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Posted by 八少女 夕

【小説】郷愁の丘(16)父と子 -1-

「郷愁の丘」の続きです。前回、ようやくお互いの想いを確かめ合ったジョルジアとグレッグ。本来ならこれで話を終えてしまってもいいのかもしれませんが、あと少しお付き合いください。

ジョルジアが再び《郷愁の丘》にたどり着いた日から、八日ほど経っています。この間に何があったか、そして、過去のことなども別の女性の視点でお送りします。

今回も少し長いので二回に分けます。


郷愁の丘「郷愁の丘」を読む
あらすじと登場人物




郷愁の丘(16)父と子 -1-

 その朝、レイチェル・ムーアは久しぶりに慣れたサファリ・シャツに袖を通した。ジェームスが亡くなってから五日間、黒い服を着ていたが、これからずっとそれを着続けるようなことはしたくなかった。

 彼女と結婚しようとしないジェームス・スコットのことを悪し様に言って、離れるように忠告する人たちに、彼女は常々言った。
「これは彼だけの決定じゃないの。私たち、二人で決めたことなの」

 ともに過ごした三十年間、彼がプロポーズしないことに一度も傷つかなかったと言えば嘘になる。だからこそ、その話題には敏感だったし、指摘された時には必要以上に虚勢を張った。だが、今の彼女は本心から「そのことはどうでもいい」と断言することができた。紙切れによる契約はしなかったが、それでも最期に彼から必要としていた言葉をもらったのだ。

 表向きは、彼の未亡人ではないレイチェルは、社会的に喪服を着る必要はなかったし、それを着ることで愛する男の死を悼んでいることをアピールすることも嫌だった。

 喪失感は、彼女の中にある。その痛みと苦しみは、思っていたような激しいものではなく、痺れるような、もしくは包帯を通して血が滲み出るようなものだった。食事をする、窓辺に立ちカーテンを開ける、ベッドメーキングをする。そうした日常の動作の度に、視線の先に居るべき人がいない。空虚が彼女を襲い、動きが止まる。

 それでも、彼女の周りには、家族が居た。ジェームスが昏睡状態に陥ってから葬儀が終わるまでの間、娘と孫、それに義理の息子とその恋人が同じ屋根の下に泊まり込んでくれた。

 ジェームスの息子、表向きは彼の唯一の家族であるヘンリー・スコットは、悲しみに暮れるレイチェルたちの横で静かに葬儀の準備を進め、穏やかに且つ世間に恥じない形で父親を送り出した。体裁を非常に氣にしたジェームスも必ずや満足するだろうと思われる葬式だった。

 弔問客たちは、実の息子よりも長年の恋人とその娘の方を氣遣い、ヘンリーのことを葬儀の手伝いにやってきた無関係な男であるかのように扱っていた。が、当人は決して本意ではないだろう扱いに対して不平も言わなければ、苦悩も見せなかった。

 誰かがその姿を目に留めても、それは彼が父親に対して無関心だからだろうと思ったが、レイチェルはそうでないことを知っていた。この親子の少し常軌を逸した親子関係をずっと目の当りにしてきただけでなく、父親の亡くなる五日前に彼が強い苦渋の想いを垣間見せたのを知っていたから。

* * *


 初めてヘンリーと知り合ったのは、イギリスのオックスフォード大学のあるカレッジにサマースクールの講師として招聘された時だった。

 現在エージェントとしてありとあらゆる煩雑な手続きを代行してくれるリチャード・アシュレイも、当時は学生としてそのクラスを受講していた。

 リチャードは甚だ残念な成績を残し、結局卒業できずにケニアに帰ってくることになったのだが、その一方で当時から見事な話術と機転で多くの人脈を作り上げていた。憎めない性格と魅力的な人懐こい笑顔を持つ赤毛の青年で、レイチェルも受講している学生たちへの意思伝達のためにずいぶんと彼の世話になった。

 そのリチャードがある時目立たない一人の青年を指差したのだ。

「彼はベリオール・カレッジの学生で、僕と同じ学生寮に住んでいるんですが、我々と同じケニアの出身なんですよ。もっとも子供の頃に親が離婚してそれ以来バースに住んでいたらしいですが」

 それではじめてその学生の名前を確認した。ヘンリー・G・スコット。ジェームスの息子だとすぐに思い至った。

 レイチェルはそれまで一度もヘンリーの写真を見た事がなかった。ジェームスの持ち物には、彼がかつて息子とともに暮らしていたような形跡は何も残っていなかった。離婚したレベッカが全て持ち去ったのか、ジェームスが故意に処分したのか彼女は知らない。

 ジェームスは異常なほどにレベッカを嫌い、その激しい罵倒は恋敵の立場であったレイチェルですらあまり心地よく思えないほどだったので、もしかしたらその面影のある少年の写真を見たくないのかと思っていた。が、二十代に育ったその青年の顔を改めて見ると、なぜ今まで目に留めなかったのだろうと訝るくらいジェームスとよく似ていた。

 ただ、その周りに纏う雰囲氣が全く違った。自信に満ちて人を惹き付ける魅力にあふれたジェームス・スコットの遺伝子を半分引き継いでいるというのに、ヘンリーは地味で内向的だった。彼の書いた文字は小さくて線が細い。

 父親と同じ動物行動学の研究の道を目指しているとは知らなかったので、電話でケニアにいるジェームスに確認すると彼はあまり興味のない様子で答えた。
「動物行動学を学ぶとは聞いていたよ。お前のクラスを受講しているのか? 成績はどうだ」

 ヘンリーの成績は、悪くはなかった。少なくともリチャード・アシュレイのような困った成績ではなかった。けれども、彼の成績は上から一割と二割の間あたりに埋没していた。一位や二位、特別な奨学金を受けることができるような輝かしい突出した優秀さではなかった。ジェームスやレイチェルがそうだったように、教授がすぐに一目を置く好成績をとった人間と違って、学者として必ず成功するとは言いがたかった。

 講座の最終日に、レイチェルは思い切ってヘンリーに声を掛けてみた。彼自身はレイチェルの側に寄ってこようともしなかったし、話しかけられるのを待っている風情でもなかったが、少なくとも両親が離婚することになった原因のひとつを作ったレイチェルへの憎しみを持っているようにも見えなかった。

「あなたは、ジェームスの息子でしょう?」
当たり障りのない会話の後に、レイチェルは言ってみた。彼は、少し言葉に詰まった後で、申しわけなさそうに視線を落とし「そうです。すみませんでした」と言った。

「どうして謝るの?」
「黙って、受講しました。ご存知になったなら不快な思いをなさったでしょう」
「そんなことはないわ。あなたはここの学生として、受講する資格があるし、そもそも、あなたがここにいるからと言って不快だということはないわ」

「あなたの本や論文を読んで、ぜひ直接講義を聞きたかったんです。ツァボ国立公園の現状も知りたかったし」
「あなたはアフリカの動物行動学に興味があるの?」
「ええ。できることなら、ケニアで研究できたらいいと思っています」

「ジェームスには、言ったの? 論文は何で書くつもりでいるの?」
「父にはまだ言っていません。相談する以前に、まずは学位を取らないと……。現在はロバで論文を書くつもりでいます」

 その当時から、彼の心はサバンナでシマウマの研究をすることに向いていたのだ。

 彼の自信のない後ろ向きな態度は、レイチェルに強い印象を与えた。それはジェームズの持つ個性と正反対だったからだ。

 彼とその父がほとんど交流を持たないのは、ジェームスがよく口にするようにレベッカに父親に対する悪口を吹き込まれ、それによって父親とレイチェルたちに憎しみを募らせているからだと想像していた。ジェームズの強い個性を受け継いだ人物は、やはり彼のようにはっきりとした意思と行動力で人間関係を築くのだとどこかで思い込んでいた。

 だから、彼女は、ヘンリーの見せるへりくだってレイチェルを尊敬する目に驚くと同時に、彼が父親との関係だけでなく世界から逃げるように内側に籠っていることにひどく戸惑った。
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Tag : 小説 連載小説

Comment

says...
更新、お疲れ様でした。

グレッグとジョルジア、あの流れだと、そのまま熱い夜に……的な展開かと思っていましたが。さにあらず、でしたね。
あれからすぐにジェームスの看護とお葬式だったんですか。二人とも、実務的で有能なスタッフだったことと思いますけど、なんかはじめてのお泊りデートを邪魔されたカップルみたいで、ちょっと可哀想かも(って、初めてのお泊りデートじゃなかったですねw)

今回はレイチェルとグレッグの出会いですね。
親子でもずいぶん性格が違っていて、レイチェルはびっくりしたでしょうね。もっとも、強烈な父の息子が大人しいというのは、わりとあるパターンかもですね。

そして事実婚で30年連れ添ったジェームスとレイチェル、法律や書類での契約というか繋がりはなくても、じゅうぶん幸せになれるという見本ですよね。
って、ここでその話が出てくるってことは、まさか……いや、さすがにそれはないか(イミフ)

あ~、次話が楽しみなような、心配なような(笑)
2018.05.23 06:38 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
(マドレーヌ云々のPIYOのつぶやきを見るたびに、美味しそうだなぁと思っていたら、つい)
はぁ~、なんか、冷たい言葉や態度を受け取ったグレッグ視点では、ジェームズはちょいと悪者的イメージになっていましたが、ジェームズはジェームズで、彼の周りの人間関係の中では魅力的な人物だったんだろうし、結局はそりが合わないって、こういうことなんだなって話になるんですよね。人間関係って、どこかの時点で道が逸れちゃったら、もう戻れないことってありますのもね。どっちがどっちというのでもなく、それが自然の分かれ道だったみたいに、水が流れる川筋が勝手に決まっていくように……
ジェームズとの関係は修復されなくても、グレッグにとって、レイチェルとの関係は、この父親の死という場面を介して、よりしっかりと結び合わさったのかなと想像しております。これまでも、レイチェルはちゃんとヘンリーを見ててくれたわけですものね。

まぁ、父と子というのは、そもそもパラドックスな関係なんでしょうね。
べたべた父子、というのはそれはそれで、ちょっと気持ち悪いし。

でも、あ、そうか。TOM-Fさんのコメで気がつきましたが、あの後でこうなったのか。ありゃりゃ。そりゃ、暑い夜、じゃなくて、熱い夜どころじゃなかったでしょうね。なんか、間の悪い二人ですが、まぁ、その分、マッテオ&アレッサンドラたちが埋め合わせをしてくれるでしょう(余計引っかき回す?)。
そして、え? 何の心配? 事実婚? でもまぁ、日本以外では、それはそれで大いにあり、ですよね。
ちなみに慎一とラーラも事実婚。

ある程度分かっているけれど、こういう過去の出来事って、ちゃんと書かれていて読むと、また新しい視点が生まれますね。
以前、『海に落ちる雨』を書いたときに、友人が二人の生い立ちをちゃんと書きなさいと言ってくれて「始章」を2つひっつけたのですが、その時に、この生い立ち話を、前に持ってくるか後ろに持ってくるかで読み手の感覚って変わるよね、どうしようかって真面目に考えてくれたことがありました。結果的には時系列を混乱させない方がいいかと前に持ってきたのですが、後ろに持ってくるのも悪くないなぁと思っていました。
ある程度その人となりを知ってから、振り返ってその人の過去を知ると「あ~なるほど、そうだよね」って確認作業になって、よりしっくりくるような、そんな感じなのかな。今回のレイチェル視点で語られるグレッグの昔は、なんだかそういうしっくりさがありました。
もっとも、この期に及んで?夕さんがこの話を持ってきたのには、もっと別の思惑があるのかもしれないいし、それは来週にはっきりするのかな。
(単に「そう簡単に熱い夜は来ないわよ」ってぐるぐる追加じゃないですよね(^^))
2018.05.23 10:31 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こんばんは。

あー、熱い夜ですか……。
実は、ここを華麗にスルーしたつもりでいたんですけれど、サキさんからのご要望で書いたりしている間に続編がごにょごにょ。
えーと、来週のところを読むとはっきりしますが、少なくとも一夜明けてから呼びだされました。

でもねぇ。ご指摘通り初めてのお泊まりじゃなくて、一年半前にジョルジアは二週間もここに泊まっていますからねぇ。

さて、今回の話は、要するにいろいろと畳んでいるんですよ。
そもそも執筆していた時点では、グレッグの情報ってほとんどこの最後の方しかなくて、ようやくここでいろいろとわかるという構成になっていたはずなんですけれどねぇ。ま、いっか。

日本の習慣から言うと、離婚後父親と子供が断絶するのはさほど珍しくないんですが、欧米では少し異常です。
で、親子関係があると、もちろん後妻的な立場の人は子供のことをよく知るようになるんですけれど、この異常なパターンでどうレイチェルとグレッグが、現在のかなり良好な関係となったかがこの辺で語られています。

それと、もう一つちょっと変わっているのが、レイチェルの存在が少し「秘密の関係」に近いってことなんです。
事実婚は、日本よりもずっと認められていて、本来ならば結婚するかどうかの違いで、レイチェルとマディはちゃんと家族になるんですけれど、どういうわけかジェームスはマディをちゃんと認知もしていなければ、公然の場にレイチェルを「恋人」として連れて行ったこともないのですね。表向きは「親しい友人とその娘」として三十年放置してきたんです。だから、わざわざ遺言で書かないと何も行かなくなってしまうわけです。

この二人の関係は、実はモデルがあって、どうして関係を隠していた(でもみんな知っている)なのか具体的にはわからないんですけれど、そういう人たちもいるのですね。

で。TOM−Fさんが何をご想像なさって「もしや」なのか全然わからないんですけれど、このあとはあまりひねりはないですよ。
ふつーに、畳んでいるだけですから。

でも、言っておきますけれど、派手なエンディングはありませんから(笑)
って、もう誰もそういう期待はしないと思いますけれど。

コメントありがとうございました。
2018.05.23 21:57 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

なんというか、レベルの低い「女子力」なんですよ。次の野望はシュークリームなんですけれど、その前にチョコ入りマドレーヌを作ってみます。

さて、ジェームスですけれど超絶悪者ではないんですよ。
しかも、末期の方ですから、我が子の心情を事細やかに観察しつつじっくり話を始めた、ってことでもないのですよね。
涙目なグレッグの反応を見て、どう反応したかは来週出てきますけれど、決して「悪の権化」ではないのですよね。
子供を邪険にするのはもちろんひどいことですけれど、実のところ、この人はグレッグのことを上手く理解できなかったのですよね。
しかも、離婚後はあまり連絡をとっていなかったし、グレッグも泣きついたりしなかったので、母親にも邪険にされていた件は、ほとんどわかっていなかったと思います。グレッグは全部自分で飲み込んじゃっていたので。

レイチェルとグレッグは、不思議な間柄ですけれど、グレッグにとってたぶんちゃんと面倒をみてくれた最初の女性がレイチェルなんですよね。ただ、やはり元々の間柄から「相手が迷惑だと思うだろう」という感覚があって、どちらも少し遠慮しているのですよね。その遠慮は、これからはもっとなくなっていくと思います。マディとの関係も。

で、TOM−Fさんのご心配の件(?)ですが、少なくとも呼び出されたのは翌日の午前中なんですよ。
まあ、熱い夜っていうか、一悶着(?)はありましたけれど、この作品では全く詳しく触れていません。
書くつもりなかったんですけれど、リクエストがあって書き出したら、中途半端なR18になってしまい、いま「どうしようかなあ」と考え中です。

事実婚云々は、そうですね。結構どうでもいいことなんですけれど、ジェイムスとレイチェルの場合は、表向きは隠していたというのがちょっと問題だったのですよね。マディは正式に認知していないのですよ。だから、わざわざ遺言を書いて、しかもグレッグとマディに対して全然公平じゃない分配にしたりしています。
でも、実は、グレッグはグレゴリーじいさんから少し先にもらっているので、ものすごく不公平かと言われてるとそうでもないかな。まあ、不公平ですけれど、でも、グレッグは金額で涙目になったわけではなくて、子供だと思ってもらえないことにメソメソしていましたが。

さて、なぜここでこの話を書いたかというと、実は、この話の真の主人公がグレッグだと言うことが、ここでわかるようにしようと思ったからなんですよね。でも、外伝でヤツのことで騒ぎすぎて「今更」になってしまいました。最初のプランでは、「期待と絶望」の章に来るまでは、ほとんど「ジョルジアの話」と読者が感じるような構成にするつもりだったんです。

それと、要するにいろいろとばらまいたものを回収しているのですよ。

もう少々お付き合いくださいませ。

コメントありがとうございました。
2018.05.23 22:19 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
あ、こういう風に展開させますか~。
なるほどなるほど・・・でもジェームスとレイチェルとの関係、サキにはわかりにくいものですね。
でも、こういう形もありな時代にはなってきていると思うのです。
ま、彼と彼女がこれでいいと思うのならそれでいいのかもしれませんネ。
彼を亡くした後の彼女の何気ない所作に、なんだか納得いくものを感じたサキでした。
グレッグの気持ちは複雑なものであったろうとは想像しますが・・・。

そして、グレッグとレイチェルの出会い。
レイチェルこれは放っておけませんね。
そしてグレッグ、単に直接講義を聞きたかっただけじゃないんだろうなぁ。
その中に母を求める気持ちは全くなかったのでしょうかね。
レイチェルも義理の息子と言えなくもない、彼をどんな目で見ていたんでしょう。
マディを含めた複雑な人間関係、そして心理状態をあらためて感じます。
ジェームスだけが蚊帳の外、グレッグなんかには全くの無関心に見えますが、お、ジェームス、悪の権化ではないのですね?
どんな反応をしたのかちょっと楽しみ。

で、熱い夜はあったのですね?
良かった!!!
でも作品として発表する予定は微妙?
是非!是非!
よろしくお願いします。
2018.05.24 12:11 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

ジェームスという人は、ちょっとわかりにくいところがありますね。
そもそもなぜそんなに嫌いなレベッカと結婚したのかとか、レイチェルと結婚しなかったのはなぜかとか。
まあ、始まり方が少し外聞が悪い状態だったからというのはあるかもしれません。

学生時代のグレッグが、レイチェルに対して感じていたのは母性というよりは好奇心じゃないかなあ。
母親代わりというほど歳離れていないんですよ。
おそらく十歳くらいしか違わないかも。

「母親と僕を毛嫌いする人が大事に思う人ってどんな人だろう」と考えていたような感じはします。
そして、レイチェルとマディに逢って、あっさり納得してしまったのですよね。
「この人は、確かに素敵だし、父親が僕なんかより大事に思うだろう」って。

この数年後に、グレッグは「あのかわいい子の腹違いの兄さんなんだって? 紹介してくれよ」と
アウレリオの強引な頼みに負けて、マディとの仲を取り持った、というか、知り合うきっかけを作ったという裏話があります。

ジェームスの立場から見ると、これまで格別グレッグにつらく当たったという認識はないことがわかります。
本人はまさか間もなく四十になろうというおっさんが、これまで何も言わなかったのに愛情を求めてやってきたなんて考えもしなかったようです。

で。サキさんも「熱い夜」が氣になりますか?
あはははは。
まあ、ないってことは、ないですよね。
例のコンプレックス問題も含めて、一悶着あったんですけれど、すっ飛ばしました。
アレねぇ、本当にどうしましょうかね。
っていうか、この話、そろそろ皆さん飽きているような……。

公開の仕方を考えているんですけれど、そもそも、この話が完結した後、何を公開するかまだ決まっていなくて少し焦っています。
どれも全部は書き終わっていないし……ううう。

コメントありがとうございました。
2018.05.24 22:05 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
改めて、ジェームス、レイチェル、グレッグの関係性と人となりが、しみじみ伝わってきます。

最初に感じたのは、レイチェルがいてくれてよかったなあという事でした。
動物行動学に携わる人だけあって、本当にグレッグの性格を分かってくれている。(なんでこんな聡明で勘のいい人が、ジェームスと……と思ったけど、ジェームスも人間的にはそんなにひねくれているわけでなく、グレッグに対してだけなんだなと、そんな事も伺えました)

物語のラストにここを追記された理由が、じんわり伝わってきます。
次回がラストでしょうか。楽しみに待っています^^
2018.05.24 23:32 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
こんばんは。

グレッグにとって、レイチェルとマディの存在は、そうとう力になっていると思います。
この二人からも嫌われていたら、もっとうじうじしていたでしょうね。

これは裏話なんですけれど、レイチェルはジェームスの研究室の学生でした。当時はレベッカとの仲がもう口もきかないほど険悪だった上、グレッグもいる自宅にずっと帰っていなかったので、優秀で感じのいいレイチェルにぐらっと来たようです。で、正式に離婚することになったのは、レイチェルに子供ができたから、という設定があります。そうでなければ、グレッグはイギリスであのつらい少年時代を過ごすことはなかったのでしょうが、とはいえ、彼はレイチェルを恨めしく思ったりしたことはないようです。

ジェームスは、ずっと自分の子供ではないのではないかと疑っていたこともあり、アフリカにいた時にはグレッグにあまり愛情を注いでいませんでした。もっとも、その後のことは、どちらかというとグレッグの方が自分を嫌がっているに違いないと思っていた感じがあります。全く甘えても来ないし、泣き言も言ってこないのは、グレッグが能動的に嫌っているからだと認識していたようなんですね。こういう何でもパキパキできる人って、うじうじと悩むタイプの人の思考パターンを今ひとつ理解できないようです。そして、グレッグがレベッカにも邪険にされていたなんてことは、想像したこともなかったようです。寄宿学校時代のグレッグがそれを訴えれば、もしかしたらずっと早くに手を差し伸べたかもしれません。

ジョルジアとの交流を通して、彼が殻を破り、失敗しつつも踏み出すことで、いろいろなことが少しずつ変わっていく、地味な物語ですけれど、それが伝わるような構成にしたいと思い、この章をここに置いています。

来週はこの「父と子」の後編で、その後が最終回ですね。
もう少々お付き合いください。

コメントありがとうございました。
2018.05.25 22:02 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
あ〜なるほどなるほど〜、と、なんだかいろんなことを1人で納得している
canariaです。
夕さんはグレッグが主人公であると示すためにこのお話を持ってこられらという
ことですが、もし、この回が前回の続きの熱い夜(?)だったら
「郷愁の丘」という物語は単純にグレッグ&ジョルジアの恋愛ものとして読み解くことができるところを、この構成にすることでグレッグという1人の男性の物語に昇華されたんだなって思いました(昇華という言葉は不適切かもですが語彙が貧困ですみません^^;)
もちろん、恋愛ものとして読むこともできるし、これまでの連載作と比較すると比較的「恋愛」に焦点が当たっているようにも見えたんですが、(実は途中までそう思ってました)ここにきて「ああ、やっぱり夕さんの書かれるお話だなぁ」と1人でしみじみしてしまったのでした。(しかもレイチェル視線という「引き」の目線が心憎いです)
お父さんのジェームスについては、コメント欄でもいろいろお教えいただいていたこともあり、今回の具体的なエピソードと相まって、「ボタンの掛け違い」ぶりがより迫ってくるようでした。なんだか切ないのです。グレッグ、立派に喪主(?)を務められたのですね。
あ、でも後半で涙目のグレッグとジェームスのエピソードがお目見えするのですね。
わたし、以前コメント欄で「このままお父さんと和解しなくてもそれはそれで余韻があって〜」みたいな不埒なことを申し上げた気がするんですが、やっぱり二人の和解(文字通りの和解ではないような気もしますが……)が見られるならやっぱり見届けたい! です。
見えそうで見えないラストにちょっとそわそわしてます。
終って欲しく無いけど、続きも見たい……
最終回パラドックスですね。
続き、楽しみにお待ち申し上げております。
2018.05.29 10:29 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

そうなんですよ!
ご指摘を受けて、なんかはっきりしたような氣がするんですけれど、ここで「めくるめく熱い夜(っていうか、ちょっと大騒ぎ?)」なんて描写していると、「ジョルジアの恋物語」に揺り戻されちゃうんですよ。
けっこう、「そっちはどうでもいい」だった私は、書かずにスルーしたんですが、なんか結局後から書くことに、ごにょごにょ。

私の作品って結局「どれもこれも恋愛じゃん」ではあるんですけれど、本当に焦点を当てているのは恋愛ではないので、比重がちょっと違うのかなと思います。ほら、その、「告る場面」とか「本番シーン」などに関する思い入れが少し低い。でも、無関係ではないので、全く書かないというのも不自然、みたいな感じでしょうか。

レイチェルは、グレッグという人間の人生の半分くらいの第三者としての目撃者なので、このシーンを語らせるのは妥当かなと思いました。
っていうか、いろいろとばらまいたものを回収しなくちゃいけなかったので。

父ちゃんとのシーンも、実は「canariaさん鋭いなあ」と思ったんですけれど、あの時点で答えるとなんか何もかもネタバレになるので、あえて言いませんでしたが、もう、このコメ返をお読みになる時には、発表されているからいいですよね。
このグレッグとジェームズ、結局、こちらも「熱い和解シーン」なんてものはないのです。かといって、悲劇のままというわけでもありません。「そこそこ」?

明日の続きは、本当は来週にしようかと思ったんですけれど、実は自宅にいなくてコメントにお返事ができなそうなので、一週間空けて、戻ってきてから最終回にしようと思っています。

もう少々お付き合いくださると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2018.05.29 22:48 | URL | #9yMhI49k [edit]

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