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Posted by 八少女 夕

【小説】大道芸人たち 2 (5)ミュンヘン、弔いの鐘 -3-

3つに分けた「ミュンヘン、弔いの鐘」の最後です。日本でもクラスというのはあるんですが、ヨーロッパだとそれがもっとはっきりしているような思います。お金があるとか、大学に行ったとか、そういう違いの他に、もうひとつ目に見えない壁があるように思います。

「大道芸人たち 第二部」をはじめから読むこのブログではじめからまとめて読む
あらすじと登場人物




大道芸人たち Artistas callejeros 第二部
(5)ミュンヘン、弔いの鐘 -3-


 ヴィルは大きく頷いた。

「俺の住所はここに移さなくてはならなくなる。必然的に蝶子もそうなるだろう。よかったら、あんた達二人も、一緒にしておかないか」

「僕に異議はありません。ドイツでもスペインでも」
「あんたがヴィザを用意してくれるなら、俺にも異存はないぜ」

「すぐにスペイン人と結婚するんじゃないの?」
蝶子がちゃかした。

「ヴィザやパスポートのために色仕掛けはしないって言っただろう」
稔が混ぜっ返した。

「パスポートといえば、俺とあんたのは書き換えになる」
ヴィルが蝶子に言った。

「なんで、またパスポートを書き換えるの? 先々週、書き換えたばっかりじゃない」
蝶子は訊いた。

「名前に称号が加わるんだ」
「は?」
「相続するとなると、領土やこの館だけでなくて、爵位もまとめてなんだ」

「え? ただのお金持ちじゃなくて、本当に貴族だったの?」
蝶子は驚いて言った。

「大した称号じゃない。イダルゴのと変わりない。ただ、パスポートにはそう書かれるんだ」
「なんて?」
「あんたは蝶子・フライフラウ・フォン・エッシェンドルフになる」
「あら。教授についてたフライヘルってのは三つ目の名前じゃなかったのね」

「フライヘルってなんだ?」
稔が訊いた。

「英語でいうとバロン、男爵だ」
「へえ、男爵に男爵夫人かよ。すげえ」

「だから、フランス警察が慌てたんですね」
レネも感心していった。

「そういう称号を持った人間が大道芸人なんてしていいわけ?」
蝶子が疑わしそうに訊いた。

「ダメだという法律はないと思うが、ミュンヘンではおおっぴらに公道には立たない方がいいだろうな」
「やっぱり」

「そうだよな。俺たちはこれからでもいつでも英国庭園で稼げるけれど、お前はもう絶対に無理だよな」
「そうね。ちょっと残念。そうと知っていたら例のパーティの前にでもやっておいたのに」

「そんなにあそこで稼ぎたければ、そのうちに『銀の時計仕掛け人形』をやればいい」
ヴィルはすましてワインを飲んだ。

 三人はにやりと笑った。広大な領地を相続しようが、男爵様になろうがヴィルは変わる氣はまったくなさそうだった。

「さてと。今朝の新聞に死亡広告が出たからそろそろ弔問客がぞろぞろやってくる。あんたと俺は、好奇の目にさらされるだろう。覚悟しておいてくれ」

「わかっているわ。こうなったら隠れているわけにいかないもの。私も喪服に着替えてこなくちゃ。まだあるといいけれど」
蝶子は、逃げる時に置いて行った喪服のことを考えた。

「あんたのものはみんな残っている。例の真珠は金庫の中だ。今すぐいるか?」
「まさか。あんなすごい真珠は、葬儀の日だけで十分よ」
結局、教授にもらったプレゼントを再び使うことになっちゃうわね、蝶子は複雑な心境だった。

「俺たちは、どうしている方がいい? さっさとスペインに帰った方がいいか、葬儀までここにいてなんか手伝いをするか」
「ここにいるといい。あんたたちがいるほうが、蝶子も氣が楽だろうから」
ヴィルはそういって出て行った。マイヤーホフが指示を待っているので、のんびりとはしていられなかった。

「大変だなあ。ただの葬式だって、てんてこまいなのに、男爵様の葬式だもんな」
「しかも、失踪していたのに突然呼び出されてですからねぇ。こんな複雑な事情のお葬式、滅多にないかもしれませんね」
稔とレネはひそひそと話した。

 あのヴィルがワインを空にしないで行ってしまった。もったいないから、飲んでしまおう。稔とレネは勝手に解釈して、応接室に残って飲んでいた。

 ヴィルはすぐにミュラーに頼んで仕立て屋を呼んでもらった。仕立て屋は、目を丸くしている稔とレネの寸法をさっさと測り、翌日には二人分の喪服が届けられた。

* * *


 弔問客の中には、市長夫妻をはじめ、あのパーティに招待されていた人々がいた。再び失踪したという噂のアーデルベルトが館に帰っている事には驚かなかった。上流社会ではそういう話は珍しくない。しかし、そのアーデルベルトが、「あの女」と結婚していたという事実には驚愕した。それだけでなく、あの時にアーデルベルトに殴り掛かりそうになっていた、「あの女」の連れの日本人が、喪服を着て葬儀の手伝いをしている。市長夫人は、しばらく瞬きも忘れ、用意してきたお悔やみの美辞麗句を思い出す事も出来なかった。

「わざわざお越しいただきましてありがとうございます、市長夫人。こちらは妻の蝶子です」
アーデルベルト・フォン・エッシェンドルフは、まったくの無表情で妻を紹介した。蝶子は悪びれた様子もなく「はじめまして」と手を出した。それで、市長夫人は、我に返って態度を取り繕った。

「それから、こちらは私どもの親しい友人で、安田氏とロウレンヴィル氏です」
「はじめまして」

 稔とレネも英語で澄まして挨拶した。パーティにいた客たちの呆け面が、判を押したようだったので、彼らが帰る度に稔は別の部屋に隠れて身をよじって笑った。

 ヴィルは、葬儀の厳粛で沈痛な雰囲氣のうちに、蝶子を出来るだけ多くの人間に紹介してしまうつもりだった。ただの社交の中では意地悪い扱いをしようとする人たちも、弔問中には攻撃の手を緩めざるを得ない。この場で優しく「よろしく」と言わせてしまえば、あとはこっちのものだ。

 ヴィルは社交界に積極的に進出するつもりはなかったが、まったく関わらないままでいる事も出来ないのをよくわかっていた。稔とレネも、この際に社交デビューさせてしまえば、あとで彼らが常に側にいる事を、使用人たちを含め、誰にも文句を言わせずに済む。それがヴィルの狙いだった。

 市長夫人はゴシップ女だったらしく、翌日からどう考えても教授と親交があったとは思えないご婦人方が興味津々の心持ちを喪服に包んで、弔問に押し掛けた。教授の音楽の知り合い、弟子たちも次々とやってきた。中には教授に婚約者として蝶子を紹介された事のある人たちもいた。蝶子もヴィルも平然と好奇の目に耐えた。

「僕にはとても我慢できないでしょうね」
レネはヤスミンに打ち明けた。

「そうね。きっとある事ない事言われるんでしょうね。頑張っているわ、二人とも」
ヤスミンは喪服を持参して手伝いにきていた。

「でも、これをやっちゃった方がいいっていうテデスコの判断は間違っていないよな」
稔はようやく慣れてきたアクアヴィットをちびちびとなめながら言った。

 受け取るのは銀行預金だけじゃない。あのときのヴィルの言葉は、こういう事も含んでいたのだ。稔やレネにとってはなんのデメリットもないヴィルの相続だった。だが、こうなってみてはじめて、稔は蝶子とヴィルが戦わざるを得ない事を知った。二人ともそれに耐えうる強靭な神経を持ち、自分たちの人生を切り開けることも。

「フロイライン・四条」
マイヤーホフが、つい以前呼んでいたままの呼び名で蝶子を呼んだとき、ヴィルははっきりと訂正した。
「フラウ・フォン・エッシェンドルフだ」

 その調子が珍しく厳しく、それを感じたマイヤーホフは、平謝りして氣の毒なほどだったので、蝶子は言った。
「蝶子と呼んでくださっていいのよ」

 マイヤーホフはヴィルに対してはファーストネームで呼んでいるのを知っていたからだ。けれど、マイヤーホフは蝶子に親しみを示そうとしなかった。蝶子はそれでマイヤーホフにわだかまりがあるのを知った。ミュラーもそうだった。

 マリアンは蝶子に同情を示していた。いずれにしてもマリアンはエッシェンドルフ教授よりもヴィルの方がずっと蝶子にお似合いだと昔から思っていたのだ。二人が出会うずっと前から。

 いつの間にか、マイヤーホフとミュラーは蝶子を「フラウ・シュメッタリング」と呼ぶようになった。ヴィルは二人の前ではいつも蝶子と呼んでいたので、彼らにしてみれば教授の呼び方を踏襲した嫌みな呼び方のつもりだったのかもしれないが、かつてはヴィルが、今はヤスミンが「シュメッタリング」の呼び方を使っていたので、蝶子にはなんともなかった。

 葬儀には、たくさんの弔問客が来た。二人を力づけようと、ヤスミンはアウグスブルグ軍団に連絡を取り、劇団員が山のようにやってきた。カルロスとサンチェス、それにイネスとマリサ、カデラス氏やモンテス氏もやってきた。稔とレネももちろん二人の近くにいた。

 マイヤーホフや教授と親しかった人たちは、エッシェンドルフが変わり、これまでとは違っていることをはっきりと知った。アーデルベルト様は亡くなられた旦那様のコピーでいるつもりはまったくないのだ。
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Tag : 小説 連載小説

Comment

says...
更新、お疲れ様でした。

そっか、プロフェッサーは貴族でもあったんですね。フライヘル(男爵)ということは、ウチのマイ公と同じ爵位ですね。なんか、一気に親近感が湧きました。もっとも、アイツは破産した貧乏貴族ですけどね(笑)

やはり財産だけもらう、というわけにはいきませんわな、さすがに。
ヨーロッパだと、いまだに貴族という階級がしっかりと残っていますよね。日本だとそういう階級を肌身に感じるということはありませんが、やはり一般市民との間に違いってありますか?
ノブレス・オブリージュなんてのもありそうですし、いろいろと面倒くさそうですね。

どさくさにまぎれて、既成事実をしっかりと積み上げているヴィル、なかなかやり手ですね。頼りがいがあっていいなぁ。
それにしても、いまさらですが「フラウ・シュメッタリング」って……蝶々夫人……いやまさかそんな(ガクブル)
むしろ「お蝶夫人」の方が似合ってるか。「よくってよ」とかは言わないと思いますが……って、もはや知らない人の方が多いかな、このネタも(笑)
2016.09.28 15:49 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

そうそう。マイコー(失礼)も男爵様でしたよね。
こちらは、夫婦共々、浮浪者同然で恐縮です。
ドイツはイギリスと違って政治的には王侯制度はなくなっているんですが、爵位だのお城持ちだのはふつーに残っていて、スイスで売っている、日本だと芸能人だけが載っているようなセレブ誌の半分は、ヨーロッパ各地のその手の人たちの記事で埋まっていたりします。

で、やはり、エラく違うんですよ。
私のいる所は、下の下なのでよけいそう感じるのかもしれませんが、日本と違って努力ではどうすることもできない壁があるように感じますね。

そして「蝶々夫人」か(笑)
そういう含みは特にないと思いますが、「お蝶夫人」ほどの華麗さもないかも。
蝶子は全然へこたれないタイプですからいいですけれど、普通は嫌でしょうね、こんな針のムシロ。

「お蝶夫人」はギャグとして残っているってことは、ないですか?
「ガラスの仮面」は未だに連載されている(?)だけあって亜弓さんなどは普通に通じるんですよね?
そうか。お蝶夫人も通じないか。ああ、時代は変わったなあ。

コメントありがとうございました。
2016.09.28 21:12 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
毒を食らわば……ですが、うう、早速好奇とひやかしの目に
さらされてますね……特に蝶子に対するアタリが強いですね。
ヴィルはこの辺りも見越して先手必勝で行動してますね。
こういうことって最初が肝心ですよね。
最初から「こう」って印象づけておけばあとでいちゃもんつけられても
対処しやすいでしょうし。
ヴィル様、さすが人の心理を知り尽くしてますね。

今のところ2人は強靭な精神力で耐え忍んで(というか適度に流して?)
いるようですが、新しい風を吹き込もうとしているヴィル様の目論みが
裏目に出なければいいと願うばかりです。

それから、「クラス」ですが、なるほど、貴族の称号ですか!
ドイツでは政治的に機能しているという訳ではないとういことですが、
この「見えない壁」が未だ人々の心に有用に機能しているということなのですね。
日本でもクラスってある程度あると思うんですけれど、家柄の良さを
誇りにしている人ってどちらかというと奇異な目で見られるというか、
「ふーん」で終りそうなのに対し、ヨーロッパの称号が未だ「生きている」のは
何となくわかる気がしますね。
そういう文化の違い(?)も興味深く、そしてそれが益々しがらみの元にも
なりそうな予感がして、今後の展開から目が離せません。
2016.09.29 09:49 | URL | #- [edit]
says...
教授って男爵だったんですね。なんとなくそんなイメージは持っていましたが、ヴィルがそれを受け継いでしまうとなるとまた話は別です。
ということは蝶子も男爵夫人ということになって、大道芸人とのギャップがまた面白い事になりそうです。
蝶子も教授と結婚直前までなっておきながら、教授が男爵なのを知らなかったんですねぇ。ずっと引きずられてるだけだったので知る機会も無かったんでしょうか。
パスポートの標記の件なども興味深いですね。サキは名前が幾つもあるというのは羨ましいような気もします。

そしてヴィルの作戦、着々と進んでいるようですが「どうせなら一挙に会わせてしまえ作戦」実に合理的です。稔とレネの身分の安定化も兼ねているようで、ドイツ人らしいというかヴィルらしいというか。まぁ晒し者になって大変ですけれどこの2人ならシレ~ッとやっちゃいそうです。楽しんでさえいたりして・・・。

マイヤーホフやミュラーがわだかまりを持つのはやむを得ないですね。誠実に接してくれていたら良しとしましょう。
でもマリアンが同情しててくれるのはありがたいですよ。
シュメッタリング・・・前から思っていたんですけれどカッコいい呼び方です。
これまでのなりゆきから、全然嫌味になってない所が面白いですね。
環境が激変する中、4人がどのように団結を保っていくのか、続きを待っています。楽しみ!

あ、それから冒頭のレネの発言、「意義」でなくて「異議」ですね。
2016.09.29 11:29 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
男爵!!
・・・・男爵ってどれくらい偉いか分からないじぇ。。。
無知ですいません。。。
(ーー;)

偉いのは分かりますけどね。。。

日本とはまた違う文化ですものね。
ヨーロッパでは格式があって、先祖代々の爵位というものがありますものね。
それを受け継ぐのも子孫の役目ではある。。。
・・・というのがありますからね。
結構大変ですね。。。

頭の悪いコメントで恐縮です。
2016.09.29 12:18 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

棚からぼた餅って感じで、お金はもらってでもいいことだけだと、なんか嘘くさいよなあと思ったんですよね。
もっともこのシーン書いたの、すでに四年近く前なので、本人としてはもうずっとこういう状態のまま脳内にあったので普通になってしまいました。

第一部でもちらっと書きましたが、蝶子とヴィルはそれぞれハインリヒにどこに出しても恥ずかしくないように言葉から筆蹟から振る舞いまできっちり叩き込まれているので、いきなり男爵夫妻の役割を与えられてもそれなりにはこなせます。

とはいえ、周りに完全に受け入れられるかというと、その辺は微妙ですよね。

ヴィルも蝶子も、上流社会や爵位などには興味はないと思うんですが、やはり大道芸人としてかなり浮浪者すれすれの生活をしてきていますから、このままではいけないと思っているだろうし、さらにいうと芸術を極めるなら大道芸人のままでは先がないんですよね。だから、不愉快なことがあってもやはり相続した方がいいと結論づけたんだと思います。
逆風が吹くのは覚悟していると思いますけれど、ねえ。(何が、ねぇ、なんでしょうね)

クラスの問題ですけれど、日本って中途半端に「人類みな平等」とか「クラスなんてない」的な考え方があるじゃないですか。
たとえば、みんな「とりあえず大学に行く」とか「月収15万円でも高級フランス料理を食べにいく」とか生活する上で言動に壁がないようにしているように思うんです。

でも、こっちでは例えば私の連れ合いはバイクの修理工なんですけれど、そういうのになる人はギムナジウムとかいかないんですよ。中学校が終わったら職業訓練して、そういう職業に就く。友達はみなそういう人たちで、遣う言葉も、そういうクラスの言葉なんですよね。着るものも違うし、例えば乗る車も違うんです。

称号とか貴族のような存在は、さらにその上にある別世界で、もちろん、そういう人たちとシモジモが全く交流しないわけではないですが、やはりどこかに壁があるんですよね。

この話では、その壁を話の中心に持ってくることはしませんが、やはりどこかに引っかかっているというのを感じていただけると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2016.09.29 21:47 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

わああ、誤字みつけていただき、ありがとうございました。
早速直しました。


蝶子は、人の顔も憶えない困った女ですが、実は誰かが秘かに誇りに思っている「家柄」とか「爵位」などにも無頓着です。ハインリヒはあえて「私は貴族だ」とは言いませんでしたが、もちろん蝶子が知っていると思い込んでいました。名前についているし(笑)

パスポートの件は、ええと、面倒くさいです。
日本の戸籍って、苗字と名前、ひとつずつしか持てないんですよ。だからヨーロッパで許可されている苗字を2つ並べるのも日本の戸籍にはできないんです。で、あとで面倒が起こるんですよ。ヨーロッパで使う名前と、日本のパスポートの名前が違ってしまい、銀行のカードとか航空券とかで、混乱したりね。

とにかく、あのパーティで派手にやりましたから、外野にいろいろと言われるのはわかっていますが、このまま「よろしく」で押し通しちゃいますね。
とくに妻である蝶子はともかく、関係のない稔やレネが入り浸るのもここで有無を言わせず認めさせなくちゃいけないし、それにちゃっかり「カーター・マレーシュ」の連中も引っ張り込んで、これまでの仲間との縁を切らずにいくということを認めさせちゃっています。この人たちは図太いですから、多少の好奇の目くらいではへこたれません。

チャプター1はあと1話だけです。
この後のもっと話が大きく進む所は、もう少しお預けになると思います。
興味を持ってくださる方が忘れてしまわないうちに発表する方がいいですよね。
というわけで、来年あたりにぼちぼち公開するつもりです。

コメントありがとうございました。
2016.09.29 21:59 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

男爵は、かなり下の方です。大したことありません(笑)

王様は別として、公爵、侯爵あたりは国を持っていたりしますが、伯爵や男爵などではそういうことはありません。
それに、実を言うと、もともと中国の制度である「公爵」「侯爵」などという言葉と、実際のヨーロッパの爵位は厳密には対応していないし、国によっても違ったりするので注意が必要なんですけれど、まあ、この小説ではその辺のことはどうでもいいと思っていただいてけっこうなんです(笑)

どちらにしても、受け継ぐのは、大変です。

コメントありがとうございました。
2016.09.29 22:13 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
そっかあ。
最初は、その家の使用人とかの管理とか、そんな事くらいしか思いつかなかったんだけど、男爵の称号を受け継いで名前も変えるという事は、蝶子たち自身がいままでの階級とは違ってくるって事なんですね。
未だに名前ってどういうふうに受け継ぐのかとか、よく分からないんだけど、いっぱいいろんな称号がくっつくのねえ。←ほんと無知><

そちらではまだ、貴族の階級というのはちゃんと存在してるのですね。いろいろ付き合いが大変そう(;_;)
社交界デビューって感じなのかしら。
しかし、蝶子はやっぱり腹が座ってる。
来るなら来いって感じで、ちょいと毒のある弔問客たちにも堂々たる態度。
やっぱり傍にヴィルがいて、少しでもいい方向に導こうとしてるのが伝わるからでしょうね。
稔やレネもいるしね。

もうこの時点で、じわりじわり、この家の空気がヴィルたちによって変えられて行こうとしてるような……(笑) このままいい感じで彼らの過ごしやすい環境になればいいんだけど・・・。
2016.09.30 15:41 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
こんばんは。

普通のお金持ちの家を継ぐだけでもよかったんですけれど、シモジモと上流という違いもいまいちわからない日本とは違っているという話をわかりやすくするためにあえてこういう設定にしてみました。
でも、例えば公爵家みたいな大物はさすがにこの二人には無理なので、わりと下の方のが妥当かなと。

困るのは、日本語の男爵と、それぞれの国の一応対応されている称号が微妙に違うんですよね。
カルロスはスペイン人でイダルゴということになっているんですが、ドイツのフライヘルというのとスイスのフライヘルと、それにイギリスのバロンは同じじゃないんです。でも、この話では、そういうことはどうでもいいので、もう触れないと思います(笑)

蝶子はマナーや立ち居振る舞いそのものはハインリヒに叩き込まれていますので、恥ずかしくない振舞いはできるんです。
でも、だからといって「この間まで父親の方の女だったじゃない」は消えないので、あれですよね。
シモジモと違って、そういうことを面と向かって指摘する人はいませんが、だからといって何も言われないわけではないのでやはり鋼鉄の神経が必要です。私には無理だな。

稔やレネの方は、あまりよくわかっていないのが幸いしています。
そういう彼らの存在も、確かに蝶子には救いになっているかもしれませんね。

そして今後のことは、後1話だけ発表した後にまたしばらく放置になりますが、その後また少し動いていく予定です。
また読んでいただけると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2016.09.30 18:47 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
今回は小説の中身もですけれど、コメントのお返事の中身にもうんうんと頷きながら読ませていただきました。日本に住んでいると、本当の意味での身分の差って感じることはほとんどないし(金持ちと貧乏人ってのはあっても、金のあるなしと関係のない生まれ持っての血統みたいなのは普通は感じませんものね。せいぜい天皇家くらい?)、ホテルとか旅館とか選ぶときも、お金がなくて高級旅館に泊まれないことはあっても、自分の身分では釣り合わないという選び方はしなくて済んでいますものね。ヨーロッパを旅するときは、やっぱり金があっても「そこには近づけない」場所が多いような気がします(あ、金もないけれど^^;)。
蝶子やヴィルは、そこにもう入り込める要素を持っているような気がしますが、稔とレネはこれからどんな風になっていくんだろう。いろんなギャップに迷うことも出てくるのかな。でもまぁ、あの人たち、鈍感力で生き抜きそうな気もします。逆にそういう「ご身分」についての感覚が低い分、図太さもあるようだし。

大道芸人にはいつまでも大道芸人でいて欲しい面もあるけれど、それではこの先どうするんだってのもありますよね。う~ん。一抹のさみしさも予感させるけど、まぁ、このお話はきっとパワーで乗り越えるタイプのはず。
2016.10.01 06:48 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こんばんは。

この辺りは、実を言うと4年くらい前に書いたので、発表する時に「懐かし〜」だったんですよ、私としては。
で、あの時は、かなりこういうクラス的なものにも引っかかっていたんですよね。
というよりそれについてあまり書く機会がなかったのでここにあてはめて書いていたりするんです。
でも、今は「森の詩 Cantum Silvae - 貴婦人の十字架」や「Infante 323 黄金の枷」などの世界で、こういうことにも触れているので「あえてここに触れなくてもよかったかな」と思ったりもしています。

でも、実を言うとですね。
この第二部のチャプター1を早く公開したいなと思ったのは、私の中での4人の日常はこういう設定の中にあるのに、コラボなどで皆さんがイメージしていただく4人はまだ第一部の状況のままで、ギャップが埋まらないんですよね。で、「とにかくこれを発表せねば」になったんですよ。

この設定の後で、例の彩洋さんの所の美南と競演していただいた話などが来るんです。

なんて事はさておき、稔とレネも、少しずつ「自由だけれど浮浪者すれすれ」ライフから、それぞれの事情と向き合わなくてはならないことが出てきます。エッシェンドルフの館で「酒飲んでああ楽しい」だったらいいんですけれどね。まあそうは問屋が……。

とはいえ、おっしゃる通りこの4人はそれぞれにあまり繊細ではないので、それなりに乗り越えていきますよ。

一方で、日本の話に戻りますが、クラスとしての壁はある意味取っ払われている一方で、もっと別の壁もあるんですよね。何だろう内輪とよそ者の壁は、おそらく欧米よりもずっと厚いかも。
誰もがお金さえ払えば高いレストランには行ける一方で、小さくて一室とか二室しかない特別な料亭はどっかの王族でも紹介がなければいけないとか、住んで30年経ってもその地域には本質的には受け入れてもらえないとか。

こういうことも掘り下げていくとなかなか面白いように思います。

あ、話がそれちゃった。

コメントありがとうございました。
2016.10.01 21:16 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
遅ればせながら~(^^;)

相続の意味。広いですね。
物理的・文化的・人的・・・キリがないですね。
生涯かけて相続していくのでしょうね。
ヴィル、表向きはさらりとしていても、胸の内は複雑そう。
それが、蝶子の呼び名やパスポートの件に現れたのかな。

正式文書の存在と、普段の生活とのギャップって、ここって時に現れるので、ドッキリすることもありますね。
2016.10.07 05:16 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

そうですよね。
ただモノとしての財産をもらうだけなら話は簡単なんですけれど、それだけじゃないんですよね。
けいさんは、とても鋭いなあ。
そうなんです。相続ってこの時点だけのことじゃなくて、時間とともに意味合いも変わってくるし、その場にいないのに相続したことによりヴィルはもっとハインリヒの息子になっていくんです。

そして、ただの相続よりもずっと複雑なんですよ。なんせ妻はもと父親の婚約者ですし。

もうすぐチャプター1は終わりですが、少し空いた後の続きにも関心を持っていただけると嬉しいです。

コメントありがとうございました。

2016.10.07 22:14 | URL | #9yMhI49k [edit]

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