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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

オックスフォードへ行きました

先日の四日間だけのイギリス旅行の続きです。

ベリオール・カレッジのホール

今回の旅行は、有休の消化のためだったのですが、以前からどうしても氣になっていたことをやるのは今しかないと思い立ったからでもあります。

「郷愁の丘」を書いていたとき、私はけっこう適当な設定をしていました。主にグレッグの背景についてです。生まれた所はけっこう真面目に考えていたのですけれど、十歳でイギリスに越してからの設定をかなりその場の思いつきで決めていたのですね。で、その後にどんどんグレッグにスポットライトが当たるにつれて、破綻まではしていないのですけれど、細かい書き込みに困るようになってきたのです。

この春から「郷愁の丘」の続編をアップする予定でいるのですが、その期日が近くなるにつれてどんどん不安になってきたんです。「これ、そうとう嘘っぱちを書いているのでは」と。

それで、とにかく一度現地に行ってみようと思ったのです。

たったの三泊で、中の二日にロンドンを離れていたのはそういう理由です。ロンドンの一泊目が明けて、最初に向かったのはパディントン駅、そして、あらかじめ予約してあった電車に乗って、オックスフォードへ行ってきました。

現地のシステムを知らないと非常にわかりにくいことですが、いわゆる「東京大学」とか「慶應義塾大学」というような一つの大学で「オックスフォード大学」というものがあるのではなくて、オックスフォードにある38のカレッジを総称して「オックスフォード大学」というのです。その辺は、もちろん行くまでに知っていたのですけれど、それぞれのカレッジがどんな風に違うのか、どのくらい離れているのか、学生はどんな生活をしているのか、など、どうもネットでは把握しにくいことが多かったのですね。

今回は、まずウォーキング・ツアーで現役の大学院生によるオックスフォードの街案内をしてもらい、有名な建物などに入りました。それから、伝統的なパブでお昼ご飯を食べ、その後にグレッグが学んだという設定のベリオール・カレッジを一人で見て回りました。

「ハリー・ポッター」が大ヒットしたため、映画で使われた建物などは、ファンが大挙して押し寄せていましたが、幸いベリオール・カレッジは、そうでなかったためか、かなり静かに見て回ることが出来て、「この図書室で勉強していたな」とか「ここでお茶していたのか」など、本文とは関係ないところにも感激していました。

実際に書き直すシーンはさほど多くないのですけれど、やはり行ってみてよかったなと思いました。もちろん実際にいっても、入学したわけではないのでとんでもないことを書く可能性は大きいんですが、それでも台詞一つにしても具体性が変わってくるなと改めて思いました。
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Category : 旅の話 / スイス・ヨーロッパ案内

Comment

says...
想像だけで書き進めると細かい部分が必要になって、どんどん不安になっていく・・・。
これは現実世界で物語を進めようとするといつも突き当たる問題です。
この問題を確実に回避するためには仮想世界を使用すれば良いのですが、仮想世界でも想像だけでリアリティを与えるには限界があります。
きちんとした裏付けがないと、やはりどうしても世界は狭くなり、リアリティが薄くなり、物語を展開させることが難しくなります。
取材旅行なんて、とっても羨ましいです。
しかもオックスフォードですか?ハリーの世界じゃないですか。羨ましいなぁ。
この写真なんか、例のあの学校のホールの雰囲気です。
彼の行動をつぶさに想像しながら見て回るのは、とても楽しかっただろうと想像しています。
この取材旅行がどのように夕さんの栄養になって次作に生かされるのか、楽しみに待っています。

取材旅行と言えば、後追いで訪れたポルトを使った物語なんかは改稿したい気持ちになってくるのですが、そうするほどでもないかなと思ったり。
実際にロンダを訪れてから書いた「YOZORA」にしても、経験したわりに上手に書けていないように思ったり・・・。ロンダはもう1泊くらいしたかったな。
サキの実力不足なんでしょうが、やっぱり創作って難しいです。
2019.03.14 14:40 | URL | #0t8Ai07g [edit]
says...
こんばんは。

基本的には、自分のよく知っているところをメインに書くのですけれど、この「ニューヨークの異邦人たち」シリーズに関しては、「瓢箪から駒」で生まれた作品なので、設定にいろいろと穴があります。まあ、それでもいいと思うのですけれど、実を言うと一番いやなのが、発表したわりとすぐ後に行って「う。しまった」と落ち込むことなんですよね。ニューヨークに関しては行く予定が皆無なので、嘘八百でもあまり心配しないのですけれど(笑)

仮想社会で書くと、確かに裏をとらなくていい利点はあるんですけれど、それ以上に現実から持ってくることが出来ずに、結局記述で悩むことになりますよね。たとえば、名前の言われなども、服装やインテリアまでも全て新しく設定しなくちゃいけないけれど、そうすると今度は名詞で書いても読者は簡単に想像できない。簡単に言うと仮想社会なのに日本語と英語があるのはご都合主義過ぎるので、新しい言語を作らなくちゃいけないとか。そうすると「扉のことは、こちらの言葉ではドアって言うんだ」と言わせて、しばらく後で「ドアを開けて」って台詞を言わせることが出来ないですよね。

私は、仮想社会や独創的な外枠を書くこと自体にはほとんど興味がない(創作する主目的ではない)ので、そこで苦悩するよりは、現実にあるものを舞台にして、そこに生きる人びとの心の動きさえかければいいやと思っているのです。だから、現実の世界をそこそこの下調べをして書いていますが、「しまった、これは嘘っぱちじゃん、恥ずかしい」になることも時々あります。今回行かなかったとしても、そこまで大きな失敗はなかったと思いますが、まあ、行ったので書けることもいくつかあって、行けて良かったと思います。

さて。
イギリス中で「ハリー・ポッター」ゆかりの場所は、観光名所になっていますが、実は私は「ハリ・ポタ」のアンチ(とまではいかないけれど、実はあまり好きではない)なので、ちょっとウザかったです。
もっとも例の縞々マフラーして嬉しそうに歩く子供たちは可愛かったですけれどね。

さて、ハリー・ポッターの撮影で使われたトリニティー・カレッジのホールは、ウォーキングツアーに入っていたのでそちらも入りましたが、やはり混み混みで、写真には必ず人が映ってしまうのです。でも、このベリオール・カレッジは、とても由緒あるカレッジにもかかわらず、
私一人だけの時間がけっこうあり、妄想を働かす余地がたくさんありました。

さて、過去に書いた話を後追いで訪れる話ですけれど、そうなんですよ。実際には書き直さなくてはならないほどの間違いはさほどないんですよね。というのは、もともと「怪しいな」と具体的なことを最小限にしていたりするからですけれど。
そして、知っているからと細々と書くのは、読む方からするとわりとウザいのではないかと思うんですよね。
サスペンスなどで、その詳細が後にトリックと関係してくるなら別ですけれど、たぶん、建物Aと建物Bの位置関係など、はっきりいって読者にはどうでもいいのかも。そう思うと、取材してちゃんと書こうというのは取り越し苦労なのかもしれません。
いろいろなことをわかっていて、いい感じのエッセンスだけを知っていることの10分の1くらいさらっと書く、そんな感じが理想ですが、やはりそうはいかないのですよね。

それはそうと、ロンダはいい街でしたよね。
そういえばしばらくスペインに行っていないなあ。
また行きたいですね。

コメントありがとうございました。
2019.03.14 20:35 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
いいですねぇ、ロケハン。

私も現実世界を舞台にした作品がほとんどなので、ロケハンはよくやります。あるいは、行ったことのある場所を舞台にするとかですね。
異世界とか架空世界を、一から構築するほどの想像力がないので、現実世界を舞台にした方が書きやすいというのもあります。もっとも、だからテキトーなことを書くと、ツッコミ受けるんですけどね(自爆)

おっしゃる通り、建物の配置とか、生活の様子とか、書きこむことのない要素も多いですけど、そういうものが分かっているのといないのとでは、描写の深さにけっこうな差が出ると思うんですよ。

こういう努力(楽しみ?)があるからこそ、八少女夕さんの作品からえもいわれぬリアリティが感じられるんだろうな、と思います。
2019.03.15 10:42 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
ほええこんなところまできちんと取材してるんですね
細かい部分のリアリティが作品のどっしりとした感じを
生んでいるんですね
でも大学のキャンパスに入るのはなんか緊張しそう
2019.03.15 13:34 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

そうですよね。TOM−Fさんとは、わりとロケ地が重なったりして(笑)
今回も例のお方がぶっ壊しまくったところなどを、巡ってきましたよ。

テキトーなことを書いて「しまった!」は私もよくやっています。ええ、バレていないところもあったりするのですよ。
こっそりずーっと後から直しても、普通の方はもう読み直したりしませんし、バレなかったらいいじゃんという問題でもあるんですけれど、やはり本人としては直したくなりますよね。まあ、根本的な筋に関係している場合はどうしようもないんですけれど。

最近はgoogle Mapなどの便利なツールもあるので、例えば「A子はサンダルでB地点まで走った」と書いた後にB地点が五キロ離れていたなんて痛恨のミスはなくなっているのはありがたいです。昔、誰にも見せなかった頃は、そもそもそういう裏取りすらもしていなかったのですけれど、よく考えたら当時はそんなツールもなかったから、調べようもなかったのですよね。そういう意味では、書き方もずいぶんと変化してきました。

というわけで、本当にロケハンが必要かどうかは微妙な感じですけれど、やはり実地に行くと知ることの出来るエピソードというのもけっこうあるので、今回も行ってよかったなとは思っています。

あ、イギリスのご飯、ずいぶんと美味しくなっていて驚きましたよ!
(結局それか)

コメントありがとうございました。
2019.03.15 23:05 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

いや、取材せずにテキトーに書いていたのですけれど、やはり発表前にちょっと調べたくなったというか、いや、書いている内に遊びに行きたくなったのか?
とにかく今回はお買い物よりも、取材を優先しました。という割には買い込んでいますけれど。

大学のキャンパスに入るのは普通はダメですけれど、ベリオール・カレッジは3ポンドの入場料で、ちゃんとコースをつけたパンフレットもくれる見学コースがあるのです。だから、堂々と入って取材してきましたよ。私も行くまでは知らず、まさか中には入れるとは思っていませんでした。ラッキーでしたね。

コメントありがとうございました。
2019.03.15 23:09 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
う~~む。
確かにイギリスとかは旅行してみたいんだよな。。。
けど、一人で行くのは怖いしなあ。。。
ツアーだと、コミュ障害の私はストレスだしなあ。。。
・・・と思いながら、今を過ごす。
ヘタレ野郎な私です。
"(-""-)"



まあ、実際に仕事も忙しいし。
海外旅行に出かける暇がないぐらいの職場だし。。。
・・・ということもあるのですが。

夕さんとか、他の人の記事で。
旅行の気分に浸ってます!!
毎度、ありがとうございます!!
(●´ω`●)

2019.03.19 04:49 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

私は、ずーっとツアーで拘束されるのが嫌いなので、基本的には個人旅行ですが
要所要所で現地ツアーに参加します。
そうすると、コンパクトに知りたいことを聴きつつ、短い時間で見ることが出来るのですよ。
それに、現地ツアーは英語で、参加者の国籍もバラバラなので、他の参加者と話をしなくてもいいのですよ。
ま、知りたいことが聞き取れるくらいの英語力は必要ですけれど。

もっとも日本から行くとなると遠いし、時差もありますしねぇ。
体を休めるためなら温泉旅行などに行く方がいいのかもしれませんよね。

コメントありがとうございました。
2019.03.19 21:11 | URL | #9yMhI49k [edit]

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