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Posted by 八少女 夕

【小説】リゼロッテと村の四季(5)ハイトマン氏、決断を迫られる

20世紀初頭のスイスの田舎カンポ・ルドゥンツ村を舞台にした不定期連載「リゼロッテと村の四季」を久しぶりに更新します。今年は二度更新しただけでもマシかも。あまり更新しないので、この話はすっかり忘れられていますよね。

今回は、前回の話のすぐ後になります。リゼロッテは、面倒を見てくれているカロリーネと愛犬とともに、散歩に行っていました。



「リゼロッテと村の四季」「リゼロッテと村の四季」をはじめから読む
あらすじと登場人物




リゼロッテと村の四季
(5)ハイトマン氏、決断を迫られる


 リゼロッテとカロリーネが散歩から戻ると、ロルフが、玄関先でじれったそうに待っていた。

「あら、あんた。どうしたの?」
カロリーネは、夫に問いかけた。

「ああ、ようやく帰ってきたか。何、お前たちが出かけてすぐに、ハイトマンの旦那様から電報がきたんだよ。今日の昼前にお見えになるって。正確な時間はわからんが、もうそろそろつくんじゃないかな。それに、牧師夫人にもお越しいただきたいそうで、そちらは連絡をしてきた。お嬢さん、今のうちにお召し替えをしてくだせえ。カロリーネ、悪いけれど、急いで用意をしてくれ。あっしは納屋につけてある馬車をうちの方に動かしてくる。旦那様の馬車を停める場所を作らねば」

 リゼロッテは、喜んで階段を駆け上がった。洋服の着替えは、カロリーネの手伝いなしに自分でほとんど出来る。家庭教師のヘーファーマイアー嬢がいないので、多少の服装の乱れを厳しく指摘する人はいない。

 彼女がスイスに静養に来てから、父親は二ヶ月に一度は会いに来てくれていたが、先月は急に来られなくなったと連絡があり、三ヶ月ほど会っていなかった。

 アナリース・チャルナー牧師夫人は、毎週日曜日の教会学校で聖書の話をしてくれる。リゼロッテのために方言の混じらないはっきりしたドイツ語で話してくれる優しい女性だ。ヘーファーマイアー嬢が、スイスの汚い方言がうつると困ると言って、可能な限りリゼロッテにスイス人と話をしないように制限していたため、彼女は未だに村の人たちの会話が上手く聞き取れなかった。

 毎週日曜日もヘーファーマイアー嬢と早朝ミサに出かけるだけで、同じような歳の子供たちと知り合うきっかけもなかったのをリゼロッテはとても残念に思っていたが、身内の病の報せでヘーファーマイアー嬢がドイツに戻って以来、彼女が戻るまでの期間限定で教会学校に連れいてってもらうことになった。

 教会学校では、既に友人だったジオンやその姉のドーラをはじめ、村のほとんど全ての子供たちと知り合うことが出来た。まだ馴染んだとは言いがたいが、少なくとも大人だけに囲まれてこの館で寂しくしていた頃より、日曜日がずっと待ち遠しくなっていた。

 チャルナー夫人は、それだけでなく週に三日ほど午前中にやってきて、ヘーファーマイアー嬢の代わりにリゼロッテの勉強を見てくれていた。

 いつもなら昼食が出る頃になっても、ドイツ人は到着しなかったので、カロリーネは昼食を始めようか、それともハイトマン氏を待つべきか、そわそわしながら考えていた。とにかく食器をきちんとテーブルに用意して、リゼロッテにテーブルにつくように話している所、表に馬の蹄と車輪の音が聞こえてきた。

 リゼロッテは、ぱっと席を立って玄関に向かって駆けだした。ロルフが、荷物を持って誰かを案内している。甲高い女性の声が聞こえた。
「氣を付けて持ってくださいな! まあ、考えられないわ。玄関まで車で着くと思ったのに、あんなほこりっぽい道で降ろされるなんて!」

 ドアが開くと、いつもの旅行着姿の父親が目に飛び込んできた。
「お父様!」
リゼロッテは、駆け寄った。
 
「おお、僕の可愛いお嬢さん! また背が伸びたかな」
父親は、リゼロッテを抱き上げて優しくキスをした。

 降ろされてから、リゼロッテは入ってきた女性を不思議そうに見た。今まで一度も見たことのなかった人だ。

「ふーん。じゃあ、この子があなたの娘なのね」
大きく膨らんだ袖と、腰のところがぐっとくびれた鮮やかな黄色のドレスを着ている。大きく傾げて被っている帽子にはリゼロッテの頭ほどある駝鳥の羽がついていて、半分しか顔が見えなかったが、ものすごく綺麗な人だということはすぐにわかった。

「ああ、そうだよ。リゼロッテだ。リゼロッテ、こちらは私の友人のドロレス・ラングさんだ。挨拶をしなさい」
ハイトマン氏は、リゼロッテを女性の前に移動させた。

「はじめまして、ラングさん。お目にかかれて嬉しいです」
リゼロッテは、はにかみながら言った。

「あら、本当に会えて嬉しいのかしら。私、お世辞はたくさんだわ」
「君は、讃辞を耳にしすぎているからね。でも、娘を困らせないでくれ。ほんの子供なんだから」
その言葉を聞くと、ドロレスは艶やかな笑顔をハイトマン氏に向けた。

 それから、リゼロッテをほとんど無視して、さっさと奥へと入っていった。
「ああ、本当に疲れたわ。今時、馬車なんて考えもしなかった。さあ、部屋に案内してちょうだい」

「そうだね。この州は一般の自動車の乗り入れが禁止されているんだ。でも、田舎の自然を満喫できただろう?」
ハイトマン氏は、ラング嬢の後にぴったりとついて、階段を上がっていった。

 重い荷物を持たされているロルフと、食事が冷えるのを心配していたカロリーネは、思わず顔を見合わせた。リゼロッテは、取り残されたような心持ちになって、少し俯いた。

 いつもよりも一時間近く遅れて始まった昼食で、リゼロッテはほとんど黙っていた。父親は、彼女を無視しているわけではないのだが、ドロレス・ラング嬢がドラマティックな様子であれこれ語るのに相づちを打つのが忙しく、三ヶ月分の娘の近況を訊きだす時間はほとんどなかったのだ。

「それで、プロデューサーにはこう言ったの。次の舞台は、もう少し悲劇を強調したものにして欲しいって。歌ったり踊ったりが嫌ってわけじゃないの。でも、コミカルな役がこれで三回も続いたんですもの、それしか出来ないって聴衆に思われたら困るわ」

 リゼロッテは、この派手な女性がどんな職業を持っているのか、ようやく理解した。女優なのだ。そういえば名前も耳にしたことがあった。

 それは、デュッセルドルフの屋敷でだった。リゼロッテが静養のためにこのカンポ・ルドゥンツ村へ連れてこられる少し前のこと、屋敷の召使いたちがこそこそと話しているのを聞いたのだ。

「じゃあ、あれは本当なんだね。……その旦那様が、一緒にお出かけになっているのは、あのアポロ座の看板女優だってのは」

「ええ、そうよ。私も始めは信じられなかったけれど、お花を届ける用事で名前を見たんだもの。間違いなくドロレス・ラングだったわ。あんな派手な女性と付き合うなんて、いつもの旦那様らしくないと思ったけれど、インテリな女性は奥様で懲りたのかしらね」

 医者であったリゼロッテの母親が、男性医師とアメリカへ駆け落ちしたのは、一年と少し前のことだった。その時は、妻の不貞と責任放棄を激しくなじり、リゼロッテにもう母親だと思うなとまで言っていた父親が、それからすぐに女優と付き合うなんて、全く馬鹿げたことのように響いた。召使いたちは、無責任に真偽のわからぬ噂話をしているのだと自分を納得させていた。

 けれども、その噂の女性が目の前に座り、父親と見つめ合っては意味ありげな微笑みを繰り返している。リゼロッテは、自分だけ一人取り残されていると感じた。

 食後はサロンに移動させられた。父親とラング嬢は、あいかわらずリゼロッテには何のことかわからない話題に夢中になりながら、コーヒーを飲んでいた。リゼロッテは、黙って座り、窓の外の庭を眺めていた。

 彼女の空想の友達、紫陽花の花の中に住む小さなオルタンスの姿が、ここから見えないだろうかと首を伸ばしている時に、カロリーネが入ってきて、声をかけた。

「旦那様。牧師館からチャルナー夫人がお見えになりました」

「ああ、リゼロッテの勉強を見てくれている先生だね。どうぞここにお通しして」
父親は、ラング嬢の側からぱっと立ち上がると、リゼロッテにも立つように目で示した。

 チャルナー夫人は、静かに入ってきた。ラング嬢は、入ってきた夫人を見た。後ろで慎ましく結った髪や、飾り全くない焦げ茶の服を上から下まで品定めすると、ほんの少し優越感を顔に見せてから興味なさそうに顔を背けた。

「ごきげんよう、チャルナー夫人。確か、この家を買う時に一度村役場でお目にかかりましたよね」
父親が、心を込めて挨拶をすると、チャルナー夫人はリゼロッテがほっとする優しい笑顔を見せてハキハキと答えた。
「はい、ハイトマンさん。お久しぶりでございます」

「家庭教師のヘーファーマイアー嬢がいない間の娘の教育のことで、お力添えをいただけて大変感謝しています。今日は、これまでの経過と、これからのことについてご相談に参った次第です」
「ヘーファーマイアーさんは、お母様のお見舞いでドイツに戻られたと伺いました。心配していましたが、その後どうなさったのでしょうか」

 父親は、眉を少しひそめて答えた。
「それがあまりよくないらしいのです。命に別状はないらしいのですが、どうやら寝たきりに近い状態でいるらしく、年の若い妹や弟の世話をする人が必要なようです。それで、彼女は退職を願い出ました。代わりの家庭教師を探しているのですが、急な上、場所がスイスの山の中というので、簡単には見つからないのです」
「まあ。そうですか」

「それで、今日は、もし可能ならば、あなたに正式に娘の家庭教師になっていただけないか、伺いたいと思ったのです。聞く所によると、あなたはチューリヒの教師セミナーを大変優秀な成績で卒業なさったということですし、ドイツ語の発音も素晴らしい。この州の全てを探してもあなた以上の教師は見つからないと思ったのです」

 ハイトマン氏は、たたみかけるように話した。チャルナー夫人は、わずかに目を見開いて、不安そうなリゼロッテに少し微笑みかけてから、ハイトマン氏にはっきりした声で答えた。

「私を教師として採用するかどうかという話の前に、お嬢さんの境遇について、今後どうなさるおつもりかお考えをお聞かせいただけませんか」
「というと?」

「お嬢さんは、ここにいらした始めの頃に比べると、ずっと健康になってきたように見えます。カロリーネとロルフ・エグリ夫妻は、何人も子供を育てた立派な夫婦ですが、家族とは違います。そろそろお嬢さんをデュッセルドルフのお屋敷に戻すことを、お医者さまに相談してみたらいかがでしょうか」

 リゼロッテは、息を飲んで父親の顔を見た。彼は、チャルナー夫人とリゼロッテ、それから、不服そうな顔でチャルナー夫人を見ているラング嬢を見てから、戸惑いつつ答えた。

「そうですね。もちろん、そうするのが一番いいように思います。ただ、私自身が商用で家を空けることが多く、側にほとんどいられない上、デュッセルドルフには現在、家政をきちんと取り仕切る歳のいった使用人がいないのです。また、近くに工場があって、その空氣がよくないと医者に言われてここに連れてきたわけでして……」

 その答えに、女優は、あからさまにほっとした顔をしていた。それを見てチャルナー夫人は、意を決して口を開いた。

「失礼を承知ではっきり申し上げます。お嬢さんに必要なのは、きれいな空氣だけではありません。それに、学ぶ必要があるのも、正確なドイツ語の発音や、文学や、算数などだけでもないのです。お嬢さんを、家族も友達もいない、社会のつながりのほとんどいない状態に置いておくのは感心しません。ハイトマンさん、私から一つ提案をさせていただいていいでしょうか」

 彼は、半ば怒ったような、そして半ば恥じた様子で、チャルナー夫人の方に向き直った。
「なんでしょうか」

「お嬢さんの教育と健康を、この土地と私に託したいというお考えならば、いっそのこと私たちの、このカンポ・ルドゥンツ村のやり方に完全に任せていただけないでしょうか」
「とおっしゃると?」
「この家に籠もって、家庭教師にだけ習い、誰とも付き合わないのでは、この土地にいる意味がありません。私は、お嬢さんをこの村の学校に通わせていただきたいと思います」

 ハイトマン氏は、ぎょっとして立ち上がった。
「なんですって。この村の学校? あの農家の子供たちと一緒にですか?」

「そうです。何か不都合がおありですか。粗野で、無学で、みにくい方言を話す子供たちと一緒に、とおっしゃりたいのですか?」
「いや、そこまでは言っていませんが……」

「この私も、この村の学校で勉強を始めました。バーゼル大学を卒業した夫のチャルナー牧師もです」
チャルナー夫人は静かだが凜とした表情で、リゼロッテとその父親の顔を見つめた。

 彼は、なおも言った。
「だが、この村の学校は、確か一年のうち半年ほどしか開いていないというではないですか。それでは、家庭教師についている他の子供たちに遅れをとってしまう」

「長い休みの間は、この三週間にしたように、私が見ましょう。上の学校を目指す生徒たちは、休みの期間も週に二回、指導を受けています。お嬢さんも、そちらで勉強を続ければいいのではないでしょうか」
チャルナー夫人は、静かに言った。

 リゼロッテは、意外な成り行きに、目を輝かせて話を聞いていた。学校に行く! そうしたら、ジオンやドーラたちと、一緒に登校したり授業をうけたり出来るのだ。

 女優のラング嬢が、すっと立ち上がると、ハイトマン氏の近くへ来て耳打ちするように言った。
「悪くない話だと思うわ。どちらにしても、今、家庭教師が見つからないんだから、しばらく学校でに通わせて様子を見たらいいんじゃない。ほら、この子も喜んでいるみたいだし」

 父親は、リゼロッテの顔をのぞき込んだ。
「お前、学校に行ってみたいのか?」
「ええ、お父様。私、他の子供たちと一緒に、学校に行きたいわ」
「知らない乱暴な男の子たちがいるかもしれないぞ。ほら、例の蛙を持ってきた子みたいに」

 リゼロッテはクスクス笑った。
「ジオンとは仲のいい友達になったのよ。心配しなくても大丈夫よ、お父様。だって、教会学校でもう知り合ったもの。乱暴だったり、意地悪な子なんていないわ」

 リゼロッテの心は、早くも学校に通う秋へと向かっていた。

(初出:2018年12月 書き下ろし)
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Category : 小説・リゼロッテと村の四季
Tag : 小説 連載小説

Comment

says...
更新、お疲れさまでした。

言われてみれば、このシリーズ、ちょっと懐かしいかもです。
サブタイトルを見て、何事って思いましたが、なるほどリゼロッテパパは、この女優さんと再婚を目論んでいるわけですね。で、ぶっちゃけ、リゼロッテが邪魔っぽい?
それでスイスに置いておこうかというところですか。
もっとも、リゼロッテにとっては、それほど悪い話でもなさそうで……というか、学校に通えるということでむしろ喜んでませんか?
リゼロッテパパ、悪い人じゃないんでしょうけど、なんか影が薄いなぁ。いずれにせよ、チャルナー夫人のグッジョブぶりが目を引いた回でした。
2018.12.12 16:30 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

そうなんですよ。
前回から既に半年近く経っていますが、その前は二年前とかいう極悪非道ぶりなんです。
少し真面目に進めたい。とか、いつもいっているなあ。すみません。

ハイトマン氏は、結婚まで考えているかどうかはわかりませんけれど、少なくともドロレスの方はリゼロッテを厄介払いしたくてそわそわしていますね。

もともと、母親のいた時から父親はほとんど家にいなかったし、リゼロッテはずっと家庭教師についていたので、ドイツにも友達がいないのです。それで、ドイツに戻されてまた放置されるくらいなら、ここで学校に行って、ドーラやジオンたちと仲良くしたいのですね。

リゼロッテパパ、本当にね、別に悪い人じゃないんですけれど、それにこの時代の考え方の制約があって、こんな言動になるんですけれど、まあ、リゼロッテにしたらあまり恵まれていない家庭状況ですよね。

というわけで、ようやくリゼロッテの学校デビューにこぎ着けました。来年も時々続きをアップしたいですね。
(また言っているよ……)

コメントありがとうございました。
2018.12.12 21:08 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
家庭教師は良いですよね。
日本では裕福な家庭だけしかできないですけど。。。
まあ、それはソッチでも同じですかね。
個人的な教育ということになるので、
お金がかかるのは当然ですね。

家庭教師から言わせると、
下手に家族が勉強を教えるより、
プロの家庭教師が発達過程に沿って教えるので任せてほしい、
・・・というプロフェッショナルの自負があるみたいです。
(-ω-)/
2018.12.13 10:11 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

百年以上前の話だから、家庭教師による教育なんて事が許されましたが、現在は日本でもスイスでも学校に行かなくてはなりませんよね。
で、昔の話として、確かに日本もこっちもお金持ちの特権でした。

まあ、家族が教えるのは難しいでしょうね。
メソッドの問題もありますけれど、親子だとどうしても人情やら甘えやらで、カリキュラムがいろいろと疎外されるでしょうし。

もっとも家庭教師にもいろいろありますよね。
私もバイトでやっていたことがありましたが、どうだろうなあ、真面目に教えたことは間違いないけれど、よりよく導けたかというとかなり疑問です。

コメントありがとうございました。
2018.12.13 19:57 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
このお話は久しぶりでしたが、読み始めてすぐに今までの記憶が戻って来て、すんなりつながりました。
登場人物や世界観がちゃんと確立されているからですね。

ラング嬢が登場した段階で、わあ~、いやだな、という感覚に包まれて、はらはらしました。
パパよ、一体なんでこんな女を!と、床に正座させて説教したい気分でしたが、話の流れが別の方向に行き、少しほっとしたというか、ラング嬢の役割って、そっちなのか、と勝手に納得しました。

チャルナー夫人、本当にいい人ですね。そしてやっぱり聡明だ。もう完全にこっちのペースに持って行ってる。ここからリゼロッテの生活が変わったらいいなあ。いや、きっと変わるでしょうね。
2018.12.16 03:37 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
う~ん・・・地味(失礼)ですけれど、しっかりとしたベースの上に構築されている物語だという事がよくわかります。
ブレが無いというか、お話の安定感は抜群です。久しぶりのUPですけれど、その時代に入り込んで安心して読めますよ。

さて、ラングさん、思い切り掻き回しそうなキャラですが、今回は良い方の役回りですね。
リゼロッテにとっては追い風になったようで、その面では良かったと思いました。
でも家族の繋がりを乱しそうな展開にもなりそうで、ちょっと気になってはいます。
お父さん、しっかりしてよ!と言いたいところですが、この時代の考え方なのでしょう。仕方のない面もあるのでしょうか?
チャルナー夫人はリゼロッテをどのように導くつもりなのか、この人の行動力に期待します。
2018.12.16 05:15 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
このシリーズ、実はひそかなファンなのでゆっくりペースででも
こうして更新してくださるのがとても嬉しいです。

さてさて、前半は少しひやひやしましたが、学校デビュー!
に繋がるお話とわかって安心いたしました。
なるほど、ハイトマン氏は、「この時代の制約」というのもあって
こうした振る舞い、発言になっている部分もあるのですね。
とはいえ、リゼロッテくらいの年齢ってまだまだお父さんお母さんの温もりが
欲しい年頃ですよね。途中で例の紫陽花のオルタンスに想いを馳せていたりしますし、
お父さんと、「母親」という役割には程遠そうな(少なくとも今の段階では)
ラング嬢に挟まれていたたまれない気持ちになっているのがひしひしと
伝わってきます。
これが現代の東京とかだったら悲壮感が漂うのでしょうけれど、
幸いにもここは20世紀初頭のカンポ・ルドゥンツ村、
チャルナー夫人はじめ、手を差し伸べてくれる大人がいっぱいいるので、
救われる感じがしますよね。ジオンやなんならハンスもいますし。ってこれはわたしが彼のファンなだけなのですが……

それから、時代を反映してるなぁ、と感じたのが
アポロ座の看板女優というところで、えっと、この時代ってテレビってまだ
ないんですっけ? 第一次世界大戦あたりまでのお話ですよね。
物語に直接関係ないところとはいえ、
このお話は実際にこの時代を生きたスイス人の方のお話を参考にされてるということもあって(だったかな?)ランス嬢の服装とかお父さんの発言とか興味深げに読み進めさせていただいています。
秋からはいよいよ学校ですね。ゆっくりペースで続きをお待ちしておりますね。
2018.12.16 11:33 | URL | #- [edit]
says...
リゼロッテちゃんの家庭環境が…おおお…!
当時の身分や階級、意識の差などについてもとても考えさせられるお話でした。

チャルナーさんの提案は、普段からリゼロッテをきちんと見ている人の言葉だなあと思いました。
赤毛のアンなどでもそうですが、牧師夫妻という人たちは
とても聡明な印象が昔からあります。
村の人たちを注意深く見守っているような。
(村に牧師がいる、という文化に不慣れなので想像しかできないのですが…)
リゼロッテのお父さんを否定することはなくても
言うべきことをぴしゃりと言う姿、とてもかっこいいです。
お父さんも忙しそうで、なかなかリゼロッテと話ができないのでしょうけど
お父さんなりに娘を心配している様子も伝わってきますので、
今の娘をあまり知らなくてすれ違ってしまっているみたいな感じもしますね。

心は早くも学校です!
きっと色んな出来事が待っていそうですが、お友達もいますし
楽しい学校生活になるといいなあ。
2018.12.16 17:34 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

この話、まだあまり走り出していないので、忘れていても問題のあることはほとんどないかも……。
一応の設定はようやくここで整った感じです。
要するに、何でこっちの学校に通っているのか、というお話。

女優は、娘の顔を見に来たわけではなく、イタリアに遊びに行くついでに……という感じでした。
結婚するとしても、子供はついてこないで欲しいと思っているのは見え見えですけれど。

チャルナー夫人は、リゼロッテの人生のお手本になる女性なのです。
自分も挫折しているし、それでも頑張って教師の役割を果たし、牧師夫人としても村人に慕われています。
でも、ただの優等生ではなくてユーモアもある女性ですね。
それに、スイスや田舎を少し馬鹿にして、旧弊な価値観のハイトマン氏に、ちくっと刺すことも忘れないですし。

リゼロッテは、本当に学校に行くことになります。
またしばらく空くかと思いますが、また読んでいただけると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2018.12.16 20:42 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

あはは、私の小説に、派手なのってないじゃないですか。
この話は、モデルとなる時代と場所があるので、あまり勝手なことは書けませんね。
服装なんかも、やはり当時の流行(女優の服など)や、当時の村人の写真などを参考に書きますし。

このパパの彼女の設定ですけれど、要するに駆け落ちした母親だけに離婚の原因があったのではなく、どっちもどっちだと言うことの象徴でもあります。それに、二人ともリゼロッテのことをいらないと思っているわけではないのですね。だけれど、二人とも、子供が第一ではないのです。その辺は一般によく描かれる父親像母親像とは違いますが、わりと現実には即しているかなと思います。

それに、よくあることなんですよ、成功した男性でトロフィー系の女性と付き合いたくなるのって!

チャルナー夫人は、こうしたリゼロッテの家庭環境を一番よく目にした人なので、他の村人よりもリゼロッテに親身になって導いていきます。それに、ハンス=ユルクの叔母さんですしね! (これは関係ないけれど)

コメントありがとうございました。
2018.12.16 20:51 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

意外にこの話を読んでくださっている方、多くて驚いています。

本当は、この話は「女優の登場」だけで終わらせるつもりだったんですけれど、それだけだといつまで経っても本題に入れないのでどんどん進めてしまいました。

今時だったら、いくら仕事が忙しいからといっても、子供を使用人任せにしてどっかに行っちゃう父親はどうよと思いますけれど、当時の金持ちはわりとこんな感じだったようです。一方、貧しい方はもちろん親と子供はもっと密接でしたよね。

リゼロッテは、子供の頃からこういう環境で育ったので、もう一つ言えば、たぶんお父さんもこういう環境で育ったので、これがおかしいと言うような感覚があまりないのですよね。今では「心理学的には」とか「スキンシップとは」とかいろいろな考え方が定着していますが、当時は「こういうもの」だったのかと。

で、田舎のカンポ・ルドゥンツ村では、みんながリゼロッテのことを知っていて、学校に通うようになったらさらに構ってくるようになります。私自身も現代ではあっても、東京ではあり得ないような村社会の人間関係に驚きましたから、この時代はもっとだったろうなと。

で、ジオンたちはもちろん、ハンス=ユルクねいろいろと助けてくれる予定です。
この人はアナリースの甥で村の子供たちのリーダーですから、彼女に頼まれてリゼロッテの面倒を見ることもあるのですよ。

ドイツのテレビ放送は1935年が初めてですからまだ始まっていません。そもそもまだラジオ放送が始まっていませんからね。
というわけで、いくら綺麗な人がそこにいても、スイス人にとっては「あんた誰?」なわけです。
今で言うパパラッチなんて存在もまだいませんしね。
お母さんがアメリカ人と駆け落ちしちゃったのも、飛行機ではなくて船ですし。ま、その辺の細かいことはどうでもいいんですけれど。

そんなこんなで、「森の詩 Cantum Silvae」ほどではないものの、時代考証に時間がかかるので亀更新になりますが、また読んでいただけると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2018.12.16 21:39 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

この当時はちょっとした金持ちはこんな感じで、今でも例えば貴族なんかだと若干こんな感じがあるのかも。
ま、トラクターに乗っている侯爵夫人、なんてのもいましたけれど。

牧師という存在ですけれど、現在の日本で言うと民生委員みたいな役割も持っていたり、村のもめ事を調停したりすることもあるし、けっこう暮らしの中で重要な役割なのですよね。

日本の昔の農村でのご住職とその奥さん、みたいな存在かもしれません。
わりと尊敬されているし、みんな言うことも聞くし。っていうか、怒らせると冠婚葬祭などで自分が困るじゃないですか。
それに近いのかなあ。

それと、アナリースは、一度外伝で書きましたが、自分が女だから不当な扱いを受けて、それにめげずにここまで来ている人なんですね。
だから、リゼロッテのお母さんに対する理解、リゼロッテのこと、その他のいろいろなことを俯瞰して見てアドバイスをくれる存在として位置づけています。

父親も、リゼロッテを邪魔に思っているわけではないのですけれど、かといって自分を犠牲にしようとまでは思っていない様子です。
まあ、実際にその必要もないんですけれどね。

で、リゼロッテは(作者の私にとって)首尾よく、学校行きの許可を得ます。
次回は、学校デビューになります。
また暫く空くかと思いますが、次回も読んでくださると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2018.12.16 22:01 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
まずはメリークリスマス!(イブだけど。今日はチリテレくんに乗ったらいきなり「メリークリスマス」と言われたので^^;)でも、旦那さんはアフリカなんですよね。元気で留守がいい、ってのもありますし、この間にお家の模様替えが進みますね。また公開してくださいね!
そして、コメントがご無沙汰になっちゃっててすみませんでした。

そもそも、昔って少年少女文学全集みたいなのがあって、必ずしも家にあるとは限らないけれど、図書館なんかではいく冊かは借りて読んでいたりしたものですね。もっとも、私の愛読書は明智小五郎にホームズにルパンでしたけれど。
でも、今の小学生がそういうのを読んでいるようには思えないんですよね(あ、少年少女文学全集的なもの)。時代ですかね。社会に身分差・階級があって、戦争や社会変革の波がいつもどこかしらにあって、そういう中で書かれていた物語を自然に受け入れられる世代じゃなくなっているのでしょうね。
だから、こういう世界にノスタルジックな想いを抱くのは、やっぱり我々の世代なのでしょうか。なんて想いながらこちらのシリーズを読ませて頂いています。なんだか、夕さんがこういう世界観を残しておきたいと想いながらこの話を書かれているような、きれいごとじゃなくて、その世界自体がそのままの姿だから意味があるんですよね。そのお気持ちが伝わってくるようで、とてもいいなぁと思います。
(勝手に思ってるだけかも)

個人的には、ハイトマン氏の「リゼロッテは大事だけれど、自分の生活も大事だし(どっちかというとそっちの方が大事?)、ドロレスのような女性と付き合うのは自分のような男にはステータス的にありだし、田舎は嫌いだし、あれこれ」みたいな立ち位置が面白くて、にやにやしちゃいます。
そして、牧師夫婦のような人の存在、こういう人生の師のような人がいるって事も、こういう物語にはとても大事ですよね。リゼロッテの成長が楽しみになります。
時々登場してもちゃんと世界観があるので思い出せる(あ、登場人物紹介は、やっぱりちょっと振り返っちゃいますけれど)ので、安心して次を待てます。
2018.12.24 10:50 | URL | #nLQskDKw [edit]
says...
メリークリスマス!

チリテレくん、なにげにナイトライダーのKITTですよね。いいなあ。(なんだそりゃ)
こちらも、連れ合いに邪魔されることなく、どんどん片付け……まだは進んだんですけれど、掃除は済まないまま時間切れですorz
でも、見た目はかなり洗練されたから大満足! 某I店まで行った甲斐がありました(笑)

さて、児童文学と言えば。子供の頃わが家には「児童名作選」みたいな本が二つありまして、「秘密の花園」や「家なき子」など海外の翻訳物(でも、おそらく「いい物語」に多少変えてあったらしい)をせっせと読んでいる小学生でした。で、学校の図書館では、ルパンや明智小五郎、確かに借りていました。もっともあれも、小学生にふさわしくない設定は全部変わっていたらしいですが。そりゃそうだよなー、江戸川乱歩って、けっこうエログロな作風なんだから。

全然関係ないですけれど、テレビで天知茂主演の明智小五郎シリーズ、ありましたよね。あれ、よく見てました。変装をとるシーンがお約束でワクワクしたなあ。(関係のない話題をひっぱってすみません)

さて、今の子供たちって、何を読んでいるんでしょうね。私たちの子供の頃よりも、情報が多くて、幼稚園生でもタブレットを操るご時世、親が与える本を大人しく読んだりしていないのか、それとも親が与える本が全く違うものになっているんでしょうかね。

この話の設定を現代にしなかったのは、やはりそういうこともあり、今時、ドイツとスイスの相違だの、農家と金持ちの交流だの書いても、なんか「そうじゃない」という話になってしまいそうだったんですよね。

ハイトマン氏の設定は、わざとこういうことにしてあります。よく児童文学にありがちな「素晴らしいお父さん」でも「子供を虐待するひどいお父さん」でもなくて、時代の制約をうけつつ、善良な人間であろうとしつつも、やはり、いろいろ欲や自我やあれこれのあるごく普通の人間の一人として書きたかったんですよね。その点は、ドロレスも、アナリースも、全て「善人vs悪人」みたいな単純なキャラ設定でなく、「まあ、こういう人と立場ならこうでしょ」と納得のいく言動にしたいなと考えています。

また亀更新になるかと思いますが、また読んでいただけると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2018.12.24 21:01 | URL | #9yMhI49k [edit]

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