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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

【もの書きブログテーマ】創作者と読者と男と女

久々に【もの書きブログテーマ】を書くつもりになりました。【もの書きブログテーマ】は、ブログのお友達であるlimeさんの発案なんですけれど、創作ブログの方で同じテーマで書きたい方がありましたら、どうぞご自由に、です。今回のテーマは、「男女の考え方や感じ方の違い」です。

つい先日、とある男性創作者の方と交流する機会がありまして、「女性のことも普通に書いているけれど、女性から見てどうか」という話になったのです。これって、私にも悩ましいテーマでして、好き勝手書き散らしていますが、たとえば男性読者からは「こんな男いるか」とか「わかっていないなー」って感想を持たれているんじゃないかな、と思うんですよね。

昔(大昔です。元号がまもなく二つ前になるくらいの)は、一人で書いていましたし、リアルは全く充実していなかったので、とんでもない男性像を書いていまして、その当時よりはマシになったかと思いますが、それでもいまだに「結局オンナの書く絵空事だよな」的な小説であるのでしょうね。

ちなみに昭和時代にどんな話を書いていたかといいますと、女主人公の相手役は常に優男でした。(長髪率高し)

で、その優男は、何があってもどんなときでも、女主人公のピンチにはどこからともなく現れるんですが(仕事はしていないのか、っていうか、エスパーなのか、どこから湧いて出るのか)、ピンチを助けるだけで特に他の要求もせず、せいぜい手を握るだけ。

結婚して現実に男性と生活を共にすると、そんな優男はあり得ないことがはっきりします。で、現在連載しているような「手を出さない男性」を書く時には、「なぜ出さなかったのか」無理にでも納得できるような理由を考えるわけです。

書く方としては、もちろん「自分の書きたいもの」を書くわけですから、「そうあってほしい」方向に寄るのは仕方ないかなと思います。たとえば、私が別の男性のペンネームで、男性のフリをして男性読者を対象に、男性の喜びそうな小説を書いても、結局どこかに「これ女じゃないか?」とバレる要素が出てくると思うんですよね。それは、やはり今風の言葉で言う「萌え要素」が違うからだと思うのです。

女性作家は必ずそうだと言うつもりはありません。あくまで平均的な傾向です。私自身も普段は「女っぽさが足りない」といわれる性格・振る舞いであるにもかかわらず、どこか平均的な女性的感性を持っているように思います。

たとえば、恋愛でいえば、結果よりも途中が重要なんですね。どこへ行った、どんな台詞を言われたまたは言った、何を見た、何を共感してどこで泣いた、みたいなことの方が、実際に付き合った、服脱いだ、やることやった、などの結果より重要なわけです。

極端なことを言うと、たぶん同じ映画を観ていても、男性の多くが早送りしたい部分と、女性の多くが早送りしたい部分って違うと思うんですよ。

それで、滅多にないけれども私の小説で官能シーンを書くとなると、肝心なシーンは数行(しかもすぐに朝チュン)なのにその前がやけに長くなるわけです。盛り上がらせようという書き手としての「萌えポイント」が、その前の情景だの、台詞だの、実際の行為よりも前の部分に置かれているから。

さて、私が(全ての女が、ではないですよ。個人的な意見です)、プロの男性作家の小説で「ここ映画のDVDなら早送りしたい」とよく思うのは、例えば(戦闘能力が高くてかっこいい)主人公が、本筋から考えると必要もないのに、いい女の品定めをするシーン。たとえば、胸の谷間がどうとか、腰の位置がどうとか、その手のシーンです。それにそのセクシーな女となぜか秒速でベッドインする。これ、セクハラがどうとかいう理由ではないのです。口説きが全然ロマンチックじゃないんですもの、それだけ。

それに、武器の手入れをするとかいって、技術的な記述が一ページ以上も書いてあったりすると、読まずにめくっちゃいます。だって、どうせ理解できませんから。これは乗り物も同様です。私は乗り物で移動するのは好きなんですけれど、乗り物そのものにはまったく興味がない人なんです。SLでも新幹線でも、アルファロメオでも耕運機でも、あまり関係ないのです。

その一方で、花や宝石(鉱物含む)の記述なら一ページ続いても大丈夫です。勝手だ……。

そういう意味では、全ての読者を同様に夢中にさせる作品など、存在しないのかもしれませんね。その一方で、「女性読者をもっと増やしたい」とか「男性にも呆れられない作品を書きたい」という意思を持っているならば、まずは、異性作者の作品をたくさん読んで「なんでここがこんなにたくさん記述あるんだろう」というところを意識的に自分の作品に取り入れるといいのかもしれないとも思います。

それをできるのがプロなのかもしれませんね。(といって、またアマチュアを隠れ蓑に逃げようとする私……)
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Comment

says...
創作談義、興味深く拝見しました。

仰っていること、よくわかります。物書きのはしくれとしては、他人事ではないですし。

やはり、自分から見た異性というものは、どんなに努力しても書ききれないなと思います。
異性の思考回路やら行動原理はまったくわかりませんから、いろんな情報をもとに、ああだろうこうだろうと想像しながら書くしかない。でも、キャラにバリエーションは持たせたいから、デフォルメも必要になる。同性ならば自分自身の延長線上で考えれば、大きく外しはしないのですけど、異性だと一歩間違えると「そんなヤツはおらんやろ~」になりかねないですもんね。

恋愛シーンの重点をどこに置くかについても、なるほどと納得することが多いです。
女性はプロセス重視、男性は結果重視ですよね。女性はあの行為に関しては、主にお相手の「品質」を求めるのに対して、男性は回数を求める傾向にあるのだと思います。そういう意味では、女性の「品定め」の方が、男性のそれよりもシビアでリアルなのかな。

どこに力点を置くか、どのように表現するか、それはもその作家さんの個性だ、と言ってもらえるレベルには到達したいですけどね。
2019.04.29 10:20 | URL | #V5TnqLKM [edit]
says...
現実の男の人でロマンチックなことをペラペラ言えるのは
詐欺師ぐらいですもんね…
まあ男の人の好むようなピュアで優しくて…な女性キャラも
現実にはいないだろうけど…
男子も女子も現実はもっと自己中なんだ…><
そう考えると理想を書くのもいいのかもと思えてきました
2019.04.29 13:19 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

実際には「女だから」「男だから」と白か黒に別れるわけではなくて、それぞれのグレーゾーンの広がりが違うんだろうなと思うんですけれど。それでも、時おり(ベストセラー作家ですら)「これ絶対に男のファンタジーだよなあ」という記述に苦笑することがあります。で、ベストセラーになっていると言うことは、少なくともそういう記述に多くの読者は「萌える」のであると認識することになるわけです。

反対に女のことを書くのであれば「自分は違うけれど、こういう考え方や感じ方をする人も実際いるし」と、バラエティを広げるのにも怯え方が少なくて済むのですよね。それに身体の周期のことやら、お付き合いする男性には見せないように努力するしょーもない姿のことも知っているので、「これはあり」「こんなわけないだろ」が判断しやすいんですよね。

創作の話ではないですけれど、時おり言いますよね。「女の相談は同情して欲しいだけで解決を求めていないのに、男性は具体的な解決策をチャッチャと提案して『あなたは何もわかっていない!』と逆鱗に触れる」的な話。恋愛における「なんなんだよ」もそんなところに起因していることもあるかもしれませんよね。

それに、「品質」と「回数」ですか! なるほど。わかります。
いろいろな面で、そうなるのでしょうが、端的に言ってしまうと、高層五つ星ホテルでの一回と、ア●ホテルでの数回、とか? たとえ費用折半だとしても、女性なら前者を選ぶのが多そう。

まあ、基本的には違う性は想像で書くしかないし、同性だけを書くのは無理があるので、おっしゃるとおり「個性だよね」と言っていただける程度のブレにまで持っていって書ければそれでいいですよね。頑張ろうっと。

コメントありがとうございました。
2019.04.29 21:50 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

そうですね、日本の風土としては、あまり流れるようにロマンチックな台詞が出てくる男性は「ぷ、プロ?」って感じですよね。
で、女性キャラも、まあ、「それはないわ」なタイプが受けていますよね。
「三次元は無理」とかおっしゃる方、造詣だけでなく、おそらくその望むキャラクターがファンタジーなんだろうなと思うことはあります。

で、あくまで創作なのだから、趣味を極めるのもそれはそれで一つの方向であることは確かですよね。

コメントありがとうございました。
2019.04.29 21:56 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
男と女の間には 深くて暗い河がある
野坂昭如先生 さすがに上手いことをおっしゃいました。
2019.04.30 09:40 | URL | #em2m5CsA [edit]
says...
こんばんは。

本当にさすがですね。
そして、ぴったりの言葉がさっと出てくるしのぶもじずりさんもさすがすぎますよ!

令和もどうぞよろしく。

コメントありがとうございました。
2019.04.30 19:40 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
私は分からん!!(笑)
(●´ω`●)

ってことで割り切って書いていますけどね。
基本的に主人公は男性で男性目線の描写で描いておりますからね。
訪問されてくる方々は男女比は5:5ぐらいですね。
まあ、プロであれば、
男性女性目線の取材をしたりするんでしょうね。

2019.05.01 12:10 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

そうですね。結局のところは「よくわからん!」なのかもしれませんね。
私も、どちらかというと男性側からのモノローグはあまり書かないでおいて
「本当のところ何を考えていたのかは藪の中」にすることが多いです。
(ツッコミから逃げているともいう)

とはいえ、一人で黙々と書いているよりも、ブログの交流でいろいろな方の作品や意見に触れることができて、ずいぶんと参考にさせてもらっているので、ありがたいです。

コメントありがとうございました。
2019.05.01 20:46 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
来年の企画に備えてメモメモ……( ..)φ

別にやましいことは考えてません(`・ω・´)キリッ
2019.05.02 12:22 | URL | #0MyT0dLg [edit]
says...
こんばんは。

あ、また、私を困らせようと企画中ですね! とほほ。
まあ、来年企画があるかどうかも神のみぞ知るですよ〜。

コメントありがとうございました。
2019.05.02 22:25 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
リアルなキャラクターの勉強をしたいのであれば、ノンフィクション映画などの事実に基づく作品から学ぶのが手っ取り早い。
そして意外なことに、マンガのような「理想的ヒーロー」の人生を歩んでいるものは多い。
F1レーサーのアイルトンセナもそうだ。彼の人生は誰から見てもカッコいい。
彼は国のために走ったレーサーだった。だからヒーローになれた。
特に自国で開催された大会で優勝を飾るエピソードなどは感動の一言。途中からギアが6速から動かなくなるというマシントラブルに見舞われながらも勝つという、伝説的結果を残している。
しかしその凄まじい試練によって、彼の体はダメージを負ってしまった……。(神経を使いすぎたため、神経過敏症になった。レース直後は体を自力で動かせないほどであった)
2019.05.04 15:59 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

「事実は小説よりも奇なり」と言いますけれど、現実の話で「物語よりすごい話になっている」ということってけっこうありますよね。
それでいうと、「ものすごいキャラクター」を超えるような人生を送り、「ありえない」と思うような性格をしている方もいるのですよね。
もっとも、事実をモデルにしたからと、そのまま書くと「嘘くさい!」と感じるようになってしまうかも。事実だというのに(笑)

アイルトン・セナのことは、実をいうとほとんど知らなかったにもかかわらず、亡くなった時はショックでしたね。
しかし、34歳で亡くなるなんて早すぎる。その間に成し遂げたことの多さを考えると驚くばかりですけれど、生き急いでしまったのか、すごすぎて消耗してしまったのか、凡人とは全く違う人生だったのでしょうね。

もっとも私の小説は、リアルなキャラクターといっても、映画の主人公のようなすごいキャラクターではなくて、どちらかというとそこら辺にどこにでもいる小市民を描いていることが多いかもしれませんね。

コメントありがとうございました。
2019.05.04 20:55 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
ああ~、こういう興味深い話題は、実際に会った時にたっぷりしたかったですよね。
物語にとって、とても重要な部分ですし、創作をしていたら必ず突き当たる壁です。

私は時々、ひとりの人間の中には、男も女も混在してるんじゃないかと思うんです。
生きていくうちに分化していくけれど、元々は一つの生き物。
それに、生活していくうえで両親だったり兄妹だったり、友人、恋人、自分の子供、多くの異性と付き合い、その思考回路を想像することができる。
自分自身が男(女)でないから、と思う必要など無く、誰の中にも異性は存在しているし、書き分ける力は備わってると思うんですよね。
ただ、自分が書いていて心地よい人物像となると、やっぱりどうしても好みが別れてしまう。これは仕方ないですよね。
だから読者に選んでもらうしかないのかも。

今週末から行く講座で、初めて雑誌用の公募の案内が来たのですが、はっきりと「40代の男女向けに書いてください」と注意書きがありました。
小説は、どんな層(性別)に向けて書くかが、結構細分化されているみたいですね。特に恋愛的要素が求められるものには。
全ての性別、年齢にヒットする物語と言うのは、もしかしてないのかも。
あえてそれを書き分ける力を養うのもありだし、自分が心地よいラインを選んでくれる読者用に書くのも、ありなんだと、最近は思うようになりました。

あ、私もDVDを飛ばして見るシーンは、夕さんと一緒です^^
ああいうのはきっと、男性視聴者への「オマケ」なんでしょうね。
2019.05.05 05:49 | URL | #GCA3nAmE [edit]
says...
こんにちは。

> ああ~、こういう興味深い話題は、実際に会った時にたっぷりしたかったですよね。
そうですよね。オフ会、あんなに長くいたし、ずっと創作の話をしていたのに……。やはり時間が短すぎたのか……今度はまじめに温泉合宿検討しようかしら。(沐浴小説ライターとしては、お風呂は外せない……って、何の脱線か……)

さて。
「ひとりの人間の中に男も女も混在」もしくは「家族友人知人とのつきあいから思考回路を想像できる」は真実で、実際そうやって書いているわけですけれど、おっしゃるとおりに、どんどん自分の好みに寄ってしまうんですよね。

もう一つのここでは触れなかった問題なんですけれど、「最初は自分とはえらく違う強烈な個性として登場させた人物を、長く書き込んで愛着を持ち続けると、いつのまにか丸くなってこちら(自分の中の是とする方向に)寄ってきてしまう」というのがあります。これも、書き手としての困った宿命なのかなと。

まあ、それでも「この人の小説は面白い」「この人の書くキャラクターは好き」と思っていただけるとしたら、結局はそれらを好む読者に読んでいただくという、非常に他力本願な要素に頼るしかないのかもしれませんね。

さて、「40代の男女向け」ですか。
難しいなあ。10代じゃないという部分はわかるんですけれど、たとえば40代と50代って、どうやってわけるんだろう。
それに、この話のテーマに戻りますけれど、男女両方をターゲットというのも、とても難しいなと思います。
反対に「書けといわれているのはラノベではない」というのは挑戦し甲斐のある課題ですよね。

それと自分がこの年齢になって思うんですけれど、50代は10代向けの作品をも普通に書くことが出来るように思うんですけれど、10代に50代向けを書くのは非常に難しいんだろうなあと。あの頃に嫌だったことが今ではなんとも思わなくなっていることもあるし、あの頃には想像もできなかった年齢による体調や人生ライフサイクルの問題もあるし、労働や余暇によるあれこれのことも想像と実際に経験したかでは全く違うと思うし。

ともあれ、limeさん、その公募に向けて執筆開始でしょうか。いつか読んでみたいなあ。limeさんの書かれる40代向けの恋愛小説。

DVDすっ飛ばし、ならびに長編小説読み飛ばしシーン、やはりあると聞いてほっとします。あっても全然構わないと思いますけれど、「ちゃんと見ろ」「一字一句読め」と言われると苦痛だな〜なんて思いますから。

コメントありがとうございました。
2019.05.05 11:05 | URL | #9yMhI49k [edit]

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