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Posted by 八少女 夕

【小説】ロマンスをあなたと

60,000Hit記念掌編の第一弾です(すみません。今ごろです。もう62,000超えてる……)。六人の方からいただいたリクエストをシャッフルして、三つの掌編にしたのですが、一本目の今回は、TOM-Fさんからのリクエストオンリーの小説です。

リクエストですが、「園城真耶」でお願いします。久しぶりに、彼女の鬼っぷり……もとい、神っぷりが見たいです(笑)


ということですので、思いっきり趣味に走らせていただくことにしました。舞台はウィーン。音楽はマックス・ブルッフ。そして、真耶と言ったら、セットは拓人(なんでといわれても困りますが)です。

途中で新聞記事上に日本人女性がでてきますが、TOM-Fさんのキャラを無断でお借りしています。50000Hitの時に「ウィーンの森」のお題で書いてくださった掌編、それにこの間のオフ会にも出てきている、TOM-Fさんのところの新ヒロインです。

あ、そもそも「真耶って誰?」「それからここに出て来る拓人ってのは?」って方もいらっしゃいますよね。大道芸人たち Artistas callejeros樋水龍神縁起 Dum Spiro Speroに出てくるサブキャラなんですが、大道芸人たち 外伝なんかにもよく出てきています。この辺にまとめてあります。ま、読まなくても大丈夫だと思います。



大道芸人たち Artistas callejeros 番外編
ロマンスをあなたと


 六月は、日本ではうっとうしい季節の代名詞だが、ここヨーロッパでは最も美しい季節のひとつに数えられる。特に今日のように太陽が燦々と降り注ぐ晴れた日に、葡萄棚が優しい影を作る屋外のレストランで休日を楽しむのは最高だ。

 『音楽の都』ウィーンで、真耶がのんびりとホイリゲに腰掛けているのには理由があった。昨夜、楽友協会のホールでソリストとしての演奏をこなし、拍手喝采を受けた。その興奮と疲れから立ち直り、次の演奏の練習に入るまでの短い休息なのだ。

 マックス・ブルッフの『ヴィオラと管弦楽のためのロマンス ヘ長調 作品85』は、日本ではもう何度も演奏していたが、海外で演奏するのははじめてだった。真耶の透き通った力強い響き、そして、冷静に弾いているように見えるのに激しい情熱を感じる弓使いは、屈指の名演を聴き慣れているウィーンっ子たち、それに手厳しい批評家たちをも唸らせた。

 黄金に輝く大ホール。美しく着飾った紳士淑女たち。オレンジの綾織りの絹のドレスを着て強い光の中に立ちながら、真耶は見えていない客席に向かって彼女に弾ける最高の音を放った。それが、日本でもウィーンでも関係なかった。目指すものは全く同じだった。

 そして、その客席の中に、彼が座っていることが、真耶の昂る神経に対してのある種の重しになった。二人で目指した同じ芸術。彼がピアノ協奏曲のソリストとして、客席に座る真耶の一歩前に出てみせれば、次の演奏会で、真耶がさらに先へと進んでみせる。そして、時には同じ舞台の上で音を絡ませ、共に走る。子供の頃からあたり前のように続けてきた道のりだ。

 昨晩も、彼は真耶の音の呼びかけを耳にしたに違いない。そして、もし彼が忘れていなければ、彼女の奏でた音の中に、豪華絢爛な楽友協会大ホールとは違う、緑滴る小道での爽やかな風を感じたはずだ。小学生だった真耶と拓人が、あの夏に歩いた道。

* * *


 結城拓人の父親は、軽井沢に別荘を持っていた。幼稚園の頃から、夏になると結城家は避暑で軽井沢へ行く。もちろん、別荘にもグランド・ピアノが置いてあり、拓人は夏の間も自宅と同じようにピアノ・レッスンをさせられた。

 拓人の母親の従姉妹である真耶の母親は、毎年二週間ほど真耶を連れてその結城家の別荘へ行っていた。真耶自身は拓人と違い、放っておいても幾らでもレッスンをしたがった。当時真耶が習っていたのはヴァイオリンだった。

 普段はレッスンをサボりたがる拓人も、一つ歳下の真耶に笑われるのが嫌で、彼女が来たときだけは毎朝狂ったようにレッスンをした。それで、安心した母親二人は連れ立ってショッピングに行くのだった。

 あの日も、そうやって午前中を競うようにしてレッスンで過ごし、お互いの曲についてませた口調で批評し合った。その日の午後は、街に行って「夏期こどもミュージックワークショップ」に行くことになっていたが、母親たちは遠出をしていたので、二人で林を歩いて街まで行くことになっていた。

 蒸し暑い東京の夏と違い、涼しい風が渡る美しい道だった。蝉の声に混じって、秋の虫の声もどこからか聞こえてくる。そして、遠くからエコーがかかったような鳥の鳴き声が聞こえていた。半ズボンを履いた11歳の拓人は紳士ぶって、真耶のヴァイオリンケースを持ってくれた。それから時おり「足元に氣をつけろよ」などと、兄のような口をきいた。

 樹々の間から木漏れ陽が射し込んだ。風が爽やかに渡り、真耶のマンダリン・シャーベット色のワンピースと帽子のリボンが揺れた。

「あっ」
突如として強く吹いた風に、麦わら帽子が飛ばされて、真耶は少し林の奥へと追うことになった。拓人も慌ててついてきた。そして、今まで近づいたことのない木造の洋館の近くで帽子をつかまえた。

 二人は、窓を見上げた。白いレースのカーテンが風になびき、開けはなれた窓から深い響きが聞こえてきたのだ。それが、マックス・ブルッフの『ヴィオラと管弦楽のためのロマンス』だった。それも、たぶん当時でもかなり珍しいレコードの特徴のある雑音の入った演奏だった。

* * *


「待たせてごめん!」
その声に我に返ると、待ち人がようやくこちらに向かってきていた。ベルリン公演が終わったあと、帰国の予定を変更して、昨夜ウィーンに駆けつけて聴いてくれた再従兄はとこ だ。

「私も15分くらい前に来た所なの。だから、まだ何も頼んでいないから。それで、デートは終わったの?」
真耶は、拓人が荷物を置けるように自分の隣の椅子を少し動かした。

 彼は少しふくれっ面をした。
「デートじゃないよ。後援会長。でも、さすが日本人だね。ここまで来たらブダペストにも行きたいって、たった三日の旅程なのに行っちゃったよ。あの歳なのに、元氣だよな。おかげでこっちはお相手する時間が少なくて済んだけれど」
「文句言わないの。今度の大阪公演のチケットも大量に捌いてくれるんでしょう?」
「まあね」

 拓人は、真耶の前に座ると、荷物からドイツ語の新聞を取り出した。
「それより、ほら。ちゃんと買ってきたよ」

 真耶は、それが昨日のマックス・ブルッフの批評のことだとわかっている。言われるページを開けてみると、タイトルからして悪くなかった。
「柔らかい動きの弓にのせて、ロマンスは躍動した……ね」

「美しき日本のヴィオリストは、我々に改めてヴィオラという楽器の奏でる控えめだが力強い主張を教えてくれた……。これは、あの辛口批評家のシュタインミュラーが書いたんだぜ。文句の付けようがなかったってことだろう?」
「どうかしら。後から演奏されたブルックナーの方も絶賛されているもの。辛口批評をやめただけなんじゃないの?」
「いずれにしたって、極東から来たヴィオラ奏者が褒められたんだ。立派なもんさ」

 真耶は、その隣のページのサイエンス欄にも目をやった。
「あら、ここにも日本から来た女性が取り上げられているわよ」

 拓人は、ウィンクをして言った。
「うん、じっくり読んだよ。美人の話は氣になるからね。そんな可愛い顔しているのに、なんとCERN(欧州原子核研究機構)で活躍している物理学者らしいぜ」

「CERNって、ジュネーヴでしょう? スイスで活躍する日本人が、なぜウィーンの新聞に?」
「ああ、そのイズミ・シュレーディンガー博士は、ウィーンで育ったらしいんだ。その真ん中あたりに書いてあった」

 まあ、そうなの。同じ日に二人の日本人女性がウィーンの新聞に並んで載ったのが少し嬉しくて、真耶は新聞を大切にバッグにしまった。

 ウェイトレスが、注文を訊きにやってきた。
「あれ、まだ全然メニューを見ていないや。ここは何が美味いんだろう?」
拓人が訊く。メニューを見せながら真耶は言った。
「この季節限定メニュー、アスパラガスのコルドンブルーって、美味しそうじゃない?」
「ああ、そうだな、それにしよう。ワインは?」
「白よね。これに合わせるとしたらどれがおすすめ?」

 ウェイトレスは、フルーティで軽いGrüner Veltlinerを奨めた。ピカピカに磨かれたワイングラスに葡萄棚からの木漏れ陽が反射した。

 拓人は、乾杯をしながら、葡萄棚を見回した。
「ここは氣持ちいいなあ。よく見つけたね」
「何を言っているのよ。ここに来たのははじめて?」
真耶は、首を傾げる拓人に笑いかけた。

「この店? 『Mayer am Pfarrplatzマイヤー・アム・プファールプラッツ 』? 知らないなあ」
「ここはね、ベートーヴェンが第九を書いた家として有名なホイリゲなのよ。日本人がベートーヴェン巡礼にしょっちゅう来ているわよ」

「へえ。そうなんだ。確かに『田園』の着想を得たって言うハイリゲンシュタットだもんな。その向こうの『遺書の家』記念館は、ずいぶん前に一度行ったよ」
「でしょう? だから、ここにしようと思ったの」

 拓人は、若干げんなりした顔をした。真耶のいう意味がわかったのだ。東京に帰ったら、次のミニ・コンサートで彼女が弾きたがっているのがベートーヴェンの『ロマンス 第二番』なのだ。もともとはヴァイオリンのための曲だが、一オクターブ下げてヴィオラで弾くバージョンを、拓人も氣にいっているのは確かだ。だが、昨日の今日で、もう次の曲の話か……。

「そういえば、昨日のも『ロマンス』だったな」
拓人は、ぽつりと言った。真耶は、周りの滴る新緑を見上げた。そうよ。あの時に聴いた曲だわ。

「ああ、そうだ。軽井沢、こんな感じだったよな」
拓人は、あたり前のごとく言った。憶えていたのね。真耶はニッコリと笑った。もちろん彼女は一度だって忘れたことはない。ヴァイオリンではなくてヴィオラを習いたいと突然言いだして、親を慌てさせたのは、あの洋館から聴こえてきたマックス・ブルッフの『ロマンス』が、きっかけだったから。

 そして、あの時は、全く考えもしなかったことがある。兄妹のように憎まれ口をたたきながら育ち、どんなことも隠さずに話してきた親友でもある再従兄、音楽と芸術を極めるためにいつも共にいた戦友でもある目の前にいる男のことを、いつの間にか『ロマンス』と名のつく曲を奏でる時に心の中で想い描くようになったこと。

 だが、そのことは口が裂けてもこの男には言うまいと思った。そんな事を言う必要はないのだ。ロマンスがあろうとも、なかろうとも、二人が同じ目的、一つの芸術のために生きていることは自明の理なのだから。彼女のロマンスは、常にその響きの中にある。そして彼は、いつもその真耶の傍らにいる。

 二人の話題は、次第に来月のベートーヴェンの『ロマンス 第二番』の解釈へと移っていった。葡萄棚からの木漏れ陽は優しく煌めいていた。六月の爽やかな風がウィーンを渡っていった。

(初出:2015年7月 書き下ろし)



追記


さて、出てくるホイリゲはこちらです。
Mayer am Pfarrplatz
http://www.pfarrplatz.at


真耶が演奏したということになっている楽友協会はこちら。
https://www.musikverein.at

そして、『ヴィオラと管弦楽のためのロマンス ヘ長調 作品85』この曲のために書いたこの作品。動画を貼付けておきますね。

Miles Hoffman plays Bruch Romanze, Op. 85, for viola and orchestra
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Tag : 小説 読み切り小説 リクエスト キリ番リクエスト コラボ

Comment

says...
いつも通りの園城さんで思わずニヤニヤしてしまいました
ツンデレですね
2015.07.08 08:26 | URL | #- [edit]
says...
更新、お疲れ様でした。

おお、リクエスト作品ですね。
しかも、拓人との共演で、舞台がウィーンですか。これは、たまりませんねぇ。

真耶の鬼っぷりというか、活躍ぶり、しかと読ませていただきました。楽友協会でソロ演奏とか、新聞での好評とか、胸がすく思いです。さすが、真耶さま。
ブルッフの「ロマンス」も聴かせてもらいました。そっかぁ、真耶はこの曲を聴いて、ビオラを志したんですね。はじめて聞いた曲でしたが、「ロマンス」を名乗るにふさわしい、抒情的で伸びやかな楽想ですね。うん、好きなタイプの曲です。
好きなタイプ、といえば、この作品全体の構成や描かれているシーンや事物なんかも、なんか私好みだなぁと感じました。そんなことを申し上げるのは、はなはだおこがましいのですが。

真耶と拓人の幼いころの思い出、軽井沢でのシーンは、短いけど印象的ですね。こういうシチュエーションが、無理なく似合う場所だし。
真耶が拓人にロマンスを意識するとしても、そこには必ず音楽が介在しているのですね。そして、その二つがあたりまえのように共存できてしまうのが、真耶なのですね。流されることのない、確固とした存在感。さすがです。

ウチの子も登場させていただいて、嬉しいです。いろいろあったんですけど、イズミはずっと物理学の道を歩んでいくことになります。大切な場所であるウィーンの新聞に取り上げられて、すごく喜んでいると思います。

なんか、これを読んで、またウィーンへ行きたい病が再発しそうです(笑)
素敵な作品を、ありがとうございました。
2015.07.08 14:43 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

この人は、本当にいつも変わらないですよね。
ツンデレかあ。うむ、素晴らしい。

コメントありがとうございました。
2015.07.08 19:52 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

リクエストをいただいたのをいいことに、思いっきり趣味に走らせていただきました。
とにかく好きなものを詰め込んじゃいました。
真耶と拓人ならたとえ共演させても読者に「のろけは沢山」と言われることもないし、書いていて楽しいです。
あの二人は、いつでもこんな風で、とくに真耶は全くぶれませんね。だから、男が寄りつかな……(以下自粛)

TOM-Fさんもウィーンがお好きだと思っていました! 実は、全体的に「TOM-Fさんがお好きに違いない」という方向性に寄せてみました。大当たりだったみたいで「よっしゃ!」な私です。

楽友協会の大ホールでソリスト? とか、新聞に絶賛させちゃうとか、「ありえない〜」のオンパレードですが、いいんです。このあたりの「やっちゃたもん勝ち」の手法は、(ベントレーやタワーブリッジ壊しちゃう)TOM-Fさんに学ばせていただきました。

ブルッフの「ロマンス」ですが、「Dum Spiro Spero」で、真耶というキャラを書くにあたってあまりにヴィオラ曲を知らなかったので、調べてユーリ・バシュメットの「ヴィオラ・レジェンド」というCDを購入したのです。その中で一番好きだった曲がこれでして、どこかで使おうと思っていたのです。この季節のウィーン、清々しい翠の風にあわせるならこの曲しかない! と思い、さらにベートーベンの「ロマンス 第二番」で無理やり繋げたホイリゲ、これもウィーンの思い出ではピカイチだったスポットですが、これを組み合わせました。ウィーンに次にいらっしゃる時には、ぜひ(笑)TOM-Fさん好みだと思います。お酒の代わりに、とても美味しい白葡萄のジュースが飲めますよ。

イズミ・ユカワ・シュレーディンガー博士、勝手に使わせていただきました。すみません! 
ウィーンだったから、何か入れたいなと思ったのですが、たぶん今はジュネーヴだし、共演は難しいだろうと思ったのです。新聞くらいなら、ご迷惑はおかけしないかなと。拓人の目は釘付けみたいだったようです。

私もウィーンに行きたい病が再発中……。あそこ、本当にいい街ですよね。
あ、今度、あそこでもコラボしましょうね。

リクエストとコメント、ありがとうございました。
2015.07.08 20:12 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
真耶の才女っぷりとその鬼っぷり(TOM-Fさんふう)をとくと拝見しました。
ここまで実力と自信を持った女性の、胸のうちにゆれる恋心をさぐるのも面白いですね。
拓人という青年も、もうなんだかすっかり顔なじみのような気持ちで読んでいますが、この拓人は真耶のことはやっぱり、恋の対象と見ていないのかな。
思えば、いい関係ですよね、はとこ。
近すぎず、それでも決して他人ではない。
上流な人たちの纏う気品を感じさせる雰囲気に、やはり夕さん作品だなあと読み惚れていました。
ちらっと登場したCERNのお嬢様、私的には気になります。(TOM-Fさんのキャラなのですね^^)
60,000Hit記念掌編の第一弾、楽しませていただきました^^


2015.07.08 23:09 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
真耶、すっごいところで演奏したのですね。
それをちょいと見に行っちゃう拓人も只者ではない。

いいなあ、音楽一家。一族。
こうして一緒に育ったのなら、もう、つべこべ言う必要はないのでしょうけれども、ロマンスが絡むとなると、読むほうはなぜかドキドキしてしまいます。よけいなお世話ですね。

この二人は今のところサブキャラなのですか?
十分にメインを張れそうですね。
夕さんの秘蔵っ子という感じです。

お話の中にしっかりとTOM-Fさんのキャラを取り込むところはさすがです。
改めまして、60000Hit、おめでとうございました!
2015.07.09 04:41 | URL | #- [edit]
says...
今更ながらですが、素敵な文章を書かれるなぁ。
まるで真耶の演奏を聴いてきたかのようです。言葉の1つ1つに真耶のあふれる才能が見事に描かれています。真耶の鬼っぷり・・・ですか?こういう才能、ほしいなぁ。ま、彼女、天才ですからね。
ウィーン、楽友協会、でもこの大舞台は関係ない。彼に対して最高の音楽を放つだけ・・・なんて格好良すぎですよね。

彼もまた天才ですから、彼女の放った音楽をきちんと受け止めていたようですね。
極めた者同士だけがわかり合える。こんな2人の間には誰も入れませんね。でもこれはたぶん愛なのかな。でも一般的なものとはかなり違っているような印象です。
「ロマンス」彼女は絶対そういうニュアンスのことは口にしないんだろうな。だったらゴールは全く見えないような気がします。こんな気持ち、サキには理解不能です。一般的な恋愛とは違う女と男の関係、2人はお互いを高めながらこの関係をずっと続けていくんじゃないかと予想しています。こういう不思議な人間関係、サキでは書けませんね。またまた羨ましいです。

そして2人で批評を読んでいるシーン、何だか胸がすくような気分になってきます。真耶が高い評価を受けることは、読んでいる方にとっても気持ちが良いんです。そしてそこにさりげなく登場するもう1人の天才。
新聞記事を使ってのコラボ、見事でした。いずれまたイズミとも出会うことがあったりして。
この曲いいですね。初めて聞きました。彼女がビオラに惹かれた弾かれた理由が分ったような気がします。
2015.07.09 14:26 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは

「音楽の鬼」真耶(と拓人)は、私の小説の中では主人公たちにないあらゆる恵まれた素質をもつ強力サブキャラと位置づけているので、「ありえない〜」な設定になっています。才能もあるけれど、努力家で、お金持ちのお嬢様で、さらに美人(笑)それで恋まで思うがままだと面白くないかな〜と。

拓人は超女たらしですが、これまで本氣になった女性は数えるほどしかいません。私が小説に書いているのはそのうちの一人だけです(「樋水龍神縁起 Dum Spiro Spero」という作品です)が、これまた「なんでこんなヘタレヒロインに……」というタイプで、真耶とは真逆ですね。「大道芸人たち」のチャプター3の日本編に、拓人と稔がバーで語り合うシーンがありますが、あそこで拓人が真耶をどう思っているのか口にしたりするので、limeさんにはもうちょっと黙っておきましょうか(笑)

この二人は、恋愛関係にはないのですが、たぶんそれよりもずっと近い関係ですね。
再従兄妹ということがあるので親戚という安心感もあるし、かといって兄妹のように「恋に落ちてはいけない」な縛りもない。
それに二人とも音楽を職業にして切磋琢磨し合っているので、ただの惚れたはれたという関係とも違う。
こういう関係は私個人的にはかなりツボです。
それにサブキャラなので、考えている次のストーリーとも関係なくいてくれて、いつもこうやって出てきては、何の進展もないまま引っ込んでくれる(笑)

イズミ・ユカワ・シュレーディンガー博士は、「アルバート兄さん」に恋をして、追いかけて、そのまますごい物理学者になってしまった絵に描いたような心清く一途で才能ある美少女。ほぼ同じシチュエーションのストーリー「ウィーンの森」で、あまりのヒロインの可憐さの違いに、私が力なく笑ってしまったのを思い出します。とにかく私には絶対に書けないタイプの正統派ヒロインです。で、こうやって勝手にトリビュート登場させてしまいました。近いうちに、「天文部シリーズ」(例のジョセフ・クロンカイト氏もでて来るお話ですよ)の新作に出て来るみたいですよ。楽しみに待っているんです。

来週は、limeさんのリクエストにお応えする掌編を予定しています。

コメントありがとうございました。
2015.07.09 20:03 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは

えへへ。主人公は、出来る限り欠点もあれば悩みもコンプレックスもあるタイプを置くのですが、サブキャラは「こんなヤツいないよ」なスーパータイプもありです(笑)
二人ともクラッシック演奏家だけれど、有名人。お金持ち家系のサラブレッドで、見かけも麗しいという(笑)
で、この二人は、サブキャラ専用ですが、二つの全く違う長編(ご存知の通り「大道芸人たち」と「樋水龍神縁起 Dum Spiro Spero」)でそれぞれ、ものすごく重要な役目を果たすという美味しい立場になっています。で、私の小説のデフォルトになりかけている「サブキャラが主人公を食う」でポピュラーになって、外伝でこうやってよく活躍することになりました。

この二人は、他の面が恵まれすぎているので、バランスを取るために、恋愛だけは「そうは問屋が卸さない」になっています。でも、それなりに幸せそうですけれどね。

で、真耶と拓人は、他のキャラとは毛色が違うので、今回の六件のリクエストではほかの物とは混ぜにくくて、独立させました。なので、TOM-Fさんちのキャラと共演です(笑)

お祝いと、コメント、ありがとうございました。
2015.07.09 20:14 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

素敵な描写の名手であるサキさんに文章を褒めていただくのは光栄だなあ。
演奏が聴こえてきたように感じたとしたら嬉しいです。

真耶や拓人は「ありえないよ」というくらい恵まれている設定にしています。
妬まれたりもするし「親の七光り」と陰口を叩かれたり、セクハラされたりもするんですけれど、それを跳ね返すくらい強いし、跳ね返すぐらいの努力もしている(拓人はナンパの合間にですけれど)ということになっています(笑)

でも、この二人の間にあるのは「愛」かな? 信頼は間違いないですが、たぶん家族愛とか戦友といった関係に近いんじゃないかしら。真耶も拓人の好みは知り尽くしていて「自分は好みのタイプではない」ことはわかっているんですよね。もっとヘタレだったり、可愛らしい子が好きなんですよ、拓人は。でも、一瞬しか続かないんですけれど。それに、実は真耶と音楽を優先しちゃうし。

イズミとのコラボはしてみたいですね。TOM-Fさんがそう望んでくれるといいんですけれど。
あ、あちらの本編が始まって、もう少しイズミやアルバート兄さんの設定や、エミリーとの関係、それにジョセフと綾乃がどう関わっているのかもわかってからの方がいいかもしれませんね。

あ、この曲もお氣に召しましたか? ヴィオラ曲って、あまりメジャーではないですよね。この曲、いずれ真耶と使おうと思って、大事に取ってあったのですよ。使えてニンマリでした。

コメントありがとうございました。
2015.07.09 22:51 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
昔は私もピアノを弾いていたのですが。
それを思い出しますね。
ウィーンか。。。最近は音楽も愛でていないような。
読んでいると、またクラシックとか聞きたくなりましたね。
(*^-^*)
2015.07.10 22:46 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

おお、蓮さんはピアノもお出来になるのですね。すごいです。
ウィーンは、音楽の都でもありますし、文化、グルメ、観光、どれをとってもワクワクの止まらない場所です。
三回行っていますが、まだ行きたいですね〜。

クラッシックを聴きたくなるとおっしゃっていただけるのは最高の褒め言葉ですね。

コメントありがとうございました。
2015.07.11 17:18 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
そうそう、真耶と拓人、って「こんな感じ」なんだよ、ってのを端的に印象的に表した、上質の人物紹介的素敵な掌編でした。二人の背景もはっきりして、その魅力と、現状とがはっきり描かれていて。
そして、2人が今も(これからも)こんな感じなんだというのを読んで、何だかホッとしてみたり。

サブキャラだからスーパーマンもスーパーウーマンも書けるっていうの、よく分かります(^^)
多分、メインキャラは、どんなにスーパーな人を描いても、書いているうちにだんだんぼろが出てくるのでスーパーマンで居続けることはできないって面もあるんでしょうね。いや、何より、メインキャラが何でもできるやつだったらお話になりませんし、読むほうも「なんだよ」とか思っちゃうし。
でもサブキャラなら、自由度は高くて、作者的にも遊べちゃいますよね。
この二人はサブで、仕事面ではスーパーマン・スーパーウーマンですけれど、ちょっと上手くいっていないところあるのがおいしい。いくらサブキャラでも何もかも持っていると「なんだよ」ってことになりかねないけれど、ちょっと不自由なところがあるからいいんですよね。
でも、その不自由など吹っ飛ばしてしまう強い意志があるから、残念なところなどない人たちに見えてしまう。それくらい逞しく、すがすがしい二人です。
恋愛に至るのがゴールではありませんものね。より高みを目指している、そして目指す力のある人たちなんだなぁ。
神っぷり、楽しませていただきました(*^_^*)
2015.07.12 05:20 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
そして、こちらにまで! ありがとうございます。

そうなんです。この二人については、特に進展はないですし、伏線もへったくれもないので、まさに「いつも通り」「こんな感じ」なんですね。

それに、メインキャラがかなり恵まれている設定だとしても、サブキャラがスーパーだと、読者も「まあ、あれに較べたらちょっと劣っているよね」と思ってもらえる効果も(笑)

真耶と拓人、なんだろう、私生活にスポットを当てると「ちくしょー、私もそういう風に生まれてきたかった」なんでしょうけれど、とにかく音楽に関してだけは、栄誉に値するくらい努力はしているという設定ですし(どのくらいの努力かというのは書いていないからわかりにくいかもしれませんが、あの世界は親の七光りだけではいつまでも栄光に留まれないし)、少なくともメインキャラたちには優しいので、書いていても氣楽なのですよ。

恋愛関係にすると、途端にこのお氣楽さが吹っ飛んじゃうように思うのです。なんせ拓人はああだし(笑)
こういう再従兄妹&戦友状態の方がいいよなあと思っています。

コメントありがとうございました。
2015.07.12 13:30 | URL | #9yMhI49k [edit]

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