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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】郷愁の丘(14)期待と絶望

「郷愁の丘」の続きです。前回はイタリアに秋の休暇旅行に来ていたジョルジア視点でしたが、今回はケニアの《郷愁の丘》にいるグレッグ視点です。

そもそもこの小説を書いていた時点では、ここでようやくグレッグの考えていることがはっきりとわかるという仕組みになっていたのですが、なんだか外伝をガンガン発表しすぎて、それをお読みの読者には情報ただ漏れになってしまいました。ちょっと反省。

ジョルジアが《郷愁の丘》に滞在した時に、マサイの集落に行ったことを憶えていらっしゃいますでしょうか。長老がマサイ語で何か言った意味をジョルジアが質問しました。それに対して彼はわからなかったフリをしたのですが、もちろんバッチリわかっていました。今回はその言葉のことも出てきます。

今回のシーンは、いつもなら二回に切る長さなんですけれど、内容的におそらく読者の皆さんの眼が宙を泳ぐことと思いますので、一回でさっさと終わるように発表します。


郷愁の丘「郷愁の丘」を読む
あらすじと登場人物




郷愁の丘(14)期待と絶望

 彼はスマートフォンを持って部屋から出てくると、キッチンの窓のところに差し出すようにしてメールをチェックした。今日の電波状態は決して悪くはなく、さほど時間がかからずにメールチェックは終わった。新しいメールは一件もなかった。

 彼は、諦めきれずに再読み込みを試みたが、同じことだった。彼は画面をうつろに眺めた。最後のメールを送ってからもうじき二日だ。ケニアのサバンナとは違って、イタリアには二十四時間以上電波が上手くつながらないところなどないだろう。

 彼女が返信しなかっただけだ。メールではなくて、ニューヨークに戻ってからまた手紙を書いてくれるつもりなのかもしれない。イタリアの親戚と楽しい時間を過ごしていて、僕のメールをまだ開いていないのかもしれない。それとも、土壇場になって旅行をキャンセルしたくせに、いい氣になってつまらないことを書いた僕に対して苛ついたのかも。

 彼は返信済みアイコンのついているジョルジアからのメールの件名をそっと指でなぞった。たとえメールを読んだとしても、返信しなくてはならない義務はない。

 一年半続いている彼女との文通はいつも郵便だった。彼は、彼女の手紙が届くと急いで開封し、何度も読んでそれからその日のうちに返信を書いた。可能ならばすぐに、それが駄目でも翌日にはイクサまで行って投函した。彼女の返信が届くのを心待ちにして、一週間ほど経つと用がなくてもイクサヘ行き私書箱を覗いた。

 大学や役所からの郵便物を取り出しながら、ニューヨークからのエアメールが届かないことを恨みに思ったりはしなかった。それから何日もしてようやく彼女の筆蹟で宛名の書かれた封筒が見えると、あふれそうになる笑顔を抑え急いで車に戻った。十日以上待つことが出来たのだ。その前は、手紙どころかもう生涯関わることはないと思いながら彼女の写真集や雑誌に掲載された写真を眺めていただけの時期もあったのだ。

 ジョルジアに初めて逢ったのは、三年前の春だった。リチャード・アシュレイが「マサイマラでの仕事を手伝ってほしい」と、いつものようにこちらの都合もお構いなしに電話をして来た。アメリカから来た写真家の撮影をオーガナイズする仕事だが、マサイ族の子供の写真を撮りたいので長老と話を付けてほしいというのだ。

「いつ頃?」
講義が始まる頃なら、それを理由に断る事が出来ると思った。だが、リチャードは笑って答えた。
「明日だよ。大学は春休みだから問題ないだろう?」

 彼は断る口実を見出せなかったので、仕方なく出かけた。リチャードは、マディの夫であるアウレリオの親友であるだけでなく、オックスフォード時代から付き合いのある数少ない知人の一人で、研究のためにナイロビの役所や企業と面倒な交渉をする時に力を貸してほしいと彼が頼める唯一の存在だったから。

 行ってみたら、その写真家が女性だったので驚いた。といっても、彼が苦手な女性らしさを前面に押し出したタイプではなくて、飾り氣がなくデニムの上下をあっさりと着ている静かな人だった。誰とでも五分もあれば親友のように話しかけるリチャードに戸惑っているようで、時おりその話を聴いていない素振りさえ見せた。彼のイメージしたアメリカ人とはずいぶんかけ離れていた。

 リチャードが郵便局に寄った時に、車の中で二人だけになった。口数は多くないけれど、話していて心地がよかった。多くの女性は面白みのない彼を敬遠するか、曖昧に言葉を切ってつまらなそうに顔を背けるが、彼女はずっと彼との会話に興味を持ち続けてくれた。写真を撮るときの情熱に満ちた集中力、アテンドに対する心をこめた感謝の言葉など、彼には爽やかで好ましい印象が残った。

 《郷愁の丘》に帰ってから、シマウマとガゼルのグループが川を渡るところをスケッチしていた時に、そのアメリカ人女性と調査について話した事を思い出した。それから、彼女の印象的な笑顔についても。彼は、いつもの通りに記憶に基づきそれをスケッチブックに描いた。

 スケッチブックに彼女の笑顔が再現されたのを眺めて、初めて思った。ずいぶんきれいな人だと。少年のように構わない服装と、押し付けがましさの全くない空氣のような印象だけに氣をとられていたが、その先入観を取り除いて思い出すと、柔らかい物腰と優美な立ち居振る舞いが浮き上がってくる。そして、短い会話の間に、彼は一度もストレスや怖れを感じなかったことも。

 こんな人がいるんだ。彼は、初めて彼女を女性として意識し、もう二度と逢う事のない彼女を理想の女神として空想する事で、一人きりの単調な生活を彩りあるものとするようになった。ティーンエイジャーが、アメリカンフットボールのスター選手に憧れるように、もしくは映画スターのファンになるように、彼はたった一度出会ったアメリカ人フォトグラファーとスケッチブックに彼が描いた笑顔をいつの間にか崇拝するようになった。

 彼女の所属するアメリカの出版社《アルファ・フォト・プレス》に手紙を書き、あの時撮っていた写真集『太陽の子供たち』を購入し送ってもらった。それから発売されている他の写真集も次々と取り寄せて眺めた。彼女がアメリカで『フォトグラフ・オブ・ザ・イヤー』に入賞したことは、リチャード・アシュレイに知らされる前に、《アルファ・フォト・プレス》から定期的に送られてくる広告入りニュースで知った。彼は、雑誌《アルファ》の受賞特集号を取り寄せた。作品はたくさん持っていたけれど、彼女の映った写真を手にしたのはそれが初めてだった。

 去年の春に、調査のことで頼みがあってリチャードに連絡する必要があった。彼はもともとナイロビに出て行くつもりはなく、電話で話を終わらせたいと思っていた。けれども、二日後にまたジョルジア・カペッリが彼の事務所を訪問すると聞き、わざわざその時間帯に合わせてリチャードの事務所ヘ行った。もしかしたら、彼女の姿を一瞬だけでも見ることができるかもしれないと期待して。

 本当に彼女と再会できたときの喜び。マディに頼まれてマリンディへ行くことになっていた週末に、ジョルジアが電車でモンバサに行くと話しているのを聴いて躍った心。断られて当然だと思いながら、マリンディに誘ったら、すぐに同意してもらえた時は、あまりにも嬉しくて飛び上がりそうだった。

 それから、次から次へと夢のような事が起きて、映画スターのごとく非現実的な憧れの対象であったジョルジアに対して、もっと身近ではっきりとした強い感情を抱くようになった。手を伸ばせば届く距離に彼女がきてくれて、何度も親しみに満ちた笑顔を向けられた。暖かい家庭生活を思わせる手料理を振る舞われた。彼女が情熱を傾ける写真の被写体としてカメラを向けられ、魂の深淵すらも覗き込めそうな親密な私信を交わした。

 その度に、心は友情の枠にはどうやっても収まらない彼女への想いに締め付けられた。

 彼は、スマートフォンのライトを消すと、テーブルの上に突っ伏した。何度諦めようと自分に言い聞かせたことだろう。けれど、それは不可能だった。もう以前のような穏やかな日常を過ごす事もできなかった。

 講義のための準備をしながらスライドを選べば、彼女が質問してきた時のことが浮かんでくる。調査のためにスケッチをすれば、彼女がニューヨークで彼の絵のことを持ち上げてくれたことを思い出してしまう。論文を書いてもいつものように集中できないし、一人で食事をすることもあたり前と思えない。

 彼女が好きなのは、あのニュースキャスターだ。彼女が自分に求めているのは友情だけだ。どれほど言い聞かせても、心の奥底でもう一人の自分が頑に期待している。ここ《郷愁の丘》に来てくれたから。ニューヨークで一週間も時間を割いてくれたから。手紙を書いてくれたから。旅行に誘ってくれたから。

 愛する人に関して、ありとあらゆる奇跡が続けて起こったから、もしかしたら世界もそんなに冷たくはないのかもしれないと思うようになった。うまく話せなかった父親とも、勇氣を出して自分から話しに行けばわかり合えるのではないかと。自分から踏み出せば、これまで上手につきあえなかった世間とも渡り合えるようになるのではないかと。

 でも、何もかも僕の勝手な思い込みと期待が見せた幻だったんだ。父親に他人のように扱われ、心の奥でずっと願い続けてきたことが浮き彫りになった。僕は愛されたかったんだ。

 みずから一歩を踏み出すことで、拒否されたことのトラウマから抜け出せるのではないかと思っていた。誰からも愛されることはないといじけるのをやめたかった。けれど、怯えながらようやく踏み出した一歩を父親に明確に否定されて、彼はよりどころを失った。

 どうしていつもこうなんだろう。どうして僕は誰からも愛されないんだろう。そして、どうして諦めることも出来ないんだろう。両親のどちらにも家族として扱ってもらえないことに苦しみ、愛する女性からメール一つ返してもらえない存在であることに傷ついている。

 ジョルジアに友達ではなくて、もっと特別な存在と思ってもらいたい。ずっとそればかり望んでいる。それを表に出せば、彼女は煩わしく思って僕と距離を置くようになるだろう。だから、わかりのいいフリをして想いを押さえ付けている。でも、いつまでこうして友達の末席を温め続けなくてはいけないのだろうか。

 どうしても、他のことをする氣になれなかった。彼はその午後に人生に立ち向かう力を持たなかった。論文を書き続けることも、調査結果をまとめることも、自分の人生をこれまでのように一人で歩いていく、その道筋を整える思考を始めることも、今の彼には重すぎた。彼には夢しか残されていなかった。

 夢。マサイの長老が彼に告げた言葉を思い出した。ジョルジアを連れて、マサイの村に行ったときの事だ。二人の関係を誤解している長老に、彼女は恋人ではないと説明したが長老は首を振った。
「お前は夢の中ではすでに彼女を得ているはずだ。あとは、それを現実にするだけだ」

 だが、長老は知らないのだ。彼の夢が現実になった事はただの一度もない。彼は常に人生の敗者であり、夢は夢でしかなかった。子供の頃からずっと。

 仲のいい両親と手をつなぎ、笑い合う夢。初恋の女性にキスをする夢。論文と研究が世間に認められる夢。久しぶりに祖父と再会する夢。生まれた瞬間から見守り親しんだシマウマがライオンの爪を逃れて駆けていく夢。そして、この一年以上繰り返し見続けている、ジョルジアに愛される夢。

 彼は、テラスに出るとハンモックに載って瞳を閉じた。たった一つ、彼の望みを叶えてくれる本当ではない夢の中に逃げ込むために。
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Tag : 小説 連載小説

Comment

says...
ああ、確かにここでグレッグの心の中がはっきりするのもありだったかも。
でも今回復習するような形になって、あらためてこれまでのグレッグの心の動きが手に取るようにわかりました。
メールチェックを何回もする様子、リアルですね。
スマホを手に入れたはいいけれど、余計な事ばかり考えてしまって、余計に落ち着かないんでしょうね。
メールが来ないのは飛行機に乗っているから・・・とか?

男の人が女性と出会い、心に留め、好きになり、愛し始めるまでの過程が生々しく描かれていて、読んでいて面白かったです。これ、運命っていうんでしょうか?
あ、あの場面ではこんなことを考えていたんだ・・・あ、こんな風に考えるんだな・・・などと想像するのはなかなか興味深かったです。
でもグレッグ、理解はできるんですけれど超マイナス思考、もうほとんど病的な状態ですね。
そしていくらマイナスに、安全側に考えても、言い聞かせても、もうこれは彼の本心に抗えないところまで来ているようです。
あとはジョルジアが直行便で飛んできて、突然グレッグの前に現れて「大好き!」とか叫んだら、物語は一気に終演に向かうんだろうけど、そうはいかないんだろうなぁ。
あ、これも読者としてすべてを神目線で見ているから言えることであって、当人目線なら、ジョルジアの立場にしろグレッグの立場にしろ、グルグルしちゃうのはしょうがないのかなぁ。

マサイの長老、その通り、おっしゃる通りなんですけれど・・・いわゆる文明社会ではなかなか困難な事かと・・・特にグレッグのような人にとってはね。
ほら、また逃げ込んじゃった。

やれやれ。
2018.04.25 13:34 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
更新、お疲れ様でした。

あ、眼が宙を……って、冗談です。

グレッグさん、晩生すぎだって(笑)
接触回数がモノを言うんだから、スマホ持ってるんならグズグズしていないで、電波の届くとこに行ってlin●でトーク……
ができれば、苦労はしないか(笑)

グレッグの気持ち、まとまった形で読ませてもらって、理解が深まったというか確認ができました。
う~ん、彼の恋煩い、かなりこじれていますね。まあ、それだけ本気だということなんだろうなぁ。こりゃ、ジョルジアが押しかけるしかないかな。
グレッグの両親の態度は最悪だけど、でもそれで自分を敗者だと決めつけてしまうというのも、なんか寂しいですね。

で、あの時点で、マサイの長老は見抜いていましたか。
めっちゃ前向きなことか、完全否定かのどっちかかなぁと思っていましたが、前者というか暖かな励ましだったんですね。
長老、もうひと押し、してやってくださいよ(笑)
2018.04.25 14:29 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

あれですね。
「沈黙は金」なんと言われようと黙って手の内を明かさない、という発表をすればよかったかも、みたいな。
毎週何かを発表、もしくはこんなにリクエストを受け付けているのが、悪いのか。

ということはさておき、今回は、ジョルジア視点ではただの偶然に見えたり、氣のないように見えていた部分も、全然そうではなかったことが明らかになっています。まあ、基本的にはバレバレになってしまったわけですが。

以前は、グレッグはメールを氣にしたりなんてしたことはないんですよ。
つまり好きな女性からメールが届くかもしれないなんてことは、あり得なかったからですね。

私が学生の頃、「既読スルー」されたと悩む人は全くいませんでした。つまり、そんな概念そのものが存在しなかったからです。
アフリカにいる人とイタリアにいる人がリアルタイムで情報を交換するなんてことはありませんでしたから。
そして、彼のところには電話線がないので、自宅でメールチェックをする方法は、スマートフォンだけなんです。
彼は、その技術革新にようやく追いついたはいいものの、翻弄されている状態ですね。

メールが来ないのはなぜでしょうね(笑)

ジョルジアは、グレッグが父親とのことで悩んでいるとは思っていますが、自分からのメールが来ないと泣きそうになっていることは相変わらずわかっていないようです。この辺は次回を(笑)

マサイの長老は、いわゆるアフリカのウィッチドクターです。
で、グレッグは西洋の教育を受けた学者です。長老のことを尊敬してその知識を信頼しているんですけれど、いわゆるオカルトの範疇に入ることは、グレッグはまるでまともに受け取っていないんです。多分サキさんと近い感じ方ですね。
もっと簡単に言うと「夢と現実は違うよ」なんですよね。でも、長老は違うと思っていないんです。これ、後で読み返すと「そういうことか」となる仕掛けになっています。

で、逃げ込んじゃいました。得意技「にげる」
こればっかりです。

コメントありがとうございました。
2018.04.25 19:40 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

あははは。二回に分けたら苛ついたって、TOM−Fさんたち男性陣からトマトや生卵が飛んでくるんじゃないかと思って、まとめて出しちゃいました。

lin●トークは無理ですね。
っていうか、私もその技は使えません。アプリ入れていないし(笑)
グレッグは、メールにしろSMSにしろ攻めに向かえないのでスマホの意味なし。

彼のこじれっぷりは恋煩いだけでなく、もうありとあらゆる人間関係に発症しています。
以前はさほど氣にしていなかったんですよ。
まあ、みんなと仲良くして欲しい想いはあるけれど、無理そうだし、ここに引っ込んでいれば誰にも迷惑をかけないし、程度でした。
ところがジョルジアと出会ってから、やっぱり親とも仲良くしたいし、友達も欲しいし、もちろんジョルジアとも上手くいきたいと欲が出てきたのですね。で、頑張って玉砕中。←いまここ

長老から見たら物事はもっとシンプルなんですよ。
実際に、世界はもっとシンプルなんですよね。
読者の皆さんがわかっているように「こいつら未だに何やってんの?」と思えるくらいシンプル。
でも、マサイと言ったら成人式はライオンと戦うことっていう人たちです。
好きな女性に告れずぐるぐるしているような弱っちい人に、懇切丁寧にお手伝いなんて……しませんよね(笑)

コメントありがとうございました。
2018.04.25 19:50 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
何気に。
今の日本では逆に手紙のやり取りが流行っているらしいですよ。
(∩´∀`)∩

電話やメールより味がある。
・・・ということで、手紙のやり取りをする会社もあるぐらいです。

考えて手紙を出すのも味があって良いですよね。
後悔がすくないでしょうし。

2018.04.27 10:48 | URL | #- [edit]
says...
こんにちは。

「大事な話を手紙でなくて電話で済ますとは」なんてお小言をもらった時代もあったのに
それも昔語りになりましたね。

手紙が逆に流行るというのは、たぶんLPが流行っているみたいな感じでしょうか。

スピードは劣りますが、後々まで残る記録になりますよね。
ちなみに私も連れ合いも、遠距離時代の手紙は全部とってあります。
まあ、あまり読み直したりはしませんけれど(笑)

コメントありがとうございました。
2018.04.28 16:52 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんにちは!
コメントを拝見していて、皆さんからお叱りのお言葉を受けている
グレッグを見てちょっとくすっとしてしまいました。
ううん、でも、これはね!
前回、父親のジェームスに会いに行ったじゃないですか。
あまり自分の思ったことを書いて的外れだったら失礼になっちゃうと
実は毎回、書きたいことの半分もコメントできていないのですが、
こう、夕さんのコメント返信を拝見していると、その回その回で自分が思っていたこととほぼ完璧にリンクしているかてびっくりさせられているんです。
前回でいえば、父親のジェームス像とか、そこから生じる父子のすれ違いとか。
で、思ったのですけれど、グレッグが父親に会いに行ったのって、ジョルジアと交流を深めるにつれて彼自身考え方が変わってきて前向きになって、それを形として自分で表現したかったんだと思うんですよ。で、あわよくば……じゃないけれど、ひいてはジョルジアとの関係も、(友達という枠組みはあるにせよ)、今よりもっと前向きに大事にしていけたらと。
それが、つまずいてしまったものだから、一気にこれまでのほんのり幸せ気分が逆流してきて負のスパイラルに入ってしまって。

で、夕さんは、グレッグの気持が駄々もれで反省、と仰られてますが、
ううん、わたしは、むしろここまではっきり血を吐くようにグレッグが
「愛されたい」と明言していることに衝撃を受けましたよ。
今回のシーンて、絶対に二回に切らないほうがよかったですよね。
ここはグレッグの気持が決壊する大事なシーンですよね。
僕は愛されたい、というのは、もう恋愛という枠組みを超えて一人の人間として
愛されたい、ってことで、これって以前夕さんがわたしのブログで少し触れられていて例のシンクロシニティの部分に繋がっていくのかなってちょっと思ってしまいました。

そしてマサイの長老の言葉がここで出てきましたが、マサイの長老の言葉って
いわゆる「引き寄せの法則」を地でいってる感じがしますよね。
額面通りの「夢」という扱われ方をここではされてますが、もっといえば
心というか意志? というか魂? 本当はわかっているのに分かっていないこと、みたいな感じにも受け取れました。(この辺りは完全に自分の思い込みです///)

場所は離れているけれど、前回と今回とでお互いの気持が浮き彫りになったようにも思います。
これってものすごい大事なことで、初めて二人が自分の気持ちに直面したってことで、あとはそこから逃げるが立ち向かうか……グレッグは夢に「逃げる」選択をしたようですがジョルジアのほうは……?
クライマックスが近いということですが、楽しみにお待ち申し上げております!
2018.04.29 02:41 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

いやあ、男性って大変ですよね。
女性なら、この程度ネガティヴでもヒロインだったら許されそうじゃないですか?

さて、さすがのぐるぐる好きでも、ここまでネガティヴな男性は初めて書いた私です。
でも、グレッグの両親をひどい奴と言い切ってしまうのは簡単なんですけれど、これってグレッグに肩入れしているからそうなんであって、例えばジェームスが主役の話、もしくはレベッカが主役の話を書いたら「わずかの後ろめたさはあるけれど、仕方ないと諦めることにした。親子でも結局は他人なのだ」みたいな文で片付ける話であったりするわけです。

二人とも、結局後で生涯の伴侶と言うべき存在に出会って、そちらとは幸せな家庭を築いています。
で「ヘンリー、いつでもいらっしゃい」みたいに言ってみたけれど、こなかったし、みたいな感覚でしょうか。
「嫌なら文句言えばよかったのに、何も言わなかっただろ」的に。

で、グレッグは、一人で傷ついて、愛される努力をしてこなかったんですよ。もういいおっさんだし、今更なんですけれど、でも、まさにcanariaさんがおっしゃっているように、彼はジョルジアと出会って、キャシーやマッテオ兄ちゃんや、ジョルジアとその他の人との関わりを見て、「自分もこのままじゃいけない」とちょっと前向きになってみたんですよね。で、簡単に再び躓いてしまったわけですけれど。

「愛されたかった」というこの彼の想いをストレートに書くかは、結構悩んだところなんですよ。でも、いい加減に書かないと伝わらんな、と思って。表に出さないし、生活に支障をきたしていないから、それでいいのかというとそうではなくて、彼は何度か愛情に飢えて迷走しているんです。ジョルジアにとってのマッテオみたいな無条件の愛情を惜しみなく注いでくれる人がいると、多少のことがあってもぐらつかないんですけれど、彼にはそういう人が一人もいなくて、「もしかしてこの人なら」という人に大きすぎる期待を抱いてしまうんですね。そういうわけで、この人、恋愛にこれまで全敗しています。それに、いわゆる「親友」の立場の人もいません。

そして、近づこうとしては「私にはそこまであなたの人生を背負うのは無理」と逃げられてばかりいるので、ジョルジアとも同じことになると怖れて近づけないのですね。ちなみに、この過去に拒否された経緯が、続編で明らかになる予定なんです。もっとも、今、全然書いていないんですけれど……。

マサイの長老の言葉から「引き寄せの法則」を感じ取ってくださったcanariaさんはさすがだなあと思いました。
実は、私の人生のバイブルはヘルマン・ヘッセの「デミアン」なんです。あそこで主人公がFrau Evaに諭されるシーンがあって、「物事をどんなふうに願うべきか」と言うことについて、ものすごく衝撃を受けたんです。そして、それは真実だったと思うことがあったんですね。

グレッグは、西洋の教育と考え方に毒されていて(?)長老の言うことを素直に聴いていません。素直に聴いていたら、もっといろいろと早いと思うんですけれど。っつーか、一年半前になんとかしていたかな。自宅に二人っきりだったんだし。
この長老、続編でもまたビシッと言ってくれます。実はグレッグ、けっこう氣に入られている?

さて、ジョルジアは、ミラノに向かいました。
ミラノと言えば、アウトレットでお買い物……なんていったら、それこそトマトと生卵が飛んでくるか。
なぜ40時間も音信不通なのか、次回の更新をお楽しみに。

コメントありがとうございました。
2018.04.29 18:06 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
いやぁ、もう、いきなり私、大阪のおばちゃん化しそうになりました(訂正:すでに大阪のおばちゃんでした。正確には、大阪のおばちゃんを発動しそうになりました、ですね。大阪のおばちゃん=「かまい」なんですよ。あ、かまい、というのは、やたら口を挟みたがるって感じ)。大阪のおばちゃんだったら、グレッグにきっと言いますよね。「あんた、自分でよう言えへんのやったら、わてがゆうたろか?」
そうなると、身も蓋もないんですが(もっとも大阪のおばちゃんは、その後で引っかき回して余計にややこしくして、ただでは済まさないかも知れませんが)、そう言いたくなるほど、グレッグの心情が痛々しいです。

あ、これは「ぐるぐる」ではないですよね。回っているというよりも、一直線に間違ってる^^;
一直線だから、修正はきっかけさえあればすぐに可能と思うけれど、きっかけがないうちは進まないのですよね。
そもそもグレッグが「ジョルジアが好きなのはあのニュースキャスター」と思っているにしても、その相手は実質上の恋敵とはちょっと違うような気がするのです。瑠水の場合の拓人は本格的に恋敵の立ち位置といって良かったと思うのですが、かのニュースキャスター氏はまぁ、私にとっての大野智みたいなものですものね(かなり違う)。
ただ、その人が現実に存在して、話をしたりしなくても、一時的に同じ空間にいたというので(あのパーティね)、人物に現実味が出ちゃったんですね。
そこへ、まぁ、グレッグにしてみたら、自分の本質に迫るところに転がっていた問題にも向き合うことになって、余計に一直線に反対方向へ……加速ついちゃいましたね。

恋というのは、尋常ではない感情を人の心の内に生んでしまうものなんでしょうね。勘違いもあれば、思わぬ純な自分を発見することもあって、ただ恋によって弾き出された自分自身はきっと本音の自分だったりするんだろうな。
そんな自分と向き合うことになったのはグレッグの生涯の中で大事な時になりましたね。もっともその渦中にあるときは、今が正念場とか、今がターニングポイントとか、絶対に気がつかないんですよね。後から、あ、あの時のアレだったか、って思い出す(そう言えば、最近記事で、沢田教一さんのことを書いたときに、あ~あれが私のこれまでの人生の中で道しるべだったなぁと改めて思ったし)。

グレッグの心情はみんなきっと分かってるよ、なんだけれど、物語って、分かってることを敢えてきちんと描くことって大事なんですね。こうして本人の言葉で語られることって、読み手に直接的に伝わる。
せっかくスマホにしたのに、お返事がなかった下りなんて、ほんと、乙女みたいで。
それに今回のグレッグの独白と同じくらい、少し前のジョルジアの独白も、ようやく語られた彼女の心情だったですよね。それまでは起こった出来事は語られていたけれど、心の内ではなかったような。
今度はミラノのジョルジアの方の事情が語られるのですね。なんにせよ、会えない時間が愛育てるのさ、って郷ひろみも歌ってましたから、これは大事な物語上の手続きなんですよね。

引き続き楽しみにしていますね!
2018.04.30 12:05 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こんばんは。

あはははは。大阪のおばちゃん、居てくれるとよかったかも。
この人の周りで、大阪のおばちゃんにちょっと近いのが、リチャード・アシュレイで、実は二十年くらい前にお節介を発動してくれて、素直に言うことを聞いたグレッグは、涙目になる事件が起こっています。やっぱり引っかき回したのか(笑)
もう少し思慮が深くて親身なのは、レイチェルとマディなんですけれどね。

グレッグは、どこかで、「でも、もしかして、彼女も……」って思っていますよね。
状況証拠から考えると、マッテオやキャシーやベンジャミンあたりは「もしかしてもへったくれもないって」と思っているけれど、グレッグ本人は「そんな都合のいいことを考えちゃいけない。彼女は、僕の想いを知っていて放置しているし、クロンカイト氏を好きだって明言したし」と、悪い方向に石橋を叩いています。
で、かなり期待して、何かをすると、今回みたいに「メールが来ない」みたいなメソメソになってしまうわけですが、これは拓人あたりには全く理解できないだろうなあ。「メール来ないなら、次の女に行けばいいのに」って。

ジョセフが某ジャニみたいなものっていうのは、うん、その通りですね。
たまに、その境界がわからなくなっちゃうファンもいるでしょうが、大抵は、現実に付き合う相手とは、違いますよね。
ジョセフと美穂とか綾乃とかとの関係とはちょっと違うんですよね。

でも、グレッグは自分のジョルジアとの想いとジョルジアのクロンカイト氏への想いが同列だと思っている。
再会して、ここまで仲良くなっちゃったら、全然違うのに。
でも、この人の場合は、恋愛だけでなく、ありとあらゆる人間関係で初心者なので、訳がわからないままに迷走中です。

ジョルジアとの出会い、それに、この三年半は、彼にとって完全なターニングポイントですよね。彼の人生そのものが全く違うディメンションへと向かっている最中なんですが、それもあと●時間の問題なんですけれど、本人はわかっていません。

さて、これは物語なので、俯瞰している読者はそれぞれのモノローグで「それはね」とわかっていますが、わかっていない二人はまだ迷走しています。

今週の更新分は、そんなジョルジアの最後のぐるぐる。
ミラノまではすぐに行けましたし、その後も(イタリアにしちゃ)すんなりといったようですが、その後が(笑)
でもですね。
メールは送ろうとすれば送れるところに居た時間が長いのですよ。
まさか、こんなにメソメソしていると知っていたら、何か一言くらいは送ったでしょうが、ジョルジアは彼がメソメソしているのは父親に拒否されたからだけだと思っているのですよね。

郷ひろみか〜。
昭和は遠くなりましたね。そのうち平成も遠くなるんだろうなあ。遠い目。

引き続き、応援お願いしまーす。

コメントありがとうございました。。
2018.04.30 20:16 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
うーーーん、やっぱりグレッグの中にはまだ、自信と言うものが生まれていなかったか……。
あれだけジョルジアが好意的に接してくれていても、自分のために料理を作ってくれても、わざわざ自分を訪ねて来てくれても、愛情だとは思わないんですね><
クロンカイト氏の事が無くても、「ここでうぬぼれて舞い上がって、実は何とも思われていなかったらもう、立ち直れない」という予防線も、もしかしたらあるのかな。
無意識に、自分が傷つかないように生きて来たのかもしれませんよね。

動物の世界では、そんなことをしていたら一生伴侶など見つけることが出来ないのに。
動物たちのファイトを見て、もう少し奮い立ってくれなきゃ、夕さんは二人がシングルのまま老いるのを書き続けなきゃならない(;'∀')
頑張れグレッグ!
2018.05.01 03:54 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
こんばんは。

自信は……無理かな。
意欲は少し生まれてきていて、頑張ってみたんですけれど、ちょっと上手くいかなかったらまたダメージを受けていますね。
limeさんがおっしゃるように予防線を張って「そんなはずない」とかいって我慢しているけれど、でも、
どこかで思っているんですよ。
「ここに来てくれたし、ご飯も作ってくれたし、七時間放置しても起こらなかったし、旅にも誘ってくれたし、もしかして、上手くいっているんじゃない?」って。だから、怖々踏み出したんですが、私信メールに慣れていないので、送って帰ってこなかっただけでぐるぐる。

動物の世界では、ええと、もう食われていますよ。
でも、この話に関しては、オスがこのていたらくでどうしようもないので、メスが(しかも本来引っ込み思案の個体が)無駄なパワーを使いまくって動いています。

本当に、グレッグには頑張ってもらわないと!

コメントありがとうございました。
2018.05.01 19:06 | URL | #9yMhI49k [edit]

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