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Posted by 八少女 夕

「森の詩 Cantum Silvae」を世の中に送り出して

今日は「 Cantum Silvaeの世界」カテゴリーの記事です。

森をのぞむ

あと一回の更新で、「森の詩 Cantum Silvae - 貴婦人の十字架」は完結となります。

これだけたくさんの小説を公開しておいて、信じてはもらえないかもしれませんが、この小説に関しては書くのも公開するのも若干戸惑いがありました。

何度か公表しているように、このストーリーはもともと私が高校生の時に考えだしたものを下敷きとしています。当時は、中世も近世もへったくれもなく、ドレスを着たガイジンが惚れたはれたとやっているだけのストーリーでした。ですから下敷きにしたのは、その恋愛ストーリーの部分のみです。

三部作で、「第一部 姫君遁走」「第三部 一角獣奇譚」の間に「第二部 貴婦人の十字架」が挟まっていたのですが、第一部のとんでもヒロインと、第三部の正統派ゴージャスヒロインに挟まれて、最もどうでもいい存在が、「貴婦人の十字架」のヒロイン・ラウラでした。そういえば、マックスも一番カッコ良さが足りないヒーローでした。それがいまの二人にもよく表れています。

「森の詩 Cantum Silvae」で何か書けないかな、と思ったのは、この二人の恋愛ものが書きたかったからではありません。そうではなくて、あの頃ぼんやりと日本で憧れていたヨーロッパの世界、三部作の中で繰り返し書きたがっていた森の中の世界に、「え。いま私、いるじゃない!」と思い当たってしまったからなのです。

当時は知識も、イメージも足りなくて、さらに表現力もなくて、満足する形に出来なかったものを、もう一度形に出来ないかと思って選んだのは、奇抜な姫君の暴走でも、ゴージャスな美女の正統派ストーリーでもなく、地味な二人の控えめな恋愛でした。キャラクターの派手さや、ストーリーの強さを押さえることによって、もっと表現したいものを浮かび上がらせることが出来るのではないか、それがその理由でした。

イメージした時代は1400年代あたり。暗黒時代ではありませんが、まだ絶対王政の始まる前の、混沌とした時代。ペニシリンも、モーターも、水洗トイレも、トラクターも、電灯もない世界。そして、魔法も、竜も、小人も、タイムスリップもない世界です。その限られた可能性の中で、人びとが自分に出来ることを探っている、そういう世界を書きたかったのです。

ずっと待っていたのに報われなかった修道女。春をひさいで生き抜く女。誇りを持って働く男。信念のために大ばくちを打とうとした元聖職者。様々な人生をパッチワークのように繋げて、試行錯誤の末に出来上がった作品は、私にとっては高校生の頃の「ロクでもない笑えるストーリー」とは全く別物に仕上がりました。私が表現したかったものはこれで、これしかなかったとは思いますが、それでも発表を始める時にはためらいました。「これって、普通の人が読みたい話?」

たぶん多くの方には、期待はずれな作品だったと思います。偉大なる賢者さまの使う魔法や、華麗なるどんでん返し、もしくは、派手な戦闘シーン、もしくはめくるめく熱い愛、それのどれも出てきません。ラストも「え? これで終わり?」的なあっさりしたものになります。

そうであっても、ここまで連載を続けてきて思うのは、「それでも発表してよかった」ということです。皆様からいただいた感想を読んでも、たとえ万人受けする小説ではなくても、言いたいことは伝わるのだと思えたからです。

中世や人生というものを書き出せたなどという驕った想いは持っていません。上手く表現できていないと悔しいところもあります。あと二十年経ったら、もっと深いものが書けるかもしれません。そうであっても、いまこれを書いておいてよかったと思います。



この記事を読んで「森の詩 Cantum Silvae - 貴婦人の十字架」を読みたくなった方へ

「森の詩 Cantum Silvae - 貴婦人の十字架」を読むこのブログではじめからまとめて読む
あらすじと登場人物

追記


蛇足:本編には書かなかった、どうでもいい裏話をここでまとめて書いておきます。

◆イグナーツ・ザッカは、センヴリのとある王族の落胤。国家を揺るがすほどの危険な存在だったので、身分を隠して修道院で育てられた。

◆マリア=フェリシア姫は、ラウラとは対照的に肉食系だが、表向きは誰ともつき合ったことがない無垢なお姫様で通している。ラウラの義理の妹、バギュ・グリ侯爵令嬢エリザベスも相当遊んでいる。

◆アニーの兄マウロと親友ジャックは、マックスを助けたあとに疑われるのを怖れて、仕事をやめている。窮状をアニーから聞いたマックスがこの後、自分の館に迎え入れることになる。

◆ルーヴラン風に「マダム・ベフロア」と名乗っているヴェロニカだが、実はルーヴランに行ったことがなく、ルーヴラン出身のラウラには余計反感を持っていたりする。でも、ラウラのことを悪く言うとレオポルドが怒るので表には出さない利口者。

◆フリッツ・ヘルマン大尉は妻帯者だが、仕事に熱心な上、女心を理解しない唐変木で、嫁は愛想を尽かしてとある有力貴族の愛人になってしまった。

◆マックスの両親は、貴賤結婚ギリギリの身分差があった。もちろん、王妹マリー=ルイーゼの方がはるかに身分が上。兄王は妹を溺愛していたので最初は反対したが、二人の熱愛に打たれ、後には味方になった。その当時からフルーヴルーウー辺境伯にせめて侯爵位を授けるべきではという議論が出ては立ち消えている。

◆単純に外見からこの記事でラウラのイメージの花と決めていたハマユウ。なんと花言葉が「どこか遠くへ」だったことが昨日判明。適当に決めたにしては、「グッジョブ、私!」でした。いや、だからどうってわけじゃないんですが。
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Comment

says...
>あと二十年経ったら、もっと深いものが書けるかもしれません。そうであっても、いまこれを書いておいてよかったと思います。

ここにぐっときましたね。
私はこれの原案を夕さんが高校生の時に産んだというのがもうすでに驚きで、現在の焼き直しも充分に深いと思うんですが、それでもきっと夕さんはまだ完ぺきではないと思っていらっしゃるんですよね。
それでも、今これを書いておいて良かったと思えることは、素晴らしいし、自分もはげまされます。

わたしなんぞ、高校生どころか、たった7年前に書いた処女作を読んで「うぎゃあ」とのたうち回っている現在です(読み直すんじゃなかった^^;)
でも、その時書いていたからこそ、今があるんですよね。

この作品では細部まで中世のヨーロッパを感じることができましたよ。(といっても、何も詳しくはないんですが)
夕さんがきちんと調べて書かれているのが伝わってきました。描写もとても丁寧で、雰囲気がありましたし、人物一人一人に暮らしが有って、事情があって。そんな部分も物語を深くしてくれていました。
やはり、書いてきた時間は正直です。
私も……がんばろう^^;

勇気づけられる記事でした^^
2015.06.20 09:51 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
 サキが「シスカ」を書き終えたときの心境と、今の夕さんの心境に共通点はあるのでしょうか。あと20年・・・今の完成に完全に満足はされていない様子は窺えますが、でもこのような記事を書かれているのです・・・きっと書き終わってホッとされているのだと思います。そして高校生の頃、最初に書いた時との変化をご自分で検証されているのだと思います。
 サキはとても良い作品だと思っています。書き出しは少し退屈さを感じる部分もありましたが、やがて登場人物に入り込み、のめり込んで読んでいくことが出来る構成になっています。ドキドキ、そしてハラハラですよ。
 どうでもいい存在だった・・・とか、一番カッコ良さが足りないヒーローだった・・・とかおっしゃっていますが、今の夕さんに書き直されて、この目立ちにくかった2人は見事に輝いています。ま、レオポルドのお陰ということもありますが。
 仮想世界なのに、本当に魔法使いも無敵の勇者も登場しません。只々人間が登場するだけです。でも彼等は、彼女等はそれぞれに精一杯輝いています。その時代を精一杯生きている様子が伝わってきます。その登場人物1人1人の輝きを織り交ぜながら、この深い物語を構築される夕さんに、ちょっと嫉妬心を持ってしまいそうです。
 生意気でした。ごめんなさい。
 最終回、楽しみにしています。
2015.06.20 14:31 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

高校生のときの話は、本当に笑っちゃうストーリー(ラウラとマックスが惚れたはれただけですから)でしたから、全く大したことはないんですけれど、いま書いているのも、二十年後には笑っちゃっているかもしれません。

でも、当時だって「笑える」と思って書いていたわけではなかったのですよね。今、ブログで知り合う学生さんたちの作品を読むと、「私のレベル、低すぎ!」って思いますけれど、あの当時はそれなりに考えていたつもりでした(笑)

どんなレベルでも、今の時点で「これしかないでしょ」というものを書くのが創作なんだなと思います。そして、それがどんなレベルでも、意味はあると思いたいです。じゃないと、やっていられませんよね。

いや、limeさんがのたうち回られたら、ほとんどの人はやっていけませんって。
でも、始めから高レベルであろうと、いつまでもそこそこであろうと、続けていれば少しずつ上昇するのかなと、自分を慰めています。

中世ヨーロッパを細部まで感じたとおっしゃっていただけて、とても嬉しいです。かなりの「勉強小説」でしたけれど、書いていても楽しかったです。それに、いろいろな人物が出てきて、深く掘り下げた人もあれば、サラッと飛ばした人もありました。それぞれに人生と事情を感じていただけたとしたら、それまたとても嬉しいです。

まだまだ努力しなくてはいけないのは当然ですけれど、考証が面倒でなかなかしない「勉強小説」を一つ終わらせることが出来てホッとしました。こうやって書けば、書けるんだなって。また続けて精進していきたいと思います。

コメントありがとうございました。
2015.06.20 19:07 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

サキさんの「シスカ」ほどの強い思い入れはないかもしれませんが、この話を書き終えたときは、正直言ってホッとしました。中世のことを調べるのも大変でしたし、それをいかにも「書き写しています」みたいにならないように描写するのも一苦労でした。さらに、「このオチは、肩すかしでは」という部分も多かったのですが、全体のバランスとして自分で納得いく形になったので、「なんとかなった」と安心したこともあります。

それに二十年後にどう思うかはわかりませんが、今の時点では「恥ずかしいから隠したい」とは思わない作品になったことも、ホッとした理由の一つです。

よい作品と言っていただけてとても嬉しいです。とくに人物に入り込んでのめり込んでいただけたというのは、願ってもないありがたい讃辞です。やっぱり、最後まで退屈だったというのは、哀しいですもの。

主人公の二人については、設定上のスペックに限界を持たせているので、どうしてもスーパーマン&スーパーウーマンにはできなかった、つまり、「お話だから」といって非現実的な設定にしなかったので、読んでいてさぞもどかしかったと思いますが、その限界の中で精一杯生きている二人に僅かでも輝きを見出していただけたのもとてもありがたいです。それに他の登場人物についても。

レオポルドは、ちょっとカッコ良すぎますが、まあ、この世界で最も大きな権力を持つ人物たちのうちの一人ですから、主人公二人のために力を尽くしてもらいました。

来週、ようやく最終回です。最後まで楽しみにしていただけて嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2015.06.20 19:19 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こちらのお話はまだ未読なので、トピックに上がっても読み逃げ(すみません)だったのですが、今回は乱入^^

世に送り出してくださってありがとございます、と、まずは。
夕さんが高校時代に大筋が三部作として出来上がっていたとはとにかく驚きです。
その当時は世に出ていなかったわけで。ですかね?

私も今書き直しを検討しているものがあって、ちょいリンクです。
未だに恥ずかしいまま世に出してしまっているのですが(自覚十分あり)、少し寝かせた分、少しは違って書き直せるかもしれないとちょい誤解中(苦笑)
当時は力不足のままアップすることに申し訳ない気持ちが大きくて。(いあ今でも全然力などないが ><)
それでもこれは’たたき台’と割り切って書き続け、読んでくださる皆様に支えられて完結を迎えたものです。
このお話はきっと一生お直しを続けるのだろうなあと思いつつも、当時の時点で思い切って世に出して良かったなあと思う、思い出深いお話です。

いあ、夕さんの高校時代から(小学校時代から?)というキャリアとは全然比べ物にもなりませんが、二十年たったら、というくだりに、物書きは成長するものなのだという期待が見えて、なんだか嬉しくなりました。
今描けるものを今残すことの意味、自分が信じてきたことは案外正しいかもしれないと夕さんが応援してくださるようで、テンション上がりました(←乱入の理由)

脱稿、お疲れ様でした!
2015.06.21 04:06 | URL | #- [edit]
says...
おはようございます。

乱入(?)ありがとうございます。
もともと「○○の世界」カテゴリーの記事は、「未読の方に興味を持ってもらおう」という姑息な動機で始めているので、本来は未読の方が対象だったりします。最近は、そうでもなくなりつつありますが。

「森の詩 Cantum Silvae」シリーズのことが人目に触れたのは、ブログをはじめてからです。昔から書いていたというと、けいさんは彩洋さんのような立派な執筆をイメージされるかと思いますが、とんでもないことです。私が文章による作品をメインに書きだしたのは、大学に入ってからで、それまでは主にお絵描きの粋をほとんどでない手書きマンガだったのです。でも、そのころから本当にマンガの好きな人は、スクリーントーンを使ったりコマ割をしたりするちゃんとしたマンガを創作するようになっていて、「私のウデではこれは無理」と思った時点で文章に移行しはじめていたのですね。

「森の詩 Cantum Silvae」シリーズはその移行時期に、妄想や創作を始めていた作品で、第三部はしょーもないマンガとして、第一部の一部だけは文章として残っているのですが、第二部の「貴婦人の十字架」はもはや完成した形では何も残っていない、妄想&ストーリーのメモのみが現存していた幻の作品でした。それだけ、いちばんしょーもないと自分でも思っていた作品です。

創作そのものは記憶にある子供の頃からずっとやっていて、実際に描き出したのは小学生のころですが、当時の作品は手直しのしようもないトンデモ作品ですから生涯封印ですけれど、そうであっても当時それが大好きで書いていた自分のことは、そんなに嫌いではありません。どんなにトンデモでも、また、世の中にあふれている有名作品の単なる焼き直しでも、書いて(描いて)いる時々では、真剣に創作していたことに意味があるのだと思っています。

だからこそ、いま書いているものも最終形ではなくて、また上手くなっていくものだと希望的観測を持ってはいるのです。
もっとも、二十年近く前に書いた作品、ほとんど直しもしないでこのブログに載せていますが、実はあのころからはまださほど進化していないような(笑)

けいさんが直したくてしかたないという作品、どれだか私にはわかりませんが、どの作品も「アップするのが申し訳ない」なんて謙遜なさることのない素晴らしい作品だと思いますよ。あ、まだ全部を拝読したわけではないのですが。

ブログで拝読する小説は、どのジャンルのどの小説でも、自分に書けないもので、学ぶところがたくさんあります。けいさんの小説も、ファンである一読者として、また切磋琢磨する物書きの仲間として、いつも楽しみに拝読させていただいています。この小説は、まもなく完結ですが(まとめ読み用にPDFが別館にあります、とプチ宣伝)、また新作に精進させていただきますのでお付き合いを続けていただけると嬉しいです。

ねぎらいのお言葉とコメント、どうもありがとうございました。
2015.06.21 08:10 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
私はすごく面白かったです。確かに主人公たちは前半に比べて後半の動きは少なかったけれど(あ、のんきに音楽を奏でている、とか言ってごめんなさい。ちゃんと事情は分かってたよ~)、それは前半で事情がちゃんと説明されていたので、納得のいく状況でした。
もちろん、エンタメ小説、ライトノベルなどなどを目指すのなら、この主人公はダメと言われると思うけれど(なぜなら、主人公は常に苦難を自らの力で乗り越えて、行動あるのみ!だから……)、夕さんが書きたかったのはそういうことじゃないと思うので、そういう「俺は頑張るぞ! あぁ、友情って素晴らしい!」みたいな作品は他の人に任せて、夕さんは夕さんの書きたい世界を追及して良いのだ、と思いました。

私は前半がすごく面白かった。多分、ずいぶん昔、私も中世には興味をもっていて、阿部謹也さんの『ハーメルンの笛吹き男』は今でもすごく面白かったと記憶に残る本だったので、この夕さんの描く世界に懐かしさとわくわくを覚えていました。しかも、その時代が、説明じゃなくて、まさに物語の中でマックスやラウラが不条理の中を動きながら体験していってくれている感じが、とっても良かったです。
あ、後半がどうとかいうのではないですよ。後半はレオポルドが引っ張ってくれましたから、これはこれで◎です(*^_^*)
このお話の主人公は「その時代」だったとも言えるような気がしました。

う~ん、私の場合、なかなかうまくならないので(ダメな点は分かっているのに、何とかしようという気がないんですね、きっと)、進歩がないままです。20年先は何となく生きていないような気がするけれど(年も年だし^^;)、とりあえず5年後、今よりうまくなっているといいなぁとは思いますが……まぁ、でも、後から直そう、と思えるなら、それでよしってことかもしれませんね。だめなことろが少しでも分かるのは進歩かもしれません(でも、単に冷静になっただけ、という気もする……)。

私も昔書いたバカっぽい話とか、流されるままに書いた勢いのある作品とか、今の私には決して書けないすごい話だと思っていたりします。あ、他の人と比べたら全然だけれど、それに、あの時点が最高だったとは思わないけれど、少なくとも今の私には書けない。だから、私も夕さんと同じで「どうしても捨てられない」のです。
ま、老後に、自分で読み返して「わはは~」とか笑い飛ばせるならいいなぁ、なんて。

それから。この「どうでもいい裏話」、面白かったです(*^_^*)
2015.06.21 17:06 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こんばんは。

そうなんですよね。なんか「現実だったらどうだろうか」ってことにこだわりすぎたかな、という反省は少しあります。
「いくらラウラを好きだって、マックスがグランドロンの衛兵をガンガン殺しまくって助けに来れるわけないじゃん。やったら絶対につかまって殺されるよ」とか「ここで昨日まで平民同然だった人が、代官ゴーシュを追いつめるのに大活躍できるわけないよな」とか。だから、全然見せ場がなくて、やることと言ったらバ○の一つおぼえのように毒を飲むだけ、になってしまったんですが。超のんきにリュート合奏は……。だって、いくら暇だからって、イチャイチャしているのも「全部レオポルドに尻拭いさせておいて、それかよ!」ってなるかなあって(笑)

実は、ゲームのように、もしくはアメリカンヒーローもののように「敵をバタバタ殺しまくる」って記述を書くのは抵抗があるんですよ。いや、半にゃライダーのような冗談作品での「であえ、であえ」の皆さんみたいに、来週になればまたいくらでも生き返る、みたいなのは氣にならないんですけれど、なんだろう、ただの標的みたいに相手の血を流すことに何も感じないその感覚にとても抵抗があるんです。「明日の故郷」みたいに史実で変えようがないことは書きますけれど、この小説は史実とは関係ないので、戦争も起こさなかったし、マックスをカッコ良く見せるためだけにグランドロンの「その他大勢を虐殺」みたいなシーンは避けたんですよね。ラノベやエンタメ小説だったらそこは絶対に外せませんよね。

中世のこと、「あらすじと登場人物」にあげた参考書の通りに調べまくったのですが、いかにも「調べた文章を書き写しています」って風情で書くのは嫌で、貴族に関することは主にラウラのパートで、庶民に関することはマックスのパートで、それぞれになんとかエピソード作れないかな〜と脳みそ絞りながら書いたのですよね。

後半は、もともとのストーリーを展開する方がメインになり、それでもあちこちには散りばめてはあるのですが、やはり表舞台からは姿を消しますよね。「時代」が主役だったというのは正に私が狙っていた部分で、だからこそ主役の二人は地味なカップルを選んだんですが、まさかレオポルドにあそこまで人氣が集中するとは夢にも思わなくて「う〜ん。マックスにはちょっと氣の毒だったかも」と思いました。

文章の向上の話ですけれど、彩洋さんのようにはじめからかなり完成に近いところにいらしていると、なかなか変えなきゃってならなくても不思議はないと思います。そんなに大きな変化も見られなくても普通かなあと。私のは、昔のは表に出せないレベルですから「ちゃんと書き直すか」になりましたけれど。

それとは別に、その時々に一番書きたいこと、真剣に情熱を持って書いているので、それはそれで意味があるんじゃないかなと思います。私も、しょうもない作品は恥ずかしいですが、それを書いていたときの自分は嫌いじゃないのですよ。いくつもの人生を、真面目に生きたみたいに思えて、だからこそ今はこういうものを書くことが出来るのだと思います。

「裏話」面白がっていただいて嬉しいです。続編書くかはわからないのですが、書くとしたらこういう前提でさらに続いていく、みたいな(笑)

コメントありがとうございました。
2015.06.21 20:35 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんにちわ(・∀・)

わたしは十分楽しめて面白いお話だと思っていますよ!
無駄のない描写で彼らの住む世界がイメージとして頭に浮かんでいたし、ラウラやマックスたちの想いや冒険も実に楽しめました。恋愛だけに偏りすぎない描写も良いと思います。マックスが急に愛の戦士になってちょっと笑ったけどww
最近ではレオ様とその周囲を取り囲むヴェロニカさんたちとの関係がこ気味良くて、頭の中でいろいろイメージわきまくってます(笑) レオ様とその周囲の人々の魅力が個人的には好きですね~。

これだけの面白いお話の基礎を、10代の頃に考えていたというのがまたスゴイ・・。わたしの10代ってなにを考えていたか・・・道教とか中国神話や中国の歴史にすっ転んで(三国志はもうどうでもいい…)、そっち方面のイラストばかり描いてた気がする(笑)

実際その土地にいかないと感じられない風景描写とかありますよね。それがあってわたしは現実舞台の物語を書くのが無理だなあ、と思ってしまうんですが。八少女さんの目を通して綴られるヨーロッパの、かつてあった世界の息吹が、ほんとよく伝わっているいい作品だと思います。最終回楽しみにしていますね(^ω^)
2015.06.22 08:46 | URL | #mQop/nM. [edit]
says...
こんばんは。

ユズキさんにイラストにしていただけた時に「わあ、私のイメージ伝わっていた!」とものすごく嬉しくなりましたよ。
全体としての「中世ヨーロッパの限られた世界を生きる人びと描く」というテーマがあって、それだけだとストーリーとしてぼやけるので、主人公たちの恋愛譚と二つの国の政治的な話がメインのお話として存在するという構成にしたんですよ。
だから、そのどれをも楽しめていただけたとしたら、最高です。

マックス、愛の戦士になりたかったけれど、結局何も出来なかった……(笑)

レオポルドとその周りの人びとは、個性豊かでなおかつエピソードを生みやすいですよね。
ハイデルベル夫人とヴェロニカの冷たいやり取りとか、レオポルドに手を焼くヘルマン大尉とか、それにこれからはマックスとラウラも混じって、いろいろと外伝も書けそうなので、そちらも楽しみ。

道教や中国神話に夢中になられていたのですね! すご〜い。それまた十代ではなかなかないことでは?
あ、メルヴィンの衣装がちょっとそれっぽいと言う印象を持ったのですが、どうでしょうか。
このユズキさんコメントを読んで「聊斎志異」の本、また読みたくなってしまいましたが、日本に置いてきちゃった。もう捨てられちゃったかしら?

ヨーロッパは、日本と比較すると昔のものが残っているので、イメージがしやすいのは間違いないですね。
日本の建物は、木造が中心だし、湿氣が多いし地震や火事も多くて残りにくいじゃないですか。
こちらだと、田舎のただの家なんですけれど、1500年代に作ったものが普通に今でも使われていたりして、だから街の旧市街というと、中世の頃の街並や暮らしも想像しやすいのですよね。

まあ、現代の方がもっと書きやすいですけれど(笑)

というわけで、いよいよ明後日、最終回です。最後までおつき合いいただけると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2015.06.22 21:03 | URL | #9yMhI49k [edit]

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