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scribo ergo sum もの書き・八少女 夕のブログ Since March 2012


Posted by 八少女 夕

シンデレラ

今日は、純粋に音楽の話を。
Hermann Vogel (1854-1921) [Public domain], via Wikimedia Commons
Hermann Vogel (1854-1921) [Public domain]

私は子供の頃にバレエを習っていました。それも分不相応に、後に世界的バレリーナになった人たちと同じ先生に習っていたのです。超絶下手っぴいな上に、努力もしなかったので、もちろん大成しませんでしたし、習い事としても全くひどい踊りでした。いま考えると本当に先生に申し訳ないし、月謝を払ってくれた親にも申し訳ないことをしました。

そんなことはともあれ、そういう環境にいたので、観にいく方も世界のトップレベルをリアルタイムで観ていました。ジョルジュ・ドンの伝説の「ボレロ」も観ましたし、シルヴィ・ギエムがパリ・オペラ座バレエ学校の生徒として日本デビューした公演も観ています。そう、あの頃の話です。マーゴット・フォンティーンやマヤ・プリセツカヤ、それにノエラ・ポントワも素敵でした。

いや、今日は、そういう話ではなくて。

一度、東京バレエ団の「シンデレラ」に連れて行ってもらいました。そして、その世界に夢中になってしまったのです。お伽噺としての「シンデレラ」は、どちらかというと嫌いだったのに、です。その理由は、音楽だったのです。(ようやく本題だ)

「シンデレラ」は、ロシアの作曲家セルゲイ・プロコフィエフの手によります。彼の作曲したバレエ音楽では「ロミオとジュリエット」の方がはるかに有名ですが、私はこの「シンデレラ」の音楽が大好きになり、以来好んでLPをかけていました。(だから、そういう時代なんですよ)

何十年も聴いていなかったのですが、不意に思い出して聴きたくなり、iTunesストアでアルバムを購入しました。Guennadi Rosdhestvenski指揮でMoscow RTV Large Symphony Orchestraのものです。

プロコフィエフの曲全般に言えることですけれど、普段私が好んで聴くロマン派の作曲家の音楽に比べて、不協和音をつかう、もしくは、リズムが不規則になることが多く、いわゆる「胎教にいいクラッシック」のような心地よさではありません。でも、いわゆる前衛的な現代音楽のような「奇天烈な感じ」ではなくて、実に叙情的で美しいメロディを織り込んであり、その切ない美しさが魅力なのです。

「シンデレラ」は「意地悪な継母とその娘たち」の出てくるシーンでは不協和音や攻撃的なリズムなどが特徴的ですが、それによって「仙女のテーマ」や「シンデレラと王子の踊り」などの美しさが際立っています。「ロミオとジュリエット」は悲劇なので、両家の諍いを象徴する不協和音や攻撃的なリズムの割合が多すぎて、ずっと聴いているのがつらいのですけれど、「シンデレラ」の方はずっと聴きやすいのです。

プロコフィエフらしい特徴的なメロディで、いつもどこかわずかに不安を感じるのですけれど、それが妙にクセになります。たぶん私は、こういう感情に慣れているのだと思います。ラフマニノフやベートーヴェンの音は、本当に好きでいつまでも聴いていたい強い憧れがあるのですけれど、それとは違う、かなり後ろ向きな叙情、たぶん私の本質的な考え方に近い、それ故に場合によっては少しつらい感情を呼び起こす音なのですよね。

少し説明が難しいので、興味を持たれた方はぜひ聴いてみてください。

追記


この動画は、ちょうどいい具合に聴き所をまとめてありました。27分ありますけれど……。

Prokofiev - Cinderella - Suite №1
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Category : BGM / 音楽の話

Comment

says...
まあ、習い事に関しては、
私もどうとも言えないのであれなのですが。
けど、この手の音楽に興味を持っていることや
夕さんがスイスに住むことになったに役立っているところがあるのかもしれない・・・。
・・・とポジティブに考えると吉かと。

私もピアノをやっておりましたが、
その関係でピアノの曲を良く聴きます。
何がしら、役に立つこともあるってことです。
2019.07.29 09:07 | URL | #- [edit]
says...
バレエを世界的バレリーナになる人と一緒に!?
本格的過ぎてプレッシャーも大きそう…
私は何も習ってなくてよかったw
創作には生かされているので
結果的には習った成果が大活躍ですね
2019.07.29 12:20 | URL | #- [edit]
says...
こんばんは。

今でも、バレエ音楽はよく聴きますね。
さすがにド田舎でバレエを観にいくことはなくなりましたけれど。

お、蓮さんがピアノを習っていらっしゃったとは。
それにピアノ曲がお好きなのですね。
意外な感じもしますが、なるほどと思う感じもします。

そうですね。何かの役には立っていますかねぇ。

コメントありがとうございました。
2019.07.29 21:25 | URL | #9yMhI49k [edit]
says...
こんばんは。

そうなんですよ。ヨーロッパの某有名バレエ団で最高峰にまで上り詰めた方と、一緒に習っていたのですよ。
まあ、私の方がずっと幼かったのですけれど、それにしても
「努力してもあんなに上手くなるのは無理だな」と思って
さっさとやめてしまったんですが、そりゃそうだろうなと、あとから思いました。

音楽もそうですけれど、創作のためには本人が上手い必要はないので
その意味では、経験がいろいろと役に立っております。

コメントありがとうございました。
2019.07.29 21:28 | URL | #9yMhI49k [edit]

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