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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】September rain

今日は「十二ヶ月の情景」九月分をお送りします。毎月ある情景を切り取った形で掌編を作っています。三月から、100,000Hit記念企画として、みなさまからのリクエストに基づいた作品を発表しています。

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今日の小説は、山西先さんのリクエストにお応えして書きました。いやはや、難しいリクエストでした。

コラボの希望は「ヤキダマ」そして「コハク」です。ずうずうしくも2人ですがお許しください。
一応サキの了解は取っています。面白そうだからいいか、とのことでした。
リアルコハクは知りませんが、まぁ良いでしょう。
別々の作品のキャラですが、ヤキダマは現実世界にも設定がありますし、コハクは現実世界のキャラです。
2人共建築関係の仕事ですし、まだそんなに偉くはなってないようですが、世界を舞台に活躍している様子です。
年齢はヤキダマが少し上くらいでしょうか?

そしてテーマは「9月の雨」でお願いします。
私の年代ですと太田裕美ですね。

コラボ相手は完全にお任せです。


少し補足しますが、先さんは、既に発表した『春は出発のとき』のリクエストをくださったサキさんと二人三脚でブログを運営なさっています。サキさんと先さんはのお二人で左紀さんなんですけれど、リクエストをいただいた「コハク」や「ヤキダマ」というキャラクターとお話そのものを考えられたのはサキさんです。ですから、「了解を取った」ということなのでしょうが、かといって、私が今後の作品に差し支えるような重大な設定を作るわけにはいかないのは、他のコラボと同様です。

そして、建築士の「コハク」は、たしか『物書きエスの気まぐれプロット』シリーズのエスの友達ではなくて、その作品に出てくるキャラクターだったはず。(つまり左紀さんのブログには、サキさんの友達の「リアルコハク」、エスの友達の「コハク」、それにエスの作品のキャラ「コハク」と少なくとも三人の「コハク」が登場)、一方、「ヤキダマ」は『シスカ』と同じ架空世界に住んでいるのですが、私の所のキャラクターたちとのコラボや、『オリキャラのオフ会』では、現代の日本(やイタリア)に普通にいるという設定もあります。

そういうわけで、今回は、強引に『物書きエスの気まぐれプロット6』の中の『コハクの街』に出てくるコハク(シバガキ・コハク、漢字不明)と、『いつかまた・・・(オリキャラオフ会)』に出てくるヤキダマ(本名・三厩幸樹)が、「建築系の大学で知り合っていた友人だった」という強引な設定のもと、話を作りました。たぶん、サキさんの逆鱗に触れる設定ではないと思いたい……です。まずかったらおっしゃってください。


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September rain

 三厩幸樹みんまや こうき は、もと来た道を戻ることにした。これから友人を訪ねる予定なので、時間がたっぷりあるというわけではなかったのだが、先ほど見かけた光景をそのままにして置いたらずっと後悔するように思ったのだ。

 彼は迷った時に、こう考えるのが常だ。彼の妻にこの話をして、その判断に賛成してもらえるだろうかと。彼女に胸を張って報告できないようなことはしたくない。

 通り過ぎた角を二つほど戻ると、その女性はまだ同じ場所にいた。スーパーマーケットの入り口の近く、歩道に出ているので自動ドアが開くことはないが、庇に覆われることもない場所だ。冷たい雨が降りしきる中、手に持った傘を広げもせずに佇んでいる。

 よけいなお世話かもしれないけれど、でも、この後、自動車道に飛び込まれたりしたら困る。近づいてよく見ると、泣いているわけではないようだ。二十代後半だろうか、白いリネンのブラウスに、焦げ茶のタイトスカート。落ち着いた服装だが、個性にも乏しい。他の通行人が誰も立ち止まらないのは、その存在が大きく主張してこないからかもしれない。

 彼は、その場に数秒立って、声をかけるべきか思案した。濡れたまま、空を見上げるように立っていた女性は、それでも視界に入った彼の存在に氣がついたようで、彼の顔を見て不思議そうな顔をした。
「何か……」

 彼は、傘を差し掛けた。
「あ。いや、どうなさったのかと……。傘はお持ちのようなのに、濡れたまま立っていらしたので……」

 彼の指摘で初めて降雨に氣付いたかのごとく、彼女は「あ」と言ってから自分の傘を広げた。
「私ったら、ぼんやりして」
「あ、いや、何でもないならいいです……すみません」

 その女性は、少し慌てた。
「いいえ。その……氣にかけていただき、ありがとうございました。実を言うと、考え事、いえ、昔のつらかったことを思い出していました」

 彼は、返答に困ったが、歩いている方向がどうやら同じで、会話を打ち切るのは難しかった。
「そういうことは、ありますよね。でも、今日みたいに冷たい雨に濡れると、風邪をひきますよ」

「九月の雨は冷たくて……」
彼女は、小さな声で歌を口ずさんだ。
「?」

「あ、何でもないです。昭和の歌謡曲……だからご存じないですよね」
「ええと、聴いたことはありますよ。太田裕美でしたっけ。でも、あなたもこの歌がヒットした時に聴いた世代じゃないですよね」
彼が訊くと、寂しげな笑顔が返ってきた。

「大学生の時に、お付き合いしていた男性が教えてくれたんです。お父さんが大ファンだったそうで、家でカラオケをする時に、お母さんが歌わされるんだって、九月になるとよく口ずさんでいました」

「それで憶えてしまったんですね」
「ええ。その時は、昔の曲だな、歌詞も前時代的な価値観の、いかにも昭和な言葉選びだなって、彼と笑い合っていたんですけれど……」

「けれど?」
「その彼と、別れることになったのは九月でした。冷たい雨の中、濡れながら家に帰ったんです。歩きながらあの曲の歌詞を思い出して、涙が止まりませんでした。辛さから逃げるために東京に出て、別の仕事をして、少しは自立して、がむしゃらに働いて……。もう、忘れたと思っていました。でも、先ほど、ああ、九月の雨だって思い出したら、急に胸がいっぱいになってしまって」

「どんな歌詞でしたっけ」
彼は、間抜けな質問だと思いながらも、口にした。彼との個人的な思い出の方は、これ以上訊きづらかったから。

「失恋の歌です。かつては幸せだったのに、相手の心が離れてしまったのを感じながら、九月の雨に濡れている。昔から、秋って別れのシーズンだったんでしょうね」

 角まで歩くと、彼女は小さな惣菜屋を示した。
「私は、ここで。ご心配いただき、ありがとうございました」

「お買い物ですか」
彼が訊くと、彼女は首を振った。
「いいえ。ここに勤めているんです。素朴なものばかりですが、結構美味しいですよ。機会があったら寄ってくださいね」

 彼女は、お辞儀をして去って行った。傘を畳む後ろ姿は、柔らかかった。

 店にやってきて惣菜を購入していく客たちは、彼女の人生について思いを馳せることはないだろう。彼もまた、彼女が東京でどんな生活を送り、なぜ戻ってきたのか、そして、この街でかつて起きた恋と別れについて、何も具体的なことは知らない。

 彼が、過去も含めて全てを包み込みたいと願ったのは、結婚したばかりの妻だ。彼は、愛する人のつらい過去を変えることは出来ないが、日々の生活の中で笑顔と喜びを共有することは出来る。そして、これから起こりうるどんな困難にも共に立ち向かい、持てる全ての力で守っていきたいと思っている。

 今、わずかに言葉を交わした女性もまた、様々な思い出を抱え、人生の続きを家族や友人たちと歩いて行くのだろう。九月の雨に、いずれもっといい思い出ができるといいが。彼は、そんなことを考えつつ、先を急いだ。

* * *


「シバガキさん、チェックをお願いします」
涼二は、CADで作成した設計図を設計士の所に持っていった。若々しい彼女は、彼よりも年下に見えるが、この設計事務所の中ではすでにベテランの一人だ。下の名前は、なんだったか宝石みたいな綺麗なやつだったな……ああ、そうだ、コハク。

 ショートカットの髪をわずかに傾けながら、彼女は涼二の作成した図面をチェックしている。彼は、間違いが見つからないといいなと考えながら、彼女の向こう側の窓をぼんやりと眺めた。

 雨が降っている。ちくしょう。また予報が外れた。どうして傘を持っていない日に限って降るんだろう。
 
「あら。降ってきたわね。帰るまでに止むかしら」
彼女は、身震いすると窓の所へ行って閉めた。
「ずいぶん涼しくなったわよね。どちらかというと寒いくらい。九月って、もう秋の始まりなのよね」

 彼女の言葉に、涼二はそう言えば、九月の雨だったかと改めて思った。
「September rain rain……」

「ちょっと。小林君、なんなのよ、突然」
彼女は、涼二の突然の鼻歌に、目を丸くしている。

「すみません。つい、思い出してしまって」
「なんの歌?」
「あ。昔のヒット曲です」
「……くわしいのね。カラオケ?」

「ええ、まあ。家で、親父とお袋が喜んで歌っているのを見て育ちまして。もっとも、それを思い出したわけじゃないんですけれど」
「じゃあ、何を思いだしたのよ」

 涼二は、口を一文字に閉じて視線を落とした。彼女は、急いで付け加えた。
「あら。イヤなら言わなくてもいいのよ」

「あ、そういうわけではないです。……今まで、意識していなかったけれど、ずいぶんダメージを受けていたんだなと、今ようやく認識したんです」
「え?」

 涼二は、窓に背を向けて立った。窓には冷たい雨が伝わって落ちる。部屋の中には水滴は入ってきていないが、彼の背中には冷たさが流れているようだった。

「大学の時つきあっていた彼女がいたんです。彼女は短大で二年早く社会に出て、僕は甘えた学生だったな。今なら平日の夜中に突然呼び出したりしたら迷惑だってわかるけれど、あの時の僕は、配慮が足りなかったと思います。いろいろなことがすれ違って、それがいわゆる性格の不一致ってやつだと、思っていました」

 彼女はデスクに頬杖をついて聴いていた。
「それで?」

 彼は肩をすくめた。
「つまらない喧嘩をしたんです。二股をかけていると疑われて、カッとなって、売り言葉に買い言葉でした。しばらくしたら、謝ってくるだろう、くらいに思っていたんですけれど、それきりになってしまい、共通の知人から彼女が東京に転職してしまったと聞かされました。急に、周りの地面がなくなって、崖に一人で立っているようで。でも、その後は日常に戻って、けっこう上手くやっているつもりだったんです」

「もしかして、今でも引きずっているの?」
「どうでしょうね。あれから、何人かの女性と付き合い始めるくらいはしているんですけれど、全然続かないのは、もしかして、あの別れのせいかな。あの喧嘩も、こういう冷たい雨の日だったなあ。まさに『九月の雨』だ」

「そのお知り合いに訊いて、連絡してみれば。また付き合うとかそういうのでなくても、ほら、お互いに伝えられなかった言葉を、今なら上手に表現できて、その結果、苦い過去がいい思い出になるかもしれないし」

 明快な人だな。涼二は思った。
「そうできたらいいんですけれど、東京のどこにいるか、あいつも知らないんじゃないかな。彼女のご両親は、この街にいるから、いずれまた遭うことがあるかもしれませんが……。すみません、こんな話してしまって。図面を見ていただいているのに」

「いいのよ。どっちにしても、もうじき人が来る予定で、この図面のことは明日の朝話そうと思っていたし」
「そうですか。 お客さんですか?」
「いいえ、違うわ。同業者ってとこかな。大学時代に知り合ったの。彼は、大学院まで行って、今はK市の建築事務所で活躍しているのよ。今日、駅前に仕事で来るって聞いたので、久しぶりだからついでに寄ってねって言ってあったの。あ……来た!」

 彼女は立ち上がっで、窓の外を眺めた。涼二の知らない男性がこちらに向かってきた。
「小林君、悪いけれどエントランス、開けてくれる?」
時間外なので自動ドアはもう開かない。彼は、急いで入り口に向かった。

 入ってきた男性と、簡単な挨拶を交わした後、彼女は彼に涼二を紹介した。
「幸樹、こちらはうちの新人で小林涼二君。建築士目指して私たちの通った大学の夜間部に通っているの。小林君、こちらは、三厩幸樹さん。とても優秀な建築士よ」

 涼二は、「はじめまして」と手を伸ばしながら見上げた。柔和な顔立ちをした背の高い男性だ。

 彼女が三人分のコーヒーとクッキーを用意する間に、涼二は図面を片付けて、ミーティングの机に幸樹を案内した。先日彼女が手がけた音楽堂に入ったと熱心に話をする幸樹の専門的な見解に、涼二はなるほどと、目からうろこが落ちる思いで耳を傾けた。

 コーヒーが空になる頃、彼女は提案した。
「ねえ、小林君とこの後軽く飲みつつ、二級建築士試験についてのアドバイスをする予定なんだけれど、よかったら幸樹もどう? 空調設備や防災設備など、設備工学のことは、私よりも幸樹のほうがずっと精通しているし……」
と、言いかけてから、彼女ははっとして慌てて訊いた。
「あ、幸樹、新婚だったね。急いで帰らないと、可愛い奥様が心配する?」

 すると、幸樹は笑って言った。
「いや、『今日はコハクに会う』と言ったら『よろしく伝えてね。ゆっくりしてきて』と言われたよ。彼女も、北海道で知り合った友達と再会するとかで遅いらしいし」
涼二は、幸樹の話をもっと訊きたいと思っていたので、とても嬉しかった。

 場所を移した先は、駅ビルのスペイン料理屋だった。
「私ね。ちょうど今の小林君みたいに、建築事務所で働きながら資格試験の準備をしていた時に、自分の適性について悩んだことがあってね。それで、衝動的にスペインへ行ったことがあるの。それ以来、スペイン料理が大好きになっちゃったの。タパスは少しずつたくさん頼めてお酒のおつまみにいいし」

「へえ。シバガキさんが……。意外ですね」
彼女は、いつも颯爽としていて、迷いなどないタイプなのかと思っていた。

 自分に建築家としてやっていく才能があるか、涼二は不安に思う時があった。一度は諦めて普通の就職をした後で、もう一度夢に向かっての再チャレンジだ。年齢のこともあり、将来に不安がないと言ったら嘘になる。でも、その不安が自分だけのものではないと思うことは、大きな励みになる。

 彼女はいくつかのタパスを注文し、ベネデスの白ワインを、男性陣はビールの方が得意なので、セルベッサを頼んだ。

 チーズのオリーブオイル漬けや、スペイン風オムレツ、タコと青唐辛子のピンチョスなどが運ばれてきた。ウェイターの一瞬の戸惑いを察知した幸樹が黙って皿を動かして、テーブルに空間を作った。

 彼女はそれを涼二に示して言った。
「この人、こういう氣遣いが本当に上手なのよね。奥さんのサヤカさんも、感心していたわよ」

「え。彼女が、コハクにそんなことを?」
幸樹は、驚いた。

「彼女もあいかわらずなのね。とても感謝しているって、本人にはほとんど言わないんでしょう? 幸樹の奥さんってね、口数が少ないから、知らない人から見ると、ぶっきらぼうにも見えるんだけれど、とても繊細な感性を持った素敵な女性なのよ。ね、幸樹」
「ええ。まあ」

 涼二は、照れる幸樹を意外に思いつつ見ていた。新婚か。そりゃ、幸せだろうなあ。その途端、不意に自分のことを思い出して俯いた。あの時、彼女と別れていなければ、もしかしたら自分も今ごろは、こんな顔をしていたのかもしれないと。……参ったな。

「あ。小林君が暗くなっちゃった」
「シバガキさん、さっきの話のせいですよ。あ、いや、自分で話したんだから、自分のせいか……」
「九月の雨のせいでしょう」

「九月の雨?」
幸樹が妙な顔をした。

「そうなんです。さっき、シバガキさんに、昔、九月の雨の日に別れてしまった話をしていたんですよ」
涼二は、肩をすくめた。

「えっ……」
幸樹は、二度瞬きをして涼二を見た。

「どうしたの?」
彼女が訊くと、幸樹は、少し間を空けてから答えた。
「あ、いや。ここに来る前に、偶然会った人のことを、考えていたんだ」

「どんな人?」
彼女が訊くと、幸樹はまずセルベッサのグラスを空けた。そして、二人の顔を見てから、口を開いた。
「太田裕美の『九月の雨』って曲、知っているかい?」

(初出:2018年9月 書き下ろし)

※2019年11月25日 サキさんのご要望に従い、ヤキダマとコハクのお互いの呼び方を訂正しました。
※2019年11月26日 サキさんのご要望に従い、コハクからのコトリの呼び方を訂正しました。
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Category : 短編小説集・十二ヶ月の情景
Tag : 小説 読み切り小説 100000Hit コラボ 月刊・Stella キリ番リクエスト

Comment

says...
執筆、お疲れ様でした。

じつは私、太田裕美のファンでして。時々ウォークマンでベスト盤を聴いたりしていますが、あの人の歌ってけっこう錚々たるメンバーの楽曲が多くて、いまでも色あせない魅力があります(同年代限定w)
「九月の雨」は有名な曲ですよね。そして、八少女夕さんが書かれたようなシーンと物語を歌った歌詞でしたね。

ヤキダマとコハクをうまく絡ませましたね。山西サキさんの作品世界は多面体みたいな構造ですから、キャラの扱いも難しいですよね。いやぁ、ほんとうによく思いつかれるなぁと感心しました。
ヤキダマとコハクの縁に、不本意な別れを引きずっている二人の人生が交錯する展開、こういうことがあったらいいなぁという感じですよね。
そして、ラスト。話は歌を印象的に取り上げて、すぱっと終わっていますけど、その先のいろんな可能性を考えてしまいます。あの歌では別れた二人はそれぞれに生きていくって感じでしたが、このお話ではこの先、復縁の可能性もありそうですよね。こういう余韻のある終わり方、いいなぁ。
2018.09.05 12:43 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
ふうむ。
曲自体は知らないですけどね。
昭和の曲は今でも色々聞きますけどね。
歳をくったのか。。。
世代の曲が心に染み渡るようになりました。
最近の曲より、自分の世代の曲や歌詞が今になって心に染みます。。。
( 一一)
2018.09.05 13:20 | URL | #- [edit]
says...
おお!これは凄い!
ヤキダマとコハクをどういうふうに絡ませられるのか、楽しみにしていたんですが、こう来ましたか。
それにしても、ヤキダマとコハク、二人の性格をよくご存じですね。
ひょっとするとサキよりもよく理解してらっしゃるのかも。
ヤキダマとコハクそれぞれに物語が進んでいき、そしてコハクのもとにヤキダマがやってくる・・・。
この展開が予想外で驚きました。そしてさらに「九月の雨」をキーワードに、別々の話が1つに纏まろうとする。
思わせぶりなヤキダマの態度。
そして・・・。
素晴らしいエンディングですね。
この後の展開を想像して暖かい気持ちになりました。

リクエストに答えていただいてありがとうございました。
2018.09.05 14:55 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
ヤキダマがコトリの事を思うシーン、とても素敵でした。
ちょっと意地悪なリクエストになったかも、なんてニマニマしていましたが、そこはやはり夕さん、思いもかけない展開でした。
サキは本当のところ、ヤキダマの浮気なんかまで想像していたんですよ。
一時の気の迷い・・・なんてね!
でもさすがコトリ一途のヤキダマ、ビクともしないなぁ。
とても親切で優しい。やっぱりヤキダマだ。
コハクだって独身だし、なんか歪んだ恋なんてのもあり得るかも、部下のイケメン登場だし!こっちも妄想を膨らませていたんですよ。
でも、きちんと仕事してるし、部下の面倒も丁寧に見ているみたい。
この全く別々のストーリーが涼二の話の内容で、あれ?と、徐々に繋がりを見せる展開はワクワクしました。
そこへヤキダマがコハクを尋ねてくる。
ヤキダマの浮気なんかを想像していたのが恥ずかしくなるような展開です。
ヤキダマとコハクの会話も素敵です。
あ、コトリは例の北海道のメンバーと会ってるんだ。だれ?正志と千絵?あのバイクでやって来た・・・とか?
「九月の雨」がキーワードとしてとても上手く使われていて、この曲を橋渡しに涼二とあの女性が再び出会うかも。
ヤキダマの最後の台詞、セルベッサを空けて一拍おいて、すこし気取って喋っている様子が浮かんできます。
ヤキダマ、なかなかやるなぁ!
2018.09.05 14:57 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

おお、ファンでいらっしゃいましたか。
私は、当時は父に「歌謡曲禁止令」を出されていまして、もちろん「木綿のハンカチーフ」は知っていましたが、「九月の雨」は知らなかったんです。太田裕美は、当時から私の印象では「アイドル」ではなくて「歌手」だと思っていました。
だから、今回調べてみて、アイドル的にデビューしていたということに驚きました。もっとも、当時のアイドルって歌のものすごく上手な人がとても多かったですよね。それに、数ではなくて個人で勝負していたし。

今回調べているうちに「赤いハイヒール」が「木綿のハンカチーフ」の続き的な歌だという解説を読みました。それで「九月の雨」も必ずしも永遠のお別れで終わらせなくてもいいのかなと思いこのようなストーリーにしてました。

それに、お題で指定された二人の色恋沙汰を書くわけにはいかないので、こんな感じにするしかなかった、という裏事情もあります。
自分のところのキャラなら、ドロドロ修羅場でも好意を無駄にするのも、何でもありなんですけれど。

最後は、ヤキダマにだらだら語らせるよりは、「きっとこうなるだろうな」と読者に想像させる所までで十分かなと思って終わりにしました。
まかさ、ここで太田裕美の話だけで終わらせるはずはないですよね(笑)

コメントありがとうございました。
2018.09.05 20:35 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こちらにもありがとうございます。

あの当時の曲は、ストレートに心に響く曲が多かったように思います。
今もそういう曲はあるのでしょうが、多様化したんでしょうかね。

若い時には、わからなかったことが、ある程度の年齢になると心に染みるということはありますよね。

コメントありがとうございました。
2018.09.05 20:44 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

なんとか合格したでしょうか。
非常に難しいお題でした。職業が同じとはいえ、二人ともそれぞれの作品のメインキャラですから勝手に同僚にはできないし、かといって知らないもの同士で出すとせっかくの同じ職業が生きないし、「どういう関係にしよう」から悩みまくりでした。

ヤキダマの行動のモデルにしたのは、コトリに結構邪険にされていた頃から、彼女のためにいろいろと手を尽くし、さらに「やってますアピール」を全くしなかった辺り、ですね。
コハクの方が少し困ったのは、出てくる作品によって違う印象を受けたのですけれど、これはリアルコハクも含めて三人のべつのコハクが存在するからだと思います。で、あまりその辺りはこだわらずに、涼二がしゃべりやすい相づちを打てる性格にしてしまいました。
イメージが違ったら、ごめんなさい!

ヤキダマとコハクをメインにして「九月の雨」っぽいストーリーを作るのははじめからNGでした。
コハクを不倫相手なんかにしたら、先さんやサキさんに絶交されちゃいますから。
で、べつのカップルをメインにしたんですけれど、そうなると、ヤキダマとコハクのべつのストーリーを作ると長尺になりすぎます。
で、今回は二人にはメインの二人の話をそれぞれ聴いてくれる役に徹していただきました。

「九月の雨」は太田裕美の曲をそのまま使わなくても良かったのですが、使わないとわずかな台詞で確信まで連れて行くのが難しかったです。
というわけで、ド直球で使わせていただきました。

お氣に召したら嬉しいです。

リクエストと、コメントをどうもありがとうございました。
2018.09.05 21:07 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

逆鱗に触れなくて、よかった……。
あ、ヤキダマがコハクと恋愛……なんて筋書きにしたら、サキさんや先さんだけでなくリアルコハクさんにも殺されちゃいますよ!

「同僚でもない二人が会う」という設定にするのに、コトリが知らないというのもちょっと不穏な感じがするので、コトリもコハクを知っていて「ゆっくりしてきて」と言ってくれる設定にしました。これはオフ会の時、レオポルドとタンデムしたこともヤキダマに隠さずに話して、全然問題なかった、あの信頼関係を下敷きにしました。あのオフ会作品をお読みでない方もいらっしゃるので、ヤキダマがコトリ一筋であることが伝わる記述をあえて何カ所か入れてみました。

コハクの方は、とくにプライヴェートを書き込みませんでした。『コハクの街』の第一作では、誰かと出会っていましたし、一方、エスの友達のコハクは新婚旅行でスペインに行ったって設定でしたよね? とはいえ、サキさんの続きの設定があるかもしれないので、そこは触れないに限るという方針で書きました。

部下って涼二のことですよね。えー、イケメン属性はないですよ。私の小説だから(笑)

今回のストーリーは、先さんからのお題で、『九月の雨」と「建築関係」と作品の全く違う二人のキャラという縛りがありましたので、長くならないようにするため、こういうストーリーになりました。

コトリは、誰と会っているんでしょうね。
正志がバイクでやってきたとなると、コトリは外出もせずに整備しちゃいそうに思うので、他のメンバーかな。
マックスとレオポルドだったらどうしよう(笑)

このあと、ヤキダマがどんな風に話をして、どう展開するのかは読者にお任せですけれど、これでキューピッドはせずに、太田裕美談義になって終わったら、笑えますよね。

大事なキャラの貸し出しと、コメントをどうもありがとうございました。
2018.09.05 21:24 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
これからどうなるんだろ…?
今回もいいところで終わりですね
これで再開できたら運命って感じです
私も好きな歌とか作っておいた方がいいのかな?
2018.09.07 13:46 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

どうなるでしょうね。
二人のゲストキャラがキューピッドとなって、感動の再会になったらいいですけれど
なんせ私のキャラですからねぇ。
全然ダメだったりして。

好きな歌、あれば恋愛復活戦に有利とは思いませんが、カラオケに誘われたときには役に立つかもしれませんよ。

コメントありがとうございました。
2018.09.08 20:45 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
サキさんのキャラ、それも違う世界観の2人を見事に絡めてしまう手腕。いつもながら本当にすごいです。ちゃんとヤキダマや、コハクの性格や連れ合い等の背景もある程度分かっていないと書けないですよね。
昭和の曲を絡め方も、見事でした
(この曲、とっさに思い出せないけど、聴いたら思い出すはず。私の中では太田裕美は声優の印象が大きいですね。NHKの人形劇の声^^)

建築事務所でのシーンから、驚きの偶然の出会いまで、分かっていてもニマニマしちゃいましたが、更に楽しかったのは、ここでもしっかり食べ物が出て来た事(笑)
ああ~、やっぱり夕さんの物語だ、と、妙に頷いてしまいました。
やっぱり食事風景って、生活感とかリアリティとか出ますよね。
うーーん、見習わなければ><
(あ、例のファンタジーで、頑張った結果、焼きそばパンが限界でした!←なんの報告)
2018.09.13 11:09 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
こんばんは。

わーい。limeさんに褒めていただいた。
実は、先さんのキャラ選択は、とても難しくて、この二人はあちこちの作品に出てくるのですけれど、バージョンはいくつかあるわ、あまり描写がないわ、性格や背景もつかみにくいのです。でも、大事なキャラなのであまり適当なことも書けませんから、あちこちの作品を何度も読み返して「この作品の、このキャラということで書かせていただこう」と決めるまでがけっこう大変でした。
ヤキダマの奥さんであるコトリの方は、もう少しいろいろとわかっていたんですけれど!

お、太田裕美も人形劇の吹き替えやっていたのですか? 石川ひとみのプリンプリン物語は知っていましたが……。
私も太田裕美のことは全然詳しくなくて、もちろん「木綿のハンカチーフ」は知っていましたが、「九月の雨」は知らなかったので、Youtubeで聴いて書きました。

さて、食べ物シーン(笑)
事務所で、お茶しながら雨の中の女性について話させても良かったんですけれど、なんとなく全然知らない同士が過去の別れの話をするには、ちょっとアルコール入れてからの方がいいかなと思ったんですよ。で、どうせ飲ますなら、美味しいお酒にしたいと(笑)

先さんとサキさんは、最初の海外旅行ではスペインにいらしていますし、コハクも初登場はバルセロナだったので、スペイン料理にしてみました。それにタパスって、日本の居酒屋のおつまみ感覚で頼める、ヨーロッパでは少し珍しい形態の食べ方なんですよね。日本の居酒屋文化にも馴染むかなって。

アルコールも少し入った所で、氣が大きくなって、二人の復縁までいけるといいですけれど……どうでしょうね? 食べまくって終わったりして(笑)

焼きそばパンも、らしくて素敵ですよ〜。等身大って大事ですよね!

コメントありがとうございました。
2018.09.13 20:25 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
あ、早速書き換えていただいてありがとうございます。
少しニュアンスが変わりますね。
関係がアグティブになったみたいで、この方がしっくりくるように思えます。
夕さんの感想はいかがでしょうか?
ただ1カ所、この際わがままついでに無遠慮に言ってしまいますが、コハクが〝奥さんのコトリさん”って言うシーンがありますよね。
ここはコトリの本名、サヤカって呼びかけても良いかなぁと思いました。
彼女達も名前で呼び合う仲、というのが自然な気がします。
でも〝コトリ”と呼ぶのはヤキダマだけ・・・というのはいかがでしょうか?
思いがげない繋がりと展開を楽しく読み返していたのですが、ちょっと気になってしまって・・・。
本当にすみません。
サキのわがまま、お許しください。
2019.11.26 12:26 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

ご希望通り変えました。

そうですね、少しではなくてかなりニュアンスが変わりますよね。もちろんサキさんのキャラクターなので、おっしゃるとおりにしますが、私の小説でこうした呼びかけ方を使うとしたら「距離感が微妙な(妻からみて)危険な女」「実は妻思いではない夫」であることを端的に示すときぐらいです。とくに妻が自分に対する呼びかけにこだわっているにもかかわらず、二人がもっと距離感の近いファーストネームの呼び捨てをやめないのは、かなりの含みがありそうです。

ただ、これはどの社会に属すかでも違います。ヨーロッパなどでは友人でもファーストネームの呼び捨ては当然ですし、おそらくカンデシティなどの別次元の社会でも感覚が違うと思います。

私の小説で言うと、蝶子も真耶も稔の大学の同級生ですが、真耶は一貫して「安田君」と呼んでいます。大学の知り合いというのは、私の感覚ではこのくらいの距離感です。(小学校からの幼なじみなどとは近さが違います)男性同士である稔と拓人も、日本人同士で大学の同窓生という距離感なので「安田」「結城」です。もっと心的な繋がりの強い(それに一人は外国人なので)「タクト」「ヴィル」とは若干違うのですね。

蝶子は大学時代は稔の顔すら覚えなかったので、再会してから二日ほどはもちろん「安田君」だったのですが、レネがあだ名の「ヤス」と呼び出したタイミングで「じゃあ私も」と切り替えています。また、ヴィルとは「テデスコ」「シュメッタリング」という仲間同士のあだ名でずっと旅していましたが、恋人同士になったタイミングでファーストネーム呼びに切り替えています。つまり近さの感覚で「(苗字)くん、さん」<「あだ名」<「ファーストネーム呼び捨て」と変化していくように記述しています。

という私の感覚に照らし合わせると、コハクとヤキダマの間には全く何もない純粋な友情のみ、コハクとコトリの間にもまったく複雑な感情は介在していない家族ぐるみの付き合いというイメージでしたので、最初の呼び方が一番自然でした。でも、どうやら、思っていたよりずっとドロドロだったようですね(笑)

呼び方一つでこれだけ感じが変わるというのも、小説の面白さかもしれませんね。

コメントありがとうございました。
2019.11.26 20:29 | URL | #9yMhI49k [edit]

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