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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】あの日、庭苑で

scriviamo!


「scriviamo! 2019」の第九弾です。山西 左紀さんは、「絵夢の素敵な日常」シリーズの短編で参加してくださいました。ありがとうございます!

山西 左紀さんの『PX125』

山西左紀さんは、SFを得意としていらっしゃる創作ブロガーさん。お付き合いのもっとも長いブログのお友だちの一人で、このscriviamo!も皆勤してくださっています。

ここ何年かは(私が先に書く)プランBでのご参加が続きましたが、今年はサキさんが先行で。そして、この作品は、サキさんのブログ33333ヒット記念作品として私のリクエストにお応えくださった作品でもあるのです。詳しくはサキさんのブログで作品を読んでいただくとして、これに対して何をお返ししようか、少し悩みました。

そして思い出したのが、この作品について、サキさんがちらっと「シンクロしている」と話してくださったことなんです。全くの偶然なんですが、私が「野菜を食べたら」という作品を発表したとき、とあるシチュエーションが、執筆中のサキさんの作品とシンクロしていたのですね。

というわけで、私からのお返しは、その「野菜を食べたら」で出てきたあの娘の話を書くことにしました。サキさんの作品で描かれた「仮面を被ったお嬢様」をテーマにしました。サキさんの方では仮面を取ろうとしていますが、こちらは被ろうとしています。「野菜を食べたら」のちょうど一年前でストーリーが始まります。


【参考】
郷愁の丘「郷愁の丘」を読む

「ニューヨークの異邦人たち」
「ニューヨークの異邦人たち」


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「scriviamo! 2014」の作品を全部読む
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あの日、庭苑で
——Special thanks to Yamanishi Saki-san


 鏡に映るのは地味な服装に身を包んだ自分だった。黒にかなり寄ったグレイの生地は野暮ったかったし、小さな丸みを帯びた襟も全く好みではなかった。アンジェリカは、むしろ黒い糊の効いたシャツのシャープな襟を立てて着る方が好きだ。たとえモノトーンのシンプルな装いでも、アクセサリーの付け方ひとつ、選ぶ靴一つで、「さすがあのアレッサンドラ・ダンジェロの娘ね」と言わしめるだけのファッションセンスを彼女は持っていた。けれど、今日の服装は、その反対の印象を与えなくてはならない。アンジェリカ・ダ・シウバという娘が、雇い主の家族であることを、誰にも悟らせないようにしなくては。

 彼女は、持っていこうとしたアクセサリーを全て引き出しに戻すと、パタンと音を立てて閉じた。彼女の持っているアクセサリーは、貧しい十七歳が手にするような品物ではない。持っていることがわかってしまったら、盗んだと疑われるか、さもなければ経歴に疑問を持たれるだろう。

 アメリカで育ったブラジル移民の娘という経歴は、嘘ではない。そのブラジル移民が、誰もがその名前を知るサッカー選手であることは、伏せているが。母親は未だにファッションアイコンである元スーパーモデル。伯父は、健康食品会社の経営者である大富豪。母親の三度目の夫は、いつだったかの神聖ローマ帝国皇帝の血を引く貴族で、いくつかの城を所有している。その中で、もっとも辺鄙なところにあるために所有者ですらほとんど行かない城に、アンジェリカは夏期休暇中の仕事をしに行く。

「なぜ、ファルケナウにしたのかい? エッケンブルグなら勝手も知っているし、私も毎週のように足を運ぶから、安心だろう?」
母親の夫であるヴァルテンアドラー候家当主は心配そうに言った。

「だからよ、ルイス=ヴィルヘルム。あのお城で働く人たちはみな私が誰だか知っているもの。それに、あなたがちょくちょくやってきて私を甘やかしたら、私また給料泥棒になってしまうわ」
アンジェリカは言った。

 昨年は、ニューヨークのヘルサンジェル社で三週間働いたのだが、初日からCEOである伯父と顔なじみの経営陣たちに甘やかされて、まったくまともな仕事ができなかったのだ。

「でも、ファルケナウは本当の田舎で、息抜きのショッピングも出来ないよ。代々の城主が滅多に行かなかったから、使用人たちも代々地元の人たちが彼らなりのやり方を踏襲していてね」
「そういえば、ママも行ったことがないって言っていたわ」

「落ち着かないからなかなか足が向かなくてね。近くに空港もないので、往復に時間がかかるんだ。そうまでして行く理由も考えつかないしね」
ルイス=ヴィルヘルムは、困ったように言う。

「でも、あなたの息子は、あそこに住んでいるんでしょう?」
アンジェリカは、不思議に思って訊いた。

「そうだね。この春に引っ越したんだ。それこそもっと便利なエッケンブルグや他の城を勧めたんだが、仕事でチェコに行くことも多いので、あそこがいいと言うんだ。もっともいつまであそこに耐えられるか、私も様子を見ているよ」

 ルイス=ヴィルヘルムの最初の妻は、やはり彼と同じ階級の出身で、離婚後は息子を連れてベルリンに引っ越した。息子であるヨハン=バプテストはヴァルテンアドラー候家の跡継ぎとして、ルイス=ヴィルヘルムがドイツにいるときは側で時間を過ごすことがあった。

 アメリカの小学校に通い、卒業後はスイスの寄宿学校に入ったアンジェリカは、自身がルイス=ヴィルヘルムの城で時間を過ごすことが少なかったので、ヨハン=バプテストと顔を合わせたのは母と養父の結婚式を含めて二度だけだった。でも、その二度目のことは忘れないだろう。

* * *


 アンジェリカは九歳になったばかりだった。母親が、ドイツの貴族と結婚したのは前の年の年末だ。アンジェリカの学校があるので、ロサンジェルスの家での暮らしがベースになっていたが、アメリカに馴染めないルイス=ヴィルヘルムのために長期休暇の時は、ヨーロッパに戻るのが常だった。

 その夏は、一番大きくて由緒のあるエッケンブルグ城に滞在していた。ここは、ヴァルテンアドラー候家の本拠地で、かの神聖ローマ皇帝もここで生まれ育ったという。ここ十数年は、スイスのサンモリッツを本宅としているルイス=ヴィルヘルムも、ドイツでは大抵この城に滞在するのだ。

 育ったロサンゼルスの家は敷地が千二百平米あり、広くて豪華だ。その家に慣れていたアンジェリカでも、本物の城に滞在するのは初めてだった。城から門までも車でないと行けないし、その途中に鹿や雉などが生息しているというのも驚きだった。また城門から街までもやたらと時間がかかる。街からはどこでも小高い丘の上にあるエッケンブルグ城が見えて、それが南東の方角を知る目印だと言われた。

 城には同年代の子供はいなかった。ルイス=ヴィルヘルムの息子がやはり長期休暇のために滞在していると聞いていたけれど、十四歳のドイツ人の少年にとってアンジェリカは、仲良く遊ぶような存在ではないんだろうなと思った。

 半年前の結婚式の日に引き合わされたヨハン=バプテストは、敵意こそ示さなかったけれどアンジェリカの兄になってくれるつもりは毛頭ないようだった。今回も、アレッサンドラやアンジェリカと親しく付き合いたいという意思の全く感じ取れない形式的な挨拶だけをして城のどこかに引っ込んでしまった。彼は、父親に会えたこともさほど喜んでいるようには見えなかった。

 私なら久しぶりに会うパパには抱きつくのに。アンジェリカは、思った。ヨハン=バプテストとは、食事の時にしか会わなかったし、全く話しかけられることがなかったので、もしかして彼は英語がよくわからないのかしらと思った。

 アンジェリカに常に英語で話しかけてくれる城の使用人たちは数人で、彼女は特別に訴えかけたいことがなければ、意思が通じないくても、そのままにしていた。必要ならば、黒い服を着たシュミットさんやブレーメルおばさんを探すか、ママやルイス=ヴィルヘルムに訴えかければいいんだもの。

 彼女は、九歳にしては考えが大人びていた。パパとママは有名人だし、仕事が忙しいから、いつも一緒にいられなくてもしかたない。ルイス=ヴィルヘルムはママの二番目の夫だったあの意地悪な人と比べたらずっと感じがいい。別につらいこともない。だから問題は起こさないようにしようと。

 言葉が通じない人たちとは親しくなれなかった。友達もいないし、城の滞在も数日も経てば退屈になってきた。テレビゲームはないし、スマホに入っているゲームにも飽きてしまった。

 アンジェリカは、城の中を探検してみようと思った。ヨーロッパのお城に滞在する子供向けドラマで見たように、もしかしたら宝物のある洞窟なんかがあるかもしれないし。そういえば、ママはどこへ行ったんだろう。朝食の後、姿を見ていないな。

 アンジェリカは、絨毯が敷かれ歩幅が広く歩きにくい階段を降り、広間の裏側から庭園へと向かった。フランス式に剪定されたコニファーの間を通り過ぎようとしているときに、向こうからヨハン=バプテストが歩いてきた。

「ハロー、ヨハン=バプテスト」
「やあ、アンジェリカ、どこへ行くんだ?」
彼がドイツ語ではなくて、英語で問いかけたので、アンジェリカは意外に思った。話せるのかな。

「退屈なの。だから、お城を探検してみようと思って。あなたは、もう探検した?」
彼は、苦笑して首を振った。
「探検はしていないよ。別に、魔法使いや竜が隠れているような城じゃないしね」

「洞窟は?」
「グロットのことかい? あちらに見える噴水の裏側が、ちょっとした洞窟みたいな装飾になっているよ」
「宝物、隠してあるのかしら?」
アンジェリカが期待を込めて訊くと、彼は肩をすくめた。
「宝物があるとして、隠すとしてもあそこじゃないだろうね」

 彼は、アンジェリカと探検ごっこをしてくれるつもりは毛頭ない様子だった。とはいえ、すぐに立ち去りたそうな様子でもなかった。

「ママかルイス=ヴィルヘルムを見なかった?」
「さっき二人で、庭園の奥の方へ歩いて行ったよ。案内しようか?」
「ええ。お願い」

 フランス式庭園の終わりは、階段になっていて、降りていくと木陰の小径になっていた。そこには孔雀や雉の仲間が放し飼いになっていた。

「見て。あの鳥、判事さんのカツラみたいな頭よ」
「ああ、あれはキンケイっていうんだ。アジア原産だよ」
「あの尻尾が長いのは?」
「オナガドリ。日本の鶏だ」

「ヨハン=バプテスト、あなたとても詳しいのね」
「この城には何度も滞在しているから、さすがに憶えるよ」

「そうか。あなたもママとパパのところを往復しているのよね」
「今はそうでもない。寄宿学校に入って長期休暇の時にどちらかに帰るだけだ」

「帰るか……どっちも『帰る』だけど、どっちにも『行く』のよね」
アンジェリカの暗いつぶやきに、彼は足を止めて向き直った。妙な言いまわしだが、彼にはその正確な意味がすぐにわかった。
「どこか居心地が悪いのかい? ここの話? それともイギリスにいるお父さんの家?」

 アンジェリカは小さなため息をついた。
「居心地が悪いって程じゃないわ。パパはいつも大騒ぎして迎えてくれる。ママも帰るとぎゅっと抱きしめてくれる。でも、ソニアがね、パパの奥さんなんだけれど、うんざりって顔で私を見ることがあるの。そういう時に、マイクみたいに私のこと邪魔だと思っているんだろうなって、納得するようになってしまったの」

「マイクって、誰?」
「マイク・アッカーマン。前にママと結婚していた人」

 ヨハン=バプテストはなるほどという顔をした。マイク・アッカーマンはアメリカの著名なテレビ・モデレーターで、アレッサンドラ・ダンジェロとはわずか半年で離婚した。

「そのアッカーマンが、君を邪魔だっていったのかい?」
「ええ。お前はママが嫌いになったダメ男の子供だ。ママはリセットして新しい人生を始めたのに、子供だから放り出せないで迷惑している、ママも私のことを邪魔だと思っているって」
「アレッサンドラが、そんなことを言ったわけじゃないんだろう?」

「言わないわ。ママは、『マイクの言ったことは全然デタラメよ。ママとパパは離婚したけれど、どちらもあなたのことは深く愛しているわ。それは感じるでしょう?』って言ったわ。だから、そのことを疑っているわけじゃないけれど……」
「けれど?」

「あのね。マッテオ伯父さんがドールハウスを買い換えてくれた時にね。私、前の時にお氣に入りだった安楽椅子をとっておいたの。でも、新しいドールハウスには新しい家具があって、その椅子を入れるところがないの。それを見て、マイクが言っていたのは、こういうことなのかなって。古い家からきたものは、どんなに好きでも、あたらしい家には、上手く入らないんだなって」

 彼は心にもない否定を口にはしなかった。
「君は、その歳でずいぶんよく考えているんだな。驚いたよ」

 アンジェリカは肩をすくめて言った。
「でも、ママやルイス=ヴィルヘルムには言わないでね。大騒ぎして心配するもの」
「言わないさ」

 やがて、二人は少し開けた庭園に出た。そこには各種の薔薇が放射状に植えられていた。その中心には、つる薔薇で覆われた白い木の東屋があり、探していた二人が座っていた。

 ルイス=ヴィルヘルムは、最愛の妻の手を取り、じっと見つめながら楽しそうに語りかけていた。彼女は笑顔で答えて楽園のような光景を楽しんでいた。それは一幅の絵のように美しかった。夏の始まりの、輝かしい新緑と、深く艶やかな薔薇の花、多忙な美の女神である妻を穏やかで慎み深い夫が讃美している。おそらく誰にも邪魔をされたくないであろう、ほんのひとときの至福。

 アンジェリカは、黙ってしばらくその二人を見ていた。穏やかな風が吹き、薔薇の香りが満ちた。

「私、あっちの方を歩いてくるわね」
そう言って、背を向けたアンジェリカの背中は、小さな子供のようだった。そう思ってから、ヨハン=バプテストは、そうじゃないと思った。彼女はまだ九歳の子供なのだ。懸命に背伸びをして寂しさと戦っているけれど、大人びた台詞ほど、彼女は寂しさと折り合いをつけているわけではない。

 新しいドールハウスに上手く収まらない家具は、アンジェリカだけではなかった。彼には、アンジェリカの居心地の悪さがだれよりもわかった。彼は少女に近づくと、その手を握った。

 驚いて見上げる彼女に、彼は、慣れなくて難しかったけれど、可能な限り優しく笑いかけて言った。
「僕が、案内してあげる。あっちには、小さな滝があるし、昔、僕が海賊ごっこをした小屋がある。一緒に宝探しをしよう」

 アンジェリカは目を輝かせた。
「本当? あなた、海賊役するの? 私、さらわれたお姫様の役、やっていい?」
「いいとも。今日だけ、特別だよ」 

* * *


「アンジェリカ、本当に考え直すつもりはないのかい?」
「もちろんないわ。大丈夫よ、ルイス=ヴィルヘルム。そんなに心配しないで。私、これでもけっこうドイツ語が上手に話せるようになっているのよ。なんとかなると思うわ。どうしても耐えられないようなことがあったら電話だって出来るんだし、それに、ヨハン=バプテストもいるじゃない」

 そういうと、ルイス=ヴィルヘルムは少し困ったような顔をした。
「その、君はあいつと長らく会っていないだろう? その……あいつは、悪氣は全くないけれど、とても無愛想でな。君のような都会的な女の子の扱いも下手で、あまり上手にかばってくれないかもしれないぞ」 

 アンジェリカは、そっと微笑んだ。仏頂面のまま、一生懸命お姫様をさらう海賊の役をしてくれた少年の姿を思いだす。

「彼は、私のお芝居にきっと付き合ってくれるわ」
小さなスーツケースを軽々と持ち上げて、彼女は楽しそうに笑った。

(初出:2019年2月 書き下ろし)
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Category : scriviamo! 2019
Tag : 小説 読み切り小説

Comment

says...
「仮面」を要素にした素敵な物語、書いていただいてありがとうございました。
アンジェリカとエル、どちらもお嬢様なのですが、だいぶ性格的には違うのかな。
やっぱり作者の違いが出てくるんでしょうね。
大富豪や貴族の生活の描写は、完全に夕さんのほうがそれらしく読めますから、やっぱり凄いなぁと感心しています。サキなんかほとんど描写できませんから・・・。
そしてその貴族の跡継ぎヨハン=バプテスト登場ですが、やはり第一印象だけで人を決めつけてはいけませんね。
ヨハン=バプテストって、きっといけすかない奴だ・・・なんて思っちゃいましたよ。
ところが読み進めると彼、いい奴じゃないですか。
ちょっと無愛想だけど、他人を思いやるいい人みたいですね。
仏頂面のまま、一生懸命お姫様をさらう海賊の役をしてくれた少年の姿を想像して思わずにやけてしまいます。
兄を演じるつもりは無いのかもしれませんが、年上の友人にはなってくれそうです。
ルイス=ヴィルヘルムも変わった人というイメージだったのに、案外良い人っぽいです。
一生懸命アンジェリカの世話を焼いて、心配している様子はほほえましいです。
夫婦仲もよさそうだし。ちょっとは子供に気を使えよ、なんて勝手なことを思ってしまいましたけど・・・。
両親、義父(?)、義兄(?)、叔父、叔母夫婦、そしてその友人たち、バラエティーに富んだ人たちばかりですが、悪い人はいないようです。ソニアの態度ぐらいは我慢しなくちゃいけないかな。
アンジェリカの生活環境が、こういう子を描いた物語にありがちな荒廃したものではなかったことに安堵しています。あの鬱屈した時期が短い時間だったのが本当に良かったです。
考えてみれば幸せな子なのですが、そこに安住してしまわないところがアンジェリカだと思います。
これって母親のアレッサンドラの血でしょうか?
自立心が強いというか、たくましいというか、彼女も素敵な子です。
9歳と14歳か、すると今は17歳と・・・などと、サキはまた余計なことを考え始めていますが、放っておいてくださいね。

あ、シンクロの話ですが、この物語の書き出し、サキが今書いている作品とシンクロしています。
驚いちゃいましたよ。
「scriviamo! 2019」に正式にエントリーすべく書いていますのでお待ちください。
2作目ですが、お許しください。
お忙しそうなのですが、出来上がりそうなので出すつもりにしています。

素敵なお返し、嬉しかったです。
2019.02.08 11:38 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
執筆、お疲れ様でした。

なんか、今年はアンジェリカが大活躍ですね。
前回の「野菜を食べたら」でも思いましたが、いやじつにいい子ですね。
9歳で大人びているのは、母親の二回の離婚再婚のせいだとは思いますが、こういう人たちの子どもにしては、すごくマトモでしっかりしていて、しかも嫌味なところがなくて、庶民的な感覚もある。
自分の正体を隠して、ちゃんと人並みに働きたいって、殊勝な心がけじゃないですか。

ソニアやマイクみたいな人物もいるけど、概ね、彼女の周囲の人間もいい人ばかりですよね。今のパパも、妻の連れ子にも優しいし。やはり環境かな。
ヨハン=バプテストもそうですけど、親が離婚や再婚しても、ひねくれたりしていないところがいいですね。
やはりちゃんと愛情を注いでもらっているというところが、大事なんだろうな。

ドールハウスと安楽椅子のたとえ、ああなるほど、と納得。家庭だけじゃなく、そういうことってありそうですよね。
2019.02.08 12:32 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こんばんは。

シンクロついでで、こんなお話になりました。
アンジェリカとエル、もちろん個人のキャラクターの違いもありますけれど、なんせアンジェリカはアメリカ人ですからね。
やはり姿勢などは少し違うんじゃないかしら。

今回のストーリーは、これまでに行ったいくつかのお城をイメージして書いています。
豪邸だって住んだことはないですけれど、城ともなると具体的な生活はいまいちピンときませんよね。

ヨハン=バプテストですけれど、というか彼に限らずですが、ものすごくいい人でもなければ、悪い人でもないですかね。
物語のキャラクターというと、どうしても善玉と悪玉に分けてしまいがちですが、そういうことではなくて、それぞれの人生の中での立ち位置によつて意味合いが変わるって感じでしょうか。彼にしてみたら、まあ、父親の再婚相手の子供のお守をする義務はないわけで。
でも、なんか身につまされてしまったようですね。もう育ってそんな歳じゃないのに海賊ごっこをする羽目に。

で、アンジェリカは、またかまってもらえると皮算用していったみたいですが、「野菜を食べたら」で二行くらいでさらっと書いてありますが、全然構ってもらえなかった模様(笑)

アンジェリカも、別に出来た子じゃありません。よそのブログのお嬢様がたのように「才色兼備 頭脳明晰」みたいなあれこれを授かったわけではなく、まあ、わりと母親似ですが、そこそこの容姿と親の金だけですね。で、それなりに挫折もしつつ、これからもう少しまともになっていくんじゃないでしょうか。

そして、もう一つの作品を書いてくださっているとのこと、ありがとうございます。
又してもシンクロとは嬉しいなあ。
例年の感じで言うと、もう半分は過ぎたんだろうなと思っています。例年より少ないのかもしれませんね。
というわけであまり忙しくないので、どうぞ遠慮なさらずに(笑)

まずは一作目のご参加、ありがとうございました!


> 素敵なお返し、嬉しかったです。
2019.02.08 23:43 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

そうなんですよ。この人、今年は時空を行き来して大活躍です(笑)

TOM−Fさんのところの「可愛いだけじゃなくて、ものすごいスペック」の女の子たちと違い、アンジェリカは容姿は母親にわりと似ているのでまあまあですが、あとは金持ちの娘というだけです。学校でも退学にはなりませんが、別に優秀でもないし、自分でも自覚しているんですよ、あの二人の娘というレッテルなしには何も出来ないってことぐらいは。

で、前回があまりに給料泥棒だったので、本人としても「このままじゃダメだ」と言うことだけはわかっているわけです。
でも、だからといって、現場で大活躍してみんなに驚かれる、なんて都合のいいことは起こらず、ちょっと意氣消沈して帰ってきたみたいですよ。「野菜を食べたら」では、二行くらいでこそっと書いてありますが。

ドールハウスのたとえですけれど、アンジェリカも親にもっとなんとかして欲しいと思っているわけではないのですよね。
もちろん想いとしては、パパとママと幸せに暮らしたいというのがあるんでしょうけれど、もうそれは無理だと分かっている。
二人とも再婚しているし。

前の方がいいと言ったら両親が困るともわかっているし、自分も新しいドールハウスで頑張らなくちゃいけないと理解している。
でも、なんとなく収まりが悪くて、言えない想いを持て余しているんですよね。

こういうのって、離婚した家庭という事例だけでなく、TOM−Fさんもおっしゃっていますけれど、いろんな状況であり得ることだと思うんですよね。

ぐれちゃったりとか、大騒ぎしたりする場合には、それはそれでドラマになりますが、案外、こんな風に黙ってモヤモヤしている人、たくさんいるんだろうなと思って書いてみました。

コメントありがとうございました。
2019.02.08 23:56 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
外伝でちょこちょこ顔出ししているルイス、
なんと神聖ローマ帝国皇帝の血を引く貴族でしたか!
彼、本当に大貴族なんですねぇ。

とルイスのことはともかく、立場変われば物事は変わってみえるもので、
今回は母アレッサンドラの陰で必死に背伸びして頑張っている健気な
アンジェリカの姿が印象的でした。
普段、何気なくアレッサンドラ視点で彼女の離婚歴を目にしていた
わたしたちですが、そうですよね、よく考えればアンジェリカが
何も感じてないはずないんですよね。かといってわかりやすく道を踏み外す
わけでもなく、その場でじっと耐えていろんなことを想っていたんだなぁ、
とちょっと切なくなりました。
ドールハウスの安楽椅子の例えは本当に秀逸で、離婚って母親側にしてもそうですが
子供にしてみたら自分の置かれてる「箱」自体が大きく変わることですから。
そこのあたりの苦しみが、直接的な表現ではないのに
直接的に表現するより伝わってきました。

ルイスの息子のヨハンは、アンジェリカとは年が離れていることもあって
簡単に「子供同士の世界」と言い切れないところもありますが、
同じ境遇の者同士、一瞬でも何か通じ合うものがあったみたいですね。
もっとも、数年後再会したときはそんな甘酸っぱい展開はなかったということで、
それもまた人生の醍醐味だよなぁ、と(笑)

左紀さんのエルさんもですが、お嬢様という、ある意味一般の
人とは違うものを抱えたもの同士、その「抱えたもの」の切り取り方が
とてもうまいなあぁ、と感じました。
アンジェリカもエルさんも最後はほんのりハッピーエンドで
そこはよかったなぁ、と思います(*^^*)
2019.02.10 04:52 | URL | #- [edit]
says...
親の七光りみたいな境遇もそれはそれで大変ですね
周りが勝手に配慮してるし
実力があったとしてもコネとか言われそうだし…
さらに家庭も複雑で…
それにも負けず活動しててすごいです
2019.02.10 14:04 | URL | #- [edit]
says...
こちらにもありがとうございます。

これねぇ、一応何度かは書いてはいますけれど、ちゃんと解説していないのでわかりにくいかと思います。

ルイス=ヴィルヘルムはTOM−Fさんのところの某姫君みたいなすごい地位の貴族ではありません。いや、金は持っているし数代前はけっこうすごい貴族だったんですけれど。
1918年に、ドイツの貴族は一氣に爵位を失っていまして、彼はそうした「元侯爵家」の家長なんです。
侯爵(Fürst)というのは、一国の君主くらいの高い地位なんですけれど、(例・リヒテンシュタインやモナコなど)、そういう地位を持っていた人の多くが「もう名乗っちゃダメ」になってしまったんですね。で、そういう人たちの直系子孫で家長であるような人は「候家当主(Prinz zur)」という名乗り方をしているわけです。「昔の侯爵の世継ぎ」みたいな。で「いつだったかの神聖ローマ帝国皇帝の子孫」というのも「源なんとか」なんてどっかの武士が「元を辿れば清和天皇」と言うのと同じで、そんな人、いっぱいいるわけなんですよ。ただ、侯爵と名乗れなくなっても、お金と土地はまだ持っているので、お城がいくつもあるというわけです。そういう人たち、ヨーロッパにはいるんですよ。

でも、そういう中途半端な地位だからこそ、アメリカのモデルなんかと誰にも反対されずに結婚できるわけです。
ま、今時は本物の王子様でも、謎の出自の女優と結婚できたりしますけれどね。

アンジェリカのこういう無理している姿は、「ニューヨークの異邦人たち」カテゴリーの第一作で初登場した時にもちらっと触れましたが、傍目では「子供らしくなくて可愛くない甘やかされたガキ」なのですけれど、本当は我慢してこう振る舞っているって設定なのですね。
でも、これだけ甘やかされているし、両親とも決して悪い人ではないので、ぐれるほどの要素はないのです。
例えばグレッグの子供時代に比べたら、格段に幸せですしね。

本人も、自分の立場は、大してつらくないとわかっていて、文句を言うべきではないとわかっているんです。
でも、本音の部分、「本当はパパとママと三人で仲良く暮らしたい」という当たり前の想いを抱えながらモヤモヤしているんですよね。
それがドールハウスのたとえにも出てきているんだと思います。
前のドールハウスは処分されてしまって、もう戻れないけれど、戻れたらどんなにいいだろうって。

ヨハン=バプテストは、アンジェリカと違って「三人で仲良く暮らせたら」なんて想いは全く持っていません。
それに、もう少し(グレッグほどではないけれど)親から疎外された状況で、無愛想なのはそのせいもあります。
父親に会えても、そんなに嬉しくないというか。
やはりドイツ人のハイソな人と、ブラジル人サッカー選手では感情表現も違いますしね。
で、唐変木なヤツなので、「ああ、仮面を被って働くのか。なら、そうやって扱えばいいんだね」とそのままやったみたいです。
そりゃ、アンジェリカにしてみたら「なんなの?!」ですわ。

思うんですけれど、サキさんのところのエルの方はもう少し年齢が上だということもあるかと思うんですが、もう少し足が地に着いていると思うんですよね。
「いいな」と思っている人に対する考え方も、しっかりと現実を見据えていますし。

まあ、今のところ、アンジェリカもいろいろとハッピーでいいのではと思っています。
一年後にはけろっとしていましたしね(笑)

コメントありがとうございました。
2019.02.10 16:15 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんにちは。

まあ、あるなら七光りには乗ったほうがいいですよ。
まあ、某国民的アイドルの娘みたいに、あまりゴリゴリやり過ぎると反発買って、それはそれでつらいことになりそうですけれど。

アンジェリカは、まだまだの甘ちゃんですが、これから人生経験を積んでパワフルなリッチガールになっていくことを望みますよ。

コメントありがとうございました。
2019.02.10 16:17 | URL | #9yMhI49k [edit]

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