【小説】明日の故郷 - 反省
「第三回目となった短編小説書いてみよう会」の感想提出期限となり、一応、B組全員から、またA組からも二名感想をいただきましたので、とりあえず義務としての感想の書き込みは一段落したと判断しました。みなさんからのありがたいご指摘をもとに反省と今後の創作に関しての課題を整理してみたいと思います。
まずは、予想していたよりもずっといい評価をいただけたことに御礼申し上げます。もちろん、みなさんが手加減して書いてくださったことは百も承知ですが、少なくとも、ブログを始める前に怖れていた事態には陥らなかったということで、ほっとしました。何十年ものあいだ、小説を書くことそのものに対して「読む氣にもならない」「悪い事を言わないから、やめろ」といわれるのが怖くてずっと隠してきたのです。けれど、自分一人で向上するにはもはや限度だと判断して、一か八かで公表に踏み切ったのですが、今のところ続けていても大丈夫だということですよね。ほっとしました。こうなったら、前進するのみです。
さて、「明日の故郷」についてですが、基本的文章の組み立て・日本語の文法問題などは、とりあえずこのままでいいということのようなので、皆さんからのご指摘のあったそれ以外の部分について考察してみたいと思います。
まずは「短編向きでない」という点。
つまり文字数に対して内容が多すぎるということですよね。これは、皆さんがおっしゃる通りです。同じ題材でもう少し短く切り出すとなるとどこにするか、それを考えると「ビブラクテの戦いに敗れて帰ってくる所」しかないと思うのですが、「家の焼かれるシーン」「新しい村を夢想するシーン」を回想で入れることになり、抜かせるのは戦争シーンだけになります。そうすると、普通の日本人には馴染みのない史実だけに前後関係がわかりにくくなり、全体として訳が分からなくなる。結局、まともにするには5万字程度の中編に組み立て直すしかなくなります。つまり、この企画に提出することが出来なくてアウト、ですよね。
もともとの構想では「往き」「戦争」「帰り」の三部に別れた一万五千字ギリギリのものにするつもりでした。「戦争」だけで五千字書くのは私の知識と「流血自重ルール」からいくと無理だと判断したので、二部構成にして戦争を前半と後半にぶち込んだのですが、それが特に後半を圧迫しました。さらに、最初の設定ではアレシアは「叔父さま」に熱を上げて、ボイオリクスを邪険に扱うはずだったのですが、それまで入れると愛する人の死から二行で立ち直ることになり、甥の方に心が向くまでも数百字と、かなりの尻軽女になってしまうので、その設定は却下しました。父親が戦士になれなかった鬱屈、母親との思い出も全て削ぎ取って、あの形での完成を見たわけですが、それでも詰め込み過ぎということは、完全に短編向きではなかったということになります。次回は、もう少し短く完結する題材を選ぶべきですね。
次に「説明っぽい所が多い」というご指摘。
自分では氣がついていませんでしたが、これもご指摘の通りです。他の方の作品を通読してようやくわかったのですが、私にはプログラマーとしての職業病があって、それが小説にも及んでいました。つまり「将来おこるかもしれないバグ(小説でいえば誤解・読み違い)を予想して、それがおこらないようにケースごとに予防線を張る」癖です。小説としては説明として書くのではなく、状況を具体的に書いて、読み手に想像させる余地を残した方がスマートなのですが、それがあまり出来ていなかったということです。これは次回への大きな課題になります。
たった一つの小説を書くだけで、これほど勉強させていただいたことはありません。これはひとえに主宰の自分自身さんが設定して下さった「感想には悪い所も書く」という、参加者には心苦しいルール(そうでなかったら、普段お世話になっているブログ主さんに悪い所はどうしても言いにくいですよね)のおかげだと思います。これに味をしめて、次回以降もスキルアップのために活用させていただこうと、いまから楽しみにしています。自分自身さん、参加者の皆様、そして貴重な感想をお寄せいただいたみなさま、本当にありがとうございました。
今日は……
で、今日で五月も終わり。つまり、「第三回目となった短編小説書いてみよう会」の投稿締め切り日でもあるのです。私はとっくに投稿してしまったので、リラックスしまくっていましたが、まだ終わっていません。
投稿したらおしまいではなくて、参加作品の感想を書くって義務もあるんですね。それの締め切りは6月10日。書こうにも作品が投稿されなきゃ書けないもん、と思っていたら、実は私のグループの方の作品はほとんど出揃っているんですね。もう一つのグループも、お一方出ているんで、書こうと思えば書けるんですが。
でも、書くの躊躇してます。だって褒めるだけなら喜んで書くけれど、「いい所」と「悪い所」を書くってルールがあるんですよ。自分の小説だって至らない所がいっぱいあるのに、人の「悪い所」ですか……。う〜む、困ったな。誰か先に書いてくれないかな、そう思ってキョロキョロしております。
でもね、私の所は、本当にこてんぱんに書いて下さっていいんですよ。私は勉強のつもりで参加したんで。どうぞよろしく。
ちょっとした誤算
私はFC2小説の方にも、このブログで発表した小説をアップしていて、基本的にほぼ時間差ぐらいのちょっと前にアップするのです。ところが今度の11日はブログの更新をする時間もなくて、当然FC2小説の更新が出来るはずもないので、早めに用意しておいて11日にiPhoneからの操作で公開すればいいやと思っていたわけです。
ところがついうっかり公開にチェック入ったまま…。
「あれ? ま、いっか、どうせ一人か二人ぐらいしか閲覧しないだろうし」と軽く考えたのが間違いのもとでした。なんと24時間以内に42人もの方に閲覧していただいてしまい、レビューまでいただいてしまいました! ありがとう。
しかし、こうなるとまずいのは、主宰の自分自身さんにも報告していないのに〜、という義理の立たない状態。こんなことが三日以上続くのはよろしくないので、急遽公開を早めることにしたのでした。

写真はSeasons 2012 Springに掲載してもらったものです。
進捗状況
『第三回となった短編小説書いてみよう会』は、ルールがあり、それはもちろん実に常識的で理にかなったものなのですが、私のように単に書き散らしてきた人間は、そのあたりまえのことが出来ていなくて、あたふたしてしまうのです。
まず期日が決まっていること。これはなんとかなりそうです。締め切りは五月末ですが、今のところ第一稿の七割くらいまで来ているので、かなり大幅に手を入れても落とすことはなさそう。
もちろん問題は「何を提出するか」という方なんです。テーマの「町(または村)」に前半はともかく後半は上手く落ち着きそうなので少なくとも「やり直し」を命じられることはなさそう。こてんぱんに批評されるのはもとより覚悟の上での参加だからいいとしましょう。
で、字数制限。15,000文字までというルールがありまして、短編小説なんだから随分と緩く設定していただいた制限だと思うのですが、それでも「起承転結」「説明」「自分らしさ」を出すのに四苦八苦中です。今のところ10,000字で完結させるのを目標に書いています。ちょっと無理かなとも思うのですが。
内容は「二次創作も可」にひっかかるのか微妙なところですね。物語やアニメの二次創作ではないのですが、一応歴史ものでして、過去に実際に起こったことを追う形で書いています。史実だから曲げられないところと、読み手に冗長と思われないようにするところと、バランスをとらなくちゃなと思っています。
なんて書いていますが、実際に読んだらがっかりするようなものになっちゃうかも。ま、あと少し踏ん張ってみます。
『第3回目となった短編小説書いてみよう会』参加中
お題は「町(村でも可)」。
参加者と作品へのリンク
作品: | 夢ミ村 | ||
紫木 凛音さん | 作品: | 夜見祭 | |
栗栖 紗那さん | 作品: | 工房の町エリーテ 前編 中編 後編 | |
鳥居 波浪さん | 作品: | 不思議な町 ~路端の小さな物語~ | |
のりまきさん | 作品: | 町並み | |
ウゾさん | 作品: | 俺達に赦されし地 赦されし永遠 前編 中編 後編 | |
山西 左紀さん | 作品: | 2 5 4 前編 後編 | |
← ここをクリックすると、前書き・本編・後書きの順に表示されます。 |
【日程】
募集期間 4/20 ~ 5/20
グループ分け発表 5/21
作品提出締め切り 5/31
感想提出締め切り 6/10
参加者リンク貼り付け終了・第3回終了 6/30