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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】大道芸人たち 2 (8)リオマッジョーレ、少女 -2-

先週の続きです。パオラは本編では初登場ですが、そういえば容姿の描写を全くしていませんね。どんな容姿でも、想像にお任せします。私の中ではlimeさんのイラストのままですが、あ〜、後ろ向きだ。小野小町か。

全くの余談ですが、私はチンクェ・テッレには二度行っています。一度は春、それから日本の友人に同行を頼まれて真夏にも行っています。本来のチンクエ・テッレらしさ(美しいけれど素朴な漁村)に近かったのは、春でした。観光シーズンでないので、土産物屋などの多くが閉まっていましたが、その分素朴で静かな趣がありました。夏は、えーと、修学旅行シーズンの京都三年坂みたいな……。特にユネスコ世界遺産になってしまってからは、ますますその傾向が強まったでしょうね。

自分自身が旅好きで、世界の素敵なところに行ってみたいと思うタイプなので、文句は言えないのですけれど、ひなびた春のチンクェ・テッレに行けただけラッキーだったと思うべき……ですかね。




「大道芸人たち」蝶子 by limeさん

「大道芸人たち 第二部」をはじめから読むこのブログではじめからまとめて読む
あらすじと登場人物




大道芸人たち Artistas callejeros 第二部
(8)リオマッジョーレ、少女 -2-


 ジュゼッペの視線を追うと、道をとぼとぼと歩いてくるパオラが見えた。半年前より少し背が伸びたようだ。体に合わない窮屈なワンピースを着ている。母親のいるバーへ行こうか迷っているようだった。そして、思い詰めたようにジュゼッペのリストランテの方をみやって、四人に氣がついた。

「蝶子お姉さん! レネお兄さんたちも!」
半年前に出会い、この店に招待してくれた蝶子たちのことを忘れていなかったのだ。

「元氣だった?」
蝶子が訊くと、彼女は大きく頷いた。
「またここを通ったのね」

「パオラに逢いに来たんだぞ」
稔が言うと「本当?」と顔を輝かせた。

「もし君に他の予定がなかったら、今夜また僕たちとご飯を食べてくれませんか」
レネが言うと、彼女はとても嬉しそうに笑った。

 パオラはアジを丸々一匹食べた。いつも一人で食事をするために上手くフォークとナイフを使えない彼女に、稔が魚の食べ方を丁寧に教えてやる。
「そうだ。まず真ん中からまっすぐナイフを入れる。そうすると、ほら、身と骨が楽に離れるだろ。うん、そして、上の身を綺麗に食べ終わったら骨をこうやってすーっと取る。ほら、残りの下の身がでてきた!」

「こんなに子供の扱いが上手いなんて知らなかったわ」
子供の扱いは全く得意でない蝶子が感心して眺めた。

「まあな。うちには三味線の弟子がわんさか出入りしていてさ。稽古の間だけわざわざベビーシッターとか頼めないだろ。だから連れて来ることもある。そうやって音に馴染んだのが次の世代の弾き手になることもあるしさ。で、若手やジュニア組が幼年組の面倒を看るんだ。弟子が稽古を見てもらっている時に、俺もよくその子供の相手をしたよ」
「へえ。何が役に立つかわからないものね」

 食事が終わると、一行はパオラと一緒にリオマッジョーレの街を歩いた。といってもとても小さいのでいくつかの観光客向けの土産物屋の他にはほとんど見るものもない。ある店のウィンドウ前で蝶子は足を止めた。子供のマネキン人形が、少し色褪せた祝日用のワンピースを着ていた。パオラは、ウィンドウから眼をそらした。望んでも手に入らないものは見ないようにしているようだった。

 蝶子は快活に言った。
「ここ、入りましょう」
戸惑うパオラの後ろからレネが「ほら、行こう」と背中を押した。

 色とりどりのかわいらしい子供服に、パオラの瞳は輝いた。女物の服に全く興味のないヴィルと稔は、所在なさげに入り口付近で待っていたが、蝶子とレネは、あれこれと話しかけながらパオラに似合う服を選んだ。

 一つは、祝日用の白いワンピースで、沢山のフリルと桃色サテンの太いリボンベルトがついている。それから明るい色合いで着心地のいいTシャツを数点。それに、デニムのキュロットスカート。パオラの母親は家事を放棄してほとんど片付けないので、娘の衣装が増えたことに氣がつくか疑問だが、それでもワンピース以外はできるだけ今着ているものと変わらないデザインのものを選んだ。

「すぐに大きくなるから、長くは着られないかもしれないけれど、次にここに来る時にまた新しいのを買ってあげるからね」
蝶子が言うと、パオラは首を傾げた。

「どうして、そんなによくしてくれるの?」
「どうしてかしらね。多分、私もおしゃれが好きだから、かしら」
そう答える蝶子にレネは嬉しそうに微笑んだ。

* * *


「行ってよかったですよね」
ミュンヘンに向かう電車の中で、レネは蝶子に話しかけた。
「そうね。どうしているのか想像だけして、何もできないのって落ち着かないもの」

「これからは堂々とあのリストランテの店主に様子を訊けるしな」
ヴィルは、ジュゼッペおじさんのリストランテの連絡先を携帯電話に登録した。エッシェンドルフを継いですぐに、ヴィルは携帯電話を持つようになった。数日に一度カルロスの所に連絡を入れるだけでは済まない用件も多くなったからだ。

 『La fiesta de los artistas callejeros』の事務局長として、稔もようやく携帯電話を契約したばかりだ。蝶子とレネは、今のところ必要を感じないので、持たずに行動しているが、こうした小さな変化は、四人の暮らしのあちこちに見られた。

 見ず知らずの少女の人生に関わることなど、かつては考えられなかった。それまでの生活の全てから逃げ出してきた四人は、ここ数年、自分のことだけをする大道芸人のその日暮らしを心から楽しんだ。それは、それぞれの人生をリセットするためには必要な過程だった。どこにも所属することのない自由な日々だ。

 やがて、行く先々に馴染みの場所ができて、ルーティンとなる仕事を持つようになった。そして、新しくベースとなる場所が生まれ、新しい責任も生まれた。自由は減ったが安心と、それから自由になる財産が増えた。そのことにより、自分以外のものに目を向ける必要と余裕が生まれた。エッシェンドルフの使用人たちの生活と業務を顧み、新しい仕事と責任をやり甲斐を持ってこなすようになった。

 加えて通りすがりだった弱い存在に目を向ける余裕も生まれてきたということだろう。

 親から冷たい仕打ちを受けるあの少女には、心の支えとなる存在が必要なのだ。強く生きて、やがて子供の頃の境遇を笑い飛ばせるようになるまで、永遠とも思える時間を過ごすためには「誰かが自分のことを考えてくれる」と感じる瞬間を噛みしめられるべきだ。

 変わっていくのも、悪くない。窓の外を上機嫌で見つめる蝶子に、レネは嬉しそうに微笑んだ。
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Category : 小説・大道芸人たち 2
Tag : 小説 連載小説

Comment

says...
更新、お疲れ様でした。

パオラとの再会、なんだかほわっとしていて良かったです。これはやはり、観光地化していないときの素朴な港町が似合うお話ですね。

レネは子どもにも丁寧だし、稔は意外なスキルを持っているし。うむう、稔は妙な選り好みをしなければ、結構、家庭的なのかも。

ヴィルや蝶子は経済的な基盤ができて、パオラの衣食の面倒まで見られるようになったわけですが、まあ立つ場所によって人はいろいろな役割がついてきますね。変わっていく事も悪くないと、蝶子もレネもご機嫌ですけど、面倒なこともあるんだろうなぁ。

これからのお話が楽しみです。

P.S.パオラの名前に表記のゆれがあって、ときどきパウラになっているようです。
2018.08.29 09:59 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

あうあう。見つけていただいてありがとうございました。
これ、実はもっとあったのですよ。全部見つけたつもりでいたのに!
もともとは、私の中で勝手にパウラの発音になってしまったんですけれど、イタリア語だとパオラですよね……しくしく。

さて。観光シーズンだと、あまりに人が多くて、子供がウロウロしていても誰も氣がつかないかもしれませんよね。やはり、こういうのは、他に誰もいないくらい寂れている時の方が話としては成り立ちやすいです。

レネは、女子供に優しいです。稔も、他の二人に比べると、ずっと子供と上手くやっていけるのですけれど、この人「自分の子供が欲しいなあ」ってタイプじゃないんですよね。もちろん子供がいれば、わりとちゃんと面倒を見るでしょうし「俺ってイクメン」的な勘違いはせずに、ちゃんと子育てもする性格ですが。

蝶子もレネも、特に深くは考えていませんが、ええ、変わっていくのは悪くない、なんていっているうちが花かもしれません(笑)

コメントありがとうございました。
2018.08.29 22:32 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
4人の生活の変化が具体的に書かれていて、あ、なるほど、と納得できました。
4人とも、特にヴィルと稔の責任は重くなりましたね。
携帯電話ね。こういう便利な物は利用しなくちゃ。
これのおかげで大道芸人もできますからね。これが無かったら今の立場で放浪の生活は無理かもしれませんね。
蝶子もレネも持ったらいいのに。あ、携帯が嫌いとか?だったらサキと同じなんだけど。

パオラについては、これでばっちり!良かった良かった!とは思えませんが。
まぁ、当面の処置としてこういうのも仕方がないかなと思います。
知ってしまった以上、このまま放っては置けませんもの。
稔と蝶子のパオラに対する接し方、個性が出ていて面白かったです。
子供の扱いが全く得意でない様子の蝶子の接し方でも、きっとパオラには通じていると思います。

あ、魚、サキは食べるのが苦手ですね。骨を綺麗に取るとかもう不可能です。
食べやすい部分だけ食べて、後は内臓や骨が(特に肋骨部分が)ぐちゃぐちゃに・・・。でも嫌いじゃないんですよ。イワシもちゃんと残さず食べましたから。

変わっていくのも悪くない、そう思わせてくれる第2部のスタートです。
2018.08.30 11:27 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

そうそう、この小説は現代(っていうか、正確には近未来)ものなので、携帯もあって当然なんですが、第一部ではあえて出しませんでした。
ヴィザもない、逃げ出してきた、違法滞在な人間は、携帯電話の契約なんて出来ないし、さらにいうと日銭で暮らしている人はそんな余裕もありませんでしたし、さらにいうと人間関係を断ち切って旅に出たということを考えると、携帯に固執するというのも変だったから。
でも、その彼らが、再び社会とのパイプを持ち出しているという説明として「携帯を持つ」は、わかりやすい事例ですよね。

蝶子は面倒だから、今さら持ちたくなくて、レネは主義です。フランス人ってたまにこういう人がいますよね(笑)

稔と蝶子、本当に接し方が違うんですよね。
具体的な扱い方は稔の方が上手いのだけれど、本人に対する関心は蝶子の方が強いのです。
これは、自分に重ね合わせているからだと思いますが。
パオラはどっちも嬉しいと思いますが、蝶子には特別なついていますからね。なぜか。

魚の食べ方、私もずっとひどかったのですが、昔の同僚に魚屋の息子が(別べつに)二人もいまして、
変な食べ方をしたら説教されました(笑)

コメントありがとうございました。
2018.08.30 22:15 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
これ↓
「どうして、そんなによくしてくれるの?」
「どうしてかしらね。多分、私もおしゃれが好きだから、かしら」

夕さん語録に保存ですよ。素敵^^

パオラは時に自分の不幸を恨むこともあるかもしれませんが、こうして支えてくれる大人たちと出逢って感謝することを覚え、それを忘れずに成長していくんだろうな、と思うと将来明るいです。

変わることは良いことですね。
先を見る蝶子を見て微笑むレネが印象的です。
2018.08.31 13:52 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

この言葉、パオラに余計な思いを抱かせない配慮もあるかもしれませんが、おそらく蝶子の本音ですよね。

ヘルプの方法は四人とも違っていて、幼いパオラはまだよくわからないでしょうが、きっとどれも必要で嬉しいものだと思うんです。

この子は後ほどまた出てくる予定です。応援して下さると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2018.08.31 23:52 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。
久々に開いてみたら、パオラが! イラストも載せてくださって、ありがとうございます。
もう一度初登場のパオラを読み直してみると、あの時はパオラの視点だったのですね^^
(物語は覚えていても、誰の視点で書かれたものかって、思い出せない時がありますね。不思議)

蝶子たちがパオラの事をこんなにも大事に思ってくれていることが、読者目線でもとてもうれしくなりますね。相変わらず、パオラの環境は改善されていないのが悲しいですが><

稔が優しく食べ方を教えてあげるシーン、ホンワカしていいですね。
私も魚を食べるのが得意じゃなくて、すぐぐしゃぐしゃにしちゃって、小骨を喉に刺しちゃう子供だったので(爆)、パオラ、幸せです(*´ω`)

パオラと出会って、その子に生きる希望を与えたことは、蝶子たちの幸せにもきっとつながるし、これが縁というもんなんですよね。
なんだかすごくホッコリさせてもらいました。
洋服のお店に入れない男子2人の姿もすごく想像できて、それにもほっこりです^^

(あ、前回のお話の中で、パオラが「バオラ」になってるところがありました。蝶子のセリフです)

長々とお休みしていましたが、またさっきの方にもお邪魔しますね(*´ω`)
2018.09.01 09:21 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
おや。さっき、けいさんのところに「あ、私もそこが好き」って書いてきたところだった。また「ここいいよね」って書こうと思ったところ、けいさんも書いてた。いやきっと、みんなが同じところで「いいなぁ」って思ってるんだろうな。もちろん、パオラは賢い子だから遠慮しちゃったりしそうだから、それに対して蝶子が気を遣わないように言ってあげたって部分はあるにしても、この台詞が出てくるのが蝶子だなぁって思います。なんてのか、半分は本当のことであり、あとは彼女がこれまで味わってきた人生の中から出てきた言葉だなぁって。トカゲ女だけれど、優しいんだよな(いや、稔じゃないけれど、トカゲっぽくなくなってきた)。
それにレネの食事の誘い方も素敵。私も子ども相手の時にも出来るだけ丁寧な言葉で話そうと思っているのですが、こういう話し方、ほんとにいいなぁと思います。子どもにとって、自分が大切にされていると分かる言葉ですから。
稔が子ども扱いがうまいってのもツボ。このなかでヴィルだけが余り子どもに直接絡んでないけれど、それはそれで彼らしくて、絡んでいないことが別に他の人に比べて冷たいわけでもなくて、4人4様なのがよいです。

そして後半で触れられている、時が流れたと感じる部分。ほんとに、同じようなことをしていても、全然違ってきているんですね。その時の流れと人の変化が感じられて納得です。
2018.09.01 16:38 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
こんばんは。

えっ、limeさん復帰?! と、思ってよく考えたら、もう二週間経っていたのですね。
私何もしていなかったかも!

さて、そうなんです。
またイラストを使わせていただいています。あのイラストから生まれたキャラなのですもの。
その節はありがとうございました。

そして、そうなんです。あの時は、パオラ視点で書いてみました。
実際には子供だったら使わないような単語も使っていますけれど、そもそもパオラは日本語はつかわないし、その辺はいいやってことで。
パオラの事情を説明して出会いも描写するのに、パオラ視点が一番わかりやすかったからなのです。

で、今回はもう事情はいいやってことで、四人の方に視点を戻しました。

さて、パオラの環境は、以前とほぼ同じでした。もっとも、ゴミ屋敷に一人で放置はしていますけれど、当局が介入できるような虐待ではないのですよね。ジュゼッペおじさんたちも、これまでは表だっては何も言えなかったのが「いやー、あの外国人たちが、無理に言ってきたからねぇ」などと言って、おおっぴらにご飯を食べさせるのかな。

私も子供の時は、魚の食べ方とても苦手でしたねぇ。
スイスではよくマスを食べるので、移住前に食べ方を習得出来て良かったと思いますよ!
小骨って、面倒くさいですよね(笑)

さて、洋服屋。
ヴィルも稔も、苦手そうですよね。
レネは、ガールフレンドと一緒に入って、絶賛したり荷物を持ったりするのに慣れているので幼女くらいお手の物です(笑)

そして、ああー、「パウラ」にばかり氣を取られていましたが、そっちの間違いも!
本当に助かります。ご指摘ありがとうございまい。
もともとの原稿は小さくて見にくいのはわかっているんですが、なぜアップ前に見つけられないかな。
はあ。

お休みの後で、皆様の所へいらっしゃるのでお忙しいかと思いますが、どうぞご無理のないように。
またどうぞよろしくお願いします。

コメントありがとうございました。
2018.09.01 21:54 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

わーい。所々でウケると書いている方も「よっしゃ!」とガッツポーズが出ます。

主役が四人もいるので、かき分けという意味でも、それぞれの台詞や行動に、彼ららしさが出るといいなと思っています。

蝶子は「あなたがかわいそうだから」みたいなことは言わなそうですよね。トカゲ女としてのものの言い方の美学みたいなものがきっとあるに違いない。それに、本当に彼女はおしゃれが好きなんですよ。

ものの言い方といえばレネもそうで、パオラに他の予定なんかあるわけないし、お腹がぐうぐう鳴っていても言い出せない女性(レネはそう扱う)に恥をかかせないというのも、レネらしさです。

稔の優しさは、ストレート。子供が好きというよりは「慣れている」だけですが、出来ることを出し惜しみせずにさっとやってみせるのは四人とも共通しているかもしれませんね。

そして、ヴィルですが、この人は稔やレネみたいな態度では示さないので、おそらくパオラからもっとも感謝されないと思いますが、実は一番彼女の待遇改善に貢献しているのはこの人の決定で、でも「俺が俺が」的なアピールはまったくしない。おそらくパオラがもっと大人になってからようやく意識に上る類いの優しさでしょうね。

今回のエピソードは、ストーリーの後半に関係するクッション的な位置づけですが、第一部での四人との変化がわりとはっきりしてきましたよね。次回は、またスペインです。

コメントありがとうございました。
2018.09.01 22:13 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
以前仰られていた定住世界との関係性の構築の外バージョンというか、
総集編のような感じがしました。
なるほど〜こうしてみると、お屋敷の中にいたときよりも
より四人の変化が如実に分かるというか……!
そして稔、やはり子供も扱いがとても上手でしたね!
レネもさりげなくサポート、ヴィル様は稔みたいな分かりやすい
優しさは示せないけど、前回さりげなーく、そして一番重要なポイントで
手助けされてましたし。パオラが番外編でヴィル様と蝶子さんの仲が悪いって言ってましたけど、ヴィル様の示す態度は子供には分かりづらいけど、
逆に大人になってからはっと気づかされる系の優しさですよね。
一部でさりげなく蝶子さんの手を握ったときもですが、ヴィル様の
不器用というか、分かり辛い優しさの描写がなにげに自分のツボだったりします。

蝶子さんの
>私もおしゃれが好きだから、かしら
は彼女の性格がよく出てるなぁ、って思いました。
とっさにこういうこと言える女性も中々いないですよ、
かっこいいなぁ。そして優しい、しかもその優しさがベタベタしてないところが
蝶子さんらしいです。

印象的だったのが変わっていくのも悪くないという最後の一文。
ここに、今のみんなの気持ちが端的に集約されてるような気がしました。
一部のころは少なからず自由というものにしがみついていた気がするんですよ。
でも教授の死によってヴィル様の立場が変わって一部のときとはいろいろ変わって。
変化を受け入れられるようになった、それは、一部のときのような自由なだけのときには見えない景色が、今になって見えるようになったからかもしれないですね。
なんだかとても深い回だなぁ、と思いました。
次回はスペインなんですね。
楽しみにお待ちしております^^
2018.09.02 14:52 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

「郷愁の丘」は「ファインダーの向こうに」の一応の続編ではあるんですけれど、一応違う作品として書いているのに対して、この「大道芸人たち Artistas callejeros」は私の中では二つで一つの作品なんですよね。だから、以前に書いたことを繰り返し説明してわかってもらおうという親切な記述がないのです。(その一方で、この作品の楽しさが好きな方のための配慮として区切っている、という裏話はあります)

そういうわけで、四人の性格を示すような描写はこういう形でとても短く、あっさりと終わっているわけです。

パオラはまだ子供なので、この四人の旅のこと、生活のこと、絆のこともまだよくわかっていなくて、でも、それなりに「みんな大好き」で終わっているかも。ま、ヴィルのことはどうでしょうね。
でも、canariaさんがわかってくださるから、彼はそれでいいのかも(笑)

蝶子は、トカゲなりの表見方法、かつ、本音でしょうね。

変化していくこと、かつての蝶子は怖れていたんですよ。
ずっとみんなで、やっていきたいと。
で、それが確保されたなと思えるようになったので、「だったら変化してもいいや」と思っているというのが今の段階でしょうか。
ま、そのままは終わらない、「そうは問屋が卸さない」のが私の小説ですけれど。

とはいえ、当分はこの感じをお楽しみください。
次回は、一週はさんで、スペインです。また読んでくださると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2018.09.02 18:04 | URL | #9yMhI49k [edit]

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