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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【小説】能登の海

scriviamo!


「scriviamo! 2019」の第十三弾です。TOM-Fさんは、『花心一会』の外伝的な作品で参加してくださいました。ありがとうございます!

TOM-Fさんの書いてくださった 『天城越え 《scriviamo! 2019》』 

TOM-Fさんは、胸キュンのツイッター小説、日本古代史からハイファンタジーまで 幅広い小説を書かれるブログのお友だちです。現在メインで連載なさっているのは、フィジックス・エンターテイメント『エヴェレットの世界』。ロー・ファンタジー大作『フェアリーテイルズ・オブ・エーデルワイス』と、ハートフルな『この星空の向こうに』の両方の登場人物が集合し、物理学の世界で緊迫物語が展開しています。足りない頭ゆえ物理学の記述には既にすっかりついて行けていない私ですが、勝手に恋愛ものに読み替えて楽しませていただいています。そんなTOM−Fさんは、「scriviamo!」も七回にわたり皆勤、いつも全力で剛速球を投げてくださり、必死で打ち返しております。

さて、『花心一会』のヒロインと今回書いてくださった作品に登場する破戒坊主が邂逅する作品を以前書かせていただいたことがありますが、今回書いてくださったのは、その時に名前を挙げた方がメインになっています。そしてですね。お相手役と『花心一会』のヒロインが邂逅するお話を、TOM−Fさんは2016年の「scriviamo!」で書いてくださっているんですよ。で、その時のお返しに書いた作品と、今回の破戒坊主は、こちらの小説ワールドで繋がっているものですから、つい、輪を完成したくなってしまったというわけです。

しかし、それだけではちょっといかがなものかと思いましたので、せめてTOM−Fさんの作品と対になるようにしました。TOM−Fさんの作品は誰もが知っている石川さゆりの「天城越え」とリンクする作品になっているので、わたしもそういう話にしようと思ったのですね。それで三曲ほど候補をあげて、その中でTOM−Fさんに選んでいただいた曲をモチーフにしました。

同じく石川さゆりによるご当地ソング「能登半島」です。

「樋水龍神縁起 東国放浪記」を読んでくださっている方には、とんでもないネタバレになっています。どうして私は、本編発表まで黙っていられないのか、まったく。ものすごく自己満足な作品になってしまっていますが、「樋水龍神縁起」はいつもこうですね、すみません。ご容赦くださいませ。


【参考】
「樋水龍神縁起 東国放浪記」をまとめて読む 「樋水龍神縁起 東国放浪記」

「scriviamo! 2019」について
「scriviamo! 2019」の作品を全部読む
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「scriviamo! 2014」の作品を全部読む
「scriviamo! 2013」の作品を全部読む



樋水龍神縁起 外伝
能登の海
——Special thanks to TOM-F san


 まだ夜も明けず暗いのに、行商人たちが騒がしく往来する湊の一角を抜けて、かや は先をよく見るために編笠を傾けた。手に持つ壺には尊い濱醤醢はまひしお が入っている。もっとも鮮度のいい最上の小鯛のみを使い、家に伝わる秘伝の製法にて調整した魚醤だ。本来ならば献上品としてすぐに大領の館へと運び込まれる品だが、粗末な壺に収めてこうして持ち歩いているのにはわけがある。

 萱は、足を停め振り返った。後ろを歩いていた連れも足を止めた。密やかに問いかける。
「まことに、行くつもり? どうしても留まるつもりはないの?」

 水干に被衣、つまり中級貴族の子息を模した装束の女が頷く。
「はい。萱ねえ様。どうしても」

 萱は、黙って頷くと、先を急いだ。作蔵の船はすぐにわかった。こんなとんでもないことを頼める船頭は、あの男を置いて他にはなかった。船には何人もの荒くれ者が乗っている。若くて美しく、世間知らずの娘が無防備に乗っていれば、羽咋の港に着く前に無事ではおられまい。

 作蔵は、清廉潔白とは言いかねる男だが、萱は彼に十分すぎる貸しがある。その妹である三根が少領の家で湯女として働いていた時に、うつけ息子に手込めにされそうになり逃げてきたのをかばってやったのだ。平民ではあるが濱醤醢の元締めである萱には、少領の家の者も手は出せず、それ以来、三根は萱の元で働いている。

 船の袂には、水夫たちに荷の運び込みを指示している頭一つ分大きな男の姿があった。
「作蔵」
萱の声に、作蔵はゆっくりと振り向くとニヤリと笑い、水夫たちを行かせてからこちらに歩いてきた。

「これは萱さま。まことにおいでになりましたな。三根から聴いております。では、そのお方が……」
「ええ。面倒をかけ申し訳ない。羽咋の港まで連れて行って欲しいのです」

「して、その後は?」
「港で降ろせばよいのです。後は、自らなんとかすると申している由」
「まことに? ここですら、お一人では船にも乗れないお方が?」

 その言葉に、萱はため息をつき、世間知らずの従姉妹の姿を眺めた。それから、意を決して作蔵に顔を向けた。
「羽咋に、誰か信頼できる助け手がいますか? この者を、何も言わずに数日寝泊まりさせてくれるような」

 作蔵は、ちらりと水干姿の娘を見て言った。
「わしの、わしと三根の伯父に頼んでみましょう。伯父は、わしとおなじく無骨な船頭だが、伯母は面倒見がよくて優しい。理由はわからぬが、その姫さんが誰とやらを待つ間くらい泊めてくれるでしょうよ。その……萱さま、わしにも少し頼み甲斐というものがあるならね」

 その多少ずる賢い笑いを見越したように、萱は懐から壺をとりだして作蔵の手に押しつけた。
「そなたが戻ってきて、この者がどうなったかを知らせてくれれば、後にまた三根にこれを渡そう」

 この貴重な醤醢は、闇で売りさばけば大きな利をこの男にもたらすはずだ。
「これはこれは。合点いたしました。では、お姫様、どうぞこちらへ。申し訳ないが、水夫たちに女子であることがわからぬよう、ひと言も口をきかぬようにお願いしますよ」

 深く頭を下げ、船に乗り屋形の中に姿を消した従姉妹を見送り、萱は立ちすくんだ。萱の被衣と黒髪は潮風にそよぎ、荒れる波に同調したようだった。水夫たちのかけ声が、波音に勝ると、船はギギギと重い音を立てて、夜明け前の北の海に漕ぎ出でた。

 なぜあのような便りを書いてしまったのだろう。萱は、不安に怯えながらつぶやいた。

* * *


 ふた月ほど前のことだった。萱のもとにとある公達とその連れがしばらく留まったのだ。途中で明らかになったのだが、その主人の方はかつては都で陰陽師をしていたのだが、語れぬ理由があり今は放浪の旅をしていた。

 それを、丹後国に住む従姉妹への手紙に書いたのは、とくに理由があったわけではない。面白がるだろうと、ただ、それだけを考えてのことだった。だが、彼女はこともあろうに屋敷を逃げ出してはるばる若狭小浜まで歩き、昨夜、萱の元に忍んできたのだ。

「なんということを。夏。そなたはもう大領渡辺様の姫君ではないですか。お屋敷のみなが必死で探しているはずです。すぐに誰かを走らせてお知らせしなくては」
「やめて、萱ねえ様。あたくしは、もうお父様の所には戻りません。お願いだから、渡辺屋敷には知らせないでください。安達様の元に参りたいのです」

 萱は、その陰陽師と夏姫が知り合っていたことを、昨夜初めて知ったのだ。

 夏の母親は、三根と同じように湯女として大領の屋敷で働いていたが、やがて密かに殿様の子を身ごもった。生まれた夏は長らく隠され、母親の死後は観音寺に預けられて育ったが、その美しさを見込まれ二年ほど前にお屋敷に移されたのだ。殿様は丹後守藤原様のご子息に差し上げるつもりで引き取ったと聞いている。

「そのお話は、もうなくなったの。お父様は、もうあたくしなんて要らないのです」
「なんですって?」

「藤原様は、この春にお屋敷に忍んでいらっしゃったの。でもね、手引きしたのは、妹の絢子の乳母の身内だったの。それで、わざわざ間違えたフリをして絢子の所にお連れしたの。北の方おかあさま だって、もちろんその方が嬉しかったでしょうね。実の娘が玉の輿に乗れるんですもの。もう三日夜餅も済んだのよ。だから、あたくしを引き取る必要なんてなかったの。そこそこの公達に婿になっていただければいいなんて言われているわ」

 夏は、さほどがっかりしていなかった。
「あたくしは、玉の輿に乗れなくて、かえって嬉しいのです。だって、お父様のお屋敷にいるだけで窮屈なのよ、どうしてもっと上のお殿様との暮らしに慣れると思うの? こうして萱ねえ様のお家にいると本当にほっとするわ。だから、ねえ様のお便りを読んですぐに決断したの」

「私が、いつ逃げ出して来いなんて書いたのですか」
「書いていないわ。でも、安達様が、ねえ様の所にいらっしゃるとわかったら、一刻も待っていられなかったの」

「あの陰陽師といつ知り合ったの?」
「昨年の夏、庭の柘植の大木に奇妙な物が浮かび上がって、あたくしが瘧のような病に悩まされるようになった時に、弥栄丸が連れてきてくれたの。本当にあっという間に、治してくださったのよ」

「まさか、そなたがあの二人を知っているなんて……。しかも、あの陰陽師に懸想してこんなとんでもないことをするなんて、夢にも思っていなかったわ」
萱は、頭を振った。

 夏は、両手をついて真剣に言った。
「わかっているわ、萱ねえ様。どんな愚かなことをやっているか。安達様は、あたくしのことなんか憶えていないかもしれない。憶えていても、相手にはしてくださらないでしょう。それでも、あたくしは、あの方にもう一度お目にかかりたいの。あの屋敷で、みなに疎まれつつ、誰か適当な婿をあてがわれるのがどうしてもいやだったの。それなら、あの方を追う旅の途上で朽ち果ててしまう方がいいの。お願いよ、屋敷には帰さないで。安達様を追わせてください」

 若狭国を抜け、北陸道をゆくと行っていた陰陽師と郎党を送り出して、ひと月以上が経っていた。今から陸路で追っても、そう簡単には追いつけないであろう。萱は、無謀な従姉妹を助け、追っ手の目をくらまし、彼女の望む道を行かせるために、海路を勧めた。

「夏。ねえ、約束しておくれ。もし、安達様を見つけられなかったら、もしくは、そなたの願いが叶わなかったら、必ずここに戻ってくると」
夏は、萱の言葉に頷いた。

 どのような想いで、この海を渡るのだろう。何もかもを捨て去り、ただひたすらに愛しい男を追うのは、どれほど心細いことだろう。そして、それと同時に、それはどれほど羨ましいことか。亡き父に代わり秘伝の醤醢づくりを背負う萱には、愛のために全てを捨て去り、男を追うような生き方は到底出来ない。

 日が昇り、水平線の彼方に夏を乗せた作蔵の船が消えても、萱はまだ波の高い海を見つめていた。夏は終わり、秋へと向かう。北の海は、行商人や漁師たちの日ごとの営みを包み込み、いくつもの波を打ち寄せていた。

* * *


 語り終えた老僧を軽く睨みながら、茅乃かやの は口を開いた。
「素敵なお話ですけれど、和尚様。それは、私の名前から思いついたでまかせのストーリーですの?」

 福浦港の小さな喫茶店で遊覧船を待っている茅乃の前で、奇妙な平安時代の話をした小柄な老人は、新堂沢永という。歳の頃はおそらく八十前後だが、矍鑠として千葉の寺から石川県まで一人でやってくるのも全く苦にならないらしい。

 茅乃は、福浦に住んで二十八年になる後家で、婚家の親戚筋に頼まれて独身時代に近所にあった浄土真宗の寺に連絡をした。その親戚筋の家では、なんとも奇妙な現象が続き途方に暮れていたのだが、沢永和尚は加持祈祷で大変有名だったのだ。

 無事祈祷を終え、奇妙な言動を繰り返していた青年が、嘘のように大人しくなりぐっすりと眠りについたので、家の者は頭を畳にこすりつけんばかりに礼を言い、和尚を金沢のホテルまで送ると言った。だが、和尚は、それを断り茅乃に案内を頼み福浦港に向かったのだ。
「遊覧船に乗りたいのですよ。有名な能登金剛を見たいのでね」

 そして、遊覧船を待つ間、風を避けるために入った喫茶店で、和尚は先ほどの話を語り終えたのだ。

「でまかせではありませんが、本当のことかどうかは、わしにも分かりませんな。人に聞いたのです」
「それは誰ですか?」

 和尚は、ゆっくりと微笑んだ。
「茅乃さん、あなたは輪廻転生を信じますか?」

 答えの代わりに問いが、しかも唐突な問いがなされたことに、茅乃は戸惑った。
「さあ、なんとも。そういうことを信じている人がいるというのは、知っていますけれど」

「わしのごく身近に、転生した記憶を失わなかったという者がおりましてね。その者が、千年前に経験したことを話してくれたことがあるのですよ。先ほどの話は、その中の一つでしてね」
和尚は、ニコニコとしていたが、それが冗談なのかどうか茅乃には判断できなかった。

「それで、その方はその萱さんか夏さんの生まれ変わりだとおっしゃったのですか?」
「いいえ。その陰陽師の方だそうです。後に、安達春昌と従者である次郎は、再び若狭に戻ってきて萱どのと話をしているのですな。わしは、彼の話してくれたことの多くを非常に興味を持って聴いておりました。そして、今日、ここ能登半島に来たので、どうしても夏姫の渡った羽咋の海をこの目で見てみたかったのですよ」

 茅乃は、和尚の穏やかな笑顔を見ながら、不意に強い悲しみに襲われた。和尚の言及している不思議な話をした男が誰であるか、思い当たったのだ。和尚は早くに妻を亡くし、男手一つで息子を育てた。その息子、新堂朗を茅乃は知っていた。彼女が高校生だった時に朗は小学生だったが、子供らしいところのない、物の分かった様子の、不思議な少年だった。

 茅乃は、結婚して千葉を離れ、成人した朗には一度も逢っていなかった。その朗が二年ほど前に島根県で行方不明になったという話を、千葉の母親から聞かされていた。茅乃には、和尚が辿ろうとしているのは、平安時代の若い姫君の軌跡でも、魚醤造りの元締めの想いでもなく、行方知れずになった息子の運命を理解したいという、悲しい想いなのではないかと思った。

「和尚様は、その方が羽咋にいるとお思いなのですか?」
茅乃は、訊いた。

 和尚は、穏やかに笑いながら答えた。
「どうでしょうな。いるとは言いませんが、いないとも言いませんな」
「そんな禅問答のようなことをおっしゃらないでください」

「これは申し訳ない。わしにも分からぬのですよ。どこにもいないのかも知れないし、どこにでもいるのかも知れない。そういうことです。例えば、このコーヒーの中にいるのかも知れません。だが、その様なことは、この際いいのです。ほら、ご覧なさい、遊覧船が来たようです。せっかくですから名勝能登金剛を楽しみましょう」
老人は、カラカラと笑いながら立ち上がり、伝票を持って会計へと歩いて行った。

(初出:2019年3月 書き下ろし)

追記



で。モチーフにした「能登半島」の動画を貼り付けておきます。


能登半島  石川さゆり
関連記事 (Category: scriviamo! 2019)
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Category : scriviamo! 2019
Tag : 小説 読み切り小説

Comment

says...
う~~ん。
やはり、夕さんの小説はすごい。。。
・・・ということを感じさせる。。。
夕さんの文章力は、私が現場に「在る」、
ということを認識させてくれる錯覚になるんですよね。
夕さんは普段日本にはいらっしゃらないのに、
私よりも、日本に在る、ということを感じさせる小説を描いてくれることです。
・・・という観点だけでも、夕さんの小説を読むことで勉強になることがたくさんある、、、
と思ってます。
2019.03.04 11:26 | URL | #- [edit]
says...
執筆、お疲れ様でした。

八少女夕さんにあげていただいた候補のなかから、ご当地ソングつながりくらいの気持ちで「能登半島」を選ばせていただきまして、さてどんなお話になるのか楽しみでしたが……いやあ、さすがですねぇ。
私の大暴投、またしてもお見事に打ち返してこられて、恐れ入りました。

平安時代の情景が、目の前に浮かぶような描写も素晴らしいし、登場人物も繋がっているし、ちゃんと歌詞をトレースなさっているし。作品の舞台も、ストーリーも、そして女性の名前も? 「夏」はストレートですが、「萱」と「茅乃」は秋草のイメージでしょうか。

そしてこのお話、東国放浪記のシリーズではなく、あくまでも樋水龍神縁起の外伝なんですね。たしかに、現代編は新堂和尚のお話だし、平安編の視点も萱であって、春昌や次郎ではないですし。
新堂和尚、行方不明のご子息のこと、ちゃんと見えていらっしゃるんですね。朗の所縁を訪ね歩いたりして、内心は寂しく辛いだろうに、それを感じさせずに茅乃に告げた言葉が重いなぁ。一見すると諦観にも見えますが、そこにはそうでも思わないといられないという気持ちも、あるんじゃないかな。

さて平安編。
安達春昌、ファンの助命嘆願もむなしく、野垂れ死に確定とのことでしたが、このお話を深読みすると、意外な可能性が見えてきますね。
春昌が転生した新堂朗ですが、縁もゆかりもない人間ではなく、じつは春昌の末裔だったのではないかという可能性です。
もちろん、羽咋で春昌と夏が再会できた可能性は低いだろうし、仮に再会できたとしても、あのストイックな堅物が、夏を受けいれる可能性は、再会するよりも低そうだし。
ただ、ここで気になるのは、萱の存在です。わざわざ春昌が能登から若狭まで戻ってきて(都落ちとは逆向きですよね)、萱と再会している。その事情はなにも書かれていませんが、身ごもった夏を伴っていた可能性もあるし、あるいは、忘れ形見を預けに寄った可能性もある。
いやいや、案外、萱が春昌と……なんてこともありうるかも。夏を支援して春昌の後を追わせてあげた萱ですが、そのあとの述懐にちらりと本心が見えているようにも読めるし。そうなると内心、彼女もまた春昌のことを好きだったんじゃないのかなとか、思ってしまいます。現代に茅乃という女性がいて、新堂家とご近所だったとか、なんか怪しいよな。まあそういうことではなくて、茅乃に記憶はなくても、萱の転生という可能性くらいならありそうだし。

そんな感じで、妄想が捗りまくりで、困りましたよ(嬉しい悲鳴w)
樋水龍神縁起の本編を読ませていただいた者としては、春昌には、瑠璃のほかには手を出していないという清廉さをついつい求めてしまうのですが、とはいえ、彼の末路の悲惨さを考えると、こういう色っぽいこともあってほしいなぁと願ってしまいます。
今までも年若い女性がけっこう登場しましたが、春昌への好意をここまではっきりと示した人はいなかったように記憶していますし。

はてさて、八少女夕さんの真意や、いかに。

とまれ、今回もまた、楽しく遊ばせていただきました。
いやあ、ほんとうにいいですね、この企画。
いいお話を読ませていただき、ありがとうございました。
2019.03.04 15:39 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
こちらにもありがとうございます。

昔から、日本の時代物は大好きなのですが、書くとなるとやはり難しいのですよね。
最近のラノベなどで時々見るように、現代物と代わらない言葉遣いの記述はあまり好みではないのですけれど、本当に当時の言葉遣いで書くとなると今度は難しくて書けないし、読者もついていけないと思うのですよ。それでなんとなく「時代っぽい」書き方を目指しているのですけれど、どうなんでしょうね。

その場にいるようだと思っていただけたのは嬉しいですね。
同じ港のことを書くのでも、現代の例えばイギリスの港と、平安の若狭の港は違って当然ですが、それをくどくなく表す言葉はどうしようかと、かなり悩んだりしましたので。

まだ勉強は足りませんが、これを励みにまた頑張ります。

コメントありがとうございました。
2019.03.04 20:55 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

お、なんとかお氣に召していただけたようでほっとしました。
もともとの発想は、「破戒坊主は天城で何をしていたのか」で、「そういえば東国を放浪していた誰かさんも天城は行ったかもなー」でした。
この二十年前というのは、だいたい朗の失踪と同じくらいの頃なので、そんなこともしていたかなと。
沢永和尚は、ばっちり「見える者」ですし、朗とゆりの事情も全部分かっていますから、失踪の報せを聞いてすぐに樋水龍王神社に行き、龍王の池でだいたいのことが分かったはずです。でも、外からはずっと飄々として見えるのですね。それに、遠縁の稔を我が子のようにかわいがっているのも、朗の代わりにということもあるのでしょうね。

カテゴリーが「樋水龍神縁起 外伝」なのは、破戒坊主が出てくる現代編が入っているので、「東国放浪記」には入れられないかなと。

さて、TOM−Fさんの予言or想像が留まるところを知らず、笑いました。
ま、「夏があっさり春昌の子供を身ごもる」はありませんね、あはははは。
いきなりストーカーが現れて、それと主人がそんな仲になったら、それこそ次郎がドン引きでしょう。

ただし、TOM−Fさんの想像のうち、全部が間違いではないです。
夏は待ち伏せに成功していまして、それが春昌と次郎が若狭に戻ってくる理由になるのですよ。

もともと、最初に設定した重要女性キャラは萱の方なのです。名前もそうなのですけれど。
他の所は、春昌たちは単に一過性の存在として通過するだけですが、萱の所だけは何度か滞在する予定なのですね。
春昌が野垂れ死にした後、次郎は樋水龍王神社に戻るのですが、その途中で若狭にまた立ち寄る予定です。

それと、夏がストーカー化するのもかなり早い段階で設定してありました。でも、この話、書きたくてもなかなか書く場がなくて。
で、追っていった先が能登半島になったのは、TOM−Fさんがこの曲をお選びになったからです。もはや全く「東国放浪記」じゃなくなっているし(笑)

さて、茅乃ですけれど、萱の生まれ変わりかどうかという具体的な設定はありません。そうかもしれないし、そうじゃないかも知れない、そんな感じです。ただし、この人には別の設定があります。以前にちらっと書いたことのある、破戒坊主の最後のガールフレンドなのですよ。というわけで、もし茅乃が萱の生まれ変わりで縁によってここにいるとすると、破戒坊主の方も、萱ととても縁の深いとある人物の生まれ変わりかも知れない……という話になってくるわけでして。そのとある人物はまだ登場していないのですけれど(笑)

なんてまたしても黙っていられない創作裏話はともかく、石川さゆりつながりの創作、とても楽しかったです。
出したくてウズウズしていた二人の女を書く機会をくださいまして、ありがとうございました。
来年もまた遊んでくださいね。

素敵な作品でのご参加と、コメント、どうもありがとうございました。
2019.03.04 21:41 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
TOM-Fさんの 『天城越え』も見事でしたが、
こちらの作品も本当にすごい……
歌つながりの本当に絢爛豪華な競演です。

PIYOでネタバレと仰っていたのはこのことだったのですね!
なんとなく『東国放浪記』は1話完結のイメージがあったので
こうして続きものになっていくかもしれないことが予想されて
なんだかニヤニヤしてしまいました(今回は本編の外伝、というカテゴリになってますが)。
夏姫ってあの方ですよね、櫛の件で邂逅したお姫様。

それから、わたしも読みながらTOM-Fさんとまったく同じ
想像をしてしまいまして、ファンの考えることは
一緒なんだなぁとちょっと笑ってしまいました。
そうそう、瑠璃媛以外とはくっついて欲しくないけど
こうして可能性をちらつかせられるとそれはそれで
期待してしまう、みたいな。
でもそれだけはないときっぱり宣言されてて、
ちょっと安心してる自分もいました。ああ矛盾……

でもそれは抜きにしても夏、そして萱が今後の春昌様たちの
動向に大きな影響を与えることになるのですね。

輪廻転生、と最後でそのものすばりの問いかけを
和尚様がなさっていますね。
誰と誰が繋がっているのか、と想像するのはとても楽しいですよね。
その辺をあえて厳密に設定しないことで
想像の余地が残されるところがいいなと思いました。
きっぱり繋がってはいないにせよ、こうなってくると、
まだ出てきていないという、和尚様に比例する人物の存在が
気になってしまいました。

皆さん仰られていますが、見たこともない昔の風景が、
鮮やかに迫ってくるようで、毎度のことながら、
読みながらわたしもその場にいるような気分に浸れました。
2019.03.10 04:07 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

「scriviamo!」のお返しって、いただいた作品の続きとしてお返しすることもあるのですけれど、それが無理そうな場合は、せめて何か「なんといわれようとこれがお返しなんです」と言い張れるファクターを探します。
で、TOM−Fさんの作品は、毎年素晴らしいのですが、非常にお返しの難しい作品が多いので、こうしてあの手この手で「ごめんなさい、これで許して」を繰り返すというわけです。
以前の「梅の歌」に「桜の歌」で返したと言い張ったあの作品もそうなんですけれど、今回はその時に使ったのと同じ春昌がらみでお返ししてみました。で、「石川さゆりの歌」に「石川さゆりの歌」でお返しした作品になりました。

「東国放浪記」のスタイルを少しずつストーリーのあるものにシフトしていきたいというのは、もう二年くらい前から考えていたのですけれど、他にも「書く書く詐欺」がたまっているため、なかなかそちらに手が回らないでいたのです。一番最初の妄想では、萱と夏の面識はなかったのですけれど、あまり港・港に女がいるという設定も変かなと思い、「もう重要女キャラはまとめてしまえ」になっています。でも、せっかくここまで頑張って黙っていたのに(笑)

春昌=朗のこの後ですけれど、実際には途中の生まれ変わりの時にもバンバン結婚していますし、ゆりと出会う前にはやりたい放題だったように、べつにずっと瑠璃媛一筋、貞節を守り続けたというわけではないのです。それにですね。春昌(朗)は、最後の最後まで誤解していましたけれど、「瑠璃媛が死んだのは春昌が盗み出した神罰だった」というわけでもないのですよ。龍王も「瑠璃媛を所有し続けたい」「人間の男には渡さん」などとは全く思ってはおらず、単に樋水龍王神社の面々と春昌の空回りだった、という設定なのです。

というわけで、春昌が夏と出来ちゃおうと、萱と結婚しようと、おそらくなんの神罰も下りっこないと思うんです。

とはいえ、私の話ですからねぇ。「ぐるぐる」しないってことはないだろうな……。
そもそも、ここで、いきなり春昌がハッピーエンドになったら「野垂れ死にって言っていた、あれは何?」ということに(笑)

私が思いっきり否定したのは、「次に春昌たちが萱のところに戻ってくる時に、夏が春昌の子供を身ごもっていた」という話ですね。それ以外については、ここで語ると面白くないので「秘密」ということにしておきましょう。
「能登半島」の歌ではヒロインは「十九半ば」となっていますけれど、私の中での夏は、もう少し若くていって十五歳というところです。平安時代ですしね。で、春昌にしてみたら「このお嬢ちゃんが、一体何を」という感じだったのではないでしょうか。次郎の方も「いいかげんにせえ」と思ったかと。ま、そんなこんなで、いずれ遠からず「ストーカー待ち伏せ事件」が「東国放浪記」の方でも語られる予定、っていつのことだろう。

茅乃や和尚の輪廻転生はともかく、(すでに春昌、瑠璃媛、次郎と転生後の集合がすこし胡散臭いほどに多いので)、萱の人生そのものは、わりと私の小説の世界またはテーマに馴染む話になりそうなので、その未発表の人物も含めていずれちゃんと書いていきたいなと思っているのです。少なくとも今のように年に二度、申し訳程度に書くような書き方じゃないようにしたいなと思っています。

コメントありがとうございました。
2019.03.10 18:03 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
そくなりました。ようやくコメントを書きにこれました。

みなさんのコメントを読んでいてようやく繋がってきました。
そうかぁ、この夏はサキがとても気になっていた、あの夏姫なんだ。
そうわかるとこの物語りの奥行きにいっそうの深みが増します。
あのやんちゃ姫の性格は全然変わっていなくて、いやそれどころか、健康になったせいもあるのでしょうか?なおさらやんちゃになっているような・・・。
愛する人のもとへわき目も振らず一直線、こういう行動は自分とはまったく違うだけに大好きですね。
行動しなければ何も始まらない、彼女のエネルギーが伝わってきます。
こんな時代ですから今みたいな考え方は全く通じないのかも知れません。究極の終着点、死というものに対する考え方も根本から違っていただろうし。
なんか、潔さのようなものを感じます。
和尚の朗に対する思いは複雑なのでしょうが、「このコーヒーの中にいるのかも知れません」・・・とカラカラ笑うその姿にも、同じように潔さを感じてしまいます。
転生して前世の記憶がある・・・サキにとっては理想の展開ですが、そんなことはないのでしょうか?朗はどんな気持ちだったのでしょう?
本編を読ませてもらっていないために、各キャラクターや転生の細かい読み込みができないのが悔しいです。
2019.03.11 11:47 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

う。わかりにくくてすみません(汗)

夏は、もともとシモジモなので、お姫様らしいしとやかさがありません。
しかも、お姫様ライフに辟易していた模様です。
ただし、春昌を掴まえてどうしようという辺りも何も考えていないようです。
まあしよーもないティーンエイジャーだと思ってください。

そういえばサキさんは「樋水龍神縁起」を未読でしたね。「Dum Spiro Spero」の方も未読でしたっけ? だとするとちょっとわかりにくいかもしませんね。
「樋水龍神縁起」の世界観は私の宗教観を反映していて、「生も死も、歓びも悲しみも、快楽も苦痛も全て一つの同じものになる」という「般若心経」への(私的な)解釈をベースにしているのです。というわけで、「そこにいるかもしれないし、いないかもしれない」「コーヒーの中にいるのかもしれない」という会話に繋がるのです。とはいえ、実際の親としての感情は、そう簡単に割り切れるものではなくて、息子の運命を理解したくてその軌跡を追ったりしつつ、その苦悩を見せないでいる和尚の姿をそこはかとなく感じていただければ、いいかなと思っています。

朗にとって前世の記憶は決して「ラッキー」ではなかったはずです。この人は最後まで、自分の運命は「神罰」だと思っていました。

というような話はともかく、とりあえず平安時代の話として「東国放浪記」を読んでいただければ、それでいいと思っています。

コメントありがとうございました。
2019.03.11 21:37 | URL | #9yMhI49k [edit]

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