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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】大道芸人たち 2 (11)セビリア、弦の響き -3-

三回に分けたラストです。

テレビ番組に映ったことがきっかけで、幼なじみで元婚約者である陽子と電話で話をすることになった稔。以前のように居所がわからないように隠れる必要はなくなっていますが、逃げてきた手前、帰ることは考えられないようです。

陽子と稔の結びつきについては、これまでほとんど記述してきませんでした。「好みじゃないのに追われていて迷惑」というような単純な存在ではなく、彼にとっては、たくさん付き合ったカワイ子ちゃんよりもずっと大切な人であったと言ってもよかったのです。それでいながら、彼は主に陽子から逃げるために失踪してしまったのですね。この辺りにも彼の分裂した自我の問題が表れているのかもしれません。


「大道芸人たち 第二部」をはじめから読むこのブログではじめからまとめて読む
あらすじと登場人物




大道芸人たち Artistas callejeros 第二部
(11)セビリア、弦の響き -3-


 蝶子はそろそろいいだろうと思って、小声でヴィルとレネに状況を説明した。二人は黙って目を見合わせた。稔は別れの言葉を言うと受話器を置いた。

 振り向くと、蝶子が妙な笑顔で手を振ったので、むっとした顔のまま椅子につき、コーヒーカップを差し出した。ヴィルはコーヒーを注いでやった。

「で、彼女は納得したのか?」
「まあな。誤解は解けたらしい。また園城にガンガン電話したりしないでほしいんだよな」

 蝶子は訝しげに首を傾げた。
「なぜ真耶の電話番号を知っていたのかしら? ヤスのお母様は簡単に教えたりなさらないでしょう?」
それを聞いた稔は呆れたように蝶子を見て、それからため息をついた。

「大学時代の名簿があるからだよ。まったく記憶にないらしいが、陽子も俺たちの大学の同窓生なんだぜ? あっちはお前をしっかり憶えていて、それでテレビで見て激怒してんじゃないか。俺たちが当時からこっそりつき合っていて、一緒にヨーロッパに逃げたと思い込んでさ」

 蝶子は天井を見上げた。あらあら。遠藤陽子? 邦楽の学生の事なんかまったく記憶にないのよねぇ。
「それは、すみませんねぇ。でも、結婚したんなら、もうヤスにつきまとう事はないんじゃないの?」
「それは間違いないけれど、どうも安田流に俺を戻したいらしい。断った」

 稔は、パン・コン・トマテにかぶりついた。レネが塩を稔の前にそっと置いた。塩をふり忘れているのにようやく氣がついた稔は、ムッとしながら塩をかけた。そうとう動揺しているらしい。

 何か言いたげだが、あえて何も言わない蝶子の顔を見て、しばらく黙っていた稔は、やがて言った。

「陽子は、俺の弟の優と結婚したんだ。優はいいヤツだが、どう考えても家元の器じゃない。たぶん陽子が安田流の家元になるだろう。あいつは、それが可能な才能を持っている。俺がそれを示唆したら、あいつは俺が帰って来るべきだと言ったんだ。俺は帰らない、わかるだろう?」

 三人は目を丸くして、黙って頷いた。

* * *


「そうじゃない、その音じゃない」
ミゲルが繰り返す。

 el sonidoとは音、響きを意味するスペイン語だ。弦の響きの違いを聴き分ける耳を稔は持っていた。

 それを全ての音楽を目指すものが持っている訳ではない事を知ったのは、小学生の時だった。

 三味線の稽古の後で、氣になって爪弾いてみた音。音色が変わる。では、こう弾くと? わずかな音色の違いを確かめるように、ゆっくりと弾く。同じような箇所を馬鹿みたいに繰り返してみる。やはり違って聴こえる。では、これは? そんな風に長い時間をかけていると、同じ小学生の生徒たちは、馬鹿にしたような顔をして、さっさと帰り支度をした。

 稔は、住まいと稽古場が同じだったので、帰り支度の必要はなかったが、同じ立場の弟の優は、稽古が終わると同時にアニメを観るために二階に駆け上がっていった。稔だけがその場に残り、我を忘れて弦を爪弾いていた。

 不意に、違う響きが重なった。はっと振り返ると、稽古場の反対側の角に座った陽子が、稔の音に合わせて弦を響かせていた。陽子にはわかったのだ、稔が何を試しているのか。そして彼女も彼女なりの響きを返しているのだ。稔は、もう一つ別の響きを返した。陽子がついてきた。掛け合った音は、稽古場に響いた。

「うるさいなあ。何をやっているんだよ」
戸口で、優の声がするまで、二人は単純な音の掛合を続けていた。どうやらそれは半時間ほど続いていたらしい。アニメの放送が終わったので優が降りてきたのだ。その声で、二人は我に返った。

「なにやってんだよ。さっきから同じ音ばっかり出してさ」
「全然同じじゃないでしょ」
「同じじゃんか」

 稔は陽子と優の噛み合ない会話を聞いて、響きの違いを聴き分けられる人間とそうでない人間がいる事を知ったのだ。たぶん、陽子も同じだった。その日から、陽子と稔は、単なる幼なじみや同じ稽古場の生徒という関係を越えた、心の絆を持ったのだ。

 el sonido。違う、その音ではない。

 ジプシーの心を表すには、スペインでギターを泣かせるには、日本人でいてはならない。フラメンコギターを弾くには、ジプシーの心を持たなくてはならない。ヒターノの音を響かせなくてはならないのだ。

 稔が目を上げると、マリア=ニエヴェスの老獪にして妖艶な顔つきが目に入った。どこかで見たような目だった。とてもよく知っている目だ。冷たくて、残酷なのに、青白く燃え立つヒターナの目。それはフラメンコの魂そのものだった。

 el sonido。俺は戻れない、陽子。お前の属している場所は、もう、俺の居場所ではないんだ。俺は安田流の三味線弾きではなくなってしまったんだ。俺は、このタブラオにいる事を、バンを運転してヨーロッパをまわる事を、そして、三人の仲間と生きる事を選んだんだ。

「そうだ。ハポネス。その響きだ」
ミゲルがついに言った。それを耳にした蝶子がそっと微笑んだ。妖艶で残酷な目に強い光を宿して。


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Tag : 小説 連載小説

Comment

says...
更新、お疲れ様でした。

弦の響きの違いを聞き分ける耳、ですか。
私は楽器は演奏しないので、どうもよくわかりませんが、そういうものなんですね。
できる人同士だけに通じるものが、稔と陽子のあいだにはある。それがわかっている陽子だからこそ、稔を安田流に戻したい。優と結婚して安田の家に入った陽子の思惑というか真意は計りかねますが、このぶんだとこれで一件落着とはならなさそうですね。
稔の方は、フラメンコギターの「音」の尻尾を捕まえられたみたいですね。帰る場所がないことに思い至ったときに会得したとなると、寄る辺なき流浪の民の心こそがフラメンコの音に繋がっているということなのでしょうか。
マリア=ニエヴェスと蝶子にも、芸術家そして女性として、相通じるものがあるようですね。

次話も楽しみにしています。
2018.10.24 11:06 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

技術的なものや、好き嫌いなど、音楽を聴く時のポイントは色々とあると思うのですけれど、なんでしょうね。強引に科学的にいえば、わずかな周波数の違いがわかるとか、もしくは、例えば同じ正確な音程で歌っていても歌手によって温かい響きがあったり甘く聞こえたり、音は同じじゃないのですよね。

おなじシンフォニーでも、同じ楽譜に合わせて演奏しているのに、演奏によって全く違うものになるように、独奏の弦楽器にもそれぞれ違う音楽や響きがある……といってもド素人には、よくわからない、ということだと思います。

そして、稔にとっては、陽子の存在は、真耶にとっての拓人と同じくらい特別だったわけです。
ポイントは、でも、優は陽子のことを女としては好きだけれども、音楽のことでは稔のようにはわかりあい、競い合えない存在だったということなのですね。そんなこんなで、ええ、一件落着なんてはずはなく……。
私の中では「大道芸人たち」は、最終シーン、エピローグまで決まっているのですけれど、実は稔と陽子の腐れ縁は、そのずっと先の外伝的なエピソードまで続くという……。

さて、いわゆるクラッシックギターと比較して、フラメンコギターはずっと感情の出方が激しくて、さらにいうと強いメランコリーがあります。私の解釈では、自由であると同時に社会から拒絶された定住地のないヒターナたちの寄る辺なさが、この音楽に影響しているんだと思うんですよ。嫌われて、石を投げられて、それでもしぶとく自由に生き抜く、その生き様が逃避者である稔の感性に合致したということなのでしょうね。

マリア=ニエヴェスは、魔女みたいなしたたか婆さんです。ジプシーとして生まれ育ち、日本人には考えられないような濃い恋愛(刃傷沙汰含む)を何十としてきて、欺し騙され、歌い踊り、そうやって生きてきたその先にいます。そんな人間がニヤリとする瞳に、似ているなんていったら蝶子は張り倒すかもしれませんが、まあ、でも、蝶子もレベルは違うとは言え、やっていることは日本人離れしていますよね。父子まとめて手玉に取るとか。orz

第一部で、蝶子は「稔や、レネや、ヴィルが元いた場所に帰らないでいてくれればいい」と願っていましたが、稔がますますジプシー化していくことに蝶子としてはどちらかというと嬉しいのでしょうね。純粋な芸術問題もありますけれど。

次回は回想的な話が入ります。また、読んでいただけると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2018.10.24 21:58 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
稔は今、三味線と距離を置きたいのかしら。
フラメンコギターに打ち込んでいる稔の描写にただならぬものを感じています。
それはもう情熱すらも飛び越えたような感情だと思うんです。
きっと、陽子も、蝶子やヴィルも持っている何かなんですよね。
レネは少し違うものを持っていそうですが・・・。
マリア=ニエヴェスの目、どこで見たのでしょう?
ひょっとして蝶子?
みんなと一緒に、稔が少しずつ変わっていく様子を楽しんでいます。
フラメンコのあの情熱的な響きが、リズムが聞こえてきそうです。
凄いんですよね、アレ。

夕さん、いつ出発ですか?
きっとバタバタされているんでしょうね。
出かける前からお疲れを出されませんように。
2018.10.25 11:33 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

なんでしょうね。
他の所にいる時は、三味線モードとクラッシックギターモードを器用に使い分けているんですけれど、スペインに来るとフラメンコギターにはまってしまうようです。

陽子は「なぜギターなんか弾いているのよ、もっと三味線に精進しなさいよ」という言い方をするんですけれど、半分以上は、この稔のギターモードに不安を感じていたからだったと思います。稔は分裂した願いを同時に持ってしまって、それを自分で制御できなくて失踪してしまったようなものですから。

蝶子やヴィルは、その辺のことが身をもってわかるので、サポートしますし、レネも本来はもっと家庭的なタイプですけれどよく尊重しているのですよね。でも、陽子はいつまで経っても「大反対」でしょうね。

蝶子は四人の中では稔に次いで流浪したい想いが強いので、ヒターナみたいな目はしているでしょうね。

さて、私は明日出発です。日本は遠いので、しばらくの音信不通ですが、Mac Book Airを持っていきますので、すぐにまたブログ通いが出来ると思います。あ〜、時差ぼけがひどくなければ。

ではまた、むこうから。

コメントありがとうございました。
2018.10.25 20:16 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
あ、旅行中になった。。。
無事に帰宅することを日本からお祈り申し上げます。


過去には戻れないですからね。
過去から現在・未来とつながっていきますから。
過去がああだったら、現在があって・・・。
そっから未来だから。
結局、過去と現在の結んだ線上に未来があって。
そこから外れるのは勇気がいることで。
難しいですね。。。
( 一一)
2018.10.26 10:16 | URL | #- [edit]
says...
音の違い、響きの違い、微妙なこだわりが良いですね。
フラメンコギターと踊りを始めて見た時、あ、これはスペインに生まれ育った者でないと表現できないものだなと感じました。
メルボルンのストリートパフォーマンスで情熱ギターを見た時は、イイもの見させてもらった感が大きかった^^

パフォーマンスって、すごく個人による。その人すべてをひっくるめてのパフォーマンス。だから、コピーは絶対にオリジナルに勝てない。
ヤスは絶対のオリジナル。陽子がそれを取り戻したいのは良く分かります。けど… ここも一つの葛藤で物語の見どころですね。

夕さん、ジャパンを楽しんでくださいね。
私は今のところ二年くらいは余裕で行かない予定です。
ネットであれこれにアクセスできるのが救い(苦笑)
2018.10.27 00:18 | URL | #- [edit]
says...
こちらにもありがとうございます。

そうなんです。
昨日からにほんにおります。

そして、おっしゃる通りで、未来は過去と現在の積み重ねの次にありますので、一度道か分岐したら、あとは離れていくことはしかたないのですよね。
あのとき。ああしていなかったら、というようなことは誰でも考えるかもしれませんが、やはり個人の歴史にも ifはないのでしょうね。

コメントありがとうございました。

2018.10.27 22:45 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
 おはようございます。

おおメルボルンのストリートパフォーマンスでスペインからのギターをご覧になったのですね。
地球の裏側だあ。
そうなんですよね。技術だけでなくて、どこかに生き方なども含めたあり方が強く表れる音楽のように思うんですよね。

稔がフラメンコギターに惹かれるのは、やはり彼の生き方がその音楽に呼応しているからなのでしょうね。
陽子がそれをやめさせたいのも、そのことがわかるからなのかもしれません。

日本は暑いくらいの陽気でした。
見事に時差ぼけで早起きしてしまっています。
この後はしばらく帰らない予定なので、あれこれやることが目白押しです。
楽しみつつ、頑張ります。

コメントありがとうございました。
2018.10.27 23:03 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
前回強い態度で陽子と接していた稔ですが思った以上に
内心は動揺していたのですね。
これまであまり語られることのなかった
二人の結びつきですが、今回のエピソードを読んで
なるほどと納得させられました。

弦の響きの違いですが、これは単純に周波数の違いとか
そういうことでも説明できない何かなのでしょうね。
強いていえばその「違い」を突き詰めていったとき、
「その音の故郷」につながる感覚というか、魂の呼応とか
そういうレベルの話になってくるのかな……と思います。
昔ピアノを習っているときに先生が言っていたのですが、
「(稔みたいに)一流の音楽家は音にものすごいこだわるので
神経質でピリピリした人が多い」と。
稔は神経質という感じではないですが「音」にこだわる
情熱にはただならぬ気迫を感じます。
陽子が優ではなくあくまで稔を家元に、と強く望む気持ちもとてもわかりますね。
また、陽子が稔に未練(といっていいのかな)、を感じるのもとてもよくわかります。
女心として、ここまで分かり合えた相手なのに……って気持ちになりますよね。
稔もそれはある部分では同じはずなのに彼の抱える内部矛盾がそれを許さない……
これまでなんで稔は陽子がだめなんだろう、って思っていたんですが、単純に
女として見れないというより彼の中で音の繋がりと女性というものを同一レイヤーで
測れないなのかな、と思ってしまいました。重なり合いはしているけれど
決して同じ地平線に立つことはできないというような。
ううん、うまく言えなくてすみません。
でも、彼の分裂した内部矛盾が三回に分けた今回のエピソードでよくわかり、
これまで以上に彼に興味が湧いてきました。

二部は稔に焦点が当たっていますが、けっこう彼の心情て
「大道芸人たち Artistas callejeros」のテーマそのものを突いてますよね。
蝶子さんとはまた違った「居場所」を求める物語。
彼の場合蝶子さんと違って「矛盾」を抱えている分その葛藤も強そうです。
そして偶然なのか、「日本にいます」の記事の夕さんの心情と部分的に重なる部分もあるように感じました。

稔はジプシーの心を捕まえられたようですね。
でも、この問題はきっとここで完全に終わりじゃないのですよね。
続きも楽しみにしております。
2018.10.28 08:07 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

実は一度だけ大昔に陽子の視点で外伝を書いたことがあります。(「弁解はいらないから」って話でした)
当時はまだ第一部しか発表していなかったのですけれど、私の中には今回発表した部分があって、それで書いた外伝でした。
たぶん誰も覚えていないかも。特に当時は、蝶子とヴィルの話にばかりスポットがあたっていましたし。

でも、この話における稔の立場は「二人の主人公を見守るいい友人」ではないのですね。そうではなくて彼自身が主人公の一人なのです。

稔と陽子の関係は、少し複雑でわかりにくいかもしれません。多くの物語では、こういう二人の話は「おまえらどうせなら付き合っちゃえよ」になるか、そうでなければ「恋愛が無理なら片方が去る」みたいに終わりを告げるパターンが多いのですけれど、この二人は恋愛という意味ではとことん一方通行で、それでいながら完全に存在を忘れられるような関係ではないということになります。

陽子は負けず嫌いも人並み以上で、しかもとんでもない努力家です。技術的には「家元の息子」というだけで「次期家元」といわれていた稔にライバルの炎を燃やもっと上に行こうと精進してきた過去があります。その上で男性としての彼への想いはきちんと別に分けて、奏者としての稔の努力と才能を認め「次はあなたよ」と言っているわけです。でも、優に対してはそんな尊敬はカケラも持っていません。まあ、夫としては尊敬しているかもしれませんが。

そういうわけで、陽子にとっての稔の存在は昔も今も唯一無二で、稔はそれを感じ取っています。
本人としては、普通に弟と仲のいい夫婦になってくれればいいのにと思っていたでしょうが、陽子の強い想いを感じ取ってしまった稔は、ますます帰れなくなってしまうのです。

以前もお話ししたように、私の小説で、ここまで大きな主役を張るキャラクターは、どこかに私自身の反映が入っています。鋭くご指摘くださったように、稔では、この「コウモリ状態」なのですね。

そういうわけで、この問題は、おそらくこのストーリーの完結後、おそらく公開しないであろう部分まで解決せずに続いていくでしょうね。

コメントありがとうございました。
2018.10.28 14:02 | URL | #9yMhI49k [edit]

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