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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】郷愁の丘(7)滞在と別れ - 2 -

「郷愁の丘」の続きです。「滞在と別れ」の二回目です。

まるで当たり前のように滞在していますが、ジョルジア、要するにほとんど知らなかった人の家にずっといるのです。彼女は年に一度、たいてい三週間から一ヶ月の休暇をまとめて取ります。今回の旅は三週間ほどという設定で、アメリカを出発してからここに来るまでが一週間ほどでした。

少し退屈かもしれませんが、今回のパートには、このストーリー上では大切な会話が入っています。ただし、既に外伝でいくつか開示した情報が混じっているので、たいして目新しくないかもしれません。グレッグが事情を自分で語るのは、多分ここが初めてじゃないかと思います。

ジョルジア、写真撮っていないじゃん、というツッコミが今回も入りそうですが、撮るところの前で切ってしまいました。


郷愁の丘「郷愁の丘」を読む
あらすじと登場人物




郷愁の丘(7)滞在と別れ - 2 -

 翌日、彼はジョルジアを連れてマサイの村に寄った。茨で出来たボマといわれる大きな円形の柵の中に牛の糞で作った小屋が何軒も建っている。マサイの集落はハエが非常に多い。牛とその糞による湿氣がハエを呼ぶのだ。けれども牛の糞自体はさほど臭うものではない。糞だと思わなければさほど氣持ちの悪いものでもない。

 かつて撮影で連れて行ってもらったマサイマラの集落よりも小さい上、商売氣が少なかった。あの時は無秩序に人びとが集まってきた。頼みもしないのに色とりどりのビーズで作った首飾りをかけて売りつけようとしたり、自分の子どもの写真を撮らせてチップをもらおうと手を差し出しながら近寄ってくる者もいた。だが、今回は幾人かの男たちが興味を持って近づいては来るものの、グレッグが話そうとしている長老よりも前に出てこようとするのは子どもたちだけだった。女たちはそれぞれの家で仕事を続けていた。

 小さい子どもたちはジョルジアの周りに集まり、めずらしそうにあちこちに触れた。あまり日焼けのしていない肌や短いけれども縮れていない艶のある髪に興味を持ち、小さな手で触れてきた。

 グレッグは、短くマサイ語で挨拶した。長老はそれに答えて重々しく何かを語った。
「なんていったの?」
「彼は誤解しているんだ。僕が恋人を連れてきたと思って」

 彼は長老に英語ではっきりと言った。
「違うんだ。この人はお客さんで、僕の恋人ではない」
 長老は動じた様子もなく、さらにマサイ語で何かを重々しく告げた。

「なんですって?」
ジョルジアは、訊いた。グレッグは、少し悲しげな瞳をしていた。しばらく何も言わなかったが、それから口を開いた。
「僕にもなんと言っているのかわからない」

 ジョルジアは、きっと彼は長老の言葉の意味はわかったのだろうと思った。でも、通訳するつもりはないのだ。強いれば、もっと彼を悲しませる事になるような氣がした。

 彼は、サバンナの水場について長老と話をしていた。長老は聴き取りにくい英語で重々しく告げた。
「心配ない。ここしばらく雨が多いので、我々は牛を遠くに連れて行く必要もない。シマウマの群れは今年は《骨の谷》で渡るだろう。あの川は幅が狭く渡るには好都合だが、おそらくいつもより多くワニも待ち受けている事だろう。お前も氣をつけなさい」

 《郷愁の丘》に戻り、ジョルジアは昨夜作っておいたシチューを温めた。普段作るなんということのない料理も、添えるものがパンではなくウガリ(白いコーンミール)になっただけでアフリカの料理らしくなる。テーブルの用意をしているグレッグに彼女は訊いた。

「シマウマの通り道を教えてもらいにいったのね」
「そう。彼らは経験豊かで、伝承による叡智も受け継いでいるから、僕の予測よりもずっと正確なんだ」

「ワニが多いって言っていたけれど」
「そうだね。シマウマやヌーたちは、一斉に川を渡るんだ。ワニはそれを待ち構えている。ワニが一頭を襲い食べている間に、他のものは川を渡り切る」

「そんな危険があっても、川を渡るのね」
「そうしなければ、ここが乾季で干上がってしまうからね。彼らはどうしても南に行かなくてはならないんだ」

「そして、雨季になるとまた戻ってくるのね」
「そうだ。そして、次々と子どもが誕生するんだ」

 食後に二人はワイングラスを持ってテラスに移動した。涼しくなった風が心地よく渡っていく。

「あなたはそのシマウマの外見を憶えてしまうんでしょう?」
「ああ。生まれてから立ち上がるまで見守っていると、特徴が頭に入ってしまう。それから毎日みて、生き延びている事にほっとしたりする」

 ジョルジアは微笑んでから、赤ワインのグラスを持ち上げた。生き延びたシマウマに乾杯して二人はワインを飲んだ。
「名前を付けたりするの?」
「いや。サイやライオンやゾウのようにはいかないな。星の数ほど生まれて、そのうちの多くがあっという間に死んでいく。もっとも一度名付けた事がある。もう二度とするまいと思ったよ」

「どうして?」
「名前を付けるというのは特別な行為だと思い知った。つけた途端に大きな思い入れが発生する。ハイエナやライオンに追われるのを助けたくなってしまうんだ。もちろんそんな事は許されないからしなかったけれど」

 特別な行為と聞いて、彼女は氣になっていた事を訊いてみようと思った。どうしてみなが呼ぶヘンリーではなくて、グレッグと呼んでほしいと言ったのか。
「ねえ。グレッグという名前には特別な思い入れがあるの?」

 彼は、グラスを置いて彼女を見た。
「祖父から受け継いだ名前なんだ」
「お祖父様っ子だったの?」

 彼はしばらく黙っていた。ジョルジアが他の話題を持ち出すべきかと考えていると、彼は立って中に入り、書斎からセピア色の写真の入った額を持ってきた。彼とどことなく似ている老人と、並んで座っている五歳くらいの少年が映っていた。

「これはあなたなの?」
「ああ」

 彼は、ジョルジアの隣に座って話しだした。
「父と母ははじめからとても折り合いが悪かった。母は生まれた僕に自分が望む名前を付けたがった。だから父は、母が候補にした名前の中で、あえてスコット家に代々伝わる名前ではないヘンリーを選んだ」

 ジョルジアは、何と言っていいのかわからないまま彼の話を聴いた。
「父は僕の曾祖父、彼の祖父のトマス・スコットを尊敬していたが、アルコールに弱く学者にならなかった自分の父親グレゴリー・スコットのことは尊敬していなかった。だからヘンリーなどと付けずに、自分の名前を付けろと彼が言うと、アルコール中毒の義父を毛嫌いしている妻への嫌がらせでそれをミドルネームにしたんだ」

 悲しそうな顔をしているジョルジアに、彼はいつものように穏やかに微笑んで首を振った。
「僕は、祖父が好きだった。両親が留守がちで友達もいなかった僕は、一人でいる事が多かったけれど、そんな僕のために彼は時間をとってくれた。彼は僕のことを『小さいグレッグ』と愛情を込めて呼んでくれた。母が父と離婚してイギリスへ引越したのは僕が十歳のときで、直接逢ったのはそれが最後になった。もっともずっと手紙を書いていたから関係が途切れたわけじゃなかったけれどね」

「お祖父さまは……」
「十三年前に亡くなった。僕を氣にかけてくれて、わざわざ遺言で僕にいくばくかのものを残してくれたんだ。だから僕はこの《郷愁の丘》を買うことが出来たんだ」

「そうだったの」
「両親が離婚する時に、母は養育費を要求した。するとそれを拒みたかった父は僕にDNA検査をさせたんだ。それで僕は間違いなく父の子供だと証明されて、大学にまで進めたけれど、同時に父親に我が子ではないと疑われていたことも知ってしまった。離れていたこともあり、僕は父にはどうしても必要がある時以外は、自分から話も出来なくなってしまった。父もクリスマスにすら連絡をよこさなくてね。それで祖父は亡くなるまで僕たちの関係を心配してくれたんだと思う。相続する時に、ケニアに戻ってきて弁護士の所で十五年ぶりに父に会った。イギリスではなくてケニアで研究をしたいとようやくその時に言えた。彼は少なくとも反対はしなかった」

「お母様は?」
「バースにいる。こちらに戻ってから一度も逢っていない。クリスマスカードのやりとりはしているけれど」
「ケニアに戻って来たことがお氣に召さなかったの?」

「いや、僕が何をしようがさほど興味はないと思う。イギリスに戻ってしばらくは一緒に住んでいたけれど、僕が寄宿学校に入るとすぐに再婚して、新しい家庭を作った。あまり歓迎されないのがわかっていたので、休みの期間にもいつも寄宿舎に残っていたよ」

 胸が締め付けられるようだった。この人はなんて寂しい境遇で育ったんだろう。あまり裕福ではない漁師だったジョルジアの両親もほとんど家にいなかった。だが、彼女には歳の離れた兄マッテオと妹アレッサンドラがいた。妹二人を溺愛する兄の深い愛情、そして忙しくとも会える時には精一杯の愛情を注いでくれる両親の暖かさで、ジョルジアとアレッサンドラは常に幸福だった。

「父も母も、みなヘンリーと呼ぶ。でも、僕には祖父が呼んでくれた『小さいグレッグ』こそが本当の名前に思えるんだ」
「ええ。グレッグ。私もそう思うわ」
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Tag : 小説 連載小説

Comment

says...
帰省でしばらく留守にしていたので、今二話分読ませてもらいました。
グレッグという呼び名の裏には、そんな寂しい経緯があったのですね。

ここで出て来るおじいさんと言うのが、以前外伝で出て来たあのおじいさんなんだなあ。
彼のお陰で小さいグレッグは最悪なほどの寂しさを免れたんですね。
グレッグがその愛称を大事にしているのが、しみじみ伝わってきます。

名前と言えば、動物に名前を付けた瞬間から愛情が沸いてしまうという話、すごく共感します。
生存競争を見て悲しい気持ちになりたくなければ、名前は付けない方がいいですね。

でも、食用の和牛なんかは、一頭一頭名前が付いているんですよねえ。太郎とか次郎とか。
17歳の時、家畜保健所でバイトしてて知ったんですが。
あれはなんだかちょっと、複雑な気分でした。愛情を持って育てるって意味でも、必要なのかなあ。
ドナドナ( ;∀;)

あ、そういえば、あまり興味の無かったアイドルグループの子の名前を覚えた途端、好きになってしまったことがあります。名前って不思議です。

……って、話が飛んじゃいましたが。

グレッグの生い立ちを聞いてしまったジョルジアの中で、また何か大きな変化がありそうな予感が……。
もう読者的には、この2人を早く幸せにしてあげたい気分なんですが><
2017.08.16 08:07 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
こんばんは。

そうなんですよね。日本はお盆シーズンでした。この間クリスマスだったのに、もう八月も後半だわ、どうしよう。
お休みで楽しくリフレッシュなさいましたか?

さて、周りが何と呼ぼうと、こっちのほうがしっくりくると思う「グレッグ」という名前の由来、ようやく登場しました。
彼は、他の人はどうでもいいけれど、ジョルジアにはこっちで呼んでもらいたいと思ったんですね。
動物の名付けも同じことですけれど、名前を呼ぶということは、親愛の証拠みたいなもので、彼はジョルジアには「ヘンリー」と呼んでいる人たちよりも近づきたいという思いがあった、という象徴にもなっています。
のちに頼まれずに「グレッグ」と呼んじゃう人たちが出てきますが、それも彼と世界の近さに変化が現れていく象徴として書きました。

動物の名付けに関しては、最初のペットって、そういうことで始まったんじゃないかなあと、なんとなく思っているんです。
他の狼よりも、人懐こくって寄ってくる子に、名前を付けてみたのが犬の始まりなんじゃないかと想像してみたり。

そのうちに記事にしようかと思っていますが、カレーのレトルトパックに「和牛証明」みたいのが付いていたことがあったんです。
それをネットで調べたら、名前付いていました。もう食べちゃった後でした……。
「この情報、親切なのか」とちよっと涙目になりましたけれど。

さて、ここに出てきた祖父が、そうです。「最後の晩餐」に出てきた「アル中のおじいちゃん」です。
フライパンを洗わずに使った描写が、なぜか大ウケした人ですね。
グレッグの幼少期の心の支えでもあった人で、この人のことは年末に発表する予定の外伝でもまたちょっと出てきます。

このグレッグの境遇を知ることで、ジョルジアには「私に似ている静かな人」の他に「かわいそうな人」という属性が植え付けられます。
これもまた大事なことなのですよ。イケメンやできる男に惚れる方向性もありますけれど、「かわいそうというのは惚れたってことよ」的なベクトルもありますから。

二人を幸せに……あ〜、まだ当分は(以下省略)

コメントありがとうございました。
2017.08.16 20:06 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
お、マサイの登場ですね。
どこでもそうなんでしょうが、子供達の好奇心は旺盛ですねぇ。綺麗なものには目がない。でも触っちゃうんですね。くすぐったいじゃない。
この辺の描写、リアルに感じます。たぶん夕さんが体験された事なんでしょう。
で、長老はなんて言ったのでしょう?
グレッグ、そんなに哀しそうな顔をしないでよ。「お前はあの女とはつながらない・・・」なんて言われたのでしょうか?

名付けって大切です。思い入れが発生することはよくわかります。
だって、サキは物書きですからね。キャラに対する名付けだけでもそう思いますもの。
あ、そしてあの焼きコーンビーフ、グレッグじいさんのお話ですね。
グレッグ、話す気になったんだ。ま、彼なりのアプローチなのかな。誰にも話したことはなさそうな話ですものね。
お金は充分にありそうですが、愛情の極端に不足した、不幸な子供時代ですね。
そりゃぁ、こんな子に育っちゃいますよね。
ジョルジアは全く反対で、貧乏なんだけど愛情に溢れた子供時代だったんですよね。
だからジョルジア、明るい人生を送っていてもおかしくはないんだけれど・・・。
運命ってわかりませんね。
自分の子供時代と比べてとても心を痛めているのでしょうが、これが別の感情に置き換わるのはまだまだ先のことでしょうね。
夕さんだから、そうなんだろうなぁ。
2017.08.17 12:43 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
 更新、お疲れ様でした。

 そうですか、マサイの村も、商売っ気に走っているんですね。観光客が押しかける以上、しかたがないのかもしれませんけど、ちょっと残念ですね。
 男たちの反応は当然として、子どもウケするのはなんかジョルジアらしいですね。でもベタベタ触られたら、さすがにちょっと引くか(笑)
 長老がなんて言ったのか、グレッグの反応を見るにつけ、すごく気になります。英語が話せるのに、わざとマサイ語で言ったところをみると、ジョルジアには聞かせたくない言葉なんですよね。う~ん……。

 グレッグの名前の関するカミングアウトがあって、いろいろとすっきりしました。そうですよね、あのフライパンの人(笑) この二人のグレッグ、相通じるものがあったんでしょうね。なんの脈絡も関係もないですけど、インディ・ジョーンズを思い出しました(ホント脈絡ないなぁw)
 そりゃあ「グレッグ」という名前で呼んで欲しいだろうなぁ。名前はその人そのものであり、その呼び方(呼ばれ方)は、その二人の関係性そのものですからね。うん、わかるわかる!

 写真の方は……こうなるともう、いつ、どんな感じで撮るのか、焦らされているだけに期待が膨らみますね~。

 ジョルジアとグレッグの仲、じつにゆっくりと近づいていますが、これはこれでいいなぁと思えてきました。こういったことの積み重なりが、二人の関係をどう変えていくのか、じっくりと楽しみたいと思います。
2017.08.17 16:28 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

日本の子供達は、たとえ海外に行ったことがなくても、「この世には金髪や青い目の人もいる」「アフリカには黒い肌の人がいる」ぐらいは知っていますが、これはテレビでみたことがあるからなんですよね。

で、ケニアでもナイロビなど都会にいる子供達は知っているでしょうが、マサイの子供達にとっては(観光客のよく来る部族は別ですが)、白人の女性は初めて見た、なんてことがあっても不思議はないのです。子供達が触るのは「どういう化粧で白くしているの」「この縮れていない髪は本物?」という好奇心に近いと思います。まあ、グレッグはヒゲ親父だし、長老と重々しく話しているので、子供達には近寄りづらいでしょうし。

日本の子供達は、そんなに触ってきませんが、確かにマサイの子供達はぺたぺた触ってきた記憶があります。

長老の言葉と、グレッグが悲しそうだった理由は、ちゃんと最後の方で回収します(笑)
この話ではグレッグ視点が2回ほどあるんですけれど、その後の方ですね。
そうです。グレッグ、長老の話したマサイ語の言葉の意味はばっちりとわかっていました。
ここで開示してもいいですけれど、まあ、お楽しみに。

名付け、とても大切です。呼ぶ方にとってもとても大切で、名付けられた側との強固な絆をつくるものですが、呼ばれる方にとっても大切で、どんな風に読んでもらえるかで相手からの近さを測ることもできるんですよね。

グレッグの「ジョルジアに近くにいてほしい」という想いの表れが「よかったらグレッグと呼んでくれないか」というセリフになったのですよね。

グレッグの子供時代の経験が、育つ上で影を落とし、さらに後々に失敗を重ねたことで余計こじらせてしまったのですよね。
それでももう少し人のいるところで育ったなら、近所の〇〇さんとか、一緒に学校に通う友達という具合に人間関係の築き方を学べたのでしょうが、サバンナで隣人の家まで数キロ、というところで育ったので、本当にアル中のおじいちゃんしか近い人がいなかったのですね。

で、その状態でいきなりイギリスへ連れていかれて、出遅れて馴染み方がわからないまま大人になったので、ますます人付き合いが悪くなっています。

ジョルジアの方は、家族には恵まれていました。今もなんだかんだいって家族だけでなくいい友達に恵まれていますしね。
だから、ますますグレッグにはジョルジアが「あなたは私に似ている」という根拠がまったくわからないのです。
ジョルジアがコンプレックスを話せばもっと早く彼女の抱えている問題がわかるんでしょうけれど。

ジョルジアのグレッグに対する感情、劇的に変わるでしょうか。それとも、今とまったく変わらないままかもしれませんよ。
(おいおい)

コメントありがとうございました。

2017.08.17 19:05 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

そうですね。有名観光地というのは、大抵そうなる傾向にあるようです。まあ、自分だけ手つかずの自然と、未だ知られていない部族を知りたいというなら、まさにインディ・ジョーンズのように未開の地にいかなくちゃいけないわけで、お手軽に十日間の旅というわけにはいきませんよね。

子供達が触ってくるのは、サキさんへの返信にも書きましたが、珍しいからみたいです。とりあえず五感で調べてみようというのは、ああいう世界に住む人たちにとっては当然のアプローチなのかもしれません(笑)

長老のセリフ、ちゃんと回収します。
もっとも、これが伏線だと憶えていてもらえるだろうか……。回収するのはどう考えてもscriviamo!後なので、もしかして来年の春?

フライパンの人(笑) そうです。
ヘンリーという名前にまつわる冷たさが苦手なだけでなく、やはりこの「おじいちゃん」と一緒だというのが、この人のグレッグという名前に関する愛着につながっているのですよね。
でも、誰にでもそう呼んでもらいたいわけでなくて、やはり特別だからこそ普段は「ヘンリー・スコットです」としか名乗らないわけです。
ジョルジアとの僅かな秘密の共有っぽい感じが、彼にとっては重要だったようですね。

写真は、ええ、来週撮ります(笑)
大した描写ではないし、そんなに期待しないでくださいよ。

この二人の関係、ガソリン撒いて火を点けたような、そういう盛り上がり方はまったくしないんです。
どっちかというと、温泉みたいな? ここまできたような感じで、途切れずに続いていきます。「別れ」とか書いていますけれど。

次回、居候の終了シーンです。じっくりと楽しんでいただけると幸いです。

コメントありがとうございました。
2017.08.17 19:22 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
外部の人に指摘されて、自分達の関係性を改めて意識
させられることってありますよね。恋人じゃないと説明
してみせるのは地味に傷つく行為なんじゃないかしら、と
冒頭を見て思いました。
その後の流れで長老の重々しい台詞に悲しい顔ということで、
台詞の内容が非常に気になりますが、来年の春頃(?)の回収になるということで、首を長くしてお待ちしております。

おじいさんのことは外伝で存じ上げていましたけれど、
こうして本人の口から聞かされるとしみじみと感じ入るものがありますね。
思っていた以上にグレッグにとっておじいさんは大切なかけがえのない
存在なんだなあと思いました。

こういう小さい頃に肌で感じたことって中々ぬぐい去られるものじゃなくて、
両親の不和とか、やっぱりそういうことがベースにあると、
こう、人付き合いに二の足を踏んでしまうのは当然だよなぁと。
ジョルジアと距離を縮めることは、グレッグにとって、
自分の幼少時のトラウマを緩和することでもあるのかなあと思ったり。

でもね、これは、二人の磁力を増す行為としては最適な行為だったんじゃないかと。
もちろん、グレッグはそうと狙ってこの話をした訳じゃないけれど、
女性って「かわいそうな人属性」に、ちょっと優越感に似た母性本能を
刺激される生き物なんじゃないかと思うんです。

こうして見ると、グレッグがどんな想いで「グレッグと呼んで欲しい」
と伝えたのか改めて感じ入るものがありますよね。
ジョルジアに「グレッグ」って呼んでもらうことは、おじいさんとの愛情を
再確認する行為であると同時に、相当にくすぐったくて
(誤解をおそれずにいえば)甘酸っぱくエロティックなことだよなあ、とちょっと深読みしてしまったわたしなのでした。
2017.08.21 12:27 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

あ、先日は、そちらのコメントで、的確な図解をありがとうございました。
そうなんです、某ジャーナリスト氏への想いと、グレッグとの関係は、正にああいう対比があるんですよ。

だから、某ジャーナリスト氏との関係でジョルジアが傷ついたり、反対に喜びを感じたりすることはないのですが、もちろん某ジャーナリスト氏もジョルジアのことで感情が動くことは欠片もないわけです(あたりまえ)
でも、ジョルジアとグレッグは、お互いに非常に大きな感情のやり取りをしているわけです。
ジョルジアには、彼が隠している分、グレッグの感情のことはあまり見えていないんですけれど、今回、長老に指摘されて見せた彼の表情は、実はその一端であったりするわけです。それを見て動揺しているジョルジアも、やはりフィードバックを受け取っているわけです。

今週開示した部分には、じつは二つの大事なモチーフが隠れていまして、一つがアフリカの典型的なウィッチドクター的存在である長老が言葉を発し、それに対して西洋的教育を受けたグレッグが、理性に基づいて判断を下して涙目になっているという対比があるんです。後に回収するときに、このウイッチドクター的な存在が意味をもっているんですけれど、私の小説ですから超常現象が起こるわけではなく「単なる偶然」が起きるだけです(笑)

もう一つのモチーフは、canariaさんがまたしても注目してくださった「名前」についてです。

グレッグの母親はイギリス人、また父親の祖先もグレートブリテンから来ているのですが、ケルトの伝承など世界の多くの民間信仰に「本当の名前はその人間の本質なので、(支配されないように、とくに敵からは)隠すべきだ」という考え方があります。で、グレッグにとっては両親も含めて世界のほとんどが親しみのないもので、人間の親しみのある存在は亡くなったじいちゃんだけだったわけです。

で、「ファーストネームで呼び合いましょう」とジョルジアに言われて、(レイチェルの家につく前でしたから)自分の想いは知られていないし、二、三日経ったらもう二度と会うこともない存在になると思っていたこともあって、だったらグレッグと呼んでほしいと言ったのは、仮想空間であったにしても彼女がじいちゃん並みに親しみのある唯一の存在だったからということになりますよね。

で、「かわいそうな人属性」ですけれど、随分前にコメ欄でお話ししたような記憶があるんですけれど、人間が誰かに惚れる時って、「イケメンで一目惚れした」「スペックの高さにやられた」というプラスの方向性でやられることもあるのですが、「親しみがある」というイコール属性でやられる時、それに「かわいそうってのは惚れたってことよ」というマイナス属性にやられることもあるんですよね。

で、ジョルジアにとって、グレッグはイコール属性が大きく占めていたのが、ここでマイナス属性も加わったということで。プラス属性はないのかというと、え〜と、ああ、知性と動物のイラストと《郷愁の丘》を持っていることかな? 

ただ、この二人、本当にある意味で対をなしているというくらい似たものとしてキャラ設定をしているんですが、どっちにとっても恋愛対象だけじゃないというところが、かえって話をややこしくしているのです。

ジョルジアの側で言うと、恋愛関係になると脱いだ時点でゲームオーバーになる可能性が有る。それでここまで築き上げてきた友情というかとてつもない親しさがあっという間におじゃんになってしまうかもしれないから、だったら友達のままでいる方がいいと感じていますし、グレッグもまた、これまで一人もいなかったぐらい近くに感じる人だから、嫌がられるにきまっているし恋愛面で迫っちゃダメだと一生懸命に無害であろうとしているわけで、これでは一向に進まないんです。まあ、お話だから進みますけど(笑)

でも、そのギリギリの我慢大会が、ちょっとエロさを醸し出していたらいいなあなんて、欲張りなことを考えつつ書いていました。というわけで、そういう風に深読みしていただけて嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2017.08.21 20:29 | URL | #9yMhI49k [edit]

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