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Posted by 八少女 夕

【小説】Infante 323 黄金の枷(15)海のそよ風

月末の定番「Infante 323 黄金の枷」です。

知られずに館の外に出られることがわかった23を、マイアは外出の度に誘い出します。現金を持つ事のできない彼と、お金がないとできない経験を一緒にして回るのです。二人の時間、秘密の共有、それに、自分だけが彼のためにしてあげられる事、マイアの一途な想いはまだ空回りぎみですが、23も十分に楽しんでいる模様。今回は徒歩では行けないほどの遠出に挑戦します。

そういえば、今回書いた、キリスト教騎士団の話やドラガォンが誰の血を守っているのかについての噂などは、本当はここで読者を「ええ〜!」と驚かせるような箇所だったのですが、すでに外伝でガンガン似たような事を書いてしまっていて、きっと皆さん「今さら」ですよね。

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あらすじと登場人物





Infante 323 黄金の枷(15)海のそよ風

 マイアは鉛筆を削った。愛用のハガキサイズの画用紙を取り出して窓辺に座った。椅子に置いた靴を丁寧に写生していく。丸みを帯びたシェイプ。革の柔らかさを感じられるように艶を表現していく。大好きなパンプス。この素晴らしい靴を履き、幸せな人は他にもいるが、それを作った職人を個人的に知っている持ち主はほとんどいない。

 出来上がったスケッチを持ってマイアは23の工房に入っていった。
「見て。23」
 
 彼は驚いた。
「お前が描いたのか?」
「うん。どう?」
「こんな才能があるとは思わなかったな。称賛に値するよ」

 マイアは意氣込んだ。
「これから、23の作る靴、私にスケッチさせて」
「なぜ?」
「だって、靴は納品されたら、ここからなくなっちゃうでしょう? あなたが作った靴の記録を残したいの。公式には誰も知らなくても、あなたがこんなに素晴らしい靴を作っていたって証を残そう。いいでしょう?」

 23は驚いた顔のまま黙っていたが、しばらくすると目を細めて微笑んだ。
「ありがとう。マイア」

 マイアは、嬉しかった。私にも何かができる。ドンナ・アントニアのように存在だけで彼を幸福にすることはできないけれど。彼が自分のことを誇りに思える何かを残すことができる。

「ところで、なぜエプロンをしていないんだ?」
23は訊いた。

「あ、奥様に用事を頼まれて、これから街に出かけるの。カステロ・サン・ジョアンの側にあるお友だちのお家に花を届けるんですって」

「それは、確か河口のあたりだな?」
「うん。あ、23、あっちの方も行った事ある?」
「いや。さすがにそこまで遠くには足は伸ばしていない。徒歩だとかなり時間がかかるしな」

 マイアは目を輝かせた。
「じゃあ、抜け出して一緒に行こうよ。路面電車に乗ったらすぐだよ」

 23は首を振った。
「乗り物は出入り口でコントロールがあるだろう。近いから場合によっては腕輪の星の数も見える。運転手が《監視人たち》だったら確実に見つかってしまう」

 彼の言うことはもっともだったが、それで諦めるのは残念だった。海を見た事がないなんて。
「海、見たくない?」
「見たいよ」

 マイアは少し考えた。いい案が浮かんだ。
「わかった。じゃあ、私が自転車を借りるよ」
「自転車?」
「うん。ボルサ宮殿の先の河岸で待っていて。一緒に行こう」

 マイアは花屋で花束を受け取ると、リベイラに向かった。そのあたりにある貸し自転車屋を知っていた。その店は主に観光客用に営業しているのだが、置いている自転車のタイプが古いので、よほどのことがない限り出払わない。

 前に籠がついていて、後ろの荷台にもう一人座れるタイプの自転車は二つ残っていた。
「君なら、こっちの小さい方だね」
店主は言った。マイアは少し考えた。23は私と同じくらいの身長だから、これでいいのか。あれ、そもそも、23は自転車に乗れるんだろうか。

 自転車で河岸を少し進むと、ベンチに座っている23が簡単に見つかった。すーっと前に乗りつけたマイアを興味深そうに見ていた。
「なるほど」

 ああ、この口ぶりでは、やっぱり乗れるはずはないよね。マイアは納得して後ろの荷台を示した。
「ここに座って。私に掴まっててね」

 そういっている横を二人乗りをした少年たちがすっと通り過ぎていった。それを見て納得した23は荷台に座るとマイアの腰に手を回して掴まった。マイアは赤くなった。掴まれと自分で言ったのだから、そうなるに決まっているのに、この状況をまるで考えていなかった。アイロンのかけ方を習った時よりも近い。
 
 D河はカステロ・サン・ジョアンの側で大西洋に流れ込む。聖ニコラス教会の近くからレトロな路面電車が河沿いに走っている。その脇は自転車用に整備された道になっていて、カステロ・サン・ジョアン、ブラジル通りを通ってカステル・デ・ケージョまで行くことができる。その一帯は河口を意味するフォスと呼ばれている。

 カステル・サン・ジョアンに着くと、マイアは自転車と23を残して、急いで花を届けにいった。ドンナ・マヌエラの友人の家の近くまで二人で行くと、《監視人たち》の目につくかもしれないと考えたからだ。出てきたのは優しそうな婦人で、よかったら上がってコーヒーでも飲まないかと訊かれたが、「勤務中ですので」と断って急いで城塞ヘと戻った。

 戻ると23が一人で自転車に乗る練習をしていた。まだふらついているが、なかなか筋がいいとマイアは思った。私のときは、何日間もかかったのに。
「23、すごいね。次に遠出する時にはきっともう乗れるよ」
彼は得意そうに笑った。

 再びマイアが運転して、もう少し先まで走った。左手に漁をしている小舟がたくさん見えてきて、それから砂浜や岩で覆われた海岸が続く。人びとは釣りをしたり、ジョギングをしたりして、海にキラキラと反射する眩しい光を楽しんでいる。
「ほら。これが海。波がすごいでしょう?」
「ああ、本当だ。こんな風に打ち寄せるんだ」

 生まれてはじめて海を見た時のことを、マイアは憶えていない。繰り返す波の満ち引き、大きな音、湿った風、潮の薫り、果てしなく続く水平線。はじめて見た時はさぞかし驚いたのだろうと思う。23はテレビやネット上の写真でしか海を知らなかった。どれだけ違って感じられるのだろう。

 しばらく行くとクリーム色のパーゴラ柱廊が見えてきた。海を眺めるバルコニーのようだ。
「ここは?」
「素敵でしょう。とてもロマンティックなので、恋人たちのデートスポットなの。いつも一人で来ていたから、いつかはきっとって思っていたわ」

 彼がほんの少しきつく掴まったように感じて、マイアは心が痛くなった。勘違いしちゃダメ、この人にはドンナ・アントニアがいるんだもの。本当に恋人同士としてここにいられたら、どんなにいいだろう。自転車に乗っているからではなくて、ただ抱きしめてもらうのって、どんなきもちだろう。

 マイアはもう少し先で自転車を停めた。海を見渡すカフェがあって、その脇に砂浜へと降りる階段があった。23は少し沈んでいく感触に慣れるまで砂の上を慎重に歩いた。マイアは波打ち際まで来ると、裸足になった。23も同じようにした。波が足元の砂を運び去っていく、そして二人をも運び去ろうとする感覚をしばらく楽しんだ。

 23の方を見て笑いかけた時に、その後ろ、波止場にはためいている二つの旗に氣がついた。一つは赤と緑の国旗で、もう一つはやはりこの国でどこでも見られる白地に赤い十字の旗だった。その視線を追って、やはり旗を見た23は「どうかしたのか」と言いたげにマイアの顔を見た。
「あの十字、お屋敷の門の所にもついているわよね。竜の持っている盾の中に。ドラガォンって、王家かなにかと関係あるの?」

 23は笑って首を振った。
「この国では、王家とは関係なくあの十字を多用しているよ。あれが何を意味するシンボルなのかは知っているだろう?」
「大統領がああいう勲章を付けているわよね。サッカー連盟のマーク、ホテル、それに空軍も……。でも、もともとはキリスト教の何かよね」
「そうだ。キリスト騎士団のシンボルだ。大統領は共和国の元首であると同時にキリスト騎士団の総長でもある」

「キリスト騎士団ってそもそも何?」
「もともとは1119年に創設されたテンプル騎士団だ。第一回十字軍が終了した後、エルサレムへの巡礼者を保護するために創設された騎士修道会だが、巡礼者のために現在で言うトラベラーズチェックのようなものを発行する財務機関として力を持った」

「それで?」
「富めるものはさらに富み、だよ。テンプル騎士団は多くの人びとや国家の債権者になっていた。十四世紀のはじめにフランス国王は最大の債権者であるテンプル騎士団に借金を返す代わりにその財産を没収してしまおうと思ったのさ。そして、フランス人の教皇と結託してテンプル騎士団総長ジャック・ド・モレーを反キリスト・悪魔崇拝の異端に仕立てて生きたまま火あぶりにして処刑した。そして、その資産を自分たちの息のかかった聖ヨハネ騎士団に移すように命令したんだ」
「そんな、勝手な……。みんな、フランス王の言うなりになったの?」

「いや、ならなかった。当時の教皇クレメンス五世もフランスに加担したていたから、テンプル騎士団はローマ教皇庁により弾圧禁止されたが、ドイツでは裁判で証拠不十分のため無罪とされたし、スペインでも弾圧はされなかった。教皇の決定に真っ向から反対したのが、わが国の国王ディニス一世で、逮捕を拒否しキリスト騎士団の名前のもと存続を認め、資産と財産を継承する権利を次の教皇ヨハネス二十二世に交渉して認められたんだ。だから、現在でも教皇庁では聖ヨハネ騎士団の後継であるマルタ騎士団を親任しているのに対し、わが国ではキリスト騎士団を支持し、王制がなくなった今でも大統領が総長となってテンプル騎士団の伝統を引き継いでいるんだ」

「わからない。その騎士団の伝統を守る事が、二十一世紀の今でもそんなに大切なの?」
「守っているのは伝統だけじゃないんだ。多くの人の関心の中心にあるのはむしろその莫大な資産なんだよ」
「あ」

「キリスト騎士団の指導者となったエンリケ航海王子は、その経済的バックアップのもと大航海時代の幕を開いた。わが国が植民地としたブラジルで発見された黄金は、わが国を富ませた。その栄華の名残は、この街に残る豪奢な建物に見られるだろう?」
「……」

「さて。この街に大きな館を構え、働きもしないで豪奢な生活を続ける一族がいる。街の中に数百人の黄金の腕輪をした人間がいて、それを監視するためだけに二万人近い人間が配置されている。そのとんでもない人件費をまかなう財力はなんだと思う?」
「まさか……」

「テンプル騎士団が解体された後、キリスト騎士団に受け継がれた資産と財産はほんの一部だった。フランスや教皇庁が没収した財産もそんなに多くはなかった。では消えてしまった莫大な財産はどこに行ってしまったんだろうか。フリーメーソンなどの秘密結社に受け継がれたとも言われているし、確かな事は今でもわからない。だが、俺たちをここで飼うためだけのために遣われる恐るべき経費を考えるとき、テンプル騎士団の財産の多くを受け継いだのがドラガォンだと考えても不思議ではないと思う」
「だとしたら、ドラガォンが受け継ごうとしている血脈って言うのは、もしかして……」

「お前の示唆している人が誰かわかるよ。どうだろうな。その可能性がないわけじゃない。真偽のほどは別として、神の子であると定義されている特別な一人の男の子孫を守り続けていると信じている人間がいても不思議ではない。だが、別の仮説もある」
「別の仮説?」

「この地には、もともとケルト人が住んでいたんだ。そして、この街の象徴でもある竜はケルト人の神獣だ。だから、ケルトの伝説の英雄か王の子孫を守り続けているのかもしれない。たとえばアーサー王、ユーサー・ペンドラゴン……」

「23はインファンテなのに、誰の子孫か教えてもらっていないの?」
「もちろん、いない。俺はスペアであると同時に危険分子だからな。トップシークレットを明かしてもらえるような立場にはない。知っているとしたら、アルフォンソか、《監視人たち》の中枢組織だけだろう。それに誰だろうと、それは名目に過ぎない。本人の遺体でもない限り、本当に直系なのかは誰にも証明できないのだから」

 23はいつものように突然話題を変えた。
「ここによく来るのか?」

「ええ。前はよく来たわ。悲しいことやつらいことがあると、ここに来て海を眺めたの。繰り返す波をずっと見ていると、ちっちゃなことはいいかな、って思えてくるの。そして、叶わない夢のことを考えていた」

「それは?」
23がマイアの横顔をじっと見つめた。彼女は沖をゆっくりと進む大きな船を指差した。
「いつか腕輪を外してもらって、自由になったら、ああいう船に乗ってね。どこか遠くに行きたいって」

 マイアがまっすぐに伸ばした左の手首には黄金の腕輪が光っていた。彼女は23の顔を見て無理に笑おうとした。
「叶わない夢なんて、見てもしかたないわよね」

 彼はしばらく答えなかった。マイアを見つめ、それから打ち寄せては砕ける波に視線を遷した。何かを言おうと、何度か口を開きけれど言わなかった。

 マイアには彼の背中が一層丸く見えた。彼にとって残酷なことを言ってしまったのだと感じた。自由になりたいのは彼も同じ、それどころか、ずっと痛烈に願っているのだろうから。

 悲しくなって謝ろうと思った時に、マイアをもう一度見てはっきりと言った。
「夢は夢だ。願い続けていれば叶うこともある。お前は星一つだから、チャンスはある」

 でも、私は叶わない別の夢を抱いてしまったんだけれど。マイアは心の中でつぶやいた。
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Comment

says...
更新、お疲れ様でした。

今回は、いろいろと美味しい回でしたね。
ドラガォン・システムの謎に迫ったり、テンプル騎士団のお話があったり、なんといってもマイアと23の道交法違反……もとい自転車タンデムと、海岸でのじれじれ展開。もう、たまりませんね。
マイア、23のことも気にかけてあげられるんだから、優しくていい子ですね。
ところで、23がマイアに言いかけたことって、もしかして? つか、チャンスって、そういうことですよね。23、なにげにすごいこと言ってるかも。これは大チャンスなのになぁ。あ~、でも、マイアは聞いちゃいないか~。
この二人、なんかもう、ふつーにデート(お出かけ)してますけど、問題にならないのかなぁ。プチ、心配です。
2015.05.27 10:53 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

もうこの辺になると、ほとんど出し惜しみがないので、書いていても楽しかったです。
そう、この話、本当にストレートなんで、謎とか、ひねりとか、まるでありませんので(笑)

それに、今回はターニングポイントでもあって、これまではマイアが一人で思い込んでいてこじれていたのが、ここからは23の思い込みでさらにこじれていきます。っていうか、マイアがちゃんと「それは過去の夢で、今の夢は違う」と言わないのが悪いんだけれど。

そうそう、日本だと完璧に法律違反です。Pの国ではどうなんだろう。でも、きっとあまり氣にしていないな、あの人たちは。(勝手に断言)

マイアは、23が自分自身を大切にしていない、名前もなくて仕事も認めてもらえない自分はとるに足りない存在だと嘲笑っているようなのがとても悲しかったのですね。靴に署名したり、誰が作ったと公言したりするのは許されていなくて、だから、今までは何の記録もなかったのです。マイアはお花畑脳なんですが、素朴な賞賛にあまり慣れていない23は嬉しかったんじゃないかな〜と、思います。

マイアはとても思慮が浅いので、「腕輪が外れて外国に行けたら楽しそう」程度の事しか考えていませんが、23の方はもう少し先まで考えが及ぶのでいろいろと考えてしまったんですね。腕輪がない人間は、Pの街もそれから世界中のどこにでも行くことができるのですが、ドラガォンの館(他、ドラガォン所有の館全部)には足を踏み入れられなくなるのです。つまり、(理論上)館から出る事の出来ないインファンテとは二度と逢えなくなってしまうのですね。

ふつーにお出かけは、どんどん大胆になりつつありますが、え〜と、《監視人たち》のみなさんもちゃんとお仕事しています(笑)でも、その話は、まだずっと後です。

コメントありがとうございました。
2015.05.27 18:14 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
マイヤ、グッドアイデア。
そんな技を手に持っていたなんて。絵が残るなんて素敵!

いいなあ、海デート。海は毎日でも良いです。
(今、海から遠く離れた内陸に住んでいる。自転車でなんか無理 -_-;)
そそ。近い近い^^ 自転車二人乗り腰ハグ~♪

そうか。ドラガォンの事情、ながーい物の中にあるのですね。
その連鎖を断とうなんてことは無理なのでしょうね。
そうすると、23とマイヤが本当にどうなってしまうのか、分からないですね。

ああ、なんか、二人の思いがまだすれ違っているようで・・・
こんなに近いのに(?) 近いのか遠いのか・・・
2015.05.28 11:33 | URL | #- [edit]
says...
こんにちは。

そうそう。マイアが絵を描く趣味を持っているのは、第一回の時に出てきて以来なので、もう誰も憶えていなかったかも(笑)なんです。というか、彼女には、このくらいしか出来ないのです。でも、23は、嬉しかったでしょうね。

そう、海! 海のない国にいると、海恋しいですよ。
連れ合いは「湖ならあるじゃん」といいますが、全然違う! と力説しています。

そして二人乗りですが、着々と、ドキドキシーンがエスカレートしていっております。わざとです(笑)
でも、まだまだハッピーエンドには遠いのです。これもわざとです。
すれ違ってますね。誤解が誤解を呼びます、で、読者はじれる……。

ドラガォンの事情、伝統などは、断てません。
それをしようとした人も過去にはいたのでしょうが成功していないということになっています。
そして、私のストーリーでは、誰もトライすらしません。
チェック機能が万全すぎる事を上の方に行けば行くほど知っているので
やっても無駄、なんですよね。
だから、お花畑脳のマイアはともかく、23は自分の許された範囲で物事を見て、未来についても考えています。

その意味でも、二人はとっても近くて、でも、遠いんですね……。

コメントありがとうございました。
2015.05.28 14:21 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
中身の濃い~部分でしたね。2人の行動も「み、見つからないの~?」のドキドキだし(って、これは絶対に見つかってるんですよね、実は。確か監視人たちは事の核心に触れなければまぁ寛大、触れたらえらいこっちゃって設定ですよね? 抜け出すくらいなら別に核心には抵触していないってことで?)、さらに恋愛物語としては距離は近づいてきたのに、またちょっとしたことでぐるぐるしてなかなかくっつかないじれったさが何とも言えなくて。そしてマイアが実はなかなかの才能の持ち主と分かってちょっと感心したり。彼女の一生懸命さがより強く伝わってきました。えっと、お花畑頭でも一生懸命はシンパシーを生み出しますよね。
そして、やっぱり物事をちゃんと解説してくれる(それでも謎は残るけれど)部分はとても大切です。うんうん、そういうことだよね、と確かめながら読み進むことができて、このお話の構成を改めて確認できました。
でも、違う環境で生きてきた2人、まだまだ理解し合うには前途多難のようですね(それも美味しい)。
続きをまたまた楽しみにしています。
2015.05.28 17:50 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こんばんは。

そうなんです。この回は、途中に何回かある「濃い」回のうちの一つ。最初の予定では、次の「濃い」回のあとに速攻でエンディングだったのですが、大人の事情(季節問題)のせいで、さらに若干伸びたりしています。

《監視人たち》はお仕事しているのですが、一人の人間がずっと付けているわけではなくて、どちらかと言うと目の前を通り過ぎたときの事を記録しているイメージです。だから、近寄って星を数えない限りはインファンテかどうかはわかりません。ただ、普通の《星のある子供たち》は、家の側から監視されているので、登録内容と記録をつなぎ合わせるとどこの誰なのかが把握できるという仕組みです。

インファンテは外に出られないということになっているので、もし出ていた事がわかったら大騒ぎです。でも、ただの《星のある子供たち》がその辺を歩いていたり、《星のある子供たち》同士でデートしている分には「レベル1」なので《監視人たち》中枢部からドラガォンの館への報告義務はないのです。これが、コンスタンサみたいに一般人とのデートの場合は「レベル2」(公共の場で二人で逢うなど=追跡開始・中枢部へ連絡)または「レベル3」(屋内に二人だけで入ろうとするなど=黒服部隊出動)です。逃げだしちゃったあの件は本来ならば「レベル4」(実力行使で止める)です(笑)

という裏舞台的な設定はともかく、恋愛物語としてはそろそろ出し惜しみなく。
でも、ご安心ください、まだまだくっつかせません。(極悪非道の作者)

マイアが23に惹かれる要素は、マイア目線だけあってかなり描写しているのですが、23の方はどうなんだろうという所で、お花畑脳ではあるけれど、召使いとしても全然ダメだけれど、それでも「ぐっ」とくる部分をつくりたかったというのはあります。「好き」というのを全く言わせずに、恋しているからこその思いっきりの好意を表現させる方法がこのスケッチ、それから秘密のお出かけなのですよね。その辺がシンパシーを呼んだら嬉しいなあと思います。

キリスト教騎士団の話や、23の立場、それからうやむやにしていますが、この謎の組織を運営するのはどれほどお金がかかっていることなのか、などはやはり本編のどこかではちゃんと書きたかったのです。このままうやむやだけれど、少なくともその噂が囁かれるくらいにはオオゴトなんだというのが、自分の心の中だけでなくて、小説の記述としてきちんと入れたかったというか。その意味でも、この回は全体の中で三番目くらいには重要な部分だったのでした。

とは言うものの、この複雑な設定は恋愛物語のためのお膳立て。で、二人の関係は、しばらく停滞します。
上手くいかないじれったさを楽しんでいただけると本望です。

コメントありがとうございました。
2015.05.28 18:31 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
私もマイアが絵を描く趣味があることを忘れていました。
そうか、こんな風につながっているとは。それも設定してあったのかな?

前半の二人の良い雰囲気^^
とてもワクワクしました。なんて初々しいんだあ。
男がリードを取る恋愛ものよりも、こっちの方がなんだか好きだなあ。ちょっと危なっかしくて。
今回はマル秘デートな一話かな、と思ったら、なんとドラガォンの秘密に触れる解説が・・・。

フィクションと史実の混ざり具合が絶妙で、世界史の勉強をサボった私には境目が分からないというすごい自己嫌悪もともないつつ、興味深く読ませていただきました。
ここのシステムの運営資金も謎だったし、そのシステムが何を守っているのかも謎だったのですが、それを匂わせる重要な回でしたよね。
確信にはまだ触れられていないですが・・・。でもやっぱりそれよりも、恋の行方が気になってしまう一読者^^
じれったい二人のこのデートのつづき、楽しみです。

2015.05.30 00:10 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
おはようございます。

そうなんです。マイアが絵を描く趣味がある設定にしたのは、一つは人付き合いが下手でみんなと楽しくやる趣味ではなくて自己完結するタイプの趣味が欲しかったのと、もう一つがこの章で使うためでした。
あ、もう一つ使ったな。なんちゃってデザイナーの24が「道具だけはすごいものを持っているのに、全然使っていない」と掃除中に人目で判断するため(笑)

端から見ると、もうどうやってもただの友達の枠は超えていますが、マイアはまた一人でぐるぐるしていますよね。でも、彼女なりに23のため、もちろん、自分が一緒にいたい、特別な体験を一緒にしたいというのが大きくてガンガン誘い出しています。まあ、普通の(外の)男性だったら、いい加減マイアがなぜこうなのかは氣がついてリードするんでしょうけれどねぇ。

あ〜。史実と関係ないのは「ドラガォンのシステム」だけです(笑)あとは全部本当にそうなんですね。
大統領がキリスト教騎士団のグランドマスターって、「そんなのありか、二十一世紀に!」なんですけれど事実なんですよ。政教分離なんて言葉は、彼らの辞書にはないようです。

ドラガォンの核心(『なぜ』や『誰』)については、これ以上の事は、これからも語られる事はないと思います。そう、はっきり言ってその件はどうでもいいと作者が思っていますから。で、どうでもよくない、じれったい二人の関係がこれからメインで語られていきます。あ、あと、現在動いているシステムの話もちょっとは。

来月もまた読んでいただけると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2015.05.30 09:48 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
あ、そうでした。マイア絵が上手だったんですね。
うっかり忘れていました。23がこんなに誉めるんだからきっと相当上手いんだと思います。おべんちゃらを言うイメージ、全然無いですから、23って。
でもこういうときマイアは気転が利くなぁ。冷静に障害を挙げる23。それに対応する対応を直感で考えるマイア、良いコンビだと思います。
タンデムはマイアが前になるんですね。2人の様子が見えるようです。マイア、とっても可愛かっただろうな。腰に手を回すのはバイクの安定のために当たり前ですが、いい雰囲気ですよ。

海はいいですよ。全てを包み込んでくれるんですよ。23とマイアも海を前に良い時間を過ごしたんでしょう。でも読んでいる方としてはイライラが募りますけど。
緻密に設定されたドラガォンの秘密(よくこんなふうに複雑な設定を練り上げられますね)が少し明らかになりましたが、マイアの頭の中と23の頭の中には大きなズレがあるようです。いつになったら上手くシンクロするんだろう?マイア、お花畑過ぎるかもしれないね。
でもサキはとても単純にエンディングを見積もっています。
こんなことをすると、大概ひどい目に遭うんですけれど。
2015.06.01 14:02 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

日本はもう真夏みたいなんですってね。少し涼しくなってよかった。まだ梅雨の前ですからねぇ。

そうなんです。マイアの趣味はお絵描きだったのです。一人で出来る趣味ですしね。
それで、23はストレートなので、素晴らしいと思ったことはストレートに褒めますし、ダメ出しも容赦ないです。だから、他のことはともかく、マイアの絵はなかなかのものなのでしよう。

マイアは、あまり頭が良くないんですが、23とお出かけしたくて脳みそをフル回転していますよね。
タンデムは、普通は男性が前ですが、23に自転車の練習を奨める人はもちろん皆無ですから乗れるわけはありません。それに23にマイアが抱きついても、もとい、つかまっても別に面白くないし(笑)ここはマイアのしょーもないぐるぐるシーンのためにはこうでないと。

ドラガォンの重要人物の一人として、多くのことを知っている(でも全部は知らない)23と、「知らないでもいいでしょ」なその他大勢のマイアでは、やはりいろいろな所でズレがありますね。

同じように、「23が私を好きになってくれたらいいのになあ」しか考えていないマイアと、「自分と一緒になる女性はどうなるのか」にまで想いがいく23にも大きな差があります。同じ海を見ていても、何も考えずに「海外旅行してみたいなあ」と言ってしまうマイアと、何も言わない23の海に対する想いも、実はかなり違うのですね。そこらへんがサキさんをはじめとする読者の皆様のイライラに繋がり、さらに、最終回までには「だからなんだ」という納得になるといいなと思っています。

このお話は、どんでん返しはありませんので、安心して読んでくださって大丈夫ですよ。
って、私の小説はほとんどどんでん返しありませんけれど(笑)

コメントありがとうございました。
2015.06.01 19:32 | URL | #9yMhI49k [edit]

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