fc2ブログ

scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

クリスマスの思い出

ものすごく久しぶりなんですが、トラックバックテーマ、やってみようと思います。テーマは「子供のころのクリスマスの思い出は?」です。

村のクリスマスツリー

サンタクロースがプレゼントを持ってくるのを期待して寝ていた話は、私にもあるのですが、いま特に思い出すのは別のことです。小学生だった頃でしょうか。私は、一応カトリック教徒の家庭で育ったので、メインはサンタクロースではありませんでした。

クリスマスの前夜は、ミサに行きました。救い主であるナザレのイエスの誕生は深夜と新約聖書にあるので、真夜中のミサもあるのですが、子供を連れての深夜は難しいだろうということで、夜七時くらいのミサに連れていかれたのだと思います。

父母と一つ違いの姉との四人で、教会に向かいました。普段はいつも姉のお下がりを着させられていたのですが、この時のコートは姉と色違いのお揃い。新品のよそ行きコートは、私にはとても特別感がありました。父に厳しくしつけられたので、私は三歳児の頃からミサの間中、ぐずったりせずにじっとしていることができたのですが、この時はもっと大きくなっているので、一時間くらいは問題なくちゃんとしていられたと思います。

今と違って、当時は信者は頭に白いヴェールを掛けているのが普通で、小さな手を合わせて祈っていた記憶もあります。普段はあまり埋まらない教会も、クリスマスには満杯になるのはいつの時代でも同じですが、そうであってもエアコンなどのなかった当時は、冷え込んで歌うと息が白くなりました。

大きなクリスマスツリーには飾り玉や天使などが飾られていて、何もかも荘厳で清らかでした。

あの時には、世の中の不景氣も、不正も、不平等も、宗教法人をめぐるスキャンダルも、家庭内の不和も、鬱屈した社会も、ほとんど認識していませんでした。クラスの友だちと上手くいかないことや、あまり器用でない自分の事は問題でしたが、そんなことはクリスマスの荘厳なミサの前では些細なことで、あの神聖な時間と空間が誰にでも訪れているのだと信じていました。

当時、今の私よりも若かった両親はともにもうこの世にはいなくて、私を暖かく包んだお下がりでないコートも、天をつくばかりだった大きなもみの木も、すべてが存在しなくなっています。

同時に、教会の正しさと一致を信じ、純粋に救世主の誕生を祝って声の限に歌っていた清らかな少女も、どこかに消えてしまいました。

暗闇の中に大きなトウヒが、金色の電球と白い雪による反射で幻想的に浮かび上がるのを見ながら、異国の地で私はあの頃のことをよく考えます。季節はまためぐってきました。

もう戻ってこない人や物に対する郷愁はどうしようもありませんが、せめてこの地球に存在する全ての生命にとって、平和で希望に満ちた冬至(場所によっては夏至)であるように、祈っています。

こんにちは!FC2トラックバックテーマ担当の若槻です今日のテーマは「子供のころのクリスマスの思い出は?」です街中クリスマスムードで一色ですねイルミネーションを見ているととても癒されますところでみなさんは、子供のころのクリスマスの思い出はありますか?若槻はクリスマスの朝起きると、枕元に子供向けビデオがプレゼントとして置いてあったのですが「980円」の蛍光ピンクのシールが貼ってありました母の顔を見上げ...
FC2 トラックバックテーマ:「子供のころのクリスマスの思い出は?」


関連記事 (Category: トラックバックテーマ)
  0 trackback
Category : トラックバックテーマ

Comment

says...
小さいころのクリスマスの思い出と言えば、まだ土間だった玄関の暗闇に浮かび上がるクリスマスツリーです。赤と青と緑の豆電球が点滅してキラキラしてまして、なんとも不思議な空間の出来上がり。まだバタークリームが主体だった「まずい」クリスマスケーキを、それでも口いっぱいにほおばった家族団らんですな。今?はい今昔物語ですよ。
2019.12.22 07:59 | URL | #eRuZ.D2c [edit]
says...
こんばんは。

おお、ご自宅にちゃんとしたクリスマスツリーを飾られていたのですね。土間にツリーは、日本ならではの光景ですね。

バタークリーム、結構好きでしたが、今から思うとカロリーがすごいことになっていそうです。
でも、きっとご家族で楽しく迎えられたから、いい思い出になったのですよね。

我が家のクリスマスは今年は何もかも省略で終わりそうです。

コメントありがとうございました。
2019.12.22 21:26 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
高校がミッションスクールだったので、イブの夜に学校に行き、キャンドルサービスをして聖歌を歌ったことがあります。
ロウソクを一本用意するようにいわれました。ロウが垂れないように、手元をアルミホイルで工夫したのを思い出しました、ビビリなので、ちょっと大きくし過ぎたかも。
堂々と夜にお出かけできたのが、面白かったです。

PS. バターケーキは、自分で作るくらいに好きです♪
2019.12.23 09:57 | URL | #em2m5CsA [edit]
says...
子どもの頃はクリスマスツリーを飾っていましたけどね。。。
今は飾ってないですね。。。
まあ、仕方ないのですが。。。
仕事が忙しいですし、
真面目にクリスマスを祝える年齢でもなくなりましたからね。

学生時代は、
キリスト教のクリスマス会に参加してましたけど。
仕事を始めてからは行けなくなりましたね。。。
大人になると、色々な事情でクリスマスを祝えないのは世界共通ですかね。。。
( 一一)
2019.12.23 11:50 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

おお、しのぶもじずりさんもキリスト教系の学校でいらしたのですね。
キャンドルサービスの神聖で非日常的な感じ、とてもよくわかります。
それに慣れていないと火は少し怖いですよね。

冬の夜のキーンとした寒さは、夏の夜のお出かけとまた違った趣がありますよね。

お、バターケーキ大好き派でいらっしゃいましたか。
一切れだとすごく幸せです。あまり多いと食べられない年齢になってしまいました(笑)

コメントありがとうございました。
2019.12.23 23:16 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

そうですね。クリスマスの時期は年末と重なるので、仕事だとか大掃除だとかいろいろと心にかかることも多いのですよね。
神聖なクリスマスを祝うそんな心持ちになるのは、もしかしたら定年後なのかも。
あと、ワムやマライア・キャリーのクリスマスソングにうんざりする、なんてのもありますしね。

蓮さんもキリスト教のクリスマス会に参加なさっていらしたのですか!
リアルの知り合いだと滅多に知り合うことがないのですけれど、ネットのお知り合いのキリスト教系関係者率、めちゃくちゃ高くてびっくりです。

素敵なクリスマスになりますように。
コメントありがとうございました。
2019.12.23 23:20 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
なんだか物悲しいです><
汚れちまった悲しみに…
私は小さい頃は日本に讃美歌を歌ってる人がいるなんて
思いもしなかったです
2019.12.24 14:20 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

そうなんですよ。「天国は幼子のようでないと入れない」と言いますけれど、正にその通りだなと。

私が思っていたよりも讃美歌やキャンドルのクリスマスを送っていた方、多かったみたいでびっくりです。

コメントありがとうございました。
2019.12.25 00:32 | URL | #9yMhI49k [edit]

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:https://yaotomeyu.blog.fc2.com/tb.php/1763-3dbb065c