仕事と、書く事
ヨーロッパで外国人と結婚していると言っても、だれもが後藤久美子のようにお城で優雅な生活をしているわけではない。私は、生活のために働いている。最近、お小遣い程度は「もの書き」の仕事でもらえるようになったけれど、メインの仕事は「もの書き」ではない。 コンピュータの前に座って文字を書くのは同じだが、書いているものはスクリプト。感情や考えた事ではなく機能を書くのだ。
月曜日から金曜日まで、朝同じ時間に起きて、会社へ行く。PCを立ち上げる。決められた振舞いを機械がするための命令書を黙々と記述する。会社の帰りに、機械的思考に染まった脳みそを切り替えて、「お話」の続きに想いを馳せる。夕食の準備や掃除をしながら、やはり心はもう一つの世界を周っている。そして、Macの前に座り、脳の中にしかなかったものを現実世界に書き写す。
彼は「会社でも、家でも同じ事ばかりしている」と言う。日本語の読めないあなたには同じに見えるでしょうよ。でも、私には全然違う事。
「もの書き」だけで生活できるようになったら、どんなに素敵だろうと思う。でも、いまの私はそういう状況にない。だから、わずかな書く時間を大切にしたいと思う。仕事がある事もありがたいと思うので、勤務時間中は精一杯まじめに勤め、彼との生活もないがしろにしないようにしたいと思う。
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