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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】好きなだけ泣くといいわ

今年最初の小説は、毎年書いている「十二ヶ月●●」シリーズです。今年は2013年にやったものと同じ「十二ヶ月の歌」にしました。それぞれ対応する歌があり、それにインスパイアされた小説という形で書いていきます。一月はジュリー・ロンドンの「Cry Me A River」を基にした作品です。

月刊・Stella ステルラ 12、1月号参加 オムニバス小説 stella white12
「月刊Stella」は小説、イラスト、詩等で参加するWEB月刊誌です。上のタグをクリックすると最新号に飛びます。


かなり有名な曲ですし、著作権的にわからないので訳は書きません。検索するといっぱいでてきますし。歌詞は、不実だった元恋人がやってきて泣いていると言うのに対して「私だって散々泣いたんだから、川のように泣くといいわ」と返すものです。

出てくる登場人物は、「ニューヨークの異邦人たち」シリーズのサブキャラたちです。今回登場しているのは、「ファインダーの向こうに」と「郷愁の丘」のヒロイン・ジョルジアの妹であるアレッサンドラと、その周辺の人物。元夫のレアンドロも別の外伝で既に登場済みですね。


短編小説集「十二ヶ月の歌 2」をまとめて読む 短編小説集「十二ヶ月の歌 2」をまとめて読む

【参考】
「ニューヨークの異邦人たち」
「ニューヨークの異邦人たち」




好きなだけ泣くといいわ
Inspired from “Cry Me A River” by Julie London

 丁寧に雪かきをしてあっても、石畳の間に残った雪が凍り付いていた。安全にドタドタと歩ける無粋なブーツを履いていなかったので、いつもよりもスピードを落として慎重に歩いた。アレッサンドラ・ダンジェロが、雪道で滑って転ぶなどという無様な姿を晒すことは、何があっても避けなくてはならない。

 スーパーモデルとしてだけではない。ヴァルテンアドラー候家当主プリンツ・ツア・ヴァルテンアドラー の称号を持つ男と結婚したため、現在の彼女にはそれにふさわしい品格が求められているのだ。
 
 娘のアンジェリカは、暖かい部屋でもうぐっすりと眠っているはずだ。父親のもとでの二週間の滞在を終えて、明後日またアレッサンドラと共にアメリカに帰るのだ。

 九歳になるアンジェリカは、アレッサンドラの最初の結婚で生まれた娘だ。その父親であるレアンドロ・ダ・シウバは、ブラジル出身のサッカー選手で、現在はイギリスのプレミアムリーグに属するチームで活躍している。娘を溺愛しているにもかかわらず、毎週のように会いに来ることが出来ないのは、そうした事情があるからだ。

 だから、学校の長期休暇には、アンジェリカが長い時間を父親と過ごすことに反対したりはしなかった。時おりイギリスまで娘を送り迎えする必要があってもだ。

 今回はレアンドロが、アレッサンドラと今の夫がヨーロッパでの多くの時間を過ごすスイス、サン・モリッツへと足を運んだ。そして、愛する娘との長く大げさな別れの儀式を繰り返した後に、滞在しているクルムホテルに戻った。

 そのまま、彼の鼻先でドアを閉めて、暖かい室内に戻ってもよかったのだ。なのに、どうした氣まぐれをおこしたのだろう。彼女は、前夫に誘われてクルムホテルへと行ったのだ。重厚なインテリアのエントランスの奥に、目立たないバーがある。別れてから五年経っている。アンジェリカの受け渡し以外の会話をしたのは本当に久しぶりだった。

 スイスという国に、有名人の多くが居を構える理由の一つに、この国の住民の有名人に対する態度がある。たとえ、いくら山の中とはいえ少し大きな街に出れば化粧品や香水の巨大な広告は目に入る。金色の絹のドレスを纏い挑戦的に微笑むアレッサンドラの顔はすぐに憶えるだろう。街を歩いていて「あ」という反応を見せる人はいくらでもいる。けれど、彼らはそのまま視線をそらし、何事もなかったかのように歩いて行く。カメラを取り出したり、通り過ぎてから戻ってきてサインをねだったりしない。

 ホテルの従業員たちも、バーにやってきたのがプレミアム・リーグで活躍する超有名選手と、離婚した超有名スーパーモデルだということを即座に見て取っただろうが、それとわかるような素振りは全く見せなかった。

 クルムホテルのバーで、たった一杯カクテルを飲み、一時間後に颯爽と立ち去った。タクシーを呼んでもらうこともなく、迎えをよこすように連絡することもせずに、彼女は一人歩いた。頭を冷やすために。

 別れた夫との会話が、彼女の頭に渦巻き、彼女を戸惑わせている。

 彼は、二人の共通の興味対象について話しだした。
「それで、お前がこちらで過ごす時間が増えているなら、いっそのことアンジェリカの学校もロサンジェルスにこだわる必要はないんじゃないか」
「そうね。でも、この辺りには英語で通える学校はないのよ。ルイス=ヴィルヘルムはフランス語圏には、今のところ行きたくないみたいだし。もう少し大きくなったら寄宿学校という案も考えないでもないけれど」

「そうか。マンチェスターの学校ってわけには……」
「いきません」
ぴしゃりと言われて、レアンドロは仕方ないなという顔をした。

「あなたは父親だし、意地悪で会わせないっていっているんじゃないわ。でも、離婚原因を作ったのも、毎週会えないほど遠くに行ったのも、あなたの選択でしょう。私を困らせないで」

「それは、わかっているさ。だから、あの子にもっと会いたくても我慢しているんだ。それに、その、俺の方もずっとイギリスに居続けるって決めたわけじゃないし。でも、アンジェリカとの時間はとても貴重だし、あの子に家庭のことで悲しい思いはさせたくないんだ」

 それを聞くと、アレッサンドラは片眉を上げた。キールの入ったグラスに光が反射している。その姿勢はお酒の宣伝の写真のように完璧で、レアンドロは改めて元妻がスーパーモデルであることを認識した。だが、彼女の口からは、コマーシャルのような心地よい台詞は出てこなかった。

「よくもそんなことを言うわね。で? ベビーシッターと結婚すれば、家でじっとあなたを待っていてくれる人と、アンジェリカと三人で幸せな家庭になるとでも思ったってわけ?」
「……それとこれとは……」

 レアンドロは三本目のブラーマ・ビールを頼んだ。よく冷えたグラスが置かれ、バーテンダーが注ごうとするのを手で制し、瓶を受け取るとそのままラッパ飲みをした。

「始めから結婚するつもりでソニアに手を出したわけじゃないさ」
「手を出してから、乗り換えようと決心したってわけね」
「そう具体的に思ったわけじゃない」

「でも、そうなのよね。私が、一日中テレビ・ショッピングでも見ながら、家の中であなたを待っていなかったから」
「つっかかんなよ。そりゃ、あの頃は確かにお前に腹を立てていたけど」

「けど、何よ。お望み通り、若くて家庭を守る妻を持ったんだから、私に因縁をつけるのはやめてよ。言っておくけれど、アンジェリカの親権は絶対に渡しませんから。あの女の元になんてぞっとするわ」
「わかっているよ。それにソニアは、その、口には出さないけれど、さほどアンジェリカを歓迎していないし……でも、お前だって、再婚したんだし、おあいこだろう」
「ふふん。あいにくだけど、ルイス=ヴィルヘルムは、アンジェリカを大切にしてくれているわよ」

「その前のヤツは」
「あの男のことを思い出させないで。あの結婚はそれこそ完全な間違いだったわ」

 アレッサンドラは、眉をしかめた。彼女の二度目の夫は、テレビなどで活躍するモデレーターだったが、表向きの人当たりの良さに反して、家庭では支配的で嫉妬深かった。また子供が嫌いで、アレッサンドラがいない時にアンジェリカに対して意地の悪い言動を繰り返していた。

 アンジェリカの様子がおかしいのに氣がついたアレッサンドラが、使用人の協力を得て現場を押さえた。結婚してから半年経っていなかった。一刻も早く離婚したかったため、離婚原因については他言しないという申し合わせをすることになっていた。いずれにしてもレアンドロにその件を詳しく話すわけにはいかない。あの男の愛娘への仕打ちを知ったら、後先を全く考えずに暴力を振るいに行きかねないからだ。

「そうか。二人目と簡単に別れたから、三人目ともすぐかもしれないと思ったけれどな」
「あなたには関係ないでしょう」

「別れるのか?」
「そんなこと言っていないわ。あなたには関係ないって言っているのよ。こぼれたミルクは元に戻らないって、ことわざ、知らないの?」
「お前は、いつもそうだよな。前を見て、闊歩していく。振り返って後悔したりなんかしない。それがお前らしさなんだけれどな」

 苛ついた様子を見せて、アレッサンドラは向き直った。
「ねえ、あなたは確かに私の娘の父親だけれど、私の再婚にあなたが口を出す権利があると思っているの? あの女と再婚したのはそっちが先でしょう?」

「わかっている。だけど、俺はお前と結婚した時ほど、ソニアと結婚する時に舞い上がっていたわけじゃない」
「なんですって?」

「その、半分は離婚したやけっぱちで、それに半分はソニアがかわいそうで……」
「かわいそう?」

「だって、そうだろう。お前は、離婚しようとしまいと、アレッサンドラ・ダンジェロだ。だが、ソニアは、俺に捨てられたらそのまま人生の敗者になってしまう。家庭を壊した性悪のベビーシッターってことでな。だから、俺は……」
「どうかしら」

 アレッサンドラは、多くは語らなかったが、元ベビーシッターが世間の評判を氣に病むような弱いタイプだと思っていないことは明白だった。レアンドロも、今は自分でも元妻と似たり寄ったりの意見を持っていた。

「でも、俺は今でも時々思うんだ。なぜあの時、あんな簡単にお前と離婚してしまったんだろうって」
「あなたは、自分が言ったことも憶えられないの? 私とは完全に終わりで、仕事を持つ女となんか二度と関係を持ちたくないとまで言ったのよ。不貞を働いたのは自分のくせに」

 レアンドロは、じっとアレッサンドラを見つめて、泣きそうな顔をした。
「俺は、拗ねていたんだ。子供みたいに。お前も歩み寄ってくれて、やり直せるんだって、心のどこかで期待していたんだ。アンジェリカのためだけに俺といるんじゃない、俺とずっと一緒にいたいと思ってくれているってね。その甘さのツケを今払っているんだ。申し訳なかったと思っているんだぜ。時折、俺たちの新婚時代を思い出して、こうなった情けなさに泣いたりしてさ」

「そんなあざとい口説きは、他の女にするのね。ごちそうさま、私帰るわ」
 
 アレッサンドラは、石畳を踏みしめながら、わめき散らしたい思いを必死で堪えた。泣きたいなら好きなだけ泣くといいわ。何よ、今さら。

 私がどれほど傷ついて苦しんで、泣いたと思うのよ。私は強くて振り返りもせずに前へと歩いていくですって。そうじゃない姿を世間には見せないだけよ。

 彼女は駅の近くまで降りてきた。タクシーに乗り込むと、今の家族の待つ家へと戻った。静かな一角にあるその邸宅からは、サン・モリッツの街明かりが星のようにきらめいて見える。外側はコンクリートの直線的な佇まいだが、中に入ると古い木材を多用した柔らかいインテリアがスイスらしい住まいだ。

 暖炉には暖かい火が燃えていて、ソファに座っていたルイス=ヴィルヘルムは、さっと立ち上がってアレッサンドラを迎えた。
「お帰り、寒くなかったかい。言ってくれれば迎えに行ったのに」

 1918年に多くの貴族が王位、大公位、侯爵位などを失った、その一人の末裔として、先祖伝来の宝石や城などと一緒にプライドも受け継いだはずなのに、ルイス=ヴィルヘルムにはどこか山間に走る子鹿のような臆病さがあった。優しく礼儀正しい彼は、アレッサンドラを熱烈に崇拝し、大切に扱う。彼女の仕事も、愛する娘もすべて受け入れ、尊重した。だから、アレッサンドラも、新しい夫を困らせないように、彼の家名に傷のつくような仕事は一切断り、品位を保ち、彼の信頼に応える妻であるように、新しい努力を重ねている。

 まだ二十一歳だったアレッサンドラが、若きレアンドロと出会い恋に落ちた時、品位などということは考えなかったし、努力もしなかった。そこにあったのは、火花のように燃え上がる熱い想いだけだった。世界が二人を祝福していると信じていたあの頃、豪華でクレイジーな結婚披露宴に酔いしれたこと、全てが単純で素晴らしかった。

 あれから十年以上の時が流れ、事情はずっと複雑になり、今夜の二人は同じ場所にいても、もう元の恋人同士には戻れない。アレッサンドラは、優しく抱きしめる夫をやはり優しく抱きしめ返しながら、窓の外を見た。レアンドロの滞在するホテルの辺り、サン・モリッツの街明かりが、泣いているように煌めくのを見て、そっと瞳を閉じた。

(初出:2019年1月 書き下ろし)

追記


こちらが原曲であるジュリー・ロンドンの「Cry Me A River」です。


Julie London - Cry Me A River

もっとも、私はこちらの方がこのストーリーにもっと近いと思っています。ハリウッドのショーっぽい歌。大好きなマイケル・ブーブレのバージョンです。


Michael Buble - Cry Me A River
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Category : 短編小説集・十二ヶ月の歌 2
Tag : 小説 読み切り小説 月刊・Stella

Comment

says...
あけましておめでとうございます。
本年最初の更新、お疲れさまでした。

今回は、アレッサンドラの「生身」の一面を知る、いい機会でした。
scriviamo! 2018で書いていただいた作品でもちょっと感じたんですけど、彼女、意外と(失礼!)神経の細やかなところがありますね。そういう部分を頑張って乗り越えながら、スーパーモデルなんてお仕事をやっている、という感じ。だからジョルジア姉ちゃんを見てると、もっと頑張れよと思うんだろうなぁ。
元ダンナも、まあ気持ちはわからないでもないですが、アレッサンドラの言葉じゃないですけど、なにを今さら、ですよね。そういうことはおくびにも出さず、心では泣きながらでも、顔では俺はいま幸福なんだぜとやせ我慢で笑って見せる。サッカーで一流を極めた男なら、それくらいの気遣いや男前なところをみせればいいのにねぇ。(無理な注文w)
この二人の恋愛と結婚については、二人とも若すぎた、と片付けてしまうこともできるのでしょうけど、そういう経験もまた人生には必要なんでしょうね。
つか、アンジェリカ、大きくなったときにこの親たちのことを、どんなふうに思うんだろうなどと、余計な心配をしてしまいました。
2019.01.02 14:57 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
おめでとうございます。
お正月はゆっくりとなさっていらっしゃるでしょうか。
素敵な一年になりますように!

さて、こちらはリアルもブログも既に通常モードになりました。

アレッサンドラは、けっこうキャパシティが大きい人なんですよね。何でも簡単にできる人だと思われがちですが、実は努力とガッツの賜です。で、自分はチャッチャとしているけれど、人の痛みとか、貧乏人の大変さとか、それなりにわかる人でもあるのですね。性格がいいと言うよりも、実経験から。

まあ、そんなこんなで、自力で人生ガンガン切り開いているので、同じところでぐるぐるしっぱなしの姉のことはもどかしいでしょうね。

レアンドロは、なんなんでしょうねー、この人。まあ、要するに、娘ともっと会いたいし「そもそも離婚していなかったら、もっと幸福だったんじゃ?」なんて思っているのかも。でも、今のヨメは普通にキープしていくでしょうけれど。

で、二人とも、結婚するのも別れるのも、若すぎたんでしょうね。それにどっちも経済的には困っていないので、立ち止まれなかったというか。で、それぞれ再婚しているし、アンジェリカのためには復縁するのがベストだとしても、もうはっきり言って無理、みたいな。

アンジェリカは、親が再婚しまくるんで、なんか変な風に達観しているかも。
もう少し大きくなると、別の親子関係になってくるかもしれませんね。

コメントありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願いします。
2019.01.02 21:47 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
m(__)m

スイスや西欧の方でも雪は降りますよね。。。
そちらではどんな感じで雪と生活しているのかな?
って思いますね。
そういった情景が少しだけ浮かぶ小説で良かったです。


結婚・離婚は・・・難しいですよね~~。
愛だけで結婚するわけじゃないし、
それだと、愛が冷めたら離婚ってことになりますからね。。。
( 一一)
離婚の前に別居するっていうのも手段だと思いますし。
それでも駄目なら離婚ってなるしかないですけど。
2019.01.05 02:46 | URL | #- [edit]
says...
ひょええ…><
妹さんはこんな感じの私生活なんですね
結婚って大変そう
でも大変なのに何度もできるってすごいエネルギーですよね
それだけのエネルギーがないと
芸能界やスポーツ界はやっていけないってことなんでしょうか?ブルブル
2019.01.05 13:20 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

旧年中は大変お世話になりました。
本年もどうぞよろしくお願いします。

雪は、降りますね。
っていうか、サン・モリッツは私のいる所よりもずっと山岳地のスキーリゾートですけれど。
でも、私の所でも、今凄い勢いで降っています。月曜日、会社行けるのか……?

結婚・離婚は、そうですねー。
まあ、愛と勢いだけで結婚は出来ますが、続けるのにはそれだけじゃダメですよね。

昔と違って、こちらの離婚率はとても高いので、離婚にあまり躊躇しない方が多いですよね。
それに経済力があれば、尚更です。

まあ、なんにせよ仲良く一緒に添い遂げられたらラッキーですけれどね。

コメントありがとうございました。
2019.01.05 22:06 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

結婚も大変でしょうけれど、離婚はその何倍も大変らしいです。
私は幸いまだしたことないんですけれどね。
なのに、なんで何度もする人がいるんでしょうね。

まあ、いくらセレブ系でも、結婚するときには「この人と生涯一緒にいる」と思っているでしょうから
エネルギーをバーンって使えるんじゃないでしょうか。

いずれにしてもスタミナの足りない私には無理そうです。

コメントありがとうございました。
2019.01.05 22:09 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
この夫婦、いや元夫婦ですね。最初からこうなる運命にあったような気がします。
若い2人に燃え上がった感情を制御なんて出来なかったでしょうし、その時は最良の選択だったのでしょう。
お互いに愛情は持ったのでしょうが、愛っていつまでも持続する物では無いようです。どちらも精神的に強くて、相当に有能ですから、お互いに相手が存在しなくても生きて行けそうです。愛は消え情だけが残っていて、それが2人を辛うじて繋げている、アンジェリカの存在も大きいのでしょうが、そんな感じがします。
二人目とは愛も情も消え果てて、もう完全に破局しているようですが・・・。なんでこんな男と?レアンドロとの別れが彼女を狂わせたのかもしれませんね。
三人目は大丈夫かな?サキは懐疑の目を向けてはいますが、今の時点では安心しています。
アンジェリカ、何度か物語に登場していますが、別々にですが父と母の愛情を受けられ、二人目の男とは切り離され(アレッサンドラの即断即決、良かったと思います)、三人目にもそれなりに愛され、今は幸せなんだろうなと思います。
生きていく時間が長くなれば長くなるほど事情は複雑になる一方で、壊したくない物も増えていきますよね。
レアンドロ、そんなこと言っちゃって・・・男って単純過ぎない?
今の夫を抱きしめるアレッサンドラの冷めた視線に、彼女の複雑な気持ちを見た思いです。
2019.01.06 12:47 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

旧年中は大変お世話になりました。
本年もどうぞよろしくお願いします。

この二人は、結婚したときは、今のような状態は考えていなかったでしょうね。
まあ、離婚するかもと考えて結婚する人はいないでしょう。

結婚は、恋情だけでは続きませんね。生活ですから。
で、どちらも、それぞれの世界で活躍の出来る、能力と努力はあるのですけれども、相手のために歩み寄る余裕はなかったのでしょうね。
それでもどちらかに経済的問題などがあれば、立ち止まって考えたりもするでしょうけれど。

日本だと、離婚した後は、一生顔も見たくない、子供にも絶対に会わせない、なんて親も珍しくありませんが、欧米では飲酒や暴力などの問題がない限り、親子の関係は片方の一存で断ち切ったりはできません。だから、アレッサンドラも、レアンドロとアンジェリカが逢うことに対しては協力しています。でも、本人にとっては終わったことだったのですよね。

さて、アレッサンドラの三人目の夫、ルイス=ヴィルヘルムのことは、次作「霧の彼方から」に少しだけ出てきますが、この人もちょっと変わった人なんです。でも、まあ、アンジェリカとも、わりと上手くいっているようですよ。

レアンドロは、わりと単純な人で、「娘と一緒にいたい」「アレッサンドラのことも嫌いってわけじゃない、っていうか、やっぱりかなり好きなタイプ」ということから「復縁できたらいいなあ」くらいの発想ですが、それにあたっては現在の妻との修羅場が待っているということなどはあまり考えていないのかも。一夫多妻制じゃないんだし、適当なことを言ってんじゃないよ、ってところでしょうか。

アレッサンドラは、そこら辺はもう少し考えている人で「今さらどうにかなるわけないでしょ」の反応です。ま、そうですよね。

この歌を聴いて、この話は自然に出てきましたよ。

コメントありがとうございました。
2019.01.06 22:07 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
おお、新年一作目は十二ヶ月シリーズですね。
早速作品を発表されてる夕さんの姿に背筋が伸びる思いです。

そうそう、アレッサンドラ、レアンドロが思ってるみたいに、
また世間が思っているように、決して絵に描いたような「強い女性」ってわけじゃないんですよね。普通に傷ついて、普通に悲しんでる。でもそれを決して「見せない」。
けど、ここがやっぱり、一流のモデルとそうじゃない人の違いなんだろうな、
って作品を読んでて思いました。
ジョルジアも、レアンドロとはまた違うのですが、
あえていうならレアンドロ視点に近い視点をどこか持っているような
女性という気がします。だから、ジョルジアやレアンドロ視点で見る限り、
やっぱりアレッサンドラって太陽みたいに前だけを向いて歩く「強い女性」という枠組みから抜けきれない女性って感じがします。
なんですかね、アレッサンドラって、外から理解しようとすると中々理解しづらいんだけど、こうして内側から見てみるとすんなり理解できる不思議な女性だなって今回拝読していて思いました。
それから、今回は「だめだめ」な役どころとして登場しているレアンドロですが、
うう、すみません、わたし、レアンドロの気持ちもわからないでもないです。
そりゃやってることはなんて身勝手な、って感じなんですが、こう、男性心理として家庭を守る女性を志向する気持ち自体は理解できないでもないよなぁ、と。その後未練たらたらぐるぐるしているところも含め、レンアドロ自身の個性であると同時に、案外これって「男性あるある」なんじゃないかとも感じてしまいました。

それだけに、新しい夫のルイス=ヴィルヘルムとの差が際立つようにも思いました。
アレッサンドラみたいなタイプの人は、レンアドロみたいな凸型の男性よりこういう凹型の男性のほうがはまるような気がしました。って変な例えですが……でもこの人も変わっているということで次作の「霧の彼方から」がますます楽しみです。
2019.01.07 02:16 | URL | #- [edit]
says...
日本人って、結婚した人とは一生添い遂げるのが美徳、って言う観念があるけど、不貞の旦那に我慢して添い遂げるのは違うなと、アレッサンドラを見ていて思いますね。
二度目も酷い男に引っかかってしまったけれど、こうやってちゃんと自分にふさわしい人と出会う事が出来た。いろんな経験をしてひとつずつ階段を上がっているような……。
一番いいのは、最初にダメ男を見抜く力なんでしょうが、難しいですもんね。
自分が家庭を壊しておいて、その自分の今現在にも不満を言うレアンドロは、やっぱりダメ男。一番みっともない。
タイトル通り、たくさん泣くべきです。
失敗しつつも前を向き、自分の誇りを失わないで気丈に歩くアレッサンドラはカッコいいな。
2019.01.08 04:01 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
こんばんは。

これを一本目にしたのは、「scriviamo!」の時間稼ぎならびに、一月はその後発表が相次ぐだろうから先に出してしまえ、という目論見です。
今年の「十二ヶ月の●●」シリーズは、また「歌」にもどりました。いちからネタを探すよりもイメージが湧きやすいなと思ったので。
一本目は、ずいぶん前からこの話をイメージしていた曲で始めることにしました。

アレッサンドラは、世間の注目を浴びているし、成功しているから、幸運の寵児であるといえばそうなんですけれど、実は、少しそんな性格でもあります。あまり心配したり氣遣ってもらえないですからね。まあ、でも、兄が十分氣遣いの雨を降り注いでいるので、足りていないわけではないでしょう。

ジョルジアは、心配してもらうばかりで、妹の苦悩を思いやるほどの余裕はなかったようですね。アレッサンドラとレアンドロが修羅場になったときは、まだジョンに傷つけられたショックでまともに外にも出られなかった頃でしたし。二回目の離婚の時は、事後報告。ジョルジア、家族からも逃げていましたしね。

レアンドロは、そうですね。私としては、「わりと普通の男」が、金と名声を持っちゃったら、つい暴走しちゃった、みたいな感じかなあと思っているんですよ。普通はトップモデルをみて「イカすな」と思っても結婚どころか知り合うこともないし、万が一どうにかして結婚できたとしても、勢いで離婚したりしないと思うんですよね。浮氣のおイタの方は、金や名声がなくてもやるでしょうけど。

なんか「世界のトップアスリート」として扱われているうちに、何をしても歩み寄ってもらえると勘違いしちゃったみたいな。

で、実際にいろいろやっちゃって、蓋を開けてみたら、「ところでなんで離婚する必要があったんだっけ」みたいな。娘とは全然会えないし、新しい妻は思ったほど言いなりでもないし(当たり前)、娘を引き取って一緒に暮らしたいとは思ってくれていないみたいだし、それにアレッサンドラは今みてもやっぱりいい女だし、と。かといって、今の妻とすっぱり別れてから正々堂々と求愛に来るというのでもなく、なんなとなくジャブを噛ましたりするところが、ちょっと小ずるい。私の好きな小市民っぽい感じです。

ルイス=ヴィルヘルムは、お生まれのせいか、いや、それにしても、なんだか変わった人なのですね。アレッサンドラに夢中なのはいいのですが、この人も別の意味で暴走ぎみです(笑)カペッリ家の姻戚は、わけのわからないキャラでいっぱいになってきた……。この人の話は、今度ゆっくりと書きたいなあ。

実は、二月末からイギリス取材旅行なんですよ。「霧の彼方から」への。仕上げ前にちょっと行って、それからダッシュで書こうと思っています。そちらも読んでくださると嬉しいです。

コメントありがとうございました。
2019.01.08 14:52 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんにちは。

アレッサンドラ、最初の結婚は何も考えなくて、実際にレアンドロはほとんど表裏がない(あってもバレバレ)な人なんですが、二人目は完全に表裏のある人でした。ここでもお勉強して、三人目はかなり長いこと考えてから決めました。

日本の方が「一生添い遂げるのが美徳」っていうのは、「どちらかが我慢せよ」に近いと思うんですよね。(女性の方が多いかも)別に不貞はしなくても、子育ても家事も全て奥さん任せで、自分はゴロゴロしていたりゴルフにいっちゃったり、病に伏せっていても助けてくれなかったりと、そういう不公平についても奥さんは声を上げられなかった、なんて時代もありますよね。

スイスもそうですけれど、アメリカでもこの日本的な旧弊な「良妻」は一切流行っていなくて、すぐに離婚になる感じがあります。周り中離婚した人たちばかりなので、「親が離婚したら子供がかわいそう」などという話すら出てきません。なんせ離婚していない家庭の方が少なかったりして。

レアンドロは、言っていることが子供のままですよね。
普通は、こんな「あれもこれも」は無理なんですけれど、たまたまアスリートとして成功してしまったので、自分がお子様であることに氣付くのが遅いってことなのかなと思います。要するに、こういう本音ってあるかもしれませんが、それが叶うと思うなってことですよね。

この発想の元となった曲、二つ貼り付けましたが原曲の方はやはり昔の歌らしく、どちらかというと女性が許している感じのトーンなんですよね。
「愛しているって言うなら、証明しなさい。ここに来て川のように泣いて」と、こう「戻ってきていいわ」的な感じがあるんですよ。

で、二つ目の動画では、歌詞は同じなんですけれど、途中に「そんなこと言っているけれどどうせ嘘っぱちでしょ」的な歌詞が入っていて、しかも歌い方も「今さらなんだい!」的なトーンが強いように思うんですよ。アレッサンドラの心境としてイメージしていたのはこちらでした。

コメントありがとうございました。
2019.01.08 15:20 | URL | #9yMhI49k [edit]

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