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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

Baba Yetu

今日は、最近買った音楽の話を。

アフリカが舞台の話を連載中なんですけれど、マイ・サントラ(あ、痛たたた……)代わりにしているiPhoneのプレイリストには、あまりアフリカっぽい曲は入っていません。でも、これだけは別。超アフリカ。めいっぱいケニアです。

もっともこの曲、もともとはゲームのサントラとして作られたらしいので、そのゲームを知っている方からすると「どこがアフリカ?」なのかもしれませんね。


Baba Yetu (The Lord's Prayer in Swahili)-Alex Boyé, BYU Men's Chorus & Philharmonic; Christopher Tin

この曲の歌詞は、スワヒリ語(ケニアの公用語)による「主の祈り」なのです。「主の祈り」はキリスト教で一番大切な祈祷文です。

「Baba Yetu」には、ゲームのオリジナルバージョンをはじめとして、いろいろなアーティストによる動画がありますが、私が一番好きで購入したのがこのアレックス・ボエがリードボーカルを歌っているもの。この方、アメリカでモルモン教の宣教師もしている方のようですが、「あなたは神を信じますか」といきなり言われるよりも、こうやってアフリカの大地でキリスト教とかアニミズムとか関係なく見せて聴かせてくれる方がその偉大さが伝わります。

バックで歌って演奏しているBYU Men's Chorus & Philharmonicの欧米的な合唱と演奏、それにアレックス・ボエのアフリカ的な歌い方がミックスして、私の作品のイメージとしては理想的な曲になっているのです。なんというのでしょうか。黒人の声帯や歌い方は、いわゆるクラッシックな合唱の歌い方とは全く違うのです。これはいいとか悪いとかではなく単純に違うのです。私はどちらも好きなのですが、この曲のリードボーカルとしてはやはりこの歌い方が一番しっくり来ます。

「ライオン・キング」のメイン・テーマである「Circle of Life」もこれに近い音楽ですが、あちらは天下のディ○ニーの映画音楽ですし、そのイメージが強すぎます。歌詞も英語ですし、「欧米によって理想化されたアフリカ」の印象が強すぎて、私には少し「コレじゃない」なんです。

「Baba Yetu」は「主の祈り」ですので「天にまします我らが父よ。願わくは御名の尊まれんことを、御国の来たらんことを、御旨の天に行わるる如く地にも行われんことを」と祈っているわけです。

私がアフリカに行ったとき、果てしない大地を動物たちが悠々と移動して行き、生と死の神秘が目の前で展開され、これでもかと荘厳な光景を目にしました。普段はほとんど意識しない偉大な何かの存在を感じる体験でした。おそらく通勤電車に揺られたり、リア充競争のためにインスタグラムに小洒落たカフェごはんの写真をアップしたり、芸能人の挙動に一喜一憂したりしていると、なかなか感じにくくなっていく、特別な何かです。もちろん「だから人はアフリカに行くべき」と言いたいわけではないのですが。

私の作品「郷愁の丘」では、ニューヨークで生きる一人の女性が、ケニア中部のサバンナに行きます。話の中心はアフリカ体験そのものではないのですが、サバンナで見聞きした事が、彼女の心境に大きく影響する、その切り離せない関係を描きだせたらいいなと思っています。

私の脳内イメージでは、この曲は作品の途中で野生動物がいっぱい出てくるサバンナのシーンと、それから最期のエンディングのクレジット部分にかかる感じです。(映画じゃないって)



【参考】
郷愁の丘「郷愁の丘」
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Category : BGM / 音楽の話

Comment

says...
こんばんは。

壮大な音楽ですね!
郷愁の丘を読むときは、該当箇所でこの音楽をかけなくちゃです。笑
あ、でも、「ファインダーの向こうに」の番外編なんですね。
じゃあ、そちらを先に読まなくちゃ!

アフリカ!
テレビ番組なんかでしか見ることが出来ないけれど、さぞ壮大な世界なんだろうなと思います。
夕さんは、本当にたくさんの国へ行っているんですね。
私は、まだ海外へ行ったことが無くて、来年の春休みに友人と、海外旅行に行ってみないかと計画しているところでして。
最も、まずは英会話能力を何とかしなくちゃって感じですが……(-_-;)
2017.04.15 10:26 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

壮大でしょう?
アフリカって、こう、無駄に壮大な感じが似合うんですよ。

もともと「ファインダーの向こうに」の番外編だったんですが、続編になり、すでに「ファインダーの向こうに」の倍以上の長さになってどっちが本編かわからない事に(笑)
そもそも「ファインダーの向こうに」が「ニューヨークシリーズ」の番外編だったんですが、もう前の話はほとんど関係ないから読まなくても……。必要な事は全部それぞれの作品に出てきますし。

私は、他の経験はほとんど何もやっていないんですが、とにかく子供の頃から旅にだけは憧れていて、今のスカイさんぐらいの年齢から「バイト」「旅」「バイト」「旅」と繰り返していました。それでも全然行けていないところがいっぱいあるんですよ。

学生の頃の旅と、今の旅の違いを考えると、とても大切だなあと思う事が一つあります。それは、滅多にいけないから一度にたくさんのものを見たいと思うばかりに、日本から持っていった情報に頼って「見た」「写真撮った」だけの旅になっていたことです。それだと単なる確認の旅になってしまうので、そうじゃなくてゆっくりとどこかに座り、いろいろな人と交流する時間を持つ事が大事だなと、今になって思います。あと、学生の間にもっと旅しておくんだったという事。あれだけ行っても(笑)社会人になるとお金はあってもなかなか長い旅行が出来なくなってしまうので。あとは、定年まで待つしかないのか……。

言葉の問題も大事ですけれど、そもそも日本人は文法などが完璧ではない事を氣にしすぎなので、メチャクチャでもいいからもっと話して、勘違いからの失敗談ですら笑って土産話にできるくらい話しまくるのがいいですよ。そしておすすめなのは、はじめからアメリカやイギリスなど英語が母語の国に行かない事。思いっきり英語でまくしたてられると全然聴き取れなくて自信をなくします。それにフランスやスペインなどの人びとが頑固に自分たちの言葉しか話さない国も初心者には辛いです。

ドイツやスイスやポルトガルなどは、住民がたどたどしくても英語でゆっくり話してくれて、かなり楽なはずです。イタリアは、都市はわりと英語を話す人がいますが、田舎に行くと途端に通じなくなります(笑)

それと、ちょっとお試しに海外に行ってみたいなら、グアムやサイパンなどの近いところもいいかも。香港や台湾などのアジアもとてもいいとききますが、私は行ったことがないので何も言えないのです。

来年の春だったらまだずいぶん時間がありますから、じっくり計画を練れますね。決めたらまた教えてくださいね!

コメントありかどうございました。
2017.04.15 18:23 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
あーいーなーこれー^^
天地を歌うものは壮大ですね。

私は音楽大好きですけど、物語と音楽は基本別々にしているんですよ。
描いているものと聴いているものとのギャップもあったりして(-_-;)

でも、物語にテーマソングがあるのって良いですよね。
夕さんの中で色々なものが取り込まれて融合される。
そうやって作られる夕さんの世界観はゆるぎないですね。
今後のもろもろのシーンが楽しみです。
(あ、今のところ、読み逃げで…汗)
2017.04.16 02:32 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

イースターですこしお休みできているでしょうか。
こちらは4連休ですが、初日以外は天候がいまいち、なんか寒くなっちゃいました。
でも、おかげで創作の方に向かえたりして(笑)

この曲いいでしょう。
壮大で、でも宗教的押し付けがましさをあまり感じないのは、やはり背景が人工的なものではなくて自然だから説得力があるのと、やはりこの人の歌い方がアフリカだからかなあと思います。

書く物語と好きな音楽が全く違うタイプの場合もありますよね。
たまには重なったりとかも。

私の場合は、別に創作のためにきいているわけではないにも関わらず、ほぼ全ての好きな音楽が創作に直結しているかも(笑)
好きな音楽が増えると、創作の記述が増えたりとか。

だからいつも同じ種類の音楽じゃない方が、読まされる方のためにはいいのかもと思ったりも。

あ、コメントの件は、お氣になさらないでくださいね。
こんな大変な時に、読んでくださっていただけるだけでも申し訳ないくらいにハッピーですから。
けいさん、ご無理なさらないで、ご自分のペースでどうぞ。
復帰なさるのを楽しみにのんびり待たせていただきますね。

コメントありがとうございました。
2017.04.16 19:07 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
アフリカかあ。。。
そういえば、小学生以来動物園にも行ったことないや。
生命の神秘はおろか、動物の生命にも感じていないですね。
確かにアフリカの広大な大地と動物には触れ合ってみたいですね。
まあ、そんな時間もお金もないでしょうし。
人と不条理は関わり合いをしている方が好きなので。
それでいいのですが。
夕さんの記事で心が広がる感じがしますね。
(*´▽`*)
2017.04.17 14:36 | URL | #- [edit]
says...
こちらにもありがとうございます。

ああ、動物園の動物と野生動物はものすごく違いますね。
動物園で生命の神秘を感じるのって、反対にものすごくハードルが高い事だと思います。
ま、蓮さんだったら、人間の子供の誕生にでも立ち会った方がずっと手っ取り早いのではないかと思ったり(笑)

コメントありがとうございました。
2017.04.17 18:53 | URL | #9yMhI49k [edit]

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