野菜作りの実験結果

スイスは夏の後に、ほぼ秋抜きで初冬が来てしまったような日々です。日中でも10℃とか、普通に寒いですけれど、もう10月だからしかたないですよね。
今年、いつものトマトだけでなくいろいろな野菜を試しに植えて、私が作れる野菜とそうでない野菜を知ろうとしました。で、結果としてトマトの楽さ、安定ぶりを改めて感じたんですけれど、苦労しつつも他の野菜も「意外とできたじゃん」と感じることもありました。
日本にいたときは東京に住んでいて、普通に明るいうちには帰れない生活が普通だったので、いわゆる家庭菜園的なものとは無塩でした。ハーブくらいは栽培しましたけれど。
スイスの田舎暮らしというのは、そういう日本の都会暮らしとは全く違うリズムの中で生きるので、家庭祭する時間と余裕というものは十分にあります。会社から帰宅する途中につい吸い込まれてしまう本屋や、休日に行きたくなってしまう文化催事などもありません。仕事が終わって20分後には自宅に戻り、それから夏だと2時間くらいは明るいのです。そして、夏は爽やかで外にいるのも苦になりません。
種から芽が出るのを待った野菜と、苗を買ってきた野菜とがありましたが、もちろん苗からの方が楽でした。
トマトの半分は、去年のトマトから自然に出てきてしまったもの(3本)でした。日本の品種です。残りの3本は園芸店から狩ってきた「シベリア種」「ブラッククリム」「ベルナーローゼン」という種類でしたが、大きくておいしかったのは、日本のトマトの子孫、それから「ベルナーローゼン」でした。来年は、この2種にプチトマトを1つ植えてみようと思います。
今ごろになってようやくピーマンが実をつけだしています。赤パプリカになる予定なんですけれど、まだまだピーマンなんですよね。
人参は、写真のようにまあまあの出來のものになりましたが、時間がかかるのと苗1つから1本しかできないのでトマトなどと比べると若干効率が悪いなと思いました。同様にキャベツやコールラビも、虫との戦いの果てにできあがりは少ないなと感じました。ブロッコリーも同様ですね。
さて、芽の出てしまった野菜を植え付けてみたのが、ジャガイモとネギの類いです。家庭菜園の先輩が次々とチェックに来て「これは無理だよ」と言いました。ジャガイモはポットではできないというのです。そういうものなのかと思ったのですけれど、とりあえず枯れるまで放置しておきました。
実際に枯れた苗を引っ張ってみたら何もついてこなかったので「本当にダメだった」と肩を落としていたんですけれど、そのポットに他のものを植えようかと土をひっくり返したら、「あれれ?」新じゃががいっぱいでてきました。
大量のジャガイモではないですけれど、もともと芽の出たジャガイモは1つだったので、それがこれだけ増えたのは私にとっては大成功でした。この程度で良ければ、ポットでもジャガイモはできるのですね。
玉ねぎも芽の出てしまったものを捨てるくらいなら、ポットにつっこんでおけばしばらくするとちゃんとした野菜になって戻ってきます。
本当の自給自足をするには、絶対量が少ないのですけれど、私のような素人でもそこそこ野菜は育てられるのだとわかったのはよかったです。
これからは寒さに強い野菜と、室内でスプラウト系を作って冬の野菜不足に備えるつもりです。
春です

スイスはすっかり春めいてきました。この冬はアメリカやヨーロッパの他の国と違い、スイスの私の住む地域はものすごい暖冬でした。12月の初めに雪が降って、それっきりで、3月に入ってから1度だけ降ったのですが、すぐに溶けてしまいました。
問題は、今後の水不足ですが、幸いここのところ八家に雨が降ることが多いので、少しでも水不足が解消することを祈っておきます。
普段よりも暖かかったので、春の花は軒並み開花しています。普段なら4月に入ってから咲くような野の花がどんどん咲いていますし、去年植えた西洋ヨモギやレモンバーム、それに薔薇の葉なども次々と芽吹いてきています。
さて、昨年は5月くらいまで何もしなかった庭仕事ですが、今年は既に最初のステップを踏み出しました。
昨年は連れ合いの工場にある大きめのプランターだけで仮にさまざまな野菜を育てたのですが、そのプランターの枯れ枝などを取り除き、土を梳いてもう少し暖かくなるのを待つことにしました。3月なので、冷涼なスイスではまだ植えられるものが限られているのですが、土にコンポストを混ぜ込んだ里などの作業は早めにしておくに限ります。見ると、もう立派なミミズなども活動していました。

そして、今年は隣人の好意で畑の一部を借りられることになりました。上の写真では手前に移っている部分です。ほんの小さなスペースとはいえ、去年の野菜類を作ったプランターの面積と比較すると、たぶん6倍くらいの量を植えることができます。
ここに、まずはサラダ類と大根の種とのらぼう菜の小さな苗を植えてみました。4月以降に、もう少し別の作物も順次植えてみます。あと今年は豆類やサツマイモも本格的に作ってみたいなあ。
工場脇のプランターの方は、かなり深さのいるゴボウや、屋根が必須のトマトなどを植えていこうと思っています。
去年は笑っちゃうくらいのわずかな収穫で、自作野菜が食卓に上ったこと自体を喜ぶ程度でしたが、今年の目標は野菜の購入が半分くらいになるくらいでしょうか。頑張ります。
サツマイモの芽が出た

今年は隣人の畑の一部を借りることができた話は先日しましたが、よそのお家の一部を借りる大きな利点がわかりました。
野菜作りのことはネットで調べて自分で試行錯誤していたのですけれど、日本語の情報ではスイスでのタイミングがわからないんですよ。(あたりまえ)でも、今年からは、隣人が進める作業を見て「あ、土作りってこんなに早いんだ」とか「あ、もう苗植えていいんだ」とか、目に見えてわかるんです。さらに、明らかにおかしいことをしたら忠告してもらえます。
去年は、もう雪は降らなくなるといわれている5月ぐらいに苗を買ってきて植えたんですが、そうすると収穫が遅くなり、「寒くなってきたのにまだまだだよ」ということになった野菜もありました。でも、こんなに寒かったら苗が死んじゃうのでは?」というタイミングでも、植物はけっこう強いので大丈夫そうです。
植えたサラダ類の種は芽吹いてきましたし、なぜだか半額で売っていたレタスの苗も衝動的に買ってしまったのですが、それも植えてみました。ズッキーニの本葉が出てきたばかりの苗や、芽の出てしまった玉ねぎなど、フラットで育てるのが面倒になってきた苗も順次畑に移しています。
その1つがサツマイモ。
秋に、日本人の方からいただいた日本の品種のサツマイモが1つありました。もったいなかったので、そのまま保存しておきこの3月に芽が生えるかトライしてみたんです。ご覧の通りちゃんと芽が出てきました。これをツルにまで育ててサツマイモを作る予定なのです。
この小さなポットに2つ用意したのですけれど、部屋の暖かさでダメになるか、畑の寒さでダメになるか、わからないのでとりあえず1つは室内で、1つは畑に植え替えて様子を見ています。
ジャガイモは私でも作れることがわかったので、今年はサツマイモが収穫できることを目標に頑張ります。
野菜が育ってきた

上の写真は、3月の終わりにお試しで蒔いた種からすくすく育っているサラダです。本来の畝から外れて育っている感じがありますが、水やりで種が流れたのか、猫がやって来て掘り返していったのか、真相はわかりません。その後極寒の4月もなんともせず、すくすく育ち、ついに私はサラダを購入しなくてよくなりました。今は、間引きも兼ねて少しずつ引っこ抜いている感じですが、それでも2人が食べるには十分な量が生えています。夏の間中、ここから引っこ抜いてきて食べられそうです。

別の畝にも植えた種が次々と芽吹いています。手前は雪などにやきもきしたけれど、ついにしっかりと根付いた野良坊菜。そして、遠くに見えているのは大根です。昨年から自分でみよし漬けを作るようになったのですが、今年はシソだけでなく大根も自前で作りたいものです。
畑には、ほかにもニンジンやハツカダイコンなどが順調に育っていますし、ズッキーニ、キャベツ、ブロッコリーなども一応定植してみました。うまく育ってほしいです。枝豆は、はじめて直接種を蒔いてみました。そして、5月後半になったらオクラを定植する予定です。がんばれ、野菜たち!
ルバーブをもらった

ルバーブは、日本だと「どこにでもある」タイプの野菜ではないかと思いますが、ヨーロッパでは季節になればどのスーパーでもみかけます。野菜と書きましたが、使い方としては果物に近いかもしれません。酸味の強い植物で、タルトやジャムなどで使うことが多いのです。
20年近く「どうしようかなあ」と思いながら調理方法がわからないからわざわざ買ったことはなかったのですが、「採れたてをどうぞ」と言われ、喜んで頂戴しました。
ネットで調理方法を検索したところ、梅干しペースト代わりにするというレシピもあったのですが、梅干しペーストは赤プラムで作るのでそれはやめました。
というわけでまずは定番のジャムを作りました。

一部は、煮込まずにマフィンに混ぜる予定で、これは歯触りが氣になると思われる皮を剥いて冷水であく抜きもしました。でも、その皮、きれいなピンクで捨てるのがもったいないなと思ったので、ジャムの方にツッコんでみました。
ルバーブ、はじめてジャムを煮てみて面白いなとおもったのは、ネットで書いてあったとおり、加熱するとあっという間に煮崩れるのです。あんなに硬かった皮もすぐに柔らかくなりました。
下の写真のピンクっぽい瓶入りのペーストがジャムです。こんなに簡単にできるジャムはないかも。

緑色のダイスは、マフィン用。またはトルテにでも入れる予定です。1/3だけそのままにして、残りは冷凍しました。そして、液体に浸かっているのは、ホワイトラム漬けです。ネットでみたのはウオッカ漬けだったのですが、我が家にちょうどあったのはホワイトラムだったので、氷砂糖といっしょに漬け込んでみました。6週間後に飲めるようになるそうです。飲むのは連れ合いですけれどね。
ルバーブ、非常に扱いやすいことがわかったので、これからときどき食卓に上がるようになると思います。
すでに食べきれていない?

昨年は連れ合いの工場のプランターだけでそれも実験的に植えた野菜だけだったので「なんだ。頑張ってもお店で野菜は買い続けなくちゃダメなんだ」と思っていました。借りた部分はさほど広くないと思っていたので(タダだし文句はありませんでしたが)正直言って、3月畑に種を蒔いた時は「秋に少しは食べられるのかな」ぐらいに思っていましたが、とんでもありませんでした。
現在の畑の様子です。完全無農薬で、水やりと適当な雑草取りしかしていないのですが、なんかすごいことになっています。
毎週買っていたサラダは、この夏は一切買わないでしょう。毎日、収穫しては食べ、収穫しては食べを繰り返しているのに、増えていく一方です。あんなに種を蒔くんじゃなかった(笑)

ダイコンは、間引きがもったいなくてグズグズしていたら、いきなりトウが立ちはじめたので慌てて収穫をはじめました。もっと大きくしたかったのになあと思いつつ、これ(合計50グラム)でみよし漬けを作りました。みよし漬けなら多少スが入っていても問題なし。
葉っぱももったいないので、ダイコン、ハツカダイコン共に全部食べています。
ズッキーニやオクラ、それに大豆などは、まだまだ小さいのですが、ようやく暖かくなってきたので、これからは大きく育つと思います。

連れ合いの工場前のプランターは、例年のトマト栽培に加えて、今年はプランターバッグを使ってジャガイモとサツマイモも作ります。ジャガイモはいい感じに育っていますが、サツマイモは初挑戦なのでドキドキです。

そして、こちらも連れ合いの工場前のプランターで、深い根を張るものを植え始めました。ゴボウの発芽に苦労しています。ダイコンの仲間はこちらでもどんどん繁っています。ニンジンもようやく本葉が出てきました。
最近、スーパーに行って野菜売り場の前で「何にしよう」と悩むことがなくなりました。買い物から帰って大量の野菜を処理する事もなくなりました。その日に使うサラダは畑から取ってくるので、冷蔵庫がサラダで埋まることもなくなりました。青菜系も畑やプランターにあるものでたいてい何とかなります。
ジャガイモは、先日ついになくなったのでまた買い足しましたが、10キロ以上のまとめ買いだとかなり安いので、そうやって買うようになり、たぶん我が家の収穫まで持ちそう。
冬の間、セールだと買ってきて冷凍させたり乾燥させたりした野菜もまだあるので、今年はもうあまり野菜を買わずに済んでしまいそうです。
雑な家庭菜園生活

このブログで何回か記事にしたように、3月から隣人の畑スペースの一部を借りて家庭菜園をしています。加えて、去年までと同様に連れ合いの工場前のスペースでも野菜を作っています。
去年はこの時期には食べるものはなかったんですよ。毎年十分に採れるトマトは早くても8月に赤くなりますし、去年お試しで植えたブロッコリーを1つ収穫したのはこの時期でしたが、しばらくそれっきり。
なので今年3月にあれこれ植え始めたときには「去年みたいに当分何も食べられないかもな」と軽く考えていました。
ところがこれがとんでもありませんでした。5月までとても寒くて「何も育たないかも」と思っていたのですが、6月に入ってからは反対に「野菜に追われる日々」に近くなってしまいました。
「あっちもこっちもトウが立っちゃう! 食べなきゃ」という悲鳴です。
1つめの失敗は、リーフサラダの仲間をたくさん植えすぎたことです。毎日、必死で食べてもなくなりません。2つめの失敗は根菜類が育つためにはもっと土を深く耕さなくてはいけなかったのですが、それを知らず「まだできないな」と思ったらあちらでもこちらでもトウが立ちはじめたこと。あと、もったいなくて間引けなかったので、根が育たず共倒れに(笑)
結局大根の大半は、青菜として茹でて冷凍することになりました。ハツカダイコンも同様です。小さいけれど捨てるには忍びなかった大根とハツカダイコンは、細かく切ってお漬物を作りました。
そうこうしているうちに、ほうれん草や野良坊菜など、もともと青菜として植えた野菜も育ってきて、これも収穫しては食べるか冷凍します。
もうじきズッキーニも食べられそうですし、半額でたたき売られていたので買って植えた6個のレタスも1つを除いてうまく育ち少しずつ収穫して食べています。
完全無農薬なので、もっと害虫に襲われて食べられなくなる分が多いのかと思っていましたが、意外と順調です。
ここ2か月くらい、野菜売り場では果物くらいしか買っていません。
ニンジンなど畑では十分に育っていない野菜もあるのですが、春のうちに冷凍して置いたものがまだあります。それに、サラダを消費するので手一杯なので、他の野菜を買っても食べきれません。
そんなこんなで、野菜に関しては夏の間はほぼ自給自足できることがわかりました。冬になっても食べきれないからと冷凍した青菜やこれからできると思われるジャガイモやニンジンなどで、去年よりは買わずに何とかなりそうな予感です。
いま、すでに引っこ抜いたリーフサラダや、大根、ハツカダイコン、ルッコラなどの跡地に新しい種を蒔くこともはじめました。
全体的に、はじめの頃に較べて苗を雑に扱っています。4月頃は、間引きをするにしてもいちいち悩んで、間引いた小さな芽もみな食べようとしていました。
それがリーフサラダと大根の収拾がつかなくなってきたころから、傷んだ葉はさっさとコンポストに入れたり、トウが立った茎は固くて食べられないので葉っぱだけ残してコンポスト行きにしたりするようになってきました。
あまり完璧を求める性格でもないので、かなり適当な野菜作りですが、このくらい緩くやったほうが、かえって後でイヤにならないだろうと思っています。
去年、食糧不足にどうやって立ち向かえるだろうかなどと、心配もしましたが、この程度の小さな畑でも、十分に野菜の自給自足に近い事ができるのだと、今年はむしろ安心するようになりました。
来年のことを言うと鬼が笑うと言いますが、今年の反省を書き留めておかないと同じ間違いを犯しそうです。なので以下は自分のための備忘録です。
来年は……
(1)リーフサラダをあんなにまとめて蒔かないように。せめて時間差にしないと(笑)
(2)ナメクジの通り道と思われる位置にはアブラナ科を植えない。または今年成功した銅箔テープガードを。
(3)レタスは美味しかったのでまた植えたいが、これまた時間差で
(4)芽出しに苦労したほうれん草は直接播いた方が早い
(5)ゴボウはあきらめる。どうやっても芽が出ないし
(6)日本は暑いので初心者向きと言われるオクラもスイスでは難しい
(7)ズッキーニはもっと間を空けないと
(8)ビーツの芽出しはけっこう簡単
(9)全体として種の大きさに惑わされず、植物の間隔をもっと空ける
(10)どこに何を植えたのかもっと覚えていようよ
(11)寒いスイスでも3月に開始したのは正解。5月まで待つと夏は短い
ハーブはえらい

家庭菜園で、慣れない野菜づくりに振り回されている話を書きましたけれど、全く手がかからないとても便利なチームの話はしていませんでしたね。
今年もハーブ類は、勝手にすくすくと育ってくれています。もともと雑草みたいなものですから、植えておけばどんどん育つのです。日本だと、かなりなお値段のする上になかなかうまく育たない種もあるようですが、こちらではもともと牧草地に勝手に生えている類いの植物、氣候にあっているのでしょうね。
今年は、1年草のハーブと多年草のハーブ、ミックスの種を2種類買ってきて、それぞれ別のプランターに播いてみました。それぞれの苗を買ってくるとけっこうな値段になるうえ、場所もとってあまりたくさんは植えられないのですがこうしてミックスの種だと、さまざまなハーブを少しずつ試すことができます。
といっても、案の定、ジャングル化してきちゃったんですけれど。大きいプランターは連れ合いの工場にありますが、小さめのプランター6個が、キッチンの窓の外に棚を作って置いてあります。これが料理の度にさっと切って使えてとても便利なのです。
ここには映っていませんが、やたらと大きいセージ、義母の庭にあったものを移植した一部もキッチン窓に置いています。毎年かなり刈り込んでもどんどん大きくなってしまうのがセージ。アサツキ代わりに使うチャイブも、毎年勝手に増えます。

1年草のミックスに入っていた中で、便利なのがセルフィーユ。これをサラダに入れるだけで、なんだかオシャレ味になるのです。
パセリ、魚料理に合うディル、豆料理に使うセイボリーなど、何でも来い状態になりました。「なんだか味が決まらないなあ。何がダメなんだろう」というような時は、ハーブをプラスしてみると、嘘のようにレストランっぽい味になったりもするんですよ。
そして、忘れてはいけないのが、バジル。毎年夏の終わりにペストロ・ジェノベーゼを作ります。
今年は、去年いただいた赤紫蘇のこぼれ種から紫蘇も育ってきています。去年乾かして置いたしその葉を、今年は梅酢につけて「ゆかり」を作成中。送ってもらわなくても日本の味が日常的に食べられるようになってきました。
日本の野草もそうですが、ハーブは味付け香りつけ以外に、さまざまな薬効で知られています。各種のハーブティーを常備している家庭も多く、生活に密着した民間療法になっているようです。
というわけで、せっかくのハーブを料理やお茶として生活に取り入れることは、おいしくて身体にいい、いいことづくめです。
銅はナメクジ対策になるか

完全無農薬で家庭菜園をやっていて、問題になるのは食害です。大きく分けて2つあって昆虫によるものと、ナメクジによるものがあります。
昆虫で一番困るのはコガネムシの幼虫で、こいつに根っこを食べられると本体が死んでしまいます。でも、青虫程度なら、あまり目くじらは立てません。まあ、でも、こちらにはニームオイルという特効薬があるので、問題は解決しました。ニームによる無農薬栽培については、そのうちまた記事にしようと思います。
さて、問題はナメクジです。ナメクジは青虫なんかと違って、食べられたところがヌルヌルになったりするし、やられるとかなりの部分を捨てなくてはいけなくなるのでなんとかしたいところです。
観察していてわかったのですけれど、同じ畑でも、場所によってナメクジ害のひどいところと、あまり害を受けないところがあります。要は、お家から遠いと諦めるみたいなんですね。反対に通り道に近いところに、うっかりアブラナ科を植えたりすると、翌日には丸裸になったりしていました。
ビールトラップなども仕掛けてみましたが、大量に獲れるのはいいとして、やっぱり食害はおさまらないのです。それで、最後の手段として苗を銅箔テープでガードすることにしました。それがこの写真です。ロマネスコの苗です。
トイレットペーパーの芯を半分に切って、周りに銅箔テープを巻き付けただけのもので苗をガードしてから植えてみました。

そうしたらですね! 本当に効果あったのですよ。その証拠に、最初だけ風で飛んでしまった苗が1つあったのですが、そこはやられてしまったのです。幸い葉っぱが1枚残っていたので、再びガードしてしっかり植えた所、それからは一切やられなくなりました。
このあとにキャベツでも実験してみましたが、大雨が何日か続いたにもかかわらず、苗はすべて無事でした。他の植物はわかりませんが、少なくともアブラナ科の苗を守るにはこの方法は有効のようです。
作物チョイスの話

私が素人家庭菜園をはじめるにあたって、参考にするのはやはりかなりの部分が日本語の情報です。ネットにしろ、園芸雑誌にしろ、ドイツ語の情報だっていくらでもあるんですが、やはりたくさん読んで間違いなく理解するのは日本語の方が楽です。さらにいうと、日本人の「懇切丁寧体質」はこういう情報にも表れていて、やはりそっちの方が早いんです。
とはいえ、日本とスイスでは氣候が違いますし、標高や土だって違うので、日本でうまく行くものがスイスでもうまく行くとは限りません。その逆も然りで、難しいと言われていたものがスイスでは簡単な場合もあります。
例えば、上の写真のオクラ。日本だと初心者向けの野菜だと紹介されていますが、スイスではうまく育ちません。ものすごく大きくなるという話だったのに、全然育たず、ようやく1つだけ花開きましたが、収穫は1つか2つぐらいじゃないかなあ……。
反対にほぼ放置でも問題なく育つのはハーブの類い、サラダ類、そして豆類です。

去年は室内で育てようとしたために、5莢くらいしか獲れなかった枝豆は、放置に近くてもたくさん膨らんできました。
実は、枝豆とモロッコインゲンを植えた場所に、たまたまユウガオが雑草として生えてきてしまい、花が咲くまでそのツルを枝豆だと思い込んで大事にしていたのです。花が咲いてユウガオだとわかり、枝豆は失敗して生えてこなかったのだと思い込んでいました。
先週ぐらいから、写真のようにモロッコインゲンが収穫できるようになってきたのですが、よく見るとそれに混じって枝豆もできはじめてきています。いつの間に!
私の植えたモロッコインゲンは55日、枝豆は70日と言われているので、枝豆が食べられるサイズになるにはあと2週間くらいかも。
今は、毎日モロッコインゲンとほうれん草や野良坊菜を収穫しては付け合わせにしています。
トマトもずいぶん大きくなっていますが、赤くなるまではもう少し待たないと。
野菜づくりは楽しい

もともとは「食糧危機に備えなくちゃ」というような動機で試行錯誤を始めた家庭菜園ですが、最近は純粋に楽しむモードになってきました。
暑くなったり(といっても日本に較べれば湿度は少ないし快適な方です)、寒くなったり(7月や8月に最高気温11℃ってのはひどいと思う)、やきもきしながらも、夏のスイスではさほど作物がダメになる要因はなくて、なんだかんだいってコンスタントに野菜を収穫できています。お店と違って、毎日似たような野菜ばかりになりますが、それが旬って事ですよね。
うまく出来ない野菜はしかたないことと諦め、できた野菜や,多くなりすぎた野菜をすぐに食べたり冬のために貯蔵したり、日々やることがたくさんあります。
また収穫がだいたい済んだ野菜を放置している場合ではなく、土地を有効活用して秋冬の野菜も作らなくてはと頭を悩ませています。
ジャガイモ、ついに収穫しました。不織布のポテトバッグで作っていたのですが、去年よりも多くできたので満足です。といっても1㎏程度でしょうか。これで諦めるつもりはなくて、これから再挑戦します。
ちょうど玉ねぎも収穫し終わったので、その土をジャガイモに流用、そしてジャガイモを作った土で玉ねぎを作ることで連作障害を避けようという魂胆です。
私は家庭菜園初心者なので、まだまだ学ぶことがたくさんあるのですが、たとえ失敗した植物でも食べられる部分がたくさんあって、完全に無駄になった作物はまだありません。
秋のラウンドも頑張ろうと思います。
見逃した……

ズッキーニは、日本ではわかりませんが、スイスの家庭菜園ではめちゃくちゃ簡単な野菜だと思います。植えればどんどん育って、何か月も次々実をつけてくれます。今年は種から育てて、6月半ばに苗を4つ植え、7月から収穫が始まりました。それが、ほぼ毎週コンスタントに収穫ができて、最近では食べきれなくなってきたので冷凍や乾燥などで冬用にストックもしています。
借りている畑はほぼ毎日水をやったり雑草を抜いたりするために行くのですが、先週は大雨が続いてズッキーニのあたりはスルーしていました。ズッキーニは大きな葉っぱなのですが、大雨でさらに育ってそのあたりをよく見ていなかったのです。
で、氣がついたら収穫し損ねたズッキーニが巨大化していました! あらら。成猫サイズ……。ちょっと大味になってしまいますが、食べられることは問題ないので、これはストック用にする予定です。
スイスは冬が長いので、家庭菜園のできない時期はスーパーマーケットで野菜を買うのだと想像していましたが、おそらく冬の間も買わずに済んでしまいそうです。
マンゴーの苗

家庭菜園を初めて以来、スーパーで買った食材を見ては「種を植えたら生えてくる?」と考えるようになりました。
以前からアボカドは何度か挑戦して玉砕しているのですが、今回は連れ合いが買って食べたマンゴーの種を見て「やってみようかな?」と思ったのです。
マンゴーの種は殻に覆われているのですが、それをこじ開けて中身を取りだし、しばらく半分くらい水に浸かる状態で置いておきました。そうしたら、出てきたんですよ、芽と根が。8月の頭のことです。
というわけで、植木にしてみました。

そして、1か月ほど経ったところが、こんな感じです。
ネットで見るマンゴーの苗は、もっと葉っぱがピンとしているんですけれど、これは特に病気でも無さそうで、本葉も次々と出てきては下を向いていますね。そういう種類なのか、何かが足りないのか、ちょっとわからないのですが、もう少し観察してみようと思います。