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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

フルコースと器の話

さて今日の話題は、料理と器の話です。といっても、今はやりのインスタ映えを目指した記事ではありません。

日本の都会では、特別な食事というのは、料理が得意でもてなし上手の方でなければ、外出がメインだと思うんですよ。安くておしゃれなレストランがいくらでもありますし。

でも、私の住んでいるところでは、そうもいっていられない事情があります。主に店と交通機関の問題です。美味しくてリーズナブルな店が徒歩圏にないんですよ。で、たとえば州都に行くとなると終電は夜の八時ですから。近くの割と大きな村でも徒歩で向かうと三十分ですし、真冬は酔い覚ましなどというレベルではなく、凍えます。

というわけで、日本にいたときはさほど家での客のもてなしをしなかった私も、何かともてなしの料理を作るようになりました。

さて、ノーアポの客はともかく、ちゃんと招待した客をもてなす場合は、一応のフルコースを作ります。と、いってもワンオペな上、客がいるときは料理ができない(テーブルについて会話をしているべき)なので、客がつく前にほぼすべての準備が終わる料理を用意します。いかに簡単で、さらにいうと労力に見合う賞賛が得られそうな味と見栄えになる、そんなテーブルを用意できるかがポイントになります。

フルコース 2018 春 前菜

今年のイースターに義母を招いて三人で食べた時は、こんな前菜で始まりました。下に引いている梅形のお盆はプラスチック製です。日本に帰る方にいただいたものだと思います。結婚当時に持ってきた七宝の皿に春の味覚アスパラガスの生ハム巻き、二年前に日本で買ってきたお猪口にプチカプレーゼ、奥にはタコとキュウリとパプリカのマリネをお吸い物の蓋に入れています。その隣は100均ショップで買った四角いプチ皿にチーズとソースで固めて焼いたエビスパゲティを入れてみました。

イースターなので、ニワトリのようにデコレートしたゆで卵をのぞかせたグリーンサラダを添えましたが、義母は高齢なのであまり量が多いと「メインが食べられない」ということになるので、ミニサイズです。

一つ一つはすべて一口サイズなのですが、器や作り方などの話でゆったりと食事が進むので、なんとなく豪華に食事が出てきたと思ってもらえるようです。それと、「これは食べられない」ということになった時に、たくさん種類があれば空腹のままメインを待つこともなくなりますし、残った皿を誰か(大抵連れ合い)が片づけてくれます。

フルコース 2018 春 メイン

さて、メインはシンプルな白いお皿で出します。というか、私はあまり食器をたくさん持たないようにしていて、どんな組み合わせでもちぐはぐにならないように、白かガラスしか買わないことに決めているのです。あ、小皿や盃の類いは色物を買います。

温かいままサーブしたい、でも、前菜を食べている間は料理に立てないということで、メインと付け合わせはオーブンに入れて保温できるものに限られます。

今回は、復活祭がテーマでしたから、仔羊にしました。ラムラックのパン粉焼きは何度も出しているので、今回はロースをバルサミコソースで出しました。そんなに手が込んでいるようには見えませんが、実は24時間ソミュール液に浸し、その後四時間オイルで低温調理をするコンフィにしたものに焼き色をつけてあるのです。(ソミュール液やコンフィって何? って話は今回は省きます。長くなりますから)

付け合わせの新じゃがは洗ってローズマリーと塩それにオリーブオイルをまぶしオーブンに突っ込んだだけのもの。にんじんはスープ、砂糖、バター、ワインで煮ました。ほうれん草は大好きなバター炒め。調理法は簡単でも三色くらいあると「まじめに付け合わせを作った」という感じになります。

フルコース 2018 春 デザート

で、デザートはアイスクリームだけ、という手もあるのですが、今回は「これでもか」という外見にしました。もっともちゃんと作ったのはパンナコッタだけ。かかっているのは自家製のラズベリーシロップです。イースター用に売られているウサギチョコレートと、小洒落たアソートチョコの間にオレンジを飾って色合いを整えました。ミントも買ったのですけれど、状態が悪かったのか当日はしおれた感じだったので却下しました。

使った器は、ちょうどパンナコッタを置いたあたりにカップを置く窪みがあるもので、お茶と一緒にクッキーなどを出す時に使うものみたいです。

フルコースを考える時は、どの皿をどんなときに使うのかを計画しないと、「あ。おのお皿は前菜で使っちゃった」ということになります。

私は食べることや料理自体は好きなんですけれど、人生の中で何に時間をかけたいかというメインに家事はないのですよ。だから、いかに効率的に、それらしくこなせるかを考えます。外国の方は料理に関して「器」というものをあまり考えないようなので、少しでも努力すると「おー、ジャパニーズはすごい!」的な賞賛を得られるので、励みになります。
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Category : 美味しい話

Comment

says...
ああ、まあ。
家庭でコース料理は結構・・・というか。
手間ですよね。
海外だと、国土が広くて、店は少ない。
わざわざ首都圏まで行くのは手間。
だったら、家でコース料理を食べるのが自然ですよね。


私もコース料理は作ってみたいと思うのですけどね。
そこに時間はかけらないので。
家事に時間かけることで幸せの人もいるかもしれないですけど。
家事で幸福を感じる人は少ないですからね。
私もそうですし。
家事に幸福を感じないのであれば。
家事は最小限に限ります。
( 一一)
2018.04.22 13:47 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

ご無沙汰して、すみません。

そうですね。国土は狭いですが、美味しいレストランは少ないですね。
あ、すぐ近くに国で最も有名な超絶美味しいと噂のレストランがあるんですけれど、一年先まで予約は取れないし、そもそも払えるような値段ではありません(笑)

うちはノーアポの客も多いので、何かを食べさせることは多いのです。ただし、そういう客は「あるものを食べてくれ」というスタンスなので前菜やデザートは期待しないでもらっています。
わざわざ日時を指定して来ていただく時には、それよりもちゃんとしたものを出しますね。
ただ、日本料理ほど手の込んだものは出しません。「二度と嫌だ」と思うほど大変な思いをしても、実は喜んでもらえる具合はさほど変わらないと思うので。

私の考え方では、おもてなしは家事には含まれません。やりたくない方は「外食オンリー」で構わないんじゃないでしょうか。家事はそうはいきませんけれど。家事はルーティンワークですから、効率的に楽しくできることが肝要だと思います。

コメントありがとうございました。
2018.04.22 18:09 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
すごーーーい!!素敵!!!
日本の家庭のおもてなしで、コース料理は
よほどのセレブでなければ
あまり考えられないと思いますけど
そちらではフルコースを供するのが普通なんですか?
なんか文化の違いを感じますが
それをこんなに完璧にこなせるなんて!!!
すごすぎます!!!

ああ、夕さん家にお邪魔してフルコースを振舞っていただけたら
どんなに素敵かしら???!!
きっと一生無理だと思うから今晩、夢でご馳走していただけるよう
念じてから寝ることにします(人^^*)v-238
2018.04.23 16:15 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

と、と、と、とんでもないっ!
かじぺたさんの普段の夕食の半分も労力は使っていませんよ!

私、家事は全く得意ではなくて、いかにはしょるかをポイントにしているくらいなんです。

我が家ではノーアポできた時には、一品しか出しません。
コンビニとかないですし、店も六時半で閉まってしまうのであるものでなんとかするしかないですから。

で、一応招待した時は、前菜とメインとデザートくらいは出します。
ただ、サラダとスパゲッティとアイスクリームでもいいんです。
日本のおもてなしに比べるとずいぶんと楽だと思います。

しかもですね。
日本だと、ご主人がずっと会話をしていて、奥さんは台所に籠もりっぱなしでもOKな部分ありますよね。
こっちだとそれはまずいんですよ。
つまり夫婦揃って食卓に座って会話しなくちゃいけないのです。
そっちの方がメインなのですね。
だから、それのためなら、料理が適当でも許されるってことなんですよね。

わかりやすいのがチーズフォンデュで
メインはパンとチーズとワインだけなんです。

おもてなしに関する考え方の違いを感じますね。

というわけで、かじぺたさんがスイスに遊びにいらっしゃる時には是非お声をかけてくださいね。
我が家で、おしゃべりメインのご飯を楽しみましょう!

コメントありがとうございました。
2018.04.23 20:27 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
手料理でおもてなしをするのは大変そう…
でも盛り付けもきれいだし
十分インスタ映えもしそうに見えます

スイス(ヨーロッパ)ではきれいに盛り付けるのは
芸術にならないんでしょうか?
私も盛り付けは適当な方なので
人のことは言えないのだけど…
2018.04.25 12:40 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

スイスは、日本ほど「おもてなし料理」と普段のメシが別れないようですね。
ドイツやポルトガルもそうでしたね。
たぶん、あんなに豪勢にするのはアジアだけなのかも。

私のではインスタ映えにはほど遠いですが、(日本の凝っている方たちのレベルがすごすぎる)
スイスの田舎で賞賛を浴びるくらいは楽勝です。
なんせ客にパンとチーズとヨーグルトで終わり、もありな国なので(笑)

コメントありがとうございました。
2018.04.25 19:26 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
 凄い。金取れるレベルじゃないですかぁ。料理の上手な女の人はもうそれだけで素晴らしいです。おーい、何処かにいね゛がー。
 わたくし、料理なんてものはほぼ出来ません。自分の餌なら作れますが、人にはとてもとても。そこで考えた。わっと驚かせ、失敗が無く、手軽で安上がり。炊き込みご飯ですよ、炊き込みご飯。
 でっかい炊飯ジャーに米と具材(鯛丸ごととかがインパクトでかい)と出汁の素、醤油、塩、コショウ。後はスイッチを入れるだけ。後は勝手に召し上がれ。

PS:前菜は梅干のみとかすると反応が面白いですぜー。ゲヘヘ・・・
2018.04.29 00:41 | URL | #eRuZ.D2c [edit]
says...
こんばんは。

いやいやいやいや。お金は頂戴できないでしょう、この程度では。あ、日本では。スイスならありかも。
もっともスイスは、見栄えや味よりも別の基準が重視されているらしく、別な意味でスイスでも無理かも。

料理は、決して上手ではないですけれど、でも好きですね。
あれこれ試して、「こんなものを私ごときが作れるとは! こんなに簡単だったんだ」と驚くのが好きです。
それに実用という意味では、「年に一度、すごく豪華で見栄えがよくてめちゃくちゃ美味しいものを作れる人」より、「適当だけれど、毎日ちゃっちゃと、そこそこの味を手早く作れる人」の方が、使えるかもしれません。(連れ合いの意見)
しかし、ご自分のお食事と、炊き込みご飯が作れるのに、ご飯を作ってくれる女性を求めていると言うことは、きっと求めていらっしゃるレベルがとてつもなく高い(笑)
炊き込みご飯は、いいですよ。栄養もそこそことれるし、美味しいし、簡単だし、洗い物も増えない。最高です。
最近の炊飯ジャーって、鶏のまるごと、入るんですね。
美味しいだろうな。って、それは男性が作るから賞賛を受けそうな。女性が最初のおうちデートで、そんなの出したら、ドン引きされません?

前菜は梅干しで、デザートはおせんべい?

コメントありがとうございました。
2018.04.29 17:23 | URL | #9yMhI49k [edit]

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