指摘くださると嬉しいです。
PDFの方も、一年近くまともに作っていなかったので、今年のはじめにいろいろと作り直しました。需要がどのくらいあるかわからないですけれど。

コメントありがとうございました。
2015.01.27 21:16 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
ということで収束させてみました。収束させかたがさせかたなので、ものをぶつけられるかもしれん。あはは(^^;)
2015.01.28 05:52 | URL | #0MyT0dLg [edit]
says...
こんばんは。

なんて事するんですか!
もう。
頑張ります(笑)

コメントありがとうございました。
2015.01.28 20:29 | URL | #9yMhI49k [edit]

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