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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012

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Posted by 八少女 夕

休暇中です

現在、夏の休暇中。仕事は忘れてのんびりと楽しんでいます。

ゴッタールドにて

以前だったら、休暇といえば、泊まりがけで遠くへ出かけていましたが、猫が我が家に来てからは出かけても日帰りです。

それは今回の休暇も同じで、無理のない範囲であちらこちらの峠越えをしました。上の写真は、ゴッタールド峠からティツィーノ州に降りていく途中の光景です。

この夏のスイス、一度ものすごく寒くなったりもしたのですが、幸い休暇の第1週は暑すぎるほどの夏日より。バイクの風に吹かれるのは最高の過ごし方でしたね。

国境にて

家からさほど遠くないところでも、普段はあまり行かないところにも足を伸ばしました。たとえば、我が家から30分ほどのヴァル・デ・レイはイタリアなんですが、公道ではスイスからしか到達できない行き止まりにあります。ここはダムなのですが、安全保障の観点からダムの壁の立っている土地だけはイタリアからスイスが買い取ったそうです。

それ以外の土地と水はイタリアのもので、ダムの運営会社はスイスの会社。島国生まれの私には、少し不思議な感じがします。

アーフェルスにて

ちなみに、このダムに到達する谷をすこしずれると、人が年間通して住む村としてはヨーロッパ一標高の高いアーフェルス=ユフがあります。標高が2000メートルを超えると針葉樹も生えなくなるので、こんな光景になります。

お出かけをするとちょっと出費はかさみますが、食事作りに負われずに済むので、休暇の時はお出かけをたくさんしたくなります。
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Category : 旅の話 / スイス・ヨーロッパ案内

Posted by 八少女 夕

ヴァルサー博物館に行ってきた

今日の話題はヴァルサー博物館を訪問した話です。

Walsermuseum Triesenbergにて

ヴァルサーといってすぐに何のことかわかる方はあまりいないかもしれませんね。ヴァルサーというのはもともと今のスイス・ヴァリス州から移住してきた人びとです。でも、現在ヴァリス州に住んでいる人たちではありません。14世紀頃から少しずつ移住し、最も多いのは私の住むグラウビュンデン州ですが、一部はフランス、イタリア、リヒテンシュタイン、オーストリアなどに移り住み、そこで暮らしています。

手工業が得意で、働き者が多いという特徴があり、かつては半ば隔離されるような形で山岳部に住んでいましたが、現在ではもちろん低地にも他の村や都市部にもいます。スイス人同士だと、苗字で「この人はヴァルサーだ」とわかるようです。

じつは、来瑞していたハイジの研究者の方たちのお供をしてマイエンフェルトに行ったのですが、その一環でリヒテンシュタインの『トリエンベルグ・ヴァルサー博物館(Walsermuseum Triesenberg)』にも行きました。「なんでハイジ研究でヴァルサー?」と思われるかもしれませんが、実はこの研究者の方と私の間で「アルムおんじはヴァルサーじゃないか」という仮説でかなり前から盛り上がっていたのですが、それが間違いないと思われる証拠があれこれ揃いだしているのです。

その辺の話は、ここでは置いておいて、私個人としては小説のネタをゲットするまたとないチャンスですよ。通訳ボランティアをしつつ、ちゃっかり19世紀終わりから20世紀初めのスイスの生活を取材してきました。あ、場所はリヒテンシュタインですけれど。ちなみにハイジの故郷マイエンフェルトとリヒテンシュタイン公国は、隣接しています。

現代のスイスは、世界でも有数のお金持ちの国になっています。もちろん(我が家のような)低所得層もいますが、それでも「貧しい」というレベルは世界の他の国を見回したら、とてもその言葉は使えないでしょう。

でも、かつてのスイスの一般庶民というのは本当に貧しかったようです。20世紀初頭のヴァルサーたちの暮らしを、丁寧に説明してもらったのですが、彼らは本当にほぼ自給自足で生きていたようです。

たとえば、現在の私たちは、服をシーズンごとに買ってきて、流行に合わなくなったら処分してしまうのですが、当時の人びとは、麻を植えたり、羊を飼って、まず糸を紡ぐところから自分でやっていました。糸を染め、機を織り、裁断して縫って、はじめて服になったのです。シーズンごとに替えるなんてとんでもないことで、穴があいても繕って大切に着ていました。

すべてがその調子で、食べるものも、農具も、家具も、家も、すべて家族単位での自給自足、または物々交換がメインで生きていたようです。もちろん、小説に出てくるような上流階級は、貨幣経済のもといろいろなものを購入していました。そういうわけで、クララがハイジを訪ねてきた時には、貧しい人びとの暮らしを垣間見てたいそう驚いたことと思います。

Walsermuseum Triesenbergにて

現在の私たちの暮らしからは考えられないような生活なので、私が小説を書くときにも描写に苦労することがあります。今回の博物館訪問は、そんな私には宝の山のようでした。

残念ながら通訳するのに忙しくて、あまりたくさんのメモはとれなかったんですけれど……。忘れないうちに書かなくちゃなあ。(何年放置しているんだろう……)
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Posted by 八少女 夕

マイエンフェルトでの貴重な体験

先日から記事にしている「ハイジ展」関係の皆様と一緒にハイジゆかりの地を回ったときの話の最終回です。

マイエンフェルト ハイジ村にて

この日はとても内容の濃い1日でした。私なら3日でやるような内容を1日にまとめて経験しました。みなさん日本でもお忙しいので、全ての予定がぎゅっと詰まっていたのでしょうね。

プレッティガウの牧くだりは、14kmくらい離れていて、我が家からはマイエンフェルトの方がちょっと遠いのですが、牧くだりで駐車場の混み具合がわからなかったのと、会えなかったら大変だろうということで、マイエンフェルトのホテルに車を駐車させてもらいそこからメンバーとバスで行きました。

そして、マイエンフェルトに一緒に戻り、午後の予定もそのままくっついていろいろと見せていただきました。午後は、ハイジ村のディレクターが案内をしながら日本のアニメ『アルプスの少女ハイジ』に関する今後の展示についてのブレーンストーミングをしていたのですが、わたしはそこで即席の通訳みたいな事もしてきました。

マイエンフェルト自体はもちろん何度も言っていましたが、実はハイジ村は行ったことがなかったのです。このハイジ村、以前と比べて大がかりな拡張中だそうで、子供や海外からの観光客だけでなく、グラウビュンデンの18〜19世紀に興味のある人なら有料でも訪れる甲斐のある施設に生まれ変わっています。

マイエンフェルト ハイジ村にて

アニメ『アルプスの少女ハイジ』の関係者は、グラウビュンデン州やマイエンフェルトにとってはもちろん超VIPです。世界中から観光客が押し寄せるのは、このアニメの存在があってこそですから。なので、ものすごく丁寧に案内してくださるのですが、それが私にとってはご想像の通り「ネタ」の宝庫でした。

例えば当時のマイエンフェルトの学校ではどうやって教えていたか、男の子は窓に近い方に座り、女の子は暗い方だったのはなぜか、教師はどこでどんな風に生活していたかなど、日本にいたらまず手の届かない情報を新たに得ました。また当時の脱穀の方法や臼で粉をひく実演も、田舎暮らしでもそうそう見られない貴重な体験でした。

それだけでも、早起きしていくだけの価値は十分にあったのですが、せっかく日本からのお客様がいらしたのだからと、ディレクターの方が伝手をつかい、一般人はまず目にすることのできない個人のお屋敷に入れていただきました。

マイエンフェルト 個人所蔵ライブラリー

スイスはヨーロッパの他の国のように王族や国家元首になるような貴族はいないのですが、それでも一般人とは違う人たちがいてひっそりと暮らしています。今回お邪魔したのはそのうちのおひとりで、マイエンフェルトに個人蔵としてはスイスで最大のライブラリーを持っていらっしゃいます。

お屋敷といっても、サイズは修道院くらいあるんですよ。その中に図書館のようになっている部分があるんですが、一番古い本は12世紀のもので、もちろんそれは手書きの写本です。そして、歴史、数学、物理、薬学などなどそれぞれの書架に豪華な装丁の本がぎっしりあるわあるわ……。

これだけの貴重な本を維持するだけでも大変だと思いますが、それが全て個人所蔵なんです。

基本的に田舎の底辺階層に紛れて暮らしている私が、こうしたすごい方とお知り合いになるチャンスはほとんどありません。今回貴重なライブラリーを見せていただいたのは、マイエンフェルトにとっての超VIPと行動を共にしていたから降ってきたラッキーでした。
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Posted by 八少女 夕

牧下り

日本から来た皆さんと、アルプ牧下りを見にいった話です。

牧下り

10月最初の土曜日と日曜日、プレッティガウ谷で『Prättigau Alp Spectacle』というイベントがありました。

プレッティガウ谷というのはスイスグラウビュンデン州の北部、ランドクオートからダヴォスへと向かう地域にある谷です。イベントそのものは2日間あったのですが、日本からの友人は牧下りを見たいということで、土曜日に出かけていきました。

「ハイジ展」関係で渡瑞したみなさんで、その日のお泊まりは関連の深いマイエンフェルト。現地で待ち合わせるとはぐれる可能性もあったので(このイベントに参加したのは私も初めてでした)、マイエンフェルトのホテルで合流しました。

牧下りというのは、夏の間、山の上(アルプ)で放牧されていた牛などの家畜たちが、秋になり村に降りてくる時に、牛たちを飾りつけた行列で祝う伝統行事です。秋にはスイスの各地で大きなものから目立たぬものまで行われています。フランス語の「ラ・デザルプ(La désalpe)」という言葉が有名ですが、ドイツ語圏では「アブツーク(Abzug)」、ロマンシュ語では「シュカルガダ(Scargada)」とそれぞれいいます。

大きなカウベルをつけた牛たちは花で飾られます。場所によっては「その年もっとたくさん乳を出した牛」がもっとも立派な花冠をつけて讃えられる事もあるようです。今回見学した牧下りでは、とくにそうした特定の牛の功績は語られていなかったようですが。

今回のイベントは、農家の行事である牧下りと、地域観光振興を組み合わせてあり、チーズやサラミなど名産品の屋台販売や、子供たちの牧農家体験コーナーなど牛の行列以外も楽しめるようになっていました。あちこちで弦楽器とアコーディオンによる民族音楽が演奏されていいました。

実はこの日の天氣予報は雨だったのですが、幸い私たちがイベントを見学している間は雨に降られず、それどころか牛たちの行列の時間は陽光がさしていたのです。日本からの皆さんはそれぞれに楽しんだようです。屋台のごはんもいろいろとありましたが、「ハイジ」つながりでやっぱり溶けたチーズでしょうと、ラクレットを食べました。私は車だったのでノンアルコールでしたが、彼らはグラウビュンデン州のワインも楽しんでいました。

私たち住民には、家畜や地元の名産品などは日々の生活で見慣れたものですが、都会からの見学者、とくに海外からの観光客であればこれだけの「ザ★スイス」のオンパレードを、しかも半日ではなかなか見ることができないと思います。これを読んでいる日本の皆さんも、機会があればぜひ予定に組み入れることをおすすめします。

実際のイベントの様子は、2017年のものですが開催者の動画があったので貼り付けておきます。




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Posted by 八少女 夕

休暇でした

今日で2週間の休暇もおしまいです。

アルブラ峠

あまり意識していなかったのですが、今の会社では、6週間の休暇があります。正確には5週間の休暇と1週間の年末休業(残業時間消化)です。

で、8月後半に2週間の休暇を取り、3月、6月、10月に1週間、そしてクリスマスから年末までも休みます。3月と6月の休暇の間だけが少し空くのですが、イースターやキリスト昇天の祝日などで4連休や3連休が続く時期なのです。

というわけで、日本に比べると祝日は少ないのですけれど、それでもだいたい2か月に1度は休暇か、ちょっと長いお休みがあることになります。そのくらいのペースで働けるのはとてもありがたい。もちろん子供たちのように長期休暇があればもっといいけれど、まあ、無い物ねだりはやめましょう。

以前は、年に1度は海外旅行をしていましたが、コロナ禍以降、まだ泊まりの旅行には行っていません。もちろん「感染を怖れての自粛」じゃありませんよ。去年は、あちこちで面倒な制限があったので出かけにくかったのですが、この夏のヨーロッパにはその手の制限は何もないですし、COVID-19を怖れている人はもうまったくみかけません。

泊まりがけで出かけるとなると、猫の世話を誰かに頼まなくてはならないのですけれど、我が家の猫は放置に慣れていないのです。というわけで今回の休暇も泊まりには行きませんでした。

でも、けっこうドライブには行ったのですよ。

後半に天候に恵まれたので、アルプス以南に日帰りで何度も行きました。

カランカ谷

これはメゾッコ谷の側谷であるカランカ谷に行ったときの写真です。私の住むグラウビュンデン州には150以上の谷があるといわれています。カランカ谷は、サン・ベルナルディーノからメゾッコ谷を走ると、ティツィーノ州に入る少し手前にあります。

主要道路のある本谷と違って、側谷は行き止まりであることが多いので、その谷に用事のある人しか入っていきません。そして、特に何かがあるというわけでもなく、小さな村がいくつかある素朴な山谷なのです。

暑すぎず、肌寒くもない絶好のドライブ日和、小さな滝の麓のアルベルゴ・リストランテでアイスクリームを堪能しました。

また別の日は、同じメゾッコ谷の馴染みの店でお昼ごはんを食べた後、ティツィーノ州まで行ってルクマニア峠経由ディセンティスというルートで帰ってきました。ディセンティスはビュンドナー高地にある修道院で有名な町です。いつもは通らない大回りのドライブは、嬉しかったですね。

ブレガリア谷

そして、もう1日はスプリューゲン峠からイタリアに入り、イタリアでお昼ごはんを食べました。やはりスイスに比べるとレストランもリーズナブルでおいしい! スイスではなかなか食べられないビーフステーキを堪能してきました。

そして、数十分ほど走るとまたスイスです。ブレガリア谷はセガンティーニが愛したことで有名なイタリア語圏の渓谷です。プロモントーニョで一服した後、友人の家を訪ね、それから今度はエンガディンを通りアルブラ峠を越えて帰ってきました。

お泊まりは1日もしていないけれど、これだけあちこちを回ったので、かなり満足な休暇になりました。
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Posted by 八少女 夕

久しぶりの旅行

1年半ほどどこにも行かない日々を過ごしていましたが、久しぶりに1週間弱の旅に出ました。といっても海外旅行はお高いPCRテストを自費で受けなくてはいけないので、国内旅行です。

Château de Bossey

目的地は、連れ合いの育ったフランス語圏スイスで、すでにこのブログでも何回か書いたことがあります。今回滞在したのは、以前にも泊まったことのあるシャトー・ド・ボッセー

この建物は、12世紀からいろいろな持ち主の手に渡ってきましたが、現在はエキュメニズム(キリスト教の教会一致促進運動)の団体が所有しています。なので、セミナー等で常時さまざまな流派のキリスト教徒が滞在しています。が、それとは関係なくリーズナブルな値段で滞在できるのです。シャトーなのですけれど。連れ合いの育った村のすぐ側にあるので、ここに滞在しつつ、友だちや昔世話になった近所のおばさんたちを訪ねて昔話に花を咲かせるといった日々を過ごしてきました。

レマン湖

ちなみに、連れ合いの育った村はヴォー州に囲まれたジュネーヴ州の飛び地です。レマン湖に面した風光明媚な地域で、ジュネーヴやニヨンにも近いのに、小麦畑や葡萄畑が見渡す限り続く美しい地域です。普段、アルプスの険しい山に囲まれて狭い谷間で過ごしているもので、往き帰りにバイクで駆け抜けた絶景はまさにため息ものでした。

Nufenen峠

国内旅行だといいましたが、私たちの住むドイツ語圏地域から、イタリア語圏スイスを通って、ドイツ語圏にもどり、それからフランス語圏へと向かったので、言語だけでいったら十分に海外に行ったようなもの。それぞれの土地の料理も堪能してきました。
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Posted by 八少女 夕

【行ったつもり】(エアー)旅行 旅の思い出チャレンジ

行ったつもりのエアー旅行。4回目まではやったと思うのですが、今日はちょっと趣向を変えて。

本名でやっているSNSで、旅の写真チャレンジが回ってきました。一切の説明はなしで、写真だけアップするというチャレンジですね。本来は、タグをつけてほかの人にやってもらうのですけれど、ネズミ講っぽいじゃないですか、それ。で、タグ付けと指名なしで10日間旅の写真だけをアップしたのです。

それが、意外と好評だったので、せっかくだからその写真をここでも開示してみようと思いました。

記事上では説明はしませんけれど、秘密でもなんでもないので、氣になった写真があればコメント欄で訊いてくださいね。

旅の思い出 ポルト
旅の思い出 厳島神社
旅の思い出 カルモナ
旅の思い出 ルガーノ
旅の思い出 満月列車
旅の思い出 コウノトリ
旅の思い出 コルシカ島の栗
旅の思い出 南チロル
9_PA310216.jpg
旅の思い出 ストーンヘンジ

で、もしよろしかったら、他の方も旅の写真を見せてくださいね〜、という話でした。
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Tag : 行ったつもりのエアー旅行

Posted by 八少女 夕

【行ったつもり】(エアー)旅行 -4- 奥出雲

まだまだ続けます。行ったつもりのエアー旅行。『大道芸人たち Artistas callejeros』ゆかりでコルシカ島ときたら、やはり『樋水龍神縁起』ゆかりの奥出雲は外せないかな……と。

出雲

いや、何が何でも作品と結びつけたいというわけではないのですけれど、そもそも私の頭の中は、自由時間にはほぼ作品で埋め尽くされてしまうので、旅先と作品がほぼ一致してしまうのです。大体は、先に旅先があり、そこで受けたインスピレーションを元に作品が生まれるのですが(『大道芸人たち Artistas callejeros』や『Infante 323 黄金の枷 』など)、『樋水龍神縁起』と旅先との関係は逆です。作品の舞台にしたので特別な場所になってしまった……というパターンですね。

『樋水龍神縁起』は、題名にもあるように龍神が重要な役割を果たす小説で、樋水龍王神というのが奥出雲に流れる樋水川の化身という設定になっています。で、もちろん小説のためのフィクション設定である樋水川のモデルこそが、奥出雲に流れる斐伊川なのです。

そもそも斐伊川は八岐大蛇伝説と関わりがあるといわれ、龍王的な存在そのものでもあるのです。この流域で獲れる仁多米や僅かしか残っていない在来種の山茶など、神に供えるのに相応しい農産物を生み出す源流であると同時に、八岐大蛇が暴れたように氾濫して人々を震え上がらせた荒ぶる神格でもあったのです。

斐伊川

で、島根の旅といったら、松江をめぐり、みなさんもちろん出雲大社にお詣りするわけですが、たいていは海岸沿いに滞在して帰るわけです。でも、私にとっては、奥出雲に行かないという選択肢はないのです。

特に何がある、というのではなく、斐伊川を眺めたい。奥出雲(存在しないけれど樋水村のある辺り)に足を踏み入れたいと、思うわけです。当然、普通には、一緒に行ってくれる人はいないわけです。

奥出雲

奥出雲にそれでも行くなら、おすすめは『奥出雲おろち号』です。トロッコ列車で奥出雲の見どころを周り、「延命水」を飲んだり、出雲大社に似た外見の「出雲横田駅」を見たり、それに撮り鉄のみなさんや電車マニアの皆さんの喜びそうな、橋やループや折り返す「三段式スイッチバック」やらをまとめて楽しめます。

もちろん私も乗りましたよ。一度目は。

ええ、そうなんです。二度も奥出雲に行ってしまいました。二度目は、いまは亡き母も一緒でした。さすがに奥出雲往復というのは、母がかわいそうだったので、その時は出雲から奥出雲経由で倉敷へ抜け、それから伊勢神宮へと行きました。

その時は、「絲原記念館」を見学し、「もののけ姫」で有名になったたたらについて少し理解を深めました。秋の紅葉が始まった頃で、素晴らしい庭園も堪能しました。

奥出雲多根自然博物館

そして、泊まったのは「奥出雲多根自然博物館」です。ええ、ミュージアムに温泉民宿がついているんですよ。なぜここに泊まったかというと、奥出雲で格安だったからなのですが、大正解でした。私、恐竜系も好きなんですよ。それに鉱物や宝石も。

食事もとても美味しかったですし、奥出雲のお湯に浸かるという私にとっては究極の幸福にも浸れましたし、さらに、泊まっている人だけの特典で、夜のライトアップされた博物館も楽しめたのです。

展示物で特に印象深かったのはカナダ産のアンモライト。アンモナイトが圧力によりオパール化した化石&宝石なのですが、ものすごく大きくてきれいなのです。あんな素晴らしい石に出会えるとは。

そんなこんなで、できればまた行きたいですね。。
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Posted by 八少女 夕

【行ったつもり】(エアー)旅行 -3- コルシカ島

まだ続けます。行ったつもりのエアー旅行。今回は「大道芸人たち Artistas callejeros」チーム結成場所にしたコルシカ島です。

コルシカ1

今から十年以上前のことですが、私と連れ合いがよくリピートしていた旅先がコルシカ島でした。たまたま映像を目にして行ってみたら連れ合いのお氣に入りになってしまったというパターンで、四回くらい行ったでしょうか。

今は、なかなか行かなくなってしまったのは、嫌いになったからではなく、単純に連れ合いも歳をとり、私を後ろに乗っけたタンデムで、二週間でコルシカ島往復するのが大変になってしまったからのようです。コルシカ島は小さな島ですが、非常にワイルドな道があり、バイカーには楽しくてならないらしいのですけれど、やはり大きめのバイクだと小回りがきかなくて大変なようです。なので、むしろ往復の通り道だった北イタリア辺りでダラダラと走り回ることが増えてしまったというわけです。

しかし、もしたっぷり時間があったらまた行きたいと願うのが、コルシカ島。観光客ずれしていない(船の発着する一部の街を除く)旅情あふれる素敵な滞在先です。

ご存じのように、コルシカ島はフランスに属しています。が、もともとの島民はジェノバのあたりから移ってきた人たちで、コルシカ語はイタリア語に近いのです。といっても、かなり不思議な語尾でイタリア語の方言というには訛りすぎていると思いますが。

そして、奥地の島民は民族主義が強く、フランス人、特にパリの人たちが好きではないらしく、フランス語表記の標識を塗りつぶしてしまったり、フランス語で道を訊くと答えてくれなかったりします。イタリア語でスイスから来たと言うと、教えてくれたりするのですよ。分離主義強硬派によるテロもまだあって、通り道に半分吹き飛んでしまった家などを見かけることもあります。くわばらくわばら。

コルシカ2

しかし、何回か通うちに、フランスから移住してきた感じのいい宿屋を見つけ、連れ合いは母語であるフランス語で心ゆくまでおしゃべりを楽しんでいました。フランスからやって来た小洒落た食生活と、素朴な島の食生活が上手にミックスして、毎日胃袋を甘やかしまくりの日々。

南フランスでおなじみアニスのお酒バスティスも、ここでは至る所で飲まれています。

「大道芸人たち Artistas callejeros」では、レネに教えられて他の三人もフランス語圏を旅する度に飲みまくっているお酒です。

コルシカ3

コルシカ島のもう一つの魅力は、かなり原始的な自然が残っていること。この写真の栗の木は少なくとも樹齢八百年といわれていますが、近くに佇むだけで荘厳な氣持になる巨木です。

そして、こうした原生林的な自然に守られて、先史時代以降の様々な遺跡や巨石遺構が残されているのです。それを見て回るのもなかなか興味深いのです。もちろんそうした遺跡は電車やバスなどでは行けないので(そもそも島内の観光バスなんでない)、自家用車またはレンタカーでまわるしかないのです。

コルシカ4

島内は物価も高いし、何よりもガソリンが高いのですけれど、ガソリンスタンドを見つけたら即満タンにしないと、次のスタンドはまた200メートル先。今はわかりませんけれど、当時はクレジットカードが使えるような場所も限られていて、島に入るときにはかなり念入りな準備が必要でした。そういえばWifiがある所なんてほとんどなかったけれど、今はさすがにもう少し進んでいるでしょうね。

次回いけるのはいつかなあ。

「大道芸人たち Artistas callejeros」のメンバーたちも、いま行かせたらどんな光景を見るんでしょうね。
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Posted by 八少女 夕

【行ったつもり】(エアー)旅行 -2- ロンドン/オックスフォード他

イースター、おめでとう。世界中、行動制限中で盛り上がらない中ですが。

というわけで(?)今日も、行動制限中で今は行けないけれど、行ったつもりのエアー旅行、第二弾は2019年に『霧の彼方から』のロケハンで弾丸ツアーをしたイギリスです。


ベリオール・カレッジ

イギリスには何度も行っているけれど、オックスフォードに行ったのは2019年が初めてでした。『郷愁の丘』の執筆をしていた頃、続編を書くなんて全く考えていなくてものすごく適当に主人公グレッグの履歴を決めたのです。で、続編をイギリスを舞台に書くとなった時「ううむ。イギリスの大学ってそういえばよく知らないなあ」と困ることになりました。

そして、実際にロケハンをすることになって知ったのは、グレッグの出身校として決めていたベリオール・カレッジは、オックスフォードの街のど真ん中、そして、某『ハリ●タ』の撮影で使われて観光客に大人氣のトリニティ・カレッジのお隣でした(笑)

トリニティ・カレッジにしないでよかった〜。私は、人々がワラワラと集まるような有名校はちょっと苦手です。写真のようにベリオール・カレッジは、超名門なのにひっそりとしていて、写真を撮っても絵になりました。「ここで学んだのね〜(フィクションだし、学んでいないって)」と、感激しながら歩き回るのがロケハンや聖地巡礼の醍醐味です。痛いですけれど。

オックスフォードのパブ

こちらは、オックスフォードでもわりと有名なパブ、ターフ・タベルンです。お料理も美味しいと評判だし、パブっぽい感じが素敵で、グレッグがジョルジアとアンジェリカを連れてきた店のモデルにしました。ベリオール・カレッジのある中心地から徒歩数分で行ける立地です。

「ロケハンだからどうしても注文まで体験したい」と、勇氣を奮い立たせて行ったので、その旅でようやくパブで注文ができるようになったヘタレな私です。いやはや、やってみたら簡単でした。

パブでの注文は、カウンターに行ってしなくちゃいけなかったのを知らなかった私。数年前に行ったときは、二十分も待ったあげく「誰も注文を訊きに来てくれない。ビールは苦手だし、何が食べられるのかもわからないし、怖いよ」と尻尾を巻いて逃げ出したのですよ。でも、もう大丈夫。一度成功したら全然怖くありませんでした。それに英語ですしね〜。言葉の通じない国に較べたら楽勝。

ロンドンのパブ

というわけで、ロンドンでもパブに入りましたよ。あいかわらずビールには手を出さない私は、赤ワインをグラスで。いいんです。ジョルジアもワイン派だし。(なんの話だ)

ロンドンに滞在するときは、必ずどこかのミュージアムに行きます。なんと言ってもロンドンのミュージアムはただのところが多いので。そして、ミュージアムグッズが充実しているので、ミュージアムの援助も兼ねて必ずお買い物を楽しみます。

ロンドンは大好きなのですが、しかし、物価が高いし、連れ合いが都会大嫌い派なので、なかなか行けません。前回は連れ合いがアフリカに行っていていなかったのでこれ幸いと行きましたが。でも、また行きたいなあ。いつか。

空港のミールセット

さて、こちらはヒースロー空港で買ったミールセット。そうです。『霧の彼方から』の最終章でお嬢様アンジェリカが嬉々として食べていたシモジモの味です。実は、買ったはいいものの食べる時間がなくて、スイスに到着してから電車の中で夕飯として食べたのでした。チキン、トマト、モツァレラ入りサンドイッチにオレンジジュースとスナック菓子。貧乏くさくても、遠足氣分で食べれば楽しい。

ストーンヘンジ

こちらはおまけです。バースへのロケハンついでに行ったストーンヘンジ。このアングルからのストーンヘンジ、あまり見ないかと思います。この手前の石、ヒールストーンといってストーンヘンジ信仰ではとっても大事な石なのです。

ストーンヘンジは、合計で三回行ったけれど、是非また行きたいなあ。しかし、毎回ものすごい風なんです。そういう所なんですよね。行くときは、着るものに注意した方がいいかも。
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Tag : 行ったつもりのエアー旅行

Posted by 八少女 夕

【行ったつもり】(エアー)旅行 -1- ポルト

相変わらず行動制限が続いているスイスです。新型コロナ感染症、はじめに言われていたような「高齢者や既往症がなければ風邪と一緒」のような簡単な問題ではなく、既に半月は私の周りでは人々が真剣に感染を止めようと行動制限を守っていますが、相変わらず感染者も死亡者も増えていて、終わりは見えていません。しかし、「アレがダメ」「これがダメ」にも疲れてきたので、やるべきことは守ったまま、空想世界で遊んでみようと思います。このパンデミックが終息したら、また行くぞ、と願いも込めての記事です。

ポルト

第一回は、三月末に涙を飲んでキャンセルしたポルト。ご存じ、私が毎年行っている旅先です。

よく考えると、私がポルトに初めて行ったのは、このブログを開設してすぐの頃でした。その当時はまだ今いらしてくださるブログのお友だちとも知り合っていない……っていうか、ほとんど誰も訪問してくれていなかった頃。

いつも三月の終わりに、有休を使い切るために一週間の海外旅行をしていたのですが、「今まで一度も行ったことのないところで、どこにしようかな」と適当に決めたら、嵌まってしまったというわけです。それ以来、毎年欠かさず通よう羽目になるとは。

ポルトとポルトガルの魅力は、「街が美しい」「ご飯が美味しい」「人々が優しい」の全てが揃っていること。

タコのグリル

私の住むスイスは内陸国なので、魚介類を食べる習慣があまりありません。あっても淡水魚で、値段もとても高いのです。同じヨーロッパでも海岸近くに行くと、いろいろな魚介が食べられるので、海辺に行くときには魚介メニューを選ぶのを楽しみにしています。スペイン、イタリア、フランス、それに北海に面したドイツなども。ポルトガルも同様。とくに美味しいタコが食べられるのはとても嬉しい。

写真はAvadiaというお店で食べたグリルです。このレストランのタコは本当に柔らかくて美味しい。

恋人たちのプロムナード

ポルトの北部、ドウロ河が大西洋に流れ込むFozというほぼ海辺の地域にあるプロムナードです。恋人たちのデートスポットになっているという情報を聞きつけて、『Infante 323 黄金の枷』の中でちょっとしたトキメキシーンの舞台に使いました。ここから眺める大西洋は、「大航海時代が夢の跡」という風情で、ほとんど誰もいないときに眺めるのが好みです。

最初に来たときに、この辺りを周りながら『Infante 323 黄金の枷』の構想を練っていたなあ。この作品のせいで、余計に特別な街になってしまったのですけれど。

イワシの塩焼き

去年、念願叶って訪れた「サン・ジョアンの前夜祭」で食べたイワシの塩焼き。半人分をさらに連れ合いと分けたのに、この量(笑)でも、美味しかった。粗塩をつけただけなんですけれど、イワシそのものが久しぶりだったし、幸せでした。

心配ごともなく、楽しく旅行を楽しめることの幸せを、当たり前のように享受していたのですけれど、しばらくお預けですね。

みなさまも、Stay safe!
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Tag : 行ったつもりのエアー旅行

Posted by 八少女 夕

シエナ&フィレンツェに行っていました

さて、今週の旅についてごく簡単な報告です。

「また休暇かよ」と言われそうですが、今年は特別一週間休暇が多かったのです。勤続十五周年でもらったので。(本当は去年だったのですが、去年はそれどころではなかったので、今年取得しました)

最初は、またイギリスに行こうかと思ったのですが、計画すればするほど接続などが上手くいかなかったので、これは今回は縁がないのだなと判断して、以前から行ってみたかったシエナに、フィレンツェでラファエロの絵を観るという計画を合わせて行ってきました。

シエナ大聖堂

シエナは、「イタリアでもっとも美しい中世都市」と言う人もいるくらい、素敵な街です。夏のシーズンほどではなかったのでしょうが、普段人のいないところに慣れている私には「こんなに混んでいるの!」とびっくりするほどの人出でした。

今回は初めてだということもあって、大聖堂に並ぶのもどうかと思い、チケットを予約していきました。大聖堂、ピッコロミニライブラリー、ミュージアム、洗礼堂、納骨堂など、大聖堂の見所をまとめて見ることができて、その豪華絢爛さにいちいちため息をついていました。

それから、連れ合い(一緒に行ったのです)が観るというので、なぜか拷問博物館も。中世ヨーロッパで実際に使われていた拷問器具を展示していて、うんざりするほどの数々なのですけれど、途中から私はすっかり取材モードに。森の詩 Cantum Silvae - トリネアの真珠」を書くときに役に立つかと……。

シエナの夕暮れ

今回泊まった宿は、どちらも「街の中心地に近く、しかもお値頃」なB&B(ただし朝食別料金)でした。部屋そのものは素晴らしかったのですが、その値段には理由があり、シエナは実質七階、フィレンツェは四階、どちらもエレベーターなしでした。

ふうふう言って登っただけのことはあり、シエナではこのように美しい夕景を楽しむことができました。

シエナのカンポ広場

シエナと言えば、このカンポ広場。一度観たら忘れられない広場で、老若男女ここで座って時間を過ごしていました。わたしたちもちょっと(笑)

この周りのカフェの値段は、殺人的なので一休みにはあまり向かないのですけれど、それでも二回ほどコーヒーやワインを楽しみました。

そして、この広場の中心にそびえる市庁舎には、私がとても観たかったものがありました。これについては、そのうちに別記事で。

ボーボリ庭園からドォーモを臨む

人手と殺人的な値段は、フィレンツェに移動してからも相変わらずでした。これでもヴェネチアよりはマシだとか(笑)

さて、フィレンツェの目的はラファエロ絵画で、いつまでも並ぶのは嫌だったので、チケットを買っていきました。一つのチケットでウフィッツィ美術館、ピッティ宮殿、ボーボリ公園を回れるものです。

これまでは、行きそびれていたボーボリ公園に行くことにして、その分ドォーモやショッピングをほとんどしないスタイルにしてみましたが、心地よかったです。

シエナでは嘘のような好天に恵まれていて、フィレンツェに移ってからは雨続きと言われていたのですけれど、意外にも降られたのはほんのわずかで、心配していたボーボリ公園行きも、わずかに青空が覗く程度の心地よい条件で回ることができました。

ボーボリ公園、とても広いので、いらっしゃるならばたくさん歩く覚悟を……。私たちは、疲れたのでパラティーナ美術館に行く前にカフェで一休みしました。

ラファエロの絵画

ウフィッツィ美術館、パラティーナ美術館ともに、ラファエロの絵が充実しています。私はヨーロッパの大都市(ロンドン、ウィーン、ドレスデンなど)に行くたびにラファエロの絵の前でボーッとするのを常にしているのですけれど、フィレンツェは特に名作がたくさんあって、行ったり来たり大変なのです。

日本だと、名画の前に何十分も陣取ったりできないのですけれど、それができるのが嬉しい。ウフィッツィ美術館が混みまくりといっても、日本の「観客の頭しか見えない」というような混み方ではないですし、一度行ってから戻ってくる事も可能でした。それどころか、パラティーナ美術館では、「大公の聖母」と「小椅子の聖母」のある部屋にかなり長いこと座っていたのですが、数分間ですが私しかいない時間もあったのです。なんて贅沢。

ラファエロ三昧、堪能してきました。

フィレンツェでのディナー

さて、食いしん坊の私たち、朝食からデザートまであれこれ楽しみました。今回の一番のヒットは、フィレンツェで見つけた小さなリストランテ。お料理も美味しかったですが、ウエイターさんたちが親切でしたし、さらに変な時間(午後三時〜)に食べたがった私たちに、文句も言わずに臨機応変に対応してくれました。

しかも、あまりお腹がすいていなかったので、前菜もメインもシェアできるか訊いたらOK。最終的にドルチェまでばっちり食べて幸せでした。で、結局翌日もリピートしました。

写真は、トスカナ・ワイン、ポルチーニ茸のフェットチーネ、イノシシのラグーポレンタ添え、ほうれん草のオリーブオイルソテーですね。そうそう、デザートに食べたカントゥッチ・ビスコッティとデザートワインも美味しかったなあ。二晩通ったのでリモンチェッロもサービスしてくれましたよ。

以上、簡単ですけれど、旅の報告でした。
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アペニンを駆けた一週間

アペニンの眺め

さて、二週間の休暇も本日でおしまい、明日からは出勤です。
(月曜日に一度呼び出されているので、ものすごく久しぶりというわけでもなく……)

ということはさておき、先週行ってきた北イタリアのことを少しだけ報告しますね。
夏の休暇は、連れ合いのバイクにタンデムで乗っかり、基本的には当日まで宿泊の予約は入れないタイプの旅をします。普通は二週間(前の土日も入れると16日くらい)でいって帰れる場所なので、イタリア、ドイツ、フランスあたりに行くことが多いです。

今回は二週目の火曜日にお客様があるので、有休をもう一日足して金曜日から出発し日曜日に帰る、10日間の旅になりました。行き先はもう何度も行っている北イタリアですね。

正確に言うと、まずアルプス山脈を越えて、マッジョーレ湖畔で国境を越えました。ストレーザに一泊、ここは週末旅行でも時々行く馴染みの街です。

それから、ノヴァラ平原を走ってアペニン山脈へ行きボッビオを目指しました。土曜日だったせいか街中にはもう空き室がなく、Booking.comで見つけたのが10キロほど山に登ったアルベルゴ(イタリアの旅籠ですね)です。ここを連れ合いがお氣に召し、まずは二泊、それから帰路にも三泊しました。

一応の目的地だったのはその先のバルディ。こちらは街中のホテルに空き室はあったのですが、バイクを外に停めておくのが嫌な連れ合いの意見をくんで、またしてもBooking.vomで探して10キロほど離れたアグリツーリズモ(農場滞在)で二泊。こちらもとても素敵な宿でした。

アンティパスト

どの土地に行ってもやることは特になく、要するに座って食べてばかり(笑)

肉体労働をするわけではないので、スイスではお腹がすかなければ無理して三食を食べないようにしている私たちなのですが、どういうわけか朝食も昼食も夕食も毎日ばっちり食べてしまうし、加えて一日に何度デザート食べているんだか。

大体、食事をする前に「軽く一杯」飲んじゃったりするのですけれど、自動的に立派なおつまみが出てきてしまうんですよ、イタリアって。(しかもタダで)

そして私たちはフルコースは食べきれないので、例えばプリモ・ピアット(パスタ類)だけとか、プリモ・ピアットとセコンド・ピアット(メイン料理)をそれぞれ一人分だけ注文して分け合ったりしてそれでも死にそうにお腹いっぱいになってしまいます。なのにイタリア人は、前菜からドルチェまでペロリと食べているんですよね。謎。

スイスでは滅多に食べられない美味しいドルチェの誘惑に負けて、けっこう食べてしまった私です。帰宅して恐る恐る体重計に載ったら、案の定1.5キロ増えていました。orz

バイクで行く道

食事に毎回二時間以上かけていた私たち。(地元の人たちも同様)

それ以外の時間は、山の中の小さな道を走っていました。一週間経って、山の上には雪が降るほど寒くなってしまったのですけれど、ちょうどその直前、夏の最後の輝きを堪能してきました。
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Posted by 八少女 夕

旅の終わり



一週間ちょっとの北イタリアの旅が、終わろうとしています。休暇はまだ一週間あるのですが、お客様があるので、今回は早く切り上げました。
今日中にはスイスに戻って片付けに入るはずです。報告はまた後ほど。
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Posted by 八少女 夕

イタリアにいます




久しぶりにバイクのタンデムでイタリアに来ています。去年は日本行きがあったので、バイクの旅は二年ぶり。

スイスはとっくに秋のように涼しいのですが、こちらはばっちり夏。一週間ほど、北イタリアの風景とグルメを堪能してきます。
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Posted by 八少女 夕

バースのティールームで

前日アップした「霧の彼方から」で、主人公たちはバースで軽食を食べていましたが、それは私がイギリスロケハンへ行ってから書き足したシーンです。

あのシーンの元になっていた記述にはずっと納得がいっていませんでした。もともとは、母親の家を出てから道を歩きながら話していたことだったのです。ストーリー上は、具体的な環境がどうしても必要というわけではなかったのですが、会話が長い分少しバランスが悪いなと、首をひねりながらのイギリス行きだったのです。

さて、オプショナルツアーで訪れたバースで何でもないティールームを見つけて、そこで軽く食べたのです。

バースのティールームで

いくつかある有名どころの店(たとえば「サリー・ラン」の店など)に入るという、お上りさん的な行動は、若干凹んでいる二人には似つかわしくないのですけれど、こんな何でもない店だったらあるかな……なんて思いました。

この作品、ニューヨークでよく舞台にしている《Sunrise Diner》という大衆食堂は、オレンジのネオンを使った看板やスチールの椅子のような、わりとチープなインテリアを想定しているのですが、イギリスで二人が入る店はどちらかというと自然素材を使った、もしくはかなりレトロな感じの、しかもあまり観光客でわらわらしていない店をイメージしています。

このティールームは、そんな私のイメージにぴったりの店でした。

主人公たちと違って、私はストーンヘンジで買ったサンドイッチを食べてしまったあとだったので、紅茶とクッキーのお茶タイムになりました。

バースのティールームで
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Posted by 八少女 夕

バースのあれこれ

ちょうど今月と来月に「霧の彼方から」で主人公たちがバースに滞在しているので、本文と関係ないバースの思い出について少し話してみようと思います。

サリー・バンズ

以前も少しだけ書きましたが、バースに行ったのは二度目。そして、一度目の時はローマン・バスを見る時間しかなかったので、今回はもっと街を見ようと滞在時間の長いツアーを探しました。

もちろん泊まったり、個人的に電車で訪れることも出来たのですけれど、そうなるとあと二日くらい長くイギリス滞在することになりますし、いろいろな情報を自力で仕入れなくてはならないので、ちょっともったいない。ここは、ツアーでさくっと行くことにしました。

バース三時間自由時間つきというツアーがあったのですけれど、それにストーンヘンジ観光もついていたので、もちろん喜んで観てきました。それはともかく。

実際にツアーには、いろいろな新情報があって、描写の中に(一部はおそらく探してもなかなか見つからないほどひっそりと)埋め込んであるのですけれど、面白かった割にはわざとらしくて使えなかった情報もけっこうありました。

その一つが、上の写真。名物の一つである「サリー・ラン」というお店で売っているバンズです。なんでも1680年頃にフランスからやってきた女性が作り始めたレシピに則って作っているパンということで(眉唾という噂もある)、大きくてミルクと卵がたっぷり。バースに来たら必ず買えというのですけれど、旅行中でこんなに大きなパンを持って帰っても困ること間違いなし。

向かいに「元祖バースバンズ」という似たようなパンを売っているお店があり、やはりソフトタイプの丸形パンらしいのです。「サリー・ラン」のバンズに比べると「買ってもいいかな」と思えるぐらいの大きさだったらしいのですが、サイズに大きな差があることを知ったのは帰国後(笑)結局こちらも買いませんでした。次回があったら、トライしようかな。

バースの家

さて、バース観光の(ローマン・バス以外の)もっとも大きな目玉というと、ジョージアン様式の優雅な建物の数々。もともとはローマ時代(伝統としてはその前のドルイド信仰の頃からの聖地だった)の有名湯治場だったバースですが、しばらくは忘れられていたそうです。ところが、ジェームス一世の(ちょっと困った)王妃が湯治でやってきて以来、なぜかイギリス貴族たちの一番イケてるリゾートになってしまい、貴族たちがこぞってやってきたそうです。そのお陰で、次々に立派な建物が作られ、この近くにあるバースストーン(コッツウォルズ・ストーンとだいたい同じもの)を使った、クリーム色の美しい町並みが作られました。

写真の建物を見ると、所々、窓が潰れているところがありますよね。こちらは、当時の税金と関係があるのだそうです。家を持つと税金を取られたそうなのですけれど、窓の数によってそれが増えたそうなのですね。だから、建てる方もそれに対抗するように、窓の数をできる限り少なくし、さらに必要のないところは潰してしまい税金をかけられないようにしたということなのです。こんな立派な家を建てる人でも、節税に励んでいたのですね。

さて、建物前の交差点。こちらは変わった信号。歩行者用の信号なのですけれど、なんと青である時間が八秒しかないんです。わかっている人間が、はじめから小走りでようやく渡りきる程短い時間です。なぜこんな設定にしたのか不思議です。

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Posted by 八少女 夕

休暇は終わった

この一週間は休暇だったのですけれど。連れ合いが風邪を引き、どこにも行けないという事態に。さらに会社にも呼び出されたし。普通なら「いけません」と言うのですけれど、どうせ家にいたので働いてきました。

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で、一人で買い物でも行こうかなと思ったら雪。ま、いいんですけれど。

で、ずっと遅れていた「霧の彼方から」を毎日書きまくりましたよ。お陰で終わりが見えてきました。

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で、最後の二日だけ、イタリア側スイスのルガーノへ行ってきました。向こうはまあまあ暖かくて、桜も満開でした。これ、たぶん関山って種類なのだろうな。これで桜の塩漬けや桜餅の葉っぱが作れると読んだばかりなのですが、さすがに旅先でそんなことはできず(笑) こちらでこの花が咲くのは五月ぐらいでしょうか。

というわけで休暇はあっさり終わったのでまた仕事にいそしみます。
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Posted by 八少女 夕

パブが美味しかった話

さて、たった四日間の英国旅行、続きです。

ロンドンのパブにて

これまで出来なかったことが、ある日突然出来るようになることって、ありませんか? 

たとえば、日本で最初にバーのカウンターで普通に注文できるようになったのは30歳になってからでした。金沢旅行中にホテルのバーで和服のママに接客してもらったんですが、あれが出来れば他のバーなんて楽勝だろうと、それから一人でバーに入って注文も出来るようになりました。よく考えたら、仕事でそれより前に銀座のバーにも行っていてそこでウーロン茶を飲んだりはしていたから、ビビる必要なんかなかったんですけれど。

ヨーロッパでも、スイスやイタリアのバーに入って、ワインを一杯頼み、つまみを食べるくらいのことは移住してわりとすぐに全然問題なく出来るようになっていましたが、なぜかイギリスのパブには怖くて入れなかったのですよね。

で、前回、頑張って入ってみたんですが、誰も注文を取ってくれないし、一人で場違いみたいだし、尻尾を巻いて退散した苦い思い出がありました。

でも、今回は、取材です。パブのシーンがあるんです。中の描写をするためにもやはり入りたいなあと思っていました。で、そう思って入ると、そんなに怖くないんですよ。変だな。

そして、ようやく理解しました。パブって、カウンターで注文しないといけないシステムなんですね。そりゃ席で待っていても注文取りに来ないわ……。

それに、イギリスのパブってビール以外を頼むと怒られそうなイメージがありましたが、もちろんそんなことはなく、ワインを普通に頼めました。あ、私、ビールが苦手なんですよ。

ロンドンのパブにて

さて、驚いたのは、パブの料理が美味しかったことです。イギリスでは美味しいものは食べられないと覚悟していった、なめきった観光客の私ですが、どうしてどうして、入った二つのパブ、料理が美味しいと評判の所ではあったのですが、本当に美味しかったです。

写真はどちらもロンドンのヴィクトリア駅の近くにある「The St George's Tavern」です。このトマトのパイ、本当に美味しかったんです。お腹すいていなかったので、前菜にあるこれだけ食べたんですけれど、もちろん嫌な顔もされず、感じのいいパブでしたよ。
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Posted by 八少女 夕

オックスフォードへ行きました

先日の四日間だけのイギリス旅行の続きです。

ベリオール・カレッジのホール

今回の旅行は、有休の消化のためだったのですが、以前からどうしても氣になっていたことをやるのは今しかないと思い立ったからでもあります。

「郷愁の丘」を書いていたとき、私はけっこう適当な設定をしていました。主にグレッグの背景についてです。生まれた所はけっこう真面目に考えていたのですけれど、十歳でイギリスに越してからの設定をかなりその場の思いつきで決めていたのですね。で、その後にどんどんグレッグにスポットライトが当たるにつれて、破綻まではしていないのですけれど、細かい書き込みに困るようになってきたのです。

この春から「郷愁の丘」の続編をアップする予定でいるのですが、その期日が近くなるにつれてどんどん不安になってきたんです。「これ、そうとう嘘っぱちを書いているのでは」と。

それで、とにかく一度現地に行ってみようと思ったのです。

たったの三泊で、中の二日にロンドンを離れていたのはそういう理由です。ロンドンの一泊目が明けて、最初に向かったのはパディントン駅、そして、あらかじめ予約してあった電車に乗って、オックスフォードへ行ってきました。

現地のシステムを知らないと非常にわかりにくいことですが、いわゆる「東京大学」とか「慶應義塾大学」というような一つの大学で「オックスフォード大学」というものがあるのではなくて、オックスフォードにある38のカレッジを総称して「オックスフォード大学」というのです。その辺は、もちろん行くまでに知っていたのですけれど、それぞれのカレッジがどんな風に違うのか、どのくらい離れているのか、学生はどんな生活をしているのか、など、どうもネットでは把握しにくいことが多かったのですね。

今回は、まずウォーキング・ツアーで現役の大学院生によるオックスフォードの街案内をしてもらい、有名な建物などに入りました。それから、伝統的なパブでお昼ご飯を食べ、その後にグレッグが学んだという設定のベリオール・カレッジを一人で見て回りました。

「ハリー・ポッター」が大ヒットしたため、映画で使われた建物などは、ファンが大挙して押し寄せていましたが、幸いベリオール・カレッジは、そうでなかったためか、かなり静かに見て回ることが出来て、「この図書室で勉強していたな」とか「ここでお茶していたのか」など、本文とは関係ないところにも感激していました。

実際に書き直すシーンはさほど多くないのですけれど、やはり行ってみてよかったなと思いました。もちろん実際にいっても、入学したわけではないのでとんでもないことを書く可能性は大きいんですが、それでも台詞一つにしても具体性が変わってくるなと改めて思いました。
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イギリスに行っていました

リアルタイムで騒いでいたので、ご存じの方が大半だと思いますが、先週から週末に有休をくっつけて、イギリスへ行っていました。

ストーンヘンジ

語ることはいっぱいあるのですが、現在「scriviamo!」中で、ゆっくりと記事を書いている暇がないので、とりあえずお土産自慢だけアップしておきます。

どうしてこんなに買うんだ、私は。

ロンドン土産

今回のテーマの一つだったエコバッグ。狙っていたストーンヘンジの折りたたみ式のモノはもうなかったのですけれど、黒い大きなエコバッグはゲットしてきました。その隣の可愛い鳥のついたジュートのエコバッグは、向こうで二十年ぶりに再開した友人にいただいたもの。ほかに、王室御用達の美味しい紅茶と超美味しいショートブレッドもいただきました。

ストーンヘンジでは、前回も買って美味しかったレモンカードがなぜか半額になっていたので、二つ買ってきました。それと、小さくて見えにくいと思いますが、ブルーストーンのキーホルダー。これは、巨石愛好の師匠である大海彩洋さんに買ったものとお揃いの自分用です。

手前のはがきサイズの箱二つはお高いチョコで、これはバースの有名店のモノ。義母と義兄へのお土産。大英博物館で買ったネックレスとネクタイは、甥と姪へのプレゼントにいつも困るので、その準備です。

あとは、自分用の大量の紅茶。フォートナム&メーソンのアソートの他、マークス&スペンサーで大人買いしたカフェインレスの紅茶、なども見えます。ポルトガル語のCDと、私の地元ではなかなか買えないクミンパウダー、それにライスペーパーを戻すときに使おうと思って買ってきた刺繍用の丸いネット。日本で買い忘れた無印良品の泡になるポンプ、それから映っていないけれど、ユニクロでもちょっと買い物しました。

ティータオル

軽いし実用的なので、いつもイギリスに行くと買うティータオルです。でも、有名観光地のはけっこう高いのです。今回は途中で正氣に戻ったので、例えばリバティのティータオルなどは買ってきませんでした。皿拭くモノに14ポンドも出せるか……。

ポストカード

こちらはポストカードコレクション。誰かに送るときにも使いますが、一部は当面資料として。

あと、どうでもいいのですが、デイヴッド・ギャンディのカレンダーないかなと探したんですけれど、全然見つかりませんでした。なんで? 需要絶対にあるでしょ? っていうか、売り切れたのかもな……。ハリ・ポタグッズみたいにいっぱいあると思った私が愚かでした。

資料

こちらは完全に資料ですね。そうです、今回の主目的は取材だったのですから。行ってよかったです。でも、これから大幅に小説に手を入れなくてはいけなくて、いつ発表できるかな……。心配です。
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Posted by 八少女 夕

関西の旅 2018 (2)

秋の日本一時帰国の時のブロ友の皆さんにおんぶに抱っこの関西旅行の話をまたしようと思います。

前回の流れで、次はオフ会の話、だと思われた方が多いかと思うのですが、オフ会については多くの参加者の方が既にたくさん記事にしていてくださり、ここで改めて私が書くとなると繰り返しになるか、もしくは書くわけにはいかないプライヴェート情報が混じるので、この写真だけ。たこ焼きです。オフ会でいただいた食べ物は、レトロな喫茶店も含めて何でも楽しくて美味しかったのですが、とりわけこれが印象に残りました。

関西の方って、やはり粉ものがソウルフードなんでしょうね、皆さん詳しいし、こだわりもあるし、美味しい所もご存じです。一家に一台たこ焼き器があるという噂も、あながち大げさではないらしく、ちょうどスイスの家庭にチーズフォンデュ鍋とラクレットマシンがかなりの確率であるのに似ている状況のようです。

で、たこ焼きを道頓堀で食べたんですけれど、夕食の前に一人前は無理だということで、半分こして食べたのですよ。熱々のたこ焼きで、素人の私は案の定舌に火傷を食らいましたが、それもまたお約束で、みんなでハフハフは嬉しかったなあ。

たこ焼き

さて、がらりと話は変わりまして、こうやって皆さんにお世話になっている合間に、関西の交通機関に乗る機会がありました。大きな移動は彩洋さんの車に乗せていただいたのですけれど、それ以外に、彩洋さんと合流する前、オフ会に向かう時、彩洋さんがお仕事中に一人でふらついている時などです。

今回、いかに私が関西に土地勘がなかったがはっきりしました。とにかく、大阪ミナミに、オフ会メンバーの方々がどうやっていらっしゃるのかも全くわかっていなかったのです。(泊めていただいた彩洋さんをはじめ、大阪府在住でない方が結構たくさんいらっしゃいました。翌日お仕事なのに、遠くなのに、遅くまで遊んでくださった皆さん、本当にありがとうございました!)

オフ会の前日に彩洋さんと豊中で待ち合わせだったのですけれど、その前に別の知り合いの和菓子の店に行こうと思って出かけていったのが西宮でした。あ、最初に新大阪について、JR大阪へ出たのですよ。そこが梅田というのだと、ようやく理解しました。そして西宮には阪神電車で、それから梅田に戻り、今度は阪急電車に乗るのだと判明。まるっきり無駄な動きをしていると行ってはじめてわかりました。

でも、どっちの路線も「阪」ってついているから、ごちゃごちゃになるんですよ。西宮も梅田も豊中も聞いたことがあるから、なんとなく近いのかと思ったり。ところが梅田から意外と遠かった西宮は、時間の関係で、ほぼとんぼ返りでした。

阪神電車

そして、ここからが、彩洋さんにも報告しそびれた間抜けな話なんですけれど、実は、オフ会の翌日、神戸で遊べるように車で連れて行っていただいたのですが、神戸観光を楽しむ前にまた梅田へ行ってきたのです。西宮行きで時間を食ってしまった関係で、梅田で予定していた用事が時間切れになってしまい、それでもいいかなと思っていたのですけれど、「あれ、今の自由時間があればいけるかも!」と思ってしまったのですね。

実際に梅田と西宮の往復をしたのとあまり変わらない時間で三宮と梅田の往復も出来てしまいました。用事も無事にこなしたし、その後神戸一人観光も楽しんだし、ほくほくしていました。が、関西の方が聞いたら呆れる動きだなあと、ちょっぴり恥じ入っていたのでした。

ちなみに私はノスタルジックな理由で、阪急電車の方に好んで乗っていました。●十年前と同じ色の車体なんですよね!
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Posted by 八少女 夕

関西の旅 2018 (1)

タイトル、何にしようかなと悩んだんですが、日本行きの主目的は旅ではなかったので「日本旅行」ではないんですよね。もっとも主目的の方は、このブログの読者にはあまり興味がないことかと思うので、オフ会も含めた関西旅行の話だけ少しずつピックアップしようかと思います。

富士山

今回の日本行きは、既に何度か書いているように、もともと今年の初めから予定していた旅行でした。五月末に母が急逝し、母と計画していた予定は全て変わってしまったのですが、11月11日のオフ会、それに京都での墓参り、そして、母がお世話になった神父さまに会いに宇治に行くことになっていたので、予定通り関西に向かいました。

最初はオフ会開催地に近いどこかに泊まろうかと思っていたのですけれど、大海彩洋さんと話しているうちに、なぜか三泊四日というやたら長い時間泊めていただき、さらにずっとご案内いただくことになってしまいました。

日本滞在中は、天候に恵まれた日が多かったのですが、この日も晴天。 ちょうど山側で窓際の指定席をとっていたので、新幹線からこんなにくっきりと富士山が見えました。

野菜のお寿司 by 彩洋さんのお母様

彩洋さんのお家に向かう前に、まずはご実家に連れて行っていただきました。というのは、その近くにある楽器屋兼音楽教室で、彩洋さんの津軽三味線とピアノのレッスンに文字通りお邪魔させていただいたからなのです。先生の模範演奏も素晴らしかったですが、彩洋さんも、さすが団体で出場した大会で優勝する腕前、素晴らしかったです。「大道芸人たち Artistas callejeros」シリーズで見てきたように書き散らしているんですけれど、実は私が津軽三味線の演奏を生で聴いたのはこれが初めて。すぐに記述に反映させるわけではないですが、取材的に目を皿にして、耳を澄まして聴いてきました。

そして、それから彩洋さんのご実家へ。ご両親、弟さんのご家族の皆さんがとても暖かく、突然登場した変なヤツを歓迎してくださいました。それにしても、皆さんのお宅って、なぜあんなにいつも綺麗になっているんだろう。(と、まだ片付かないでいる自宅を見回す)

野菜のお寿司、お好み焼き(オーブンで一度に焼くので、みんな一緒に「いただきます」ができるナイスアイデア)、煮付けなど、家庭的だけれど、ご馳走感が満載の素敵な夕ご飯でお腹いっぱいになり、楽しい時間を満喫させていただいた後に、彩洋さんの車でお宅にお邪魔しました。

パーティも出来る大きなお宅で、語りたいことはいっぱいあるけれど、個人情報なので書くのは我慢。あ、でも、お宝の「真シリーズ」のノートを見せていただいたことは書いておこう。

淡路島からのパノラマ

翌日の日曜日は、オフ会の当日でしたが、その前に早起きして淡路島まで連れて行っていただきました。

世界最長の吊り橋、明石海峡大橋を渡ってあっという間に淡路島です。観覧車があるサービスエリアで大橋を見ながらまったりとして、それに、売店でご当地の土産物を色々とチェックしてしまいました。淡路島は大きくて甘いタマネギが名産だそうで、私はタマネギがかなり苦手なんですが、このタマネギは食べられましたよ!

生石神社

そして、次に明石子午線を通って、彩洋さんのおすすめの生石神社へ。ご神体はこの大きな岩のようです。これ、近くで見るとものすごい迫力です。とても大きいんですが、まるで浮いているような目の錯覚をおこす不思議な建て方をしてあります。これ、クレーンなどのない時代に建てたのですよね。いつも思うんですけれど、こうした巨石遺構を建てた方たちはどうやってこの状態にしたのか、いや、そもそもこの状態にしようという発想はどこから来たんだろうと不思議になります。

この後、姫路までも見渡せるという、生石神社の上の丘で爽やかな風に吹かれつつ朝ご飯を食べ、それからいったん彩洋さんのお宅に戻り、公共交通機関でオフ会に向かったのでした。

(というわけで、続きます)
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Posted by 八少女 夕

関西遠征報告

長いようであっという間の日本滞在。いろいろな予定をこなし、そろそろ帰る準備に入っています。

ほかの方のブログの記事でご存じの方もおありかと思いますが、11月10日から15日まで関西に滞在し、いろいろな方にお目にかかりました。今日は、簡単な報告のみを。

日本で食べたもの

なんといっても一番お世話になったのは大海彩洋さんで、なんと三泊四日という長い間、泊めていただきさらにずーっと接待していただきました。彩洋さんと親しい方はご存じと思いますが、普段から地獄のスケジュールをこなしておられる公私ともにお忙しい方なのですよ。それを四日拘束、無銭飲食、しかもアッシー代わりと、とんでもないことをしてきてしまいました。

巨石訪問あり、三味線見学あり、ご実家での暖かいご接待あり、神戸京都の究極のグルメ探訪あり、ディープな京都の聖地巡礼ありと、これだけで半年くらいの連載ネタができそうですが、これはいずれぼちぼち。彩洋さんありがとうございました。

そして、その間にはオフ会がありました。私のわがままをかなえていただき、幹事のTOM−Fさんが超ディープな大阪を長時間にわたり見せてくださいました。翌日休みというのは私一人。なのに終電ギリギリまで集ってくださり、本当にありがとうございました。当日ようやくわかったのですけれど、大阪は遠かったのですよね。

そして、彩洋さんとお別れした翌日、京都で墓参りと買い物の合間に、オフ会にもいらしていただいたおだまきみまきさんにお目にかかりました。今度は一銭洋食という、こちらもディープな伝統食を教えていただき、さらに「まさか、あの?」と二度くらい訊いてしまった本能寺を参拝しました。新京極の商店街の中にあるって……。

オフ会ではオーストラリアのけいさんと、そして、14日はおだまきさんの相棒でいらっしゃる平あげはさんとお電話でお話ししました。人付き合いがグレッグ並みに苦手な私が、こんな風にいろいろな方と親しくお話しさせていただけるのも、やはり創作でつながる仲間意識が後押ししているのかなと、嬉しくなりました。

さて、新幹線に乗る日は、亡き母と二十年前にマドリッドへお訪ねした神父様にお目にかかりました。この日は晴れ渡り、紅葉に映える宇治の平等院と金閣寺の両方を見せていただきました。

金閣寺

お忙しい中、お時間を作っていただきましたブロ友の皆様、そして、ご紹介いただいた素敵な方々、本当にありがとうございました。中には台風の影響で大変苦労なさっていらっしゃる方もおられましたが、皆様一様に前向きで優しく、大きな感銘を受けました。

この場を借りまして御礼申し上げます。
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Posted by 八少女 夕

トラブル転じて福となった話

昨夜、無事にスイスに帰ってきました。今回は、いつもより暖かくなったらと期待して四月に行ったのに雨だらけで、『四月にした意味ないぞ』ということになりましたが、七回目のポルトで「見たかったのに見られなかった」というものもそんなにあるわけではなく、雨の時はカフェでまったりとして、したければ買い物でもしてという楽しみ方をしていました。

そしてですね。近いうちにまた別記事で書くと思いますが、今年は途中でシントラへ泊まりに行き、またポルトに戻ってきていつもの「Hotel Infante Sagres」ホテルで豪華に三泊を予定していたんですけれど、とんでもないことが起こっていました。

なんと改装工事が私たちが泊まるまでに終わらなくなってしまったのです。さすがポルトガル(笑)

そこで路頭に迷ったら笑ってはいられませんでしたが、さすがにあそこまでのホテルともなるとそんなことはせず、同系列のホテルにそのまま泊まらせてくれてました。そのホテルというのが、私では到底泊まれっこない五つ星デラックスホテルだったのです。

The Yeatman

このホテルは、「The Yeatman」といって、ドウロ河を挟んだガイア側にありポルトを望むロケーションにあります。ワインツーリズムだのミシュランだのでたくさん「最高のホテル」評価や「ホテル・オブ・ザ・イヤー」などを受賞しまくっているだけのことはあって、綺麗なだけでなくサービスもいいし食事も美味しかったです。

で、「Hotel Infante Sagres」だけでも、私には少し背伸びをした金額なので、支払いまでドキドキしていたのですけれど、ちゃんと元の値段で泊まらせてくれました。「ごめんなさい」の意味もかねてなのか、部屋のアップグレードまでしてくれたんですけれど、それを普通に予約するとどのくらいかかるのか確認したら、三泊で1000ユーロ余計にかかる部屋でした……。

The Yeatman

「Hotel Infante Sagres」でも、毎年ウェルカムドリンクでポートワインはいただくんですけれど、こちらは部屋にボトル付き。ウェルカムドリンクは別にいただけるという徹底ぶりでした。ミネラルウォーターも毎日取り替えてくれるし、しかもこれは無料でした。

というわけで、天候の悪い時に美しいホテルの中でゴージャスな時間をのんびりと過ごすという、ものすごい贅沢をしてしまいました。

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Posted by 八少女 夕

ポルトにいます


例によって、春の旅先はポルトです。予報では雨でしたが、降る事もあれば、晴れもあって、楽しめています。
初日から買い物しまくりで、帰りの荷物が心配です。
七年も通っていると、変わる事も多くて、去年は少しガッカリもあったのですが、今年は嬉しい喜びが多いです。
その一つがカフェ・ブラジレイラが再び営業していたこと。綺麗なだけでなく、美味しかったです。
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Posted by 八少女 夕

ウィーン自然史博物館ふたたび

今日は、先日行ったウィーンの話です。今更ですけれど、やはり書いておきたいですし。初日にホテルに荷物を置いて速攻で行った「ウィーン自然史博物館」のことをご紹介します。

この博物館のことは、以前「ウィーン自然史博物館」という記事で書いたことがあるのですが、今回は連れ合いが「どうしても行きたい」はここだったので、初日からここへ行って来ました。じつは、ここから徒歩圏にわざわざ泊まったのですよ。

案の定、連れ合いは感動しまくり、興味持ちまくりで「いや、ここまだ第一室で、ここでそんなに停まっていたら夜中になっても二階に行けない……」というぐらいじっくりとみていました。

さて、二度目の私は「あれとあれはどうしてももう一度、それに……」といろいろと計画をたてながら回ったのですが、係員の人に教えてもらって探して行ったのが、前回うっかり見逃した「ヴィレンドルフのヴィーナス(Venus von Willendorf )」でした。

ヴィレンドルフのヴィーナス

オーストリアのヴィレンドルフで1908年に発見されたおよそ25,000年前の小像です。名前は知らなくとも、写真はどこかでみたことがあると思います。ヴィレンドルフがどこにあるかすら私は知らなかったのですが、実はウィーンから100kmくらいのドナウ川沿いの村でした。まあ、今回は行きませんでしたが。

この博物館、バージェス頁岩からドードーやステラー海牛の骨、それに天文学級のお値段と思われる宝石など、これでもかとあっさりと展示しているのですが、このヴィレンドルフのヴィーナスの扱いは別格で、これだけのために一室を用意してあるのです。11センチの石の像なんですけれど。このもったいぶりのおかげで、前回ついうっかり見逃してしまったのですが、もともと私は古代のロマンに夢中になるタイプで、「おお、これが!」と感動しつつゆっくりとみて来ました。そうなんです、他に誰も見ていなかったので、15分くらい独り占めしていました。

なんのための像なのかは、先史時代のもののためはっきりとはわからないらしいですが、豊饒と多産を祈るためのお守りではないかと考えられているそうです。そういわれるだけあって、出るところの出方がすごいですよね。しかも顔はこんなに幾何的にデフォルメして非写実的なのに、出産に関係のある器官は生々しく再現されています。似たような像が、他にも出土しているようですが、この「ヴィレンドルフのヴィーナス」の形やインパクトが一番大きいように思います。

シベリアの動物ミイラ

さて、今回は偶然ですが、ロシアから貸与されているシベリアで発見された動物のミイラの展示を見ることができました。赤ちゃんライオンのミイラが有名ですが、こちらに展示されていたのは2011年と2015年に発見されたオオカミ犬の仔のミイラだそうです。

この博物館には専門家が20人も常時働いていて、時には海外からの調査も請け負っているとのことです。そのお礼として、ロシアに返す前のわずかな期間だけ、現在行なっている「犬と猫展」で展示する許可をもらえたとの事。偶然この時期に行ってそれを見ることのできた私たちはラッキーでした。

ウィーン自然史博物館カフェ

この博物館の正面にある「ウィーン美術史美術館」のカフェはとても有名ですが、こちらにも美しいカフェがあります。あまり歩いて足が棒になったので、私たちは一階を見た後、二階を見た後と二度もカフェでまったりとくつろいでしまいました。

ケーキも美味しかったですよ。
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Posted by 八少女 夕

ウィーンに来ました

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二年ぶりにウィーンに来ました。
今、博物館にいます。
詳しくは後ほど。
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Posted by 八少女 夕

秋のスイスに来るのなら

今日はトラックバックテーマからの話題ですが、たぶんこっちのカテゴリーのほうが後で探しやすいので、「スイス・ヨーロッパ案内」に突っ込んでおきます。テーマは「おすすめの紅葉スポットは?」です。

カラマツ

日本の方は連休の時にまとめて休みが取りやすいせいなのか、ゴールデンウィーク、お盆の時期、年末、三月などに来たがる方が多いんですけれど、一年を通じて最もおすすめなのはいつかと訊かれたら、私は春と秋の終わりと答えます。ゴールデンウィークの時期に偶然、春の花の時期がぶつかればいいのですが、毎年外れているので「ああ、また残念」ということになったりします。ちょうど日本の桜の時期が毎年動いてしまうのと同じです。一方で秋の方はそこまでルーレットではないのでおすすめなんですけれど、この時季は休めないという方が多いんですよね。あ、シルバーウィークは、私のおすすめの光景には早すぎるんです。

何がおすすめかというと、グラウビュンデン州のあちこちで見られるカラマツの黄葉です。とくにエンガディン地方が有名です。ベルニナ急行や氷河急行に乗りたい方はサンモリッツにいらっしゃいますから、そこでご覧になれますよね。

年によって十月から十一月の始めと開きがあるのですが、今年は今がちょうど見頃です。月曜日に休みをとってエンガディンからブレがリアまで周ってきたのですが、ほんとうに綺麗でしたよ。

この時季、チューリヒやボーデン湖畔などでは、もう霧が発生したりして鬱々とした感じになってくるのですが、秋冬も晴れまくるグラウビュンデン州は紺碧の空、穏やかで暖かい日の光、そして鮮やかに色づいたカラマツを楽しめるのです。特に湖畔ではそのカラマツが湖面に映って本当に綺麗なんですよ。

カラマツ

こんにちは!FC2トラックバックテーマ担当の神田です今日のテーマは「おすすめの紅葉スポットは?」です冬に向かって日に日に寒くなっていく時期になりますが、木々の葉が赤や黄に染まっていく景観は心が穏やかになり、しみじみと秋を感じます普段はインドア派の私なのですが、昨年の秋に行ったいろは坂の紅葉(栃木県日光市)は今でも印象強く残っています写真をたくさん撮りましたが、実際に見るのと写真で見るのはやはり違い...
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Posted by 八少女 夕

レマン湖へ

今年の夏休みは、一度六月にイタリアに行ったこともあり、初めからどこか遠くに行こうとの予定をしていませんでした。ここのところの天候が優れないことや、義母の体調が今ひとつ優れないこともあって、長期の旅行はせずに近場に数日行って終わりにすることにしました。

そして行ったのが、連れ合いの生まれ育ったフランス語圏の小さな村です。この村には、結婚してからしばらくはよく行ったのですが、私が働きだしてからは長期旅行は大抵海外なので、本当に久しぶりになりました。

ヌフェネン峠

私たちの住むグラウビュンデン州から、ジュネーヴ州やヴォー州に行く方法はいくつかあります。方向は西に一直線なんですけれど、アルプス山脈がそびえているので、北に遠回りをするか、もしくは幾つかの峠を越えていくか選ぶ必要があります。楽なのは北回りですが、バイク乗りは山道が好きですし、連れ合いは高速の渋滞が大嫌いなので、チューリヒ経由なんてことはありえません。

まっすぐ西に向かい、フルカ峠などを経由してウリ州からヴァリス州に入ることもできますが、今回は往きはヌフェネン峠から、復路はシンプロン峠経由で、つまりどちらもイタリア語圏を通ってきました。そのほうが暖かかったということもあります。

紺碧の空が美しいヌフェネン峠。とても綺麗でしたが、やはり風が冷たくて長居は無用。秋ですね。ここで、イタリア語から再びドイツ語に戻り、ヴァリス州の途中までドイツ語の標識が続きます。

葡萄畑が続く

スイスは、ご存知のように公用語が四つあり、私の住んでいる州はそのうちの三つまでが公用語になっていますが、フランス語はそのうちに入っていません。使う機会が少ないので、私もまじめに習う氣がありません。スイスの西側三分の一ほどは、フランス語が公用語で、途中から標識も広告もフランス語オンリーになります。

それと同時に、人々の振る舞い、ライフスタイルもドイツ語圏とは大きく異なってきます。

レマン湖に沿ってなだらかな丘陵を覆う葡萄畑。美味しい白ワインやロゼが作られています。こののどかで開放的な景色は人々の生活様式にも影響を及ぼすようで、彼らはのんびりとワインを傾けながら何て事のないおしゃべりを楽しむことがドイツ語圏の人たちよりも好きな模様。外で隣人に遭っても「こんにちは!」と立ち止まって長々とおしゃべりをすることが多いようです。ドイツ語圏でも立ち話はするのですが、いちいち頬にキスをして楽しそうに話すフランス語圏の人たちと、割と硬い感じで真面目に会話をするドイツ語圏の人たちでは、会話の内容も雰囲氣もぜんぜん違うし、さらにいうと長さも違うのです。

ドイツ語圏の人たちはもっと時間に厳格で、十二時十五分前に長話をしている人などほとんど見ません。が、フランス語圏では昼食が十二時に始まらなくても関係ないと言う感じで長々と会話をしています。よく知らない人と簡単に友達になるのも、フランス語圏の人のほうが得意な模様。連れ合いは、今回も新しい友達を作ったみたいです。

レマン湖でラクレット

で、私はフランス語の会話の大半はスルーしつつ、英語やドイツ語で話してくれる人とは会話を楽しみ、開放的な風景を楽しみ、のんびりと時間を過ごしました。夏は過ぎ去ってしまったようで、最高でも25度くらい。変な組み合わせですが、湖水浴場でラクレットを食べたりしましたよ。

本当は四泊するつもりで行ったのですが、土曜日から雨になるとの予報だったので一日早く帰宅しました。土曜日は本当に土砂降り。暖かい自宅でのんびりできてよかったです。

この記事には追記があります。下のRead moreボタンで開閉します。

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コメントのご質問に関する追加写真です。

Celignyの湖畔カフェ

こちらがラクレットを食べたセリィニの湖畔のカフェ(売店)です。日本の海の売店に似ているでしょうか。ただし、貸切個室みたいな施設はありません。飲み物やアイスバーなどは、左にある売店で注文して料金を払い、自分でテーブルに持っていって飲食しますが、ラクレットはできたものを持ってきてくれました。写真の中心でくつろいで電話している人が、売子です。こういう勤務態度がフランス語圏だなあという所以(笑)

Celignyの湖畔カフェ

湖に向いたテラス席。泳がない人も普通にやってきて、ワインやコーヒーを飲みながら寛いでいました。湖水浴場が、普通の生活に当たり前のように息づいている感じです。

Nyonの湖畔カフェ

ちなみにこちらは隣街くらいのニヨンの湖水浴場のテラス。ずっと大きい街なので、湖水浴場の規模もカフェやそこで扱っているメニューも少し充実していました。もっともそのために少しプールの売店っぽい感じで、個人的には鄙びたセリィニの湖水浴場の方がいい感じだと思いました。
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Posted by 八少女 夕

マイリンゲン



イギリスから来ている叔母に会うためにマイリンゲンに来ました。

シャーロック・ホームズゆかりの街で、泊まったのもコナン・ドイルが滞在して構想を練ったところ。

今のように観光地化していなくて、雰囲氣があったのでしょうね。

雨のため電車で来たのでまったりとしていました。
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Posted by 八少女 夕

公爵のB&B

北イタリア旅行の話の続きですね。

私と連れ合いは、一度行って氣にいったところがあると、何度もリピートして訪問するのです。北イタリアのアペニン山脈やピアチェンツァの界隈も、そんなこんなで何度も行っています。

もともとは、コルシカ島へ行くための通り道だったのですが、このあたりをもっとよくドライブしたいということで、時々ここを訪ねて回っているのですね。

そんなこんなで、何度も訪れることになった街の一つが、カステッラルクアート(Castell'Arquato)。人口5,000人に満たない小さな中世の遺構です。八世紀からの古い歴史を持つお城を中心に、いい意味で観光地ずれしすぎていないほっとする場所なのです。

カステッラルクアート

今回みつけた宿は、Booking.comで予約したB&Bなのですが、地図上ではどう見ても中心の広場のところにあります。でも、あのあたりにあった高いホテルの横にB&Bなんてあったっけ? 首をかしげながらも、便利な場所なのに安いので急いで予約しました。しかも、鍵のかかる門の内側の敷地にバイクを駐車できるという利点もありました。夜間外に置いておくのは心配なので、パーキングは予約の大事なポイントなのです。

B&B
B&Bテラス

そして、たどり着いてみたら、本当にお高いホテルの隣にあった、以前「ここってすごいお館みたいだね」と言っていた建物がB&Bだったのです。もともとはピアチェンツア公爵のお屋敷だったそうで、かなり立派な建物。それを現代的に改装してあるのでとても快適な空間になっていました。

実は、泊まった二晩は私たち二人だけしか宿泊客がいなくて、しかもオーナーは別のところに住んでいるので、お城みたいな館を占有することになってしまいました。

そして、豪華な朝食。

フォカッチャのサンドイッチ

イタリアの朝ごはんは、普通だと甘いジャムの入ったクロワッサン、パンとジャム、そしてコーヒーぐらいのことが多いので、そんなイメージでいたのです。でも、それらに加えて、毎朝違うタイプのお菓子と、フォカッチャのサンドイッチ、焼いたパイなどがこれでもかと並べられました。

オーナーの女性とおしゃべりしながらこれを二時間くらいかけて食べていました。このマリーナさん、イタリア人には珍しく(失礼)外国語が得意で、しかもものすごく歴史や文化にも詳しい方でした。連れ合いは、理解できる人だと突然フランス語で話しだしたりするので、会話はイタリア語とフランス語と英語が混在することに。ついていく私も、話すほうもコロコロ言語が変わるので大変だったかも。でも、いつもこうなんです。

手作りジャム

マリーナさんとご主人は近郊に農場を持っているのですが、手作りジャムも出してくださいました。イチゴ、サクランボ、かりんなど農園で採れたもの、それにびっくりしたのがバラの花びらで作ったジャム、とても香りが良くておいしかったです。

ちょっとした王侯氣分を楽しめた二日間でした。
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Posted by 八少女 夕

北イタリアの夏

短い休暇を満喫してきました。750ccのバイクにタンデムで北イタリアを数カ所巡ってきました。

最初にマッジョーレ湖のリゾート、ピエモンテ州のストレーザで二泊。かつてのボッロメオ家の栄華を今に物語るボッロメオ三島の玄関口になっている街です。ここにはすでに10回くらい行っていて、いつも泊まるホテルの一家とも仲良しになっています。

「夜のサーカス」や「ヴィラ・エミーリオの落日」などの小説のインスピレーションを得たのもここなのですね。

それから、アペニン山脈のドライブをするためにピアチェンツァへ移動しました。滞在したのは、やはりすでに滞在したことのあるカステル・アルクアトとボッビオというともに中世の街です。今回は両方ともB&Bに滞在したのですが、どちらも予想外に興味深い宿でした。Booking.comで見つけたんですけれど、どちらも大きなツアー会社経由では絶対に泊まれないような特別な体験でした。詳しくはいずれまた。

あ、ボッビオやバルディ、ビゴレーノなどのアペニン山脈の小さな町は「夜のサーカス」や「森の詩 Cantum Silvae」それに「ピアチェンツァ、古城の幽霊」などいろいろな小説のインスピレーションのもとになっています。

B&Bのわんこたち

こちらの二頭の犬は、ボッビオに近い方のB&Bのところで飼われていました。どういうわけだか好かれてしまって嬉しかったな。洋服は毛だらけになりましたが(笑)

マッジョーレ湖遠景

真っ青なマッジョーレ湖。とても印象的でもっと眺めていたかったのですが、この写真を撮ったあたりでバイクが急に不調になりました。エンジンがかからなくなると困るので、そのままスイスの我が家に直行することに。食事も休憩もせずにとばしてきたのでちょっと疲れましたが、予定より半日も早く家にたどり着き、夕方からはゆっくりとしています。

それにしても北イタリアは暑かったです。38度くらいありました。そして、夜も暑くて、さらに蚊にも悩まされました。今夜は涼しくて、蚊もいない、快適な夜を過ごせそうです。
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Posted by 八少女 夕

またしても旅の途上

今年から有給休暇が一週間増えました。社長が太っ腹になったのではなくて、法律でそう決まっているのです。私は今年の夏に大台に載るのですが、その年齢になると年間五週間の有給休暇を与えることが義務付けられているのです。

で、休暇が増えたはいいのですが、今しか取得できるチャンスがなかったので、取ってしまうことにしました。六月の休暇というのは初めてです。実はヨーロッパでは一番美しい時期。まだ夏休みが始まっていないので子供づれも少なくホテルも見つけやすいのです。

何も考えすにふらっと旅をしています。今回の旅では、やはり「森の詩 Cantum Silvae トリネアの真珠」関係の構想の助けと取材になったらいいな、などと考えております。



というわけで、現在イタリアのストレーザにいます(^^)
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Posted by 八少女 夕

ブレガリアの小さな村で

本日は四連休の最終日なのですが、初日と二日目に行ったドライブの話などを。

今年は五月にも雪が降るなど、とんでもない寒い春だったので、どこか出かけるにしてもずっと私の運転する車ででした。(連れ合いはバイクの免許だけ、私は自動車の免許しか持っていません)

それがようやく(春を通り越して)夏の様相になったので、バイクでぐるりと周ってきました。あいかわらず予定も何も立てなかったので適当に出かけて、雪に覆われたアルブラ峠を越えてエンガディン地方へ。(同じ州です)

それからブレガリアとポスキアーボどっちに向かいたいかと訊かれたので、「ブレガリア!」と即答しました。

ポスキアーボ谷もいいのですが、こちらは電車でも行けるので冬の間に何度か行っているのです。でも、ブレガリアは車かバイクでないと行けないのです。

ブレガリアと言えば「夜想曲」という中編小説の舞台にもした所で、私のお氣に入りの地域です。

画家のセガンティーニが愛した事でも有名で、とくにソーリオにはわざわざ訪ねてくる日本人もあるようですが、ブレガリア谷全体に素朴な美しさが漂っています。

カスタセーニャ

私たちが泊ったのはカスタセーニャというイタリアとの国境の村です。セガンティーニが目にしたのとおそらくあまり変わっていない状態の家並みも残っています。ブレガリア谷は良質の栗が穫れる事でも有名で、村の奥にはそれぞれの家族が所有している栗の樹の林が続いています。

現在は基本的には、夏のバカンス地になっているようですが、個人的には美しく過ごしやすいブレガリアの夏は、厳しく凍てついた冬、哀愁漂う秋、スーパーマーケットや大型量販店とは無縁の、素朴でどこか寂しい暮らしと対になってこそ意味を持つと思うのです。

ところで、日本の方がスイス旅行をするにあたって「どこが素敵か」と訊くので、例えばこのカスタセーニャなど、いくつか知っているスイスらしい村を答えると、その次に質問してくるのはたいてい「そこには何があるの」なのです。

ところがその手の村には、「ダ・ヴィンチのモナリザがあるよ」とか「王宮で衛兵交代をしているよ」というような具体的に見るべきものはないのです。セガンティーニが眺めたのと同じ山の光景は、天候さえよければ見えるかもしれません。でも、それだけです。アルプス山脈と、その麓にあるただの素朴な村ですから。

海外旅行では「エッフェル塔を見た」「コロッセウムを見た」というような史跡観光はつきものです。とくに団体旅行だとそうなりがちなのは、ヨーロッパの人でも同じなのですが、日本人の場合は個人旅行でもそういうタイプの計画を立てる方が多いです。分刻みの計画を立てて、スタンプラリーのように効率的に何カ所も回ろうと考える事が多いのですね。

大都会、たとえば、パリやロンドンやローマなどは、そういう旅に向いています。実際に史跡がたくさんありますし、計画しないと「見ておけばよかった!」と後悔するような場所や施設がてんこ盛りです。

でも、スイスをはじめとするヨーロッパの田舎というのは、そういう旅には全く向かないのです。「何時何分のバスで到着し、村は一時間もあれば見る事ができるので、次のバスでサン・モリッツに帰ろう」という計画的観光は、正直言ってお奨めできません。できないというのではありません。できますが、そんな忙しい間にちらっと立ち寄るなら来る意味はあまりないと思います。

ここは「ハイジ」をはじめとする有名文学作品や、旅行案内には一度も出てこない、つまり多くの日本人にとって訪れるに値しない「ただの村」です。ところが、その美しさと価値は、「何があるの」と訊かれて「何もないよ」「どこにも出てこないよ」と答えるしかない素朴さの中にあるのです。そして、スケジュール、次の予定などを考えないのんびりとした時間を過ごしてこそ、来る甲斐がある所なのです。

ブレガリアには、アルプスに横たわる谷の特徴でもあるフェーン現象によって、鮮烈なコントラストをみせる青空と山塊、四季折々の自然の姿、緑と清冽な川の水音と、そして、素朴な石造りの村が点在しています。どちらかというと貧しい、生活の厳しさを感じさせる地域で生きる方言のイタリア語を話す人びとが、メルヘンではない、現実の暮らしを営んでいます。

教科書には出てこない限られた歴史、現実の国境やEUの問題や日々の生活のあれこれを、カフェに座る異国からの旅人たちや村の人びとたちと各国語いり交えて語り合いつつ、ゆったりと時間を過しています。
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Posted by 八少女 夕

そんなに買うな

4週間にわたる日本滞在を終えて、金曜日に無事に帰国したことはすでにお伝えしましたが、日曜日に荷物が着くまでは落ち着きませんでした。

スーツケースと大きめのボストンバッグに入った荷物。私が乗った飛行機では23キロの荷物2つまで預けて持ってくることができます。というわけで普段は船便で別送する荷物も全て一緒に飛ぶことにしたのです。ただし、さすがにこんなものは持てないので、実家から成田空港までは宅急便で、成田空港からはスイス国鉄のサービスも利用して、直接最寄り駅まで送ってもらったのです。そのおかげで荷物を受け取るのが日曜日の朝になったわけなんですが。

日本戦利品

さて、無事に届いたウルトラ重い荷物を開けて、土産物を整理しました。

靴が増えています。今回はちょうど欲しかったショートブーツと「20キロ歩ける」というパンプスを購入してきました。こちらでも靴は買えるんですけれど、こういう至れり尽くせりな機能のある靴は、こちらでは見つけるのがちょっと難しいのです。

同様に文房具の類いで、こちらでは手に入らないようなもの、それに100円ショップの商品でこちらだとかなり高くつくものを買い込んでいます。洗濯ネットとか、小さめのトングなどですね。

日本戦利品

食品もたくさん持ちこみました。数でいうとお菓子が多いですね。子供の頃に一度に買えなかったお菓子を大人買いしています。かなりノスタルジーが入っています。あ、コーヒービートは、連れ合いからのお願いで買ったものです。

ふりかけに、サンショウの粉、粉醤油。レトルトカレーやミニインスタントラーメンも。普段はそういうものは食べない(カレーは手作りする)のですが、たまに無性に食べたくなるのです。仁多米と仁多米で作ったお餅は重かったな。でも、しばらくは楽しめそうです。ここには写っていませんが、冬菇椎茸のスライスなども買ってきました。

日本戦利品

今回は、器をたくさん買ってきてしまいました。九谷のミニ皿、蕎麦猪口ぐらいの大きさの器、それに茶器なのか盃なのかというサイズの器。これは、いくつか組み合わせてオードブルを盛る時に重宝するんですが、白磁のものと青い清水焼。無印良品では、お玉を立てておく器を。それにティファールの日本にしかない卵焼き器や、灰汁をとるお玉など日本のアイデア品をいろいろと。

買いすぎかなと思いますし、こうして並べるとすごいですが、日本には滅多に行かないし、金額も意外とささやかだし…いや、言い訳はやめよう。買いすぎです。orz
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Posted by 八少女 夕

またまたスイスです

いつもより長く滞在したはずなのに、あっという間に終わってしまった日本里帰り。

遊び食べまくった日々は終わり、静かな我が家に無事戻りました。

しばらくは、片付けと、不在の間に連れ合いがやらかしてくれた我が家をちゃんとした状態に戻すこと、買ってきたものの整理、洗濯、調理などに忙殺される予定です。

日本滞在中は、皆様にたくさん遊んでいただき感謝しています。

これに懲りずに、また、ブログでのおつきあい、よろしくお願いします。
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Posted by 八少女 夕

御朱印をいただいて来ました

御朱印

本当は流行りだからと始めるものではないのでしょうが、今回の旅で初めて御朱印をいただいてみました。

本当は写経をお納めした後でいただくものだったようですが、現在は寺社で幾らかお金をお納めすることで参拝の印である御朱印をいただけるようになっています。

義兄が仕事であちこち行くので集めているという話を聞き、最近よく訪問先の神社に参拝しているから、私もいただいてみようかなと思ったのです。

今回の旅で参拝した神社のうち、京都の神泉苑、金沢の尾山神社と金澤神社でいただいてきました。

似たような慣習はヨーロッパのサンチアゴ・デ・コンポステラ巡礼にもあって、スタンプラリーとは違いますが、いただいた印を眺めて、ああ、ここに巡礼したなと後に振り返るのですね。

今回は三つで終わりますが、次回またいただこうかなと思っています。
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Posted by 八少女 夕

日本国内旅行が終わりました



六甲、神戸、京都、金沢と、急ぎ足で巡った旅行が終わりました。

かなり歳をとってきた母の希望に応えるかたちで回ったのですが、母のノスタルジーだけでなく 私自身のそれとも重なりました。

金沢は以前一人で来たことがあるのですが、今回はお城と兼六園回りをメインに回って来ました。神社をいくつも参拝し、石垣などをじっくり観察して、人々の想いや匠や文化に注目してきました。



日本酒も忘れずに飲んで来ました。

詳しくはスイスに帰宅してからゆっくり語りますね。
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Posted by 八少女 夕

六甲山にいます

母と日本国内旅行に出ました。最初の目的地は兵庫県の六甲です。子供の頃祖父母が六甲に住んでいて、母は私や姉を連れて来ていました。母は両親がここに住んでいた年齢を越え、ここに来るのも最後かもしれないと言っていて、せっかくなのでノスタルジー旅行をする事に。

阪急は、もちろん当時とは違う車両なのですが、色が同じで「懐かしい」と心が暖かくなりました。街も同じで、当時を知る母が言うにも当時馴染んだものはほとんど何も残っていないようですが、それでも来られてよかったようです。


六甲山 に泊まったのですが、夜景だけは当時のように綺麗で、大満足でした。明日は神戸。とても大切な約束があります。



その報告は少し後で(^^)
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Posted by 八少女 夕

日本を満喫中

うなぎ

一ヶ月も来ているというと、ものすごく長いように思えますが、あっという間に半分が終わってしまいました。

今回の帰国は、いつもの三週間の休暇の間に一週間の労働が挟まっていました。今週がその週だったのですが、スイスの会社のPCにネット接続して働いたのです。

時差がありますし、機器が手元にないので全く同じではないですが、とにかく時間の上ではきちんと勤務しました。

またこれをやりたいかと訊かれると微妙なところですが、少なくともその間は日本にいるので、日本でしかできないことをいろいろと楽しみました。

水曜日の朝は、渋谷に行って、映画をみました。TOM-Fさんに薦められた「君の名は。」を。素直に楽しくて美しくて心の動くいい映画でしたね。日本のアニメと一口に言っても、いろいろあるんでしょうけれど、これは本当に子供が見ても大人が見てもそれぞれが楽しめて、感動して、好きになれるいい意味で日本らしい映画でした。レビューを書くほど映画を見ているわけではないので、ここではこれ以上は語りません。TOM-Fさんの記事は色々と納得でしたから、気になる方はそちらをどうぞ。あ、東映の映画館、設備よすぎです。

月曜日は年金をどうするか相談に行きました。火曜日は母親と買い物。先週の日曜日は姪の、今週は甥の文化祭。その合間に大学やアフリカで知り合った友人にも会い、かなりのハードスケジュールですね。

カステラ

月曜日から、国内旅行に出かけます。日本の秋を堪能するつもりです。
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Posted by 八少女 夕

ブログのお友だちとお会いしました

日本についてすぐ、今帰国のハイライトのひとつがありました。けいさんにお会いしたんです。

ご存知の方も多いですが、けいさんも私も海外移住組。オリジナルの小説を書き、かつ海外に永住という二つのファクターが揃った知り合いは実はけいさんお一人なんです。もちろんそれがどうというわけではないのですが、やはり格別の親しみがあります。

そしてあっさりお会いできたことも嬉しかったです。

けいさんのライフスタイルと帰国なさるタイミング、そして私のそれらを考えると、私たちが同じ場所にいるのって奇跡のようなことなのです。だから、「会えるものなら会っていただこう」って真剣さが違ったのですよね。

日本にいた頃は、「これが最後のチャンスかも」と思うことはまれでした。まだ若かったし、時間は永遠にあると思っていましたから。

けいさんのお土産

けいさんは、書かれる文章そのままのステキな方でした。個人的なことも含まれるので、詳細は書きませんが、しゃべりまくることなんと6時間以上! その上別れ際の駅でもまだ話のタネは尽きず。創作の話も、人生のお話も面白くて、こういう引き出しから、あのハートフルな作品が生まれてくるんだと納得です。

日本に着いたばかりでまだ新しいステキな店などのリサーチが済んでいなくて、ここぞといういいお店にご案内できなかったのが心残りですが、私はとっても楽しい1日を過ごさせていただきました。けいさん、ありがとうございました。お土産もありがとうございました。あ、チョコは独り占めしませんのでご安心を!

そして。実はlimeさんともお電話でお話ししちゃいました。「おおお、生limeさんだ〜」と妙に感動してしまった私です。どんなステキな方だったかもここで語りたいところですが、内緒。
お仕事から戻られてお忙しいお時間に、すみませんでした。
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Posted by 八少女 夕

日本にいます

成田空港

久しぶりの日本、別に大したことはしていないんですが、楽しんでいます。

買い物をして、ご飯を食べて、親や姉や姪や甥といっぱい話して。

あ、ちょっとはポケモンGOもやったっけ。うちの実家の近く、恐ろしいほどポケストップはあるんですが、出るポケモン自体は大したことなくて、バッグは常にいっぱいです。(知らない方、すみません。大した話題ではないです)

若鶏の和風ソース

昨日は買い物が長引いたので母と外食しました。なんてことのない洋食を食べたんですが、日本のお肉が美味しいので堪能しましたよ。

買い物は、靴と靴の中敷、それに念願の眼鏡。眼鏡は結局二つ買いました。JINSというお店で。遠近両用と中近両用です。前者が外や休日用で、後者は仕事用。ブルーライトカットの割合も変えてもらいました。一週間後にできるそうです。氣になっていた件を二つ終えたのでホッとしました。
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Posted by 八少女 夕

鳴らしちゃダメ

レストランのベル

他の国はよくわかりませんが。

もしスイスのレストランで、こういうベルを見かけたら、不用意に鳴らすのはやめましよう。

これを鳴らした人は、その場にいる客の分の全ての代金を払うという伝統があるんだそうです。

あ、もちろん払いたければどうぞご自由に。かなりの確率でクレジットカードの限度額を超えてしまうと思いますけれど。
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Posted by 八少女 夕

ウィーン自然史博物館

まだまだ続くウィーン週末旅行の話。あ、でも、少しマニアックですので。(それはいつものことか)

ウィーン自然史博物館

私がウィーンを訪れるのはこれで四回目でしたが、それでも当然ながら行けていない所というのがあるのですよ。これが最後ではないと思うので、無理をせずに優先順位の高い所から一つひとつ見て回っています。

今回ようやく行けたのは、「ウィーン自然史博物館」です。目の前に「ウィーン美術史美術館」があって、ここにラファエロがあるので行く度に足を運んでいるのですが、そちらに時間がかかるため足が棒になって、いつもこちらは「また今度」になっていたのですね。

とくに前回は歳をとった母と一緒だったので、無理はさせられずここは諦めましたが、今回はもともと自然の好きな友人と一緒だったので、はじめから「ここには行きたい」と約束してありました。で、恐竜などがすごいだろうなとは思っていたのですが、期待を超えた凄さでした。ずーっと心が躍りっぱなしでした。

ここの素晴らしさは、かつての宮殿を利用した豪華な建物の中に3000万点を超える膨大な自然科学の収蔵品が収められていることです。皇帝のコレクションというのはこういうものかというスケールの品々に、さらに後々加えられた収蔵品の充実っぷりに、さすが世界有数の博物館と言われるだけのことはあると感服しました。

(実は、もっとも有名な「ヴィレンドルフのヴィーナス」を見逃してきちゃったのですが、これは次回のお楽しみということにします)

私は鉱物の類いが好きだったので、まずは鉱物のコーナーから見てきました。あるあるあるある。なんなんだこの豊富なコレクションは。世界のありとあらゆる石、半貴石、貴石がびっしりと並んでいます。宝石の展示ではないのでカットされたようなものは少ないですが、巨大なアメジストや石英の結晶、金塊などこりゃすごいお宝だろうと思うものも無造作に展示されていました。

バージェス頁岩

恐竜コーナーの手前で見つけてしまったのが、古生代約5億年前の生物の化石バージェス頁岩です。「なんでこんなものまであるの!」と狂喜乱舞。本物をスミソニアンに行かずに見られたなんて信じられませんよ。あ、バージェス頁岩について詳しく知りたい方は、NETでググるか、スティーヴン・J・グールド「ワンダフルライフ」を読んでくださいね。これ以上ここで語ると長くなってしまうので。

そして、もちろんそこからアンモナイトなどの化石もあって堪能しました。昆虫のコレクションも、巨大な恐竜コーナーもすごかったのですが、現生生物コーナーの、ステラーカイギュウの剥製にも度肝を抜かれました。ゾウより大きい! ステラーカイギュウは、残念なことに発見されてから30年も経たないうちに乱獲で絶滅してしまいました。来訪者を残らず驚愕させるこの剥製はもういない生き物の悲しい記録なのです。

この他にも絶滅したドードーなどの鳥類もありましたが、カカポの剥製もけっこうあって「お願い絶滅しないで!」と念を送って来ました。

ウィーン自然史博物館

そして、鳥類コーナーで私が必死に探しまわった剥製がありました。これだけあるなら、どこかに絶対あると思ったんですね。そう、私のアフリカ好きに拍車をかけたきっかけのひとつ、「マシアノケ」こと「ハマーコップ(シュモクドリ)」です。足を棒にして何度も探しましたが、「あれ、あんなところにいま流行のハシビロコウがいるぞ」と歩いていったその真上にいました。

このシュモクドリ、アフリカのバードパークで、生きているのも見たことがあるのです。でも、いつかは野生の姿を見てみたいなあと思っていたりします。

そんなこんなで、あれもこれも大興奮の感動の博物館でした。次回もきっと行くと思います。
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Posted by 八少女 夕

ウィーンでポケモンGOした

呆れられるかとは思いますが、ポケモンGOしているんです。まあ、もちろん適度に、ですけれど。

もともと私はゲームの類いは全然やらない人で、ポケモンもピカチュウがなんだかは知っていましたけれどそれ以上の知識はなかったぐらいなのです。でも、いつもいる道にポケモンが出るなんて楽しいじゃないですか。で、ダウンロードしてはじめました。

とはいえ、ご存知の通りのド田舎ですから、見渡す限りポケストップがないなんてことも普通で、通勤途中に一か所、会社の側に一か所あるのを訪問してポケボールをゲットしている、そんな状態です。あ、全くなさらない方のために説明すると、このゲームはポケモンが出たらボールをぶつけて捕まえることができるのですが、そのボールは課金しなくてもポケストップという所に行って補給できる仕組みになっているんです。

で、出てくるポケモンも、田舎ですからそんなに珍しいものがうじゃうじゃ出るわけはなく、のんびりとプレイするしかないんですけれど。

で、この間のウィーン旅行です。都会だし、ポケストップもたくさんあるし珍しいポケモンも沢山出るだろうということで半分は球補給のつもりで向こうでも立ち上げたりしたんです。

もちろん観光中にポケモンGOをやるほどは狂っていないので(ウィーンにはポケモンよりも見たいものがたくさんありますからね)やったのは主に早朝とホテルに帰る前。ホテルの目の前に公園があって、そこは常に桜吹雪が舞っていた(誰かがルアーモジュールなるものを設置してポケモン出現しっぱなしになっている状態)んですね。道でやるより安全だし、みんなやっていたので恥ずかしくなかったので、ちょっと嬉しかったです。

ポケモンGO in Wien

ただの公園だと思ってウロウロして、みつけたポケストップをよく見たらあの「黄金のシュトラウス像」だったので心底びっくりしたなんていう、全く本末転倒なこともやっていました。

で、いろいろと捕まえましたよ。上の写真はうちの方ではどうやっても出てこないミニリュウ。まあ、何十匹も集めることはできないですけれど、記念に。近くにピカチュウの影も見たんですけれど、これは捕まえられませんでしたね。

でも、いいんです。いかにも強そうなのや、今ひとつキモチ悪いのも捕まりましたし、すっと欲しかったゼニガメも待っていてくれましたし。かわいいキツネみたいなロコン、動作がかわいすぎるカモノハシみたいなコダックも図鑑に載りました。

何よりも沢山ポケボールをもらえましたから。

ポケモン・ウィーク?

もうひとつ、ポケモンGOが流行っている恩恵がありました。

ベルヴェデーレ上宮という美術館は、クリムトがたくさんあることで有名なんですけれど、ここにいったらなぜか「ポケモンウィーク」をうたっていたんですね。

この美術館、普段は一切写真不可なんですが、「この週末だけはスマートフォンでの撮影許可」って書いてあるんです。速攻でスマートフォンを取り出しましたよ。帰って来てから氣がつきましたが、この「スマートフォンでの撮影許可」ってドイツ語だけで書いてあるんですよね。ドイツ語を知らなかったら撮れなかったのかも。

クリムト

そう、みんなスマートフォンで撮影していました。でも、ポケモンGOをしている人は皆無だったんじゃないかしら。一人も見かけませんでした。本物のクリムトをバチバチ撮れるチャンスですよ、それどころじゃないです。

私はここでもいろいろと撮ってきました。ホーフブルグで撮影禁止だった有名なシシィの肖像画(のひとつ)もばっちりと撮影できましたし。

ポケモンGOの流行に大感謝です。
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Posted by 八少女 夕

ウィーンは真夏です


夜行列車でウィーンに来ました。電車で行ける距離とはいえ往復で休みを2日使うのはもったいないから。
22時半にスイスを発って朝にはもうウィーンです。
日本から来た友人と待ち合わせて、昨日はシェーンブルンなどに行ってきました。
たくさん話し過ぎて乗り過ごしたり、方向を間違えて歩き過ぎたり、若干の失敗もしましたが、滞在を楽しんでいます。
暑い夏は、久しぶり!
詳しくは帰国後の記事にしますね。
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Posted by 八少女 夕

夏の午後だから

日曜日、久しぶりに晴れ渡って、しかも夏らしくなったので、アイスクリームを食べに高地のレストランへ行ってきました。

Wergensteinパノラマ

今年は本当に惨めと言っていいほど天候に恵まれず、先週は盛夏のはずの7月半ばにアローザで雪が降るという珍事が起こる始末です。私の住んでいる所は標高700m前後なのですが、さすがにそこまで雪は降らなかったけれど、昼休みに8℃だったという(笑)

そんなショックの後だったので、きもちよく晴れ渡った日曜日、「どっかにいかなきゃ!」と、連れ合いと二人ヴェルゲンシュタインという小さな山の上の村に行ってきました。この日は、うちの近くで30℃ちかくまで氣温が上がったのですよ。

ここは、アイベックスが生息している場所で、アイベックス観察センターみたいな位置づけになっているレストラン。

Steinbock

アイベックスというのはドイツ語では「Steinbock」と言って、グラウビュンデン州のワッペンにも描かれているアルプス高地の代表的な野生動物。山羊の仲間です。乱獲によってスイスでは一度絶滅してしまったのですが、イタリア領地にいた個体をもらって保護した結果、現在はずいぶんと増えています。もっとも、絶滅危機にあることは間違いないので勝手に撃つことは出来ません。

そんなアイベックスの観察できるような場所ですから、もちろん山の上。

この村からはアンデールからヒンターラインへ、そしていずれはイタリアへと向かう谷が一望のもとに見渡せる素晴らしいパノラマが楽しめるのです。そして、スイスにしてはご飯がおいしいのも嬉しいレストラン。こんな夏の一日にはハイキングを楽しむ人たち、ドライブに来た人たちで賑わっていました。

Wergenstein

レストランの裏手にひっそりと立つ教会。あたり前だけれど、野良猫のようにアイベックスが登場するわけではないので私は生きている本物を見たことはないんですが。剥製や、オブジェなどが村おこしに貢献しているのを微笑ましく眺めました。この青空! これがグラウビュンデン州がヨーロッパ中から観光客を集める秘密です。
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Posted by 八少女 夕

エーヴベリーの話

すっかり忘れていましたが、十月に行ったイギリス旅行のメインイベントの報告が残っていました。なぜ思い出したかというと、今月の終わりにウィーンに行くのですが、その前に前の旅行のことを書いた方が……という流れです。はい。

エーヴベリー(Avebury)はヨーロッパ最大のストーンサークルを含む新石器時代のヘンジです。ヨーロッパにおけるもっとも完成された先史時代遺跡の一つです。有名なストーンヘンジの北、およそ30キロの所に位置するエーヴベリー村近郊にあります。……って、これは近郊って言うのかなあ。村が遺跡の一部を貫いている感じといえばいいんでしょうか。

Avebury
(エーヴベリー遠景 by Bob Croxford)

この遺跡は紀元前2600年頃に建造されてその後千年くらい使われたとのことです。ヘンジ、長方形古墳群、ストーンサークル、アヴェニュー、土手道で結ばれ、同心円上の堀に囲まれた集落エンクロージャーなどから成っています。サイズとしてはかのストーンヘンジ14倍もあるにも関わらず、あちらのように有名ではありません。

1990年に始めてストーンヘンジとフランスのカルナックを訪れ、その時から行きたいと思っていたのがグラストンベリーとこのエーヴベリーでした。でも、当時もマイナーではなかったでしょうがストーンヘンジほど観光客が行きたがらないので、余りやすいツアーのようなものはなかったのですよ。

今回行ってみて思ったのは、以前より観光用にバリバリ整備されたストーンヘンジとの差でした。いや、こういうのもいいんですよ。黄昏れた写真を撮っても他の観光客も映らないし、柵もなくて触り放題だったし。

お仕着せのツアーではまず行かないので「あそこにいく!」という強い意志がない限りは生涯見られない遺跡の一つだと思います。その分、今回行けたことは大感激でした。

Avebury
出典:File:Avebury, Stensättningen i ursprungligt skick, Nordisk familjebok.png

もともとはこのイラストのような形をしていたらしいのですが、今では多くの石が取り除かれてしまっています。現在はナショナル・トラストによって保護されていますが、何世紀にもわたり「おお、ここにちょうどいい石材があるぞ」と近隣の人たちが家を造るのに使っていたというのですね。

この遺跡がストーンヘンジよりもかなり雑な扱いを受けているのは、おそらくその巨大さが原因なのではないかと私は思いました。

エーヴベリー
「さあ着きましたよ」といわれて見ると、確かに巨石がいっぱいあります。でも、どこがサークルなのかさっぱりわかりません。

どうなっているんだろう、と歩いていたら見事に羊の糞を踏んでしまいました(笑)羊をそこで放牧しているんですね。

よくみると大きな土手のようなものが見えて、あれがエンクロージャーかとわかります。その上までかなり歩いて登ってみると、ようやくサークルに成っている全体像が見えてくるというわけです。つまり、大きすぎて何が何だかわからないんですよ。

エーヴベリー

この巨石のほとんどはこの地域で採れるものだそうです。そして、かのストーンヘンジの大きい方の石もここから運んでいたのだそうです。

石の形はストーンヘンジのように成形してありません。もともとの形を残すようにしてあるようです。でも、サークルになるように並べたのですから、大変な労力だったことは間違いないでしょう。当時はクレーンもなかったですし。

村と公道がサークルやエンクロージャーを分断するように発展してしまっているせいで、それぞれの巨石を見るためには、それらを越えて行かなくてはなりません。なかなか不思議な感覚でした。なんせ他の巨石遺跡は、たいてい囲まれて公園のようになっているので、それを見学するときは何となくタイムスリップした感じがするか、もしくは公園を見学しているように感じるのですが、ここは現実の村の生活と遺跡が分断されていないのです。
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Posted by 八少女 夕

旅の自撮り

今日はちょっとふざけた画像付き。

最近のSNS全盛、自分も決して人ごとではないんですけれど、「何だかなあ」と思うことがあります。例えば、わざわざ逢っているのに、例えば食事の間にもスマホを氣にしている人がいるなんて話を聞くこと。まあ、でも、仕事でどうしてもメールを読まなくちゃいけないこともあるでしょうし、Lineは何分以内に返さないと関係にひびが入るなんて話も聞くので、一概に「それはNG」とは言えませんけれど。

私がやっているSNSはfacebookだけです。これは日本の友達や知り合いに逢う度にいつも同じ事(「スイスにいるんだ。何しているの」「どんな暮らし?」)を訊かれるので、実名での付き合いの方に「百聞は一見に如かず」のつもりで個人的な写真を見せています。が、あまり熱心な方でもなく、休暇旅行など、どっかに行ったときの写真がメインでしょうか。あ、あと、Swissinfoでのスイス生活を紹介する記事(このブログではトップのお知らせにリンクのある記事ですね)をシェアしています。

反対に、これはどうしてもやりたくないなと思うのは、自撮り写真をSNSにアップすることです。私の個人的な知り合いではあまりいないんですけれどね。

Jidori_yu.png
天水 清太さんの描いてくださったアイコン画像、勝手にコラージュしました。すみません。

先日、写真を整理していて氣がついたのですが、自分の写真が異様に少ないのですよ。旅行に行くと連れ合いが一枚か二枚撮ってくれるのですが、「これ見て〜」と一般に公開したくなるような写真はあまりありません。写真は絵画と違ってそのままだから「それが自分なんだ、諦めろ」といわれたらその通りです。でも、ねぇ。

これをわざわざ自分で撮ってアップロードしたくなるなんてことは、まったくないんですよ。私がスマホに笑いかけている写真なんて、とくに他の人が見たいと思うとは思えないし、さらにいうと、どうやって撮影していたかが、何となく想像できる、その絵柄に自分で我慢がならないのですね。

もっと拒否反応があるのは自撮り棒で写真を撮ること。

jidori2.png
うたかたまほろさんの描いてくださった「森の詩 Cantum Silvae - 貴婦人の十字架」のディミトリオス、ふざけてコラージュしました。すみません。

自撮り棒、有名観光地に行くと必ず売っているんですけれど、あれで撮るのは死んでも嫌です。美意識からも許せないし、そうやって撮った写真をSNSにアップするのも嫌。だって、観た人全員に「あの間抜けな自撮り棒をかざしてあの美しい光景の中にいたんだ」と告白しているようなものじゃないですか。

素晴らしい光景をバックに写真を撮って思い出にしたいということ自体は私も思います。写真を撮ってくれる同行者がいない場合もあります。同行者と一緒にフレームにおさまりたいと思うこともあるでしょう。でもねぇ。その場にいる他の人に「すみません、一枚撮っていただけないでしょうか」もしくは「そちらもお撮りしましょうか」とコミュニケーション一つできないというのはどうかと思うんですよ。

私は、観光バスから降りて、自撮り棒で写真を撮って、五分後にはまたバスに乗っていなくなってしまう、そういう旅のスタイルは嫌なんですね。出会った他の旅人や、現地の人と拙くてもコミュニケーションをとり、カフェでまったりと街を眺め、カメラだけでなく心の中にも思い出を積もらせたいんです。

というわけで、毎回自撮り棒を売りつけたい怪しいおじさんにまとわりつかれても、にべもなく断る私なのでした。
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