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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】大事なのは

scriviamo!


「scriviamo! 2018」の第一弾です。ポール・ブリッツさんは、私の小説群に出てくる架空の村、カンポ・ルドゥンツ近辺で起こった事件の小説で参加してくださいました。

ポール・ブリッツさんの書いてくださった『命綱』

ポールさんは、オリジナル小説と俳句、それに鋭い書評や愛に溢れた映画評論などを書いていらっしゃる創作系ブロガーさんです。毎年待ち構えたように難しい暴球を投げていらっしゃるので、私は「はははは」と力無く笑うしかないんですが。

参加します。今年はいつものような暴球すれすれの変化球ではなくど真ん中のストレートを投げたと自分では思っているw


さて、いつもはどういう観点で暴球で、今回はどうストレートなのかよくわからない私ですが、とにかく、私の世界で話を書いてくださっているのに、関係ない話を返すわけには行きませんから、結局続き(?)を書くことに。

読んでくださる方のために解説しておきますと、私の小説に出てくるカンポ・ルドゥンツ村は、私が実際に住んでいる村がモデルの架空の村で、ライン河をはさんだ向かい側には少し大きくて外国人が地図を頼りに向かうようなサリスブリュッケという村があります。鉄道駅、スーパーマーケット、それに病院などのある比較的大きい村です。対してカンポ・ルドゥンツにはそんなものはありませんし、外国人が「あそこまで行ってみよう」と思うようなところでもありません。というわけで、ポールさんのところのキャラはサリスブリュッケの病院にいて、我らが村人はカンポ・ルドゥンツのバー『dangerous liaison』で好き勝手なことを喋っているという設定です。

あ、ポールさん、もう一つのは第四弾までお待ちください。すみません。


【参考】
「リナ姉ちゃんのいた頃」シリーズ

「scriviamo! 2018」について
「scriviamo! 2018」の作品を全部読む
「scriviamo! 2017」の作品を全部読む
「scriviamo! 2016」の作品を全部読む
「scriviamo! 2015」の作品を全部読む
「scriviamo! 2014」の作品を全部読む
「scriviamo! 2013」の作品を全部読む



大事なのは
——Special thanks to Paul Blitz-san


 ドアを開けて入ってきたアンリを見て、『dangerous liaison』の常連たちは独特の表情を見せた。水浴びしているところにたまたま現れた鮭を見かけた熊たちか、裏口からこっそり出てきたスーパースターを先回りして捕まえた熱狂的ファンか、追い越し禁止の道で時速200キロで追い越して角を曲がると待っていたパトカー内の警官、その手のニヤッとした笑いだ。

 アンリがこのように迎えられることはあまりない。つまり、彼は珍しくこの村の話題の中心にいるのだ。常連たちは、彼を待ち構えて話を聞き出そうとしている。

「よう、アンリ。通訳の仕事は首尾良く終わったのか」

 アンリは牧場で働く青年だ。数年前に生まれ育ったフランス語圏のスイスから引っ越してきた上に、この地域出身の両親に育てられたおかげでスイス方言ドイツ語とのバイリンガルなのだ。もちろん警察や役所では立派なディプロマを持った通訳が使われる。けれども、そうした通訳というのは時給が非常に高い。ついうっかり一日ぐらい側にいられると、バイアスロンで使うトレーニング用のバイクが買えるほどの金額の請求書が送られてくるので心臓に悪い。スイスというのはそういう国だ。

 アンリがもっと心臓に悪くない金額で一種のボランティアとして通訳をしたフランス人は、どうやらレマン湖畔に城みたいな家を持っているタイプとは違ったようで、アスリートとはいえ大して膨らんでいない財布しか持っていなかった。

「まあね。通訳そのものは大して難しくなかったんだけれどさ」

 アンリは頭を掻きながら、常連たちの席シュタムティッシュに恐々と腰掛けた。『dangerous liaison』では、まあまあ受け入れられているとは言え、村の中心の旅籠では未だによそ者扱いの彼は、普段ならそんなところに腰掛ける勇氣はなかった。でも、今日は、別だ。話の中心にいるんだから。

 そもそもゲイのカップル、トミーとステッフィの経営する『dangerous liaison』は、伝統的なムラ社会の閉鎖性に溶け込めないはみ出し者が集ってくるバーで、常連たちの席シュタムティッシュなどを設けることはしなかった。つまり、空いていれば誰でもその席に座っていいのだ。

 だが、習慣というものは恐ろしいもので、村の常連たちはいつの間にかいつもの同じ席に陣取ってしまう。要するにこの村に滅多にこない人が入ってきてもこの席が空いている確率はせいぜい2%くらいだった。だから、この席は常連からみての常連たちの席シュタムティッシュであって、『dangerous liaison』の常連たちの席シュタムティッシュではない。つまり、アンリがびくつく必要はまったくない。

 バーの持ち主のトミーは、ひらひらとしたオーガンジーのブラウスを揺らしながら、彼の席にパナシェを置いた。あまりアルコールに強くないアンリは、運転する時にはこれしか飲まない。ビールとレモンソーダが半々のドリンクだ。
「何が難しかったのよ」

「相変わらず人生の目標がとか、生き甲斐がとか、その手のことで絶望しているみたいで、今そんなことを言っている場合じゃないということをわからせなくっちゃいけなかったんだ」

 常連の一人、マルコは身を乗り出した。
「つまり、今日の通訳はなんだったんだ?」

 一昨日は、外国人にはなかなか理解しがたい事情をしつこく説明しなくてはならなかった。被疑者が麻薬中毒からのリハビリテーション中に起こった事件のため、その担当弁護士が法的責任の追求を一時停止しリハビリテーションに専念させることを要求し、それが裁判所に認められた事。つまり、被害者が誰の責任により怪我をすることになったのかの判断は少なくとも数年後まで認められず、とりあえず事故として処理するしかないと警察と病院の事務室と弁護士から冷たく言われた事を被害者に説明しなくてはならなかったのだ。

 本人を刺激するといけないので言わなかったが、被疑者は再び快適なリハビリ施設に戻り、三食昼寝プラス最新鋭のテレビ付き個室で彼女も呼び放題という、非常に恵まれた環境を楽しみつつ、次の脱走という冒険に向けて着々と計画を立て始めたことも耳にしていた。

 もっともそれを口にしても、大して反応はなかったかもしれない。フランス人はあいもかわらず「勝つ事しかなかったわたしには、なにが残されているのだ」などとぶつぶついうばかりで、アンリは適当に相槌を打ちつつ、ようやく旅行障害保険の申請をしないといけないことを納得させたのだった。

 その経緯は、もちろんこの『dangerous liaison』で再現されて、おおいに常連たちを沸かせたものだ。だからこそ、エンターテーメントに飢えている常連たちは今日もアンリを待っていたのだ。

 アンリは肩をすくめた。
「保険会社からの返事だよ。まあ、いつものあの文面さ」

『残念ながら、ご申請の件は約款で定める免責事由に該当するためお支払いすることはできません。ご理解のほどよろしくお願いします』

 全員が声を揃えて復唱した。保険会社というものは勧誘するときはどんなケースでもカバーされて安心のように思わせるのだが、いざ支払う段階となると全力を尽くして「払わずに済む」理由をどこからか見つけてくるものだ。

「どこにケチをつけてきたんだ?」
「今回はいいがかりじゃないのか? なんせあの男は肩を撃たれたんだぞ。どう考えても責任は無いだろう?」

 アンリはため息をついた。
「それがさ。それを確実にするために警察の調書のコピーをわざわざ入手して添付したのがまずかったみたいなんだ」
「なんで」

「犯人は、自転車か車を奪おうと人里離れたサリス渓谷のキャンプ場の近くにひそんでいたらしい。で、あのフランス人が通りかかって立ち小便をしたので、これはいいチャンスだと思ったんだけれど、僅かの差で襲うところまでいかなかったそうなんだ。ライフルを持って追いかけていたら警官と話していて、これはもう一刻の猶予もならないと思い、警官が去ってすぐに襲ったそうだ」

 トミーと常連たちは首をかしげた。
「それのどこがまずかったんだ?」

 アンリは肩をすくめた。
「立ちションだよ」

「はあ?」
皆は一様に声をあげた。確かにスイスではトイレ以外の公共の場で排泄することは禁じられている。だが、それと保険となんの関係があるというのだろうか。

「保険会社の理屈によると、これは『自らの犯罪行為がその損害との因果関係を持つ場合は損害補填はしない』と決めた免責条項にあたるんだそうで」
「ははあ。なるほど」

 それがこじつけだろうとなんだろうと関係ない。とにかく保険会社はびた一文払わないと固く決めているということだ。

「で、フランス人はどうするって?」
マルコは訊いた。

 アンリは日本人のような曖昧な笑顔を見せた。
「この後に及んで『勝つことができなくなった今、わたしはこれからどうすればいいんだ』とか寝ぼけたことを言っていて……」

 それを聞いて常連たちは思わず吹き出した。
「笑い事じゃないでしょ」
トミーが釘を刺した。

 マルコは言った。
「その御託を言っている時間ですら、どんどんメーターが上がっていることは指摘してやったのかい」

「もちろん。この手紙をもらったってことは、とにかく一刻も早く退院しないと破産するんだよって小学生でも理解できるフランス語で説明してやったよ」

「で?」
「ようやくどのくらいかかるのかということに興味が湧いたみたいだ」

「なんていってやったんだ」
「フランスの田舎なら家が買えるくらいの手術代は別にして、こうしているだけで日々パリのちょっとしたホテルのスイートに泊り続けるくらい高くつくって言った」

 一同はまたゲラゲラ笑ってトミーに睨まれた。
「で?」

「一刻も早く退院する方法を教えて欲しいって」
「ほう。さすがに少しは現実的になったんだろうな。で、このあと、もしかして退院のための送迎か?」

 アンリは、それからため息をついて、トミーに言った。
「トミー。もう一杯くれる? 今日はもう行かなくていいんだ」

「ええ? 退院しないことになったのか」
一同は驚きの声をあげた。

 アンリは大きなため息をついた。
「看護婦が入ってきてさ。手を握って『そんなに急いで出て行かなくても』みたいなことを言ったら……簡単に意見を変えちゃって」

 一同は、頭を抱えた。
「だめだ、こりゃ。フランス人っていうのは、これだから」

(初出:2018年1月 書き下ろし)
関連記事 (Category: scriviamo! 2018)
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Category : scriviamo! 2018
Tag : 小説 読み切り小説

Comment

says...
執筆、お疲れ様でした。

えっと、久しぶりの重箱の隅を(笑)
「この席が相手いる」→「この席が空いている」かと。

ポール・ブリッツさんの掌編の続き、楽しませてもらいました。
革命軍大元帥氏は必死の様相なのに、かたや『dangerous liaison』の面々は井戸端会議のネタでしかないんですね。なんか気の毒というか、でも笑っちゃうというか、このへんのさじ加減がお見事です。

しかも、保険会社の言い分がもう、爆笑もので。でも、いざ自分が請求したときにこういうことで保険金が出なかったら、ほんとショックだろうなぁ。約款、見直しとかないとな(見ないけどw)

で、最後はそのオチなんですね。革命軍大元帥氏、白衣の天使(?)にメロメロですけど、高額な入院費は払えるんですかねぇ。
2018.01.05 12:49 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
おはようございます。

きゃああ、またやってしまった。
本当にありがとうございます。助かります。

いやあ、私はスポーツのことにはまったく詳しくないし、革命軍大元帥のことにはもっと詳しくないので、そこに触れるのは危険ですしねぇ。
で、こういうことが起きた時に、村ではどうなるのかなと言ったら、まあこういうことなんですよ。
スイス人ってあまり有名人に「すごいですね」的な関心を寄せない人達で、だから放っておいて欲しい方たちがこぞって豪邸を作ったりするんですけれど(もちろん税金対策でもありますが)、この手の自負の強い人にはあまり嬉しくない国なんじゃないかなとちょっと思いました。

保険会社の言い分には、我々はいろいろと苦しめられていますよ。
とにかく払いたがらないので。
日本の保険会社はそれでも良心的なんじゃないでしょうか。
まあ、ともかくスイスでは「立ちション」とか「野の花を手折る」とか安易にやらないことをお薦めします(笑)

ちなみに私の設定では(現実でも多いのですが)この看護婦は外国人です。
だから「革命軍大元帥」氏を知っていたのかも。もっとも、だからといって本当に惚れてくれたかというと疑問ですね。
もちろん支払いも関係ないと思いますし。彼が現実的になって生活を立て直せることを期待しつつ。

コメントありがとうございました。
2018.01.06 08:24 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
ファルスになってしまった(笑)

うーん、スポーツは鬼門でしたか。できるだけ書きやすいように、当たり障りのないところから接触するつもりでしたが(汗)

来年はどういうふうにアンテナを伸ばせばいいんだろう……(汗)
2018.01.07 04:24 | URL | #0MyT0dLg [edit]
says...
おはようございます。

えっと、ファルスって、この場合どういう意味なんだろう。

別に何で書いてくださっても構わないのですが、このお話の場合は、他に返しようがなかったです。
第一に、医学的にこのアスリートが復帰できるかどうか全然わかりませんし、第二にこの方の思考回路は少し特殊なので近くで描写するのは別人になってしまいそうで危険でしたから。

それに、カンポ・ルドゥンツ村周辺やスイスのことを書くとなると、どうしても譲れないことが多いんですよ。この辺のことは日本語で書かれた資料が少ないので資料になさる方もいらっしゃいますし。つまり適当に面白い話を書く訳にはいかないのです。
それで、現実にこういうことが起こったら、この国、この地域ではこうなる、というストーリーにどうしてもなってしまうんです。

まあ、スポーツ、アーミー、技術、医学、スパイものなどは確かに苦手です。読むのが嫌いなわけではないですが、知識がなさすぎて何を書いていいのかすらわかりません。でも、別に私に合わせる必要はないと思いますよ。単純に、私がそういうものを返すことを期待しないでくだされば。

というわけで、次回もぜひ普通にご参加くださいね。って、来年もやるのか、私。

ご参加ありがとうございました。
P.S. プランBの方、もう少しお待ちくださいね。
2018.01.07 11:41 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
なるほど、いきなり「通訳」の登場で切り返すあたり、さすが夕さん、視野が広いなぁって感心しながら読んでいたのですが、読みながら、なるほど、と思いました。
昨年私もアフリカの地図を見ながらやっちゃったけれど、地図上の距離と現実の困難さには開きがありますよね。うちもそうですが、地図上では大きな町まで大した距離じゃないように見えても、バスが1時間に1本で大回りするとなると、現実の移動時間やそれに伴う困難はその場所にいないと分からないという。特に気候が違うところは……何年か前、冬の札幌から釧路に移動したときも「こりゃいかん!」と思いました。スイスとは違うんだろうけれど、冬の厳しいところは本当に大変ですよね。西日本はそういう意味では平和だわ……
そして、住んでみないと分からない、生活上のあれこれ。特に医療制度や禁止条例などは、まったく気をつけなくちゃですよね。道にものを捨てたら罰金とか、日本では大丈夫なものでも海外では持っていたらだめとか、医療費なんて、日本にいると分からないくらい高額だし。
そんな状況があれこれ分かって面白かったです。

scribiamo! ほんと、大変ですね。でも夕さんの世界の広さを感じる素敵な機会です。
2018.01.08 05:11 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
これは!あのシリアスなポールさんの作品の続きとは思えないほどのコミカルな作品に仕上がっていますね。確かにファルス(笑劇)だ。
舞台装置や登場するおっさんども、それにちょっとした比喩もとても面白い。
保険会社からの文面を全員で声を揃えて復唱するシーンなんか、シーンを想像しながら笑っちゃいましたよ。最高です。
でも理不尽なことが起きるんですね。人権の保護も程度の問題かと思いますよ。
そしてあの立ちションシーンから、よくこんな風な設定を思いつけるなぁ。
保険会社に逃げられた上に、医療費がそんなにかかったらおちおち怪我もできませんね。
スイスって怖い!(でもこれが正確にコスト計算された結果なのかな?)
日本の皆保険はなかなか優れた制度なのかも・・・。
もしまた欧州に行くことがあったら旅行保険に忘れずに入らなきゃ。
ついにゲクランさんまでフランス人になってるし(あ、もともとフランス人か)。
看護士さんとのロマンスだけは予想通りでしたけど、これもなんだか勘違いのような・・・。
とにかく面白かったです~。
2018.01.08 11:24 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんにちは。
さっそく第一弾!

わあ、すごいなぁ、ポールさんのシリアスなお話が、
また違う感じに料理されてる!

主人公の革命軍大元帥氏が話の中心にいるにも関わらず、
こちらでは蚊帳の外というか場所を同じくしていない見せ方が
うまいなぁ、と思います。

それにしても、革命軍大元帥氏、見事に「免責事由」に
抵触してしまったのですね。
不運だなぁ、こういうところに地域性が活かされていて
なるほどど唸らされました。

本家ではどちらかというと質実剛健なイメージの強い革命軍大元帥氏
でしたが、こちらではどこか憎めない感じに仕上がっているのも
いいですね。
救いがない感じもするんだけれど、最後の最後で
ちょっとおいしいおこぼれに預かれたところに、
夕さんの優しさを感じます(笑)

体調が落ち着かれたようで安心しました!
このままブログを閉じられたらどうしよう、なんて一人で
勝手に怯えてました///
よかった〜
ご無理はなさらないでくださいね。
執筆お疲れさまでした!
2018.01.08 12:57 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

そうですね。フランス人が旅行がてらトレーニングでここに来るって、ちょっと唐突かなあと思ったんですよ。そういう距離じゃないですから。ポールさんは、フランスのアルプスは危険だからとおっしゃっていますが、だったらフランス語圏のスイスにいくらでも越えるところがあるわけで(笑)
だから、わざわざここまできたら「通訳」が必要になる話を書きたくなるワケです。ドイツ人にすら吹き替えなしにわからない方言をフランス人がわかるワケないので。

こちらにきてから面白いなと思ったのは、日本で日本語に吹き返されている映画などを見てもわからなかったんですが、原語で聴くと英語だけでなく、ドイツ語やフランス語やイタリア語をそれぞれの系統の人間が普通に喋っていて、それが通じたり通じなくなっているのが普通に表現されているんですよね。実際にそういう世界に住んでいるので、単一言語、単一民族、単一の認識(例えばこの人のことは皆知っているとか)の通用しない世界が、私にとってのデフォルトの世界になったんだなと感じます。

そういえば、ネットで見ましたけれど、旭川に住んでいる人が「東京人が札幌に遊びに行くからという逢いに来い」と簡単にいうと困っているという話、わかるなと思いました。そういう距離じゃないってって(笑)遠くに住んでいると、感覚が鈍くなるというのはよくわかります。地図だと数センチですし、「そこ直進できない」というのもよくわかりませんものね。

それに、制度の違いは本当に面白いテーマだと思います。
医療保険、傷害保険などもそうですけれど、たとえば電車賃や外食の値段などだけでも日本の「当たり前」は通用しないことも多いですよね。
反対にスイスでは中学生が駅前でふかしている大●を日本でポケットにいれていたらそのまま逮捕ですし。
そういう意味では比較して掌編に書くテーマはいっぱいあるのかもしれませんね。

「scriviamo!」始まりましたが、今の所あまりパニックにならないペースで書けています。今年もこのまま乗り切れると嬉しいのですが。

コメントありがとうございました。
2018.01.08 15:39 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

ああ、ポールさんのいうファルスって、そのファルスですか。

本人がシリアスになればなるほど、周りはちゃかす。困ったものですけれど、現実社会もこういう感じですよね。

そして、今回私が使ったいくつか「犯罪者の人権保護」「保険会社の出し渋り方」「軽犯罪に対する容赦のなさ」などは、現実に私がよく感じることをネタにしています。

医療費は本当に高いです。それにみな速攻で退院させます。心臓の手術をして二日後に退院させているくらいです。でも、のんびりいたら破産するかもしれません。
ちなみに私は日本にいた時よりもたくさんの健康保険の掛け金を払っていますが、それでも年に数回しか医者に行かないため年間医療費の総額が保険適用分にいつも届かないので「全額負担」です。医者の顔を見るだけで二万円くらい取られるので風邪引いたくらいでは医者にいけません。

だから、ポールさんの作品を読んだときの私の最初の感想も「外国人か。いくらかかるのか」でした。本当に「生きがい」とか言っているような場合じゃないんですよ。反対に、犯罪者の方は、いくらでも刑務所に入っていたいぐらい快適らしいです。日本のビジネスホテル並みには快適みたいですし、食事運動テレビつきで全てタダですし。軽度な犯罪では週末外出なんてのもあるらしいですよ。

でも、こんなことばかり心配するのは、やはり私が日本人だったり、ドイツ語圏スイス人にそういうことを氣にするタイプの人が多いからだと思うんです。ゲクラン氏をはじめとするフランス人やラテン人は、そんなこと氣にしていないような。というわけで、こういうラストにしてみました。

コメントありがとうございました。
2018.01.08 15:55 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんにちは。

いや、まともに正面から勝負しても、ああいう世界はさっぱりわかりませんから歯が立ちませんし。
アスリートの世界も、その精神世界も、下世話な問題を全て棚上げした上澄みのようなところが問題になっていると思うのですが、庶民にとってはその辺のことは結構どうでもよかったりするんですよ。一人の人間の生きるか死ぬかの問題も、ビールのつまみみたいな存在だったり。
全然よろしくないと思いますが、現実はこうだよなあと思います。

でも、「立ちション」問題はですね。
ポールさんがわざわざそういう描写をしたところでフラグが(笑)
もちろん「それのどこが悪い」というところがポイントなんです。
思ってもいない価値観の違いに足をすくわれる。だから海外で「何が悪い」は鬼門です。

さて、体調なんですけれど、ご心配おかけしてすみません。
でも、眩暈で嘔吐は初めてではなかったんですが、生まれて初めて眩暈で氣を失うというのを体験しましてちょっと怯えてしまいました。
多分もう大丈夫だと思いますけれど、いきなり更新が途絶えたら「そうかも」と思っていただければ。
(おいおい、ですが)

もともと無理は全然しないヒトですが、そうでなくても無理の効かない年齢になってきているようです。
ブログもやれるうちに楽しんでおかねば。

コメントありがとうございました。
2018.01.08 16:17 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
このscriviamo! の真髄を見せてもらったような気がします。
私だったら逃げてしまいそうなお題でも、夕さんはちゃんと自分の世界に取り込んで打ち返してしまう。
そして、物語を通じて、日本人の知らないヨーロッパの常識、感覚、法律なんかもいっしょに学べるという……。
私が外国を舞台にした物語を一切書かないのは、知識が無いからなんですが、前にセミナーで先生から聞いた限りでは、それは正しい判断だったようです。
いくら調べても、やはりそこでの生活を知らなければ、ん?と思う事が出て来てしまいますもんね。
通訳の値段がそんなに高いというのも驚きです。
じゃあ、けっこういいバイトになりますよね。アンリ。

いろんな変化球にどんな球を打ち返すのか毎回楽しみなのですが、今回も堪能しました。
楽しい会話のやり取りに、なんだかすごくほっとしてしまいました^^
2018.01.09 17:12 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
こんばんは。

毎回、困ってしまうんですよ。
ご存知のように私は守備範囲が狭い上、ポピュラーなジャンルにことさら弱いので。
ポールさんは超初心者用ボールを投げてくださったおつもりみたいなんですが、私にはやっぱり難しかった……。
で、結局、自分の書けるものしか書けないなという結論になりました。

この辺りのことを書くのは、あまり怖がらずにできるんですが、例えば「ニューヨークの異邦人」シリーズは、毎回ビクビクしながら書いています。ニューヨークは二十年くらい前に一週間行っただけですし、以前よりはアメリカ人の知り合いも増えたとは言え、アメリカの知識は少ないですし。ネットで調べつつ、裏の取れないことはぼかして書いたり苦悩しています。

それでも、私にとってはたとえば関西を題材に書くよりはリスクが少ないかなと思っていたりします。
読みながら「はあ?!」と思われる方の絶対数が違いすぎますから。

スイスの正規の通訳は高いですよ。以前、文書の通訳のボランティアをしたことがありますが、本当の通訳に翻訳をお願いするとA4一枚で数万円だそうです。アンリはボランティア的にやったのですけれど、こちらでは時給がたとえ掃除夫でも日本円にすると2500円を下回ることがないので、まあ、そんなものでしょう、きっと。でも、破産してまとめて踏み倒されたりして(笑)

いい感じにみなさんバラけて参加してくださっているので、焦らずに書いています。
頑張りますので応援してくださいね。

コメントありがとうございました。
2018.01.09 21:30 | URL | #9yMhI49k [edit]

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