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Posted by 八少女 夕

エーヴベリーの話

すっかり忘れていましたが、十月に行ったイギリス旅行のメインイベントの報告が残っていました。なぜ思い出したかというと、今月の終わりにウィーンに行くのですが、その前に前の旅行のことを書いた方が……という流れです。はい。

エーヴベリー(Avebury)はヨーロッパ最大のストーンサークルを含む新石器時代のヘンジです。ヨーロッパにおけるもっとも完成された先史時代遺跡の一つです。有名なストーンヘンジの北、およそ30キロの所に位置するエーヴベリー村近郊にあります。……って、これは近郊って言うのかなあ。村が遺跡の一部を貫いている感じといえばいいんでしょうか。

Avebury
(エーヴベリー遠景 by Bob Croxford)

この遺跡は紀元前2600年頃に建造されてその後千年くらい使われたとのことです。ヘンジ、長方形古墳群、ストーンサークル、アヴェニュー、土手道で結ばれ、同心円上の堀に囲まれた集落エンクロージャーなどから成っています。サイズとしてはかのストーンヘンジ14倍もあるにも関わらず、あちらのように有名ではありません。

1990年に始めてストーンヘンジとフランスのカルナックを訪れ、その時から行きたいと思っていたのがグラストンベリーとこのエーヴベリーでした。でも、当時もマイナーではなかったでしょうがストーンヘンジほど観光客が行きたがらないので、余りやすいツアーのようなものはなかったのですよ。

今回行ってみて思ったのは、以前より観光用にバリバリ整備されたストーンヘンジとの差でした。いや、こういうのもいいんですよ。黄昏れた写真を撮っても他の観光客も映らないし、柵もなくて触り放題だったし。

お仕着せのツアーではまず行かないので「あそこにいく!」という強い意志がない限りは生涯見られない遺跡の一つだと思います。その分、今回行けたことは大感激でした。

Avebury
出典:File:Avebury, Stensättningen i ursprungligt skick, Nordisk familjebok.png

もともとはこのイラストのような形をしていたらしいのですが、今では多くの石が取り除かれてしまっています。現在はナショナル・トラストによって保護されていますが、何世紀にもわたり「おお、ここにちょうどいい石材があるぞ」と近隣の人たちが家を造るのに使っていたというのですね。

この遺跡がストーンヘンジよりもかなり雑な扱いを受けているのは、おそらくその巨大さが原因なのではないかと私は思いました。

エーヴベリー
「さあ着きましたよ」といわれて見ると、確かに巨石がいっぱいあります。でも、どこがサークルなのかさっぱりわかりません。

どうなっているんだろう、と歩いていたら見事に羊の糞を踏んでしまいました(笑)羊をそこで放牧しているんですね。

よくみると大きな土手のようなものが見えて、あれがエンクロージャーかとわかります。その上までかなり歩いて登ってみると、ようやくサークルに成っている全体像が見えてくるというわけです。つまり、大きすぎて何が何だかわからないんですよ。

エーヴベリー

この巨石のほとんどはこの地域で採れるものだそうです。そして、かのストーンヘンジの大きい方の石もここから運んでいたのだそうです。

石の形はストーンヘンジのように成形してありません。もともとの形を残すようにしてあるようです。でも、サークルになるように並べたのですから、大変な労力だったことは間違いないでしょう。当時はクレーンもなかったですし。

村と公道がサークルやエンクロージャーを分断するように発展してしまっているせいで、それぞれの巨石を見るためには、それらを越えて行かなくてはなりません。なかなか不思議な感覚でした。なんせ他の巨石遺跡は、たいてい囲まれて公園のようになっているので、それを見学するときは何となくタイムスリップした感じがするか、もしくは公園を見学しているように感じるのですが、ここは現実の村の生活と遺跡が分断されていないのです。
関連記事 (Category: 旅の話 / スイス・ヨーロッパ案内)
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Comment

says...
おはようございます、GTです :)

エーヴベリー、情緒的と申しましょうか、これが遺跡の本来のあるべき姿なんでしょうね~、歴史的に見れば大変価値のあるものでも、暮らしの一部として機能していたものですから、必要なくなったら風化して消えていく…、僕はこれが自然だと思います、そして放牧場ではよくある「踏んじゃった」、これも楽しみのひとつですよね、ウィーン、きっと楽しい旅行になると思います、ウィーンも行きたいんですよ…トラップ合唱団が公演した劇場を見てみたいです、あるのかどうか分かりませんが…、まだ先ですけども、お気を付けて行ってらっしゃいませ :)

一人の好みの女性を…、こんなこと言われたの初めてで…照れてしまいます、でも、そうできるように努力はしたいです、まあその…ええ…、口下手なもので……あーあ…

ではでは :)
2016.07.04 22:38 | URL | #mQop/nM. [edit]
says...
実は色んなところにこういう遺跡があるんですね(日本でもですが)
移籍自体のすごさもあるけれど、知名度の差も大きいんでしょうね
私のいる辺りもどんどん寂れてきて、博物館の方が遺跡みたいになってきてます><
ここには博物館や記念館はないんでしょうか?
2016.07.05 10:26 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

「踏んじゃった」は全然楽しみじゃないです!(笑)
まあ、草食動物の糞は、あまり臭わないので実害は少ないんですけれど、これが全然取れなくて、結局スイスに持って帰って来てしまうことに。家でなんとか全部落としましたけれど。

トラップ合唱団の劇場ってウイーンでしたっけ?
ザルツブルグに行ったときも「サウンド・オブ・ミュージック」ゆかりの地というふれこみで、いろいろと公開していましたけれど。いずれにしても私はその辺は詳しくないので……。

あ〜、それと、前回のコメントの件、勝手に想像で書いて失礼しました。稔と女性の好みが一緒とおっしゃっていらしたんですけれど、稔って好みのタイプはああでも、結局あまり大切にしないタイプなんです。ソフト鬼畜ですね。
作品を拝見する限り、男性キャラが女性に対して優しい方ばかりなので、GTさんはきっと鬼畜系は許せないお優しいタイプじゃないかと思ったんです。

コメントありがとうございました。
2016.07.05 21:14 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

あるんですよ。
これはウルトラ大きくて世界的にも(そっちワールドですけれど)有名ですが、じつは「なんでこんな所にこんなものが」というところにもあるんですよ。実はうちの村にもミニ遺跡があります。

ここは土産物屋が2軒あるだけなんです。
商売にしてばっちり儲けるのは、ストーンヘンジの方が一手に引き受けているみたいです。
土産物屋のうち、一軒はヒーリング系ストアでした。
そういう人たちが来る所みたいです。

コメントありがとうございました。
2016.07.05 21:19 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは、GTです :)

そのトラップ合唱団ですが、ウィーンのクライネンホールという場所で公演を行ったと……名作劇場ではやってました、名作劇場かよっていう…(笑)、そのホールはたぶん架空の場所だと思いますが、大統領主催のパーティーで公演を行ったそうなので、少しでもその空気に触れたいです

やっぱり作品に出てしまうのですね…、ええ、お話しを引っ張ってしまいますが、僕はあまり意味の無いイジメはしたくないんですよ、じゃれ合い程度のイジワルぐらいは良いかなと思います、相手にも依りますけど…、こんなこと書いても良いものかと思いますが…恐らく…エスメラルダが目の前に居たら話しぐらいは聞いてあげたいなと思います、きっとストレスの塊になってると思います、話なんかしたくないでしょうけど…世間話でもすればそれだけで話せて良かったと思えるかもしれない、蝶子さんもそうです、物語を読み進める内に、何でも良いから聞かせてほしいと思うようになりました、核心に触れなくても良いんです、たぶんそれは僕が彼女の物語を知ってるからでしょうけど…知らなくても、たぶん聞くぐらいはしたいですね、相手が僕では世間話すらも話さないと思いますが(笑)、でも、お酒もタバコも駄目なので…蝶子さんにしてもエスメラルダにしても、僕と居てもつまらないと思います、ええ…そんな感じです(どんなやねん)

優しいかどうかは分かりませんよ?(笑)

ではでは :)
2016.07.06 13:45 | URL | #mQop/nM. [edit]
says...
こんばんは。

「クライネンホール」おそらくその名作劇場での独自設定でしょうね。ドイツ語と英語を適当に混ぜていますし。

それはともかく、エスメラルダや蝶子のようなタイプは、反対に氣の弱い男性に意味のない揶揄いをしてストレスを解消すると思いますよ。真面目に聴いてあげているつもりが、実はからかわれていた、ということになりがちなので、まあ、素直でかわいい女の子の話を聴いてあげる方がずっと喜ばれるかと思います。もっとも、よく考えたら、GTさんの所の違って、優しい男性に話を聴いてもらって素直に感謝するようなかわいい女性キャラクター、うちのブログにいるんだろうか? なんか自己完結している実は妙に打たれ強いキャラクターばかりですね。

コメントありがとうございました。
2016.07.06 21:53 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
遺跡ですねえ。。。
私は実際に赴くことはないですけど、こういう風に写真とかで感想とか書かれるととても興味深く読ませていただいております。(自分が実際には行かないこともあるので)
写真も見させていただきましたが、やはり日本の景色と違いますね~~。
・・・とほのぼのと思ってしまった。
まあ、実際に当たり前のことなんですけど。
風景ですよね。
野原の風景に日本とは違って遺跡も趣が違うのが興味深いですね。
2016.07.08 11:44 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

そうですね。
日本って、山が多いし、平地は家でいっぱいだし、そうでないと田んぼが連なっていたりするので、こういう光景は珍しいかもしれませんね。
ブリテン島は島なんですけれど、日本よりも真っ平らな所が多いという印象が強いです。

日本にも巨石の遺跡はたくさんありますが、どちらかというと自然のままの岩をその位置のまま生かしたものが多いように感じます。
ヨーロッパの巨石遺構は、たくさん動かして並べ替えて意味を持たせているものが多いように思います。
自然そのものを崇める日本と、状況をコントロールしたがるヨーロッパなんて区分けをしたら乱暴かしら。

コメントありがとうございました。
2016.07.08 21:24 | URL | #9yMhI49k [edit]

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