FC2ブログ

scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】郷愁の丘(10)一週間 - 1 -

一回あきましたが、「郷愁の丘」の続きです。この部分も長いので三回に分けています。

前回更新分はグレッグが学会で一週間の予定でニューヨークにやってきたところまででした。この学会、翌日から五日ほど続くのですが、ジョルジア視点なので、グレッグが学会で何をやっているかはまったく出てきません。というか、この章の大半はグレッグが到着した最初の一日の描写です。

今日更新する部分に登場するのは、前作「ファインダーの向こうに」や外伝などでおなじみの《Sunrise Diner》の店員キャシーや常連たち。クライヴとクレアは「ニューヨークの英国人」という作品で初登場しました。あ、別に読まなくても大丈夫です。今回出てくる分だけでも、クライヴが個性的であることはお分かりいただけるかと(笑)こういうキャラを書くのは楽しいです。


郷愁の丘「郷愁の丘」を読む
あらすじと登場人物




郷愁の丘(10)一週間 - 1 -

「で。手配した雑誌は、どこに届けますか。ホテル?」
売店のジェシーが訊いた。財布を取り出して手続きをしようとするグレッグを、ジョルジアは止めた。

「ジェシー、ベンの所に全部預けておいて。届けるのは私が手配するから」
「あ、社員割引を適用しますか」

「ジョルジア。そんなことをしてもらうのは悪いよ」
グレッグが慌てて言うと、彼女はニッコリと笑った。
「氣にしないで。その代わり、今度の手紙には感想を書いてね。でも、ニューヨーク滞在中は、私の写真の事なんて忘れて。今日は時間があるの?」

 彼は頷いた。
「学会は、明日からなんだ」

「それはよかった。ホテルはどこ?」
ジョルジアの質問に、彼は少し赤くなって俯いた。
「その先の、パーク・アベニュー・インなんだ」

 ジョルジアは朗らかに笑った。そのホテルは、《アルファ・フォト・プレス》から三ブロック先の廉価なビジネス・ホテルだ。学会の開催されるマンハッタンへは地下鉄を使わなくてはならない。もちろん、会場となっているホテルや、徒歩圏にあるホテルの部屋は四倍くらいするだろう。そう言った事情があるにしても、他のマンハッタンから離れた地域ではなくこのホテルを選んだのは、《郷愁の丘》に滞在した時にこのあたりの事を話したからだろう。

「ベスト・チョイスね。訊かれたら私もそこを奨めたでしょうね。私のフラットからも、私が朝食をとるダイナーからも五分以内よ」

 朝食と聞き、グレッグははっとして言った。
「そういえば、君は、朝食の途中だったんじゃないのか?」

「そうなの。たぶんまだ片付けられていないと思うから、よかったら今から一緒に行かない? とても美味しいアメリカ式朝食が食べられるわよ」
ジョルジアは、彼を《Sunrise Diner》へ連れて行った。

 ガラスドアを開くと、カウンターにいたキャシーが正に片付けようとしていた彼女の皿を見せた。
「ジョルジア、何していたの? ブラウン・ポテトが冷たくなっちゃったからこれは片付けたわよ。今、熱々のをもう一度……って、あれ? その人は、誰?」

 ジョルジアは、いつものカウンター席にグレッグを連れて行った。
「紹介するわ。ケニアの動物学者ヘンリー・スコット博士よ。学会で一週間ニューヨークに滞在するの。グレッグ、こちらはキャシーよ。仲のいい友達なの」
「はじめまして。お逢いできて光栄です」

「ヘンリーって言わなかった? ま、いいか。ねぇ、スコット博士なんてまどろっこしいわ。私もグレッグって呼ぶわね」
キャシーの遠慮のない態度に、彼は戸惑った。

 ガラスドアが再び開き、グレーのスーツを着て山高帽を被った青年と、柔らかいシフォンのブラウスにフレアスカートを着た茶色い髪の女性が入ってきた。
「ああ、ジョルジアがこの時間にいるのは珍しいね」

「ハロー、クレアに、クライヴ。もうあなたたちの休憩時間なのね」
キャシーが手を振った。この二人は、近くの骨董店で働いているイギリス人で、《Sunrise Diner》の常連になっており、ジョルジアとも親しかった。

「おはよう。友達が来たから連れて来たの。紹介するわ。ヘンリー・スコット博士よ」
ジョルジアがそう言ったので、グレッグは慌てて回転椅子から立ち上がり、礼儀正しくまずクレアに手を差し出した。

「ケニアの動物学者で、ジョルジアと私はグレッグって呼んでるのよ。何でだかは知らないけど」
キャシーが補足したのでクレアはニッコリと笑って「よろしく、グレッグ。私はクレアよ」と言った。

「お逢いできて光栄です」
彼は礼儀正しくクレアに挨拶してから、クライヴの方に向き直った。

「僕は、クライヴ・マクミラン、英国人です。この一ブロック先にある骨董店《ウェリントン商会》を任されています。こちらのクレア・ダルトン嬢と同じく今年の一月に渡米しました。この店にはほぼ毎日来ているんですよ。どうぞよろしく」
「お近づきになれて嬉しいです」
「オックスフォードの出身でいらっしゃいますね。なつかしい英語を久しぶりに耳にしました」

 なにが懐かしい英語よ。いつまでも続く堅苦しい挨拶の応酬にキャシーがため息をつく。
「ケンジントン宮殿みたいなのが増えちゃったってことかしら」

 それから、クライヴがクレアとこの店で紅茶を飲む時用にとわざわざ持ち込んだボーンチャイナのティーセットを取り出して、ティーバッグをポットにぽんと投げ込んだ。この十ヶ月で、クライヴの方も、アッサムの茶葉とか、冷たいミルクを先に入れてからとか、そういう細かい事はこの際何も要求せずに、キャシーがティーセットで紅茶を提供してくれる事で妥協するようになっていた。

 それでもいつもならば、お湯は直前に沸騰させるべきだとか、ティーポットが冷たいままだったとか、いちいちうるさい事を言うのだが、今日はオックスフォード出身者同士の内輪の会話に氣をとられていたせいか、キャシーはクレアやジョルジアとの会話を楽しむ方に時間を使えた。

「じゃあ、私は先に店に戻るわね。クライヴ。十時にはスミスさんがお店にいらっしゃるの、忘れないでよ」
クレアは、紅茶を飲み終わると一同に手を振って出て行った。

「あれ。行ってしまった。彼女は、本当にイギリス的で素晴らしい、そう思いませんか」
クライヴはティーカップを傾けながら、グレッグの同意を求めた。

「イギリス的?」
「ええ。レディの資質を完璧に備えている。国外であのような人と出会うのはとても難しい事です」

「悪かったわね。私たちは粗野なアメリカ人で。失礼よね、ジョルジア」
キャシーが言うと、ジョルジアは吹き出した。
「仕方ないわよ。クレアが服装も立ち居振る舞いも、クライヴの好みにぴったり合ったイギリス女性なのは間違いないし、私たちはそうじゃないんですもの」

「服装?」
グレッグは、会話の流れから完全に取り残されていた。その場にいた三人の女性のどこにレディの資質に当たる部分を見出すのか、さっぱりわかっていない様子なので、ジョルジアとキャシーはくすくす笑った。

「まさか、クレアの服装を憶えていないなんていうんじゃありませんよね。ウェーヴのかかった艶やかな髪に似合うあの美しいシフォンジョーゼットのブラウスと、秋の庭のような素晴らしい色合いのスカートを」

 クライヴが言ったのをキャシーが引き取った。
「スカートが短すぎないのがレディのたしなみだって言うんでしょ」

 グレッグは困ったように言葉を濁した。スカートの長さなど、まったく氣にもしていなかったから。クライヴはおかしそうに笑った。
「やれやれ。野生動物を調査する仕事をしている言うから、もう少し観察能力があるのかと思いましたよ。おかげで、私はライバルが増えなくて助かりますが」

 それを聞いてキャシーは小さく呟いた。
「そもそもクレアの服装を憶えているわけないじゃない。全然そっちは見ていないんだから」

 ジョルジアは、グレッグの観察能力を見くびられたようで看過できなかった。素早く周りを見回してから言った。
「誰が一番観察能力があるか教えてあげるわ。ほら、みんな今あそこのウィンドウのところを歩いていく猫を観察して」

 猫は、《Sunrise Diner》の前面にあるウィンドウの前をそのまま横切ると視界から消えた。

 ジョルジアは、カウンターに置いてある注文用の紙とペンをクライヴに渡すと「さっきの猫を描いて」と言った。

 クライヴは、「描くんですか?」と笑いながら手を動かした。縞の数本ある、漫画のような猫が現れた。

「尻尾は?」
「ええっと。あったよな。こんなだったっけ」

「意外と上手いじゃない。もっとヘタクソに描くのかと思っていた」
キャシーは身も蓋もないことを言う。

「グレッグ。描いて」
ジョルジアはもう一枚新しい紙を取ってペンとともに渡した。
関連記事 (Category: 小説・郷愁の丘)
  0 trackback
Category : 小説・郷愁の丘
Tag : 小説 連載小説

Comment

says...
あ、ジョルジア、ちゃんと次の手紙を予約してる。
グレッグのホテル選択もグッジョブ(ベストチョイス?)だし。

でもグレッグ、こんなに個性の強い面々の中に放り込まれて大丈夫?
ジョルジアもまたえらいところに連れて行ったものですね。
一気にグレッグを馴染ませてしまう作戦でしょうか?
一週間しかないし。
ジョルジアの誘いなら絶対断らないし、この際、いい機会かもしれないですね。
一種のショック療法かも・・・。
カッチコチのグレッグの様子が目に浮かびます。

そして、おお!さっそくグレッグの特殊能力が発揮されますね。
ジョルジア、看過できないんだ。
ジョルジアの負けん気の強さは、ひょっとしてマッテオやアレッサンドラと似ている部分なんでしょうか?
キャシーの冷静な観察眼も凄いと思いますが、グレッグの能力を知っているサキは、この後の展開を想像してちょっとワクワクしています。
2017.10.04 12:00 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
更新、お疲れさまでした。

うわ、ジョルジアがすごく積極的だ。まあ、ニューヨークは彼女のフィールドですからね、当然と言えば当然か。

自宅からホテルが近いことをアピールしたり、Sunrise Dinerに連れていくとか、「ロングアイランドで(一緒に)朝食を」って感じの展開になりそうですね、というか、なるといいなぁ(笑)

クライヴ氏にグレッグをバカにされて、ムキになっているジョルジアがすごく可愛いです。でもグレッグには、クレアの服装なんぞより、だれかさんのことしか目に入ってないんでしょうからしかたないですよね。

学会の方は置いておくとして、ニューヨークでデート的な出来事は、期待していいのでしょうか?
2017.10.04 14:59 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

あはは、そうですね。
もう文通を続ける前提で勝手に話を進めていますね。

グレッグは、「偶然でも会えたらいいな」というホテルチョイスがバレバレになったので顔を赤くしています。
彼女の住所も会社の住所も知っていますからね。
一番近いところにしたみたいです(笑)

グレッグは、実は《Sunrise Diner》でショックを受けています。
「ジョルジア、人付き合いは苦手とか言っていたのに、こんなに友達がいる」みたいな感じに。
その話は、もうちょっと後にでてきます。

で、もちろん固まっていますよ。

さて、ジョルジアですが、大事な人のことを悪く思われて黙って居られないのはマッテオやアレッサンドラと似ています。
そのパワーが自分の成長につなげられているかどうかが、二人との違いかなあ。
もっと自分の事に奮起すればいいのに。

キャシー、あいかわらず世話焼きババア・モードになっていますよね。

あ、ここで切ったのは、たまたまちょうど良かったからで、大してすごい展開にはなりません。
なんか「続きはコマーシャルの後で」のような脱力の展開になると思いますが、すみません。

コメントありがとうございました。
2017.10.04 20:05 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

なんせ「会いたいのに、そう言えない」なんてぐるぐるしていましたからねぇ。
舞い上がっているようですね。
グレッグは、こんどは借りてきた猫になっています。

あ〜、「《Sunrise Diner》で一緒に朝食を」はありですが、「ベッドに運んで一緒に」はありえません(笑)
誰かさんがこ存じのヘタレですからね。もうちょっと押せばいいのに!とツッコミまくりの展開が続きます。

ジョルジア、ムキになっていますよね。
本人は全然なんとも思っていないのに。
そもそも、ヤツは話にうまく乗れていません。「スカートの長さ?」みたいな感じですから。
ジョルジアの女っぽさのほとんどない服装との違いもわかっていないし。

あ〜、非常にデートっぽいことはいろいろとしますが……ホンモノのデートにしちゃえばいいものを。ちっ。

コメントありがとうございました。
2017.10.04 20:17 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
ああ、そういうのありますよね。
日本的美人というか。
なんというか。
着物を着ているとかそういう外見じゃなくて。
立ち振る舞いとかコーディネートとか。
そういうところが。
イギリス的美人っていうのもあるのかな。
けどアメリカ的美人ってどんなのだろう。。。
2017.10.07 02:39 | URL | #- [edit]
says...
意外にジョルジアがお姉さんに見えています。でもまぁそうか。ジョルジアがアフリカに行くよりも、グレッグがニューヨークにいる方がハードルは高いというのか、本人の感じる異質感は強いというのか、だからそこに居合わせたもう一人の方は、自然と相手を庇うスタンスになるのかなぁ。まぁ、男女の違いというのもあるのかな。どうあっても、女性の方が順応力は高いし、母性本能もあるし、それになんと言ってもジョルジアは恋と気がついていないにしても、大事な人と認識してるわけだし。
でも、グレッグは頑張ったんじゃないかな? 多分、10年分くらいの勇気と気合いを使い果たしたのでは? だって、ベンジャミンじゃないけれど、わざわざ会社まで来て写真を全て手に入れたいなんて、どんなファンなんだ??ですものね。そう思われる事は承知だったのか、その辺は飛んじゃってるのか(世間一般の感覚とはズレてそうだし)、でもそれよりもジョルジアの写真は全て見たいってのが、何ともいじらしい。

往復書簡、というタイトル、なんか映画みたいと思っていたのですが、一週間もいいですね。やっぱり夕さんの作品はちょっと大人な映画みたいで良いです。手紙、というのがとっても良いですよね。メールは消えていっても何とも思わないものが多いけれど、捨てることのできない手紙はいくつもある。映画なんかで、手紙をやりとりしながら愛や友情を深めていくってのがあるけれど、そういうのにノスタルジーを感じる我々は、やっぱルちょっと古いのかなぁ?イマドキの若者にしたら「?」だろうなぁ。
展開しそうになくても、このぐるぐるはもうゆっくり楽しみまする(o^^o)
2017.10.07 13:32 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こちらにもありがとうございます。

そうなんですよね。
ここにいる三人、それぞれの美しさがあるんですけれど、ある人にはあるタイプの女性が格別美しく見えるということなんですよね。

ここではイギリス的という言葉は、かなりコンサバティブな意味で使われています。

アメリカにもコンサバな女性はいますが、キャシーはチャキチャキの現代っ子タイプですし、ジョルジアの方は女っぽくないジーンズとTシャツみたいな格好しかしないので、クレアのタイプとは違うんですよね。

ちなみに服装の方は個人の好みがありますが、話し方にはイギリス人とアメリカ人の大きな違いが出ると思います。旅先でも言葉を聞くと「アメリカ人かな」「イギリスからきた人かな」と大抵は予想がつきますから。

コメントありがとうございました。
2017.10.07 19:46 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

お体はいかがですか! もうよくなられたかしら。

ジョルジア、歳は五つ年下ですが世話焼いてますね(笑)
グレッグは、イギリスで育っているので、都会が初めてというわけではないのですが、まあ、氣後れしていますね。
ジョルジアは、アフリカではグレッグに何かと頼っていましたから、こちらでは接待を張り切っています。
それに、彩洋さん もご指摘くださっているように、ジョルジアは彼に会えて舞い上がっているのですね。

グレッグは、来るのを決めてからそうとうぐるぐるしたはずです。
「会いたい」と言い出せなかったので、偶然に賭けて近くまで来てウロウロ。
写真集は全部持っているという事実からわかるように、ジョルジアの欲しかったら取り寄せることはできるのです。でも、わざわざウルトラ近くに泊まって、会社にもやって来るのは、「偶々ここにいた」というためですが、でも、実際に会えるとなったら動揺しているように「きっと会えない」と諦めモード70パーセントくらいでやってきたようです。

ジョルジアの写真は、頼めば本人がいくらでも送ってくれるんですけれどねぇ(笑)

章のタイトルは、毎回適当につけています。「往復書簡」も「一週間」も、なんか内容から考えて「そのまんまじゃん」なんですけれど、「いい」と言っていただけて嬉しいなあ。

他の小説でも手紙をだすことはたまにありますが、この作品ほど手紙の重要性が大きいのは書いたことないのですよね。
ジョルジアの方は、技術的には電子通信で問題ないのですが、グレッグの環境が前時代的なので、文通になりましたが結果的により特別な通信になったのですよね。まあ、音楽でもCDは買わない、写真をなぜ枚で数えるのかわからないという平成世代にはわかりにくい感覚なのかもなあとちょっと思っています(笑)

ぐるぐるは鉄板ですが、それにヘタレも鉄板ですが、それなりにあれやこれや……。期待しすぎないようにご期待くださいませ。

コメントありがとうございました。
2017.10.07 21:09 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
ジョルジアのフィールドに入ったグレッグの戸惑いが、じわじわ伝わってきます。
(でもホテルのチョイスは頑張ったね!)
私も、もしも男に生まれたら、グレッグのような不器用なひとだったろうな。
だって、ずっと話してた女性がどんな服装だったか、後で聞かれても全然覚えてないんだもん。覚えてるのは髪型くらいかな。(顔もすぐにわすれる)
そばを通りがかった猫ならきっと、模様をちゃんと覚えてると思うのに。
・・・あ、グレッグタイプだな><

ジョルジアがグレッグのすばらしさを見せようとした最後のあたり、とっても可愛いし、「うん、それだよね」って思いました。
ジョルジアにとってのグレッグの大事さが随所に表れてて、にんまりします^^
2017.10.08 01:24 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
おはようございます。

グレッグ、めちゃくちゃ氣遅れしています。
ホテルの選択は頑張りましたよ。レイチェルはもっと会場に近い高いホテルに滞在しています。
何しにきたのか、グレッグ(笑)

グレッグの映像記憶ですが、こういう能力を持っている人は、遮断しないと脳みそが情報で溢れかえってしまうと思うんですよ。
だから、興味のないものは見ないし、見ないから覚えていないんですよね。
私はこういう特殊能力は持っていませんが、やはり見ないので憶えていません。
以前連れ合いの不在中に訪ねてきた人の風貌を後から聞かれて、髪の色も顔も全部曖昧だったことがあり呆れられました。
「どんな人だった?」
「う〜ん、外国人(つまり西欧人)の男性」
範囲が狭まりません(笑)

limeさんも可愛い猫や、可愛い坊や、ご主人に似ているタイプの方ならきっと忘れないのでは。うんうん。

ジョルジアは、ムキになっています。
ま、グレッグ本人が「そうですね」と引き下がってしまっているのも困りものです。
実はこの人、いろいろなことに地味に傷ついていて、なのに反論出来ない性格のためにますます人と付き合わなくなっているという経緯があるのです。
これまでそれを掬い上げてくれる人もほとんどいなかったので、またいつもの流かと思っていたりするのですが、ジョルジアの行動にかえって驚いたみたいです。

コメントありがとうございました。
2017.10.08 08:25 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
している姿がはらはらする今回のお話でしたが、
その裏で地味に傷付いていたのですね。
疎外感みたいな感じでしょうか?
この、ひりひりするような感受性の強さ、繊細さ、
まさに彼らしいなぁと思いました。

今回、女性を称してイギリス的、アメリカ的、という例えが出てきましたが、
じゃあグレッグは何的なんだろう? ってふと思ってしまいました。
国民性だけでカテゴライズするのはあれなのですが、グレッグってものの感じ方や性格が欧米人というよりは日本人の男性っぽいなぁ、って前々から感じていたんです。
日本人にも外交的な人と内向的な人がいるように、アメリカ人やイギリス人にも、日本人があまり遭遇しないだけで、グレッグみたいに内向的な人って一定数いるのかなぁ、と思いました。それともグレッグは、それを差し引いてもかなり特殊な部類?
これまでは割とジョルジアと二人きりのシーンが続いていたので、今回のお話は
彼をまた別の側面から見れて面白かったです。

グレッグは、二人きりの世界を大切にしそうなので、こういうわいわいがやがやな展開は実は望むところじゃないのかな、なんて心配になってしまいました。
ジョルジア的には張り切って歓待しているつもりんだと思うのですが、すれ違いの原因にならないかしら?
彼女に対して「どうせ……」っていじけなきゃいいのですが……
2017.10.10 02:46 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

おお、たじたじ、伝わりました?
この章までは、グレッグ側からの視点では極力書かないようにしていて、次の章で急に視点が変わるんですけれど、このあっさりめの描写でそれが伝わったのは嬉しいなあ。

で、そうなんです。彼はすぐに「う」と傷ついてうじうじするタイプなんです。
「僕は嫌われているんだ」と判断して後ろに引いてしまうので、ますます人付き合いが下手になる悪循環のまま、ここまで来ています。
逃げずに、少しでも押し返してみると、実はそんなに大したことではない、ということがわかるんですけれど、そのた「大したことなかったな」をあまり経験していないので。

今回のジョルジアが代わりにレシーブして、それに対する(次回更新分の)周りの反応も見て、その「大したことないじゃん」「ここに居られるよ」というのが、少しわかってくるという流れになっています。

欧米人にも内向的な人はいます。が、グレッグは極端ですね。グレッグが日本人に近いという感じを受けられるのは、たぶん彼の生い立ちと人間関係の訓練があまり一般的な欧米式ではないからだと思います。欧米人は、子供の頃からディベート的な訓練を受けていて、言論でチャンチャンバラバラするのが普通なんですよ。で、意見が一致しなくても「人格否定された」とか「嫌われた」とか思うこともなく、普通に付き合っていくんですが、グレッグは子供の頃にずっと一人だったのでそれに乗り遅れてしまったんです。両親にほぼ放置され、慕っていた祖父はアル中で言動が今ひとつ一致せず、隣家まで数キロ離れていたので同年代の友達がゼロでした。

イギリスに移住してからは、遅れを取り返そうと少しは頑張ろうとしたのですが、「アフリカから来た原始人」と囃し立てられて孤立、さらに母親の邪険にされて寄宿学校に押し込められて、ますます自己否定が強くなり後ろ向きが強化されてしまいました。

でも、実は彼は世界とうまくやっていきたいと思っているんです。つまり、ジョルジアとだけ仲良くできればそれでいいとは思っていなくて、だから他の人はいいから二人きりになりたいと思っているわけではないのですね。

ジョルジアの時も、清水ジャンプのつもりで別荘に誘ってみたりしたように、人付き合いがわからないなりに努力はしてみるんです。まあ、適度な距離感がわかっていないので、大抵の人は「なんだこいつ」とドン引きしたり、冷たくしたつもりはなくても軽くスルーしてしまったりして、グレッグは「またダメだった」とウジウジする、ということが繰り返されていたりします。変人ジョルジアのほか、マサイ族の長老なんかは、するっとグレッグを受け入れてしまっているし、誰に対してもめちゃくちゃ面倒見のいいリチャード・アシュレイも適度に付き合ってくれていますしね。

でも、canariaさん、鋭いです(笑)
グレッグは「どうせ……」っていじけています。それが彼の視点がようやく出てくる次の章ですね。

コメントありがとうございました。
2017.10.10 21:49 | URL | #9yMhI49k [edit]

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:https://yaotomeyu.blog.fc2.com/tb.php/1475-ecf7d951