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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

ご挨拶

さてさて、押し迫ってきました。今年も年末と年始のご挨拶は分けずに、2023年の振り返りと2024年のご挨拶をまとめて記事にさせていただきます。

雪景色

【創作とブログの活動】
2023年は下記のような作品を発表しました。

長編・『森の詩 Cantum Silvae - トリネアの真珠』 (連載中)
短編集・『12か月の建築』(完結)
企画もの・『scriviamo! 2023』の作品群
短編・『樋水龍神縁起 Dum Spiro Spero・外伝 流星に願いを』(150000Hitリクエスト企画)

『森の詩 Cantum Silvae - トリネアの真珠』ならびに『12か月の建築』は完全な自転車操業で、落とさずに毎週水曜日の更新ができたことが奇跡みたいな感じです。ギリギリの綱渡りでしたね。

2024年の活動ですが、既に始まっている「scriviamo! 2024」(皆様のご参加をお待ちしています)、上記『森の詩 Cantum Silvae - トリネアの真珠』、そして、月に1度の読み切りは『12か月の植物』として書いていく予定です。とはいえこちらもまだ構想がきちんとできていなくて、自転車操業は2024年も続きそうです。

【実生活】
・休暇
あいかわらず猫優先で、外泊は1度もしませんでしたが、休暇中はスイスの半分くらいの場所をあちこち周りました。そして、成り行きでイタリアにも何度か入りました。

・仕事関連
働き方は昨年とほぼ変わりませんが、日本語教師の副業は自宅でオンラインという形になったので、冬の運転でビクビクする必要がなくなったのはラッキーでした。

・家庭菜園
2023年の一番のトピックは、隣人に畑の小さなスペースを借りて家庭菜園を本格的にはじめたことでした。このブログでも何とか言及したのでご存じの方も多いかと思います。15平米もないスペースなのですが、思った以上の収穫があって、なんと今年はほとんど野菜を買わずに済んでしまいました。雪が降ってからもう畑は何もできないのですが、夏の間に冷凍していた野菜でいまだに夫婦2人の食卓はまかなえてしまっています。来年は、今年上手くいった野菜を中心にもう少し計画的に植えたいと思っています。とにかくサラダ菜の海は避けたい……。

・スウェーデン刺繍
中学から高校の時に母の真似をしてやっていたスウェーデン刺繍がまたやりたくなり、キットなどを取り寄せて作ってみました。ちょっとしたお礼用のグッズを作ったりして楽しみました。

・健康問題
この冬、少し大きな健康上の問題が発覚しました。といっても、見た目は変わらず、普通に暮らしています。2024年は仕事や生活の他に治療も同時進行でやっていくことになります。ポジティブに考えていますが、今のところ予定していない事情で一定期間ブログの更新が途絶える可能性もあります。その場合はご了承ください。

世の中は、不安が減るどころか、次々と新たな問題がたたみかけてきて、さらにこれまで夢にも思わなかった世界の事情を知ることになりました。ただ、怯えたり、投げやりになるのではなく、前向きにより良い世界が来るように行動していく事が必要なんだろうなあと思っています。

縁あってこのブログにいらしてくださった皆様に、あらためてお礼を申し上げます。新しい年も引き続きおつきあいいただけることを願っています。どうぞよろしくお願いします。
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Posted by 八少女 夕

scriviamo! 2024のお報せ

お知らせです。今から当ブログの年間行事である参加型企画「scriviamo!」を開催します。既にご参加くださったことのある方、今まで様子を見ていた方、どなたでも大歓迎です。また、開催期間中であれば、何度でも参加できます。


scriviamo!


scriviamo! 2013の作品はこちら
scriviamo! 2014の作品はこちら
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scriviamo! 2016の作品はこちら
scriviamo! 2017の作品はこちら
scriviamo! 2018の作品はこちら
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scriviamo! 2021の作品はこちら
scriviamo! 2022の作品はこちら
scriviamo! 2023の作品はこちら
scriviamo! 2024の作品はこちら

scriviamo!」というのはイタリア語で「一緒に書きましょう」という意味です。

私、八少女 夕もしくはこのブログに親近感を持ってくださるみなさま、ずっと飽きずにここを訪れてくださったたくさんの皆様と、作品または記事を通して交流しようという企画です。この企画、毎年年初に行ってきて、今回で12回目です。創作関係ではないブログの方、コメントがはじめての普段は読み専門の方の参加も大歓迎です。過去の「scriviamo!」でも参加いただいたことがきっかけで親しくなってくださった方が何人もいらっしゃいます。特別にこの企画のために新しく何かを用意しなくても構いませんので、軽いお氣持ちでどうぞ。

では、参加要項です。(例年と一緒です)


ご自身のブログ又はサイトに下記のいずれかを記事にしてください。(もしくは既存の記事または作品のURLをご用意ください)

  • - 短編まはた掌編小説(当ブログの既発表作品のキャラとのコラボも歓迎)
  • - 定型詩(英語・ドイツ語・または日本語 / 短歌・俳句をふくむ)
  • - 自由詩(英語・ドイツ語または日本語)
  • - イラスト
  • - 写真
  • - エッセイ
  • - Youtubeによる音楽と記事
  • - 普通のテキストによる記事


このブログや、私八少女 夕、またはその作品に関係のある内容である必要はありません。テーマにばらつきがある方が好都合なので、それぞれのお得意なフィールドでどうぞ。そちらのブログ又はサイトの記事の方には、この企画への参加だと特に書く必要はありません。普段の記事と同じで結構です。書きたい方は書いてくださってもいいです。ここで使っているタグをお使いになっても構いません。

記事がアップされましたら、この記事へのコメント欄にURLと一緒に参加を表明してください。鍵コメでも構いません。「鍵コメ+詩(短歌・俳句)」の組み合わせに限り、コメント欄に直接作品を書いていただいても結構です。その場合は作品だけ、こちらのブログで公開することになりますのでご了承ください。(私に著作権は発生しません。そのことは明記します)

参加者の方の作品または記事に対して、私が「返歌」「返掌編」「返事」などを書き、当ブログで順次発表させていただきます。Youtubeの記事につきましては、イメージされる短編小説という形で返させていただきます。(参考:「十二ヶ月の歌シリーズ」)鍵コメで参加なさった方のお名前は出しませんが、作品は引用させていただくことがあります。

過去に発表済みの記事又は作品でも大丈夫です。(過去の「scriviamo!」参加作品は除きます)

また、「プランB」または「プランC」を選ぶこともできます

「scriviamo! プランB」は、私が先に書いて、参加者の方がお返事(の作品。または記事など)を書く方式のことです。

「プランB」で参加したい方は、この記事のコメント欄に「プランBで参加希望」という旨と、お題やキャラクターやコラボなどご希望があればリクエストも明記してお申し込みください。

「プランB」でも、参加者の方の締め切り日は変わりませんので、お氣をつけ下さい。(つまり遅くなってから申し込むと、ご自分が書くことになる作品や記事の締切までの期間が短くなります)


「プランC」は「何でもいいといわれると、何を書いていいかわからない」という方のための「課題方式」です。

以下の課題に沿ったものを150字から5000字の範囲で書いてください。また、イラストやマンガでの表現もOKです。
*ご自分の既出のオリキャラを一人以上登場させる
 メインキャラ or 脇役かは不問
 キャラクターであれば人どころか生命体でなくてもOK
*季節は「秋」
*身の回りの品物を1つ以上登場させる
*交通手段に関する記述を1つ以上登場させる

(注・私のキャラなどが出てくる必要はありません)



期間:作品のアップ(コメント欄への報告)は本日以降2024年2月29日までにお願いします。こちらで記事にする最終日は3月10日頃を予定しています。また、「プランB」でのご参加希望の方は、遅くとも1月31日(水)までに、その旨をこの記事のコメント欄にお知らせください。

皆様のご参加を心よりお待ちしています。



【注意事項】
小説には可能なかぎり掌編小説でお返ししますので、お寄せいただいてから1週間ほどお時間をいただきます。

小説以外のものをお寄せいただく場合で、返事の形態にご希望がある場合は、ご連絡いただければ幸いです。(小説を書いてほしい、エッセイで返してくれ、定型詩がいい、写真と文章がいい、イメージ画像がいいなど)。

ホメロスのような長大な詩、もしくは長編小説などを書いていただいた場合でも、こちらからは詩ではソネット(十四行定型詩)、小説の場合はおよそ3,000字~10,000字で返させていただきますのでご了承ください。

当ブログには未成年の方もいらっしゃっています。こちらから返します作品に関しましては、過度の性的描写や暴力は控えさせていただきます。

他の企画との同時参加も可能です。その場合は、それぞれの規定と締切をお守りいただくようにお願いいたします。当ブログのの締め切っていない別の企画(神話系お題シリーズなど)に同時参加するのも可能です。もちろん、私の参加していない他の(ブログ等)企画に提出するのもOKです。(もちろん、過去に何かの企画に提出した既存作品でも問題ありません。ただし、過去の「scriviamo!」参加作品は不可です)

なお、可能なかぎり、ご連絡をいただいた順に返させていただいていますが、準備の都合で若干の前後することがありますので、ご了承くださいませ。
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Posted by 八少女 夕

【小説】一陽来復

今年最後の小説は、『12か月の建築』12月分です。このシリーズは、建築をテーマに小さなストーリーを散りばめています。

今月のテーマは、パッラーディオ式建築です。16世紀の天才建築家アンドレア・パッラーディオの建築に触発された西欧にたくさんある建築で、おそらく名前は知らなくてもこの形式の建築はどなたでも1度は目にしたことがあるはずです。

建築をテーマにした小説集を書くにあたって、トリは絶対にこれにすると決めていました。現在のスイスで新しく建てられる建築は、残念ながらこの小説の主人公の選択とは真逆なのですが、ヨーロッパにはまだこの手の建築を愛して大切にする文化もあります。こうしたムーブメントはお金もかかるし、自分ではどうしようもないのですが、せめて小説で援護射撃をしたいと願いながら書きました。


短編小説集『12か月の建築』をまとめて読む 短編小説集『12か月の建築』をまとめて読む



一陽来復

 ヴィオラはグラッソ・ホテルのポーチに立って、メレーラ谷を眺めた。その向こうの山々は、雪に覆われた鋭い剣先のようで、短い冬の太陽を反射して堂々とそびえ立っている。

 ポーチはローマの神殿を思わせる4本のイオニア式柱が支えるポルティコで、車寄せの機能も果たしている。わずかに茶色がかったサーモンピンクの壁と白い柱は、汚れが目立つという理由でヴェルナーが反対したが、この色でなくてはならないと確信していた。

 曾祖父レオナルド・グラッソが、故郷であるメレーラ村に建てたグラッソ・ホテルは、本来250メートルほど低い位置にあった村の中心地から離れていた。高速道路が開通する前で、どの車も村を通ったが、通りがかりの宿泊客が門を叩くのは、村のもう少し安い旅籠ばかりだった。

 村の中心から離れているというばかりでなく、その外観が「きっと宿泊料はとてつもなく高いに違いない」と思わせたのだろう。曾祖父と祖父の時代から経営は決して楽ではなかった。後を継いだ父と叔父もあまり商才はなかった。

 10年前に父が、そして昨年叔父が亡くなると、ヴィオラはホテル経営に関しての決断を迫られた。

 彼女に、改築と大手ホテルチェーンとの提携を持ちかけてきたのが、叔父の妻の連れ子でマネージメントにも永く関わってきたヴェルナーだった。
「今の流行はグレーの打ちっぱなしか、黒い御影石の、現代建築だよ。建て直すなら今しかない、そうだろ?」

 曾祖父がグラッソ・ホテルを建ててから、来年で100周年だ。つまり来年からは、歴史的建築物に認定され、大きな外見の変更は州の許可無くは不可能になる。

「こんな前時代な外見のホテル、誰が泊まろうと思うってんだ。ローマの神殿じゃあるまいし」
ヴェルナーは、焦っていたようだった。

 ヴィオラは、その彼の言い方に引っかかった。確かにポーチの柱、そして、その上に飾りとしてついている三角形の装飾にローマ神殿で見るニンフたちの群像のような浮き彫りが見える。けれど、それが古くさいという印象はまったく与えていない。

 むしろ70年代のインテリアや、周囲から浮いてしまう奇妙な形の建築、あるいは、一時期やたらと流行った白木を外壁に貼る建築が経年で黒ずんでいる様子などに比べると、100年近く前の建築でも普遍的な美しさを保っているように感じる。

「パッラーディオ式建築というのだよ」
子供の頃に祖父が教えてくれたのだが、どうしてもその言葉が思い出せなかった。それを思い出したきっかけは、カール・ジェンキンスの弦楽オーケストラのための作品『パッラーディオ』だった。どこかで聞いたタイトルだと思って調べたら、ルネサンス期の建築家にちなんでいるという。

 アンドレア・パッラーディオは16世紀イタリア・パドヴァ生まれの建築家だ。本名はアンドレーア・ディ・ピエトロ・デッラ・ゴンドーラ。彫刻家や絵描きが建築も手がけたのとは異なり、平面図を基本にして空間を設計した最初の専業建築家ともいわれる。ローマ時代の建築を取り入れたルネサンス建築は華やかで美しいだけでなく機能的で景観にも調和している。彼自身が設計した建築はすべて北イタリアにあるが、その影響は計り知れず、18世紀以降の英米の新古典主義建築家に多大な影響を与え、パラディアン・スタイルとして西欧の多くの大邸宅や公共機関の建築に取り入れられて現在まで残っている。

 ドリス式の柱、ロッジア、ドームなどイタリア・ルネサンス建築の基本的要素を継承しつつも、パッラーディオはそれらを洗練・簡素化してみせた。ローマ建築の装飾的要素も、建物の場所と機能とに適した革新的に取り入れている。

 もっとも有名なヴィチェンツァ郊外の『ラ・ロトンダ』は、円形ドームを備え、正方形のすべてのファサードに同じポルティコとイオニア式の円柱で支えられた三角形のペディメントが備えられた完全に対称的な建物だ。そして、それは敷地内や内部装飾が素晴らしいというだけではなく、ヴィチェンツァの景色と調和している。

 パッラーディオと彼の建築について調べだしてから、ヴィオラは曾祖父が非常なこだわりを持ってホテル・グラッソを建てたことに氣がついた。

 メレーラ村の中心地から離れたところに建てたのは、土地が安かったからではない。それは周りに他の建物がなく、独自の景観を保てるからだった。

 残念ながら、この村は山間にあり、ヴィチェンツァのようにどこまでも広がる農村地帯を見晴らせるわけではない。だから、『ラ・ロトンダ』のように4面すべてを同じファサードにする必要もなかった。

 とはいえ、100年前に曾祖父が思いもしていなかった事が起こった。

 人びとが当時よりもたくさんの電氣を必要とするようになり、水力発電のためにダムが建設されることになったのだ。そして、メレーラ村の中心地が人造湖の底に沈むことになった。

 反対運動があった十数年の後、多くの村人は多額の補償金を得てもっと便利な都会に移り住むことを選択した。最後まで反対していた村人たちは、補償金の他に、谷の反対側、以前よりも日当たりのいい200メートル標高の高い位置に、先祖代々の家や教会を移設することを約束させ、移住が完了した。

 ヴェルナーは、新しくできる新メレーラ村の近くに、都会的なフィットネス・リゾートを建てるべきだと強く主張した。同じ村に所属している以上、移築が必要となった場合、ヴィオラにも補償金を得る権利があった。それを元手に大改築をしろというのだ。
「僕の友人が、その手の設計を手がけているんだ。『カジノ&スパ・リゾート サンモリッツ』を知っているだろう? あのチームにいたんだぜ。あそこみたいな大理石だと高くつくけど、いまはわりと高級に見える模造石材も揃っているって言ったよ」

 そのリゾートは、10年ほど前に有名になったからよく憶えている。変形した台形を組み合わせた斬新な設計で、外壁すべてに黒い大理石を使おうとして論争の元になった。つまり景観に合わないというのだ。結局、外壁は白大理石に変更され、その代わりに内部が星空をイメージした黒いパネルで覆われた。カジノやブティックを備えたスパ・リゾートとして当時はよくホテル特集に取りあげられていたが、最近ではあまりいい噂を耳にしない。

 世界中からプライヴェート・ジェットで大富豪が集まるサンモリッツですら、そうしたリゾート施設の営業は厳しいということだ。ましてや、近くに空港や大きな列車駅もないメレーラ村に奇抜なリゾートホテルを建てて営業が軌道に乗るだろうか。

 ヴィオラが悩んでいると、ヴェルナーはこうも言った。
「彼なら、大きいホテルチェーンとの繋がりもあるよ。なんならチェーンの傘下に入ればいいんじゃないか?」

 ヴィオラは、ヴェルナーの顔をまじまじと見た。あたりのいい言葉の裏に、安易に経営の舵取りをして儲けたいという強欲さが浮かんでいた。

「ちょっと考えさせて」
ヴィオラはそう言って、その日は話を打ち切った。

 その時は、まだ眼下に間もなく湖に沈むメレーラ村が見えていた。

 12月のメレーラ渓谷は3時間ほどしか陽が射さない。だから、たいてい11月から12月半ばまでホテルは休業する。スキー場が開く時期でもあり、クリスマスシーズンに忘年会食の予約が入るので、その日から再び開業したが、平日で予約客は、2組ほどしかなかった。

 どうしたらいいんだろう。ヴェルナーの言うとおり、大手ホテルチェーンが経営に参画し、リゾートホテルとして宣伝してもらえば、いまより経営は楽かもしれない。でも、そうなったら、残るのはせいぜいグラッソ・ホテルという名前だけだ。曾祖父の愛したホテルはどこにもなくなってしまう。

 ヴェルナーは創業者レオナルド・グラッソもその息子のマルコ・グラッソも知らない。叔父がヴェルナーの母親と再婚したのは祖父マルコが亡くなった後だったし、そもそも叔父自身も10年前父が亡くなるまではメレーラ村にはほとんど足を踏み入れなかった。

 曾祖父や祖父がヴェルナーの提案を聞いたら真っ赤になって怒るだろう。心から愛したグラッソ・ホテルが、チェーン・ホテルの真っ赤なネオンサインで覆われる。そして、ルネッサンス式の均衡と調和とはなんの関係もない、台形を組み合わせた模造石材または曲線コンクリート外壁の建物にする。それは創業者親子にとっては冒涜に過ぎない破壊だろう。でも、経営に失敗したら、結果は同じになる。私がそうするか、どこかの外資がするかの違いしかない。

「どうしましたか」
声がしたので振り向くと、先ほどチェックインしたばかりの宿泊客ヨルディ氏が立っていた。彼は、昔から常連で、1年に1度、この時期に泊まりに来る。ヴィオラが経営者となってからは、はじめての滞在だ。

 ポルティコにはもう陽光はない。急激に寒くなっている中、ここに居続けると風邪をひくかもしれない。

「いえ。すみません。少し考え事をしていました。ロビーでアペリティフなどはいかがですか」
ヴィオラが訊くと、ヨルディ氏は笑って「そうですな」と言ってから、目を谷の向こう側の山に向けた。

「あなたのひいおじいさんも、よくここであちらを見ていましたね」
「曾祖父をご存じでしたか?!」

 ヨルディ氏は頷いた。
「ええ。かなりご高齢でしたから、もちろんもう引退なさっていらっしゃいましたが、現役の頃と同じようにホテルを歩き回り、隅々にまで氣を配られておられました。花瓶の花がしおれていれば抜き取り、新聞が乱雑に置かれていれば整えて。そして、私のような若造の客にも丁寧に話しかけてくれましたね。ここに来るのが楽しみでした」

 ヴィオラは目を細めた。曾祖父には直接教わらなかったが、祖父が口を酸っぱくして教えてくれたことは、曾祖父からのグラッソ・ホテルの伝統だったのだ。
「それで、毎年いらしてくださるのですね」

 ヨルディ氏は、頷いた。
「そうですな。それもあります。近年は、どのホテルもたいそう機能的になっていて、人びとの入れ替わりも激しい。毎年変わらずに会話を交わせるような場所はめっきり減りました。レストランで食事をしても、給仕をする人以外は顔も見せないのが普通になってしまいました。でも、ここは違う。私はあなたの曾おじいさん、お祖父さん、お父さん、叔父さん、そしてあなたと知り合い、滞在中に何度も話をし、食事の時も話しかけてくれ、そうしてとても親しく心地よく滞在させてもらっている。それが、ここに来る一番の理由であることは確かです。ただ……」

「ただ?」
ヴィオラが訊き返すと、ヨルディ氏は少し悪戯っぽい笑顔を見せた。

「私が冬に来る理由をご存じですか?」

「いいえ。夏には、南の方に行かれるのがお好きなのかと思っておりました」
ヴィオラが答えると彼は首を振った。

「実は、以前は必ず夏の休暇に泊まりに来ていたのですよ。でも、ある日、あなたの曾お祖父さんが教えてくれたのです」
そう言って彼は、向かいの山嶺を指さした。

 ヴィオラがその視線を追うと、『二剣岳』と呼ばれている雪冠を被った山頂があった。

「冬至の朝、あの2つの剣先の間から昇る朝日の光が、まっすぐこのホテルの正面に当たるのだと。そうなるように正確にこのホテルを建てたのだそうです。ですから、私は、毎年太陽の誕生日である冬至に、その朝陽の差し込むこのポルティコに佇むことにしたのですよ」

 ヴィオラは言葉を発することができなかった。ただ、老ヨルディ氏の穏やかな微笑みを見た。

 彼女は曾祖父からのメッセージを受け取ったように思った。経営がうまく行くかどうかはわからない。彼女の代でホテルを潰してしまうかもしれない。けれど、100周年までこの位置に残すことさえできれば、あとは歴史的建築物に認定されたグラッソ・ホテルは、国に守られてずっと冬至の一陽来復を受け続けることができる。

 そう心を決めたヴィオラを、ヴェルナーは翻意させることはできなかった。移築をしなかったグラッソ・ホテルは、補償金を得ることはなかった。だが、人造湖に沈むメレーラ村の話は、ニュースとなったし、村人たちが建物の移築を待つ間の仮住まいとしての特需もあり、ここ10年なかったほどの増収があった。ヴェルナーは去ったが、ほかの従業員たちはみな残ってくれた。

 そして、人造湖ができて初めての冬至がやってくる。

 暗いうちにロビーに降りてきたヴィオラは、正面の扉を開けた。日の出の少し前に、階段がきしみ、年老いているがしっかりとした足取りでヨルディ氏が降りてきたのがわかった。

 ポルティコの前には、昨年までとまったく違った光景が広がっている。

 メレーラ渓谷に新しく生まれたメレーラ湖は暗闇の中で静かに横たわっている。その湖を臨み堂々と建つグラッソ・ホテルは、次第に紫から紅色へと変わりゆく空と、雪を戴き厳しくも冷たくそびえる山嶺の荘厳さと見事に調和している。

 『二剣岳』から一筋の強い光が差し込み、それはちょうど正面玄関に立つヨルディ氏の後ろ姿を輝かせて、ヴィオラのもとにも届いた。ロビーが突如として白く輝き、優美な階段の奥まで明るく華やかな光に満ちた。

 曾祖父の作りだした理想の建築は、この光の魔法に誇らしげに顔を向けている。柱も桟も花台も、その他すべての細部にいたるまで、丹精込めて作り出されたグラッソ・ホテルは、100年経とうとも色褪せない美しさを放っていた。

 ゆっくりと正面玄関を出てポルティコに立つと、ヨルディ氏が振り向き微笑んだ。

 湖は青く輝き、グラッソ・ホテルの茶色がかったサーモンピンクの壁と白い柱を際立たせている。凍てつく空氣の中、ここにこの建物があるべき理由を静かに提示してくる。

 これでよかったんだわ。厨房や部屋係が仕事を始める音が、聞こえてきた。輝きをもう1度目に留めて、ヴィオラは仕事を続けるべくロビーへと戻った。

(初出:2023年12月 書き下ろし)

この記事には追記があります。下のRead moreボタンで開閉します。

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パッラーディオの傑作と言われる『ラ・ロトンダ』に関する動画です。

Villa Almerico Capra "La Rotonda" - Vicenza - 4K

それから、私がパッラーディオについて調べるきっかけをくれた曲です。こちらも有名ですよね。

Jenkins: Palladio - 1. Allegretto (arr. for Strings Orchestra)
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Category : 短編小説集・12か月の建築
Tag : 小説 読み切り小説

Posted by 八少女 夕

来年の準備

だんだん年も押し迫ってきたので、こんな話題も。

テイータオル

日本で年末といったら大掃除に門松やお正月迎えの準備などでしょうか。スイスでは、基本的に大掃除はクリスマスまでに済ますものですが、わたしはたいていは間に合わないので、日本式に28日までに済めばセーフということにしています。

さて、新しい年にはいろいろと新しいものをおろします。といっても、まだ使えるものを捨てるという意味ではなくて、反対に「もうこれはダメでしょ」というほどポロボロになったものを、年末まで頑張って使い倒して、お正月から新しくするという感じ。石鹸もそうですし、下着、靴下などに加えて、スリッパ、タオルなども頑張ってボロボロになったものは年末でさようならして、新しくします。

というわけで、もいいろいろな新品がスタンバイしているのですが、そのうちの1つがティータオル。台所で手を拭くのに使っているものですが、実は2年前に、大昔のロンドン旅行で買って使わずにいたティータオルをおろしてずっと使っていたのです。それがもうどうにもならないほど痛んできたので、いよいよ新しくしようと思ったのでした。

とはいえ、初めての英国旅行で買った思い出のティータオルの後継なので、ちょっと特別な物にしたいなあと考えていました。ちょうどその時、ロンドンに行っている知人が「何か欲しいものはあるか」と訊いてきたので「お金払うからいかにもお上りさんが買うみたいなティータオルを2つ買ってきて」とお願いしました。

で、手に入れたのが、ゴリゴリのお上りさんティータオル。大満足です。ここまで「アレ」な商品は、普段は小っ恥ずかしくて手にできませんが、来年はこれを楽しく使うことにします。
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Posted by 八少女 夕

【小説】森の詩 Cantum Silvae - トリネアの真珠(26)《トリネアの黒真珠》 -3-

『森の詩 Cantum Silvae - トリネアの真珠』、第26回『《トリネアの黒真珠》』3回に分けたラストをお届けします。

フリッツが聞いてしまった不穏な会話をエレオノーラに告げるレオポルドたち。少なくとも1人が誰かはすぐにわかったようです。外伝で登場した陰険野郎ですね。そういえば、この小説の会話を書いているときにATOKに「不適切表現です」といっぱい怒られたなあ。「小説上の表現なんで」といってもわかってもらえないんですよね。

『森の詩 Cantum Silvae - トリネアの真珠』の年内更新はこれで終わりです。例年の「scriviamo!」をまたやる予定ですので、連載再開まで2か月ほど空く可能性があります。「scriviamo!」の参加が少なければすぐに再開するかもしれませんが。


トリネアの真珠このブログではじめからまとめて読む
あらすじと登場人物


【参考】
「森の詩 Cantum Silvae - 貴婦人の十字架」を読むこのブログではじめからまとめて読む
あらすじと登場人物




森の詩 Cantum Silvae - トリネアの真珠
(26)《トリネアの黒真珠》 -3-


 エレオノーラは、遠く懐かしむような目をしていた。
「ペネロペは、本当に美しい人だった。淑やかで優美な彼女は、《トリネアの黒真珠》と讃えられていた。彼女が貧しい平民出身の《学友》だったことなど、もう誰も思い出しもしなかった。兄様も彼女に夢中だった」

 夫亡き後、後ろ盾もなく義父カミーロ・コレッティとも疎遠だった彼女は、聖キアーラ修道院に入ることを強く望んだが、候子フランチェスコの懇願で思いとどまりトリネア湾を臨む修道院にほど近いヴィラ《白隼荘》で敬虔な隠遁生活を送っていた。

「だが、このフリッツが耳にした会話では、そのベルナルディ夫人はなにやら物騒な亡くなり方をしたとか……」
レオポルドは核心に迫る問いを放った。

「ああ、そうだ。ペネロペは何者かに誘拐されたあげく惨殺されて港の近くにうち捨てられたんだ」
「そして、その下手人とされているのが、あのトゥリオ殿だとも……」

「そして、そのあげくに人狼になってしまったというのか? そなたたちだってその目で見ただろう? あれは、まったくの言いがかりなんだ。トゥリオにすべてを押しつけるための! 彼はペネロペに害を加えるなんてことは絶対にしない。ベルナルディ家でも、トゥリオだけがペネロペが心を許せる存在だったんだ」
エレオノーラは、言いつのった。

「と、いうことは、トゥリオ殿はベルナルディ家にお勤めなのですか?」
マックスが訊いた。

 エレオノーラは頷いた。
「そうだ。実は、トゥリオが老ベネナルディ殿の私生児だというのは周知の事実で、つまりかの亡くなった家令ピエトロ・ベルナルディの腹違いの弟にあたるんだ。歳は親子以上に離れていたけれど。兄様の《学友》を勤め、成人後はベルナルディ家の従僕となり、寡婦となったペネロペの隠遁に伴い一緒に《白隼荘》に来ていた」

「ということは、カンタリアの王子の従者と密会していたのは、トゥリオ殿の同僚で、ペネロペ殿の誘拐・殺害に関わった上でトゥリオ殿に罪をなすりつけた当人という可能性もありますな」

 レオポルドの言葉に、エレオノーラは深く頷いた。
「一体だれが……。もしかしてトゥリオなら、フリッツ殿の話を聞けば、それが誰だかわかるかも……。すぐに修道院へ行きたいところだけれど、あのギース殿がいるとなると……」

「もう1つ、カンタリア王子の従者らしき人物ですが……」
レオポルドが訊くと、エレオノーラは、はっとしてフリッツの方を向いた。

「その従者、どんな男だった? 何か特徴は?」
訊かれてフリッツは頷いた。
「ユダヤ人らしく変装していましたが、次に会えばすぐにわかるほどの特徴のある男でございました。かなり浅黒く、漆黒の髪と目を持ち、つまり、その……」

「モロだったってことか?」
タイファ諸国出身の肌の黒い人びとを指す半蔑称を言いよどむフリッツに、エレオノーラはずばりと訊いた。フリッツは頷いた。
「はい」

 エレオノーラは言った。
「だったら、簡単だ。それは、王子がもっとも信頼を寄せて常に側に置いているアルボケルケ卿ヴィダルだ」

 レオポルドも驚いた様子だ。
「カンタリア王子がモロを側近に? カンタリア王国とタイファ諸国との停戦交渉は決裂したと聞きましが」

 エレオノーラは肩をすくめた。
「なぜ側に置いているのかなんて知らない。でも、ゴディア伯らしいから純粋なモロではなく合いの子なのかもしれないな」

「王子様は信頼を寄せておられるとのことですが、その男は主をなんとも思っていないようですな」
レオポルドが言うとエレオノーラはつぶやいた。
「たしかに陰険そうな男だが、そもそもあの浅薄な王子に心酔するのなんて、聖人でも無理だ。……私のような欠陥姫に言われる筋合いはないかもしれないが……」

「では、そう言われないように、さっそく授業をはじめましょう」
レオポルドはそう言ってラウラに目で促した。

 ラウラは、先ほどまでの憔悴した様子が嘘のように軽やかに立ち上がった。アニーは無事で、ゆっくりと修道院で休んでいる。それだけで心に羽が生えたかのようだった。
関連記事 (Category: 小説・トリネアの真珠)
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Category : 小説・トリネアの真珠
Tag : 小説 連載小説

Posted by 八少女 夕

グラールスに行った

表題そのまんま、グラールスに行った話。

グラールス駅

スイスは九州よりも小さな国ですが、まだ行ったことのないところがけっこうあります。わたしが住んでいるグラウビュンデン州とは、お隣であるにも関わらず、一度も行ったことがなかったグラールスに行く機会がありました。

隣なのになぜ行かないと思われるかもしれませんが、山の中あるあるで、直接は行けないんですよ。ザンクトガレン州経由か、ウリ州を通ってでしか到達できません。しかも、ベルンやチューリヒのように「行かなくてはならない」用事が無いので、20年以上も未達でした。

小さくて行きにくいせいか比較的観光地化されておらず、しかも実は、スイスでも最も美しいと唱われるクレーンタール湖があるなど、穴場的な州なのです。

今回行ったのは観光ではなくて、単に用事があったからで、長くは滞在しなかったのですが、駅の美しさに感動してしまいました。スイスにはかつてこういう素晴らしい駅がたくさんあったのですが、次々とモダンに建て替えられしまい、こうした美しい駅を見かけることは珍しくなってきました。

夏に行くことがあったら、クレーンタール湖にもいってみたいですね。
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Posted by 八少女 夕

【小説】流星に願いを

今日は「150000Hit 記念掌編」の第1弾をお送りします。『森の詩 Cantum Silvae - トリネアの真珠』が終わっていないんですが、ちょっと日付的にどうしてもこちらを先に発表したかったのです。

今日の小説は、TOM−Fさんのリクエストにお応えして書きました。


リクエスト内容
   テーマ: 旅、人生
   私のオリキャラ、もしくは作品世界: 『樋水龍神縁起』から
   コラボ希望キャラクター: TOM−Fさんのオリキャラ誰でも
   使わなくてはならないキーワード、小物など: 「15万」「過ぎてた」



さて、『樋水龍神縁起』シリーズは、別館に隔離してある『樋水龍神縁起』本編の他、『樋水龍神縁起 Dum Spiro Spero』や『樋水龍神縁起 東国放浪記』など平安時代から近未来までいろいろとキャラがいるのですけれど、今回は先にTOM−Fさんのどちらのオリキャラをお借りするかを決めてから、対応する作品を決めることにしました。候補としては橘花内親王と智之ちゃんまで絞って、最終的に智之ちゃんを再びお借りすることにしました。

じつは、123456Hitの時にも同じことをしているのですが、お借りするだけお借りして、名前が出てきていません。でも、智之ちゃんのつもりです。TOM−Fさん、すみません。そして、こちらのキャラは、うちのブログで最弱のヘタレとして読者の皆様を響めかせた、彼奴でございます。

で、お詫びなんですが、いまいちテーマにちゃんとはまっていません。ちょびっとだけかすっていますけれど……。


【参考】
「樋水龍神縁起 Dum Spiro Spero」を読むこのブログではじめからまとめて読む
あらすじと登場人物



樋水龍神縁起 Dum Spiro Spero・外伝
流星に願いを


 急いでいるときの階段というのは、どうしてこんなに急勾配に感じるんだろう。ローヒールでよかったと思いながら、瑠水は地下鉄口から地下街を目指して走った。本来目指しているのは銀行で地上階なのだが、横断歩道がかなり先までないので地下街を通らなくてはならない。

 出かけたときにはちゃんと憶えていたのに、あれこれ用事をしているうちにすっかり忘れていた。予約してあったクリスマス限定のバッグを取りに行くように、姉の早百合に頼まれていたのだ。でも、15万円もの大金を持ち歩くのがイヤだったので、代金は最寄り駅についてからATMで引き出すつもりだった。

 そして、氣がついたらあと5分でATMコーナーが閉まってしまう時間になっていた。
「やだやだ。間に合って! コンビニで出すとものすごい手数料だし……」

 地下道も何年経っても慣れない。まるで迷路で、急げば急ぐほど目的地から離れて行くみたいだ。瑠水は案内板を見るために上ばかりを見上げながら走った。

「きゃっ!」
「わっ」
ようやく見つけた銀行のある地上出口を駆け上がっているときに、降りてきた男性とぶつかってしまった。瑠水はペコペコと謝り、引き続き銀行を目指して走った。

 時間は過ぎていて銀行ATMのシャッターはしまりかけていたが、瑠水が謝りながら駆け込むと、係員が待ってくれた。無事に1万円札を15枚引き出して外に出ると、さっきぶつかった男性が立っていた。

「これ、落としましたよ」

 見るとアパートの鍵だ。緑の勾玉の左右に赤と白のビーズをあしらったキーホルダーがついている。
「あ、本当だ。すみません、わざわざまた昇ってきてくださったんですね」

 男性は、笑った。
「また降りていらっしゃるかわかりませんでしたし」

 そう言われて、瑠水はこれからバッグを受け取りに行く店への道のりがわからなくなってしまったことに氣がついた。さっきいたところと同じ通りのはずだけれど……。

「ありがとうございます。えっと……」
バッグから早百合にもらった店からのハガキを取りだして辺りを見回した。

「ああ。その店、これから僕も行くところです」
そういうと、男性は同じハガキを内ポケットから取りだして見せた。

 瑠水はホッとして、その青年と一緒にまた地下街に降りていった。

「本当にいろいろとすみません。住んでけっこう経つのに、行き慣れないところはいまだに迷ってばかりで」
瑠水が言うと、青年も笑った。
「僕はめったに上京しないので、もっとわかっていませんよ」

「どちらにお住まいなんですか」
「京都です。研修で上京したんですが、東京に行くならこのハガキと引き換えの香水をもらってこいと命じられて……」
道理でハガキには女性の宛名が見えたわけだ。瑠水は頷いた。

 早百合がバッグを今日瑠水に頼んで引き取りに行かせたのも、特別プレゼントの限定瓶に入った香水が目当てだ。
「人氣なんですね。私も姉に頼まれたので来ましたが、普段はブランド店にはほとんど足を踏み入れないんです」

 瑠水は、青年と一緒に笑った。
 
 その青年は、とくに愛想良くしているようには見えないのに、どこか人を安心させる佇まいで、直感で親切な人だとわかった。研修と言ってもスーツ姿ではなくてカジュアルなセーターにグレーのジャケット・コートを着ている。サラリーマンではなさそうだ。

 歩いている途中で青年の携帯が鳴った。彼は律儀にも「失礼」と言って取った。
「もしもし? ああ、観月。……うん。そうなんだ。また研修で上京してきたから……。うん、もう終わった。明日の夕方の新幹線だから、時間はあるよ。……わかった。じゃ、そっち予定がはっきりしたら、また電話してくれ。うん、僕はいつでも大丈夫だから」

 通話が終わると、彼はもう1度瑠水に失礼を詫びた。瑠水は首を振った。
「いえ、とんでもない。お友だちとのご予定があるのでは?」

「いいえ。今のは高校時代の友人なんです。彼女は高校の途中で東京に引っ越して。さっき久しぶりに会いたいなと思いついて、メールを送ってみたんですよ。急なことだから、今から明日の予定を調整してくれているぐらいなので、今夜は大丈夫です」

 瑠水は、あれと思った。ということは、香水を欲しがっている女性とは別の人なのかしら。

 彼は颯爽と地下街を通り抜け、目的地のある地下鉄出口を軽やかに昇った。自分一人だったら、銀行からこの通りまで、こんなに簡単には来られなかっただろう。

 それはまるで瑠水の人生のようだ。故郷では、地下道、たくさんの店やしゃれたカフェ、まっすぐ歩けないほどたくさんの人びととは無縁だった。そしてだからこそ、瑠水は迷うこともなかった。

 東京に来てからの瑠水は、今日のランチを何にするか、同じ目的地にどの経路で行くべきか、そして、通りを隔てた銀行へと向かう事にすら、いつも迷っている。

 大人になれば、進学すれば、賢くなり、世界の理も明らかとなり、堂々と自信を持って生きていけると思っていたけれど、そうではなかった。

 隣を歩く青年は、東京に住んでいるわけでもないのに地下街に迷うこともなく歩いていく。どこへ向かっていけばいいのかわからないまま、右往左往している私は、たぶん都会暮らしには向いていないんだろうな。でも、ここで就職してしまったし……。そうやって自分を納得させているうちに、生活も時間もどんどんと樋水のあの日々からは離れていく。懐かしい人も、会いたくても会えない人も……。

 12月の都心はどこもイルミネーションが美しい。冷えた空氣と人びとの吐く白い息のせいで、点灯したままの電球もわずかに瞬いて見える。
「きれい……。天の河みたいですね」

 青年は不思議そうに瑠水を見た。少し戸惑って訊いた。
「私、なにかおかしな事、いいました?」

「いや、まったく……。そうじゃなくて、僕、それにさっき電話していた相手も、実は天文部だったんです。だから、天の川はものすごく身近な話題なんですが、あなたの口からその言葉から出たので、すこし驚いてしまって」

 瑠水は、少し俯いて笑った。
「そうですか。東京ってあまり星見えないから、そういう発想は珍しいかもしれませんね。……私、とても田舎の出身なんです」

 青年は、すこし悪戯っぽい笑顔を見せた。
「当てましょうか。……島根県?」

「どうしてわかったんですか?」
瑠水は心底驚いた。

「種明かしをしましょうか。さっき拾ったキーホールダーです。出雲大社に旅したときに、似ているのを見かけたんです」
「まあ。ええ。これは美保岐玉を模したキーホールダーです」

 ふっくらとした碧めのうの勾玉に、白めのうの珠と赤めのうの細長いビーズをあしらった飾りは、出雲国造代替わりの際に宮中に献上されることでも有名な健康と長寿を祈念する宝物だ。

 奥出雲、樋水龍王神社の参道にある家で生まれ育った瑠水にとって、出雲式勾玉や美保岐玉はとても身近な存在だったけれど、それが日本全国の常識でないことは、東京に来てから学んでいた。だから、この青年がそれを目にしただけですぐに島根県の特産品だと見抜いた目の良さに、とても驚いた。

 そのことを話そうかと思ったときには、2人はもう目的のブランド店の前に来ていた。

 その店はいつも夜でも煌々と灯がついて、入るのにも氣後れしてしまう晴れがましい佇まいだった。入っていく人たちは、みなブランドものの服をきっちりと着こなして、恭しく頭を下げる店員たちにも慣れている風情だ。

 瑠水は、この青年が一緒に来てくれてよかったと思った。自分一人だったら、入ると決意するまでに数分かかったに違いない。

 虹色のラメを纏った白いプラスチック製の樅の枝が、店の至る所を飾っている。昼間のように明るい店内には、スポットライトを浴びて高価なアクセサリーや、とても高いバッグなどが並んでいる。たくさんのカップルがいて、クリスマスシーズンの店内はとても混んでいた。

 早百合に頼まれたバッグを受け取り、限定ボトルの香水プレゼントも無事手に入れた。隣のカウンターを見ると、青年も同じプレゼントを無事に手にしたようだ。見ると、アイボリーのハンカチも購入していた。この店には意外なほど清楚な感じの1枚だ。ブランドのロゴはついているが、布と同色の刺繍でほとんど目立たない。

 店を一緒に出て、また地下鉄口へ向かう途中、瑠水は青年に話しかけた。
「とても素敵なハンカチを見つけられましたね」

 彼は、笑った。
「そう思いますか?」

「ええ。あのお店の商品って、ものすごくロゴの主張が強いので、あんなにさりげないハンカチがあるとは思いませんでした。香水に添えてプレゼントですか?」
瑠水は訊いてから、あ、よけいなこと訊いちゃったかなと反省した。

 青年は首を振った。
「いや、これは明日逢う友人に。クリスマスプレゼントで、相手の負担にならないようなものを探していたところで、ちょうどいいかなと思って」

 瑠水は、少しだけ遠い目をして、それから笑って首を傾げた。
「ちょっと想像してしまいました」

「何を?」
青年は、何がなんだかわからないという顔をしていた。

「素敵な高校時代を過ごされたんだろうなあって。そのハンカチが似合うような方と天文部で一緒に星を眺めて……。とてもロマンチックだなって」

 彼は笑った。
「確かに、彼女はこのハンカチが似合うような清楚な感じです。でも、芯は意外なほど強い。同じ部に、まったく別のタイプの女の子もいて、僕は2人に押されっぱなしだったな。でも、本当に楽しかった。今でもよく思い出します」

「その方も遠くに?」
「ええ。今はニューヨークです。次に会えるのはいつだろうなあ」

 瑠水は、少しだけ俯いた。楽しかった高校時代。いつも一緒にいた人。奥出雲の四季を一緒に駆け抜けた思い出。次に会う機会を自分で壊してしまったこと。

「どうなさいましたか?」
青年に訊かれて、瑠水は首を振った。
「なんでもないんです。京都やニューヨークでも、こことおなじような星空が見えるんでしょうか」

 彼は頷いた。
「若干の緯度の違いや時差はありますが、同じ北半球ですから。でも、一番見にくいのはここ東京じゃないかなあ。どこもかしこもネオンで明るいですから」

「明日会うお友だち、残念がっていらっしゃいますか」
「いや、残念がったりせずに行動しますね。同時天体観測をするときは、自宅ではなくて山間部の方に行くみたいです。今月も14日夜に兵庫・京都・東京でふたご座流星群を同時観測するつもりなんですよ」

「その日に流星がいっぱい見られるんですか?」
「ええ。願い事があるならチャンスですよ」
彼は笑った。

 地下鉄駅で、青年と別れた。彼は最後まで親切で礼儀正しく、方向音痴の瑠水が正しい路線の改札にたどり着くまで送ってくれた。

 早百合の家に向かう道すがら、瑠水はネオンが明るい東京の空を見つめた。この空のどこかで、14日の夜に流星がたくさん流れる。島根にいるシンの上にも懐かしい星空がひろがっているんだろうか。

「願い事があるならチャンスですよ」
あの青年は言った。

 口にするどころか、考えることもつらいほどの大きな願いがある。

 幸福そのものだった高校時代。暖かい家族と、大好きなお社と、そして、シンのバイクに乗せてもらって駆け回った奥出雲の四季。水底の皇子様とお媛様に同調したかのような至福の風。

 あの日々に帰りたい。

 12月の風は冷たく瑠水の頬を刺した。かつてと全く変わらぬ広大な天の河は、都会のネオンで見えなくなっている。けれど、それは同じように横たわり、瑠水とすべての人びとの上で静かに瞬いた。

(初出:2023年12月 書き下ろし)
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Posted by 八少女 夕

ポルトガル風プディング作った話

食いしん坊の話題です。

ポルトガル風プディング

少し前の話ですけれど、卵を買いすぎたことがあって、その時にポルトガル風プディングを作りました。ポルトガルのお菓子は大好きなのですが、家庭で作ろうとすると卵の大量消費にビビることが多いんですよね。

この時も卵を5つ使いました。このガラス容器は普段はラザニアで使っています。レシピ本ではもっと細長いパウンドケーキ型ぐらいのガラス容器で作ってあったのですが、それはないので、試しにこれに入れてみたらちょうどいいサイズでした。

ごく普通の焼きプリンよりもかなり固めにできるので。切り分けてお皿に盛るのもわりと簡単でした。

レシピでは、オレンジ果汁とオレンジの皮も入れるんですが、皮は省略したところ、オレンジの風味はほぼ感じない固めプリンになってしまいました。でも、美味しかったからいいや。

じつは、この後、とある事情で一切のデザートを絶つことになってしまいまして、実質これが今年つくって食べた最後のお菓子になりました。また、心ゆくまでお菓子を食べられるようになるといいなあ。ま、それまでちょっと我慢です。
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Posted by 八少女 夕

【小説】森の詩 Cantum Silvae - トリネアの真珠(26)《トリネアの黒真珠》 -2-

『森の詩 Cantum Silvae - トリネアの真珠』、第26回『《トリネアの黒真珠》』3回に分けた2回目をお届けします。

あっちでもこっちでも嘘つきばかりな状況の中で、候女エレオノーラに嘘がばれないかヒヤヒヤしながら、面会しているレオポルドたち。

今回は、トリネア候国の内政の話があれこれ出てきますが、正直言って覚える必要はないです。「ああ、なんか不安定な国なのね」と思っていただければそれで十分ですので。


トリネアの真珠このブログではじめからまとめて読む
あらすじと登場人物


【参考】
「森の詩 Cantum Silvae - 貴婦人の十字架」を読むこのブログではじめからまとめて読む
あらすじと登場人物




森の詩 Cantum Silvae - トリネアの真珠
(26)《トリネアの黒真珠》 -2-


「そうか、その通りだな。お氣遣いに感謝する。アニー殿を助けた貴人というのは、エマニュエル・ギースという名で、ルーヴラン王国の紋章伝令副長官だ。母上がマーテルの親戚にあたり、トリネア港を通るときには必ず立ち寄る方なのだが、まさかアニー殿の知り合いだとは」
エレオノーラは、眉をひそめた。

「アニーはもともとルーヴランのヴァレーゼ出身で、森林保護官夫人である叔母を頼り王都で働いたことがあると聞いております」
レオポルドは、この件に関しては真実を告げた。マーテル・アニェーゼ経由でギースからのどのような情報が入ってきているかわからないからだ。

「ああ、なるほど。たしかギース殿もヴァレーゼ出身だ。だとしたら知っていても不思議はないな。しかし、ここでこのような形で再会するとは、なんとも不思議なめぐり合わせだ」
「まことに」

 エレオノーラは、アニーがギースを知っていた経緯についての疑問はとくに持たなかったようだ。アニーが王宮に勤めていたことは先方では話題には上っていないのかもしれない。レオポルドをはじめ一行は内心で安堵した。候女は他のことに氣を取られていた。
「少なくともアニー殿につきっきりでいてくれるおかげで、ギース殿はこちらに見舞いに来ることもなさそうだ。それはありがたい」

「幸い、マーテルもアニーやフリッツと同じことに思い至られたらしく、アニーを知らぬ振りを通してくださったとのこと」
マックスはこの件に関しては軽く話を切り上げ、より彼女にとって重大と考えられる問題の方に意識を誘導するようレオポルドに目で示唆した。

 レオポルドは、これまでよりもずっと重々しい口調に変えた。
「ところで、我々が頼んだ女傭兵がマーテルと話をしてくれている間、このフリッツは修道院近くのお屋敷に身を潜めながら待っておりました」
彼は、フリッツが偶然耳にしてしまった不穏な話についてエレオノーラに告げた。

 エレオノーラは興味深くその話を聞いていた。
「その屋敷は《白隼荘》といってベルナルディ家が所有している。かつてペネロペが住んでいたところだ。そこの召使いが……」

 エレオノーラは、それからしばらく考えに沈んでいたが、顔をあげた。このままにはしておけないという強い決意がその瞳にこもっている。
「オルダーニ家の仕業だと思っていてくれれば好都合だと、そう言ったというんだな」

 フリッツに目で確認をとり、レオポルドが答えた。
「そうです。オルダーニ家というのは……」

 もちろんレオポルドも、横で共に聞くマックスも、オルダーニ家がトリネア候国の有力貴族であることは知っているが、異国の商人らしく事情に疎いフリをしてエレオノーラの意見を引き出そうとしているのだ。

「長らくわがトリネア侯爵領の家令を務めてきたのは、マーテルの生家であるベルナルディ家だったのだが、3年前に、新しくリヴィオ・オルダーニが家令となったのだ。このオルダーニ家というのは昔から何かにつけてルーヴラン王国寄りだ。リヴィオ・オルダーニもそれは同じで、兄様とバギュ・グリ侯爵令嬢エリザベス殿との結婚を勧めようとしていた。だから、ペネロペが邪魔だったんだ」

 そこまで言ってから、レオポルドたちがよくわからないという顔をしているのを見て、口を切った。少しだけどこから話そうかと考えていたが、やがてこう言った。

「兄様とペネロペは恋仲だったんだ。兄様は本氣でペネロペとどうにか結婚できないか探っていた。でも、ペネロペの出自を持ち出してオルダーニはひどく反対していた」

 それからエレオノーラは、運命に翻弄されて亡くなった彼女の親友について語り出した。

「私が学びを拒否した後も、《学友》にするために城下から召し上げたペネロペは、簡単に両親の元には戻せなかったらしい。名目上、彼女を養女にしたカミーロ・コレッティは、準備金がかさんだだけでなんの旨味もなかったと激怒していたと聞いている。そんな事情もあって、ペネロペは当時の家令ピエトロ・デ・ベルナルディが妻にするという形で引き取ったんだ。彼の長年連れ添った妻は2年ほど前にみまかっていたから」

 ラウラは首を傾げた。
「でも、あなた様が学びをおやめになったのは、たしか……」

 エレオノーラは頷いた。
「私が10歳の時だ。ペネロペは、私と同い年だった。ピエトロの後妻になったとき、彼女はまだ11歳だった」

 ラウラは「まあ」とだけ言った。エレオノーラは、肩をすくめた。
「それでも、どちらがマシだったかといったら、親子以上に歳の離れた男の妻になることだったと思う。少なくともピエトロは彼女を鞭打ったりせずに、大切にした。たった6年だったけれど」

「離縁させられたのですか?」
レオポルドが訊くと、エレオノーラは首を振った。
「いや、ピエトロが亡くなったんだ。ペネロペは17歳で寡婦になった」
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Posted by 八少女 夕

大雪降った

さて、早くも師走。スイスももちろんバッチリ冬が来ています。

大雪の朝

日本にもあると思うんですが、ここスイスにも農民の歳時記というのか、言い伝えカレンダーみたいなものがあります。おそらく地域ごとに少しずつ違うんだと思います。私がいま書いているのは、この地域の言い伝えです。そのうちの1つに「聖マルティヌスの日までにラインの川底に雪が届いたら、その冬は半分終わったも同然」というのがあります。

聖マルティヌスの祝日は11月11日。この日から歳時記的には冬で農民は仕事じまいをするとか、その年の債務をすべて払う日とか、いろいろと重要視されている日なのです。そして、これより早くライン川の流れているあたり(標高700メートル前後)に雪が降ったら、その年は暖冬になるということらしいです。私にそれを教えてくれた方は、101歳で亡くなりましたが、ご自分でもそのルールを毎年チェックして98%くらいの確立で正しかったと言っていました。

それで、私は毎年11月11日までに雪が降るとけっこう喜んでいるのです。残念ながら今年はまったく降らず、「普通の冬かあ」と思っていました。10月はスイスでの天候観測開始後もっとも暖かかった10月だそうですが、11月からは急に寒くなり氷点下の日々もなんとも思わなくなっていました。

それでも、庭にはまだほうれん草、のら坊菜、そしてかなり大きくなってきていた白菜が残っていて、不織布でカバーはしていますが、これでも育つんならもう少し残しておこうと思っていたのです。

そしたら、突然大雪がやって来ました。雪が降ることに文句は言ません。12月ですもの。降ったら雪に決まっているんですよ。でも、そんなに降らなくてもいいんだけどな。金曜日の午後から降り始めて雪かきをしてもしてもどんどん降り続け、翌朝には太ももが埋まるほどの高さに積もってしまいました。

雪に埋もれた家庭菜園

土曜日の朝としては早起きして、白菜を救おうと家庭菜園の方に向かったのですが……。ご覧の通り完璧に埋もれていて、そもそもたどり着けない状態でした。白菜をピンポイントで探そうにも、どこにあるのかもよくわかりません。

そして、雪はまだ降り止まず……。ああ、もうダメか。諦めて戻ってきてしまいました。やはり東京などの家庭菜園とは違い、冬には何もできないんだなと学びました。

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