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【小説】One In A Million

Posted by 八少女 夕

scriviamo!


「scriviamo! 2015」の第七弾です。ポール・ブリッツさんは、「マンハッタンの日本人」を更に進めた作品を書いてくださいました。ありがとうございます。

ポール・ブリッツさんの書いてくださった『待つ男』
ポール・ブリッツさんの関連する小説: 
『歩く男』
『食べる男』
『夢を買う男』


ものすごい挑戦状をいただきました(笑)なんて暴球を投げてくるんだか。すでにポールさんの分をお読みになった方は、興味津々だと思います。

「マンハッタンの日本人」シリーズ、ポールさんのストーリーにあわせると、もしかすると今日が最終回になっちゃうんですが、そうなってもそうならなくてもいいようになっています。ポールさん、「ぬらりひょん」な返答でごめんなさい。

なお、この作品でもポールさんの書かれた内容をざっとおさらいはしてありますが、できれば先にポールさんの作品をお読みください。ポールのメール、この小説ではほんの一部を引用しただけです。とても哲学的でかつ甘い告白の全文は、ぜひあちらで。


【参考】
読まなくても話は通じるはずですが、まとめ読み出来るようにしてあります。
「マンハッタンの日本人」あらすじと登場人物
「マンハッタンの日本人」シリーズ

「scriviamo! 2015」について
「scriviamo! 2015」の作品を全部読む
「scriviamo! 2014」の作品を全部読む
「scriviamo! 2013」の作品を全部読む



「マンハッタンの日本人」シリーズ 9
One In A Million
——Special thanks to Paul Blitz-san


 今度こそ。キャシーは背中に力を込めた。このタイミング! でも、しっかりと踏ん張るはずの足が少しぐらついた。あ、高さが足りない。着地はなんとかなったものの、満足はいかなかった。

 もうそろそろウォールマン・リンクのスケート場シーズンはおしまい。日に日に春めいてきている。キャシーは、リハビリも兼ねてさっさとスケートを始めた。ジャンプが出来るようになっただけでも大した進歩だと思う。次のシーズンには、またダブル・サルコウが飛べるようになるといいな。

 しゃっと音をさせて、キャシーはベンチの方へ向かった。
「ね。ミホ、どうだった? 二回転にはならなかったけど、マシになった?」
美穂は、その声でようやくキャシーが近くに戻ってきたことに氣がついたようだった。

「あ~あ、まったく。またあいつのことを考えていたの?」
キャシーが言うと、美穂はあわてて首を振ったが、誤摩化しても無駄だと思ったのか、そのまま無言で下を向いた。

 キャシーはベンチにどかっと座ると、優しく美穂の顔を覗き込んだ。
「とんでもない騒ぎに巻き込まれちゃったよね。あの詩人が生きていたら、ミホになんてことをしてくれたんだって殴ってやりたいよ」
そういうと、美穂は顔を上げて、わずかに口角をあげた。
「キャシーだって、泣いていたじゃない」

 そうよ。不覚にもあの詩には、号泣しちゃったのよ。あんないい詩を書くもんだから、だから、あんなことになっちゃったんだわ。キャシーは腕を組んで口を尖らせた。

 ポールとその同居人がアップロードした、反戦詩の動画は、とんでもないセンセーションを引き起こした。亡くなった詩人が自分で読んだ分だけじゃなく、ポールに頼まれて美穂が朗読した分のせいで、彼女は一時的に有名人になってしまった。

 《Star’s Diner》にはマスコミや野次馬が押し掛けた。オーナーは大いに喜んで、従業員を増やした。しかしそれだけでは済まず、たいして時間もかからぬうちに美穂のアパートメントも見つかってしまった。ただの一般人だった美穂は、そうやって追いかけられることに本当に弱ってしまった。もちろん当事者のポールもそのまま《Star’s Diner》で働けるような状況ではなく、マスコミやの大金のなる木を狙うハイエナのような連中が追いかけてこないホテルに逃げ込んだ。

 それから、ポールとその同居人のイヴォは、秘かに詩の著作権を売却して、そのほとんどを反戦運動基金管理団体へと寄付し、残りの一部を持ってそれぞれニューヨークから去った。美穂は、ポールからメールをもらった。

……そしてわたしだが、あの店長のいとこがサンフランシスコで店を開こうとしているとかで、優秀な経営パートナーを欲しがっているそうだ。
きみも来ないか。

……三日後、グレイハウンドの最終バスでサンフランシスコに向かおうと思う。
そこで、きみと思い切り話し合いたいんだ。
今までのことと、これからのことを。
バス停で待っている


 プリントアウトしたメールは、今でも鞄に入っている。何度も、何度も読んだので、ボロボロになっている。一緒に働いた数ヶ月のこと、理不尽さや不公平に落ち込んでいた時に明るく救い上げてくれたこと、ブラウン・ポテトをつまみ食いする時の楽しそうな様子、動画を録画する時に真剣な目で見つめていたこと、今でも鮮やかに思いだす。

 前のように失敗することが嫌で、拒否されることが怖くて、好きだとついに言えなかった。でも、「一緒に行こう」と言ってくれた。返事は決まっていた。美穂はサンフランシスコに、ポールについて行くつもりだった。

 でも、夜逃げの経験なんかなかったから、三日できちんと退職と引越の全てを準備することがどんなに難しいかわからなかった。それに、アパートメントの外には例によって、怪しい人やマスコミがいっぱいだった。美穂は、ポールと話をするためだけにバス停に行こうとした。でも、出るのが遅すぎたのだ。いなくなったと思っていたおかしな人たちは、まだ何人も外にいた。美穂よりもポールやイヴォを探しているのがわかっていたから、連れて行くわけにはいかなかった。彼らを巻こうとして時間がかかりすぎた。

 バス停には、もう誰もいなかった。バスも一台もいなくて、人っ子一人いなかった。

 メロドラマだと、こういう時には、物陰から「バスには乗らなかったんだ」と恋人が出てくるのが定石なんだけれどな……。でも、ポールは行ってしまったのだ。美穂に拒否されたと思って、一人でニューヨークから、美穂の前から去ってしまったのだ。それでも彼女はまだその時には楽天的だった。連絡をすればいいと思っていたから。

 ポールのメールアカウントはあのメールを最後に削除されていた。追いかけてくる人間から痕跡を消したかったんだろう。携帯の電話番号もなくなっていた。ポールをサンフランシスコに誘った前店長の連絡先すら誰も知らなかった。連絡をする手段が何もないとわかった時、はじめて美穂は泣いた。

 それから、美穂の生活は少しだけ変わった。辞めたポールの代わりに《Star's Diner》の店長代理に立候補したのはジョニーだった。彼の料理に問題があることは、周知の事実になっていたので、オーナーはそれをあっさりと認めて、《Cherry & Cherry》の料理担当だったジョンを《Star's Diner》へと異動させた。その代わりに美穂を《Cherry & Cherry》へ異動させ、客から見えないの軽食調理担当にしてくれた。キャシーはそれをとても喜んだ。美穂とキャシーは二人で工夫を重ね、《Cherry & Cherry》を少しずつ居心地のいい店にしていった。

 それに、アパートメントを出ることになっていて行くあてのなかった美穂にキャシーはこう言ったのだ。
「私とルームシェアしよう! 私も足が元通りになるまで、誰かが一緒に暮らしてくれた方がいいし、ミホとなら問題なく暮らせると思うもの」

 新しい職場、新しい住まい、日常が始まった。それにあの詩が、超大物シンガーによって歌われて空前のヒットとなると、美穂を患わせていたしつこい人びとは波が引くように消えて行った。彼女は再び何でもないどこにでもいる日本人となり、平和な日常が戻ってきた。

 キャシーはスケート靴を脱ぎながら、ここ数ヶ月いつもかけてくれた明るい励ましを続ける。
「氣持ちはわかるけど、そんな悲しそうなミホを見ていたくないな」

 美穂は黙って頷いた。キャシーの優しさが心にしみ込んでくる。涙が止まらない。

 もうどうにもならないのだということはわかっている。今まで連絡がないのに、これからあるはずはないだろう。ポールの瞳と、それにメールではじめて教えてくれた彼の想いは、いつまでも美穂の心から出て行ってくれなかった。

 美穂はいつだったか五番街の真ん中で泣きたくなったことを思いだした。ラジオから流れてきたNe-Yoの“One In A Million”。世界中の人に愛されたいなんて願っていない。だけど、だけどせめて一人くらいは言ってほしい。君は百万人の中でたった一人の大切な人だと。そして、美穂はそういってくれる人に出会って、彼を愛したのだ。とても短かったけれど。自分の想いすら告げなかったけれど。

……きみはいつまでも、マンハッタンの日本人でいたいのか。この、非人間的なマンハッタンの、孤独な日本人でいることに満足していたいのか。


 思っていないよ。マンハッタンにこだわっているわけじゃない。でも、私はどこにも行けない。サンフランシスコ中を歩いても、あなたを見つけられるわけじゃないでしょう。もう、待っても無駄だってわかっている。忘れて生きていかなくちゃ。仕事と住むところがあるここで。たまたまマンハッタンで。

「ねえ、ミホ。あいつの代わりにはならないと思うけれど」
キャシーが、美穂の肩を優しく抱いて言葉を続けた。
「いつか美穂と私で、小さいお店をやろうよ。いつまでもあのケチオーナーに搾取されるんじゃなくってさ」

「キャシーったら。そういう夢は彼氏と語るものでしょ」
「見損なわないでよ。私、彼氏を作ってミホの側でいちゃいちゃしたりしないよ。……少なくともあいつが戻ってくるか、それともミホに新しい彼が出来るまで」
「やだ、じゃあ、私、猛スピードで新しい彼を作らないといけないじゃない」
「そうだよ。その調子」

 美穂は鞄からハンカチを取り出した。鞄が膝の上にずっと置かれていたせいか、彼のメールを印刷した紙は温かくなっていた。逢いたいよ。日本語で呟いた。

 鞄を閉めると、涙を拭ってウォールマン・リンクを眺めた。楽しそうな家族が一緒に滑っている。恋人に滑り方を習っている女性もいる。キャシーの褐色の肌は、綺麗に輝いている。陽射しは柔らかくて暖かい。冬は終わりに近づいて、もうじき春が来る。美穂は、明日も頑張って働こうと思った。

(初出:2015年1月 書き下ろし)

追記


そういうわけで、話は「ふりだし」に戻りました。ポールが迎えにくるもよし、他のキャラが現れるもよし、美穂がもっと強くなるのもよし、このままずっと同じ繰り返しをするもよし。後からどの設定が投入されても、それどころか、このまま終わってもいいようになっています。(要するに人まかせ?)

美穂の独白じゃありませんが、私も「マンハッタン」にこだわっているわけではありません。バスに間に合わせなかったのは、マンハッタンにいさせるためではないです。カリフォルニアだろうと、アラスカだろうと、「日本の日本人(これは……)」だろうが、なんでもいいのです。

でも、この流れであっさり数百字でハッピーエンドはないでしょう? 読者のみなさんも期待していないでしょう? 「恋愛モノはこじれてナンボ」ですよね? (そんなの私だけ?)

さて、この作品の中に出てくるNe-Yoによるヒット曲 “One In A Million” です。「マンハッタンの日本人」シリーズの第一作目につけたのと同じ動画をくっつけておきます。
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comment

says... ""
いや「店主のいとこ」が立ち上げた店なんだから、店主に聞けば場所と名前くらい教えてくれると思うんですが……なにせ「わたし」も「店主」からいとこの名前と店の住所とを教えてもらってグレイハウンドバスに飛び乗ってしまったわけですし。

「いささかの金銭」はできていたんだから古い表現ですけど身ひとつででも来てほしかったんでしょうねえ。

それにメールを送ったんだから「返信」ボタンを押せばいつでも連絡できたような。

たぶん「わたし」はサンフランシスコで「ふられた……おれはふられた……絶望だ……ウドのコーヒーは苦い(←なんじゃそりゃ)」とか思っていることでしょう。どこまでもマゾヒスティックな語り手ですな、「わたし」。

いちおう、わたしが書ける「わたし」の話は、あれで終わりです。「わたし」の人生の続きが書きたいかたはどなたでもどうぞ。


といいつつ、誰もが忘れかけていたころにひょっこり復活させるかもしれん。ゲリラ戦では敵の予想外の行動を取り続けるのが最も肝要である。(だからゲリラ戦じゃないし(^^;))
2015.01.31 14:55[edit]
says... ">>ポール・ブリッツさん"
こんにちは。

えっ。
店主(オーナー)のつもりでした?
店長ってメールに書いてあったじゃないですか。
オーナーと店長(引き抜かれて消えた人)、分けていたんで。

でも、もう書き直せないからいいや。
返信できなかった理由は、わざわざ「作った」じゃないですか(笑)
そもそも返信できていたら、ポールだってバス停でどうなるかわからずに待っているわけないし。

あ、ポールがこの後どうするかについては、私からは書きませんよ〜。
でも、誰か(他の書き手さん)がアクションを起こしたら、その続きは書きますけれど。
ただの長期戦にしてもよかったんだけれど、むしろポール・ブリッツさんがこの泥沼から退場したかったんじゃないかなぁと思って。
ゲリラ戦も、もちろん大歓迎です。
私はどっちでもいいけれど、美穂は待っていると思うし。(うちのキャラ、しつこい女が多いんだ)
それに、また他のキャラを動かしてもいいんですよ? さすがに二度はポールとは名付けませんし。

すごい作品で盛り上げていただき、また、コメントもいただきありがとうございました。
2015.01.31 15:09[edit]
says... ""
更新、お疲れ様でした。

あのすごい球を、うまく打ち返しましたね。さすがです。
美穂が西海岸に行ってしまったらどうしようかと内心ハラハラしましたが、落ち着くべきところに落ち着いて一安心しました。
やはり美穂はその気になっていたんですね。いじらしいというか、可愛らしいです。
美穂とキャシー、いい感じになりましたね。いっそのこと、もう男なんてこりごりだからって禁断の関係に発展とかは……ないですよね(自粛)
そっか~、美穂は「ここじゃなくてもいいけど、とりあえずここで」っていう心境になったんですね。
こだわりがなくなって、美穂自身は自由になって良かったねと言うべきなんでしょうけど、絡む方としては、こだわりとか屈託があったほうが、扱いやすいんですよね。

と言いつつ、八少女夕さんには申し訳ないのですが、またヘンな話を書いてしまいました。私のも相当な悪球ですが、お世話になりますのでよろしくお願いしますね。
2015.01.31 16:42[edit]
says... ">>TOM-Fさん"
こんばんは。

美穂は西海岸に行く氣満々だったのですが、私が許さなかったという……(笑)
いや、あっさり成就させてもよかったんですが、恋愛って成就なり失恋なりの過程こそが物語としての醍醐味じゃないですか。
(それは、わたしだけ?)
美穂の側の努力も苦悩もなく「プロポーズ来たぞ」で、「渡りに船」は、あまりにも唐突すぎるかなと思って。

ポール・ブリッツさんが美穂とポールをというご希望をはっきりとコメ欄で書かれたのは今年に入ってからですが、実は、私の方ではかなり前からそうなってもいいような伏線を繰り返し書いてきていましたので、恋に落っこちることには何の抵抗もなかったんですけれどね。

でも、この幕引きでポールの線を消したわけでもないですし、ポール一筋と決まったわけでもないです。
っていうか、私にはわからないです、この作品だけは。普通の人生と同じですね。

> そっか~、美穂は「ここじゃなくてもいいけど、とりあえずここで」っていう心境になったんですね。
> こだわりがなくなって、美穂自身は自由になって良かったねと言うべきなんでしょうけど、絡む方としては、こだわりとか屈託があったほうが、扱いやすいんですよね。

ここ、ポイントなんですが、実はこの人、既に第一話で「マンハッタンへのこだわり」は捨てているんですよ。なのになぜまだこんな所でグスグズしているかというと、単純に出て行く(もしくは成功していく)お金とバイタリティに欠けているんです。ポールがさっさとステップアップできることや、綾乃が必要なことを吸収してどんどん次へと進めるのと対照的に扱っているんですが、要するに、この人、ニューヨークに来るだけで精一杯で、そこから次へ上がっていけるほどのパワーがないんですね。

他のお話では、ダメな子に見えても実は天賦の才があってそれが花ひらくとか、もしくは白馬に乗った王子様が登場して都合良く引き上げてくれたりしますが、その辺の才能も運もない弱い人間、かといって努力もしていないわけじゃないし、無下に扱われているわけでもない、実際にありそうな底辺の世界の一人を書いているつもりなのです。

というわけで、現在の状況は、本当に第一話の状況に戻ったのと変わりないのですね。ただ、大きく変わっているのは、マイクとポールが全然違っていたこと、それにおっしゃるように頼れるキャシーの存在ですかね。美穂とキャシーが……。という線はまだ考えていませんでしたが、キャシーが実は……は、ちらっと考えました(笑)あ、考えただけですから!(なぜに言い訳しているんだか)

そして、え、TOM-Fさんも、手加減なしなんですか? ドキドキ。
楽しみにしています。
2015.01.31 17:18[edit]
says... "そーか^^"
ああ~、なんだか夕さんらしい切り替えしで、ものすごく納得しました。
恋愛ものをほとんど読まない私は、ああ、美穂は行っちゃうんだな。
マンハッタンにさよならするんだな、ちくしょう(w)なんて思ってたんだけど。
そうか、こういうラストの方が断然味わい深い。
そもそも、これは恋物語というより美穂という人間のドラマだったんですもんね。
恋心を抱いた人に、救い出してもらいました、って感じのラストでは、やっぱりちょっと読者は寂しいかも。
ポール視点のドラマならば、美穂が現れたほうが、温かいラストなんでしょうが。
(いや、出来過ぎたドラマは、昨今でははやらないか)

「恋愛モノはこじれてナンボ」。うん、これ、納得。
紆余曲折あって、また最初にもどっていくループ。こういうの、好きです。



2015.01.31 18:00[edit]
says... ">>limeさん"
こんばんは。

ポール・ブリッツさんにあの球を投げられたとき、とっても困ったんですよ。
私の中では、美穂は既に恋に落っこちていましたから、なんらかの理由をこじつけて「バス停で振る」という選択は皆無でした。
むしろ彼女はしっぽ振ってついていきたかったでしょう。
(limeさんや彩洋さんとは別の意味で、「ウチの子」にSなのか、私?)

「恋愛モノはこじれてナンボ」に一票、ありがとうございます。

TOM-Fさんへのコメ返でも語った内容とも重なるんですが、私は「恋愛ものを書くなら苦悩を書かないと意味がない」と思っているんですよ。マイアがいつまでもグルグルしていたり、ヴィルが黙って悩んでいたりしたのも、そこから出発しているんですよね。たぶん読者も、その苦悩につき合ううちに共感や応援の氣持ちが生まれるように思うんです。今回の場合、美穂自身が何もしないうちに告白されて「はい」とついていくのって、あまりにも読者を置いてけぼりじゃないですか。でも、この場合はすでに両想いだから、苦悩させるにはこれしかなかったわけです。

> ポール視点のドラマならば、美穂が現れたほうが、温かいラストなんでしょうが。
> (いや、出来過ぎたドラマは、昨今でははやらないか)

どうでしょう。彼が苦悩を経験して、誰か他の人間に出会うか、もしくはもう一度美穂に出会ったら、それはそれでハートフルなハッピーエンドが書けるような氣がします。「雨降って地固まる」って感じですか?

また「ふりだし」ですので、どうぞまた応援のほど、よろしくお願いいたします。

コメントありがとうございました。
2015.01.31 18:32[edit]
says... ""
ああ…BADEND(?)ですか…
そのほうが美穂さんらしいですけれど…
薄暗い雰囲気にはピッタリな終わり(?)に思いました

こういうとき、いろいろ考えてもたもたしてると
チャンスを逃してしまうんでしょうか?
この後まただめんずに捕まらないことを願うばかりです
2015.02.01 03:12[edit]
says... ">>ダメ子さん"
こんにちは。

そうですね。作品の色からすると、いきなりあそこでハッピーエンドは唐突です。
でも、結論はまだでていないかも。

どうでしょう。
モタモタしているのもダメですが、結論を急ぎすぎるのもチャンスを逃すと思います。
お互いに何の擦り合わせもないのに、突然決断を迫るのはドラマや小説では「あり」ですが、現実には上手くいかない方が多いかと。仕事もそうですが、恋愛も根回しが重要だと思います。

まただめんずですか。
勘弁してくださいと美穂は言っています。
もっとも、フラレてダメになったわけではないと思っているので、このままでは次のチャンスが目の前に転がっても、拾い損ねるような……。このままでは生涯お一人さまかもなあと思っています。
(暗っ!)

コメントありがとうございました。
2015.02.01 10:08[edit]
says... "こんばんは。"
夕さんらしい感じがしました。
物陰から「バスには乗らなかったんだ」とポールが出てくるもんだと思って読んでいましたので、あれま!でもやっぱり・・・という感じです。
「サンフランシスコの日本人」になっちゃうのかなぁ・・・とすこし心配していましたから、まだマンハッタンが続くのかな、と安心したりもしました。
それほどポールさん(ブリッツさんの方)の魔球(ビーンボールともいう)は衝撃的でしたね。
でも、ほんと美穂らしいです。ちゃんと立つ鳥跡を濁さず。を実践しようとして愛する人(ほんとに?)との待ち合わせに間に合わないなんて。
でも美穂とキャシーと、2人の仕事や生活、そして夢の話は美穂の新しい出発をイメージさせて、まだまだこの物語が続いていきそうな予感を感じさせます。
美穂も超有名になったみたいですし。これ、設定としても面白く使えるかもしれないですね。
が・・・展開は全く読めません。面白かったです。
続くのか!?
2015.02.05 12:32[edit]
says... ">>サキさん"
こんにちは。

普通のハッピーエンドにするって選択も考えたんですが。
何もかも唐突な感じがして書けなかったのです。
恋愛の過程もなければ、巻き込まれた騒ぎも初めてで、字数的に読者(自分も)納得させる移住付きハッピーエンドは難しいと判断しました。
だから、再トライの余地を残しながら一旦ストップさせちゃいました。

この先は、あってもなくてもいいように書きました。正直言って、この後書いてくれる人がいないかもと思っていたのですが、TOM-Fさんがまた参戦してくださるみたいです。
そっちも魔球と言われていて、ドキドキしました待っています。

美穂だけだとトーンが暗いのですが、キャシーもいることですし、また読んでいただけると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2015.02.05 14:53[edit]
says... ""
でも、やっぱりほっとしました……いや、マンハッタンに拘っているわけじゃないってのは分かっているのですけれど、何となく、この物語のイメージ画が、サンフランシスコのイメージじゃないなぁと。マンハッタンだから、何となく美穂の「抜け出すだけのパワーがない」感が出ている気がしていたのですね。
サンフランシスコに行ってももちろん異邦人としての大変さは変わらないとは思うけれど、それでもなんだか「抜け出してしまった感」が出てしまうというのか。
読者もSなのですよ。いつまでも「抜出せないでうだうだしていて欲しい」という気持ちが渦巻いていまして……^^;
そう、それに恋愛もね、そう簡単には行かないぞってのが大事ですよね。いや、私が恋愛ものを書くと、比較的ハピエンになるのですが、簡単には引っ付けたくないってのはよく分かります。そこに切なさが出るからいいんですよね~。距離感とか離反とか、その隙間にドラマが生まれるのですから。美穂とポール、くっついてもいいし、このままでもいいし、でも目の前からいなくなったポールに対して美穂は結局うだうだのままで、だからいいのかなぁと。
でも、だめんずでも、キャシーと一緒にいたら何かが始まるような気がする。すごくない二人が一緒にいることですごくなくてもいいからちょっとだけ前を向ける、それだけでいいんですよね。別にキャシーと美穂じゃなくてもいいのだけれど……
えっと、何が書きたいのか分からなくなっちゃった。つまり、読んでる方もぐるぐる状態なんですね(>_<)
2015.02.05 17:10[edit]
says... ">>彩洋さん"
おはようございます。
いつもの小説だと、書く時に読者がどう思うかはほとんど考えないのです。引かれるかなぐらいは思うけれど、それで書こうとする方向を変えたりはしません。

でも、これだけは、なんていうんだろう、その自由さがないみたい。私一人の話じゃないように感じています。

元々、告白されて即ハッピーエンドもかけませんが、なんだろう、ウゾさんワールドとTOMーFさんワールド、そして彩洋さんがおっしゃるとおり、このやりとりをそれぞれ楽しんでいる読者の中の世界もあるのに、置いてけぼりで即移住も馴染まないと。

移住にしろ、恋愛にしろ、私は過程が重要だと思います。そして、過程を書くことで、読者も自分の予想とのズレを微妙に修正して、最終決断に納得するんじゃないかなあ。

美穂が鬱々したタイプで、このストーリーがパワーに欠けている事に読者は慣れているのですよね。それは死守したかったのです。

幸せにはしたいと思いますが、こういう流れではない、みたいな。もっと三寒四温な感じで。

キャシーは、相棒としては悪くないかな。いい女友達は大事ですから。

先は未だ見えませんが、ともあれ、今はTOMーFさん待ちです。

これからも応援していただけると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2015.02.06 09:10[edit]

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