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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】梨に関する他愛もない小譚

「大道芸人たち」は一時置いておいて、昔書いた小説を、また載せてみようと思います。デモテープが「カセット」だったというのが、時代を感じさせますね。でも、そのままアップしました。




梨に関する他愛もない小譚

 私は、今日、この地を去ろうと思う。梨の花が満開の今日こそが、それにふさわしいと思うから。彼はこの街だけでなく、全世界で新しい伝説のひとつになったけれど、私は直に忘れられるだろう。この美しい、懐しい、そして、はじまりから終わりまでの全て舞台となったこの地から離れさえすれば。

 それは、ただの幻想だった。多くの人々の好奇心をいたずらにかきたて、スキャンダラスに語られた夢物語。私と彼の間には、本当に何もなかったのだ。梨の花に関する小さな感情をのぞけば。

*          *       *


 何おかしい、そう気づいたのは、たぶん五年くらい前の今ごろだった思う。店に、今までとは違う客層の、つまり、落ち着かない様子の、若い、どちらかといえばクラッシック音楽なんか一度も聴いたことのないと思われる女性達が、胡乱な目つきで入ってくるようになった。叔父さんは、どの客とも区別したりせずに、気持ち良く迎えていたが、彼女達は常連になることはなかった。

「あの人たち、コーヒーにもクラッシック音楽にも興味がなさそうなのに、どうしてこの喫茶店をわざわざ訪ねてくるんだと思う?」
私はコーヒーマシンをいつものようにきれいにしながら、叔父さんに話しかけた。 

「さあ、どうしてだろうねぇ」
叔父さんはカウンター越しに一人の常連に笑いかけた。すると、その常連は驚いたように言った。
「なんだ、マスターたち、知らないの?」

 そして、私を見ながら言ったのだ。
「君を見に来ているんだよ。ロックスターの片想いの相手ってんでね。この街で知らない人はいないぐらい有名な話だよ」

 彼が冗談を言っているのかと思ったが、彼は大まじめだった。ロックスターに知り合いはいなかったし、思い当たる人などいなかった。「ノヴァ」と言えば、いまや世界中で知らない人などいないバンドになったが、その頃はまだ知る人ぞ知る、というか、私や叔父さんのように、ロックになど興味のない人間は知らなくても不思議はなかったのだ。もちろん、五年前にはもう、「ノヴァ」はこの国のロックシーンでは、かなり知られた存在になっていた。

 その後、何人かの常連を通して知った情報では、彼、すなわちあのロックスターが、デビュー前後に作った曲「スタッカート」に、時々通う喫茶店で働く女性に恋して打ち明けられないという苦悩を歌っているそうで、彼の故郷であるこの街には「スタッカート」という名のクラッシックばかりかける喫茶店は、叔父さんの経営するここしかなかったため、彼のファンの間で有名になってしまったのだそうだ。そして叔父さんは、私以外の従業員を置いたことがないので、だから、いつの間にか私がロックファンの女性達にいわれのない嫉妬の目を向けられることになってしまったのだ。


「ああ、思い出した。あの学生さんか!」
叔父さんは、そのロックスターのまだデビュー前のことを憶えていたらしい。その時からさらに三年くらい前によく通っていた青年のことらしかった。

「よくお前に話しかけたそうにしていたっけ」
そんなことを今さら言われても、その時に言ってくれなければ、気づきようもないではないか。そういうと叔父さんはちょっと非難がましく私を見た。

「そんなことをいうけれど、お前はそういうことに対して、ことさら鈍感な性質だと思うよ。普通は、何度もここに通って、いつもお前の前のカウンターに座って、何かいいたそうにしているのを、気づかなかった、なんことはないはずだよ。こっちは、嫌だからことさら気づかないふりをしていると思うじゃないか。それを教えてくれればなんとかしたなんて、今さら言われてもねぇ」

 そういわれて、私もふいに思いだした。彼の目を。

 私は、気づかなかったのではない。うとましくて気づかないふりをしていたのだ。そのことすら、その時まで記憶の底に沈めていたのだった。彼は目を惹くほどの美形でもなく、かといって醜かったわけでもなかった。といっても、その時思い出したのは彼の黒髪と、あの印象的な目だけだった。黒目がちで、もの言いたげにみつめる。その目にからめ捕られるような感覚が、私にはうとましかった。そういえば音楽をやっていると言っていたような気がする。売れないバンドのボーカルかと思っていたのに、なんと数年経ったら有名なスターになっていたとは驚きだった。

 ああ、そういえば、時折送られてくる、ロックコンサートのチケットの差出人は、彼の名前ではなかったか? 興味がなかったのと、喫茶店の趣旨を誤解した誰かからのものだと思っていたために、私は一度も気をつけて見たりしないで捨ててしまっていた。それに思い当たったのも、彼の名前からではなく、「ノヴァ」という名前をどこかで聞いたような気がすると思っていたからだった。「ノヴァ」のコンサートの招待券を捨てていたなんて、ロックの好きな人がきいたらさぞ驚くことだろうが、そもそもその時まで、そのコンサートにそんなに行きたがっている人がいることすらも、私は知らなかったのだ。彼が、店に来ていた学生で、デビューして、だからコンサートに来てほしいと、ひと言でも書き添えてくれたなら、私でももう少し気をつけていたのに。いや、もしかすると彼は、デビューしたらチケットを送ると私に言ったのかもしれない。それを私が忘れてしまっていたのかもしれないのだ。ああ、そうだ。彼は確かにそんなことを言っていた。

「はじめて、コンサートを開くことになったんだけれど、一度聴きに来てくれないか」
彼にしては珍しくはっきりとした口調で言ったのだ。それを私は
「クラッシックのコンサートならいくけど……」
と、気のない返事をして断わった気になっていたんだっけ。

 彼は、それでもチケットを送り続けたのだ。デビューして、どんどん有名になっていっても、変わらずに。


 私が彼の事を意識しだしたその頃から、彼の存在はこの街に大きな経済的効果をもたらすようになっていった。過疎気味のこの街に活気が戻り、一度も訪れたことのない若者たちも、聖地巡礼のようにこの街に足を運ぶようになったのだ。

「特徴的なのは、いつも一人の女性を真摯に愛するという、今どきのロックには珍しい純情ぶりなんだよ。今の若者の心は渇いているのかと思ったけれど、いや、渇いているからこそ、『ノヴァ』のメッセージが受け入れられて、熱狂的に支持されるのかも知れないね」
彼のことを教えてくれた常連はこんな風に言っていた。問題は、その愛されている女性というのが、世間一般的には私だと思われていることだった。

「大して綺麗でもないわよね」
「なんか期待していてがっかりじゃない?」

 そんなささやき声が聞こえてくると、私はたまらなく気が滅入ってしまうのだった。余計なお世話だと思った。自分でも夢物語の主人公になるほど美人だと思ったことはない。けれど、どうして好奇と悪意の目にさらされて、小馬鹿にしたような批評を受けなければならないんだろう。私は、そのロックスターのことを、ことさらうとましく思った。

 一度、カミソリ入りの封筒を送られてケガをしたことがある。さすがにその時は腹を立てて、「ノヴァ」の所属する事務所に抗議の電話をした。それは「月明かり」という曲がヒットしていたときだ。ようやく思いを遂げた夜に、月明かりに照らされた愛しい女性の寝顔をいつまでも見つめているという歌詞だった。

「けれど、それがあなたのことだと、どこかに書いてあるわけじゃありませんからね」
のらりくらりと事務所の男はそういった。そうだ。彼はただ、曲を作り、歌っているだけだ。それがフィクションである可能性、というか、フィクションに決まっているのに、勝手に怒ってカミソリを送り付けてきた人が悪いのだ。わかっていても、あのスーパースターに対する怒りはおさまらなかった。

「だけどねぇ。あれは名曲だよ」
例の常連客は、叔父さんに言った。ちらっと私を見ながら。私が彼の話を聞くたびに、嫌な顔をするのを知っていたからだ。

「ロックだけどさ。それでも、心に響くハーモニーを持っているし、それにあの歌詞もとても繊細でさ。僕ぁ、彼は天才だと思うな。三十年に一度の逸材だよ」
それが、なんだっていうのよ。むかっ腹を立てた私は不機嫌にカップを洗っていた。

 電話が鳴った。叔父さんは、電話をとると、びっくりしたように私を見た。そして指で合図をした。私は洗い物を中断して、エプロンで手を拭くと、叔父さんから受話器を受け取った。

 その電話の主は、彼だった。間違いなく、彼の声だった。一日に何度もラジオでかかる「月明かり」で聞きなれた、低く甘い声。彼の声は、特別のちからを持っていた。多分、法律文を朗読していても、愛を語っているように響くだろう。ケガをした私を心配し、謝っていることに、私はしばらく気がつかなかった。ただ、呆然として、その声を聞いていたのだ。ラジオのように。

「会ってくれないか」
彼は言った。私は慄然として、現実に戻った。うとましい、関わりあいたくないという思いが、体中を巡った。

「そんな時間はありませんし、そんなつもりもありません。それに、そんなことをしたら、今度はどんな目に合わされるか、わかったもんじゃありませんから」

 私はものすごく腹をたてていた。迷惑をかけられるということよりも、一瞬でも彼の声に陶然としてしまった自分自身が悔しくて、電話機を投げつけたいほどのイライラ感に襲われた。電話を切ると、ものすごい顔をしていたらしい私を見て、叔父さんは散歩に行くようにいいつけた。私もそうするべきだと思った。とてもそのまま働き続ける気にはならなかったのだ。

 それは春だった。この街の名産である梨の花が、一斉に咲き誇る特別の季節だった。匂やかに清冽で、優しく華やかな梨の花。私は、梨園の中を一人歩いていた。やわらかな暖かい風が、私に触れ、そして梨に触れていく。

 咲き誇る花の下で、私はいつも泣きたい気持ちになる。一人である寂しさと、春の喜びを寿ぐ気持ちがないまぜになり、このまま、白い嵐の中に消えていってしまいたいと思うのだ。しかし、毎年、梨は私を連れていってはくれない。私は一人残され、それから次の年に梨が咲くまで、散文的に、コーヒーマシンを手入れする日々が続く。

 誰かを好きになったりすることがないわけではなかった。少女だった頃は、同じ学校の上級生に夢中になって、手紙を書いたりもした。その時に、手紙を笑いものにされて、それ以来、人にあまり心を開かなくなったけれど、それでもこれまでにひとつ二つの恋愛はした。最後につきあった人はこういった。
「君は悪い人じゃないけれど、誰か人といるというより、モノの横にいるみたいに感じるんだ」

 叔父さんは、やはり独り者で、人あたりはいいのに、誰かと濃厚な関係を築くことのできない人だった。「スタッカート」は静かなクラッシック音楽を聞かせ、叔父さんのブレンドするコーヒーも癖がなく、とても飲み心地が良かった。叔父さんと私は、現実的なドロドロした生活から、ほんの少しだけ非現実に浸りたい人たちに、休息をもたらすコーヒーマシンのようなものだった。

 私は、そういう生活に満足していたけれど、時折、たとえば、梨の花の嵐の中で、そうではない自分と対峙するのだった。寂しいというのとも違う、わかってほしいというのとも違う、しかし、そのどちらにもとてもよく似た、狂気に近い哀しみを、私は心の奥底に潜ませていた。

 この街の人は、梨のことを話すときに、コーヒーマシンや、電気掃除機と変わらないような調子で話した。私が感じるような特別な思いを口にした人には会ったことがなかった。たぶん彼らの心の奥には、不安も狂気も潜んでいないのだろう。そのことが、春に私を一層孤独にした。あのスーパースターに対して、怒り狂っていた時は、その哀しみを忘れていられた。それはむしろ幸せなことだったのだ。


 あの小包みが送られてきたとき、もう少しで私はそのままごみ箱に放り込んでしまうところだった。彼の文字は汚かった。でも、彼なりに丁寧に書いてきたことが、宛名で読めたので、私は開けてみることにした。電話の彼の声が耳に甦って、私は戸惑った。こんなにうとましくて、仕方のない人なのに、どうして陶然とするんだろう。あれからラジオで彼の声を聞くたびに、平静でいられなくなる自分を感じていた。街で見かけるポスターの、アップになった彼の顔を正面から見つめられない自分に腹が立った。それなのに、また、こんなものを送ってきて!

 それはカセットテープだった。十分くらいの短いテープ。新曲のデモテープだった。関係者以外でこの曲を聴くのは私がはじめてであろうことは、いくら私でもわかったので、それをかけるときは、すこし震えた。それは、あの曲、後に彼を世界的に有名にしたヒット曲「君は風に揺れる梨の花」にふさわしい震えだった。涙が止まらなかった。なんという暖かい声。心を震わすメロディ。そして、この歌が梨の花を歌っていることに、私は激しく動揺した。誰にも見せたことのなかった私の心の秘密の花園を、彼は知っていたのだ。それとも、これは彼の秘密の花園なのだろうか。

 彼は間違いなく天才だった。「ノヴァ」はアップテンポのロックが多いバンドだったけれど、このスローバラードは、彼らの代表曲になった。

 私は、もう彼の音楽を軽蔑したりはしていなかった。あいかわらず送られてくるコンサートのチケット、特別席のプラチナチケットをごみ箱に捨てることはなくなった。でも、一度も行かなかった。怖かった。彼をうとましく思い、軽蔑し、思い切りよく捨てられた頃に戻りたかった。コンサートの日まで、何度もチケットをとりだしては、どうしようかと迷い、行ったらどうなるかを想像し、そして、平和な日々を固持したほうがいいのだと、目を伏せた。

 そのうちに、チケットがくる間隔は、どんどん開いていった。「ノヴァ」はもはや、ただのロックバンドではなかった。彼らは活動拠点をロンドンに移した。この街には全然帰ってこなかったし、世界ツアーが大成功しているせいで、この国でコンサートを開くとしても、年に一〜二回になっていた。

 時折、後悔することがあった。もし、あの時の電話で、もっと普通の対応をしていれば。もし、あのテープを受取ったときにせめてお礼をいっていれば。もし、一度でも彼のコンサートに出かけていれば。彼がこんなに有名になってしまい、ますます私は彼に対してひけめを感じるようになっていた。

 もはや、私のことを嫉妬する女性ファンはいなかった。マスコミは、ハリウッドの有名女優と彼の熱愛を報道していたし、私は世界のスーパースターの相手としては、あまりに貧相で、彼が私を愛していると信じるものは、もう一人もいなかったから。彼は実はホモセクシュアルであるという噂もまことしやかに流れていたので、ことさら私のことは取りざたされなかった。私はうとましさから解放されて、嬉しいはずなのに晴れやかにはなれなかった。


 彼からの最後のコンタクトは、いつもよりも重い封筒だった。ニューヨーク行きのファーストクラスのチケットと、カーネギーホールで開かれるガラコンサートの招待券が入っていた。私と叔父が大好きな世界的に著名なソプラノ歌手と競演することになったと手紙が入っていた。
「これは、まちがいなくクラッシックのコンサートだ。今度こそ、君が来てくれると信じている」 

 彼の字は、あいかわらず汚かったが、丁寧で真摯だった。その時に、私は彼のことを愛しているということをはっきりと知った。会ったことも話したこともほとんどなく、うとましくて苛立たしくてどうしようもなかった男なのに、どうしようもなく彼に魅かれていることを認めざるを得なかった。そして、彼はどうして私にこのチケットを送ってくれるのだろうと思った。彼の曲で言い続けているように、本当に私を愛してくれているのだろうか。そうだとしたらいったい何故? 才能があり、成功して、なんでも手に入る彼が、この田舎の喫茶店で働くぱっとしない女を愛し続けるなんて事が本当にできるのだろうか。単に習慣となってしまったから、送り続けてくれているのかも知れない。ただ、意地になっているだけかも知れない。それとも、いつも空いている特別席が、既に定番になってしまっているので、それを続けているのかも知れない。

 彼とハリウッド女優は、婚約間近だと報道されていた。公の場に2人で登場したその姿は華やかで、私をうちのめした。「梨の花のようにあでやかな婚約者と」そのタイトルは、私には堪え難かった。彼がそういったとはどこにも書いていない。でも、私は大切な思い出を踏みにじられたような気がしたのだ。だから私は飛行機に乗らなかった。


 彼の死は新聞の一面に大々的に報じられた。我が国の生んだ世界のスーパースターの突然の死に、人々はショックを隠しきれなかった。表向きは心臓発作ということになっているけれども、実は麻薬の使いすぎだったとか、急性アルコール中毒だったとか、複雑な情事がからんだ未の自殺だという報道もあった。中には、私に振られて、という話もないわけではなかったが、その説は大方のマスコミには無視された。しかし、この街と私の周りは、しばらくは騒がしかった。彼の追悼特集で、彼のデビュー当時のことを振り返るときには、私のことは無視できないエピソードだったから。

 私は多くを語らなかった。あのカセットテープのことも、カーネギーホールのことも、自分の口からは語らなかった。もちろん彼を愛していたことも。

*          *       *


 わずかな荷物を小さな鞄に詰め、どこへというあてもなく、私は旅立つ。叔父さんは私のわがままを許してくれた。

 最後に一度だけ、梨の花の間を歩いてみる。

 生暖かい風が吹き、梨の花びらが舞った。嵐が吹きおこる。私を巻き込み、どこまでも深い青空へと連れていく。目の前が曇り、歩くことができない。愛していると言わなかったがために罰せられる自分のためにではなく、愛されていることを知らずに逝った彼のためでもなく、たぶん、ここでつながった、ここでだけひとつの心になった、私たちの、何もなかった物語のために、私は日が暮れるまでそこで泣き続けていたのだった。

(初出 : 二〇〇三年九月 書き下ろし)
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Comment

says...
詠み終えたとき、冒頭の言葉が蘇ってきて涙が溢れてきました。

>梨の花に関する小さな感情をのぞけば。

それこそが、2人を繋げた唯一の想い。

夕さん?
他の人はどうかわからないけど
私って、小説や物語を読んでると
主人公を自分に置きかえて読んでしまうんです。(笑)
だからメチャメチャ感情移入してしまう。
声をあげて泣いたり笑ったり考えたり・・。(怪しすぎる?)

けど、そんな風に心ごと入り込めるお話に出逢えたとき
とっても嬉しくなります^^

なんか意味わかんないコメントでごめんなさい(>_<)
2013.02.25 05:14 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

この話、読んでくださったのですね。
ブログ開設直後にアップした小説なので、ほとんど読んでいただいた方がいない作品です。

物語を書く時に、けっこう本人も感情移入して書いていたりします。独りよがりになってしまっている可能性も高くて、特にこの手の小説は「なに一人で酔ってんだよ」と思われる部分も多いですよね。
だから、他の方に読んでいただいて、感情移入していただけたというのはとても嬉しいです。

この主人公のまどろっこしい態度、一人で勝手に逡巡している感じ、その間に相手が物理的にもしくは社会的地位としてどんどん離れていってしまって引け目を感じるマイナス循環などは、自分の感情を元にしています。もちろん、ロックスターと関わった事などありませんけれど。バランスを取るために、能天氣なものも書くのですが、実はこういう作品の方が私の典型的な小説なのかもと思ったりもしています。

ご感想、ありがとうございました。
2013.02.25 19:53 | URL | #9yMhI49k [edit]

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