スウェーデン刺繍 その4 色で遊ぶ

以前の記事で、子供の頃に母親と一緒に刺していた思い出のスウェーデン刺繍を再びはじめた話を何度か書きました。
あいかわらずオリムパス製絲株式会社のキットで図案を学びながらコースターに刺繍を施しています。上の写真だと、赤紫系統がオリジナルで、寒色系のものが私のオリジナルカラーです。(未完成ですが)
キットには刺繍糸なども入っているので、まずはその通りに刺すのですが、布や糸は別に持っているので、同じ図案の色違いも刺してみたりします。
プレゼントするにしてもいくつか色違いがあると楽しいかなと思ってそうしているのですが、それだけではありません。
スウェーデン刺繍は図案の通りに刺していくだけなので、出来上がりそのものには大きな違いは出ないように思います。そこで個性が出るのは色の組み合わせじゃないかなと思うのです。

この写真は右側がキットに入っていた色違い図案です。左側は私が勝手に色を決めて刺したものです。無難なのは単純なグラデーションで、真ん中のピンクのものですね。下の黄色や若草色をあわせたものは、自然の花の色遣いにインスパイアされたもので、上の赤紫青はちょっと冒険したグラデーションです。
いくつか冒険してみてわかったのは、やはり糸を並べただけと、刺繍として刺してみた感じは違います。なので、毎回「どうかなあ」とビクビクしながら刺してみて、意外と氣に入ったり「いまいちだったかな」と反省したりいろいろです。
今から思うと、母はこうした色の組み合わせのセンスがとてもよかったと思います。スウェーデン刺繍の時も、大胆な組み合わせに見えても、全体として上品な仕上がりにしていましたし、洋服も私は絶対に袖を通してみないような鮮やかな色を上手に着こなしていました。
それを思い出しながら、平安時代の色の襲の本なども参考にしたりして、楽しく組み合わせの妙を楽しんでいます。
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【小説】森の詩 Cantum Silvae - トリネアの真珠(20)人狼騒ぎ -2-
村の男たちが座っている円卓というのは、私の住むスイスやその他のドイツ語圏ではいまだによく見かけます。ドイツ語ではStammtischといって、ようするに常連たちがいつも集まる席です。特殊なパーティーやクラブ的に説明されていることが多いのですが、少なくとも小さな村では、会員権が必要とか、必ず決まったことをしているというわけではなく、ただ飲んでいるだけということも多いです。ここでは、そうした村の男たちがいつも集まって飲んだくれる場所をイメージして書きました。
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森の詩 Cantum Silvae - トリネアの真珠
(20)人狼騒ぎ -2-
静かに食事をするレオポルド一行や、その隣の席の少年とは対照的に、円卓の男たちはアクア・ヴィタの盃を重ねるのに忙しく、食事は遅れ氣味だった。
「それで、どうやって捕まえるって?」
「それ、昨日説明しなかったか? いいか、よく聴けよ。ヤツはいつもこの店の余り物を狙って裏手にやって来る。で、俺様が昨日のうちに落とし穴を仕掛けておいたんだ。今はジュゼッペが見張っている。もしヤツがかかったら、俺たち全員で行って、投石して、傷ついたら殴って息の根を止める」
「飛びかかってこないのか?」
「ジュゼッペが上手くやったら、魚網を上からかけて、穴から出られないようにしているはずさ」
ラウラは、カタンという音がしたので隣の席を見た。例の少年は、ゴブレットをテーブルに置いたようだ。握りしめている手がわずかに震えている。
ラウラの視線を追ってマックスも少年を観た。フリッツもその視線を追う。少年は、思うところがあるようで、円卓の男たちの騒ぎを険しい表情で見ていた。だが強い酒を重ねながら騒ぐ男たちは少年の様子には氣がついていなかった。
「人狼だ!」
裏手から男が叫んだのが聞こえた。
円卓の男たちは、一斉に立ち上がって騒いだ。
「人狼がかかったぞ! 急げ」
「よし、行くぞ!」
男たちは、脱いでいた上衣を急いで身につけ、隅に立てかけてあった棒をそれぞれが手に取り出かける支度をした。
その間に、例の少年が静かに立ち上がり、黙って戸口から出て行った。少年の腰には細いダガ剣が刺さっていた。見るとテーブルの上にいつの間に用意したのか代金が置いてある。どうやらはじめからこの捕り物に加わろうと機を待っていたらしい。
「あいつらを阻むつもりかもしれないな」
レオポルドは小声で言った。あの視線の険しさは、人狼退治の男たちに賛同しているとは考えられなかった。だが、どう考えてもあの華奢な少年が、屈強な村人たちに敵うとは思えない。
レオポルドは、マックスに視線で支払いをするように促した。それを予想していたマックスは、懐から財布を取り出し、十分だと思われる金額をテーブルに置いた。
「巻き込まれない方がいいんじゃないですか」
フリッツが制する。ちらりとラウラの方を見てレオポルドは好奇心と危険を天秤にかけていた。
それを見て取ったラウラが言った。
「あの方を助けたいのなら、急ぎませんと……」
男たちが出て行って、店は急に静かになっていた。
「奥方様たちは、ここで待っているように」
レオポルドがそういうと、ラウラは素直に頷きアニーと共にその場に残った。荷物もあるし、馬もまだつながれたままだ。
レオポルドとマックス、そしてフリッツは、男たちの後を追って店の裏手に向かった。
かなり近くまで行くと、助けを請う男の声が聞こえた。
「やめてくれ」
「いまさら命乞いしても遅いぞ、人狼め」
「満月まで生かしておいたら俺たちを襲うつもりだろう」
数人の男たちは魚網で押さえつけ、他の男たちは殴りつけるための大きめの石を探している。
「やめろ!」
声がして、先ほどの少年が飛び出してきた。
「何だ?!」
男たちは、驚いて動きを止めた。
「やめてくれと言っているじゃないか。本当に人狼かどうかもわからないのに、裁判にもかけずに殺すつもりなのか」
少年は急いで落とし穴の近くに寄った。
「ふざけるな。こいつが人狼なのは、なんども目撃されていて確かなんだよ。遠吠えだって何人もが聞いているんだ」
「先月から、俺たちの羊がこいつに裂き殺されているんだ。満月が来る前に退治しなかったら、また被害が広がるだろうが」
男たちは、手に石を持って落とし穴の方に投げようとしている。
「やるなと言っているだろう!」
少年は、ダガ剣を構えて男たちと落とし穴の間に割って入った。
「何だ、お前。邪魔するならガキだからって許さないぞ」
男たちは石を捨てて、棒を構えた。
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アプリコットジャムつくった

以前作ったジャム類がまだたくさんあるので、当分作るのはやめようと思っていたのですけれど、その舌の根も乾かぬうちに、また作ってしまいました。実は、自分ではまだ作ったことがなかったアプリコットジャムです。
私のジャムの作り方は、どんな果実もほぼ同じで、まぶした砂糖による浸透圧で果実自身の水分を出して加熱し、ハンドミキサーで滑らかにして瓶詰めにするだけです。苺やラズベリーなど出てくる水分が多すぎる果実は、シロップも同時に作ります。
アプリコットジャムを作ったことがなかったのは、そもそも私が杏の仲間の果実をさほど好きじゃないという理由でした。つまりわざわざ買ってこないんですよ。ですが、昨年辺りから事情が変わってきました。
今年も去年と同じように、梅干しを作りました。日本の梅はないので、バラ科サクラ属の他の果実で代用する「在外日本人あるある」な「なんちゃって梅干し」です。去年は赤プラムだけで作りましたが、今年は試しにアプリコットと赤プラムを混ぜて作ってみました。

上の写真の濃い紅色のが赤プラムで、梅干しっぽい色と形になっているのがアプリコットです。赤プラムは大きいし崩れやすかったので、去年も梅ペーストにしていました。アプリコットは何とか形がもったので、赤プラムと赤紫蘇と一緒に漬けて、いかにも梅干しっぽいビジュアルになりました。写真は干し始めた初日ですが、3日干したらもっと梅干しらしい感じになりました。最終的には、形のきれいなのは赤紫蘇と一緒に丸のまま保存、残りは去年同様ペーストにしました。
さて、そんな理由ではじめてアプリコットをわざわざ買ってきたのですが、さすがに全部梅干しにしても、我が家では食べきれません。なので一部はアプリコットのお酒にもしたのですが、さらに余ってしまいました。それで、試しに瓶1つ分だけジャムを作ってみたのです。
そうしたら連れ合いが絶賛しました。「これまで食べたジャムの中で一番美味しい」とまで言われてしまいました。
そういえば『アプリコット色の猫』という作品に関して、オーストリアのアプリコットのなぞについて記事を書いたことがあります。オーストリアでアプリコットジャムを買おうとするとなぜか「マリッレ」という名前になっているのです。特殊なアプリコットなのか、方言なのか、いまだにわかりません。
連れ合いは、このオーストリア産のマリッレジャムがものすごく好きだったのですが、今回作ったジャムはどうやら彼の好みとしてはそのマリッレジャムを超えてしまったようです。そこまで美味しいかなあ?
瓶1つが数日でほぼカラになってしまい、「そんなに好きなら、また作ろうかな」と思ったので、次のセールの時にまた800グラムくらい買ってきました。
このアプリコットジャム、2つだけ他の果物ジャムとは違う作り方をしています。1つは、ルバーブを少し混ぜています。以前隣人がお裾分けしてくれたので冷凍して置いたものです。そして、杏仁も少し入れています。アプリコット酒を作るときに「香り付けに杏仁を少し入れるといい」という話を聞き、杏仁を取り出して使う方法を知ったのですが、その応用です。

とりあえず、今年のジャム作りはこれでおしまいにします。(たぶん……)
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【小説】森の詩 Cantum Silvae - トリネアの真珠(20)人狼騒ぎ -1-
ボレッタなる村での民泊を経て、ついに一行は目的地トリネア城下町が見えるところまでやって来ました。今回更新分に出てくる蒸留酒のモデルはグラッパです。当時、ワインが高価だったというのはモデルとなった中世ヨーロッパでも同じで、実際にイタリア語圏の庶民は残り滓に水を加えたヴィナーチェを飲んでいたようです。めちゃくちゃ強いお酒を「命の水」などと名付けるのはヨーロッパ各地ではよくあることなので、ここではそれを真似して名付けてみました。
今回、さりげなーくずっと出てこなかったあの人が登場しています。ま、もう誰も待っていないでしょうが……。
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森の詩 Cantum Silvae - トリネアの真珠
(20)人狼騒ぎ -1-
翌朝、一行はウーゴとその妻のもてなしに感謝して、ボレッタを後にした。ここまで来ると街道と森の中の「民の道」はほぼ並行となる。
街道といっても四輪馬車がようやく1台通れる程度のものだが、それでもトリネア城下町までのわずかな距離に2度も通行料を払う必要のある砦がある。馬車に乗らない貧しい旅人たちはその街道に沿って森の中を行った。その踏み分けられた場所が非公式の道となり、「民の道」と呼ばれていた。
マックスは人目につきにくいのでこの道を選んだが、実際には強い日差しを防ぐ快適な道である上に、平坦で楽な道のりだった。
「城下町はそろそろでしょうか」
フリッツが訊く。
「そうですね。あと半刻もすれば、《中海の真珠》を一望できる丘に到達します。今日はいい天氣ですから、実に印象深い光景を目にすることができるでしょう」
マックスは振り向いて微笑んだ。
トリネア侯爵領の中心であるトリネア城下町は、《中海の真珠》と讃えられている。丸いキューポラが印象的な堂々とした大聖堂と、ほぼ同じ大きさの城を中心に、こぢんまりとした印象ながら均整のとれた美しさで有名だった。
海から訪れるトリネアも格別美しいが、陸路でトリネアを訪れる者は、街道の谷道で突然現れる「見晴らしの丘」からの眺めに一様に心打たれる。それは、「民の道」から出て、その丘に立った一行にも同じく強い印象をもたらした。
「なんてきれいなところなの!」
アニーが思わず口にして、あわてて口を押さえた。自分だけがそんなことを言ってはしたないと思ったのだ。
けれど、それを恥じる必要はなかった。言葉も出ないほどにラウラはその光景に心打たれていたし、レオポルドも、それどころかフリッツまでもその絶景に言葉を失っていた。
レオポルドがそれまで見たことのある海は、戦で見た
沖は深く濃い青で、港に近づくにつれて明るい青ととも緑ともつかぬ色となる。その水面を、陽光が燦々と降り注ぎ、波の動きとともにキラキラと輝いていた。繰り返す波のリズムに合わせて白い波頭が踊る。
温暖で陽光に満ちた土地には、色鮮やかな花々が咲き乱れ、異国を思わせる南洋の樹木の間に白レンガの壁と赤茶けた屋根の家々が立ち並ぶ。
海を見ることも初めてであったラウラとアニーは、その美しさに心打たれ顔を輝かした。マックスは一同の反応に満足したように頷くと、再び「民の道」に戻り、トリネア城下町に向けて下りだした。
城下町にほど近い麓の小さな村に、かつてマックスが入ったことのある旅籠兼居酒屋があった。なかなか美味しい料理をわずかな料金で食べられたことを思いだした彼は昼食をとろうと中をのぞいた。
まだ正午にはなっていないこともあり、5人分の席はかろうじて空いている。奥から女将が愛想よく声をかけてきた。
「ようこそ、4人ですかい?」
「いや、馬をつないでいる者がいる。全部で5人だ。昼食、いいかい?」
「もちろんです。こちらへどうぞ」
案内された奥の席は、L字型の長椅子で5人から6人座ることが可能だった。
入り口近くには円卓があり、大声で話す男たちが5人ほど座って食事をしていた。女将や給女は冗談を含む軽口で対応していたので、おそらく常連なのであろう。
奥のマックスたちが案内された席と反対側に、2人用の席に1人で座る華奢な少年がいて、何か考え事をしているような様子でワインを口に運んでいた。長めの髪を後ろで縛り、濃い紅色のトゥニカを着ている。この地域ではカミシアと呼ばれる簡素なシュミーズに、非常短く露出の多いコタルディと呼ばれる上衣を身につけている若者が多いので、太ももの近くまで隠れるトゥニカ姿は少し古風に見えた。
少年がじっと見つめている先は、大きな声で話す円卓の村人たちだ。
「今日こそ、絶対に捕まえてやる」
「満月になる前に捕まえなきゃな」
「おう。あのふてぶてしいウチのカカアが、すっかり怯えているんだ。ここでいいところを見せてやらなくちゃ」
昼間だというのに、男たちは
ワインは貧しい庶民には高価すぎる飲み物で、ワインの残り滓に水を加えたヴィナーチェが一般的であった。物珍しさからレオポルドはイゾラヴェンナに泊まった夜に1度だけ頼んだことがあったが、顔をしかめて何とか飲み干し、2度と頼もうとしなかった。
一方で、このヴィナーチェを蒸留した強い酒は、ものすごく強いのだが深い味わいのある良酒で、ワインそのものよりも美味い。だが、昼に酔い潰れるわけにはいかないし、間もなくトリネア城下町が近づいており言動には注意しなくてはならない自覚もあるのでもちろん一行はアクア・ヴィタを頼んだりはしなかった。
この店に置いている薬草を加えたワインはなかなかの味で、裕福な商人を装っているレオポルドは、ヴィナーチェではなくこのワインを飲むことが出来たことに満足していたが、目立つ事を避け何度も頼むようなことはしなかった。
料理は、マックスの記憶と違わず美味で、わずかな肉であったが一緒に煮込んだ豆や栗がしっかりと腹を満たした。
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銅はナメクジ対策になるか

完全無農薬で家庭菜園をやっていて、問題になるのは食害です。大きく分けて2つあって昆虫によるものと、ナメクジによるものがあります。
昆虫で一番困るのはコガネムシの幼虫で、こいつに根っこを食べられると本体が死んでしまいます。でも、青虫程度なら、あまり目くじらは立てません。まあ、でも、こちらにはニームオイルという特効薬があるので、問題は解決しました。ニームによる無農薬栽培については、そのうちまた記事にしようと思います。
さて、問題はナメクジです。ナメクジは青虫なんかと違って、食べられたところがヌルヌルになったりするし、やられるとかなりの部分を捨てなくてはいけなくなるのでなんとかしたいところです。
観察していてわかったのですけれど、同じ畑でも、場所によってナメクジ害のひどいところと、あまり害を受けないところがあります。要は、お家から遠いと諦めるみたいなんですね。反対に通り道に近いところに、うっかりアブラナ科を植えたりすると、翌日には丸裸になったりしていました。
ビールトラップなども仕掛けてみましたが、大量に獲れるのはいいとして、やっぱり食害はおさまらないのです。それで、最後の手段として苗を銅箔テープでガードすることにしました。それがこの写真です。ロマネスコの苗です。
トイレットペーパーの芯を半分に切って、周りに銅箔テープを巻き付けただけのもので苗をガードしてから植えてみました。

そうしたらですね! 本当に効果あったのですよ。その証拠に、最初だけ風で飛んでしまった苗が1つあったのですが、そこはやられてしまったのです。幸い葉っぱが1枚残っていたので、再びガードしてしっかり植えた所、それからは一切やられなくなりました。
このあとにキャベツでも実験してみましたが、大雨が何日か続いたにもかかわらず、苗はすべて無事でした。他の植物はわかりませんが、少なくともアブラナ科の苗を守るにはこの方法は有効のようです。
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【小説】花咲く街角で
今月のテーマは、フランスアルザス地方の家です。
実はですね。私の曾々祖母の故郷はストラスブールでして、かつて彼女の痕跡を捜しに旅をしたことがあるのです。こんな世界に住んでいたのかと感動してしまいました。それほどにこのアルザス地方は印象に残る場所でした。
今回の掌編の裏テーマは「人生の楽しみ方」です。忙しく真面目に生きているだけで、何かを忘れがちなのは私も同じ。ある人たちは、人生の楽しみ方をよく知っているように思います。

花咲く街角で
カスタード色のルノーからは、どこかオイルの焦げるような匂いがしている。ティボーからお香みたいな独特の香りがするのと同じで、エリカはすでに慣れてしまっていた。
車にはほとんど興味が無くて、ポルシェとアルファロメオを間違えたことすらあるエリカはいまだにいま乗っているオンボロ車の車種が定かではない。ティボーは「カトルシュボ」と言っていたような氣はするが。少なくともティボー自身の名前は憶えたのだから、それでよしとしてほしい。
ブリキのおもちゃのような車内装飾。赤い縞のシートは、今どきの車のように運転席と助手席が完全には独立していない。ティボーが右手を下に延ばすとき、はじめエリカは足にでも触られるのではないかと身構えたが、何のことはない、その位置にギアがあるだけだった。
地平線まで続く葡萄畑からは、硫黄の香りが漂ってくる。昨夜の通り雨を輝かす朝の光が葡萄畑をわたる風とともにルノーの中を通り過ぎていく。泣きたくなるくらいの美しさだ。
アルザスワイン街道をいつかは通ってみたいとは思っていたけれど、まさかこんな形で通ることになるとは思わなかった。朝からワインをがぶ飲みして、オンボロ車を運転する、首に変な入れ墨のあるちょっとジャンキーっぽい見知らぬ男に連れられて、エリカは『人生の延長試合』をはじめたところだ。
コツコツと真面目に生きてきたつもりだった。小さな貿易会社の事務員として10年働き、慎ましく生活してきた。来年には5年同棲した男と結婚して、新婚旅行もするつもりだった。でも、なぜかその男と、職場でエリカが一番仲がよかったはずの同僚が「おめでた婚」をすることになっていた。しかも、大切に貯めた結婚資金の大半はいつの間にか消えて、エリカが彼に「貢いでいた」ことになっていた。
それがわかってからしばらくの事は、もう思い出したくもない。半分自棄で身辺整理をして逃げ出してきた。新婚旅行に行くならと憧れていたコルマールで、人生を終えてやれと鼻息荒く飛び出してきた。その旅費ぐらいは残っていたから。
そして、パリからTGVに乗ってコルマールまで着いた。噂に違わぬ素敵な街並みだったけれど、楽しそうな観光客たちを横に、「人生を終える場所」など見つからなかった。エリカは、華やかな町の中心部から離れ、ホテルの小さなバーでワインを飲みながらメソメソと泣いていた。
その時に、隣でパスティスを飲んでいたのがティボーだった。
「なんで泣いているんだ?」
エリカは、拙い英語で自分の悲劇を語ってみた。思ったほどの同情を得られた氣はしなかった。
ティボーは、まるで「そんなことはフランスでは日常茶飯事だ」とでも言いたげな態度で頷き言った。
「せっかくこんないい時期にここに来たんだから、そんなにすぐに『おしまい』にすることはないよ。ワイン街道はみたのか? コルマール以外の村は?」
エリカは、若干ムッとしながら「まだ」と答えた。ティボーは、にやっと笑って言った。
「じゃあ、明日からは『人生の延長試合』だ。ワイン街道で、アルザスワインをたらふく飲んで、それからもっと小さな村を見にいこう」
これまでのエリカだったら、こんな怪しい男の誘いには乗らない。騙されてお金を巻き上げられるか、それに類したろくでもない事が待っていそうだ。でも、「死ぬに死ねない」状況で、さらにいうと帰国しても仕事も帰る場所もない現状では「その手の犯罪に巻き込まれるのもアリか」と思ってしまったのだ。
そして、エリカはそのホテルを今朝チェックアウトして、このオンボロ車の助手席に座ることにしたのだ。小さな荷物は、後部座席にぽつんと載った。
「あなたって、何している人? 引退するって年齢じゃなさそうだけど」
エリカは、疑問に思っていたことを口にした。見かけから推察するに40代くらいに見える。もう少し上の世代に多いヒッピー的な長髪を後ろで結んでいる。入れ墨はサンスクリット語のようだけれど、どんな意味か訊くのはやめた。白人がクールだと思って入れる漢字タトゥーは、漢字文化圏の者が見ると情けないモノが多いので、サンスクリット語だけが例外ではないと思うから。
「俺? 詩人……かな。ま、他にもいろいろやっているけれどね」
うわ。やっぱり、ヤバそうな人かも。……ま、いっか。たかったり、騙したりしようにも、私にはほとんど何も残っていないし。
なだらかな丘陵をいくつか登って、ルノーは小さな看板の出ている葡萄畑の傍らで停まった。ティボーは、懐から小さなビニール袋を取りだして、中に入っている紙で煙草の粉を巻いて火を点けた。
ああ、この香りだ。エリカは納得した。お香のようだと思ったのは、巻き煙草か。くたびれたアロハシャツに綿の7分丈パンツ、黒いビーチサンダル。肩の力の抜けた人だ。
葡萄農家と少し話すと、葡萄棚で日陰になった石のテーブルとベンチに案内された。白ワインといくつかのチーズにクラッカーが出てきた。
「さあ、乾杯しよう」
ティボーは笑った。
「もうお酒? まだ9時にもなっていないのに」
エリカが言うと、ティボーと農園の女将は不思議そうな顔をした。
「朝と、夜で何が違うんだい?」
言われてみると、なぜ朝だと飲まないのか、よくわからない。ましてや人生を終わらせるつもり、もしくは『人生の延長試合』を生きているエリカには、さして重要な禁忌とは思えなかった。ええい、飲んじゃえ。
飲みやすい白だ。甘すぎず、渋さもない。いくらでもいけそう。このカマンベールみたいなのとよく合うし。しかも、このバケット、パリッパリだ。美味しいなあ。こんなにきれいな場所でワインを飲んだ事って、これまでになかったかもしれない。誰かのグラスが空じゃないかと心配する必要もないし、ただ自分だけが楽しむためのワイン。最高だわ。
「ほら。まだ先は長いから、酔っ払いすぎないように。もう行くよ」
1杯だけ飲むと、意外にもティボーはさっさと立ち上がった。
そして、ようやくエリカは氣がついたのだが、ティボーは『アルザスワイン街道』を通り、この先のいくつもの農園でさまざまなワインを飲み比べさせてくれるつもりらしい。
フランス北東部を、北はマーレンハイムから南はタンまでヴォージュ山脈の麓の市町村を結ぶ170キロメートルを『アルザスワイン街道』と呼んでいる。アルザスワインの1000にものぼる生産者がこの地域にあり、試飲をしたり生産者から直接買ったりすることができる。
そして、それだけでなく途中で通る村がいちいち美しい。
壁の骨組みを木で造り、その間に石やレンガを入れて漆喰で固める「木骨造り」という中世ドイツの影響を色濃く残した様式の家々はカラフルな壁と飾られた花と相まっておとぎの国のようにかわいい。
世界中にも伝統的な家屋を一部だけ残した歴史地区などはあるけれども、『アルザスワイン街道』は170キロメートルにわたり、通る村のほぼすべてがこのような様式の家で建てられているのだ。
エリカは、ずっとコルマールやいくつかの有名な村の一部だけが、このような美しい外観なのだと思っていたので、とても驚いた。
「ああ、ここでコーヒーを飲まなくちゃ」
そう言ってティボーはなんでもないパン屋の前で車を停めた。
「
パン屋の女将が挨拶する。
「やあ。パン・オ・ショコラはあるかい?」
ティボーの問いに、女将はショーケースを自慢げに見せた。
店の片隅の丸テーブルで、紙ナフキンで包んだだけのパン・オ・ショコラとコーヒーを渡された。何十もの層となった生地がサクッとした歯触りで口の中に広がる。固すぎず、でも、クリームではない板チョコがたっぷり入っている。
「うわ。ちょっと待って。これ、本当に美味しい……」
店には次々と客が入ってきて、お互いに挨拶しながら他愛のないことを話している。ティボーともみな知り合いらしく、次々と会話が弾んでいた。ドイツ語に近い不思議な言葉、アルザス方言だ。
たった1杯のコーヒーと、1つのパンを食べている間に、世界がいきなり社交的で優しくなったかのようだ。ここに逃げ出してくる前の生活では、休憩時間とはスマホをチェックしてトイレに行くぐらいの時間だった。この国に到着してからも、パリでは観光客に対しての事務的で冷たい扱いを受けていたように思う。
「コーヒータイムも、悪くないだろ?」
ティボーは、そんなエリカの考えを見透かしたかのようにウインクした。
また車に乗って、葡萄畑の間を走っているときに、エリカは言った。
「私ね、朝からワインなんて飲んじゃいけないって思っていたけれど、そういうばコーヒータイムもコーヒーを飲むだけでみんなでおしゃべりすることは避けていたかも」
「どうして?」
「どうしてかしら。もちろん仕事中には決まった時間以上に休んじゃいけない決まりはあると思うんだけれど、休みの日は関係ないはずよね。でも、そういうものだと思い込んでいたのかも」
「今朝の時間の過ごし方はどう? 心地よい? それとも居心地悪い?」
ティボーは助手席のエリカを見て訊いた。
「新鮮で、そうね。とても心地よい驚きだと思うわ。午前中って、人生って、こんな風に楽しんでいいのかって」
「それならよかった」
午前中に、ティボーに連れられて3軒の農家で白ワインを楽しんだ。太陽が高く上がるにつれて氣温はぐんぐんと上がり、アルコールはどんどん蒸発していった。1杯につき50ccもないとはいえ、運転するティボーがこんなに飲んでいるのは合法なのかどうか怪しい。だが、さすがフランス人というのか全く酔った感じはない。
「さあ。昼食の時間だ」
コルマールよりも南のエギスハイムに着いたとき、ティボーは言った。
エリカは、言った。
「お昼は、私が払うわ」
朝からエリカは1銭も払っていない。何度か財布を取り出したが、ティボーに人さし指を振って断られてしまったのだ。
ティボーは、片眉をあげてニヤッと笑った。
「それは無理だな。レストランじゃないからね」
どういうこと? ティボーは、観光客たちのように車を城壁の外の駐車場には停めず中に進めて村人が停めている駐車場に停めた。
そして勝手知ったる足取りで小さな小路を進み、クリーム色の壁の家の外階段を登って行った。茶色い木のドアを解錠して中に入っていった。
「ようこそ。我が家へ」
エリカは目を丸くした。ティボーの住む家?!
外壁はクリーム色だったが、内壁は白かった。外壁と同じなのは木骨が台形に張り巡らされていることで、同じ色の古い木材の柱、同じくらい古そうな丸い木のテーブルと椅子、備え付けの家具類だった。天井も同じ木材で、丸いランプは取り付けてあるが、それ以外は「中世からこのまま」と言われても信じてしまいそうな佇まいだ。
よく見るとキッチンにはガスコンロやオーブンもあるし、冷蔵庫もあるのだが、その冷蔵庫もどこのアンティークなんだろうと思うような古い50年代風外観で、先ほどまで乗っていたルノーを彷彿とさせた。
「まあ、座って」
そう言うと、部屋の片隅に置かれたレトロなラジオのスイッチを入れた。サクソフォンが心地よいラウンジ・ジャズがわずかな雑音とともに部屋に満ちる。
それから、レモンを入れた緑の重いガラスコップを持ってきて、そこにミネラルウォーターを注いだ。
彼はラジオに合わせて鼻歌を歌いながら、冷蔵庫から食材を取りだして木製のキッチン台に並べた。
「えーと、何か手伝えること、ある?」
エリカが訊くと、彼は「そうだね」と言って、テーブルに洗ってあるチシャを持ってきた。
「これを、このお皿に載せて」
「こんな感じ?」
「うん。それでいい」
彼は、何かのパテをそのチシャの上に載せて、上からバルサミコ酢をかけた。それから、テーブルに冷えたワインボトルとグラスを持ってきた。
「ゲヴュルツトラミネールだよ。ちょっと癖のある料理に合うんだ。だから、前菜は鴨のパテにした」
ティボーはグレーのテーブルマット、布ナフキン、カトラリーレストなどを慣れた手つきでセットしていき、あっという間にレストランのようなセッティングにしてしまった。
グラスに琥珀色のゲヴュルツトラミネールが注がれた。なんともいえないフルーティーな香りがする。
「これ、何か薬草でも入っているの?」
「いや、そういう品種の葡萄なんだ」
引き締まった辛口で、ワイン自体に強いアロマがあり癖が強いのだが、香辛料のきいた鴨のパテに驚くほどよく合う。
「意外ね。喧嘩しそうなのに、こんなに合うなんて」
そして、もう1つ意外だったのは、ティボーが料理上手だったことだ。パテの次に、スズキの香草焼きをあっという間に作り、茹でポテトとほうれん草まで添えてあった。切るときに幸福な香りを漂わせたパリパリのバゲットは小さな籠の中で待っている。今度のワインはリースリング。
「もしかして、料理人でもあるの?」
ティボーは、笑った。
「若い時にセネガルやモロッコを旅して回ったんだ。その時にそういう仕事をしたこともある。でも、それとは関係なく、食べるのは好きなんだ。毎回の食事は大いに楽しまないとね」
エリカは、前に食事を楽しんだのはいつだったかと考えた。3回きちんと食べることは心がけていたつもりだったけれど、それは楽しかっただろうか。今朝、ホテルで出てきた朝食ですら「タダなのにもったいないから」食べたような氣がする。
ティボーは、「デザートはテラスで食べよう」と言った。石の階段を登って、裏の庭側に小さなテラスがある。そこからはどこまでも続く葡萄畑を一望することができた。すぐ近くの建物の屋根に、コウノトリが巣を作り、カタカタと音を立てている。
ビターオレンジのシャーベットに、エスプレッソコーヒー。とても簡単なデザートだけれど、こうやってゆったりと食べると本当に美味しいなあ。
「日本で使う漢字でね、忙しいって字は心を亡くすって書くの。私、もしかしてずっと心をなくしたまま生活していたのかもしれない」
ひとり言のようなエリカの言葉に、ティボーは微笑んだ。
「今日、心を取り戻した?」
「わからないけれど、少なくとも何もかもがきれいで、美味しくて、楽しい。久しぶりだなあ、こういう氣持ち」
空のグラスに、リースリングが新しく注がれる。窓枠から入ってくる優しい陽の光がグラスに反射する。
「じゃあ、わかるまで、ゆっくりと探せばいいよ」
「そうできたらいいけれど、お金もほぼ使い切っちゃったし、そうもいかないわよね」
エリカは、現実的に答えた。
「中途半端にあるからお金は足りないって感じるんだよ。全くなくても、実は何とかなるものさ」
「でも、今夜泊まるホテル代すら足りないかもしれないのよ」
「ほらね。ホテルに泊まろうと考えるから足りないのさ。……この階の部屋は空いているから使うといいよ」
エリカは目を白黒させた。
「なんで? 知り合いでもなんでもない人をただで泊めても、あなたにメリット何もないじゃない?」
ティボーは、肩をすくめた。
「僕は、世界中で、知り合いでもなんでもない人たちにしばらく住まわせてもらったし、助けてもらったよ。誰もメリットがあるないなんて言わなかった。誰かが困っていたら手を差し伸べて、楽しく時間を過ごせれば、それでいいんじゃないかな。それじゃ君の氣が引けて困るなら、家事を手伝ってくれればいいし、この村にしばらくいれば、簡単な仕事くらいは見つかるだろうし」
エリカは、疑い深く食い下がった。
「でも、私、フランスの滞在許可もないし」
ティボーは、ウインクした。
「そんなことは、いま氣にしなくてもいいんだよ。お金のことも。まずは、よく寝て、食べて、飲んで楽しむ事が先だ。それ以上のことは、あとからついてくる。いまは、この1杯を全力で楽しむんだ」
エリカは、少し考えた上で、ワイングラスを持ち上げた。確かに、昨日あれだけ悩んだけれど「人生の終わらせ方」は見つからなかった。それよりも、無茶苦茶な『人生の延長試合』を続ける方が、なんとかなりそうな予感がする。
生き方を少し変えてみたら、強敵みたいに思っていた人生とも、うまく折り合っていけるのかもかもしれない。
(初出:2023年7月 書き下ろし)
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ハーブはえらい

家庭菜園で、慣れない野菜づくりに振り回されている話を書きましたけれど、全く手がかからないとても便利なチームの話はしていませんでしたね。
今年もハーブ類は、勝手にすくすくと育ってくれています。もともと雑草みたいなものですから、植えておけばどんどん育つのです。日本だと、かなりなお値段のする上になかなかうまく育たない種もあるようですが、こちらではもともと牧草地に勝手に生えている類いの植物、氣候にあっているのでしょうね。
今年は、1年草のハーブと多年草のハーブ、ミックスの種を2種類買ってきて、それぞれ別のプランターに播いてみました。それぞれの苗を買ってくるとけっこうな値段になるうえ、場所もとってあまりたくさんは植えられないのですがこうしてミックスの種だと、さまざまなハーブを少しずつ試すことができます。
といっても、案の定、ジャングル化してきちゃったんですけれど。大きいプランターは連れ合いの工場にありますが、小さめのプランター6個が、キッチンの窓の外に棚を作って置いてあります。これが料理の度にさっと切って使えてとても便利なのです。
ここには映っていませんが、やたらと大きいセージ、義母の庭にあったものを移植した一部もキッチン窓に置いています。毎年かなり刈り込んでもどんどん大きくなってしまうのがセージ。アサツキ代わりに使うチャイブも、毎年勝手に増えます。

1年草のミックスに入っていた中で、便利なのがセルフィーユ。これをサラダに入れるだけで、なんだかオシャレ味になるのです。
パセリ、魚料理に合うディル、豆料理に使うセイボリーなど、何でも来い状態になりました。「なんだか味が決まらないなあ。何がダメなんだろう」というような時は、ハーブをプラスしてみると、嘘のようにレストランっぽい味になったりもするんですよ。
そして、忘れてはいけないのが、バジル。毎年夏の終わりにペストロ・ジェノベーゼを作ります。
今年は、去年いただいた赤紫蘇のこぼれ種から紫蘇も育ってきています。去年乾かして置いたしその葉を、今年は梅酢につけて「ゆかり」を作成中。送ってもらわなくても日本の味が日常的に食べられるようになってきました。
日本の野草もそうですが、ハーブは味付け香りつけ以外に、さまざまな薬効で知られています。各種のハーブティーを常備している家庭も多く、生活に密着した民間療法になっているようです。
というわけで、せっかくのハーブを料理やお茶として生活に取り入れることは、おいしくて身体にいい、いいことづくめです。
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【小説】水の祭典
今月のテーマは、オーストリアはザルツブルグにある『ヘルブルン宮殿』の『水の庭園(Wasserspiele)』です。
ザルツブルグに夏に行かれる方は、滞在を1日延ばしてでも行く価値がありますよ。私はザルツブルグには2度ほど行ったのですけれど、一番印象に残っているのは今は亡き母と回ったこのヘルブルン宮殿です。
今回のストーリーの2人はこちらの作品で登場させた既存のキャラクターです。顛末はこの作品にも触れていますので、前作は読まなくても全く構いません。

水の祭典
暑い。昨日は爽やかな初夏らしい、結婚式にはぴったりの天候だったけれど、今日はうって変わって、強い日差しに焼かれて焦げちゃいそう。
ケイトは、隣を歩くブライアンのポロシャツ姿をチラリと見た。スーツでない彼を見るのは、もしかして初めてかもしれない。
ブライアン・スミスは、昨日華燭の宴をあげたダニエル・スミスの兄だ。ということは、昨日からケイトの親友であるトレイシーの義兄になったということだ。
よりにもよって、結婚式をオーストリアのザルツブルグで挙げたのは、トレイシーがザルツブルグで生まれ育ったからだ。でも、婚約パーティーはロスでしたから、ケイトがザルツブルグに招待されるとは思っていなかった。
「ねえ、トレイシー。大切なあなたの門出だもの、もちろん喜んで駆けつけたいのよ。でも、私、この間パリに行ったときにけっこうな貯金を使ってしまったし、正直言って経済的に厳しいの」
そう言ったケイトにトレイシーはウインクして答えた。
「心配しないでよ、ケイト。あなたの旅費は、もちろんご招待よ。忘れているかもしれないけれど、あなたが私たちの恋のキューピットなのよ。それに、あなた、ブライアンのガールフレンドとして、スミス家の一員みたいなものじゃない?」
ケイトは、後半の誤解にあわてて、前半の提案へのリアクションをし忘れた。
「私たち、そんな関係じゃないわよ?! 聞いていないの?」
「だって、デートしているんでしょ?」
トレイシーに訊かれて、ケイトは首を傾げた。
「デートなのかな? たしかに何回か誘われて食事には行ったわ。でも、別にそれ以上の進展はないし、女友達の1人なんじゃないかしら? ニューヨークにはちゃんとした恋人がいるかも」
トレイシーは、ため息をついた。
「まだ、そんなところなの? ダニーには、あなたの話ばかりしているみたいなのに」
ケイトは、ますます首を傾げた。ブライアンとは、話していてとても楽しい。ヘルサンジェル社の重役というアメリカン・ドリームの頂点にいるような存在のはずなのだが、時おり、その辺の中小事務所で働く平社員ではないかと思われるような空氣を醸し出す人だ。
いつだったか、それが不思議で訊いたときに、彼は笑って頷いた。
「もともと僕は友達の仕事を手伝っていただけの、ふつうの労働者だったんだよ。だけど、その友達の進める事業がとんでもなく成功して、会社がやたらと大きくなってしまったんだ」
ヘルサンジェル社は、健康食品を扱う大企業だが、その最高経営責任者であるマッテオ・ダンジェロと、広告に起用されたスーパーモデルである妹アレッサンドラ・ダンジェロのイメージが強すぎる。マッテオの華やかな生活は、有名人たちとの数々の浮名を含めてセレブのゴシップ誌にしょっちゅう紹介されている。
一方で、最高総務責任者が誰であるかは、ゴシップ誌しか見ないような人たちはまず知らない。そして、それが、いまケイトの隣を歩いているブライアンなのだ。
かつて、トレイシーからの頼まれ後ごとが縁で、たまたまパリの空港でブライアンと知り合ったケイトだが、彼がロサンゼルスに来るときに食事に誘われるという付き合いが1年ほど続いている。つまりまだ両手で数えられるほどだ。
彼が本当はもっとロスに来ているのか、または他の女性とも会っているのかも、ケイトは知らない。それを知る権利があるとも思っていない。まさか、トレイシーが言うように、彼が自分に夢中だなんて思うほどうぬぼれているわけではない。
「今日は、どこに行くの?」
ケイトはブライアンに訊いた。新婚夫婦の邪魔をするわけにはいかないし、トレイシーのオーストリアの友達とは親しくないので、自由時間を過ごすのはなんとなくブライアンと2人ということになった。
「トレイシーおすすめのヘルブルン宮殿だよ。今日みたいに暑い日にはぴったりだと思う」
ブライアンは言った。
旧市街から見えている高台のホーエンザルツブルク城や、庭園のきれいなミラベル宮殿は挙式の前日にトレイシーやダニーの家族と一緒に見学したのだが、他にも宮殿があるとは知らなかった。
「たくさん宮殿があるのね」
「夏の離宮だそうだ。だから少し離れているんだね」
「誰の離宮? ハブスブルグ家の王様?」
「いや、ザルツブルグがオーストリアになったのは19世紀で、それまではドイツ支配下の大司教領だったんだ。だから、ヘルブルン宮殿を建てたのも大司教ってことになるね」
「お坊さんが、そんなにお金持っているの?」
「大司教といっても領主だし、それに、このマルクス・ジティクスって大司教はホーエンエムス伯だからもともと貴族だ。いまの宗教家のイメージとはちょっと違うんだろう」
夏の離宮というからには、涼しい高地にでもあるのかしら。ケイトはブライアンに連れられるまま、市バスに乗った。かなり遠くなのかと思ったら、30分もかからずに目的地に着いたようだ。
「ここ?」
なんでもないバス停かと思ったら、道の向こうに黄色い壁があり、「ヘルブルン宮殿入り口はこちら」という矢印が見えた。さすが宮殿の塀だけあって、そこから入り口まで暑い中かなり歩いたが、そこからは美しい庭園だったので、外を歩くときのような日差しの暴力は感じなかった。
「大丈夫? もう疲れてしまったかな。先に休むかい?」
ブライアンに訊かれて、ケイトは首を振った。いくら何でもそれほどヤワではない。
「いいえ。大丈夫よ。暑いけれど、もう夏ですものね。ああ、広い。こんなに大きな敷地のお城だったら、ザルツブルグの旧市街には入りきらないわよね」
ブライアンは、目を細めて「そうだね」とケイトに笑いかけた。それから、ケイトが手にしているカメラを見て言った。
「それ、しまった方がいいかもしれないな。これを使って」
彼が、ポケットからビニール袋を2つ3つ取りだして渡してきたので、ケイトは首を傾げた。
「これ、どうするの?」
「濡れたら困る電子機器があったら、それで保護しておいた方がいい」
ブライアンはそう言って、彼のスマートフォンもビニール袋で包んでポケットにしまい直した。
ケイトは、これまでいくつかの噴水のある庭園を訪れたことがあるが、スマートフォンやカメラをビニール袋にしまうようなことはしなかった。ブライアンって、意外と大袈裟な人なのかしら?
グループツアーの集合アナウンスがあり、「行こう」と言うブライアンに続いてケイトはグループに合流すべく進んだ。
そして、案内人は宮殿の中ではなく一同を庭園へと導いた。
さまざまな大理石の彫刻で飾られた広大な人工池が涼しげな水音をたてている。緑色の水には黒い大きな魚や鴨が泳いでいる。宮殿を向こうに見渡す池の傍らにオレンジの壁とさまざまな彫刻で飾られたローマ劇場と石テーブルや椅子のある広場があり、案内人はまずそこで止まった。
「ようこそ、ヘルブルン宮殿の水の庭園へ! 今日は、とても暑いのであなたたちはまさにぴったりの場所を訪れたというわけです。さまざまな噴水をお目にかける前に、『諸侯のテーブル』にお座りいただき、この庭園の歴史について簡単にご説明しましょう」
案内人はそう言って、参加者たちをテーブルの周りある8つの椅子にそれぞれ座らせた。
「この宮殿は、大司教マルクス・ジティクス・フォン・ホーエンエムスの依頼で、1613年から15年にかけてイタリアの建築家サンティーノ・ソラーリの設計で建設されました。後期ゴシック様式の素晴らしい建築の妙については、後の宮殿内ツアーでご説明するとして、まずは世界的に有名なこの庭園の仕掛け噴水についてお話ししましょう」
案内人は、にっこりと笑って一同を見回した。
「実は、大司教マルクス・ジティクスは、ちょっと人の悪いところがあったようで、宮殿を訪れる客をびしょ濡れにして、驚き慌てるさまを眺める趣味があったようなのです……こんなふうに」
そう言った途端、8人が座った席の真後ろの石畳から水が噴き出して、水のカーテンができた。
「きゃあっ」
実際には、動かなければ濡れないような絶妙の位置に水は噴き出しているのだが、びっくりして立ち上がった観光客はあっという間に濡れてしまった。
ケイトも思わず身をひねって倒れそうになったが、さっとブライアンが腕を伸ばして庇ってくれたので、難を逃れた。
「ありがとう。あら、代わりに濡れてしまったのね、ごめんなさい」
ブライアンの腕と、ポロシャツの袖が濡れている。
「大したことはない。すぐに乾くよ。……次の仕掛けでもっと濡れるかもしれないけれど……」
ケイトは、笑って訊いた。
「こういう風になるって、知っていたの?」
「具体的には知らなかったけれど、濡れる可能性があるとトレイシーが教えてくれたんだ」
子供たちは喜んで、自ら水の中に飛び込んでいっている。大人たちは首をすくめて、水が止まるのを待った。無事に止まったので、席を立ち少し離れたが、とある観光客がしくみはどうなっているのかよく見ようと覗くと、今度は座っていた椅子からも噴水が噴き出して、その男はびしょ濡れになった。これらの不意打ちで、仕掛け噴水ツアーの観客たちはみな笑顔になり、一瞬で打ち解けた。
「この仕掛け噴水は、当時のシステムのままで、電動ポンプなどは一切使用されていません。世界的にももっともよく保存されたルネッサンス後期の技術の粋を、お楽しみください」
園内に立ち並ぶ彫像たちは、よく見るとふざけた表情を持つものが多く、あかんべーをしているように見えるものもある。よく見るとその口の中には管があり、どうやらこれも噴水となっているようだ。
続いて案内された
ここでも、油断しているのをいいことに、高いところ、低いところから客たちが通り過ぎるのを狙ってピュッピュと水が吹き出してくる。
外に出れば、先ほどは何もないと思っていた通路には水のアーチができており、ブライアンとケイトも笑いながらもはや濡れることを避けずに通り過ぎた。
ギリシャ神話を題材にしたさまざまな仕掛けのある洞窟を通り、案内されたのは巨大なドールハウスのような機械劇場だ。3階建ての建物にオルゴール仕掛けのごとく現れる精巧な仕掛け人形たちが、圧巻だ。偉そうな男が頷き、労働者たちは樽を転がし、兵隊たちが行進し、熊は引き回されている。そして、やはり水力で自動演奏されるオルガンが楽しげな音楽を奏でる。
「見て。あそこ、踊っているわ」
「本当だ。そしてここでは、屠殺場面かな?」
ケイトとブライアンは、これらのバラエティ豊かな仕掛けのすべてが、全く電氣を使わない水力だけのカラクリだということにあらためて驚いた。
そして、最後に案内されたのは、噴水の水圧で王冠が浮く仕掛け噴水だ。はじめはゆっくり持ち上げて、さほど高くなかったので油断していると、突然ものすごいスピードではるか頭上まで持ち上がる。水と光の相乗効果でとても幻想的で印象深い。
洞窟の外に出ると、またしてもあちこちから水が飛んでくる。宮殿にかかっている鹿の頭部に至っては、角からも口からも四方八方に水が飛んでくる。
ケイトは、こんな風にきゃあきゃあ言って楽しんだのは、本当に久しぶりだと思った。子供の時以来かもしれない。普段は礼儀正しくて物静かなブライアンも、大笑いして楽しんでいる。ふと氣がつくと、物理的に距離が近づいてしまった。
バスを降りてこの宮殿まで歩いていたときには、2人の間にはもう1人が入れるくらいの距離があったのに、今はとても近くを歩いている。そして、それがとても自然に感じられた。
これまでは、2人の仲をトレイシーに指摘されたら、いつも全否定していたけれど、もしかしたら私たちって本当にそういう仲になるのかも。
そう思って、なんとなくブライアンの顔を見たら、彼もこちらを見て微笑んでいた。あちこち濡れて、少々情けない身だしなみになっているにもかかわらず、そんな彼がいつもよりも格好良く見えて、思わずケイトは顔を赤らめた。
(初出:2023年7月 書き下ろし)
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雑な家庭菜園生活

このブログで何回か記事にしたように、3月から隣人の畑スペースの一部を借りて家庭菜園をしています。加えて、去年までと同様に連れ合いの工場前のスペースでも野菜を作っています。
去年はこの時期には食べるものはなかったんですよ。毎年十分に採れるトマトは早くても8月に赤くなりますし、去年お試しで植えたブロッコリーを1つ収穫したのはこの時期でしたが、しばらくそれっきり。
なので今年3月にあれこれ植え始めたときには「去年みたいに当分何も食べられないかもな」と軽く考えていました。
ところがこれがとんでもありませんでした。5月までとても寒くて「何も育たないかも」と思っていたのですが、6月に入ってからは反対に「野菜に追われる日々」に近くなってしまいました。
「あっちもこっちもトウが立っちゃう! 食べなきゃ」という悲鳴です。
1つめの失敗は、リーフサラダの仲間をたくさん植えすぎたことです。毎日、必死で食べてもなくなりません。2つめの失敗は根菜類が育つためにはもっと土を深く耕さなくてはいけなかったのですが、それを知らず「まだできないな」と思ったらあちらでもこちらでもトウが立ちはじめたこと。あと、もったいなくて間引けなかったので、根が育たず共倒れに(笑)
結局大根の大半は、青菜として茹でて冷凍することになりました。ハツカダイコンも同様です。小さいけれど捨てるには忍びなかった大根とハツカダイコンは、細かく切ってお漬物を作りました。
そうこうしているうちに、ほうれん草や野良坊菜など、もともと青菜として植えた野菜も育ってきて、これも収穫しては食べるか冷凍します。
もうじきズッキーニも食べられそうですし、半額でたたき売られていたので買って植えた6個のレタスも1つを除いてうまく育ち少しずつ収穫して食べています。
完全無農薬なので、もっと害虫に襲われて食べられなくなる分が多いのかと思っていましたが、意外と順調です。
ここ2か月くらい、野菜売り場では果物くらいしか買っていません。
ニンジンなど畑では十分に育っていない野菜もあるのですが、春のうちに冷凍して置いたものがまだあります。それに、サラダを消費するので手一杯なので、他の野菜を買っても食べきれません。
そんなこんなで、野菜に関しては夏の間はほぼ自給自足できることがわかりました。冬になっても食べきれないからと冷凍した青菜やこれからできると思われるジャガイモやニンジンなどで、去年よりは買わずに何とかなりそうな予感です。
いま、すでに引っこ抜いたリーフサラダや、大根、ハツカダイコン、ルッコラなどの跡地に新しい種を蒔くこともはじめました。
全体的に、はじめの頃に較べて苗を雑に扱っています。4月頃は、間引きをするにしてもいちいち悩んで、間引いた小さな芽もみな食べようとしていました。
それがリーフサラダと大根の収拾がつかなくなってきたころから、傷んだ葉はさっさとコンポストに入れたり、トウが立った茎は固くて食べられないので葉っぱだけ残してコンポスト行きにしたりするようになってきました。
あまり完璧を求める性格でもないので、かなり適当な野菜作りですが、このくらい緩くやったほうが、かえって後でイヤにならないだろうと思っています。
去年、食糧不足にどうやって立ち向かえるだろうかなどと、心配もしましたが、この程度の小さな畑でも、十分に野菜の自給自足に近い事ができるのだと、今年はむしろ安心するようになりました。
来年のことを言うと鬼が笑うと言いますが、今年の反省を書き留めておかないと同じ間違いを犯しそうです。なので以下は自分のための備忘録です。
来年は……
(1)リーフサラダをあんなにまとめて蒔かないように。せめて時間差にしないと(笑)
(2)ナメクジの通り道と思われる位置にはアブラナ科を植えない。または今年成功した銅箔テープガードを。
(3)レタスは美味しかったのでまた植えたいが、これまた時間差で
(4)芽出しに苦労したほうれん草は直接播いた方が早い
(5)ゴボウはあきらめる。どうやっても芽が出ないし
(6)日本は暑いので初心者向きと言われるオクラもスイスでは難しい
(7)ズッキーニはもっと間を空けないと
(8)ビーツの芽出しはけっこう簡単
(9)全体として種の大きさに惑わされず、植物の間隔をもっと空ける
(10)どこに何を植えたのかもっと覚えていようよ
(11)寒いスイスでも3月に開始したのは正解。5月まで待つと夏は短い
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